JP2012127471A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、自動車、建機、農業車両等の変速を行わせるトランスミッションに関する。
一般に、シングル・クラッチを使用した車両用のトランスミッションは、変速時に駆動力が途切れ、変速ショックや加速遅れ等が避けられなかった。また大きな走行抵抗を有し、速度エネルギーが小さい建機、農機等にあっては変速時、駆動力が途切れると即停止してしまい変速が困難な場合も生じる。
これに対し、ツイン・クラッチのトランスミッションは、駆動力が途切れず、変速ショックや加速遅れを抑制できるものとして知られている。
しかし、ツイン・クラッチのトランスミッションは、構造が複雑で重量が大きいという問題がある。
一方、シームレスシフト・トランスミッションの中には、重量増を抑制できるものとして注目されているものがある。
以下に、この種のシームレスシフト・トランスミッションの動作を説明する。ここでは、説明を簡単にするため、1速、2速間の変速を説明する。
このシームレスシフト・トランスミッションでは、1速ギヤ、2速ギヤ間に入力軸に係合した3個の第1ビュレット、3個の第2ビュレットを備え、シフト操作に応じて移動する構成となっている。1速ギヤ及び2速ギヤには、噛合い歯が形成され、第1ビュレット及び第2ビュレットの両端部には、回転方向前後で異なった複雑なフェースが形成されている。
第1ビュレット及び第2ビュレットは、セレクトフォークの動作に対しスプリングを介して1速ギヤ又は2速ギヤ側へ移動する構成である。
このような構成により、例えば1速ギヤへの変速時は、3個の第1ビュレットが1速ギヤの噛合い歯に噛み合ってから残りの3個の第2ビュレットが噛合い歯に噛み合う。
2速への変速時は、3個の第2ビュレットが2速ギヤの噛合い歯に噛み合ってから残りの3個の第1ビュレットが噛合い歯に噛み合う。
このような複雑なフェースを備えた第1ビュレット及び第2ビュレットとスプリングを介したセレクト動作とにより、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることができる。
しかし、第1ビュレット及び第2ビュレット等を備えた構造が複雑であり、部品点数も増大するという問題がある。
June 2005 Racecar Engineering(www. racecar・engineering.com)
解決しようとする問題点は、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることはできるが、構造が複雑であった点である。
本発明は、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることを可能とするため、駆動力伝達軸に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、前記クラッチ・リングと前記駆動力伝達軸との間に、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングに噛合い解除方向の軸力を生じさせるガイド部を備えたことを特徴とする。
本発明は、上記手段としたため、駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、且つ重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にすることができる。
駆動力が途切れず、変速ショックや加速の遅れを抑制し、重量軽減を図ることができ、且つ構造を簡単にするという目的を、変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に変速下段又は変速上段のクラッチ・リングに噛合い解除方向の軸力を生じさせるガイド部を備えたことにより実現した。
前記クラッチ・リングは、変速ギヤに対し軸方向の第1の噛合い位置で噛合う状態と前記第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で噛合う状態とに移動可能であり、前記クラッチ・リングが変速下段及び変速上段で同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングを、前記第2の噛み合い位置にする機構を備え、前記クラッチ・リングと前記駆動力伝達軸との間に、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングに前記第2の噛み合い位置でコースティング・トルクにより噛合い解除方向の軸力を生じさせるガイド部を備える構成でもよい。
図1は、本発明実施例1のトランスミッションをフロント・デファレンシャル装置と共に示す概略断面図、図2は、トランスミッションの要部拡大断面図である。
図1、図2のように、トランスミッション1は、駆動力伝達軸としてメイン・シャフト3及びカウンター・シャフト5、アイドラー・シャフト7を備えている。これらメーン・メイン・シャフト3及びカウンター・シャフト5は、軸受9,11,13,15等によりミッションケース17に回転自在に支持されている。アイドラー・シャフト7は、ミッションケース17側に固定されている。
メーン・メイン・シャフト3とカウンター・シャフト5とには、複数段の変速ギヤとして1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29が相対回転可能に支持されている。
カウンター・シャフト5上の1速ギヤ19、3速ギヤ23は、メーン・メイン・シャフト3の出力ギヤ31,33に噛合い、メーン・メイン・シャフト3上の2速ギヤ21、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29は、カウンター・シャフト5の入力ギヤ35,37,39,41にそれぞれ噛合っている。
