JP2010101459A - かみあい式クラッチ装置及びこのクラッチ装置を用いたシフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】噛合性能に優れ、バックラッシが少なく、かつ十分な伝達トルクを得ることができるかみ合い式クラッチ装置を提供する。
【解決手段】1個のハブ2に対して2個のスリーブ3,4をスライド自在に設け、スリーブの内歯3a,4aに対向方向に突出するドッグギヤ部3b,4bを設ける。クラッチリング5,6のクラッチ歯5d,6dにかみ合わせる際、クラッチリングに近い方のスリーブの内歯を先にクラッチリングのクラッチ歯にかみ合わせ、遅れてクラッチリングから遠い方のスリーブの内歯をクラッチ歯にかみ合わせるため、バックラッシを少なくかつ円滑にかみ合わせることができる。2個のスリーブの内歯をクラッチリングのクラッチ歯に同等深さでかみ合わせることができるので、伝達トルクの向上を実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】1個のハブ2に対して2個のスリーブ3,4をスライド自在に設け、スリーブの内歯3a,4aに対向方向に突出するドッグギヤ部3b,4bを設ける。クラッチリング5,6のクラッチ歯5d,6dにかみ合わせる際、クラッチリングに近い方のスリーブの内歯を先にクラッチリングのクラッチ歯にかみ合わせ、遅れてクラッチリングから遠い方のスリーブの内歯をクラッチ歯にかみ合わせるため、バックラッシを少なくかつ円滑にかみ合わせることができる。2個のスリーブの内歯をクラッチリングのクラッチ歯に同等深さでかみ合わせることができるので、伝達トルクの向上を実現できる。
【選択図】 図1
Description
本発明はトランスミッションなどに使用されるかみ合い式のクラッチ装置に関するものである。
トランスミッション用のかみ合い式クラッチ装置はバイクや自動車レース用車両等に用いられている。一般には、シャフトに連結されたハブを有し、ハブの外周に形成されたスプライン歯にスリーブの内歯をスライド自在に係合させ、スリーブの内歯をハブに隣接してシャフト上に回転自在に支持された伝達ギヤの外歯と直接かみ合わせることにより、伝達ギヤをシャフトに固定するようになっている。
ところで、シャフトと伝達ギヤとの間に差回転がある場合、スリーブを伝達ギヤの外歯にかみ合わせるため、外歯の歯溝の幅をスリーブの内歯の幅より広くする必要がある。しかし、噛み合い後には歯溝と内歯との隙間がバックラッシとなるため、歯溝と内歯との隙間は小さい方がよい。しかし、隙間を小さくすると、内歯が外歯によって撥ね除けられる確率が高くなり、スムーズに噛み合わせることができない。
特許文献1には、入力軸に、周方向には回転自在で軸方向には固定された固定歯車と、軸方向には摺動自在で回転方向には固定された可動歯車とを設け、可動歯車の側面に2本一対の突起状の係合部を可動歯車の回転方向に向かって交互に高低の段差がつくように形成し、これら係合部を固定歯車の係合溝に係合させる構造のドッグ式クラッチ装置が提案されている。これは、係合の確率を高くし、かつトルク変動によるガタツキを小さくすることを狙いとするものである。
特許文献2の図1〜図3には、変速装置に用いられるドッグギヤであって、相手側ドッグギヤに対して、これとかみ合う段差付きの歯を交互に備えたドッグギヤが開示されている。ドッグギヤの高い歯が先に相手側ドッグギヤにかみ合い、位相合わせを行った後、遅れて低い歯が相手側ドッグギヤにかみ合うことで、かみ合い性の向上とバックラッシの低減とを図ったものである。
特許文献1に記載のクラッチ装置の場合、噛み合い性を向上させるために1個の可動歯車の側面に段差状の係合部を形成したものであるため、固定歯車の係合溝と噛み合った後では高い方の係合部と低い方の係合部とで噛み合い深さに必然的に差が生じる。つまり、低い方の係合部の噛み合い深さを深くできず、十分な伝達トルクが得られない懸念がある。
特許文献2の場合も特許文献1と同様に、段差付きの2種類の歯をドッグギヤの側面に突設したものであり、低い歯と相手側ドッグギヤとのかみ合い深さを十分に取れず、伝達トルクが十分に得られないと共に、不意に外れる懸念がある。
