JP6438292B2 - 車両用変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される車両用変速機に関する。
特開2012−127471号公報(特許文献1)には、車両用変速機(トランスミッション)の一例が開示されている。この変速機では、低速側の変速ギヤに割り当てられた第1噛み合いクラッチと、高速側の変速ギヤに割り当てられた第2噛み合いクラッチが用いられており、これら2つの噛み合いクラッチのそれぞれがアクチュエータによって軸方向に独立して駆動されるように構成されている。各噛み合いクラッチはメインシャフトに固定されたハブ部材としてのクラッチカムリングと、クラッチカムリングに対して軸方向に移動可能なスリーブ部材としてのクラッチリングとを備える。この場合、クラッチリングは、カム突起にてクラッチカムリングのV字状のカム溝に係合する構造によってクラッチカムリングに対して軸方向に移動することができる。
この車両用変速機の場合、低速の変速段から高速の変速段への切り替えの際に、低速側の変速ギヤ及び第1噛み合いクラッチが噛み合い、且つ高速側の変速ギヤ及び第2噛み合いクラッチが噛み合う状態、所謂「二重噛み合い」が形成される。この二重噛み合い時に第1噛み合いクラッチに作用する循環トルクによってクラッチリングのカム突起がクラッチカムリングのV字状のカム溝に押し付けられて、第1噛み合いクラッチが低速側の変速ギヤから抜け出す。その結果、低速側の変速ギヤ及び第1噛み合いクラッチの噛み合いが物理的に解除される。この場合、各噛み合いクラッチの駆動をアクチュエータによって制御することで、第1噛み合いクラッチが低速側の変速ギヤに噛み合った低速の変速段から第2噛み合いクラッチが高速側の変速ギヤに噛み合った高速の変速段への瞬時のシフトアップが可能であり、これにより駆動トルクの途切れのない変速、所謂「シームレスシフト」を達成することができる。
特開2012−127471号公報
ところが、上記特許文献1に記載の車両用変速機は、円滑なシフト操作のためのシームレスシフトを達成するために低速側の変速ギヤ及び第1噛み合いクラッチが噛み合い且つ高速側の変速ギヤ及び第2噛み合いクラッチが噛み合う二重噛み合いを前提しており、この二重噛み合いによって生じる循環トルクを利用して変速段の変更を行うように構成されている。このため、二重噛み合い時にクラッチリングのカム突起に過度な荷重が集中する結果、クラッチリングの構成要素であるカム突起の経時的な摩耗や変形によって車両用変速機の耐久性が低下する場合が想定される。このような場合、この車両用変速機は、運転者が求める所望のシフト機能を発揮できなくなるおそれがある。かといって、この車両用変速機の場合には二重噛み合いを使用しないとシームレスシフトを行うことができず、円滑なシフト操作を行いたいという本来の目的を全うすることができない。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、低速側の変速段と高速側の変速段との間でシームレスシフトを行う車両用変速機の耐久性の低下を防止するのに有効な技術を提供することである。
この目的を達成するために、本発明に係る車両用変速機は、車両の駆動源の駆動出力軸と車両の駆動輪とを結ぶ動力伝達系統に介装され、複数の変速段を有する変速機であり、入力軸、出力軸、複数の固定ギヤ、複数の遊転ギヤ、第1スリーブ部材、第2スリーブ部材及びスリーブ駆動機構を備えている。
入力軸は、駆動出力軸との間で動力伝達系統が形成される軸である。出力軸は、駆動輪との間で動力伝達系統が形成される軸である。複数の固定ギヤは、それぞれが入力軸又は出力軸に同軸的且つ相対回転不能に設けられるとともに、複数の変速段のそれぞれに対応するギヤである。複数の遊転ギヤは、それぞれが入力軸及び出力軸のうち複数の固定ギヤが設けられていない軸としての遊転ギヤ軸に同軸的且つ相対回転可能に設けられるとともに、複数の変速段のそれぞれに対応し、且つ対応する変速段の固定ギヤと常時噛合するギヤである。これら複数の遊転ギヤは、複数の変速段のうちの低速側変速段及び高速側変速段につき、低速側変速段の固定ギヤに常時噛合する第1遊転ギヤと、高速側変速段の固定ギヤに常時噛合する第2遊転ギヤとを含む。
第1スリーブ部材は、遊転ギヤ軸の第1遊転ギヤと第2遊転ギヤとの間に遊転ギヤ軸に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられ、第1遊転ギヤに噛み合い可能に対向配置され、且つ第1弾性保持機構を介して弾性保持された円板状の部材として構成される。第2スリーブ部材は、遊転ギヤ軸の第1遊転ギヤと第2遊転ギヤとの間に遊転ギヤ軸に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられ、第2遊転ギヤに噛み合い可能に対向配置され、且つ第2弾性保持機構を介して弾性保持された円板状の部材として構成される。スリーブ駆動機構は、第1スリーブ部材及び第2スリーブ部材のそれぞれを遊転ギヤ軸の軸方向に独立して駆動可能である。このスリーブ駆動機構は、変速段が低速側変速段に設定されたとき、第1スリーブ部材が第1弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって第1遊転ギヤと噛み合い、且つ第2スリーブ部材が第2弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって第2遊転ギヤとの噛み合いを解除するように、第1スリーブ部材及び第2スリーブ部材を駆動する。その一方で、このスリーブ駆動機構は、低速側変速段から高速側変速段への変速段のシフトアップ時においては、第1スリーブ部材が第1弾性保持機構によって第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向に予め弾性付勢された状態で第1遊転ギヤと噛み合い、その後に低速側変速段と高速側変速段とのギヤ比の違いによる第1スリーブ部材及び第1遊転ギヤの相対回転差によって第1スリーブ部材と第1遊転ギヤとの周方向の係合が解除されると同時に、第1スリーブ部材が第1弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向にスライドし、且つ第2スリーブ部材が第2弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって第2遊転ギヤと噛み合うように、第1スリーブ部材及び第2スリーブ部材を駆動する。
