JP4513676B2 - ラベル剥離機構及びラベルプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、ラベルが貼り付けられている台紙を裏側から屈曲させた状態で搬送することにより、当該台紙からラベルを剥離するラベル剥離機構に関するものである。また、本発明は、印刷後のラベルを台紙から剥離するためにラベル剥離機構が搭載されているラベルプリンタに関するものである。
ラベルを発行するためのラベルプリンタとしては、表面に一定長さのラベルが剥離可能に貼り付けられた長尺状の台紙を、ラベルが印刷位置に到達するまで搬送して、印刷機構により印刷を行い、しかる後に台紙を搬送しながら、ラベル剥離機構によって印刷後のラベルを台紙から剥離し、台紙及びラベルを別個の経路で排出する構成のものが知られている。ラベル剥離機構としては一般に、ラベルが貼り付いた状態の台紙を裏面側から90度以下に屈曲させた状態で搬送することにより、ラベルの腰の強さ(面外剛性)を利用して、台紙に対しラベルの先端から徐々に剥離するものが使用されている。例えば、特許文献1にこの構成のラベル剥離機構を備えたプリンタが開示されている。
この構成のラベル剥離機構では、台紙を裏面側から90度以下に屈曲させるための台紙屈曲用ガイドを備えており、このガイドの屈曲面に沿って台紙を搬送させるようにしている。台紙をより小さな曲率半径となるように屈曲させると、台紙からラベルをより確実に剥離することができる。
特開平4−272876号公報
ラベル印刷用のロール紙は、表面にラベルが一定間隔で貼り付けられている長尺状の台紙が、ロール状に巻かれている。ラベルは粘着剤で台紙の表面に貼り付けられており、この粘着剤はラベルが取り除かれた後にも、台紙の表面に多少残留する。また、台紙に貼り付けられているラベルの周囲にも、粘着剤が僅かに、はみ出している。このため、台紙及びラベルの搬送経路では、台紙及びラベルの表面と接触する搬送経路に粘着剤が付着していく。搬送経路に、付着した粘着剤が溜まってくると、そこに台紙やラベルが貼り付いてしまい、台紙の搬送を正確に行うことができなくなり、さらには紙詰まりなどの不具合が発生するおそれがあった。
本発明の目的は、搬送経路に粘着剤が付着することによる紙詰まりなどの不具合を防止して、台紙及びラベルを確実に送り出すことができるラベル剥離機構、及び当該ラベル剥離機構を備えたラベルプリンタを提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明のラベル剥離機構は、ラベルが表面に貼り付けられた長尺状の台紙を裏面側に90度以下に屈曲させるための凸状の屈曲面を備えた台紙屈曲用ガイドと、
前記台紙屈曲用ガイドにおける前記屈曲面よりも台紙搬送方向の上流側のガイド面部分に対峙している上流側台紙押さえガイドと、
前記台紙屈曲用ガイドにおける前記屈曲面よりも前記台紙搬送方向の下流側のガイド面部分に対峙している下流側台紙押さえガイドとを有し、
前記上流側台紙押さえガイドおよび前記下流側台紙押さえガイドの少なくとも一方は、前記台紙搬送方向の前記屈曲面側に延びて前記屈曲面にオーバーラップしており、
前記上流側台紙押さえガイドに、または、前記上流側台紙押さえガイドおよび前記下流側台紙押さえガイドに、前記台紙の搬送方向に直交する幅方向へ間隔をあけて配置された、前記台紙の表面と接触する複数の接触部が設けられており、
前記上流側台紙押さえガイドの前記接触部は、前記台紙搬送方向の下流側に向かって、前記台紙屈曲用ガイドによる前記台紙の屈曲方向とは逆方向に湾曲しながら、前記台紙の搬送経路を次第に狭くしており、
