JP2018066424A - 自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モータ故障によりシフトドラムが回転し続けた場合であっても、エンストを回避可能な自動変速機を提供すること。
【解決手段】 本発明の自動変速機では、モータによりシフトドラムを回転し、トルク伝達が途切れることなく変速可能な有段式の自動変速機と、エンジンと前記自動変速機との間を断接可能なクラッチと、前記自動変速機を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記モータの通電故障を検出し、かつ、前記自動変速機の入力軸回転数がエンジンの自立回転可能な最低回転数未満の場合、前記クラッチの締結容量を、エンジンと前記入力軸との相対回転を許容する第1の締結容量とする。
【選択図】 図7
【解決手段】 本発明の自動変速機では、モータによりシフトドラムを回転し、トルク伝達が途切れることなく変速可能な有段式の自動変速機と、エンジンと前記自動変速機との間を断接可能なクラッチと、前記自動変速機を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記モータの通電故障を検出し、かつ、前記自動変速機の入力軸回転数がエンジンの自立回転可能な最低回転数未満の場合、前記クラッチの締結容量を、エンジンと前記入力軸との相対回転を許容する第1の締結容量とする。
【選択図】 図7
Description
本発明は、トルク伝達が途切れることなく変速可能な自動変速機に関する。
特許文献1には、トルク伝達が途切れることなく変速可能(以下、シームレスシフトと記載する。)な自動変速機が開示されている。例えば1速で走行中に2速へのアップシフトを行うにあたり、2速ギヤと噛み合う2速用クラッチリングを噛み合わせると、1速ギヤにコースティングトルクが作用する。このコースティングトルクを利用して1速用クラッチリングに噛合い解除方向への軸力を発生させ、2速へのシームレスシフトを達成する。シームレスシフトを達成する際には、外周にシフトフォークと係合する変速溝を有するシフトドラムをモータにより回転し、変速を行う。
しかしながら、モータの短絡等の故障によりモータが回転し続けると、シフトドラムの回転によりアップシフトが継続的に発生し、車速によってはエンジンの自立可能な最低回転数を下回ることによるエンジン停止(以下、エンストと記載する。)を引き起こすおそれがあった。
本発明の目的は、モータ故障によりシフトドラムが回転し続けた場合であっても、エンストを回避可能な自動変速機を提供することにある。
本発明の目的は、モータ故障によりシフトドラムが回転し続けた場合であっても、エンストを回避可能な自動変速機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機では、モータによりシフトドラムを回転し、トルク伝達が途切れることなく変速可能な有段式の自動変速機と、エンジンと前記自動変速機との間を断接可能なクラッチと、前記自動変速機を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記モータの通電故障を検出し、かつ、前記自動変速機の入力軸回転数がエンジンの自立回転可能な最低回転数未満の場合、前記クラッチの締結容量を、エンジンと前記入力軸との相対回転を許容する第1の締結容量とする。
よって、モータ故障によりシフトドラムが回転し続けた場合であっても、クラッチがスリップすることでエンストを回避できる。
〔実施例1〕
図1は実施例1の自動変速機を表す概略システム図である。エンジン1のエンジン出力軸1aには、クラッチ2を介して自動変速機3が接続されている。自動変速機3は、クラッチ2の自動変速機側に接続された第1シャフト301と、第1シャフト301と平行に配置された第2シャフト302と、を有する。第1シャフト301上には、第1シャフト301に対して相対回転可能に支持された1速ドライブギヤ311と、2速ドライブギヤ321と、3速ドライブギヤ331と、4速ドライブギヤ341と、を有する。第2シャフト302上には、第2シャフト302に固定され、第2シャフト302と一体に回転する1速ドリブンギヤ312と、2速ドリブンギヤ322と、3速ドリブンギヤ332と、4速ドリブンギヤ342と、を有する。各ドリブンギヤは、各ドライブギヤと常時噛み合っている。