アイドラー・シャフト7上のリバース・アイドラー43は、軸方向移動によりメーン・メイン・シャフト3上の出力ギヤ44及びカウンター・シャフト5上の入力ギヤ45に噛合い可能に配置されている。
1速ギヤ19、3速ギヤ23は、第1の噛合いクラッチ47によりカウンター・シャフト5に選択的に結合され、2速ギヤ21、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29は、第2、第3の噛合いクラッチ49,51によりメイン・シャフト3に選択的に結合される。この選択的な結合によりメイン・シャフト3からカウンター・シャフト5に変速出力可能となっている。
第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、複数段の変速ギヤの変速上段への変速を、複数の第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51を変更して行なうようになっている。
すなわち、複数段の変速ギヤである1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29は、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51を変更して変速を行うように配列されている。
例えば1速ギヤ19から2速ギヤ21への変速は、複数の第1、第2の噛合いクラッチ47,49を変更して行なう。
第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、基本的には同一構造であり、クラッチ・カム・リング53,55,57、クラッチ・リング59,61,63、クラッチ・リング59,61,63及び1速ギヤ19〜6速ギヤ29の各対向面に形成されたクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、19a,21a,23a,25a,27a,29aを備えている。
したがって、クラッチ・リング59,61,63は、メーン・メイン・シャフト3、カウンター・シャフト5の軸方向へ噛合い移動してクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、19a,21a,23a,25a,27a,29aの選択的な噛合いにより変速出力のための結合を行わせる。
第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のクラッチ・カム・リング53,55,57には、への字状のカム溝65,67,69が形成されている。第1の噛合いクラッチ47のクラッチ・カム・リング53は、カウンター・シャフト5に結合され、一体回転可能となっている。第2,第3の噛合いクラッチ49,51のクラッチ・カム・リング55,57は、メーン・メイン・シャフト3に結合され、一体回転可能となっている。
第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のクラッチ・リング59,61,63は、クラッチ・カム・リング53,55,57の外周に嵌合配置され、軸方向へ移動可能となっている。このクラッチ・リング61,63は、変速ギヤである2速ギヤ21、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29を前記駆動力伝達軸であるメイン・シャフト3に選択的に結合して変速出力するために複数備えら、クラッチ・リング59は、変速ギヤである1速ギヤ19、3速ギヤ23を前記駆動力伝達軸であるカウンター・シャフト5に選択的に結合して変速出力するために複数備えられている。クラッチ・リング59,61,63の内周には、カム突部71,73,75が形成され、カム溝65,67,69に嵌合しガイドされるようになっている。
クラッチ・リング59及びリバース・アイドラー43には、後述するシフト・フォーク77,79が嵌合する周凹条81,83が形成されている。クラッチ・リング59の外周には、さらに前記入力ギヤ45が形成されている。クラッチ・リング61,63には、後述するシフト・フォーク85,87が嵌合する周凸条89,91が形成されている。クラッチ・リング59,61,63の両サイドには、1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29を選択して各両サイドに2速以上はなして配置し、それぞれ両サイドの変速ギヤに選択的な噛み合いが可能となっている。つまり、クラッチ・リング59の両サイドには1速ギヤ19、3速ギヤ23が配置され、クラッチ・リング61の両サイドには2速ギヤ21、5速ギヤ27が配置され、クラッチ・リング63の両サイドには4速ギヤ25、6速ギヤ29が配置されている。
第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51は、変速操作部93により選択的に操作されるようになっている。リバース・アイドラー43も、変速操作部93により操作されるようになっている。
変速操作部93は、ミッションケース17内に備えられ、複数のシフト・フォーク77,79,85,87と複数のシフト・ロッド103,105,107,109とシフト・アーム111,113,115,117とシフト・ドラム119とを備えている。
シフト・フォーク77,79,85,87は、第1〜第3の各噛合いクラッチ47,49,51毎及びリバース・アイドラー43に備えられ、各噛合いクラッチ47,49,51、リバース・アイドラー43を連動させるものである。
シフト・ロッド103,105,107,109は、各シフト・フォーク77,79,85,87を支持している。
シフト・アーム111,113,115,117は、各シフト・ロッド103,105,107,109に結合されている。
シフト・ドラム119は、シフト溝120,121,123,125を備え、このシフト溝120,121,123,125に各シフト・アーム111,113,115,117の先端突部を係合させている。
