JP2018071627A - 自動変速機 - Google Patents

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JP2018071627A JP2016210847A JP2016210847A JP2018071627A JP 2018071627 A JP2018071627 A JP 2018071627A JP 2016210847 A JP2016210847 A JP 2016210847A JP 2016210847 A JP2016210847 A JP 2016210847A JP 2018071627 A JP2018071627 A JP 2018071627A
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崇志 栗田
Takashi Kurita
崇志 栗田
山本 明弘
Akihiro Yamamoto
明弘 山本
嘉裕 倉橋
Yoshihiro Kurahashi
嘉裕 倉橋
亮文 板倉
Akifumi Itakura
亮文 板倉
日比 利文
Toshifumi Hibi
利文 日比
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Abstract

【課題】 シームレスシフトを行う際、打音や変速ショックを抑制可能な自動変速機を提供すること。【解決手段】 本発明の自動変速機では、軸方向噛み合い側への移動により低速クラッチリング及び高速クラッチリングを軸方向噛み合い方向に移動可能であって軸方向噛み合い解除側への移動を許容するシフトアクチュエータを有し、高速クラッチリングを軸方向かみ合い方向に移動してアップシフトを行うとき、完全噛み合い位置よりも噛み合い解除側の所定軸方向位置において、高速側相対回転体のドグと高速クラッチリングドグとを噛合させることとした。【選択図】 図6

Description

本発明は、トルク伝達が途切れることなく変速可能な自動変速機に関する。
特許文献1には、トルク伝達が途切れることなく変速可能(以下、シームレスシフトと記載する。)な自動変速機が開示されている。例えば1速で走行中に2速へのアップシフトを行うにあたり、2速ギヤと噛み合う2速用クラッチリングを噛み合わせると、1速ギヤにコースティングトルクが作用する。このコースティングトルクを利用して1速用クラッチリングに噛合い解除方向への軸力を発生させ、2速へのシームレスシフトを達成する。シームレスシフトを達成する際には、外周にシフトフォークと係合する変速溝を有するシフトドラムをモータにより回転し、変速を行う。
特開2012−127471公報
しかしながら、シフトフォークを作動させて2速用クラッチリングを?合わせる際、ドグの噛み合い時に打音や変速ショックが運転者に違和感を与えるという問題があった。
本発明の目的は、シームレスシフトを行う際、打音や変速ショックを抑制可能な自動変速機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機では、第1シャフトに固定または相対回転可能に支持された第1低速ギヤ及び第1高速ギヤと、第2シャフトに固定または相対回転可能に支持され前記第1低速ギヤと常時噛み合う第2低速ギヤ及び第1高速ギヤと常時噛み合う第2高速ギヤと、軸方向噛合い側への移動により、前記第1低速ギヤもしくは第2低速ギヤのいずれかである低速側相対回転体のドグと噛合う低速クラッチリングドグを有し、前記低速側相対回転体のドグから前記低速クラッチリングドグにトルクが作用すると、前記第1シャフトまたは前記第2シャフト上に固定設置された第1クラッチリングカムの外周に形成された軸方向と交差する溝に沿って軸方向噛合い解除側に移動可能なガイド用第1突起を有する低速クラッチリングと、軸方向噛合い側への移動により、前記第1低速ギヤもしくは第2高速ギヤのいずれかである高速側相対回転体のドグと噛合う高速クラッチリングドグを有し、前記高速側相対回転体のドグから前記高速クラッチリングドグにトルクが作用すると、前記第1シャフトまたは前記第2シャフト上に固定設置された第2クラッチリングカムの外周に形成された軸方向と交