前記台紙は、前記上流側のガイド面部分と前記上流側台紙押さえガイドとの間を通り、前記屈曲面に沿って90度以下に屈曲された後に、前記下流側のガイド面部分と前記下流側台紙押さえガイドとの間を通って搬送され、
前記台紙が前記屈曲面に沿って屈曲状態で搬送される間に当該台紙から前記ラベルが剥離されることを特徴としている。
このような構成のラベル剥離機構は、凸状の屈曲面に対し台紙搬送方向の上流側および下流側の両側に、台紙が屈曲面から離れる方向に膨らまないように押さえるための上流側台紙押さえガイドおよび下流側台紙押さえガイドを有しており、台紙をより小さな曲率で屈曲させた状態で搬送することができる。この結果、屈曲面に沿って搬送される間に、台紙からラベルを確実に剥離することができる。その際、台紙の表面に接触する上流側台紙押さえガイドや下流側台紙押さえガイドでは、台紙が幅方向の限られた箇所の接触部とのみ接触しながら搬送される。そのため、台紙やラベルの表面との接触面積を極力少なくすることができ、上流側台紙押さえガイドや下流側台紙押さえガイドに粘着剤が付着しにくくなる。さらに、台紙表面の粘着剤は接触部に付着したとしても、台紙の搬送に伴い接触部から徐々に台紙の幅方向へ移動する。こうして、接触部に粘着剤が溜まることを防ぎ、紙詰まり等の不具合の発生を防止して、台紙を円滑に搬送することができる。
また、上流側台紙押さえガイドの接触部は、台紙搬送方向の下流側に向かって、台紙屈曲用ガイドによる台紙の屈曲方向とは逆方向に湾曲しながら、台紙の搬送経路を次第に狭くしていることにより、凸状の屈曲面に対し台紙搬送方向の上流側において、台紙が屈曲面から離れる方向に膨らまないようにし、台紙をより小さな曲率で屈曲させた状態で搬送することができる。一方、ラベルは、この湾曲により台紙から剥離する方向へ曲げられるので、より確実なラベルの剥離を行うことができる。
また、本発明のラベル剥離機構において、前記接触部は、リブの形態をなし、前記台紙と接触する先端近傍における両側部にテーパ面を有し、先端側へ向かって次第にすぼむ断面形状を有することが好ましい。
また、本発明のラベル剥離機構において、前記接触部は、ローラの形態をなし、当該ローラは前記台紙と接触する外周端近傍における両側部にテーパ面を有し、外周端側へ向かって次第にすぼむ断面形状を有することが好ましい。
これらのようなリブやローラの形態をなす接触部により、台紙やラベルの表面との接触面積を少なくすると共に、付着した粘着剤は接触部から台紙幅方向への移動が効果的に促され、粘着剤が溜まることをより一層防止できる。
また、前記接触部の少なくとも表面が、非粘着性の材質となっていることが好ましい。
このような構成のラベル剥離機構は、非粘着性の特性を有する材料により形成またはその材料が塗布された、非粘着性の材質となっている部分では、台紙の表面と接触しても粘着剤が付着しにくい。そのため、例え台紙表面との接触面積を小さくしなくても、粘着剤が溜まることが防がれ、紙詰まり等の不具合の発生を防止することができる。
また、上記課題を解決することのできる本発明のラベルプリンタは、上記本発明の何れかのラベル剥離機構と、前記ラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、この印刷ヘッドによる印刷位置及び前記ラベル剥離機構によるラベル剥離位置を順次に経由させて、前記ラベルが貼り付けられている長尺状の前記台紙を搬送する搬送機構と、前記ラベルが剥離した後の前記台紙を排出するための台紙排出口と、前記台紙から剥離した後の前記ラベルを排出するためのラベル発行口とを有していることを特徴としている。また、前記印刷ヘッドはサーマルヘッドであり、前記搬送機構は、前記サーマルヘッドに押圧されたプラテンローラを備えていても良い。