上記構成の車両用変速機によれば、低速の変速段から高速の変速段への切り替えの際に、スリーブ駆動機構によって第1スリーブ部材と第1遊転ギヤとの噛み合いが解除され、且つ第2スリーブ部材と第2遊転ギヤとの噛み合いが発生する。これにより、駆動トルクの途切れのないシームレスシフトが達成される。この場合、第1スリーブ部材については、第1遊転ギヤとの噛み合いを解除する準備段階として、この第1スリーブ部材が第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向に予め弾性付勢された状態で第1遊転ギヤと噛み合うようにすることで、その後に第1スリーブ部材を第1弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向に瞬時にスライドさせることができる。従って、第1スリーブ部材と第1遊転ギヤとが噛み合い、且つ第2スリーブ部材と第2遊転ギヤとが噛み合う二重噛み合いが発生することがない。その結果、第1スリーブ部材や第2スリーブ部材、また各スリーブに連結された要素に過度な荷重が集中するのを阻止することで、車両用変速機の耐久性が低下するのを防止できる。このような車両用変速機は、運転者が求める所望のシフト機能を継続的に発揮することができる。
上記の車両用変速機は、第1遊転ギヤのうち第1スリーブ部材との対向面にギヤ周方向に交互に配置され、第1スリーブ部材に向かう立設高さが異なるギヤ高歯及びギヤ低歯と、第1スリーブ部材のうち第1遊転ギヤとの対向面にスリーブ周方向に交互に配置され、第1遊転ギヤに向かう立設高さが異なるスリーブ高歯及びスリーブ低歯と、を含むのが好ましい。この場合、第1遊転ギヤのギヤ高歯は、変速段が低速側変速段に設定されたときの加速時に、その加速側ギヤ係合面にてスリーブ高歯の加速側スリーブ係合面に係合することによってスリーブ高歯と噛み合い、変速段が低速側変速段に設定されたときの減速時に、その減速側ギヤ係合面にてスリーブ低歯の減速側スリーブ係合面に係合することによってスリーブ低歯と噛み合うのが好ましい。これにより、減速時に第1遊転ギヤ側の高歯の減速側ギヤ係合面と第1スリーブ部材側の低歯の減速側スリーブ係合面とが速やかに係合することによりトルク伝達が行われる。その結果、短時間でバックラッシュ(係合歯同士の間隔)を詰めることができ、減速時のガタツキを抑えてショックを軽減することが可能になる。また、変速段が低速側変速段に設定されたときの加速時にのみ第1遊転ギヤ及び第1スリーブ部材の高歯同士が噛み合うため、低速側変速段から高速側変速段へのシフトップの際に高歯と低歯が係合しない。その結果、第1スリーブ部材を第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向にスライドさせるための抜き時間を稼ぐことができる。
上記の車両用変速機では、スリーブ高歯の加速側スリーブ係合面は、先端側の部位にて遊転ギヤ軸の軸方向に沿って延在する平坦面と、根元側の部位にて平坦面に対して傾斜した傾斜面とによって構成されるのが好ましい。この場合、第1スリーブ部材は、加速時に第1遊転ギヤとの噛み合い反力によってギヤ高歯が第1弾性保持機構の弾性付勢力に抗して加速側スリーブ係合面の傾斜面を平坦面に向けて摺動して加速側ギヤ係合面にて平坦面に係合するように、第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向にスライドするのが好ましい。これにより、加速側スリーブ係合面に平坦面及び傾斜面の双方を備えたスリーブ高歯の簡単な構造を利用して、加速時に第1遊転ギヤ及び第1スリーブ部材の高歯同士を確実に噛み合せることが可能になる。
以上のように、本発明によれば、低速側の変速段と高速側の変速段との間でシームレスシフトを行う車両用変速機の耐久性の低下を防止することが可能になった。
図1は本発明の実施形態に係る変速機T/Mの概略構成を示す図である。 図2は図1中の動力伝達機構101を模式的に示す図である。 図3は第1スリーブ部材120の斜視図である。 図4は第1遊転ギヤG1iの斜視図である。 図5は第2スリーブ部材150の斜視図である。 図6は第2遊転ギヤG2iの斜視図である。 図7は変速段が1速で加速状態における動力伝達機構101を模式的に示す図である。 図8は変速段が1速で減速移行時における動力伝達機構101を模式的に示す図である。 図9は変速段が1速から2速に移行する過程における動力伝達機構101を模式的に示す図である。 図10は変速段が1速から2速に移行する過程における動力伝達機構101を模式的に示す図である。 図11は変速段が2速で加速状態における動力伝達機構101を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用変速機について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る(車両用)変速機T/Mは、車両の駆動源であるエンジンの駆動出力軸と車両の駆動輪とを結ぶ動力伝達系統に介装され、車両前進用に5つ変速段(1速(1st)〜5速(5th))、及び、車両後進用に1つの変速段(リバース)を備えている。
図1に示すように、変速機T/Mは、入力軸A2及び出力軸A3を備えている。変速機T/Mの入力軸A2は、クラッチC/D及びフライホイールF/Wを介して、エンジンE/Gの駆動出力軸A1に接続されている。この入力軸A2とエンジンE/Gの駆動出力軸A1との間で動力伝達系統が形成される。変速機T/Mの出力軸A3は、ディファレンシャルD/Fを介して車両の駆動輪D/Wに接続されている。この出力軸A3と駆動輪D/Wとの間で動力伝達系統が形成される。なお、図1では、便宜上、車両後進用の変速段(リバース)の記載を省略している。この変速機T/Mが本発明の「車両用変速機」に相当する。また、入力軸A2及び出力軸A3がそれぞれ、本発明の「入力軸」及び「出力軸」に相当する。
クラッチC/Dは、変速機T/Mの入力軸A2に一体回転するように設けられた周知の構成の1つを有する摩擦クラッチディスクである。より具体的には、エンジンE/Gの出力軸A1に一体回転するように設けられたフライホイールF/Wに対して、クラッチC/D(より正確には、クラッチディスク)が互いに向き合うように同軸的に配置されている。フライホイールF/Wに対するクラッチC/D(より正確には、クラッチディスク)の軸方向の位置が調整可能になっている。クラッチC/Dの軸方向位置は、クラッチアクチュエータACT1により調整される。なお、このクラッチC/Dは、運転者によって操作されるクラッチペダルを備えていない。
変速機T/Mは、複数の遊転ギヤ(「駆動ギヤ」ともいう)G1i、G2i、G3i、G4i、G5iと、複数の固定ギヤ(「被動ギヤ」ともいう)G1o、G2o、G3o、G4o、G5oを備えている。複数の遊転ギヤG1i、G2i、G3i、G4i、G5iは、それぞれが入力軸A2に同軸的且つ相対回転可能に、且つそれぞれが入力軸A2の軸方向に相対移動不能に固定されるとともに、それぞれが前進用の複数の変速段のそれぞれに対応している。具体的には、これらの遊転ギヤG1i、G2i、G3i、G4i、G5iがそれぞれ、1速、2速、3速、4速、5速に対応している。これらの遊転ギヤG1i、G2i、G3i、G4i、G5iが本発明の「複数の遊転ギヤ」に相当する。この場合、遊転ギヤG1i、G2i、G3i、G4i、G5iが設けられている入力軸A2は、複数の固定ギヤG1o、G2o、G3o、G4o、G5oが設けられていない軸としての遊転ギヤ軸として構成される。これに対して、複数の固定ギヤG1o、G2o、G3o、G4o、G5oは、それぞれが出力軸A3に同軸的且つ相対回転不能に設けられ、且つそれぞれが前進用の複数の変速段のそれぞれに対応するとともに、それぞれが対応する変速段の遊転ギヤと常時噛合している。具体的には、これらの固定ギヤG1o、G2o、G3o、G4o、G5oがそれぞれ、1速、2速、3速、4速、5速に対応している。これらの固定ギヤG1o、G2o、G3o、G4o、G5oが本発明の「複数の固定ギヤ」に相当する。