シフト・フォーク85,87側とミッションケース17側との間には、凹凸部127,129及びチェック部131,133が設けられている。シフト・フォーク99側とミッションケース17側との間にも、同一構造の、凹凸部及びチェック部が設けられているが、図示は省略する。
凹凸部127,129は、シフト・フォーク95,97に形成され、山形の位置決め凹部127a,127b,127c、129a,129b,129cを備えている。位置決め凹部127a,129aは、ニュートラル位置に対応し、位置決め凹部127b,127c、129b,129cは、コースト噛み合い位置に対応している。
チェック部131,133は、ミッションケース17側に支持され、チェック・ボール131a,133aをチェック・スプリング131b,133bにより付勢し、凹凸部127,129に弾性力を持って係合させている。この係合により第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51をニュートラル位置とコースト噛合い位置とへ位置決めることができる。
トランスミッション1の出力は、カウンター・シャフト5の出力ギヤ135に噛合うフロント・デファレンシャル装置137から行う。
すなわち、シフト・レバーのマニュアル操作信号に基づき、或いはアクセル・ペダルの操作によるアクセル開度及び車速信号等に基づき、シフト・モータ(図示せず)によりシフト・ドラム119が回転駆動されると、シフト溝120,121,123,125のガイドにより何れかのシフト・アーム111,113,115,117を介してシフト・ロッド103,105,107,109が軸方向へ選択駆動される。
このシフト・ロッド103,105,107,109の選択駆動によりシフト・フォーク77,79,85,87の何れかを介して第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51、或いはリバース・アイドラー43が選択操作される。この選択操作により、1速ギヤ19〜6速ギヤ29、リバース・アイドラー43が選択的に動作し、シフト・アップ、シフト・ダウン、リバースのチェンジを行わせることができる。
[ガイド部]
前記変速操作部93及び第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51に、前記変速操作部93の動作により変速下段と変速上段の噛合いクラッチが同時噛合いした時、エンジンの出力トルクに係らず、機構上必然的に発生する内部循環トルクにより変速上段にはドライブ方向のトルクが働いてより深く噛み合う方向への軸力が生じ、変速下段にはコースティング・トルクによりクラッチをニュートラル方向へ移動させて噛合いを解除する方向の軸力が生じるガイド部Gを各段に設けている。
[ガイド部]
前記変速操作部93及び第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51に、前記変速操作部93の動作により変速下段と変速上段の噛合いクラッチが同時噛合いした時、エンジンの出力トルクに係らず、機構上必然的に発生する内部循環トルクにより変速上段にはドライブ方向のトルクが働いてより深く噛み合う方向への軸力が生じ、変速下段にはコースティング・トルクによりクラッチをニュートラル方向へ移動させて噛合いを解除する方向の軸力が生じるガイド部Gを各段に設けている。
ガイド部Gは、前記のようにカム溝65,67,69及びカム突部71,73,75を第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51に備えている。カム溝65,67,69及びカム突部71,73,75により、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のコースト噛合い位置で駆動トルク及びコースティング・トルクを前記1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29に伝達し、コースト噛合い位置よりも噛合い離脱側へ移動した離脱待機の位置でのみコースティング方向トルクにより前記噛合いをニュートラル方向へガイドすることができる。
また、ガイド部Gは、移動力伝達機構Mを変速操作部93に備え、後述する駆動斜面Fを第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の正の駆動トルク伝達側のみに備えている。
駆動斜面Fは、ドライブ・トルクにより第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のクラッチ・リング59,61,63を正規の噛み合い位置である第1の噛み合い位置から噛合いを浅くした離脱待機の位置である第2の噛合い位置へ移動させる移動力を発生させることができる。尚駆動斜面Fは変速ギヤ側のクラッチ歯に設けても良く同様の機能を得ることができる。
クラッチ・リング59,61,63の深い噛合い状態は、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の第1の噛合い位置での噛合い状態となる。これに対し、前記離脱待機の位置は、第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態である。
すなわち、本実施例では、クラッチ・リング59,61,63を、第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態にする機構は、駆動斜面Fが構成する。
