JP2012136345A - ラベルの巻込み防止装置 - Google Patents

Abstract

【課題】プラテンローラー１３の継続的な使用による非粘着性の低下などに影響を受けずに、台紙なしラベル３のプラテンローラー１３への巻き込みを防止可能とし、安定した台紙なしラベル３の移送を保証可能なサーマルプリンターにおける台紙なしラベルの巻込み防止装置を提供すること。
【解決手段】プラテンローラー１３の径方向に形成したスリット２２に巻込み防止プレート２３を取り付けること、巻込み防止プレート２３の一部に巻込み防止突出端２９を突出形成することに着目したもので、プラテンローラー１３の径方向の面内においてプラテンローラー１３に形成したスリット２２に、プラテンローラー１３に対して相対的に固定可能な巻込み防止プレート２３を設けるとともに、巻き込み防止プレート２３の一部にプラテンローラー１３の外周面からわずかに突出して台紙なしラベル３の裏面に接触可能な巻込み防止突出端２９を形成していることを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、ラベルの搬送が必要なプリンターなどの装置におけるラベルの巻込み防止装置に関するものである。

従来から、帯状のラベル用紙として、ラベル基材の裏面側の粘着剤層に仮着させる台紙（剥離紙）を用いずに、省資源をめざした台紙なしラベルがあり、この台紙なしラベル用のプリンターも開発されている。
図５は、従来の台紙なしラベル用のプリンターの一例として、サーマルプリンター１を示す概略側面図である。サーマルプリンター１は、たとえば携帯用として構成しているものであり、プリンターハウジング２と、台紙なしラベル３をロール状に保持する保持供給部４と、内部の移送路５と、印字部６と、を有する。

プリンターハウジング２には、ベルト７などにより、たとえば作業者の腰部Ｗにサーマルプリンター１を携帯可能としている。

台紙なしラベル３は、図中に拡大して示すように、帯状のラベル基材８と、ラベル基材８の裏面に形成した粘着剤層９と、ラベル基材８の表面に形成した下層側の感熱発色剤層１０および上層側の剥離剤層１１と、を有する。
したがって、保持供給部４に台紙なしラベル３をロール状に装填しても、粘着剤層９に剥離剤層１１が接触することになるので、ロールの内層側と外層側とが互いに接着してくっついてしまうことなく、ロール状の台紙なしラベル３を移送路５に帯状に繰り出し可能となる。
なお、台紙なしラベル３には、所定ピッチでミシン目（図示せず）を形成することにより、印字済みの台紙なしラベル３を所定の大きさに切断することができる。

印字部６は、サーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３を有し、台紙なしラベル３をサーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３の間に供給し、プラテンローラー１３の回転駆動により移送して、ラベル基材８の表面に所定内容の印字を行うことができる。
なお、サーマルヘッド１２は、これをプリンターハウジング２に設けるとともに、プラテンローラー１３は、プリンターハウジング２に固定した開閉軸１４のまわりに開閉可能なカバー１５の先端部側にこれを回転可能に設けている。
印字部６において印字された台紙なしラベル３は、プリンターハウジング２の排出口１６からプリンターハウジング２外に排出され、上記ミシン目の部分で切断され、所定の部分に貼り付けられる。

こうした構成のサーマルプリンター１において、台紙なしラベル３の裏面の粘着剤層９に接触する移送路５の部品およびプラテンローラー１３などには必要な剥離性材料を用いてそれ自体で非粘着性を確保するか、その表面が剥離性（非粘着性）を有するように表面処理を行っている。たとえば、プラテンローラー１３としてはシリコーンゴム材を用いている。

しかしながら、サーマルプリンター１の継続的な使用による長時間の使用にあたっては、プラテンローラー１３における非粘着性が低下し、次第に粘着剤層９の粘着剤（糊剤）がしみこみ、さらに付着して、とくに図中、仮想線で示すように、印字済みの台紙なしラベル３が排出口１６方向ではなく、プラテンローラー１３の回転にともなってその外周面に貼り付いてしまう結果、この外周面側に巻き込まれて台紙なしラベル３の発行排出に支障が生ずるという問題がある。