このような構成のラベルプリンタは、ラベル剥離機構を経て搬送されたラベルを、確実かつ完全に台紙から剥離して発行することができる。したがって、ラベルが台紙から剥離せずに内部で紙詰まりが発生するなどの弊害を防止でき、ラベルプリンタとして高い信頼性を得ることができる。
本発明のラベル剥離機構及びラベルプリンタによれば、台紙の搬送経路での粘着剤の付着を極力防ぎ、また、付着したとしても台紙やラベルとの接触部分において粘着剤が溜まらないように構成しているため、紙詰まりなどの不具合がなく台紙を円滑に搬送させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したラベル剥離機構が搭載されたラベルプリンタの実施形態の一例を説明する。
(全体構成)
図1はラベルプリンタの外観斜視図であり、図2はその内部構成を示す概略断面図であり、図3はそのラベル剥離機構を示す拡大部分断面図である。本例のラベルプリンタ1は、全体として縦長の直方体形状をしたプリンタケース2を備え、その前面部分2aには、上側にラベル発行口3が形成され、その下側に台紙排出口4が形成されている。プリンタケース2の内部には、その下半部分にロール紙装填部5が形成されている。ロール紙装填部5にはラベル印刷用のロール紙6が装填されている。ラベル印刷用のロール紙6は、表面に長方形等の形状をしたラベル7が一定間隔で貼り付けられている一定幅の長尺状の台紙8がロール状に巻かれた構成のものである。ラベルプリンタ1の内部(ロール紙装填部5等)には、ロール紙6および台紙8の紙幅を規制する図示していない紙幅規制ガイドが設けられており、紙幅の変更を可能としている。
ロール紙装填部5に装填されたロール紙6から繰り出されるラベルが貼り付けられている台紙8は、搬送経路11を通って、プラテンローラ13とサーマルヘッド12に狭持され、プラテンローラ13の回転により搬送される。サーマルヘッド12によって、台紙8の表面8a側に貼り付けられているラベル7に印刷が行われた後、台紙8は、全体として凸状で鋭角に折れ曲がっている台紙屈曲用ガイド21を備えたラベル剥離機構20を経由して搬送される。この間、印刷後のラベル7は先端部より徐々に台紙8から剥離して、ラベル発行口3から排出される。
台紙8の搬送経路の下流側には、プラテンローラ13に対するサーマルヘッド12の位置とは反対側の外周側の位置に、ラベル剥離機構20の構成部品であるピーラーローラ22が備えられている。ラベル剥離機構20が閉じている状態で、ピーラーローラ22はプラテンローラ13の外周面部分に押圧され、プラテンローラ13の回転に従属して回転する。ラベル7が剥離された後の台紙8は、台紙屈曲用ガイド21に沿って進み、プラテンローラ13とピーラーローラ22に狭持される。プラテンローラ13の回転により台紙8は、ピーラーローラ22の外周面に沿ってプリンタ前面側に搬送され、台紙排出口4から排出される。
(ラベル剥離機構)
図2及び図3を参照して、印刷後のラベル7を台紙8から剥離するラベル剥離機構20を説明する。
ラベル剥離機構20の台紙屈曲用ガイド21は、先端部分に凸円弧面からなる小さな曲率半径の屈曲面21aが形成されており、この屈曲面21aにおける台紙搬送方向の上流側の端21bには、平坦な上流側ガイド面部分21cが滑らかに連続している。同様に、屈曲面21aにおける台紙搬送方向の下流側の端21dにも、平坦な下流側ガイド面部分21eが滑らかに連続している。
上流側ガイド面部分21cには、台紙の幅方向に所定の間隔でリブ31が設けられた、上流側台紙押さえガイド23が対峙している。下流側ガイド面部分21eにも、台紙の幅方向に所定の間隔で、ガイドローラ32が設けられた下流側台紙押さえガイド24が対峙している。上流側ガイド面部分21cと上流側台紙押さえガイド23のリブ31との隙間は、台紙8とラベル7の合計厚さよりも僅かに大きな寸法とされている。