駆動斜面Fは、後述のように、クラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b及びクラッチ歯19a,21a,23a,25a,27a,29aの一方の回転方向一側の歯元に形成され駆動力伝達時にクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、クラッチ歯19a,21a,23a,25a,27a,29aの他方の先端部をガイドしてクラッチ・リング59,61,63を第1の噛合い位置から第2の噛み合い位置へ移動させるものである。
クラッチ・リング59,61,63の深い噛合い状態は、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の第1の噛合い位置での噛合い状態となる。これに対し、前記離脱待機の位置は、第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態である。
すなわち、本実施例では、クラッチ・リング59,61,63を、第2の噛み合い位置で第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51が噛合う状態にする機構は、駆動斜面Fが構成する。
駆動斜面Fは、後述のように、クラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b及びクラッチ歯19a,21a,23a,25a,27a,29aの一方の回転方向一側の歯元に形成され駆動力伝達時にクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、クラッチ歯19a,21a,23a,25a,27a,29aの他方の先端部をガイドしてクラッチ・リング59,61,63を第1の噛合い位置から第2の噛み合い位置へ移動させるものである。
図3、図4は、カム溝及びカム突部を示す展開図、図5、図6は、クラッチ・カム・リング及びクラッチ・リングの関係を示す斜視図、図7は、クラッチ・カム・リングを示す斜視図、図8は、クラッチ・リングを示す斜視図である。
図3〜図7のように、カム溝65,67,69は、クラッチ・カム・リング53,55,57の外周面に周方向等間隔で複数形成されている。このカム溝65,67,69は、ニュートラルに対応する部分を含めて軸方向の中央部にV形状部65a,67a,69aが形成され、その両側に平坦部65b,67b,69bが形成されたものである。
このため、噛み合いクラッチ47,49,51が非待機位置に位置する場合、該平坦部65b,67b,69bにカム突部71,73,75が位置するため、コースティング・トルクが作用しても、ニュートラル方向へのスラストは生ぜず、噛み合いを保つ。
カム突部71,73,75は、クラッチ・リング59,61,63の内周に周方向一定間隔で径方向に突設され、前記カム溝65,67,69にそれぞれ嵌入し、ガイドされるようになっている。
したがって、第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51のコースト噛合い位置では、カム突部71,73,75が平坦部65b,67b,69bに位置して駆動トルク及びコースティング・トルクを前記1速ギヤ19、2速ギヤ21、3速ギヤ23、4速ギヤ25、5速ギヤ27、6速ギヤ29に伝達することができる。
第1〜第3の噛合いクラッチ47,49,51の離脱待機の位置では、カム突部71,73,75がV形状部65a,67a,69aに位置するから、図4のようにコースティング方向トルクにより噛合いをニュートラル方向へガイドすることができる。
図9、図10は、シフト・フォーク、チェック部、及び噛合いクラッチとの関係を示す概略図、図11は、クラッチ・リングの要部展開図、図12は、噛合いクラッチの噛合いを示し、(a)は、コースト噛合い位置、(b)は、待機噛合い位置を示す要部展開図である。図9〜図12は、第3の噛合いクラッチについて説明する。第1、第2の噛合いクラッチについても同様であり、重複説明は省略する。
図1、図9〜図12のように、第3の噛合いクラッチ51は、クラッチ・リング63のクラッチ歯51a、51bと4速ギヤ25、6速ギヤ29のクラッチ歯25a、29aとが、周方向の配置において、歯幅よりも大きな相互間隔を有している。各クラッチ歯51a、51b、25a、29aの周方向噛合い面は、歯の根元が若干細くなるように傾斜形成されている。
クラッチ・リング63のクラッチ歯51a、51bの根元には、駆動トルクを受ける噛合い面に前記駆動斜面Fがそれぞれ形成されている。
したがって、第3の噛合いクラッチ51を、例えば6速ギヤ29に噛合い結合させ、駆動トルクが働くと、図12(b)のように駆動斜面Fによってクラッチ・リング63が移動する。このとき図10に示すシフト・フォーク87の凹部129bがボール133aを押しのけ、スプリング133bは加圧されエネルギーを蓄える。この移動を許すのはシフト・アーム117のガイドに対しシフト溝125に適宜軸方向の遊びを設けているからである。この移動によりクラッチ・リング63は、図9、図12(a)のコースト噛合い位置よりも噛合い離脱側へ移動した図10、図12(b)の離脱待機の位置となる。
次に駆動トルクがコースト方向に変化すると、歯は反対側に押し付けられ、図9、図12に示す駆動斜面Fから離脱する。このため上記スプリング133bの弾性エネルギーにより凹部129b、ボール133aの作用で図9、図12(a)に示す深い噛み合い状態となる。この状態においては、図2に示すカム突部75がカム溝69の軸方向端部側の平坦部69bに位置するため、クラッチ・リング63にスラストは発生しない。
このように、本実施例では、シフト・フォーク87の凹部129b、ボール133a、スプリング133bが、変速下段のクラッチ・リング(59、61、63)のみが噛合いを行った駆動力伝達時に該クラッチ・リング(59、61、63)を第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるための弾性エネルギーを蓄積させる機構を構成し、この機構を変速操作部93側に備えた構成となる。