また、台紙なしラベルの場合に限らず、たとえば、台紙を有しているラベルを取り扱う場合においても、台紙を剥離した後には、台紙を剥離後のラベルを搬送するローラーについて、上述した問題と同様な問題が生じる。

さらに、ラベルは、異なる材料が積層された構造であり、各層の材料の膨張係数が異なることから、反り（いわゆる、カール）が生じやすい。また、ラベルは、サーマルプリンターにより印刷時に加熱されると、片面から加熱されることもあり、反りが大きくなりやすい。さらに、印刷前に帯状のラベル連続体をロール状に巻いて収納している場合が多く、巻き癖による反りも生じやすい。したがって、台紙が剥離されずに粘着剤層上に台紙が重なった状態のラベルであっても、反りが大きい場合には、ローラーの外周面に沿って進み、巻き込まれてしまうという問題が生じるおそれがあった。

特開２００５−４７１９６号公報

本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、ローラーの継続的な使用による非粘着性の低下やラベルの粘着剤の粘着性に影響を受けずに、ラベルのローラーへの巻き込みを防止可能としたラベルの巻込み防止装置を提供することを課題とする。

また本発明は、ローラー部分における安定したラベルの移送を保証可能なラベルの巻込み防止装置を提供することを課題とする。

また本発明は、ローラーの外周面に沿って巻き込まれそうになるラベルをローラーの外周面から強制的にはがすことができるようにしたラベルの巻込み防止装置を提供することを課題とする。

また本発明は、ローラーの非粘着性を向上するように改善した専用ないし新しいローラーを採用することなく、従来のままの部品を採用して、ラベルの粘着剤の種類に応じてローラーを共通化することができるラベルの巻込み防止装置を提供することを課題とする。

本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。

請求項１の発明は、ラベル基材（８）の裏面に粘着剤層（９）を有するラベル（３，３Ｂ）の巻き込み防止装置であって、前記ラベルの搬送経路（５）中にローラー（１３，３３）を備え、前記ローラーの径方向の面内において前記ローラーに形成したスリット（２２）に、回転する前記ローラーに対して相対的に固定可能な巻込み防止プレート（２３，２３Ｂ）を設けるとともに、この巻き込み防止プレートの一部に前記ローラーの外周面からわずかに突出して前記ラベルの前記裏面に接触可能な巻込み防止突出端（２９）を形成していること、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１，２１Ｂ）である。

請求項２の発明は、請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、前記巻込み防止プレート（２３，２３Ｂ）は、前記ローラー（１３，３３）の回転軸（２４）の回転を保証しつつこの回転軸に嵌め込むとともに、かつその外方部に、前記ローラーと前記ラベルとの接触部より下流側に位置するように前記巻込み防止突出端（２９）を形成している弧状嵌込み部（２５）と、この弧状嵌込み部の両端部に位置して前記巻込み防止プレートを前記ローラーに対して相対的に固定可能な左右一対の固定端部（２６，２７）と、を有すること、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１，２１Ｂ）である。

請求項３の発明は、請求項２に記載のラベルの巻込み防止装置において、前記固定端部（２６，２７）は、前記ローラー（１３，３３）の前記外周面から前記巻込み防止突出端（２９）の突出方向とは異なる方向に突出するとともに、前記ローラーの順方向回転に対しても前記巻込み防止プレートの順方向回転を阻止可能とする第１の固定端部（２６）と、前記ローラーの前記外周面から前記巻込み防止突出端の突出方向とは異なる方向に突出するとともに、前記ローラーの逆方向回転に対しても前記巻込み防止プレートの逆方向回転を阻止可能とする第２の固定端部（２７）と、を有すること、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１，２１Ｂ）である。

請求項４の発明は、請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、前記巻込み防止突出端（２９）は、前記ローラー（１３，３３）上における前記ラベルの移送方向に沿う巻込み防止接触面（２９Ａ）を有すること、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１，２１Ｂ）である。

請求項５の発明は、請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、前記スリット（２２）は、前記ローラー（１３，３３）の外周面からその回転軸（２４）の外周面にまで達していること、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１，２１Ｂ）である。