実開昭61−58736号公報
実開昭58−56244号公報
本発明の目的は、噛合性能に優れ、バックラッシが少なく、かつ十分な伝達トルクを得ることが可能なかみ合い式クラッチ装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、ハブの外周に形成されたハブ歯にスライド自在に係合するスリーブの内歯を、前記ハブに対して相対回転自在にかつ隣接して配置されたクラッチリングのクラッチ歯と直接かみ合わせるクラッチ装置において、前記スリーブは1個のハブに対して2個設けられ、前記両方のスリーブの内歯は前記ハブ溝の周上に沿って交互にかみ合うように設けられ、前記両方のスリーブの内歯は当該スリーブの対向する端面より軸方向に突出したドッグギヤ部をそれぞれ有し、前記クラッチリングのクラッチ歯の間隔は、前記一方のスリーブの内歯の外側面と、当該内歯と周方向に隣り合う他方のスリーブの内歯の外側面とが係合しうる間隔に設定されていることを特徴とする、かみ合い式クラッチ装置を提供する。
両方のスリーブを一体的にハブに対してスライドさせると、クラッチリングに近い方のスリーブの内歯がクラッチリングのクラッチ歯の間に侵入し、スリーブとクラッチリングとの相対回転によってその内歯がクラッチリングのクラッチ歯の一方の側面に当接する。これによって位相合わせが行われる。その後、クラッチリングから遠い方のスリーブのドッグギヤ部が押し込まれると、位相合わせが終了しているので、遠い方のスリーブのドッグギヤ部はクラッチリングのクラッチ歯の他方の側面に沿いながら円滑にかみ合うことができる。かみ合い状態において、2個のスリーブの内歯(ドッグギヤ部)がクラッチリングのクラッチ歯に対してほぼ隙間なくかみ合うので、バックラッシが小さく、振動や騒音を低減できる。しかも、双方のスリーブの内歯(ドッグギヤ部)とクラッチリングのクラッチ歯との噛み合い深さを同等にできるので、十分な伝達トルクを得ることが可能であり、不意に外れる懸念を解消できる。
本発明では、スリーブのドッグギヤ部分がスリーブの内歯と一体に形成されているため、かみ合い部分の係合代を大きくとることができる。スリーブの内歯はハブ溝と係合するスプライン歯を兼ねているので、十分な歯幅を確保でき、大きな伝達トルクを確保することが可能である。
前記クラッチ装置の2個のスリーブを操作するためのシフト装置として、ディテント部を備える2本の平行なシフトロッドと、各シフトロッドに固定され、前記2つのスリーブの周溝にそれぞれ係合する2本のシフトフォークと、前記2本のシフトロッドに対してスライド自在に挿通されたシフトヘッドと、前記各シフトロッドとシフトヘッドとの間に介装され、前記各シフトロッドとシフトヘッドとの相対移動を許容しつつ、前記各シフトロッドに付勢力を与えるクッションばねと、を備えたシフト装置を用いるのがよい。この場合には、2個のスリーブのうち、クラッチリングに近い方のスリーブの内歯を先にクラッチリングのクラッチ歯にかみ合わせ、遅れてクラッチリングから遠い方のスリーブの内歯をクラッチ歯にかみ合わせる際に、クッションばねの作用により両スリーブの軸方向の相対変位を許容するので、両方のスリーブの内歯を無理なくクラッチリングのクラッチ歯にかみ合わせることができる。そのため、歯部の摩耗を抑制できる。なお、シフトヘッドを軸方向に作動させるために、アクチュエータを使用してもよいし、手動でシフトしてもよい。
本発明によれば、1個のハブに対して2個のスリーブを設け、これらスリーブの内歯をクラッチリングのクラッチ歯にかみ合わせる際、クラッチリングに近い方のスリーブの内歯を先にクラッチリングのクラッチ歯にかみ合わせ、遅れてクラッチリングから遠い方のスリーブの内歯をクラッチ歯にかみ合わせるため、バックラッシを少なくかつ円滑にかみ合わせることができる。また、 2個のスリーブの内歯(ドッグギヤ部)をクラッチリングのクラッチ歯に対して同等な噛み合い深さで噛み合わせることができるので、従来のように高い歯と低い歯との噛み合い深さに差が生じるという問題がなく、伝達トルクの向上と噛み合い外れの防止とを実現できる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