クラッチ・リング61についてもシフト・フォーク85の凹部127b、ボール131a、スプリング131bが、同様の弾性エネルギーを蓄積させる機構を構成する。
すなわち、変速操作部93側に、変速下段又は変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)の一方のみが噛合いを行った駆動力伝達時にクラッチ・リング(59、61、63)に対して弾性エネルギーを蓄積し、コースティング・トルク時にクラッチ・リング(59、61、63)を弾性エネルギーにより第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるための機構を備えた構成となる。
次に駆動トルクがコースト方向に変化すると、歯は反対側に押し付けられ、図9、図12に示す駆動斜面Fから離脱する。このため上記スプリング133bの弾性エネルギーにより凹部129b、ボール133aの作用で図9、図12(a)に示す深い噛み合い状態となる。この状態においては、図2に示すカム突部75がカム溝69の軸方向端部側の平坦部69bに位置するため、クラッチ・リング63にスラストは発生しない。
このように、本実施例では、シフト・フォーク87の凹部129b、ボール133a、スプリング133bが、変速下段のクラッチ・リング(59、61、63)のみが噛合いを行った駆動力伝達時に該クラッチ・リング(59、61、63)を第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるための弾性エネルギーを蓄積させる機構を構成し、この機構を変速操作部93側に備えた構成となる。
クラッチ・リング61についてもシフト・フォーク85の凹部127b、ボール131a、スプリング131bが、同様の弾性エネルギーを蓄積させる機構を構成する。
すなわち、変速操作部93側に、変速下段又は変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)の一方のみが噛合いを行った駆動力伝達時にクラッチ・リング(59、61、63)に対して弾性エネルギーを蓄積し、コースティング・トルク時にクラッチ・リング(59、61、63)を弾性エネルギーにより第2の噛み合い位置から第1の噛合い位置へ復帰させるための機構を備えた構成となる。
一方、変速上段への変速が開始され変速上段及び変速下段が同時噛合いした場合、図1に示すシフト・ドラム119が回転しているので変速下段のシフト溝125の形状によりシフト・アーム117のガイドに対する上記遊びをなくし、コースト・トルクが作用しても第2の噛み合い位置(離脱待機位置)を保持する。
したがって、変速下段と変速上段とのクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速下段又は変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)を、第2の噛み合い位置にする機構を備えた構成となる。
このときカム突部75はカム溝69の平坦部69bから斜面部へ移動しているため上段ギヤの噛合いにより、下段ギヤにコースティング・トルクが負荷されると、カム溝69の斜面によりニュートラル方向へ移動するスラスト分力を得ることができる。具体的な変速アクションについては後記する。
[シフト・アップ4速→5速]
図13は、シフト・アップ時トランスミッションの4速ギヤ噛み合いを示す概略図、図14は、シフト・アップ時トランスミッションの4速クラッチ・リングの離脱待機
の位置を示す概略図、図15は、5速に変速終了時の概略図、図16は、シフト・ダウン時、4速5速がニュートラルであることを示す概略図である。
ここでは、説明を簡単にするため、4速(変速下段)から5速(変速上段)へのシフト・アップのみ説明する。他の段のシフト・アップも同様である。
したがって、変速下段と変速上段とのクラッチ・リング(59、61、63)が同時噛合いした時に変速下段又は変速上段のクラッチ・リング(59、61、63)を、第2の噛み合い位置にする機構を備えた構成となる。
このときカム突部75はカム溝69の平坦部69bから斜面部へ移動しているため上段ギヤの噛合いにより、下段ギヤにコースティング・トルクが負荷されると、カム溝69の斜面によりニュートラル方向へ移動するスラスト分力を得ることができる。具体的な変速アクションについては後記する。
[シフト・アップ4速→5速]
図13は、シフト・アップ時トランスミッションの4速ギヤ噛み合いを示す概略図、図14は、シフト・アップ時トランスミッションの4速クラッチ・リングの離脱待機
の位置を示す概略図、図15は、5速に変速終了時の概略図、図16は、シフト・ダウン時、4速5速がニュートラルであることを示す概略図である。
ここでは、説明を簡単にするため、4速(変速下段)から5速(変速上段)へのシフト・アップのみ説明する。他の段のシフト・アップも同様である。
図13〜図16にシフト・アップ時の動きを示す。図13の4速のクラッチ歯25aにはドライブ・トルクが付加されているため前記したようにクラッチ・リング63は駆動斜面Fの作用により、図14のように離脱待機位置となる。つまり4速位置にあるクラッチ・リング63のカム突部75はカム溝69の斜面に位置することとなる。このときシフト・ドラム119の回転により5速へのシフト・アップ操作が行われると、シフト溝123が働き、シフト・アーム115、シフト・ロッド107、シフト・フォーク85を介してクラッチ・リング61が操作される。この操作によりクラッチ・リング61が5速ギヤ27に噛み合い、4速ギヤ25及び5速ギヤ27が同時噛合いとなる。
このときエンジン出力トルクの如何に係らず同時噛み合いによる機構的必然による内部循環トルクにより4速側にはコースティング・トルク、5速側にはドライブ・トルクが発生する。このトルクがカム溝69、67の斜面の作用で4速位置にあるクラッチ・リング63には図右側ニュートラル方向、5速位置のクラッチ・リング61には図右側噛み合いを深める方向のスラストが発生し、それぞれのクラッチ・リング63、61を所定の位置に移動し、図15に示すように5速へのシフト・アップを終了させる。