差する溝に沿って軸方向噛合い解除側に移動可能なガイド用第2突起を有する高速クラッチリングと、軸方向噛合い側への移動により前記低速クラッチリング及び前記高速クラッチリングを軸方向噛合い方向に移動可能であって軸方向噛合い解除側への移動を許容するシフトアクチュエータと、を備え、前記シフトアクチュエータは、前記高速クラッチリングを軸方向かみ合い方向に移動してシフトを行うとき、前記高速側相対回転体のドグと前記高速クラッチリングドグとが噛み合いを開始可能であって完全噛み合い位置よりも噛み合い解除側の所定軸方向位置において、前記高速側相対回転体のドグと前記高速クラッチリングドグとを噛合させることを特徴とする。
よって、シームレスシフトによるアップシフト時に、打音を抑制することができる。
実施例1の自動変速機を表す概略システム図である。 実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第1ドグクラッチ機構の作用を表す概略図である。 実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第1ドグクラッチ機構の作用を表す概略図である。 実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第2ドグクラッチ機構の作用を表す概略図である。 実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第2ドグクラッチ機構の作用を表す拡大部分断面図である。 実施例1及び比較例における、1速から2速へのアップシフト時のタイムチャートである。
〔実施例1〕
図1は実施例1の自動変速機を表す概略システム図である。エンジン1のエンジン出力軸1aには、クラッチ2を介して自動変速機3が接続されている。自動変速機3は、クラッチ2の自動変速機側に接続された第1シャフト301と、第1シャフト301と平行に配置された第2シャフト302と、を有する。第1シャフト301上には、第1シャフト301に対して相対回転可能に支持された1速ドライブギヤ311と、2速ドライブギヤ321と、3速ドライブギヤ331と、4速ドライブギヤ341と、を有する。第2シャフト302上には、第2シャフト302に固定され、第2シャフト302と一体に回転する1速ドリブンギヤ312と、2速ドリブンギヤ322と、3速ドリブンギヤ332と、4速ドリブンギヤ342と、を有する。各ドリブンギヤは、各ドライブギヤと常時噛み合っている。
変速機コントローラ3aは、図外の各種センサやシフト信号に基づいて後述する変速マップから所望の変速段を決定し、シフトアクチュエータ30にシフトアクチュエータ駆動信号を出力する。シフトアクチュエータ30は、第1シフトフォーク31及び第2シフトフォーク32を軸方向に移動可能に構成されている。このシフトアクチュエータ30は、外周に各シフトフォーク31,32と係合する変速溝30bを有するシフトドラム30aをモータ30cで位置制御する。第1シフトフォーク31及び第2シフトフォーク32には、軸方向の所定位置に付勢可能な位置決め機構31b及び32bを有する。この位置決め機構31b及び32bは、各シフトフォーク31,32がシフトアクチュエータ30により位置決めされた後、後述するトルク作用方向に伴うドグの噛合い位置の変化に応じて軸方向への若干の移動を許容すると共に、複数の位置において各シフトフォーク31,32に所定の軸方向位置の保持力を付与する。詳細については後述する。
1速ドライブギヤ311と3速ドライブギヤ331とは隣接して配置されている。2速ドライブギヤ321と4速ドライブギヤ341とは隣接して配置されている。第1ドライブギヤ311の第3ドライブギヤ331と対向する側面には、軸方向に延在された第1ドグ311aを有する。同様に、第3ドライブギヤ331の第1ドライブギヤ311と対向する側面には第3ドグ331aを有する。第2ドライブギヤ321の第4ドライブギヤ341と対向する側面には、軸方向に延在された第2ドグ321aを有する。同様に、第4ドライブギヤ341の第2ドライブギヤ321と対向する側面には第4ドグ341aを有する。
