JP6366177B2 - サーマルプリンター - Google Patents

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Description

本発明は、帯状のラベル連続体をサーマルヘッドとプラテンローラーとで挟持搬送しながら印字を施すサーマルプリンターに関する。
従来から、帯状のラベル連続体として、ラベル基材の裏面側の粘着剤層を仮着させる台紙(剥離紙)を用いずに、省資源をめざした台紙なしラベルが用いられている。この台紙なしラベル用のサーマルプリンター1は、図6に示すように、台紙なしラベル2の供給部3と、検出部4と、印字部5と、切断部6と、を備えている。
供給部3には、台紙なしラベル2がロール状に巻き回された状態のロール紙として装填される。台紙なしラベル2は、図中にその断面を拡大して示すように、帯状のラベル基材7と、ラベル基材7の裏面に形成した粘着剤層8と、ラベル基材7の表面に形成した下層側の感熱発色剤層9および上層側の剥離剤層10と、を有する。このように、台紙なしラベル2の最上層には、剥離剤層10が形成されているため、台紙なしラベル2をロール状に巻き回すと、粘着剤層8に剥離剤層10が接触することになる。従って、台紙なしラベル2をロール紙として供給部3に装填しても、内層側と外層側とが互いに接着してくっついてしまうことなく台紙なしラベル2を繰り出し可能となる。供給部3から繰り出された台紙なしラベル2は、供給部3から印字部5に向かって搬送される。
供給部3から印字部5までの台紙なしラベル2の搬送路には、台紙なしラベル2を案内するガイドローラー11と、検出部4とが設けられている。検出部4は、透過型光センサー等で構成されたマークセンサー12を有し、台紙なしラベル2に所定ピッチで予め印刷されている位置検出用マーク(図示せず)を検出して、印字部5および切断部6に対する台紙なしラベル2の相対的位置を検出する。
印字部5は、サーマルヘッド13とプラテンローラー14とを有している。供給部3から繰り出された台紙なしラベル2は、サーマルヘッド13とプラテンローラー14との間に供給される。印字部5では、プラテンローラー14を回転駆動させることで、台紙なしラベル2を挟持搬送すると共に、サーマルヘッド13の発熱素子15に印字データを供給して、ラベル基材7の表面に形成した感熱発色剤層9を発色させることで、ラベル基材7の表面に所定内容の印字を行う。
切断部6は、可動刃61および固定刃62を有し、所定ピッチで台紙なしラベル2を切断し、単葉の台紙なしラベル2Aとして発行する。なお、台紙なしラベル2に、所定ピッチでミシン目(図示せず)を形成することにより、切断部6を用いることなく印字済みの台紙なしラベル2をミシン目で切り離して単葉の台紙なしラベル2Aとすることもできる。
こうした構成のサーマルプリンター1において、台紙なしラベル2の裏面の粘着剤層8に接触するプラテンローラー14にはシリコーンゴム材等の剥離性材料が用いられ、非粘着性が確保されている。しかし、サーマルヘッド13とプラテンローラー14との間に台紙なしラベル2を挟持したままで、サーマルプリンター1の運転を長時間停止した場合には、プラテンローラー14に台紙なしラベル2が貼り付いてしまうことがある。これは、サーマルヘッド13によって台紙なしラベル2の裏面の粘着剤層8がプラテンローラー14に長時間押圧されることで粘着力が増したり、台紙なしラベル2にカールがかかってプラテンローラー14との接触面積が大きくなったりすることに起因すると考えられる。
プラテンローラー14に台紙なしラベル2が貼り付いた状態でプラテンローラー14が回転駆動され、台紙なしラベル2が搬送されると、台紙なしラベル2がプラテンローラー14の外周面に沿って巻き込まれてジャムになってしまう。そこで、プラテンローラー14の外周面に先端を近接させて配置した板バネをラベル巻込防止部材として設け、このラベル巻込防止部材によってプラテンローラー14から台紙なしラベル2を剥がすことで、台紙なしラベル2の巻き込みを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−221948号公報
従来技術のように、プラテンローラー14に貼り付いてしまった台紙なしラベル2の巻き込みをラベル巻込防止部材によって防止する場合には、ラベル巻込防止部材によって台紙なしラベル2をプラテンローラー14から剥がす必要があるため、ラベル巻込防止部材とプラテンローラー14との間の近接距離を精密に設計し、ラベル巻込防止部材とプラテンローラー14との間の相対的な位置関係を安定して維持する必要がある。しかしながら、部品精度や、組み付け誤差、そしてプラテンローラー14の摩耗等の経持変化によって、ラベル巻込防止部材とプラテンローラー14との相対的な位置関係に狂いが生じた場合には、ラベル巻込防止部材によって台紙なしラベル2をプラテンローラー14からスムーズに剥がすことができなくなり、ジャムの発生頻度が高くなってしまうという問題点があった。