請求項６の発明は、請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、前記スリット（２２）は、前記ローラー（１３，３３）の軸方向において左右均などな位置にその一対を形成するとともに、前記巻込み防止プレート（２３，２３Ｂ）は、それぞれの前記スリットにその一対を設けたこと、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１，２１Ｂ）である。

請求項７の発明は、請求項１から請求項６までのいずれか１項に記載のラベルの巻込み防止装置において、前記粘着剤層（９）を覆う台紙（Ｄ）を剥離する剥離部（１７）を有し、前記ローラー（３３）は、前記剥離部よりも前記ラベルの搬送方向の下流側に設けられていること、を特徴とするラベルの巻込み防止装置（２１Ｂ）である。

本発明によるラベルの巻込み防止装置においては、ローラーの径方向に形成したスリットに巻込み防止プレートを取り付け、この巻込み防止プレートの一部にラベルの粘着剤層側に接触可能な巻込み防止突出端を突出形成するようにしたので、ローラーに移送されるラベルがこの巻込み防止突出端に接触して、ローラーの外周面から乗り上げるようにしてローラーの外周面から強制的にはがされ、排出口方向に案内されるので、とくにローラーの非粘着性の低下およびラベルの粘着剤による影響を排除して、ラベルの安定した移送、発行、排出を実現することができる。

本発明の第１実施形態による台紙なしラベルの巻込み防止装置２１を装備したサーマルプリンター２０のカバー１５部分の斜視図である。 本発明の第１実施形態による台紙なしラベルの巻込み防止装置２１の部分の縦断面図である。 本発明の第１実施形態による台紙なしラベルの巻込み防止装置２１の部分の拡大断面図である。 本発明の第２実施形態によるラベル用のプリンター（サーマルプリンター２０Ｂ）を示す概略側面図である。 従来の台紙なしラベル用のプリンター（サーマルプリンター１）を示す概略側面図である。

本発明は、巻込み防止プレートの一部に突出形成した巻込み防止突出端によるラベルの強制的なはがし作用により、ローラーへのラベルの巻込み動作を防止して安定したラベルの移送を可能とするラベルの巻込み防止装置を実現した。

（第１実施形態）
つぎに本発明の第１実施形態によるサーマルプリンターにおける台紙なしラベルの巻込み防止装置を、図１から図３に基づき説明する。ただし、図５と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図１は、サーマルプリンター２０の前記カバー１５（図５）部分の斜視図である。サーマルプリンター２０は、前述したサーマルプリンター１（図５）と同様に、プリンターハウジング２、保持供給部４、移送路５、印字部６およびカバー１５などを有するとともに、印字部６の部分に台紙なしラベル３の巻込み防止装置２１を備えている。

すなわち、台紙なしラベル３の巻込み防止装置２１では、カバー１５の先端部に回転可能に取り付けた前記プラテンローラー１３の径方向の面内（軸方向に垂直な面内）においてプラテンローラー１３に、わずかな幅の左右一対のスリット２２を形成する。

図２は、台紙なしラベルの巻込み防止装置２１の部分の縦断面図、図３は、台紙なしラベルの巻込み防止装置２１の部分の拡大断面図である。プラテンローラー１３におけるスリット２２に、回転するプラテンローラー１３に対して相対的に固定可能な巻込み防止プレート２３を設ける。

スリット２２は、プラテンローラー１３の外周面から、その回転軸２４の外周面にまで達しているとともに、回転軸２４の全周にわたってこれを形成している。
さらにスリット２２は、プラテンローラー１３の軸方向において左右均等な位置（プラテンローラー１３の長さの中央部に対して左右対称な位置）にその一対を形成するとともに、巻込み防止プレート２３は、それぞれのスリット２２にその一対を設けている。