1速ドライブギヤ311と3速ドライブギヤ331との間、及び2速ドライブギヤ321と4速ドライブギヤ341との間には、第1及び第2ドグクラッチ機構DG1,DG2を有する。第1ドグクラッチ機構DG1は、第1シャフト301上に固定設置された第1クラッチリングカム400と、第1クラッチリングカム400の外周に設置され、第1シフトフォーク31に対して相対回転可能に噛み合う第1クラッチリング33を有する。第1クラッチリングカム400の外周には、外周面に形成されたV字溝401を有する。このV字溝401は、第1シャフト301の正回転方向側に向かって傾斜する1速側下方傾斜面401aと、1速側下方傾斜面401aと対向する1速側上方傾斜面401eと、を有する。
同様に、第1シャフト301の負回転方向側に向かって傾斜する3速側下方傾斜面401cと、3速側下方傾斜面401cと対向する3速側上方傾斜面401gと、を有する。1速側上方傾斜面401eと3速側上方傾斜面401gとの間となるV字溝の先端上方側は、いずれのギヤとも噛み合わない状態の中立位置401fであり、噛合い解除後は、位置決め機構31bにより後述するガイド用第1突起33bがV字溝の先端である中立位置401fに保持される(図4参照)。また、1速側下方傾斜面401aと軸方向との交差角θ1と、1速側上方傾斜面401eと軸方向との交差角θ2は、θ1>θ2の関係を有する。この関係は、V字溝401及び501の全ての傾斜面において同様の関係を有する(図5参照)。
また、第1クラッチリング33の1速ドライブギヤ311側に向かい合う端部には、1速側傾斜面401aと接続され、軸方向に平行な保持面401bを有する。同様に、第1クラッチリング33の3速ドライブギヤ331側に向かい合う端部には、3速側傾斜面401cと接続され、軸方向に平行な保持面401dを有する。尚、第2ドグクラッチ機構DG2にも、第1ドグクラッチ機構DG1と同様の、第2クラッチリング34、第2クラッチリングカム500、V字溝501、2速側傾斜面501a、4速側傾斜面501c、保持面501b,501dを有する。構成は第1ドグクラッチ機構DG1と同じであるため説明を省略する。
第1クラッチリング33は、第1クラッチリングカム400の外周と相対移動可能な円筒状部材33eと、円筒状部材33eの軸方向中央から外径側に向かって拡径された第1スリーブ33aを有する。第1スリーブ33aは、シフトフォーク31に相対回転可能に保持されつつシフトフォーク31との間で軸力を相互に付与可能な円盤状部材である。第1クラッチリング33は、第1スリーブ33aから1速ドライブギヤ311と対向する側面の軸方向に延在された1速用第1クラッチリングドグ33cと、3速ギヤ331と対向する側面の軸方向に延在された3速用第1クラッチリングドグ33dと、円筒状部材33eの内周側に突出し、第1クラッチリングカム400のV字溝401内にガイドされるガイド用第1突起33bと、を有する。
同様に、第2クラッチリング34は、第2クラッチリングカム500の外周と相対移動可能な円筒状部材34eと、円筒状部材34eの軸方向中央から外径側に向かって拡径された第2スリーブ34aを有する。第2スリーブ34aは、シフトフォーク32に相対回転可能に保持されつつシフトフォーク32と軸力を相互に付与可能な円盤状部材である。第2クラッチリング34は、第2スリーブ34aから2速ドライブギヤ321と対向する側面の軸方向に延在された2速用第2クラッチリングドグ34cと、4速ギヤ341と対向する側面の軸方向に延在された4速用第2クラッチリングドグ34dと、円筒状部材34eの内周側に突出し、第2クラッチリングカム500のV字溝501内にガイドされるガイド用第2突起34bと、を有する。