本発明実施例の特徴は、クラッチ・リング59、61、63が軸方向へ移動するとき、カム溝65、67、69の斜面の作用で、メイン・シャフト3またはカウンター・シャフト5と同回転するカム・リング53、55、57に対して相対的に変速下段側のクラッチ・リング59、61、63は回転が遅れ、変速上段側のクラッチ・リング59、61、63は回転が先行する。このような状況で回転する変速下段と変速上段との歯車のクラッチ歯19a、21a、23a、25a、27a、29aとの相対速度をなくしダブル噛み合いを許容すると共に、シンクロ作用を発生し変速ショックを緩和する。
[エンジンブレーキが働いているときのシフト・アップ]
エンジンブレーキが作用しているときシフト・アップすると、4速位置にあるクラッチ・リング63は待機位置に位置しない状態で変速が行われる。このときシフト・アップ操作によりクラッチ・リング61が5速ギヤ27に噛み合い、4速に更なるコースティング・トルクが働くが、4速位置のクラッチ・リング63は離脱待機位置に無いため、ニュートラル方向へのスラスト分力は発生しない。
[エンジンブレーキが働いているときのシフト・アップ]
エンジンブレーキが作用しているときシフト・アップすると、4速位置にあるクラッチ・リング63は待機位置に位置しない状態で変速が行われる。このときシフト・アップ操作によりクラッチ・リング61が5速ギヤ27に噛み合い、4速に更なるコースティング・トルクが働くが、4速位置のクラッチ・リング63は離脱待機位置に無いため、ニュートラル方向へのスラスト分力は発生しない。
しかし、(1)エンジンブレーキ時のコースティング・トルクは加速時のトルクに比べ絶対値が小さく、噛み合いクラッチに働く摩擦力は小さい。(2)5速位置のクラッチ・リング61はカム溝67の斜面作用で強力なスラスト分力が発生する。
このスラストが5速位置のシフト・フォーク85、シフト・ロッド107、シフト・ドラム119を経て、4速位置のシフト・ロッド109、シフト・フォーク87へと伝達され、4速位置のクラッチ・リング63を図右側のニュートラル方向へ駆動する。従って、このような場合でもシフト・アップへの支障は生じない。
すなわち、前記変速操作部93を経由し前記変速下段及び変速上段のクラッチ・リング63、61の一方から他方に前記噛合い方向又は噛合い解除方向の必要なスラスト力を伝達する機構を有した構成となる。
このスラストが5速位置のシフト・フォーク85、シフト・ロッド107、シフト・ドラム119を経て、4速位置のシフト・ロッド109、シフト・フォーク87へと伝達され、4速位置のクラッチ・リング63を図右側のニュートラル方向へ駆動する。従って、このような場合でもシフト・アップへの支障は生じない。
すなわち、前記変速操作部93を経由し前記変速下段及び変速上段のクラッチ・リング63、61の一方から他方に前記噛合い方向又は噛合い解除方向の必要なスラスト力を伝達する機構を有した構成となる。
またドライブ・トルクが働いている場合であっても、駆動斜面Fがない場合、クラッチ・リング63は離脱待機位置に位置しない。しかし、この場合であっても、上記5速位置のシフト機構からの力の伝達により、強制的にニュートラル方向へクラッチ・リング63を移動できる。
このため駆動斜面Fは本発明に必須のものではなく、変速をよりスムースにするためのものである。
また、本実施例はシフト・ドラム119のシフト溝120、121、123、125(円筒カム)によりシフト操作するが、平面カム、または各シフト・ロッドを制御された油圧や電動モーター空気圧等で駆動しても本発明は成立する。
[シフト・ダウン 5速→4速]
減速時は加速時のような、シームレス・シフトの必要性は無い。減速は主にブレーキにより受け持たれ、エンジンからの出力は基本的に関係しないから、エンジンからの駆動トルクやエンジンブレーキトルクが途切れても問題ないためである。このため通常のマニアルトランスミッションと同じように、まず変速上段の5速位置にあるクラッチ・リング61を図16に示すニュートラルに移動させ動力を遮断し、次にクラッチ・リング63を4速ギヤ25に噛み合わせることでシフト・ダウンする。
[シフト・ダウン 5速→4速]
減速時は加速時のような、シームレス・シフトの必要性は無い。減速は主にブレーキにより受け持たれ、エンジンからの出力は基本的に関係しないから、エンジンからの駆動トルクやエンジンブレーキトルクが途切れても問題ないためである。このため通常のマニアルトランスミッションと同じように、まず変速上段の5速位置にあるクラッチ・リング61を図16に示すニュートラルに移動させ動力を遮断し、次にクラッチ・リング63を4速ギヤ25に噛み合わせることでシフト・ダウンする。
以上で、図13の噛み合い状態となる。
このように本実施例はシフト・アップとシフト・ダウンで、噛み合い移行の形態が異なることを特徴とする。これは、変速上段と変速下段のシフト・リング61、63が独立しているためと円筒カム119のシフト溝125、123の連携形状による。
このように本実施例はシフト・アップとシフト・ダウンで、噛み合い移行の形態が異なることを特徴とする。これは、変速上段と変速下段のシフト・リング61、63が独立しているためと円筒カム119のシフト溝125、123の連携形状による。
以下このようにシフト・アップとシフト・ダウンとで変速 形態を異ならせる機構について図17により説明する。図17は、シフト・アップ、シフト・ダウンのときのドラム溝の作動説明である。
[シフト・アップ 4速→5速]