巻込み防止プレート２３は、弧状嵌込み部２５と、左右一対の固定端部（第１の固定端部２６、第２の固定端部２７）と、を有する。
弧状嵌込み部２５は、プラテンローラー１３の回転を保証しつつ回転軸２４にこれを嵌め込むとともに、その外方部に、サーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３の間における互いの接触部２８より下流側（排出口１６方向側）に位置するように、ほぼ二等辺三角形状の巻込み防止突出端２９を形成している。
巻込み防止突出端２９は、サーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３の間における台紙なしラベルの移送方向に沿う巻込み防止接触面２９Ａを有するとともに、巻き込み防止プレート２３の一部としてプラテンローラー１３の外周面からわずかに突出して台紙なしラベル３の裏面（粘着剤層９）に接触可能である。

第１の固定端部２６および第２の固定端部２７は、弧状嵌込み部２５の両端部に位置して巻込み防止プレート２３をプラテンローラー１３に対して相対的に固定可能である。
第１の固定端部２６は、プラテンローラー１３の外周面から巻込み防止突出端２９の突出方向とは異なる第１の方向に突出するとともに、プラテンローラー１３の順方向回転（移送方向回転）に対しても巻込み防止プレート２３の順方向回転を阻止可能とする。
第２の固定端部２７は、プラテンローラー１３の外周面から巻込み防止突出端２９の突出方向とは異なる第２の方向に突出するとともに、プラテンローラー１３の逆方向回転（逆移送方向回転）に対しても巻込み防止プレート２３の逆方向回転を阻止可能とする。
すなわち、とくに図３に示すように、第１の固定端部２６は、その側面底部２６Ａをカバー１５のストッパーブラケット３０の第１のストッパー面３０Ａに当接して、巻込み防止プレート２３の回転軸２４まわりの、図中反時計方向（台紙なしラベル３の順移送方向）の回動を抑制する。
第２の固定端部２７は、第１の固定端部２６よりはわずかに長くこれを形成し、その内面側部２７Ａをカバー１５のストッパーブラケット３０の第２のストッパー面３０Ｂに当接して、巻込み防止プレート２３の回転軸２４まわりの時計方向（台紙なしラベル３の逆移送方向）の回動を抑制する。

なお、図１に示すように、カバー１５においてプラテンローラー１３の上流側には、複数個のガイドローラー３１を設けて、サーマルヘッド１２とプラテンローラー１３との間の移送路５に台紙なしラベル３を案内する。
また、プラテンローラー１３とガイドローラー３１との間には、ラベルセンサー３２を設けている。

こうした構成のサーマルプリンター２０、および台紙なしラベルの巻込み防止装置２１において、印字部６におけるサーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３の間に移送供給された台紙なしラベル３は、プラテンローラー１３の回転により移送されるとともに、サーマルヘッド１２の印字データにしたがって所定情報を印字され、排出口１６方向に向かう。

プラテンローラー１３の非粘着性が低下した場合、あるいはプラテンローラー１３の外周面に台紙なしラベル３の粘着剤層９の粘着剤が付着してきた場合であっても、台紙なしラベル３をプラテンローラー１３に付着したまま巻き付くような方向（図３中、点線）に向かわせることなく、巻込み防止プレート２３の弧状嵌込み部２５における巻込み防止突出端２９（巻込み防止接触面２９Ａ）が台紙なしラベル３の先端部をプラテンローラー１３から強制的にはがして、図３中、実線で示すように、排出口１６方向に案内することができる。

かくして、印字済みの台紙なしラベル３がプラテンローラー１３に巻き込むことを確実に防止し、安定した台紙なしラベル３の移送、印字、および発行排出動作を保証することができる。

なお、プラテンローラー１３にスリット２２を形成することによって、このスリット２２の部分を移送される台紙なしラベル３における印字圧が低下するおそれがあるが、台紙なしラベル３には、台紙付きラベルに比べて所定レベル以上の剛性があるため、台紙なしラベル３がスリット２２の部分を横切っても台紙なしラベル３にかかる印字圧の影響はさほどないとともに、サーマルプリンター２０が携帯式の場合には、それほどの印字圧を必要とせず、印字パターンの工夫等と合わせれば、印字性能に支障を生ずることはない。