図1は実施例1の自動変速機を表す概略システム図である。エンジン1のエンジン出力軸1aには、クラッチ2を介して自動変速機3が接続されている。自動変速機3は、クラッチ2の自動変速機側に接続された第1シャフト301と、第1シャフト301と平行に配置された第2シャフト302と、を有する。第1シャフト301上には、第1シャフト301に対して相対回転可能に支持された1速ドライブギヤ311と、2速ドライブギヤ321と、3速ドライブギヤ331と、4速ドライブギヤ341と、を有する。第2シャフト302上には、第2シャフト302に固定され、第2シャフト302と一体に回転する1速ドリブンギヤ312と、2速ドリブンギヤ322と、3速ドリブンギヤ332と、4速ドリブンギヤ342と、を有する。各ドリブンギヤは、各ドライブギヤと常時噛み合っている。
変速機コントローラ3aは、図外の各種センサやシフト信号に基づいて後述する変速マップから所望の変速段を決定し、シフトアクチュエータ30にシフトアクチュエータ駆動信号を出力する。シフトアクチュエータ30は、第1シフトフォーク31及び第2シフトフォーク32を軸方向に移動可能に構成されている。このシフトアクチュエータ30は、外周に各シフトフォーク31,32と係合する変速溝30bを有するシフトドラム30aをモータ30cで位置制御する。第1シフトフォーク31及び第2シフトフォーク32には、軸方向の所定位置に付勢可能な位置決め機構31b及び32bを有する。この位置決め機構31b及び32bは、各シフトフォーク31,32がシフトアクチュエータ30により位置決めされた後、後述するトルク作用方向に伴うドグの噛合い位置の変化に応じて軸方向への若干の移動を許容すると共に、複数の位置において各シフトフォーク31,32に所定の軸方向位置の保持力を付与する。詳細については後述する。
1速ドライブギヤ311と3速ドライブギヤ331とは隣接して配置されている。2速ドライブギヤ321と4速ドライブギヤ341とは隣接して配置されている。第1ドライブギヤ311の第3ドライブギヤ331と対向する側面には、軸方向に延在された第1ドグ311aを有する。同様に、第3ドライブギヤ331の第1ドライブギヤ311と対向する側面には第3ドグ331aを有する。第2ドライブギヤ321の第4ドライブギヤ341と対向する側面には、軸方向に延在された第2ドグ321aを有する。同様に、第4ドライブギヤ341の第2ドライブギヤ321と対向する側面には第4ドグ341aを有する。
1速ドライブギヤ311と3速ドライブギヤ331との間、及び2速ドライブギヤ321と4速ドライブギヤ341との間には、第1及び第2ドグクラッチ機構DG1,DG2を有する。第1ドグクラッチ機構DG1は、第1シャフト301上に固定設置された第1クラッチリングカム400と、第1クラッチリングカム400の外周に設置され、第1シフトフォーク31に対して相対回転可能に噛み合う第1クラッチリング33を有する。第1クラッチリングカム400の外周には、外周面に形成されたV字溝401を有する。このV字溝401は、第1シャフト301の正回転方向側に向かって傾斜する1速側緩傾斜溝401a1と、1速側緩傾斜溝401a1よりも急傾斜の1速側急傾斜溝401a2とからなる1速側傾斜溝401aを有する。同様に、第1シャフト301の負回転方向側に向かって傾斜する3速側緩傾斜溝401c1と、3速側緩傾斜溝401c1よりも急傾斜の3速側急傾斜溝401c2とからなる3速側傾斜溝401cと、を有する。1速側傾斜溝401aと3速側傾斜溝401cとの間となるV字溝の先端は、噛合い状態の中立位置であり、噛合い解除後は、位置決め機構31bにより後述するガイド用第1突起33bがV字溝の先端である中立位置に保持される。
言い換えると、第1クラッチリングカム400の外周には、外周に沿って形成され、かつ、軸方向と交差する1速側傾斜溝401aと3速側傾斜溝401cを有し、軸方向との交差角が小さな1速側緩傾斜溝401a1及び3速側緩傾斜溝401c1と、軸方向との交差角が大きな1速側急傾斜溝401a2及び3速側急傾斜溝401c2とを有する。また、各傾斜溝は、軸方向との交差角が軸方向位置に対して略一定に形成されている。尚、詳細については後述する。