図13に示す4速時、シフト・アーム117および5速位置のシフト・アーム115は、図17に示す位置115aおよび位置117aにある。シフト・ドラム119がシフト・アップのため図手前側へ回転すると、シフト溝123の斜面123aによりシフト・アーム115が位置115b1から、115b2、115cへと移動する。このときダブル噛み合いが生じシフト・アーム117は、位置117b1位置からカム・リング57のカム溝69の斜面の働きで、位置117b2に自動的に移動しニュートラルとなる。更にシフト・ドラム119の回転で位置117C に移行する。以上で4速から5速へのシフト・アップは終了する。
[シフト・ダウン 5速→4速]
5速でクラッチが噛み合っているとき、シフト・フォーク117はチェック部133により図1に示すようにニュートラル位置に保持されている。シフト・ドラム119が回転し、シフト溝125がシフト・アーム117に対し、図17の位置117b2にあって軸方向の遊びがあっても、上記チェック部133によりシフト・アーム117は位置117b2においてニュートラルに保持される。
[シフト・アップ 4速→5速]
図13に示す4速時、シフト・アーム117および5速位置のシフト・アーム115は、図17に示す位置115aおよび位置117aにある。シフト・ドラム119がシフト・アップのため図手前側へ回転すると、シフト溝123の斜面123aによりシフト・アーム115が位置115b1から、115b2、115cへと移動する。このときダブル噛み合いが生じシフト・アーム117は、位置117b1位置からカム・リング57のカム溝69の斜面の働きで、位置117b2に自動的に移動しニュートラルとなる。更にシフト・ドラム119の回転で位置117C に移行する。以上で4速から5速へのシフト・アップは終了する。
[シフト・ダウン 5速→4速]
5速でクラッチが噛み合っているとき、シフト・フォーク117はチェック部133により図1に示すようにニュートラル位置に保持されている。シフト・ドラム119が回転し、シフト溝125がシフト・アーム117に対し、図17の位置117b2にあって軸方向の遊びがあっても、上記チェック部133によりシフト・アーム117は位置117b2においてニュートラルに保持される。
一方、シフト・アーム115は位置115cから、位置115b1に移行し4速、5速とも図16に示すようにニュートラルとなる。
更にシフト・ドラム119が回転するとシフト・フォーク117は、位置117b2から位置117aに移行しクラッチ・リング63が4速ギヤ25のクラッチ歯25aと噛み合い、シフト・ダウンにより図13の状態で完了する。
トランスミッションは上記した変速原理と同一であるが、ガイド部Gのカム溝の斜面の向き及び駆動斜面Fの位置を、クラッチ歯に対し逆位置とし、変速上段と変速下段が同時噛み合いしたとき、ガイド部Gの作用により、変速下段側はクラッチ・リングがより深く噛み合う方向に、変速上段側はニュートラル方向へガイドされるようにすることもできる。
これは、建機、農機、大型トラック等が低速時の、泥濘地走行または坂道登坂等、速度エネルギーが小さく走行抵抗が大きい場合、より大きな駆動力を得るため、シフト・ダウンが必要となる。このような場面で、通常の噛み合い変速機によりシフト・ダウンする場合、駆動力が短時間であっても途切れると、車両は停止してしまい、登坂が困難となる等の問題が発生する。当発明によれば、駆動力が途切れず変速可能となるため、容易にシフト・ダウンが可能で走行を維持できる。
なお、前記トランスミッション1のガイド部Gによる変速ガイドは、変速操作部93のシフト・アップ動作側のみ、シフト・ダウン動作側のみの何れかに構成することもできる。この場合、他方側のシフト・ダウン動作側又はシフト・アップ動作側は、クラッチのオン、オフ及びシンクロ・メッシュ機構を介した変速構成とすることも可能である。
さらに、エンジンとメイン・シャフト3との間にトルク・コンバータを介設しても良い。この場合、通常の自動変速機では、トルク・コンバータにストール・トルクが存在することからクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、19a,21a,23a,25a,27a,29aによる断続では切断ができなくなるところ、トルクが存在しても切断ができるガイド部Gを採用したトランスミッション1では、円滑な変速及びエネルギー損失の抑制の双方を確実に達成することができる。
なお、前記トランスミッション1のガイド部Gによる変速ガイドは、変速操作部93のシフト・アップ動作側のみ、シフト・ダウン動作側のみの何れかに構成することもできる。この場合、他方側のシフト・ダウン動作側又はシフト・アップ動作側は、クラッチのオン、オフ及びシンクロ・メッシュ機構を介した変速構成とすることも可能である。
さらに、エンジンとメイン・シャフト3との間にトルク・コンバータを介設しても良い。この場合、通常の自動変速機では、トルク・コンバータにストール・トルクが存在することからクラッチ歯47a,47b,49a,49b,51a,51b、19a,21a,23a,25a,27a,29aによる断続では切断ができなくなるところ、トルクが存在しても切断ができるガイド部Gを採用したトランスミッション1では、円滑な変速及びエネルギー損失の抑制の双方を確実に達成することができる。
1 トランスミッション
3 メイン・シャフト(駆動力伝達軸)
5 カウンター・シャフト(駆動力伝達軸)
19 1速ギヤ(変速ギヤ)
21 2速ギヤ(変速ギヤ)
23 3速ギヤ(変速ギヤ)
25 4速ギヤ(変速ギヤ)
27 5速ギヤ(変速ギヤ)
29 6速ギヤ(変速ギヤ)
65,67,69 カム溝
71,73,75 カム突部
77,79,85,87 シフト・フォーク
103,105,107,109 シフト・ロッド
111,113,115,117 シフト・アーム
119 シフト・ドラム
120,121,123,125 シフト溝
131,133 チェック部
47 第1の噛合いクラッチ
49 第2の噛合いクラッチ
51 第3の噛合いクラッチ
59,61,63 クラッチ・リング
93 変速操作部
F 駆動斜面
G ガイド部
M 移動力伝達機構
T 伝達面
3 メイン・シャフト(駆動力伝達軸)