また、ラベル巻込防止部材は、剥離剤を塗布する等の非粘着処理が施されていたり、非粘着材で構成されたりしているが、長時間停止後は巻込み防止部材にも台紙なしラベルが貼り付いてしまうことがある。そして、巻込み防止部材に貼り付いてしまった台紙なしラベルが、搬送に伴って剥がれなかった場合には、台紙なしラベルが折れ曲がってジャムが発生してしまうことがある。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、プラテンローラーやラベル巻込防止部材に貼り付いてしまった台紙なしラベルをスムーズに剥がすことができ、ジャムの発生頻度を低下させることができるサーマルプリンターを提供することにある。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
本発明のサーマルプリンターは、台紙なしラベルを挟持搬送しながら印字を施すサーマルヘッド及びプラテンローラーを備え、印字動作では、前記台紙なしラベルを逆方向に搬送した後に、正方向に搬送して印字を行うサーマルプリンターであって、前記プラテンローラーよりも上流に設けられ、前記プラテンローラーの周面と近接して配置された下流側端縁を有する上流側巻込み防止部材とを具備し、前記下流側端縁は、前記プラテンローラーの周面との近接距離が幅方向で異なる傾斜線で構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明のサーマルプリンターにおいて、前記台紙なしラベルは、一端側を基準ラインとして位置決めされ、前記下流側端縁は、前記基準ラインに向けて前記プラテンローラーの周面との近接距離が徐々に拡がる前記傾斜線で構成されていても良い。
さらに、本発明のサーマルプリンターにおいて、前記台紙なしラベルは、センターラインを基準ラインとして位置決めされ、前記下流側端縁は、前記基準ラインに対して線対称に、複数の前記傾斜線で構成されていても良い。
また、本発明のサーマルプリンターにおいて、台紙なしラベルを挟持搬送しながら印字を施すサーマルヘッド及びプラテンローラーを備えたサーマルプリンターであって、前記プラテンローラーの上流側と下流側とのいずれか若しくは両方に設けられ、前記プラテンローラーの周面と近接して配置された近接端縁を有する巻込み防止部材を具備し、前記近接端縁は、前記プラテンローラーの周面との近接距離が幅方向で異なる傾斜線で構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、プラテンローラーや上流側巻込み防止部材に貼り付いてしまった台紙なしラベルをスムーズに剥がすことができるため、プラテンローラー14の上流側に配置された上流側巻込み防止部材21によって、台紙なしラベル2の巻き込みを確実に防止することができ、ジャムの発生頻度を低下させることができるという効果を奏する。
本発明に係るサーマルプリンターの実施の形態の構成を示す概略斜視図である。 図1に示すサーマルプリンターの概略側面図である。 図1に示す巻き込み防止ユニットの構成を示す斜視図である。 図3に示す上流側巻込み防止部材の構成例を示す図である。 図3に示す上流側巻込み防止部材の他の構成例を示す図である。 従来のサーマルプリンターの概略側面図である。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態のサーマルプリンター1aは、図1及び図2を参照すると、台紙なしラベル2の供給部3と、検出部4と、印字部5aと、切断部6と、を備えている。なお、図1及び図2において、図9に示す従来のサーマルプリンター1と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
巻込み防止ユニット20は、図3及び図4に示すように、台紙なしラベル2の搬送方向に向かって、プラテンローラー14の左端部側に位置する左側ブラケット23と、プラテンローラー14の右端部側に位置する右側ブラケット24と、左側ブラケット23と右側ブラケット24との間に間隔をおいて掛け渡された上流側巻込み防止部材21及び下流側巻込み防止部材22と、を備えている。なお、本実施の形態において、上流側巻込み防止部材21、下流側巻込み防止部材22、左側ブラケット23及び右側ブラケット24からなる巻込み防止ユニット20は、型抜き後曲げ加工によって形成された一体部品で構成されている。