変速機T/Mは、動力伝達機構101,102,103を含み、変速段の変更・設定は、変速機アクチュエータACT2を用いて、動力伝達機構101,102,103のそれぞれを作動させることによって実行される。変速段を変更することで、減速比(出力軸A3の回転速度に対する入力軸A2の回転速度の割合)が調整される。
制御装置200は、アクセル開度センサS1、シフト位置センサS2、ブレーキセンサS3及び電子制御ユニットECUを備えている。アクセル開度センサS1は、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)を検出するセンサである。シフト位置センサS2は、シフトレバーSFの位置を検出するセンサである。ブレーキセンサS3は、ブレーキペダルBPの操作の有無を検出するセンサである。電子制御ユニットECUは、上述のセンサS1〜S3、並びにその他のセンサ等からの情報等に基づいて、上述のアクチュエータACT1,ACT2を制御することで、C/Dのクラッチストローク(従って、クラッチトルク)、及び、変速機T/Mの変速段を制御する。また、この電子制御ユニットECUは、エンジンE/Gの燃料噴射量(スロットル弁の開度)を制御することで、エンジンE/Gの出力軸A1の駆動トルクを制御する。
上記の動力伝達機構101,102,103はいずれも同様の構造を有するため、ここでは図2〜図6を参照しつつ動力伝達機構101の構造の特徴についてのみ説明する。
図2に示すように、動力伝達機構101は、複数の変速段のうち相対的に低速側の変速段である1速と、1速に対して高速側の変速段である2速とに対応している。この動力伝達機構101は、変速機T/Mの入力軸A2上にそれぞれ設けられた、第1遊転ギヤG1i、第1ハブ部材110、第1スリーブ部材120、第2遊転ギヤG2i、第2ハブ部材140、第2スリーブ部材150を含む。
遊転ギヤG1i,G2iはいずれも、スナップリング130,160(固定手段)によって入力軸A2に対して、軸方向X1,X2の相対移動が阻止されており、且つ軸周り方向Y1,Y2の相対回転が可能になっている。第1遊転ギヤG1iは1速の固定ギヤG1oに常時に噛合し、第2遊転ギヤG2iは2速の固定ギヤG1oに常時に噛合している。これら第1遊転ギヤG1i及び第2遊転ギヤG2iがそれぞれ、本発明の「第1遊転ギヤ」及び「第2遊転ギヤ」に相当する。
第1ハブ部材110は、円板状に構成され、入力軸A2の第1遊転ギヤG1iと第2遊転ギヤG2iとの間に、スプライン嵌合によって入力軸A2に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動不能に設けられている。この第1ハブ部材110は、前述のスナップリング130,160と同様の固定手段によって入力軸A2の軸方向X1,X2に移動不能とされている。従って、この第1ハブ部材110は、入力軸A2の軸周り方向Y1,Y2の回転時には入力軸A2と共に常時に回転する。この第1ハブ部材110の外周面には、周方向の異なる位置に軸方向X1,X2に沿って係合溝111が複数設けられている。
第1スリーブ部材120は、入力軸A2の第1遊転ギヤG1iと第2遊転ギヤG2iとの間に入力軸A2に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられ、第1遊転ギヤG1iに噛み合い可能に対向配置されている。この第1スリーブ部材120は、円板状に構成され貫通穴121aを有する円板状の本体部121を備えている。本体部121は、貫通穴121aを構成する内壁面のうち周方向の異なる位置に、各係合溝111に係合するスリーブインナーピン121bを備えている。従って、第1スリーブ部材120は、スリーブインナーピン121bにて係合溝111に係合した状態で、第1ハブ部材110に対して軸方向X1,X2に移動可能に構成されている。第1スリーブ部材120を軸方向X1,X2に移動させるために、本体部121に後述のスリーブ駆動機構180が割り当てられている。また、この第1スリーブ部材120の円板状の本体部121のうち第1遊転ギヤG1iに対向する円板表面には、後述する二種類の第1係合歯122及び第2係合歯125が設けられている。この第1スリーブ部材120が本発明の「第1スリーブ部材」に相当する。
第2ハブ部材140は、第1ハブ部材110と同様に円板状に構成され、入力軸A2の第1遊転ギヤG1iと第2遊転ギヤG2iとの間に、スプライン嵌合によって入力軸A2に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動不能に設けられている。この第2ハブ部材140は、前述のスナップリング130,160と同様の固定手段によって入力軸A2の軸方向X1,X2に移動不能とされている。従って、この第2ハブ部材140は、入力軸A2の軸周り方向Y1,Y2の回転時には入力軸A2と共に常時に回転する。この第2ハブ部材140の外周面には、周方向の異なる位置に軸方向X1,X2に沿って係合溝141が複数設けられている。
第2スリーブ部材150は、入力軸A2の第1遊転ギヤG1iと第2遊転ギヤG2iとの間に入力軸A2に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられ、第2遊転ギヤG2iに噛み合い可能に対向配置されている。この第2スリーブ部材150は、第1スリーブ部材120と同様に円板状に構成され貫通穴151aを有する円板状の本体部151を備えている。本体部151は、貫通穴151aを構成する内壁面のうち周方向の異なる位置に、各係合溝141に係合するスリーブインナーピン151bを備えている。従って、第2スリーブ部材150は、スリーブンナーピン151bにて係合溝141に係合した状態で、第2ハブ部材140に対して軸方向X1,X2に移動可能に構成されている。第2スリーブ部材150を軸方向X1,X2に移動させるために、本体部151に後述のスリーブ駆動機構190が割り当てられている。また、この第2スリーブ部材150の円板状の本体部151のうち第2遊転ギヤG2iに対向する円板表面には、後述する二種類の第1係合歯152及び第2係合歯155が設けられている。この第2スリーブ部材150が本発明の「第2スリーブ部材」に相当する。
スリーブ駆動機構180,190は、変速機アクチュエータACT2によって筒軸を中心にして回転駆動される円筒状のシフトドラム170と連携している。これらスリーブ駆動機構180,190は、第1スリーブ部材120及び第2スリーブ部材150のそれぞれを入力軸A2の軸方向に独立して駆動可能である。これらスリーブ駆動機構180,190が本発明の「スリーブ駆動機構」に相当する。