この隙間は、台紙搬送方向の下流側に向かって、上流側リブ31dにより、台紙屈曲用ガイド21による台紙の屈曲方向とは逆方向に凸円弧状に湾曲しながら次第に狭くなっている。これは、次のように搬送経路の上流側で、台紙8を押さえることに効果がある。
すなわち、搬送経路において、台紙屈曲用ガイド21の屈曲面21aの上流側では、屈曲面21aを規定している曲面の中心25と端21bを結ぶ線分L1付近で上流側リブ31dにより台紙8が押さえられ、台紙屈曲用ガイド21の屈曲面21aの下流側では、中心25と端21dを結ぶ線分L2付近でガイドローラ32により台紙8が押さえられる。この構成により、台紙8が屈曲面21aから離れる方向に膨らまないようにし、台紙8をより小さな曲率で屈曲させた状態で搬送することができる。
一方、ラベル7はこの上流側リブ31dとリブ31の湾曲部を搬送するときに、湾曲部に沿って台紙8から剥離する方向へ曲げられていくので、より確実なラベルの剥離を行うことができる。また、台紙8は上流側リブ31dによって裏面側に僅かに凸となるように湾曲させられた状態を経て台紙屈曲用ガイド21の屈曲面21aに案内され、この屈曲面21aに沿って鋭角に屈曲される。
上流側台紙押さえガイド23のリブ31は、台紙屈曲用ガイド21の屈曲面21aの上流側の端21bよりも台紙搬送方向の下流側に所定長さだけ突出している。すなわち、屈曲面21aを規定している曲面の中心25と端21bを結ぶ線分L1よりも下流側に延びている。他方の下流側台紙押さえガイド24のガイドローラ32の外周は、屈曲面21aの下流側の端21dよりも台紙搬送方向の上流側に所定長さだけ突出している。すなわち、中心25と端21dを結ぶ線分L2よりも上流側に延びている。
換言すると、上流側台紙押さえガイド23の台紙搬送方向の上流側位置は、屈曲面21aに向けて搬送される台紙8をその裏面側に凸となるように湾曲させるための凸円弧状の上流側リブ31dを有している。上流側リブ31dは、屈曲面21aによる台紙8の屈曲方向とは逆方向に台紙8を僅かに湾曲させることができるように、上流側台紙押さえガイド23のリブ31よりも上流側ガイド面部分21cの側に僅かに突出している。したがって、台紙8は上流側リブ31dによって裏面側に僅かに凸となるように湾曲させられた状態を経て台紙屈曲用ガイド21の屈曲面21aに案内され、この屈曲面21aに沿って鋭角に屈曲される。また、上流側リブ31dは、リブ31に滑らかに連続して構成される。
ここで、上流側台紙押さえガイド23は、図4に示すように、台紙8の搬送方向と直交する幅方向に間隔をあけて配置された複数のリブ31を有している。これらのリブ31は、台紙8の表面8aに接触する接触面31aを備え、その両側部には、それぞれテーパ面31bが形成され、先端へ向かって次第にすぼまる断面形状とされ、台紙8の表面8aとの接触面積を少なくしている。そして、この上流側台紙押さえガイド23では、それぞれのリブ31間に形成された窪み部分が、凹部31cとされている。台紙8の表面8aに接触するリブ31および上流側リブ31dは、粘着剤の付着を防止するため、シリコン樹脂やフッ素樹脂などの非粘着性化合物で形成されている。または、リブ31および上流側リブ31dの表面のみをシリコン樹脂やフッ素樹脂などの非粘着性化合物でコーティングしてもよい。また、リブ31および上流側リブ31dの表面には、シリコンオイルなどの非粘着性塗布剤が塗布されていてもよい。ガイドローラ32も、このような非粘着性を有する加工をしてもよい。ラベル発行口3でラベル7の粘着面と接する、ラベル送り出しローラ27、ラベルガイドローラ28も、同様に非粘着性を有する加工をしてもよい。このシリコンオイルは、ラベル7の粘着剤として用いるアクリルエマルジョン系粘着剤の付着力が極めて小さい。