また、第1クラッチリング33の1速ドライブギヤ311側に向かい合う端部には、1速側傾斜溝401aと接続され、軸方向に平行な保持溝401bを有する。同様に、第1クラッチリング33の3速ドライブギヤ331側に向かい合う端部には、3速側傾斜溝401cと接続され、軸方向に平行な保持溝401dを有する。尚、第2ドグクラッチ機構DG2にも、第1ドグクラッチ機構DG1と同様の、第2クラッチリング34、第2クラッチリングカム500、V字溝501、2速側傾斜溝501a、4速側傾斜溝501c、保持溝501b,501dを有する。構成は第1ドグクラッチ機構DG1と同じであるため説明を省略する。
第1クラッチリング33は、第1クラッチリングカム400の外周と相対移動可能な円筒状部材33eと、円筒状部材33eの軸方向中央から外径側に向かって拡径された第1スリーブ33aを有する。第1スリーブ33aは、シフトフォーク31に相対回転可能に保持されつつシフトフォーク31との間で軸力を相互に付与可能な円盤状部材である。第1クラッチリング33は、第1スリーブ33aから1速ドライブギヤ311と対向する側面の軸方向に延在された1速用第1クラッチリングドグ33cと、3速ギヤ331と対向する側面の軸方向に延在された3速用第1クラッチリングドグ33dと、円筒状部材33eの内周側に突出し、第1クラッチリングカム400のV字溝401内にガイドされるガイド用第1突起33bと、を有する。
同様に、第2クラッチリング34は、第2クラッチリングカム500の外周と相対移動可能な円筒状部材34eと、円筒状部材34eの軸方向中央から外径側に向かって拡径された第2スリーブ34aを有する。第2スリーブ34aは、シフトフォーク32に相対回転可能に保持されつつシフトフォーク32と軸力を相互に付与可能な円盤状部材である。第2クラッチリング34は、第2スリーブ34aから2速ドライブギヤ321と対向する側面の軸方向に延在された2速用第2クラッチリングドグ34cと、4速ギヤ341と対向する側面の軸方向に延在された4速用第2クラッチリングドグ34dと、円筒状部材34eの内周側に突出し、第2クラッチリングカム500のV字溝501内にガイドされるガイド用第2突起34bと、を有する。
次に、アップシフト作用を簡単に説明する。具体例として、1速走行状態で2速へのアップシフトを行う場合を説明する。図2及び図3は実施例1の自動変速機における1速から2速へのアップシフトにおける第1ドグクラッチ機構の作用を表す概略図である。1速では、第1シフトフォーク31が図1中の左側に移動した状態である。図2(a)に示すように、第1クラッチリング33は、1速ドライブギヤ311にトルクが作用する前の状態では、ガイド用第1突起33bが保持溝401bに位置し、コースティングトルクが作用しても軸方向に移動することはない。
図2(b)に示すように、第1クラッチリング33の1速用第1クラッチリングドグ33cの歯面であってドライビングトルク作用時に1速ドライブギヤ311の第1ドグ311aと係合する位置には、傾斜面33c1が形成されている。1速ドライブギヤ311から1速ドリブンギヤ312へドライビングトルクが作用すると、この傾斜面33c1に沿って第1クラッチリング33が噛み合い解除側に向けてリフトする。これにより、ガイド用第1突起33bは保持溝401bから1速側傾斜溝401aの位置に移動する。ただし、1速ドライブギヤ311の第1ドグ311aと1速用クラッチリングドグ33cとの噛み合いは継続しており、トルク伝達状態である。尚、この動作を行うにあたって、前述した位置決め機構31bが作動する。すなわち、リフトに伴い第1シフトフォーク31が軸方向に僅かに移動することを許容しつつ、リフト後の第1クラッチリング33の軸方向位置を安定的に保持している。
次に、第2シフトフォーク32が図1中の左側に移動し、2速用第2クラッチリングドグ34cと第2ドグ321aとが係合を開始すると、インターロック状態となり、1速用クラッチリングドグ33cと第1ドグ311aとの間にコースティングトルクが作用する。すると、図3(c)に示すように、第1プロセスとして、ガイド用第1突起33bが1速側緩傾斜溝401a1に沿って移動する。このインターロック状態に伴うコースティングトルクによって軸方向に発生する力は、位置決め機構31bの保持力よりも十分に大きいため、第1シフトフォーク31の移動は速やかに行われる。尚、1速側緩傾斜溝401a1は、回転移動量に対する軸方向移動量が、1速側急傾斜溝401a2よりも大きいため、比較的素早く1速用クラッチリングドグ33cを軸方向解除側に移動させる。