次に、アップシフト作用を簡単に説明する。具体例として、1速走行状態で2速へのアップシフトを行う場合を説明する。図2及び図3は実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第1ドグクラッチ機構の作用を表す概略図、図4は実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第2ドグクラッチ機構の作用を表す概略図、図5は実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第2ドグクラッチ機構の部分拡大断面図である。1速では、第1シフトフォーク31が図1中の左側に移動した状態である。図2(a)に示すように、第1クラッチリング33は、1速ドライブギヤ311にトルクが作用する前の状態では、ガイド用第1突起33bが保持面401bに位置し、コースティングトルクが作用しても軸方向に移動することはない。また、図4に示すように、ガイド用第2突起34bは、第2クラッチリングカム500のV字溝501内の中立位置501fに位置し、第2クラッチリングカム500が回転すると、中立位置501fに当接したガイド用第2突起34bを介して第2クラッチリング34を連れまわしている状態である。
図2(b)に示すように、第1クラッチリング33の1速用第1クラッチリングドグ33cの歯面であってドライビングトルク作用時に1速ドライブギヤ311の第1ドグ311aと係合する位置には、傾斜面33c1が形成されている。1速ドライブギヤ311から1速ドリブンギヤ312へドライビングトルクが作用すると、この傾斜面33c1に沿って第1クラッチリング33が噛み合い解除側に向けてリフトする。これにより、ガイド用第1突起33bは保持面401bから1速側上方傾斜面401eの位置に移動する。ただし、1速ドライブギヤ311の第1ドグ311aと1速用クラッチリングドグ33cとの噛み合いは継続しており、トルク伝達状態である。尚、この動作を行うにあたって、前述した位置決め機構31bが作動する。すなわち、リフトに伴い第1シフトフォーク31が軸方向に僅かに移動することを許容しつつ、リフト後の第1クラッチリング33の軸方向位置を安定的に保持している。
次に、第2シフトフォーク32が図1中の左側に移動し、2速用第2クラッチリングドグ34cと第2ドグ321aとが係合を開始すると、インターロック状態となり、1速用クラッチリングドグ33cと第1ドグ311aとの間にコースティングトルクが作用する。すると、図3(c)に示すように、第1プロセスとして、ガイド用第1突起33bが1速側下方傾斜面401aに沿って移動する。このインターロック状態に伴うコースティングトルクによって軸方向に発生する力は、位置決め機構31bの保持力よりも十分に大きいため、第1シフトフォーク31の移動は速やかに行われる。
そして、ガイド用第1突起33bが1速側下方傾斜面401aを移動し、1速ドライブギヤ11の第1ドグ311aの軸方向歯先と1速用クラッチリングドグ33cの軸方向歯先との軸方向位置が一致する所定位置を超えると、図3(d)に示すように、ガイド用第1突起33bが1速側下方傾斜面401aに沿って移動し、1速用クラッチリングドグ33cを軸方向解除側に移動させる。これにより、第1クラッチリング33は噛合い解除側に移動し、1速ドライブギヤ11の第1ドグ311aと1速用クラッチリングドグ33cとの噛合いが完全に解除される。
すなわち、1速時に2速ドライブギヤ321と2速用第2クラッチリングドグ34cとを係合し、この係合に伴って生じるインターロック状態に伴うコースティングトルクを利用して1速ドライブギヤ311と第1クラッチリング33との噛合いを解除する。よって、アップシフト時に常にトルク伝達状態を維持することができる。このようなシフト動作をシームレスシフトと言う。
ここで、第2シフトフォーク32が図1中の左側に移動し、2速用第2クラッチリングドグ34cと第2ドグ321aとが係合するまでの動作について説明する。図4に示すように、1速から2速へのアップシフト時は、ガイド用第2突起34bが中立位置501fにある状態から、第2シフトフォーク32を図4中の左側に移動させる。ここで、図5の拡大部分断面図に示すように、2速用第2クラッチリングドグ34c及び第2ドグ321aは、軸方向に垂直な面34c1及び321c1と、噛み合い面34c2及び321a2との間に、所定の曲率半径Rを有する接続面34c3及び321a3を有する。これにより、相対回転しているドグをスムーズに噛み合わせ、もしくは噛み合いを解除する。言い換えると、2速用第2クラッチリングドグ34cの面34c1と第2ドグ321aの面321c1とが径方向から見てオーバーラップしていたとしても、接続面34c3及び321a3のみが重なっている領域では、両ドグは噛み合うことができず、噛み合い解除側にはじかれてしまうため、最も噛み合い解除側で噛み合い可能な位置は、接続面34c3及び321aが、それぞれ噛み合い面321a2及び34c2とオーバーラップを開始する位置である。この位置を、噛み合い開始位置と定義する。