下流側台紙押さえガイド24の接触部としてのガイドローラ32は、台紙8の搬送方向と直交する幅方向に間隔をあけて複数配置されている。ガイドローラ32は、図5に示すように、支持軸33に回転可能に支持されている。このガイドローラ32は、台紙8の表面8aに接触する接触面32aを備え、その両側部には、それぞれテーパ面32bが形成され、外周端へ向かって次第にすぼまる断面形状とされ、台紙8の表面8aとの接触面積を少なくしている。また、このガイドローラ32は、その両側部に台紙8の表面8aと接触しないように形成された小径の凹部32cを備えている。
台紙屈曲用ガイド21の屈曲面21aの下流側近傍位置には、ラベル送り出しローラ27が回転自在の状態で配置されている。ラベル送り出しローラ27は、その外周面の上側部分が、上流側台紙押さえガイド23のリブ31の延長面上にほぼ位置するように配置されている。このラベル送り出しローラ27におけるラベル発行口3の側に隣接した位置にはラベルガイドローラ28が回転自在の状態で配置されている。ラベルガイドローラ28はラベル送り出しローラ27とほぼ同一の高さ位置にある。
ここで、下流側台紙押さえガイド24の下流側は、台紙屈曲用ガイド21の下流側ガイド面部分21eに対峙した部分が緩やかな円弧状に窪んだリブ形状の案内部29が構成されている。案内部29は、リブ形状により台紙8の表面8aと接触面積を少なくしている。案内部29は、シリコン樹脂やフッ素樹脂などの非粘着性化合物で形成されている。または、その表面のみをシリコン樹脂やフッ素樹脂などの非粘着性化合物でコーティングしてもよい。また、その表面に、シリコンオイルなどの非粘着性塗布剤が塗布されていてもよい。このようにして、粘着剤の付着を防止するようにしている。そして、台紙8は、台紙屈曲用ガイド21の下流側ガイド面部分21eと案内部29との間を案内されて搬送される。
また、ラベル剥離機構20の構成部品であるピーラーローラ22は、非粘着の特性を有するシリコンゴムから成る。または、その表面をシリコン樹脂やフッ素樹脂などの非粘着性化合物でコーティングしてもよい。または、その表面にシリコンオイルなどの非粘着性塗布剤が塗布されていてもよい。そして、このピーラーローラ22とプラテンローラ13とによって台紙8が挟持されながら送り出され、台紙排出口4からプリンタ前方に排出される。
ここで、本例のラベルプリンタ1では、図6及び図7に示すように、台紙排出口4の上側位置を中心としてプリンタ前方に開けることのできる開閉部30を備えている。この開閉部30に、ラベル剥離機構20のピーラーローラ22、ガイドローラ32、ラベル送り出しローラ27、ラベルガイドローラ28が取付けられている。開閉部30を開くと、台紙屈曲用ガイド21から台紙排出口4に到る台紙排出路が開放される。したがって、開閉部30を開いた状態で、図6及び図7に示すように台紙8の先端部分を開閉部30の下側の台紙排出口4に引き出し、この状態で開閉部30を閉めれば台紙8がラベル剥離機構20にセットできる。
(ラベル剥離動作)
この構成のラベル剥離機構20によるラベル7の剥離動作を説明する。ラベル7が表面に貼り付いている台紙8が、サーマルヘッド12とプラテンローラ13に狭持されて搬送される間に、サーマルヘッド12により白紙状態のラベル7の表面に所定の情報が印刷される。その後、台紙8は、台紙屈曲用ガイド21の上流側ガイド面部分21cと上流側台紙押さえガイド23の上流側リブ31dの間を通ることによって、台紙裏面側に僅かに凸となるように湾曲させられた状態を経て、屈曲面21aに向けて搬送される。上流側リブ31dによって裏面側に凸となるように湾曲させられるので、ラベル7が貼り付いている台紙8は、台紙屈曲用ガイド21の上流側ガイド面部分21cから浮き上がることなく当該上流側ガイド面部分21cに沿って搬送される。