左側ブラケット23には、プラテンローラー14のローラー軸14aに係合するローラー係合孔231が形成されていると共に、右側ブラケット24には、ローラー軸14aに係合する円弧状切欠き241が形成されている。また、左側ブラケット23には、プラテンローラー14を支持する支持部材16(図1参照)に左側ブラケット23を固定するための固定孔232が形成されている。これにより、巻込み防止ユニット20は、プラテンローラー14のローラー軸14aに、左側ブラケット23のローラー係合孔231と、右側ブラケット24の円弧状切欠き241とを係合させた状態で取り付けられるため、長期間にわたってプラテンローラー14との相対的位置を維持し、互いの間のずれを最小限に抑えておくことができる。さらに、固定孔232に通した固定ネジ30を用いて左側ブラケット23を支持部材16に固定することにより、プラテンローラー14と左側ブラケット23(すなわち、巻込み防止ユニット20)とのローラー軸14a周りの相対的位置が固定される。
下流側巻込み防止部材22は、例えば金属製のプレート材で構成され、巻込み防止ユニット20をプラテンローラー14のローラー軸14aに係合させて取り付けた状態で、プラテンローラー14よりも下流側の台紙なしラベル2の裏面(粘着剤層8)側に、台紙なしラベル2の幅方向全域にわたって配置される。
下流側巻込み防止部材22の台紙なしラベル2の裏面側に対向する表面は、剥離剤を塗布する等の非粘着処理が施されたり、非粘着材で構成されたりした非粘着面となっている。下流側巻込み防止部材22の上流側端縁221は、プラテンローラー14のローラー軸14aと平行な直線状に形成されており、プラテンローラー14の周面に対して近接して配置される。これにより、台紙なしラベル2を上流側から下流側への正方向に搬送させる際に、下流側巻込み防止部材22は、台紙なしラベル2の裏面の粘着剤層8に接触しつつ台紙なしラベル2をプラテンローラー14から離反するように案内可能である。
上流側巻込み防止部材21は、例えば金属製のプレート材で構成され、巻込み防止ユニット20をプラテンローラー14のローラー軸14aに係合させて取り付けた状態で、プラテンローラー14よりも上流側の台紙なしラベル2の裏面(粘着剤層8)側に、台紙なしラベル2の幅方向全域にわたって配置される。上流側巻込み防止部材21の台紙なしラベル2の裏面側に対向する表面は、剥離剤を塗布する等の非粘着処理が施されたり、非粘着材で構成されたりした非粘着面となっている。なお、上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211は、厚いと搬送されてくる台紙なしラベル2がぶつかってしまうため、薄い方が好ましいが、台紙なしラベル2を案内する所定の強度が必要になるため、厚さを0.2mm〜0.5mmの範囲に設定すると好適である。
図4(a)を参照すると、上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211は、直線状であり、プラテンローラー14のローラー軸14aに対して角度を持って配置された傾斜線である。下流側端縁211は、プラテンローラー14の周面に対して近接して配置され、下流側端縁211とプラテンローラー14の周面との近接距離は、図4(a)に示すように、左側が最も狭く、右側に向かうほど拡がっている。
本実施の形態のサーマルプリンター1aでは、印字済みの台紙なしラベル2を切断部6によって切断し、単葉の台紙なしラベル2Aを発行した後、図2に示すように、台紙なしラベル2のラベル先端部2Bがサーマルヘッド13とプラテンローラー14とで挟持される印字領域よりも下流側に突出した状態で次回の印字発行を待機する。従って、印字発行動作では、台紙なしラベル2の先端から印字するため、まず、台紙なしラベル2を逆方向に搬送し、台紙なしラベル2の先端が印字部まで到達したときに、逆搬送を停止する。そして、次に、台紙なしラベル2が正方向に搬送されつつ、印字が行われることになる。このため、サーマルプリンター1aの運転が長時間停止され、プラテンローラー14に貼り付いてしまった台紙なしラベル2は、まずは、逆方向に搬送されることになる。
そして、台紙なしラベル2のプラテンローラー14との貼付箇所は、上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211に到達して、台紙なしラベル2がプラテンローラー14から剥がされる。ここで、下流側端縁211は、プラテンローラー14のローラー軸14aに対して角度を持って配置された傾斜線であるため、台紙なしラベル2は、プラテンローラー14の周面と上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211との近接距離が狭い左側から右側に徐々にプラテンローラー14から剥がされていくことになる。また、上流側巻込み防止部材21に台紙なしラベル2が貼り付いていた場合にも、台紙なしラベル2は、プラテンローラー14の周面と上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211との近接距離が狭い左側から右側に徐々に上流側巻込み防止部材21から剥がされていく。これにより、幅方向の全域を同時に剥がす必要がないため、プラテンローラー14や上流側巻込み防止部材21から台紙なしラベル2をスムーズに剥がすことができる。従って、プラテンローラー14の上流側に配置された上流側巻込み防止部材21によって、台紙なしラベル2の巻き込みを確実に防止することができ、ジャムの発生頻度を低下させることができる。