そして、ガイド用第1突起33bが1速側緩傾斜溝401a1を移動し、1速ドライブギヤ11の第1ドグ311aの軸方向歯先と1速用クラッチリングドグ33cの軸方向歯先との軸方向位置が一致する所定位置PXを超えると、図3(d)に示すように、第2プロセスとして、ガイド用第1突起33bが1速側急傾斜溝401a2に沿って移動する。1速側急傾斜溝401a2は、回転移動量に対する軸方向移動量が、1速側緩傾斜溝401a1よりも小さいため、比較的ゆっくりと1速用クラッチリングドグ33cを軸方向解除側に移動させる。これにより、第1クラッチリング33は噛合い解除側に移動し、1速ドライブギヤ11の第1ドグ311aと1速用クラッチリングドグ33cとの噛合いが完全に解除される。
すなわち、1速時に2速ドライブギヤ321と2速用第2クラッチリングドグ34cとを係合し、この係合に伴って生じるインターロック状態に伴うコースティングトルクを利用して1速ドライブギヤ311と第1クラッチリング33との噛合いを解除する。よって、アップシフト時に常にトルク伝達状態を維持することができる。このようなシフト動作をシームレスシフトと言う。
図4は、実施例1の自動変速機のモータがショートした場合に、クラッチを完全締結状態としたときのタイムチャートである。上述したように、シフトドラム30aはモータ30cにより回転駆動され、第1シフトフォーク31及び第2シフトフォーク32が作動することでアップシフトを行う。このとき、モータ30cが短絡(以下、ショートとも記載する。)すると、モータ30cの回転を停止することができず、各シフトフォーク31,32が変速溝30bの終点に突き当たるまでシフトドラム30aを回転し続けることとなる。よって、図4に示すように、1速で走行中の時刻t1において、モータ30cがショートすると、2速→3速→4速へとアップシフトしてしまう。
このとき、車速VSPが十分に上昇していない状態で4速にアップシフトすると、第1シャフト301の回転数である入力軸回転数Ninが強制的に低下する。クラッチ2は完全締結しているため、入力軸回転数Ninの低下に伴ってエンジン回転数Neも一緒に低下してしまい、エンジン1が自立可能な最低回転数Nminを下回り、エンストすることで、走行を継続できないという問題があった。そこで、実施例1では、モータ30cがショートしたとしても、エンストを回避することで走行を継続できるモータ短絡時クラッチ制御を行うこととした。
図5は、実施例1のモータ短絡時クラッチ制御を表すフローチャートである。
ステップS1では、モータ短絡フラグFdrがオンか否かを判断し、オンのときはステップS2に進み、それ以外の場合はステップS8に進んで通常制御を実行する。モータ30cがショートしたか否かは、モータ駆動回路の電流値等を監視することで検知してもよいし、シフトドラム30aの回転位置を検出する他のセンサ等に基づいて検知してもよい。
ステップS2では、現在の変速段Gcurが最高変速段である4速か否かを判断し、4速の場合はステップS6に進み、それ以外の変速段の場合はステップS3に進む。ここで、最高変速段か否かを判断する理由は、これ以上アップシフトが生じない変速段か否かを判断するためである。
ステップS1では、モータ短絡フラグFdrがオンか否かを判断し、オンのときはステップS2に進み、それ以外の場合はステップS8に進んで通常制御を実行する。モータ30cがショートしたか否かは、モータ駆動回路の電流値等を監視することで検知してもよいし、シフトドラム30aの回転位置を検出する他のセンサ等に基づいて検知してもよい。
ステップS2では、現在の変速段Gcurが最高変速段である4速か否かを判断し、4速の場合はステップS6に進み、それ以外の変速段の場合はステップS3に進む。ここで、最高変速段か否かを判断する理由は、これ以上アップシフトが生じない変速段か否かを判断するためである。
ステップS3では、入力軸回転数Ninが最低回転数Nmin未満か否かを判断し、Nmin未満のときはステップS4に進み、Nmin以上のときはステップS5に進む。
ステップS4では、クラッチ2の締結容量を、エンジン出力軸1aと第1シャフト301との相対回転を許容しつつトルク伝達が可能なスリップ状態(以下、半クラッチとも記載する。)となる第1締結容量に設定する。
ステップS5では、クラッチ2の締結容量を、エンジン出力軸1aと第1シャフト301との相対回転が生じないか、生じても極わずかのマイクロスリップ状態となる第2締結容量に設定する。第2締結容量は、第1締結容量よりも高く、完全締結容量よりも低い。第2締結容量に設定することで、スリップ状態への移行指令が出力された場合、完全締結状態から移行する場合に比べて素早く移行することができる(以下、スタンバイ状態とも記載する。)。