上流側台紙押さえガイド23と上流側ガイド面部分21cの隙間は台紙8及びラベル7の合計厚さよりも僅かに大きい程度の狭い隙間となっている。また、上流側台紙押さえガイド23は屈曲面21aの上流側部分にオーバラップする状態になっている。よって、ラベル7が貼り付いている台紙8は、上流側台紙押さえガイド23のリブ31から浮き上がることなく、当該リブ31に沿って屈曲面21aに搬送される。
ここで、上流側台紙押さえガイド23は、台紙8の搬送方向と直交する幅方向に間隔をあけて配置された複数のリブ31を有することにより、台紙8の表面8aとの接触面積が極力少なくされている。これにより、台紙8の表面8aの粘着剤が接触面31aへ付着しづらくされ、また、付着しても台紙の搬送に伴い、徐々に各押さえリブ31の両側部の凹部31cへ移動する。
これにより、台紙押さえガイド23は台紙8との接触面における粘着剤の付着が極力抑えられ、台紙8が円滑に搬送される。
屈曲面21aは曲率半径の小さな凸円弧面であり、台紙8はこの屈曲面21aに沿って鋭角に屈曲された状態で搬送される。この結果、ラベル7は、上流側リブ31dのところで搬送されるときに、台紙8から剥離する方向に向かい、さらにはそれ自体の腰の強さによって、貼り付けられていた台紙8より先端部分から徐々に剥がれていき、それまでの搬送方向と同一の方向のラベル発行口3側に送り出される。台紙8は屈曲面21aに沿って、下流側ガイド面部分21eと、これに対峙している下流側台紙押さえガイド24のガイドローラ32の間に案内され、ここから、下流側ガイド面部分21eと円弧状に窪んだリブ状の案内部29の間を経て、プラテンローラ13とピーラーローラ22との間を通り、台紙排出口4から排出される。
ここで、下流側台紙押さえガイド24のガイドローラ32の外周は、屈曲面21aにオーバラップした状態に配置されているので、屈曲面21aに沿って屈曲した後の台紙8が、当該屈曲面21aから浮き上がることがない。よって、台紙8は屈曲面21aに沿って、小さな曲率半径となるように屈曲されるので、ラベル7を台紙8から確実に剥離することができる。
また、下流側台紙押さえガイド24のガイドローラ32は、台紙8の搬送方向と直交する幅方向に間隔をあけて配置され、それぞれ台紙8の表面8aとの接触面積が極力少なくされている。これにより、台紙8のラベル7が貼り付けられていた貼り付け面8aに残留している粘着剤がガイドローラ32へ付着しづらくされ、また、付着しても台紙の搬送に伴い、徐々に各ガイドローラ32の両側部の凹部32cへ移動する。
これにより、ガイドローラ32の台紙8との接触面における粘着剤の付着が極力抑えられ、台紙8が円滑に搬送される。
また、台紙8のラベル7が貼り付けられていた表面8a側を案内する案内部29及び台紙8の表面8a側に当接するピーラーローラ22は、それぞれその表面に非粘着性の加工が施されている。したがって、台紙8の表面8aと接触する案内部29及びピーラーローラ22への台紙8に残留した粘着剤の付着が防止される。これにより、台紙8が円滑に搬送されて台紙排出口4へ送り出される。