また、本実施の形態のサーマルプリンター1aにおいて、台紙なしラベル2は、図4(a)に示すように、右側壁17と台紙なしラベル2の幅方向に移動可能な左側ガイド板18とによって、台紙なしラベル2の右側壁17に当接する右端側を基準ラインとして幅方向の位置決めが行われる。
下流側端縁211とプラテンローラー14の周面との近接距離は、上述のように、左側が最も狭く、右側に向かうほど拡がっている。従って、台紙なしラベル2の逆方向への搬送に伴い、下流側端縁211によってプラテンローラー14から台紙なしラベル2を剥がす際に、下流側端縁211からは、台紙なしラベル2を正方向に押す力と共に、台紙なしラベル2を右方向に押す力が作用する。台紙なしラベル2を正方向に押す力が作用することにより、台紙なしラベル2の搬送が不安定になるが、台紙なしラベル2を右方向に押す力は、台紙なしラベル2を基準ラインである右側壁17に寄せる効果があり、台紙なしラベル2の斜行を防止することができる。
図4(b)には、複数の傾斜線で構成された下流側端縁211aを有する上流側巻込み防止部材21aが示されている。下流側端縁211aには、プラテンローラー14の周面との近接距離が右側に向かうほど拡がる4本の傾斜線がのこぎり状に連なって形成されている。このように下流側端縁211aを複数の傾斜線で構成しても、プラテンローラー14に貼り付いてしまった台紙なしラベル2は、プラテンローラー14の周面との近接距離が狭い複数の頂点部分からそれぞれ左側から右側に徐々にプラテンローラー14から剥がされていくことになる。また、上流側巻込み防止部材21に台紙なしラベル2が貼りついていた場合にも、台紙なしラベル2は、プラテンローラー14の周面との近接距離が狭い複数の頂点部分からそれぞれ左側から右側に徐々に上流側巻込み防止部材21から剥がされていく。これにより、幅方向の全域を同時に剥がす必要がないため、プラテンローラー14や上流側巻込み防止部材21から台紙なしラベル2をスムーズに剥がすことができる。また、下流側端縁211aからは、複数の傾斜線から台紙なしラベル2を右方向に押す力がそれぞれ作用するため、台紙なしラベル2の斜行を防止することができる。
上述のように、図4(a)、(b)に示す下流側端縁211、211aは、台紙なしラベル2の一端側を基準ラインとして幅方向の位置決めを行うサーマルプリンター1aに適している。サーマルプリンターには、センター基準、すなわち、幅方向に移動可能な左側ガイド板18及び右側ガイド板19によって、中央(センターライン)を基準ラインとして台紙なしラベル2の位置決めを行うタイプのサーマルプリンターに適している。センター基準のサーマルプリンターに適した下流側端縁の形状を図5(a)、(c)に示す。
図5(a)には、プラテンローラー14の周面との近接距離がセンターライン(基準ライン)から両側に向かうほど拡がる2本の傾斜線を有する下流側端縁211bを有する上流側巻込み防止部材21bが示されている。下流側端縁211bとプラテンローラー14の周面との近接距離は、センターライン(基準ライン)が最も狭く、両側に向かうほど拡がっている。従って、プラテンローラー14に貼り付いてしまった台紙なしラベル2は、センターライン(基準ライン)から両側に向けて徐々にプラテンローラー14から剥がされていくことになる。また、上流側巻込み防止部材21に台紙なしラベル2が貼りついていた場合にも、台紙なしラベル2は、センターライン(基準ライン)から両側に向けて徐々に上流側巻込み防止部材21から剥がされていく。これにより、幅方向の全域を同時に剥がす必要がないため、プラテンローラー14や上流側巻込み防止部材21から台紙なしラベル2をスムーズに剥がすことができる。下流側端縁211bは、センターライン(基準ライン)に対して線対称である。これにより、下流側端縁211bから台紙なしラベル2に作用する幅方向の力は釣り合う。従って、台紙なしラベル2は、斜行することなく安定して搬送される。