5 カウンター・シャフト(駆動力伝達軸)
19 1速ギヤ(変速ギヤ)
21 2速ギヤ(変速ギヤ)
23 3速ギヤ(変速ギヤ)
25 4速ギヤ(変速ギヤ)
27 5速ギヤ(変速ギヤ)
29 6速ギヤ(変速ギヤ)
65,67,69 カム溝
71,73,75 カム突部
77,79,85,87 シフト・フォーク
103,105,107,109 シフト・ロッド
111,113,115,117 シフト・アーム
119 シフト・ドラム
120,121,123,125 シフト溝
131,133 チェック部
47 第1の噛合いクラッチ
49 第2の噛合いクラッチ
51 第3の噛合いクラッチ
59,61,63 クラッチ・リング
93 変速操作部
F 駆動斜面
G ガイド部
M 移動力伝達機構
T 伝達面
Claims (8)
- 駆動力伝達軸に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、
前記クラッチ・リングと前記駆動力伝達軸との間に、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングに噛合い解除方向の軸力を生じさせるガイド部を備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 駆動力伝達軸に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、
前記クラッチ・リングと前記駆動力伝達軸との間に、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段と変速上段とのクラッチ・リングに噛合い方向と噛合い解除方向との異なる軸力を各別に生じさせるガイド部を備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 駆動力伝達軸に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、
前記クラッチ・リングは、前記変速ギヤに対し軸方向の第1の噛合い位置で噛合う状態と前記第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で噛合う状態とに移動可能であり、
前記クラッチ・リングが変速下段及び変速上段で同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングを、前記第2の噛み合い位置にする機構を備え、
前記クラッチ・リングと前記駆動力伝達軸との間に、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングに前記第2の噛み合い位置でコースティング・トルクにより噛合い解除方向の軸力を生じさせるガイド部を備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 駆動力伝達軸に相対回転可能に支持された複数段の変速ギヤと、前記変速ギヤを前記駆動力伝達軸に選択的に結合して変速出力するために複数備えられ前記変速ギヤに選択的な噛み合いが可能なクラッチ・リングと、このクラッチ・リングを選択的に操作する変速操作部とを備え、
前記クラッチ・リングは、前記変速ギヤに対し軸方向の第1の噛合い位置で噛合う状態と前記第1の噛合い位置よりも噛合いを浅くする第2の噛み合い位置で噛合う状態とに移動可能であり、
前記クラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングを、前記第2の噛み合い位置にする機構を備え、
前記クラッチ・リングと前記駆動力伝達軸との間に、前記変速操作部のシフト・アップ動作又はシフト・ダウン動作により変速下段及び変速上段のクラッチ・リングが同時噛合いした時に前記変速下段と変速上段とのクラッチ・リングに前記第2の噛み合い位置でコースティング・トルクにより噛合い方向と噛合い解除方向との異なる軸力を各別に生じさせるガイド部を備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 請求項1〜4の何れかに記載のトランスミッションであって、
前記ガイド部は、前記クラッチ・リング側と前記駆動力伝達軸側とに各別に設けたカム溝とこのカム溝にガイドされるカム突部とを備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載のトランスミッションであって、
前記クラッチ・リングと前記変速ギヤとの選択的な噛合いはクラッチ歯で行われ、
前記クラッチ・リングを前記第2の噛み合い位置にする機構は、前記クラッチ歯の何れか一方の回転方向一側の歯元に形成され駆動力伝達時に前記クラッチ歯の他方の先端部との間の相対的なガイドにより前記クラッチ・リングを前記第1の噛合い位置から前記第2の噛み合い位置へ移動させる駆動斜面を備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載のトランスミッションであって、
前記変速操作部を経由し前記変速下段及び変速上段のクラッチ・リングの一方から他方に前記噛合い方向又は噛合い解除方向の必要なスラスト力を前記クラッチ・リングに伝達する機構を有する、
ことを特徴とするトランスミッション。 - 請求項1〜7の何れか1項記載のトランスミッションであって、
前記変速操作部側に、前記変速下段又は変速上段のクラッチ・リングの一方のみが前記噛合いを行った駆動力伝達時に前記噛合い歯又は被噛合い歯の他方を第2の噛み合い位置から前記第1の噛合い位置へ復帰させるためのエネルギーを蓄積し、コースティング・トルク時に前記クラッチ・リングを前記弾性エネルギーにより前記第2の噛み合い位置から前記第1の噛合い位置へ復帰させるための機構を備えた、
ことを特徴とするトランスミッション。
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