一方、屈曲面21aにおいて台紙8から剥がれ始めたラベル7の送り出し側には、ラベル送り出しローラ27が配置されている。ラベル送り出しローラ27は、例えばピーラーローラ22等の回転に伴ってラベル送り出し方向に回転駆動される。したがって、台紙8から剥がれ始めたラベル7の先端部分がラベル送り出しローラ27に乗ると、ラベル7が当該ラベル送り出しローラ27によって台紙8とは異なる方向であるラベル発行口3の方向に送り出される。よって、屈曲面21aによって先端部分が剥がれ始めたラベル7は、剥離動作が中断することなくそのまま継続されて、ラベル7と連れ回りするラベルガイドローラ28によってラベル発行口3に案内される。ラベル送り出しローラ27およびラベルガイドローラ28は、それぞれの表面に非粘着性の加工が施されている。
以上説明したように、本実施形態に係るラベル剥離機構20によれば、台紙8の表面8aとの接触部分である上流側台紙押さえガイド23に、台紙8の搬送方向に直交する幅方向へ間隔をあけて配置された複数のリブ31を形成したので、台紙8の表面8aとの接触面積を極力少なくすることができる。これにより、台紙8の表面8aの粘着剤が接触部分へ付着しづらくなり、紙詰まりなどの不具合なく台紙8を円滑に搬送させることができる。
また、下流側台紙押さえガイド24では、台紙8の搬送方向に直交する幅方向へ間隔をあけて配置された複数のガイドローラ32を設けることにより台紙8の表面8aとの接触面積を極力少なくしたので、この場合も台紙8の表面8aの粘着剤が接触部分へ付着しづらくなり、紙詰まりなどの不具合なく台紙8を円滑に搬送させることができる。
これにより、このラベル剥離機構20を備えたラベルプリンタ1によれば、ラベル剥離機構20によって印刷されたラベル7を、確実かつ完全に台紙8から剥離して発行することができる。
また、リブ31あるいはガイドローラ32に粘着剤が付着しても、両側部に形成されたテーパ面31b,32bに沿って粘着剤を逃がすことができる。さらに、リブ31あるいはガイドローラ32の両側部に凹部31c、32cを設けたので、これらリブ31あるいはガイドローラ32に付着した粘着剤を凹部31c、32cへ移動させ、台紙8の搬送への影響をなくすことができる。
これにより、台紙8との接触面における粘着剤の付着をさらに抑えることができ、紙詰まりなどの不具合なく台紙を円滑に搬送させることができる。
また、台紙8の表面8aと接触するピーラーローラ22などのローラや案内部29などのリブの表面に、粘着剤との付着力が極めて小さくなる非粘着加工を施したので、台紙8との接触部における粘着剤の付着を極力抑え、紙詰まりなどの不具合なく台紙8を円滑に搬送させることができる。
なお、非粘着加工は、ローラやリブに限らず、台紙8の表面8aと接触する他の接触部分にコーティングしても良い。
また、上述のように、ピーラーローラ22などのローラ自体を粘着剤が付着しにくいシリコンゴムから形成しても良い。
なお、上記実施の形態では、上流側台紙押さえガイド23における台紙8との接触部をリブの形態として、下流側台紙押さえガイド24における台紙8との接触部をローラの形態としたが、本発明においては、上流側台紙押さえガイド23及び下流側台紙押さえガイド24の接触部は、リブあるいはローラの何れの形態も適宜選択的に採用することができる。
また、本例のラベルプリンタ1はサーマルヘッドを備えているが、インクジェットヘッドなどのような異なる形式の印刷ヘッドを備えていても良い。
本発明を適用したラベルプリンタの外観斜視図である。 図1のラベルプリンタの概略断面図である。 図1のラベルプリンタのラベル剥離機構を示す部分拡大断面図である。 上流側台紙押さえガイドを示す上流側台紙押さえガイドの正面図である。 下流側台紙押さえガイドのガイドローラを示すガイドローラの正面図である。 図1のラベルプリンタの開閉部を開けた状態の外観斜視図である。 図6のラベルプリンタの概略断面図である。
符号の説明