図5(b)には、プラテンローラー14の周面との近接距離が両側からセンターライン(基準ライン)に向かうほど拡がる2本の傾斜線を有する下流側端縁211cを有する上流側巻込み防止部材21cが示されている。下流側端縁211cとプラテンローラー14の周面との近接距離は、両側が最も狭く、センターライン(基準ライン)に向かうほど拡がっている。従って、プラテンローラー14に貼り付いてしまった台紙なしラベル2は、両側からセンターライン(基準ライン)に向けて徐々にプラテンローラー14から剥がされていくことになる。また、上流側巻込み防止部材21に台紙なしラベル2が貼りついていた場合にも、台紙なしラベル2は、両側からセンターライン(基準ライン)に向けて徐々に上流側巻込み防止部材21から剥がされていく。これにより、幅方向の全域を同時に剥がす必要がないため、プラテンローラー14や上流側巻込み防止部材21から台紙なしラベル2をスムーズに剥がすことができる。また、下流側端縁211cは、センターライン(基準ライン)に対して線対称である。これにより、下流側端縁211cから台紙なしラベル2に作用する幅方向の力は釣り合う。従って、台紙なしラベル2は、斜行することなく安定して搬送される。
図5(c)には、複数の傾斜線がセンターライン(基準ライン)に対して線対称に形成された下流側端縁211dを有する上流側巻込み防止部材21dが示されている。下流側端縁211dには、プラテンローラー14の周面との近接距離が最も狭い4つの頂点から両側にそれぞれ傾斜線が形成されている。従って、プラテンローラー14に貼り付いてしまった台紙なしラベル2は、4つの頂点からそれぞれ両側に向けて徐々にプラテンローラー14から剥がされていくことになる。また、上流側巻込み防止部材21に台紙なしラベル2が貼りついていた場合にも、台紙なしラベル2は、4つの頂点からそれぞれ両側に向けて徐々に上流側巻込み防止部材21から剥がされていく。これにより、幅方向の全域を同時に剥がす必要がないため、プラテンローラー14や上流側巻込み防止部材21から台紙なしラベル2をスムーズに剥がすことができる。また、下流側端縁211dは、センターライン(基準ライン)に対して線対称である。これにより、下流側端縁211dから台紙なしラベル2に作用する幅方向の力は釣り合う。従って、台紙なしラベル2は、斜行することなく安定して搬送される。
さらに、本実施の形態では、プラテンローラー14の上流側に配置された上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211を傾斜線で構成したが、プラテンローラー14の下流側に配置された下流側巻込み防止部材22を傾斜線で構成するようにしても良い。印字発行動作が始まると、まず、台紙なしラベル2が正方向に搬送される場合、サーマルプリンター1aの運転が長時間停止され、プラテンローラー14や下流側巻込み防止部材22に貼り付いてしまった台紙なしラベル2は、正方向に搬送されることになる。従って、プラテンローラー14の下流側に配置された下流側巻込み防止部材22によって、台紙なしラベル2の巻き込みを確実に防止しなければならない。そこで、プラテンローラー14の下流側に配置された下流側巻込み防止部材22を傾斜線で構成し、台紙なしラベル2の巻き込みを確実に防止するようにしても良い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、台紙なしラベル2を挟持搬送しながら印字を施すサーマルヘッド13及びプラテンローラー14を備え、印字動作では、台紙なしラベル2を逆方向に搬送した後に、正方向に搬送して印字を行うサーマルプリンター1aであって、プラテンローラー14よりも上流に設けられ、プラテンローラー14の周面と近接して配置された下流側端縁211を有する上流側巻込み防止部材21を具備し、下流側端縁211は、プラテンローラー14の周面との近接距離が幅方向で異なる傾斜線で構成されている。
この構成により、プラテンローラーや上流側巻込み防止部材21に貼り付いてしまった台紙なしラベルをスムーズに剥がすことができるため、プラテンローラー14の上流側に配置された上流側巻込み防止部材21によって、台紙なしラベル2の巻き込みを確実に防止することができ、ジャムの発生頻度を低下させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、台紙なしラベル2は、右側壁17と左側ガイド板18とによって一端側である右端側を基準ラインとして位置決めされ、下流側端縁211は、基準ライン(右端側)に向けてプラテンローラー14の周面との近接距離が徐々に拡がる傾斜線で構成されている。
この構成により、下流側端縁211から台紙なしラベル2に対して基準ライン方向に押す力が作用するため、台紙なしラベル2を基準ラインである右側壁17に寄せる効果があり、台紙なしラベル2の斜行を防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、台紙なしラベル2は、左側ガイド板18と右側ガイド板19とによってセンターラインを基準ラインとして位置決めされ、下流側端縁211は、基準ラインに対して線対称に、複数の傾斜線で構成されている。