具体的に説明すると、スリーブ駆動機構180は、軸方向X1,X2に長尺状に延在するフォークシャフト181を備え、シフトドラム170のドラム表面に形成されたシフトドラム溝171にフォークシャフト181の係合ピン181aにて係合するように構成されている。シフトドラム溝171は、シフトドラム170の周方向に進むにつれてその溝位置が軸方向X1,X2に変化するように構成されている。このため、フォークシャフト181は、シフトドラム170の回転時に係合ピン181aとシフトドラム溝171との係合位置が変化することによって軸方向X1,X2にスライド動作する。フォークシャフト181は、第1スリーブ部材120の本体部121に係合するシフトフォーク184を軸方向X1,X2にスライド可能に保持するように構成されている。シフトフォーク184は、フォークシャフト181に固定されたスナップリング182との間に介装されたコイルバネであるバネ部材185と、フォークシャフト181に固定されたスナップリング183との間に介装されたコイルバネであるバネ部材186との双方によって、フォークシャフト181に対して弾性保持される。この場合、第1スリーブ部材120は、2つのバネ部材185,186によって構成される弾性保持機構を介して弾性保持される。この弾性保持機構が本発明の「第1弾性保持機構」に相当する。
同様に、スリーブ駆動機構190は、軸方向X1,X2に長尺状に延在するフォークシャフト191を備え、シフトドラム170のドラム表面に形成されたシフトドラム溝172にフォークシャフト191の係合ピン191aにて係合するように構成されている。シフトドラム溝172は、シフトドラム170の周方向に進むにつれてその溝位置が軸方向X1,X2に変化するように構成されている。このため、フォークシャフト191は、シフトドラム170の回転時に係合ピン191aとシフトドラム溝172との係合位置が変化することによって軸方向X1,X2にスライド動作する。フォークシャフト191は、第2スリーブ部材150の本体部151に係合するシフトフォーク194を軸方向X1,X2にスライド可能に保持するように構成されている。シフトフォーク194は、フォークシャフト191に固定されたスナップリング192との間に介装されたコイルバネであるバネ部材195と、フォークシャフト191に固定されたスナップリング193との間に介装されたコイルバネであるバネ部材196との双方によって、フォークシャフト191に対して弾性保持される。この場合、第2スリーブ部材150は、2つのバネ部材195,196によって構成される弾性保持機構を介して弾性保持される。この弾性保持機構が本発明の「第2弾性保持機構」に相当する。
図3に示されるように、第1スリーブ部材120の本体部121の円板表面(第1遊転ギヤG1iとの対向面)には、第1遊転ギヤG1iに向かう立設高さが異なる二種類の第1係合歯122及び第2係合歯125が周方向に交互に立設形成されている。この場合、互いに隣接する第1係合歯122と第2係合歯125とが等間隔で配置されている。第1係合歯122は、軸方向X1,X2の立設高さ(図2中の立設高さha)が第2係合歯125の立設高さ(図2中の立設高さhb)を上回るスリーブ係合歯、即ちスリーブ高歯として構成されている。この第1係合歯122が本発明の「スリーブ高歯」に相当する。この第1係合歯122は、第1遊転ギヤG1i側の係合面との係合のための第1係合面123及び第2係合面124を備えている。第1係合面123は、加速時に第1遊転ギヤG1i側の係合面に係合する加速側スリーブ係合面であり、更に第1係合面123の先端側の部位にて軸方向X1,X2に沿って延在する平坦面123aと、第1係合面123の根元側(本体部121に連接する基端側)の部位に形成され平坦面123aに対して傾斜状に延在する傾斜面123bとによって構成されている。この第1係合面123が本発明の「加速側スリーブ係合面」に相当する。また、平坦面123a及び傾斜面123bがそれぞれ本発明の「平坦面」及び「傾斜面」に相当する。これに対して第2係合面124は、減速時に第1遊転ギヤG1i側の係合面に係合する減速側スリーブ係合面であり、第1係合面123の平坦面123aと平行に延在する平坦面として構成されている。この場合、傾斜面123bを備えた第1係合面123は、第1係合歯122の両係合面123,124のうち、加速状態で第1遊転ギヤG1i側に係合するように構成されている。これに対して、傾斜面123bのような部位を備えていない第2係合面124は、第1係合歯122の両係合面123,124のうち、減速状態で第1遊転ギヤG1i側に係合するように構成されている。
一方で、第2係合歯125は、スリーブ高歯である第1係合歯122に対するスリーブ低歯として構成されている。この第2係合歯125が本発明の「スリーブ低歯」に相当する。この第2係合歯125は、第1係合歯122のうち第1係合面123の傾斜面123bに相当する部位と同様の立設高さを有し、第1遊転ギヤG1i側の係合面との係合のための第1係合面126及び第2係合面127を備えている。第1係合面126は、加速時に第1遊転ギヤG1i側の係合面に係合する加速側スリーブ係合面であり、第1係合歯122の傾斜面123bと同様の傾斜面として構成されている。第2係合面127は、減速時に第1遊転ギヤG1i側の係合面に係合する減速側スリーブ係合面であり、第1係合歯122の第2係合面124と同様の平坦面として構成されている。この第2係合面127が本発明の「減速側スリーブ係合面」に相当する。この場合、傾斜面である第1係合面126は、第2係合歯125の両係合面126,127のうち、加速状態で第1遊転ギヤG1i側に係合するように構成されている。これに対して、傾斜面を備えていない第2係合面127は、第2係合歯125の両係合面126,127のうち、減速状態で第1遊転ギヤG1i側に係合するように構成されている。尚、図3中には二組の第1係合歯122及び第2係合歯125が記載されているが、本発明では、必要に応じて一組の第1係合歯122及び第2係合歯125、或いは三組以上の第1係合歯122及び第2係合歯125を採用することもできる。
図4に示されるように、第1遊転ギヤG1iの円板状の本体部131の円板表面(第1スリーブ部材120との対向面)には、第1遊転ギヤG1iに向かう立設高さが異なる二種類の第1係合歯132及び第2係合歯135が周方向に交互に立設形成されている。この場合、互いに隣接する第1係合歯132と第2係合歯135は、第1遊転ギヤG1iに対向配置された第1スリーブ部材120の第1係合歯122と第2係合歯125との間隔と同様の間隔で配置されている。第1係合歯132は、軸方向X1,X2の立設高さ(図2中の立設高さhc)が第2係合歯135の立設高さ(図2中の立設高さhd)を上回るギヤ係合歯、即ちギヤ高歯として構成されている。この第1係合歯132が本発明の「ギヤ高歯」に相当する。この第1係合歯132は、第1スリーブ部材120側の係合面との係合のためにいずれも軸方向X1,X2に延在する平坦面としての第1係合面133及び第2係合面134を備えている。第1係合面133は、加速時に第1スリーブ部材120側の係合面に係合する加速側ギヤ係合面であり、第2係合面134は、減速時に第1スリーブ部材120側の係合面に係合する減速側ギヤ係合面である。第1係合面133及び第2係合面134がそれぞれ本発明の「加速側ギヤ係合面」及び「減速側ギヤ係合面」に相当する。一方で、第2係合歯135は、高歯である第1係合歯132に対する低歯として構成されている。この第2係合歯135が本発明の「ギヤ低歯」に相当する。この第2係合歯135は、第1スリーブ部材120との係合のためにいずれも軸方向X1,X2に延在する平坦面としての第1係合面136及び第2係合面137を備えている。第1係合面136は、加速時に第1スリーブ部材120側の係合面に係合する加速側ギヤ係合面であり、第2係合面137は、減速時に第1スリーブ部材120側の係合面に係合する減速側ギヤ係合面である。