（第２実施形態）
図４は、本発明の第２実施形態によるラベル用のプリンター（サーマルプリンター２０Ｂ）を示す概略側面図である。
第２実施形態のサーマルプリンター２０Ｂは、台紙Ｄが粘着剤層９上を覆う形態で仮着されているラベル３Ｂに印刷を行うプリンターである点が、第１実施形態のサーマルプリンター２０と異なる。また、第２実施形態のサーマルプリンター２０Ｂは、第１実施形態のサーマルプリンター２０には設けられていない剥離部１７を有している点が第１実施形態のサーマルプリンター２０と異なる。さらに、第２実施形態のサーマルプリンター２０Ｂは、第１実施形態の台紙なしラベルの巻込み防止装置２１に相当するラベルの巻き込み防止装置２１Ｂがプラテンローラー１３Ｂ以外の部分に設けられている点が第１実施形態のサーマルプリンター２０と異なる。
なお、前述した第１実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。

第２実施形態のプラテンローラー１３Ｂは、第１実施形態のプラテンローラー１３に設けられていた台紙なしラベルの巻込み防止装置２１が設けられていない。したがって、プラテンローラー１３Ｂには、スリット２２も形成されていない。

剥離部１７は、サーマルヘッド１２およびプラテンローラー１３Ｂよりも搬送方向の下流側に配置されている。剥離部１７は、台紙Ｄを鋭角に屈曲させながら搬送して、ラベル３Ｂから台紙Ｄを剥離する。剥離部１７により剥離された台紙Ｄは、台紙回収部１８に巻き取られて回収される。

上述したように、第２実施形態では、第１実施形態の台紙なしラベルの巻込み防止装置２１に相当するラベルの巻き込み防止装置２１Ｂがプラテンローラー１３Ｂ以外の部分に設けられている。具体的には、剥離部１７よりも搬送方向の下流側に設けられた搬送ローラー３３に、ラベルの巻き込み防止装置２１Ｂが設けられている。搬送ローラー３３は、搬送ローラー３３と対向して配置された狭持ローラー３４との間に、台紙Ｄが剥離されたラベル３Ｂを狭持して、ラベル３Ｂを排出口１６方向に搬送する。

ラベルの巻き込み防止装置２１Ｂは、第１実施形態の巻込み防止プレート２３と同様な巻込み防止プレート２３Ｂを搬送ローラー３３に設けられた不図示のスリット部分に有している。ラベルの巻き込み防止装置２１Ｂの他の部分も、第１実施形態の台紙なしラベルの巻込み防止装置２１と同様な形態であるので、詳細な説明は省略する。

以上説明したように、第２実施形態によれば、台紙Ｄを有するラベル３Ｂを取り扱うサーマルプリンター２０Ｂにラベルの巻き込み防止装置２１Ｂを備えた。これにより、剥離部１７により台紙Ｄを剥離した後であっても、ラベル３Ｂを巻き込むことなく、搬送が可能となる。よって、台紙Ｄを剥離した後のラベル３Ｂに対して各種後処理を行うことが可能となる。また、サーマルプリンター２０Ｂ内の各部のレイアウトの自由度が高くなる。

（変形形態）
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
各実施形態において、サーマルプリンターにラベルの巻き込み防止装置を備えた例を挙げて説明した。これに限らず、たとえば、ラベル上の印刷を検証する検証装置、ラベルから台紙を剥離する剥離装置、ラベルを貼り付け対象物に貼り付ける貼り付け装置など、ラベルを取り扱う各種装置にラベルの巻き込み防止装置を備えることができる。

各実施形態において、ラベルの粘着剤層による貼り付きによりローラーにラベルが巻き込まれることを防止することを主な目的として、ラベルの巻き込み防止装置を備えた例を挙げて説明した。これに限らず、たとえば、台紙が剥離されていない状態のラベルを搬送する部分に本発明のラベルの巻き込み防止装置を備えてもよい。これにより、ラベルの反りなどに起因するラベルのローラー部分への巻き込みを防止できる。