この構成により、下流側端縁211cから台紙なしラベル2に作用する幅方向の力は釣り合うため、台紙なしラベル2は斜行することなく、安定して搬送される。
さらに、本実施の形態によれば、台紙なしラベル2を挟持搬送しながら印字を施すサーマルヘッド13及びプラテンローラー14を備えたサーマルプリンター1aであって、プラテンローラー14の上流側と下流側とのいずれか若しくは両方に設けられ、プラテンローラー14の周面と近接して配置された近接端縁を有する巻込み防止部材(下流側端縁211を有する上流側巻込み防止部材21、上流側端縁221を有する下流側巻込み防止部材22)を具備し、近接端縁は、プラテンローラー14の周面との近接距離が幅方向で異なる傾斜線で構成されている。
この構成により、印字動作が開始されると、まず搬送される方向に配置された巻込み防止部材の近接端縁を傾斜線で構成することで、サーマルプリンター1aの運転が長時間停止され、プラテンローラー14や巻込み防止部材(上流側巻込み防止部材21、下流側巻込み防止部材22)に貼り付いてしまった台紙なしラベル2の巻き込みを確実に防止することができる。
以上、本発明を具体的な実施形態で説明したが、上記実施形態は一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更して実施できることは言うまでも無い。
例えば、上流側巻込み防止部材21の下流側端縁211における傾斜線を直線状に形成した例について説明したが、傾斜線の一部もしくは全部を曲線状に形成しても良い。
1 サーマルプリンター
1a サーマルプリンター
2 台紙なしラベル
2A 単葉の台紙なしラベル
2B ラベル先端部
3 供給部
4 検出部
5 印字部
5a 印字部
6 切断部
7 ラベル基材
8 粘着剤層
9 感熱発色剤層
10 剥離剤層
11 ガイドローラー
12 マークセンサー
13 サーマルヘッド
14 プラテンローラー
14a ローラー軸
15 発熱素子
16 支持部材
17 右側壁
18 左側ガイド板
19 右側ガイド板
20 巻込み防止ユニット
21、21a、21b、21c、21d 上流側巻込み防止部材
22 下流側巻込み防止部材
23 左側ブラケット
24、24a 右側ブラケット
30 固定ネジ
61 可動刃
62 固定刃
211、211a、211b、211c、211d 下流側端縁
221 上流側端縁
231 ローラー係合孔
232 固定孔
241 円弧状切欠き

Claims (4)

  1. 台紙なしラベルを挟持搬送しながら印字を施すサーマルヘッド及びプラテンローラーを備え、印字動作では、前記台紙なしラベルを逆方向に搬送した後に、正方向に搬送して印字を行うサーマルプリンターであって、
    前記プラテンローラーよりも上流に設けられ、前記台紙なしラベルの粘着剤層側に対向する面には非粘着処理が施された上流側巻込み防止部材を具備し、
    前記上流側巻込み防止部材は、前記プラテンローラーの周面と近接して配置され、前記台紙なしラベルを逆方向に搬送する際に前記台紙なしラベルの粘着剤層側に当接する下流側端縁を有し、
    前記下流側端縁は、前記プラテンローラーの周面との近接距離が幅方向で異なる傾斜線で構成されているサーマルプリンター。
  2. 前記台紙なしラベルは、一端側を基準ラインとして位置決めされ、
    前記下流側端縁は、前記基準ラインに向けて前記プラテンローラーの周面との近接距離が徐々に拡がる前記傾斜線で構成されている請求項1記載のサーマルプリンター。
  3. 前記台紙なしラベルは、センターラインを基準ラインとして位置決めされ、
    前記下流側端縁は、前記基準ラインに対して線対称に、複数の前記傾斜線で構成されている請求項1記載のサーマルプリンター。
  4. 台紙なしラベルを挟持搬送しながら印字を施すサーマルヘッド及びプラテンローラーを備えたサーマルプリンターであって、
    前記プラテンローラーの上流側と下流側とのいずれか若しくは両方に設けられ、前記台紙なしラベルの粘着剤層側に対向する面には非粘着処理が施された巻込み防止部材を具備し、
    前記巻込み防止部材は、前記プラテンローラーの周面と近接して配置され、前記台紙なしラベルを搬送する際に前記台紙なしラベルの粘着剤層側に当接する近接端縁を有し、
    前記近接端縁は、前記プラテンローラーの周面との近接距離が幅方向で異なる傾斜線で構成されているサーマルプリンター。
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