図5に示されるように、第2スリーブ部材150の本体部151の円板表面(第2遊転ギヤG2iとの対向面)には、第2遊転ギヤG2iに向かう立設高さが異なる二種類の第1係合歯152及び第2係合歯155が周方向に交互に立設形成されている。この場合、互いに隣接する第1係合歯152と第2係合歯155とが等間隔で配置されている。第1係合歯152は、軸方向X1,X2の立設高さ(図2中の立設高さha)が第2係合歯155の立設高さ(図2中の立設高さhb)を上回るスリーブ係合歯、即ちスリーブ高歯として構成されている。この第1係合歯152は、第2遊転ギヤG2iとの係合のための第1係合面153及び第2係合面154を備えている。第1係合面153は、更に軸方向X1,X2に沿って延在する平坦面153aと、第1係合面153の根元側(本体部151に連接する基端側)の部位に形成され平坦面153aに対して傾斜状に延在する傾斜面153bとによって構成されている。これに対して第2係合面154は、第1係合面153の平坦面153aと平行に延在する平坦面として構成されている。この場合、傾斜面153bを備えた第1係合面153は、第1係合歯152の両係合面153,154のうち、加速状態で第2遊転ギヤG2i側に係合するように構成されている。これに対して、傾斜面153bのような部位を備えていない第2係合面154は、第1係合歯152の両係合面153,154のうち、減速状態で第2遊転ギヤG2i側に係合するように構成されている。
一方で、第2係合歯155は、スリーブ高歯である第1係合歯152に対するスリーブ低歯として構成され、第1係合歯152のうち第1係合面153の傾斜面153bに相当する部位と同様の立設高さを有し、第2遊転ギヤG2iとの係合のための第1係合面156及び第2係合面157を備えている。第1係合面156は、加速時に第2遊転ギヤG2i側の係合面に係合する加速側スリーブ係合面であり、第1係合歯152の傾斜面153bと同様の傾斜面として構成されている。第2係合面157は、減速時に第2遊転ギヤG2i側の係合面に係合する減速側スリーブ係合面であり、第1係合歯152の第2係合面154と同様の平坦面として構成されている。この場合、傾斜面である第1係合面156は、第2係合歯155の両係合面156,157のうち、加速状態で第2遊転ギヤG2i側に係合するように構成されている。これに対して、傾斜面を備えていない第2係合面157は、第2係合歯155の両係合面156,157のうち、減速状態で第2遊転ギヤG2i側に係合するように構成されている。尚、図5中には二組の第1係合歯152及び第2係合歯155が記載されているが、本発明では、必要に応じて一組の第1係合歯152及び第2係合歯155、或いは三組以上の第1係合歯152及び第2係合歯155を採用することもできる。
図6に示されるように、第2遊転ギヤG2iの円板状の本体部161の円板表面(第2スリーブ部材150との対向面)には、第2スリーブ部材150に向かう立設高さが異なる二種類の第1係合歯162及び第2係合歯155が周方向に交互に立設形成されている。この場合、互いに隣接する第1係合歯162と第2係合歯165は、第2遊転ギヤG2iに対向配置された第2スリーブ部材150の第1係合歯152と第2係合歯155との間隔と同様の間隔で配置されている。第1係合歯162は、軸方向X1,X2の立設高さ(図2中の立設高さhc)が第2係合歯165の立設高さ(図2中の立設高さhd)を上回るギヤ係合歯、即ちギヤ高歯として構成されている。この第1係合歯162は、第2スリーブ部材150側の係合面との係合のためにいずれも軸方向X1,X2に延在する平坦面としての第1係合面163及び第2係合面164を備えている。第1係合面163は、加速時に第2スリーブ部材150側の係合面に係合する加速側ギヤ係合面であり、第2係合面164は、減速時に第2スリーブ部材150側の係合面に係合する減速側ギヤ係合面である。一方で、第2係合歯165は、ギヤ高歯である第1係合歯162に対するギヤ低歯として構成され、第2スリーブ部材150との係合のためにいずれも軸方向X1,X2に延在する平坦面としての第1係合面166及び第2係合面167を備えている。第1係合面166は、加速時に第2スリーブ部材150側の係合面に係合する加速側ギヤ係合面であり、第2係合面167は、減速時に第2スリーブ部材150側の係合面に係合する減速側ギヤ係合面である。
以下、上記構成の動力伝達機構101の制御態様、特には変速機T/Mの変速段が相対的に低速の1速から相対的に高速の2速にシフトアップされる際の制御態様を、図7〜図11を参照しつつ説明する。この制御は、制御装置200の電子制御ユニットECUが変速機アクチュエータACT2を制御して、スリーブ駆動機構180,190が第1スリーブ部材120及び第2スリーブ部材150のそれぞれを入力軸A2の軸方向に独立して駆動することによって遂行される。
(低速モード)
低速モードでは変速機T/Mの変速段が1速に設定される。変速機T/Mの変速段が1速に設定されたとき、図7に示されるように、シフトフォーク184がバネ部材185の弾性付勢力にしたがって軸方向X1にスライドすることによって、第1遊転ギヤG1iの二種類の係合歯のうち高歯である第1係合歯132に対して、第1スリーブ部材120の二種類の係合歯のうち高歯である第1係合歯122が噛み合う。この場合、シフトドラム170の回転制御時にシフトドラム溝171に係合する係合ピン181aにてフォークシャフト181が軸方向X1に押圧されて、バネ部材185がスナップリング182によって圧縮される。従って、変速機T/Mの変速段が1速で定常加速状態に至るまでの加速時に、フォークシャフト181及びシフトドラム170にはバネ部材185の弾性付勢力(反力)が軸方向X1に作用する。このとき、第1ハブ部材110の係合溝111に第1スリーブ部材120のスリーブインナーピン121bが係合している。このため、入力軸A2の軸周り方向Y1の回転によって、第1ハブ部材110及び第1スリーブ部材120が軸周り方向Y1に一体回転し、更に第1スリーブ部材120に噛み合っている第1遊転ギヤG1iも軸周り方向Y1に一体回転する。一方で、変速段が1速に設定されたとき、シフトフォーク194がバネ部材195,196の弾性付勢力にしたがって第2遊転ギヤG2iに対する第2スリーブ部材150の噛み合いが解除される。