また、噛み合い面34c2及び321a2は、平行な傾斜面として形成されている。この噛み合い面34c2及び321a2の傾斜方向は、噛み合い時の分力が噛み合い側に発生するように形成されている。具体的には、1速から2速へのアップシフト時、2速用第2クラッチリングドグ34cの回転速度をω1とし、第2ドグ321aの回転速度をω2とすると、ω1>ω2である。よって、噛み合い時は、2速用第2クラッチリングドグ34c側から第2ドグ321a側に力が作用し、この分力成分により2速用第2クラッチリングドグ34cは、第2ドグ321a側に押されることで、噛み合い状態を維持する。また、2速用第2クラッチリングドグ34cが噛み合い開始位置よりも噛み合い側で噛み合うと、傾斜面34c1と接続面321a3とが当接する位置である噛み合い完了位置まで2速用第2クラッチリングドグ34cは軸方向移動し、完全噛み合い状態となる(図4及び図5の点線で示す2速用第2クラッチリングドグ34cを参照)。
図5の実線で示す2速用第2クラッチリングドグ34cは、噛み合い開始位置において噛み合い面34c2及び321a2との隙間であるバックラッシュが0の状態を表し、一点鎖線で示す2速用第2クラッチリングドグ34cは、比較例として噛み合い開始位置においてバックラッシュが存在する状態を表す。ここで、比較例のように、噛み合い開始位置においてバックラッシュが存在し、仮に噛み合い完了位置においてバックラッシュが0となる場合について説明する。
図6は1速から2速へのアップシフト時のタイムチャートである。図6中の実線は実施例1を示し、点線は比較例を示す。運転者がアクセルペダルを踏みこみ、1速から発進する。このとき、エンジン回転数Neは上昇し、それに伴い第1シャフト301の回転数Ninも増加することで車速VSPが増大する。次に、加速後の時刻t1においてアップシフト指令が出力されると、シフトアクチュエータ30は、モータ30cに駆動電流を出力し、シフトドラム30aを回転することで2速用第2クラッチリングドグ34cが軸方向噛み合い側に移動し始める。
比較例の場合、時刻t2において噛み合い開始位置に到達しても、バックラッシュが存在するため、モータ30cに駆動電流を継続的に出力し、噛み合い完了位置まで2速用第2クラッチリングドグ34cを移動させる。そして、時刻t3において、2速用第2クラッチリングドグ34cが噛み合い完了位置に到達した時点でバックラッシュが0となると、一気にコースティングトルクTcrが発生する。また、完全噛み合い状態では、軸方向ストロークに伴い、ガイド用第2突起34bがV字溝501を移動する際に生じる相対速度の緩和作用が働かない。よって、コースティングトルクTcrのピークが高くなり、ドグ同士の打音が大きくなることによる音振性能の悪化や変速ショックを招くという問題がある。
そこで、実施例1では、噛み合い開始位置においてバックラッシュが0となるようにシフトアクチュエータ30を制御することとした。すなわち、時刻t2において噛み合い開始位置に到達するときに、バックラッシュが0となるようにシフトアクチュエータ30を制御し、この位置においてモータ30cへの駆動電流を停止する。すると、2速用第2クラッチリングドグ34cと第2ドグ321aとが噛み合う。このとき、噛み合い面34c2及び321a2に形成された傾斜面により、2速用第2クラッチリングドグ34cは、自動的に噛み合い側に軸方向移動を開始する。また、噛み合った状態で2速用第2クラッチリングドグ34cが軸方向にストロークするため、ガイド用第2突起34bがV字溝501を移動する際に生じる相対速度の緩和作用が働く。よって、コースティングトルクTcrのピークを抑制することができ、打音及び変速ショックを緩和できる。
上記実施例1に基づく作用効果を説明する。
(1)第1シャフト301に(固定または)相対回転可能に支持された1速ドライブギヤ311(第1低速ギヤ)及び2速ドライブギヤ321(第1高速ギヤ)と、