ステップS4では、クラッチ2の締結容量を、エンジン出力軸1aと第1シャフト301との相対回転を許容しつつトルク伝達が可能なスリップ状態(以下、半クラッチとも記載する。)となる第1締結容量に設定する。
ステップS5では、クラッチ2の締結容量を、エンジン出力軸1aと第1シャフト301との相対回転が生じないか、生じても極わずかのマイクロスリップ状態となる第2締結容量に設定する。第2締結容量は、第1締結容量よりも高く、完全締結容量よりも低い。第2締結容量に設定することで、スリップ状態への移行指令が出力された場合、完全締結状態から移行する場合に比べて素早く移行することができる(以下、スタンバイ状態とも記載する。)。
ステップS6では、入力軸回転数Ninが所定回転数N1以上か否かを判断し、Ni以上のときはステップS7に進んでクラッチ2を完全締結状態とし、入力軸回転数Ninが所定回転数N1未満のときはステップS3に進んで半クラッチもしくはマイクロスリップ状態に設定し、エンストを回避する。
図6は、実施例1の所定回転数の設定方法を表す概略図である。車両が走行しているとき、運転者がブレーキペダルを操作して急減速する場合がある。このとき、仮にクラッチ2を完全締結した状態で急減速が発生し、クラッチ2を半クラッチに移行するまでの間に入力軸回転数NinがNminを下回ると、エンストを招くおそれがある。そこで、クラッチ2を完全締結状態からスリップ状態に移行するまでに必要な時間をTcloff、急減速時に生じうる入力軸回転数Ninの最大減少速度に応じた角度をβとし、所定回転数N1と最低回転数Nminとの差分を所定値αとすると、tanβ=Tcloff/αの関係が成立する。Tcloffとβは、車両諸元から求められる値であるため、上記関係式を用いて所定値αを算出する。そして、Nminに所定値αを加算した値をN1として設定する。よって、入力軸回転数NinがN1に到達した状態で、仮に急減速が発生したとしても、クラッチ2を完全締結状態からスリップ状態に移行することができ、エンストを回避できる。言い換えると、入力軸回転数NinがN1以上のときは、クラッチ2を完全締結状態としても、エンストを回避できる。
図6は、実施例1の所定回転数の設定方法を表す概略図である。車両が走行しているとき、運転者がブレーキペダルを操作して急減速する場合がある。このとき、仮にクラッチ2を完全締結した状態で急減速が発生し、クラッチ2を半クラッチに移行するまでの間に入力軸回転数NinがNminを下回ると、エンストを招くおそれがある。そこで、クラッチ2を完全締結状態からスリップ状態に移行するまでに必要な時間をTcloff、急減速時に生じうる入力軸回転数Ninの最大減少速度に応じた角度をβとし、所定回転数N1と最低回転数Nminとの差分を所定値αとすると、tanβ=Tcloff/αの関係が成立する。Tcloffとβは、車両諸元から求められる値であるため、上記関係式を用いて所定値αを算出する。そして、Nminに所定値αを加算した値をN1として設定する。よって、入力軸回転数NinがN1に到達した状態で、仮に急減速が発生したとしても、クラッチ2を完全締結状態からスリップ状態に移行することができ、エンストを回避できる。言い換えると、入力軸回転数NinがN1以上のときは、クラッチ2を完全締結状態としても、エンストを回避できる。
図7は、実施例1のモータ故障時クラッチ制御を表すタイムチャートである。この車両は、クラッチ2を完全締結状態とし、1速で走行している状態である。
時刻t1において、モータ30cのショートが発生すると、モータ故障フラグFdrがオンに設定される。そして、クラッチ2の締結容量を、完全締結状態の締結容量から、マイクロスリップ状態となる第2締結容量に設定する。これにより、クラッチ2をスタンバイ状態とすることで、エンジン1からのトルク伝達を維持しつつ、即座にスリップ状態へ移行できる状態を確保する。その後、モータ30cは回転し続けるため、シフトドラム30aも回転し、アップシフトが継続される。
時刻t1において、モータ30cのショートが発生すると、モータ故障フラグFdrがオンに設定される。そして、クラッチ2の締結容量を、完全締結状態の締結容量から、マイクロスリップ状態となる第2締結容量に設定する。これにより、クラッチ2をスタンバイ状態とすることで、エンジン1からのトルク伝達を維持しつつ、即座にスリップ状態へ移行できる状態を確保する。その後、モータ30cは回転し続けるため、シフトドラム30aも回転し、アップシフトが継続される。