変速機T/Mの変速段が1速に設定されたときの加速時に、第1遊転ギヤG1iの第1係合歯132(ギヤ高歯)は、その第1係合面133(加速側ギヤ係合面)にて第1係合歯122(スリーブ高歯)の第1係合面123(加速側スリーブ係合面)に係合することによって第1係合歯122と噛み合う。このとき、第1遊転ギヤG1iと第1スリーブ部材120との噛み合いによって、第1スリーブ部材120から第1遊転ギヤG1iへの回転トルクの伝達が開始されると、第1係合歯122の第1係合面123と第1係合歯132の第1係合面133との間に生じる摩擦力によって、或いは第1係合歯132の先端部に対する第1係合歯122の傾斜面123bでの噛み合い反力によって、第1係合歯122はバネ部材185の弾性付勢力に抗して図7中の白抜き方向(軸方向X2)に押し戻される。この場合、第1スリーブ部材120は、第1係合歯132がバネ部材185の弾性付勢力に抗して第1係合歯122の傾斜面123bを平坦面123aに向けて摺動して第1係合面133にて平坦面123aに係合するように、第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向(軸方向X2)にスライドする。即ち、第1係合歯122の第1係合面123のうち第1係合歯132の先端部が当接する部位が傾斜面123bから平坦面123aへと移動する。従って、第1スリーブ部材120は、バネ部材185の弾性付勢力に抗して第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向(軸方向X2)に移動し、且つ第1遊転ギヤG1iに対して周方向Y1に相対回転する。この場合、加速側スリーブ係合面である第1係合面123に平坦面123a及び傾斜面123bの双方を備えた第1係合歯122の簡単な構造を利用して、加速時に第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120の高歯同士を確実に噛み合せることが可能になる。その結果、第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120は、互いの高歯同士である第1係合歯132と第1係合歯122とで噛み合い、特に第1係合歯132の第1係合面133と第1係合歯122の平坦面123aとが係合することで噛み合い、これにより第1スリーブ部材120から第1遊転ギヤG1iへのトルク伝達が行われる。
尚、特に図示しないものの、変速機T/Mの変速段が1速に設定されたときに、第1遊転ギヤG1iの高歯である第1係合歯132に対して、最初に第1スリーブ部材120の低歯である第2係合歯125が噛み合う場合がある。この場合、加速時に第1スリーブ部材120は、第1遊転ギヤG1iの第1係合歯132が第2係合歯125の傾斜面である第1係合面126を摺動することで、バネ部材185の弾性付勢力に抗して第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向(軸方向X2)に移動し、且つ第1遊転ギヤG1iに対して周方向Y1に相対回転する。その結果、第1遊転ギヤG1iに対する第1スリーブ部材120の相対回転位置がずれて、図7に示されるような第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120の高歯同士の噛み合いが形成される。
その後、変速機T/Mの変速段が1速で加速状態から減速状態になると、加速時に噛み合っていた第1スリーブ部材120と第1遊転ギヤG1iとの間に1速と2速とのギヤ比の違いに相当する分の相対回転差が生じる。即ち、第1スリーブ部材120は、第1係合歯132と第1係合歯122との噛み合いが解除されるように、第1遊転ギヤG1iに対して軸周り方向Y2に相対回転する。このとき、図8に示されるように、シフトフォーク184によるバネ部材185の付勢が解除され、このバネ部材185の弾性付勢力にしたがって第1スリーブ部材120が第1遊転ギヤG1iに近接するように軸方向X1にスライド動作する。従って、変速段が1速に設定されたときの減速時に、第1遊転ギヤG1iの第1係合歯132(ギヤ高歯)は、その第2係合面134(減速側ギヤ係合面)にて第2係合歯125(スリーブ低歯)の第2係合面127(減速側スリーブ係合面)に係合することによって第2係合歯125と噛み合う。このとき、第1遊転ギヤG1i側の高歯である第1係合歯132の第2係合面134と第1スリーブ部材120側の低歯である第2係合歯125の第2係合面127とが速やかに係合することにより第1スリーブ部材120から第1遊転ギヤG1iへのトルク伝達が行われる。その結果、短時間でバックラッシュ(係合歯同士の間隔)を詰めることができ、減速時のガタツキを抑えてショックを軽減することが可能になる。また、加速時にのみ第1遊転ギヤ及G1i及び第1スリーブ部材120の高歯同士が噛み合うため、1速から2速へのシフトップの際に高歯と低歯が係合しない。その結果、第1スリーブ部材120を第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向にスライドさせるための抜き時間を稼ぐことができる。
(高速モード)
低速モードから高速モードに移行する際、変速機T/Mの変速段が2速に設定される。1速から2速への変速段のシフトアップ時においては、図9に示されるように、シフトドラム170がシフトアップ方向Y3への回転を開始することによって、シフトドラム溝171に係合する係合ピン181aにてフォークシャフト181が軸方向X2に押圧されて、スナップリング182によるバネ部材185の圧縮が解放される。シフトドラム170がシフトアップ方向Y3に更に回転すると、シフトドラム溝171の溝形状にしたがってフォークシャフト181が軸方向X2にスライド動作する。また、スナップリング183がバネ部材186を圧縮することにより、シフトフォーク184を介して第1スリーブ部材120が軸方向X2(1速についてのギヤ抜け方向)にスライド動作する。従って、第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120は、両者間の噛み合い反力によって第1係合歯132の第1係合面133と第1係合歯122の平坦面123aとが係合することで噛み合い、これにより入力軸A2から出力軸A3へのトルク伝達が行われる。このとき、フォークシャフト181が軸方向X2にスライド動作することによって第1スリーブ部材120が第1遊転ギヤG1iとの噛み合いを解除するギヤ抜きの準備が行われる。
シフトドラム170のシフトアップ方向Y3への更なる回転によって、図10に示されるように、シフトドラム溝171の溝形状にしたがってフォークシャフト181が軸方向X2に更にスライド動作する。このとき、バネ部材186がスナップリング183によって圧縮され、このバネ部材186による弾性付力がシフトフォーク184を介して第1スリーブ部材120に作用する。従って、シフトアップ時のこのタイミングでは、第1スリーブ部材120は、バネ部材186によって第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向(軸方向X2)に予め弾性付勢された状態で第1遊転ギヤG1iと噛み合っている。このとき、第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120の噛み合い状態が維持される一方で、今度はシフトドラム溝172に係合する係合ピン191aにてフォークシャフト191が軸方向X2に押圧されて、バネ部材196がスナップリング193によって圧縮される。これにより、バネ部材196の弾性付勢力にしたがってシフトフォーク194を介して第2スリーブ部材150が軸方向X2(2速についてのギヤ入り方向)にスライド動作して、第2遊転ギヤG2iと噛み合う。