第2シャフト302に固定(または相対回転可能に支持)され1速ドライブギヤ311と常時噛み合う1速ドリブンギヤ312(第2低速ギヤ)及び2速ドライブギヤ321と常時噛み合う2速ドリブンギヤ322(第2高速ギヤ)と、
軸方向噛合い側への移動により、第1ドグ311a(前記第1低速ギヤもしくは第2低速ギヤのいずれかである低速側相対回転体のドグ)と噛合う1速用第1クラッチリングドグ33c(低速クラッチリングドグ)を有し、第1ドグ311aから1速用第1クラッチリングドグ33cにトルクが作用すると、第1シャフト301に固定設置された第1クラッチリングカム400の外周に形成された軸方向と交差する溝であるV字溝401に沿って軸方向噛合い解除側に移動可能なガイド用第1突起33bを有する第1クラッチリング33(低速クラッチリング)と、
軸方向噛合い側への移動により、第2ドグ321a(前記第1低速ギヤもしくは第2高速ギヤのいずれかである高速側相対回転体のドグ)と噛合う2速用第2クラッチリングドグ34c(高速クラッチリングドグ)を有し、第2ドグ321aから2速用第2クラッチリングドグ34cにトルクが作用すると、第1シャフト301に固定設置された第2クラッチリングカム500の外周に形成された軸方向と交差する溝であるV字溝501に沿って軸方向噛合い解除側に移動可能なガイド用第2突起34bを有する第2クラッチリング34(高速クラッチリング)と、
軸方向噛合い側への移動により第1クラッチリング33及び第2クラッチリング34を軸方向噛合い方向に移動可能であって軸方向噛合い解除側への移動を許容する第1シフトフォーク31,第2シフトフォーク32及びシフトアクチュエータ30と、
を備え、
シフトアクチュエータ30は、第2クラッチリング34を軸方向かみ合い方向に移動してアップシフトを行うとき、第2ドグ321aと2速用第2クラッチリングドグ34cとが噛み合い開始可能であって完全噛み合い位置よりも噛み合い解除側の所定軸方向位置である噛み合い開始位置において、第2ドグ321aと2速用第2クラッチリングドグ34cとを噛合させることとした。
よって、シームレスシフトによるアップシフト時に、第2クラッチリング34を減速させることが可能となり、ドグの噛み合いに伴う打音を抑制しつつ変速ショックを抑制できる。
(2)2速用第2クラッチリングドグ34c及び第2ドグ321aは、噛み合い時の分力が噛み合い側に生じる傾斜面を有する噛み合い面34c2及び321a2を有し、シフトアクチュエータ30は、噛み合い解除位置から噛み合い開始位置まで移動するときの駆動電流よりも、噛み合い開始位置から軸方向噛み合い側へ移動するときの駆動電流を小さくする。
よって、ガイド用第2突起34bがV字溝501を移動する際に生じる相対速度の緩和作用を得ることができ、打音及び変速ショックをより効果的に緩和できる。
(3)2速用第2クラッチリングドグ34c及び第2ドグ321aは、軸方向に垂直な面34c1及び321c1と噛み合い面34c2及び321a2との間に所定の曲率半径Rを有する接続面34c3及び321a3を有し、噛み合い開始位置は、一方の接続面(例えば34c3)と他方の噛み合い面(例えば321a2)とが径方向から見てオーバーラップを開始する位置に設定されている。
よって、駆動電流を停止したとしても、自動的に完全噛み合い状態に移行できる。
(他の実施例)
以上、実施例1に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成を備えた自動変速機に本発明を適用してもよい。具体的には、前進4速に限らず、更なる多段化した自動変速機にも適用できる。
また、実施例1では、モータ30cへの駆動電流を噛み合い開始位置において停止する例を示したが、停止に限らず、噛み合い開始位置までの駆動電流よりも小さな駆動電流を付与してもよい。
また、実施例1では、噛み合い開始位置においてバックラッシュが0となるように制御したが、噛み合い完了位置よりも噛み合い解除側であって噛み合い開始位置よりも噛み合い側であれば、他の位置においてバックラッシュが0となるように制御してもよい。ただし、ガイド用第2突起34bがV字溝501を移動する際に生じる相対速度の緩和作用は軸方向ストローク移動量が大きいほど有利である。