時刻t2において、3速から4速へのアップシフトに伴い、入力軸回転数Ninが最低回転数Nminを下回ると、クラッチ2の締結容量を、マイクロスリップ状態の第2締結容量から、スリップ状態の第1締結容量に変更する。これにより、入力軸回転数Ninが車速VSPに応じて引き下げられたとしても、エンジン回転数Neが引き下げられることを回避する。そして、自動変速機3は、最終的に最高変速段である4速で固定される。尚、半クラッチによりエンジントルクはクラッチ2を介して自動変速機3に伝達されるため、車速VSPは徐々に上昇し、入力軸回転数Ninも次第に上昇し始める。
時刻t3において、入力軸回転数Ninが所定回転数Nminに到達すると、クラッチ2の締結容量を、半クラッチとなる第1締結容量から、マイクロスリップ状態となる第2締結容量に引き上げられる。この時点では、車両の急減速が発生した場合に備えてクラッチ2をスタンバイ状態とする。
時刻t4において、入力軸回転数Ninが所定回転数N1に到達すると、クラッチ2を完全締結状態とする。これにより、エンストを回避して車両の走行状態を維持できる。
時刻t4において、入力軸回転数Ninが所定回転数N1に到達すると、クラッチ2を完全締結状態とする。これにより、エンストを回避して車両の走行状態を維持できる。
上記実施例1に基づく作用効果を説明する。
(1)モータ30cによりシフトドラム30aを回転し、トルク伝達が途切れることなく変速可能な有段式の自動変速機3と、エンジン1と自動変速機3との間を断接可能なクラッチ2と、自動変速機3を制御する変速機コントローラ3aと、を備え、変速機コントローラ3aは、モータ30cの通電故障を検出し、かつ、自動変速機3の第1シャフト301の回転数である入力軸回転数Ninがエンジン1の自立回転可能な最低回転数Nmin未満の場合、クラッチ2の締結容量を、エンジン1と第1シャフト301との相対回転を許容する第1締結容量とする。
よって、モータ故障によりシフトドラム30aが回転し続けた場合であっても、クラッチ2がスリップすることでエンストを回避できる。
(1)モータ30cによりシフトドラム30aを回転し、トルク伝達が途切れることなく変速可能な有段式の自動変速機3と、エンジン1と自動変速機3との間を断接可能なクラッチ2と、自動変速機3を制御する変速機コントローラ3aと、を備え、変速機コントローラ3aは、モータ30cの通電故障を検出し、かつ、自動変速機3の第1シャフト301の回転数である入力軸回転数Ninがエンジン1の自立回転可能な最低回転数Nmin未満の場合、クラッチ2の締結容量を、エンジン1と第1シャフト301との相対回転を許容する第1締結容量とする。
よって、モータ故障によりシフトドラム30aが回転し続けた場合であっても、クラッチ2がスリップすることでエンストを回避できる。
(2)変速機コントローラ3aは、モータ30cの通電故障を検出し、かつ、入力軸回転数Ninが最低回転数Nmin以上のときは、クラッチ2の締結容量を、完全締結時の締結容量より低く、第1締結容量より高い第2締結容量とする。
よって、入力軸回転数Ninが最低回転数Nminを下回った際に、即座にクラッチ2の締結容量を第1締結容量に低下させることができ、エンストを回避できる。
よって、入力軸回転数Ninが最低回転数Nminを下回った際に、即座にクラッチ2の締結容量を第1締結容量に低下させることができ、エンストを回避できる。
(3)変速機コントローラ3aは、クラッチ2が第2締結容量であって、自動変速機3が最高変速段の4速であり、かつ、入力軸回転数Ninが最低回転数Nminよりも所定値α以上高いときは、クラッチ2を完全締結時の締結容量とする。
よって、エンストを回避しつつ継続的に走行できる。
よって、エンストを回避しつつ継続的に走行できる。
(4)所定値αは、入力軸回転数Ninが車両の急減速に伴い最低回転数Nminに所定値αを加算した所定回転数N1から最低回転数Nminに到達するまでの時間が、クラッチ2の締結容量を完全締結時の締結容量から第1締結容量まで低下するのに必要な時間Tcloff以上となる値である。
よって、車両に急減速が発生したとしても、クラッチ2を半クラッチにすることができ、エンストを回避できる。