なお、第１実施形態、第２実施形態および変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。

１ サーマルプリンター（図５）
２ プリンターハウジング
３ 台紙なしラベル
３Ｂ ラベル
４ 保持供給部
５ 移送路
６ 印字部
７ ベルト
８ ラベル基材
９ 粘着剤層
１０ 感熱発色剤層
１１ 剥離剤層
１２ サーマルヘッド
１３，１３Ｂ プラテンローラー
１４ 開閉軸
１５ カバー
１６ 排出口
１７ 剥離部
１８ 台紙回収部
２０，２０Ｂ サーマルプリンター（図１，４）
２１，２１Ｂ サーマルプリンター２０，２０Ｂにおける台紙なしラベル３の巻込み防止装置（第１実施形態の図１〜図３，第２実施形態の図４）
２２ 左右一対のスリット
２３，２３Ｂ 左右一対の巻込み防止プレート
２４ プラテンローラー１３の回転軸
２５ 弧状嵌込み部
２６ 第１の固定端部
２６Ａ 第１の固定端部２６の側面底部（図３）
２７ 第２の固定端部
２７Ａ 第２の固定端部２７の内面側部（図３）
２８ サーマルヘッド１２とプラテンローラー１３との接触部（図３）
２９ 巻込み防止突出端
２９Ａ 巻込み防止突出端２９の巻込み防止接触面
３０ ストッパーブラケット
３０Ａ ストッパーブラケット３０の第１のストッパー面
３０Ｂ ストッパーブラケット３０の第２のストッパー面
３１ ガイドローラー（図１）
３２ ラベルセンサー
３３ 搬送ローラー
３４ 狭持ローラー
Ｗ 作業者の腰（図４，５）
Ｄ 台紙

Claims (7)

1. ラベル基材の裏面に粘着剤層を有するラベルの巻き込み防止装置であって、
   前記ラベルの搬送経路中にローラーを備え、
   前記ローラーの径方向の面内において前記ローラーに形成したスリットに、回転する前記ローラーに対して相対的に固定可能な巻込み防止プレートを設けるとともに、
   この巻き込み防止プレートの一部に前記ローラーの外周面からわずかに突出して前記ラベルの前記裏面に接触可能な巻込み防止突出端を形成していること、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。
2. 請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、
   前記巻込み防止プレートは、
   前記ローラーの回転軸の回転を保証しつつこの回転軸に嵌め込むとともに、かつその外方部に、前記ローラーと前記ラベルとの接触部より下流側に位置するように前記巻込み防止突出端を形成している弧状嵌込み部と、
   この弧状嵌込み部の両端部に位置して前記巻込み防止プレートを前記ローラーに対して相対的に固定可能な左右一対の固定端部と、
   を有すること、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。
3. 請求項２に記載のラベルの巻込み防止装置において、
   前記固定端部は、
   前記ローラーの前記外周面から前記巻込み防止突出端の突出方向とは異なる方向に突出するとともに、前記ローラーの順方向回転に対しても前記巻込み防止プレートの順方向回転を阻止可能とする第１の固定端部と、
   前記ローラーの前記外周面から前記巻込み防止突出端の突出方向とは異なる方向に突出するとともに、前記ローラーの逆方向回転に対しても前記巻込み防止プレートの逆方向回転を阻止可能とする第２の固定端部と、
   を有すること、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。
4. 請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、
   前記巻込み防止突出端は、
   前記ローラー上における前記ラベルの移送方向に沿う巻込み防止接触面を有すること、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。
5. 請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、
   前記スリットは、
   前記ローラーの外周面からその回転軸の外周面にまで達していること、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。
6. 請求項１に記載のラベルの巻込み防止装置において、
   前記スリットは、
   前記ローラーの軸方向において左右均等な位置にその一対を形成するとともに、
   前記巻込み防止プレートは、それぞれの前記スリットにその一対を設けたこと、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。
7. 請求項１から請求項６までのいずれか１項に記載のラベルの巻込み防止装置において、
   前記粘着剤層を覆う台紙を剥離する剥離部を有し、
   前記ローラーは、前記剥離部よりも前記ラベルの搬送方向の下流側に設けられていること、
   を特徴とするラベルの巻込み防止装置。

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