1:ラベルプリンタ、3:ラベル発行口、4:台紙排出口、7:ラベル、8:台紙、8a:表面、12:サーマルヘッド(印刷ヘッド)、13:プラテンローラ、20:ラベル剥離機構、21:台紙屈曲用ガイド、21a:屈曲面、22:ピーラーローラ(接触する部分)、23:上流側台紙押さえガイド、24:下流側台紙押さえガイド、29:案内部(接触する部分)、31:リブ(接触部)、31b,32b:テーパ面、31d:上流側リブ、31c,32c:凹部、32:ガイドローラ(接触部)

Claims (6)

  1. ラベルが表面に貼り付けられた長尺状の台紙を裏面側に90度以下に屈曲させるための凸状の屈曲面を備えた台紙屈曲用ガイドと、
    前記台紙屈曲用ガイドにおける前記屈曲面よりも台紙搬送方向の上流側のガイド面部分に対峙している上流側台紙押さえガイドと、
    前記台紙屈曲用ガイドにおける前記屈曲面よりも前記台紙搬送方向の下流側のガイド面部分に対峙している下流側台紙押さえガイドとを有し、
    前記上流側台紙押さえガイドおよび前記下流側台紙押さえガイドの少なくとも一方は、前記台紙搬送方向の前記屈曲面側に延びて前記屈曲面にオーバーラップしており、
    前記上流側台紙押さえガイドに、または、前記上流側台紙押さえガイドおよび前記下流側台紙押さえガイドに、前記台紙の搬送方向に直交する幅方向へ間隔をあけて配置された、前記台紙の表面と接触する複数の接触部が設けられており、
    前記上流側台紙押さえガイドの前記接触部は、前記台紙搬送方向の下流側に向かって、前記台紙屈曲用ガイドによる前記台紙の屈曲方向とは逆方向に湾曲しながら、前記台紙の搬送経路を次第に狭くしており、
    前記台紙は、前記上流側のガイド面部分と前記上流側台紙押さえガイドとの間を通り、前記屈曲面に沿って90度以下に屈曲された後に、前記下流側のガイド面部分と前記下流側台紙押さえガイドとの間を通って搬送され、
    前記台紙が前記屈曲面に沿って屈曲状態で搬送される間に当該台紙から前記ラベルが剥離されるラベル剥離機構。
  2. 請求項1に記載のラベル剥離機構であって、
    前記接触部は、リブの形態をなし、当該リブは前記台紙と接触する先端近傍における両側部にテーパ面を有し、先端側へ向かって次第にすぼむ断面形状を有することを特徴とするラベル剥離機構。
  3. 請求項1に記載のラベル剥離機構であって、
    前記接触部は、ローラの形態をなし、当該ローラは前記台紙と接触する外周端近傍における両側部にテーパ面を有し、外周端側へ向かって次第にすぼむ断面形状を有することを特徴とするラベル剥離機構。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のラベル剥離機構であって、
    前記接触部の少なくとも表面が、非粘着性の材質となっていることを特徴とするラベル剥離機構。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載のラベル剥離機構と、
    前記ラベルに印刷を行う印刷ヘッドと、
    この印刷ヘッドによる印刷位置及び前記ラベル剥離機構によるラベル剥離位置を順次に経由させて、前記ラベルが貼り付けられている長尺状の前記台紙を搬送する搬送機構と、
    前記ラベルが剥離した後の前記台紙を排出するための台紙排出口と、
    前記台紙から剥離した後の前記ラベルを排出するためのラベル発行口とを有していることを特徴とするラベルプリンタ。
  6. 請求項5に記載のラベルプリンタにおいて、
    前記印刷ヘッドはサーマルヘッドであり、
    前記搬送機構は、前記サーマルヘッドに押圧されたプラテンローラを備えていることを特徴とするラベルプリンタ。
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