第2スリーブ部材150と第2遊転ギヤG2iとの噛み合いによって、第2スリーブ部材150から第2遊転ギヤG2iへの回転トルクの伝達が開始されると、第1係合歯152の第1係合面153と第1係合歯162の第1係合面163との間に生じる摩擦力によって、或いは第1係合歯162の先端部に対する第1係合歯152の傾斜面153bでの噛み合い反力によって、第1係合歯152はバネ部材196の弾性付勢力に抗して図10中の白抜き方向(軸方向X1)に押し戻される。即ち、第1係合歯152の第1係合面153のうち第1係合歯162の先端部が当接する部位が傾斜面153bから平坦面153aへと移動する。これにより、変速段が2速での加速時に、第2遊転ギヤG2i及び第2スリーブ部材150は、互いの高歯同士である第1係合歯162と第1係合歯152とで噛み合い、特に第1係合歯162の第1係合面163と第1係合歯152の平坦面153aとが係合することで噛み合い、これにより入力軸A2から出力軸A3へのトルク伝達が行われる。かくして、変速機T/Mの変速段の1速から2速への変更を瞬時に行うことができ、駆動トルクの途切れのないシームレスシフトが達成される。
尚、第2遊転ギヤG2i及び第2スリーブ部材150の噛み合いが成立した瞬間に、図11に示されるように、第1遊転ギヤG1iと第1スリーブ部材120との間に1速と2速とのギヤ比の違いに相当する分の相対回転差が生じる。即ち、第1スリーブ部材120が第1遊転ギヤG1iに対して減速方向に相対回転する。この相対回転によって、第1スリーブ部材120と第1遊転ギヤG1iとの周方向の係合が解除される。それと同時に、スナップリング183による圧縮によってバネ部材186に蓄えられていた圧縮力が解放されると、バネ部材186の弾性付勢力にしたがってシフトフォーク184を介して第1スリーブ部材120が軸方向X2(1速についてのギヤ抜け方向)にスライド動作する。その結果、第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120の噛み合いが外れる。この場合、第1遊転ギヤG1i及び第1スリーブ部材120が噛み合い、且つ第2遊転ギヤG2i及び第2スリーブ部材150が噛み合う状態、所謂「二重噛み合い」が形成されない。要するに、変速機T/Mにおける1速側のギヤ噛み合いと2速側のギヤ噛み合いが同時に発生する二重噛み合いを前提とすることなくシームレスシフトを達成することができる。その結果、係合歯同士の不要な係合を無くすことができ、例えばはスリーブ部材120,150のスリーブインナーピン121b,151bの経時的な摩耗や変形によって、変速機T/Mの耐久性が低下するのを防止できる。
上記構成の動力伝達機構101によれば、1速から2速への変速段の切り替えの際に、スリーブ駆動機構180,190によって第1スリーブ部材120と第1遊転ギヤG1iとの噛み合いが解除され、且つ第2スリーブ部材150と第2遊転ギヤG2iとの噛み合いが発生する。これにより、駆動トルクの途切れのないシームレスシフトが達成される。この場合、第1スリーブ部材120については、第1遊転ギヤG1iとの噛み合いを解除する準備段階として、この第1スリーブ部材120が第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向に予め弾性付勢された状態で第1遊転ギヤG1iと噛み合うようにすることで、その後に第1スリーブ部材120をバネ部材186の弾性付勢力にしたがって第1遊転ギヤG1iとの噛み合い解除方向に瞬時にスライドさせることができる。従って、第1スリーブ部材120と第1遊転ギヤG1iとが噛み合い、且つ第2スリーブ部材150と第2遊転ギヤG2iとが噛み合う二重噛み合いが発生することがない。その結果、第1スリーブ部材120や第2スリーブ部材150、また各スリーブに連結された要素に過度な荷重が集中するのを阻止することで、変速機T/Mの耐久性が低下するのを防止できる。このような変速機T/Mは、運転者が求める所望のシフト機能を継続的に発揮することができる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、変速機T/Mの変速段が相対的に低速の1速から相対的に高速の2速にシフトアップされる際の動力伝達機構の制御態様について記載したが、本制御態様を、低速から高速にシフトアップする他の変速段についての動力伝達機構においても同様に適用することができる。また、この変速機T/Mにおいて、相対的に高速の変速段から相対的に低速の変速段へのシフトダウンについては、クラッチC/Dを切るとともに、従前の制御方法によってエンジンE/Gの回転数を調整することによってシフトダウンを行うことができる。
上記の実施形態では、第1スリーブ部材120の第1係合歯122及び第2係合歯125のそれぞれの加速側スリーブ係合面に傾斜面が設けられる構成について記載したが、本発明では、本構成に代えて、当該傾斜面に相当する構造を第1遊転ギヤG1iの第1係合歯132及び第2係合歯135の加速側ギヤ係合面に適用することもできる。同様に、第2スリーブ部材150の第1係合歯152及び第2係合歯155のそれぞれの加速側スリーブ係合面に設けられた傾斜面に相当する構造を第2遊転ギヤG2iの第1係合歯162及び第2係合歯165の加速側ギヤ係合面に適用することもできる。また、必要に応じては、加速側スリーブ係合面や加速側ギヤ係合面における傾斜面が省略された構造を採用することもできる。
上記の実施形態では、シフトフォーク184を弾性保持するバネ部材185,186、及びシフトフォーク194を弾性保持するバネ部材195,196をいずれもコイルバネとしたが、本発明では、これらのバネ部材に代えて、コイルバネ以外のバネ部材やゴム材料等の弾性材を用いることもできる。
本発明では、第1遊転ギヤG1i及び第2遊転ギヤG2iのそれぞれに設けられる係合歯の数や、第1スリーブ部材120及び第2スリーブ部材150のそれぞれに設けられる係合歯の数については、必要に応じて適宜に変更可能である。
上記の実施形態では、動力伝達機構101,102,103を入力軸A2に設ける場合について記載したが、本発明では、動力伝達機構101,102,103に相当する機構をそれぞれ入力軸A2及び出力軸A3の少なくとも一方に設けることができる。即ち、所定の遊動ギヤが設けられている軸に対して、本発明の動力伝達機構を適用することができる。