1 エンジン
1a エンジン出力軸
2 クラッチ
3 自動変速機
3a 変速機コントローラ
30 シフトアクチュエータ
30a シフトドラム
30c モータ
31 第1シフトフォーク
32 第2シフトフォーク
33 第1クラッチリング
33a 第1スリーブ
33b ガイド用第1突起
33c 1速用第1クラッチリングドグ
33c1 傾斜面
33d 3速用第1クラッチリングドグ
33e 円筒状部材
34 第2クラッチリング
34a 第2スリーブ
34b ガイド用第2突起
34c 2速用第2クラッチリングドグ
34c1 軸方向に垂直な面
34c2 噛み合い面
34c3 接続面
34d 4速用第2クラッチリングドグ
34e 円筒状部材
301 第1シャフト
302 第2シャフト
311 1速ドライブギヤ
311a 第1ドグ
312 1速ドリブンギヤ
321 2速ドライブギヤ
321a 第2ドグ
321a1 軸方向に垂直な面
321a2 噛み合い面
321a3 接続面
322 2速ドリブンギヤ
400 第1クラッチリングカム
401 V字溝
500 第2クラッチリングカム
501 V字溝
501a 2速側下方傾斜面
DG1 第1ドグクラッチ機構
DG2 第2ドグクラッチ機構

Claims (3)

  1. 第1シャフトに固定または相対回転可能に支持された第1低速ギヤ及び第1高速ギヤと、
    第2シャフトに固定または相対回転可能に支持され前記第1低速ギヤと常時噛み合う第2低速ギヤ及び第1高速ギヤと常時噛み合う第2高速ギヤと、
    軸方向噛合い側への移動により、前記第1低速ギヤもしくは第2低速ギヤのいずれかである低速側相対回転体のドグと噛合う低速クラッチリングドグを有し、前記低速側相対回転体のドグから前記低速クラッチリングドグにトルクが作用すると、前記第1シャフトまたは前記第2シャフト上に固定設置された第1クラッチリングカムの外周に形成された軸方向と交差する溝に沿って軸方向噛合い解除側に移動可能なガイド用第1突起を有する低速クラッチリングと、
    軸方向噛合い側への移動により、前記第1低速ギヤもしくは第2高速ギヤのいずれかである高速側相対回転体のドグと噛合う高速クラッチリングドグを有し、前記高速側相対回転体のドグから前記高速クラッチリングドグにトルクが作用すると、前記第1シャフトまたは前記第2シャフト上に固定設置された第2クラッチリングカムの外周に形成された軸方向と交差する溝に沿って軸方向噛合い解除側に移動可能なガイド用第2突起を有する高速クラッチリングと、
    軸方向噛合い側への移動により前記低速クラッチリング及び前記高速クラッチリングを軸方向噛合い方向に移動可能であって軸方向噛合い解除側への移動を許容するシフトアクチュエータと、
    を備え、
    前記シフトアクチュエータは、前記高速クラッチリングを軸方向かみ合い方向に移動してシフトを行うとき、前記高速側相対回転体のドグと前記高速クラッチリングドグとが噛み合いを開始可能であって完全噛み合い位置よりも噛み合い解除側の所定軸方向位置において、前記高速側相対回転体のドグと前記高速クラッチリングドグとを噛合させることを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記高速側相対回転体のドグ及び前記高速クラッチリングドグは、噛み合い時の分力が噛み合い側に生じる傾斜面を有し、
    前記シフトアクチュエータは、噛み合い解除位置から前記所定軸方向位置まで移動するときの駆動電流よりも、前記所定軸方向位置から軸方向噛み合い側へ移動するときの駆動電流を小さくすることを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機において、
    前記高速側相対回転体のドグ及び前記高速クラッチリングドグは、軸方向に垂直な面と噛み合い面との間に所定の曲率半径を有する接続面を有し、
    前記所定軸方向位置は、前記一方の接続面と前記他方の噛み合い面とが径方向から見てオーバーラップを開始する位置に設定されていることを特徴とする自動変速機。
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