よって、車両に急減速が発生したとしても、クラッチ2を半クラッチにすることができ、エンストを回避できる。
(他の実施例)
以上、実施例1に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成を備えた自動変速機に本発明を適用してもよい。具体的には、前進4速に限らず、更なる多段化した自動変速機にも適用できる。例えば、前進6速とした場合には、6速までアップシフトしたか否かを判断し、その後、車速の上昇を待ってクラッチ2を完全締結してもよい。
以上、実施例1に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成を備えた自動変速機に本発明を適用してもよい。具体的には、前進4速に限らず、更なる多段化した自動変速機にも適用できる。例えば、前進6速とした場合には、6速までアップシフトしたか否かを判断し、その後、車速の上昇を待ってクラッチ2を完全締結してもよい。
1 エンジン
1a エンジン出力軸
2 クラッチ
3 自動変速機
3a 変速機コントローラ
30 シフトアクチュエータ
30a シフトドラム
30c モータ
1a エンジン出力軸
2 クラッチ
3 自動変速機
3a 変速機コントローラ
30 シフトアクチュエータ
30a シフトドラム
30c モータ
Claims (4)
- モータによりシフトドラムを回転し、トルク伝達が途切れることなく変速可能な有段式の自動変速機と、
エンジンと前記自動変速機との間を断接可能なクラッチと、
前記自動変速機を制御するコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記モータの通電故障を検出し、かつ、前記自動変速機の入力軸回転数がエンジンの自立回転可能な最低回転数未満の場合、前記クラッチの締結容量を、エンジンと前記入力軸との相対回転を許容する第1の締結容量とすることを特徴とする自動変速機。 - 請求項1に記載の自動変速機において、
前記コントローラは、前記モータの通電故障を検出し、かつ、前記入力軸回転数が前記最低回転数以上のときは、前記クラッチの締結容量を、完全締結時の締結容量より低く、前記第1の締結容量より高い第2の締結容量とすることを特徴とする自動変速機。 - 請求項2に記載の自動変速機において、
前記コントローラは、前記クラッチが第2の締結容量であって、前記自動変速機が最高変速段であり、かつ、前記入力軸回転数が前記最低回転数よりも所定値以上高いときは、前記クラッチを完全締結時の締結容量とすることを特徴とする自動変速機。 - 請求項3に記載の自動変速機において、
前記所定値は、前記入力軸回転数が車両の急減速に伴い最低回転数に所定値を加算した所定回転数から前記最低回転数に到達するまでの時間が、前記クラッチの締結容量を前記完全締結時の締結容量から前記第1の締結容量まで低下するのに必要な時間以上となる値であることを特徴とする自動変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016204553A JP2018066424A (ja) | 2016-10-18 | 2016-10-18 | 自動変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016204553A JP2018066424A (ja) | 2016-10-18 | 2016-10-18 | 自動変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018066424A true JP2018066424A (ja) | 2018-04-26 |
Family
ID=62086889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016204553A Pending JP2018066424A (ja) | 2016-10-18 | 2016-10-18 | 自動変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018066424A (ja) |
-
2016
- 2016-10-18 JP JP2016204553A patent/JP2018066424A/ja active Pending
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