T/M…変速機、C/D…クラッチ、D/F…ディファレンシャル、D/W…駆動輪、E/G…エンジン、F/W…フライホイール、A1…駆動出力軸、A2…入力軸、A3…出力軸、ACT1…クラッチアクチュエータ、ACT2…変速機アクチュエータ、AP…アクセルペダル、BP…ブレーキペダル、SL…シフトレバー、ECU…電子制御ユニット、G1i、G2i、G3i、G4i、G5i…遊転ギヤ、G1o、G2o、G3o、G4o、G5o…固定ギヤ、S1…アクセル開度センサ、S2…シフト位置センサ、S3…ブレーキセンサ、101,102,103…動力伝達機構、110…第1ハブ部材、111…係合溝、120…第1スリーブ部材、121…本体部、121a…貫通穴、121b…スリーブインナーピン、122…第1係合歯、123…第1係合面、123a…平坦面、123b…傾斜面、124…第2係合面、125…第2係合歯、130,160…スナップリング、131…本体部、132…第1係合歯、133…第1係合面、134…第2係合面、135…第2係合歯、136…第1係合面、137…第2係合面、140…第2ハブ部材、141…係合溝、150…第2スリーブ部材、151…本体部、151a…貫通穴、151b…スリーブインナーピン、152…第1係合歯、153…第2係合歯、170…シフトドラム、171…シフトドラム溝、161…本体部、162…第1係合歯、163…第1係合面、164…第2係合面、165…第2係合歯、166…第1係合面、167…第2係合面、180,190…スリーブ駆動機構、181,191…フォークシャフト、181a,191a…係合ピン、182,183,192,193…スナップリング、184,194…シフトフォーク、185,186,195,196…バネ部材、200…制御装置

Claims (3)

  1. 車両の駆動源の駆動出力軸と前記車両の駆動輪とを結ぶ動力伝達系統に介装され、複数の変速段を有する車両用変速機であって、
    前記駆動出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸と、
    前記駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸と、
    それぞれが前記入力軸又は前記出力軸に同軸的且つ相対回転不能に設けられるとともに、前記複数の変速段のそれぞれに対応する複数の固定ギヤと、
    それぞれが前記入力軸及び前記出力軸のうち前記複数の固定ギヤが設けられていない軸としての遊転ギヤ軸に同軸的且つ相対回転可能に設けられるとともに、前記複数の変速段のそれぞれに対応し、且つ対応する変速段の前記固定ギヤと常時噛合する複数の遊転ギヤと、
    を備え、
    前記複数の遊転ギヤは、
    前記複数の変速段のうちの低速側変速段及び高速側変速段につき、前記低速側変速段の前記固定ギヤに常時噛合する第1遊転ギヤと、前記高速側変速段の前記固定ギヤに常時噛合する第2遊転ギヤと、を含み、
    当該車両用変速機は更に、
    前記遊転ギヤ軸の前記第1遊転ギヤと前記第2遊転ギヤとの間に前記遊転ギヤ軸に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられ、前記第1遊転ギヤに噛み合い可能に対向配置され、且つ第1弾性保持機構を介して弾性保持された円板状の第1スリーブ部材と、
    前記遊転ギヤ軸の前記第1遊転ギヤと前記第2遊転ギヤとの間に前記遊転ギヤ軸に対して同軸的且つ相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられ、前記第2遊転ギヤに噛み合い可能に対向配置され、且つ第2弾性保持機構を介して弾性保持された円板状の第2スリーブ部材と、
    前記第1スリーブ部材及び前記第2スリーブ部材のそれぞれを前記遊転ギヤ軸の軸方向に独立して駆動可能なスリーブ駆動機構と、
    を含み、
    前記スリーブ駆動機構は、
    変速段が前記低速側変速段に設定されたとき、前記第1スリーブ部材が前記第1弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって前記第1遊転ギヤと噛み合い、且つ前記第2スリーブ部材が前記第2弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって前記第2遊転ギヤとの噛み合いを解除するように、前記第1スリーブ部材及び前記第2スリーブ部材を駆動する一方で、
    前記低速側変速段から前記高速側変速段への変速段のシフトアップ時においては、前記第1スリーブ部材が前記第1弾性保持機構によって前記第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向に予め弾性付勢された状態で前記第1遊転ギヤと噛み合い、その後に前記低速側変速段と前記高速側変速段とのギヤ比の違いによる前記第1スリーブ部材及び前記第1遊転ギヤの相対回転差によって前記第1スリーブ部材と前記第1遊転ギヤとの周方向の係合が解除されると同時に、前記第1スリーブ部材が前記第1弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって前記第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向にスライドし、且つ前記第2スリーブ部材が前記第2弾性保持機構の弾性付勢力にしたがって前記第2遊転ギヤと噛み合うように、前記第1スリーブ部材及び前記第2スリーブ部材を駆動する、車両用変速機。
  2. 請求項1に記載の車両用変速機であって、
    前記第1遊転ギヤのうち前記第1スリーブ部材との対向面にギヤ周方向に交互に配置され、前記第1スリーブ部材に向かう立設高さが異なるギヤ高歯及びギヤ低歯と、
    前記第1スリーブ部材のうち前記第1遊転ギヤとの対向面にスリーブ周方向に交互に配置され、前記第1遊転ギヤに向かう立設高さが異なるスリーブ高歯及びスリーブ低歯と、
    を含み、
    前記第1遊転ギヤの前記ギヤ高歯は、変速段が前記低速側変速段に設定されたときの加速時に、その加速側ギヤ係合面にて前記スリーブ高歯の加速側スリーブ係合面に係合することによって前記スリーブ高歯と噛み合い、変速段が前記低速側変速段に設定されたときの減速時に、その減速側ギヤ係合面にて前記スリーブ低歯の減速側スリーブ係合面に係合することによって前記スリーブ低歯と噛み合う、車両用変速機。
  3. 請求項2に記載の車両用変速機であって、
    前記スリーブ高歯の前記加速側スリーブ係合面は、先端側の部位にて前記遊転ギヤ軸の軸方向に沿って延在する平坦面と、根元側の部位にて前記平坦面に対して傾斜した傾斜面とによって構成され、
    前記第1スリーブ部材は、前記加速時に前記第1遊転ギヤとの噛み合い反力によって前記ギヤ高歯が前記第1弾性保持機構の弾性付勢力に抗して前記加速側スリーブ係合面の前記傾斜面を前記平坦面に向けて摺動して前記加速側ギヤ係合面にて前記平坦面に係合するように、前記第1遊転ギヤとの噛み合い解除方向にスライドする、車両用変速機。

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