〔第1実施例〕
図1,図2は本発明に係るかみ合い式クラッチ装置の一例を示す。このクラッチ装置Aは、ツインスリーブドッグクラッチの例であり、回転軸1とハブ2と2個のスリーブ3,4と一対のクラッチリング5,6とを備えている。ハブ2は、回転軸1上にスプライン1aによって一体回転可能に支持されている。ハブ2の外周面には6個のハブ歯2aが周方向に60°間隔で形成されており、各ハブ歯2aの間にハブ溝2bが形成されている。なお、ハブ歯2aの数は偶数であれば何個でもよい。
図1,図2は本発明に係るかみ合い式クラッチ装置の一例を示す。このクラッチ装置Aは、ツインスリーブドッグクラッチの例であり、回転軸1とハブ2と2個のスリーブ3,4と一対のクラッチリング5,6とを備えている。ハブ2は、回転軸1上にスプライン1aによって一体回転可能に支持されている。ハブ2の外周面には6個のハブ歯2aが周方向に60°間隔で形成されており、各ハブ歯2aの間にハブ溝2bが形成されている。なお、ハブ歯2aの数は偶数であれば何個でもよい。
ハブ2のハブ溝2bには、第1スリーブ3の内歯3aと第2スリーブ4の内歯4aとが周方向に交互に、かつスライド自在に係合している。第1スリーブ3の内歯3aは120°間隔で3個設けられ、内歯3aの端部には第2スリーブ4に向かって軸方向に突出するドッグギヤ部3bが一体に形成されている。同様に、第2スリーブ4の内歯4aも120°間隔で3個設けられ、内歯4aの端部には第1スリーブ3に向かって軸方向に突出するドッグギヤ部4bが一体に形成されている。これらドッグギヤ部3b,4bは互いに相手のスリーブの内側に挿入されており、その突出長はそれぞれスリーブ3,4の軸方向厚みと同等又はそれより長く設定されている。第1スリーブ3と第2スリーブ4の外周には、後述するシフトフォークと係合する周溝3c,4cが形成されている。
回転軸1上には、ハブ2の両側の隣接した位置に、一対のクラッチリング5,6がベアリング5a,6aを介して回転自在に支持されている。クラッチリング5,6の外周面には、例えばギヤ5b,6bが形成されている。クラッチリング5のハブ2と対向する面には、リング状の凸部5cが突設され、この凸部5cの外周にはスリーブ3,4の内歯3a,4aとかみ合う3個のクラッチ歯5dが120°間隔で形成されている。クラッチ歯5dの歯溝部分の間隔Wは、第1スリーブ3と第2スリーブ4の隣り合う2個の内歯3a,4aが丁度係合できる間隔に設定されている。同様に、クラッチリング6のハブ2と対向する面にも、リング状の凸部6cが突設され、この凸部6cの外周にはスリーブ3,4の内歯3a,4aとかみ合う3個のクラッチ歯6dが120°間隔で形成されている。クラッチ歯6dの歯溝部分の間隔Wも、第1スリーブ3と第2スリーブ4の隣り合う2個の内歯3a,4aが丁度係合できる間隔に設定されている。
図3は、2個のスリーブ3,4を軸方向にシフトするためのシフト装置Bを示す。このシフト装置Bは、ケース7に軸方向スライド自在に支持された2本の平行なシフトロッド8,9を備えている。シフトロッド8,9の一端部にはディテント溝8a,9aが一定間隔で形成され、これらディテント溝8a,9aにディテントボール10,11が弾性的に嵌合することにより、各シフト位置でシフトロッド8,9を位置決め可能になっている。シフトロッド8,9にはそれぞれシフトフォーク12,13が固定されており、これらシフトフォーク12,13はそれぞれ第1,第2のスリーブ3,4の周溝3c,4cと係合している。
ケース7には、シフトロッド8,9と平行なピストンロッド14が配置され、このピストンロッド14の両端部にはケース7に配置された油圧アクチュエータ15,16が設けられている。即ち、油圧アクチュエータ15,16には、各油室15a,16aへの供給油圧によって軸方向に作動されるピストン15b,16bが設けられ、これらピストンがピストンロッド14の両端部に固定されている。ピストンロッド14の中間部にはシフトヘッド17が固定されており、シフトヘッド17には、2本のシフトロッド8,9が挿通自在な2個の挿通穴17a,17bが形成されている。シフトロッド8,9には、シフトヘッド17を間にしてその両側にクッションばね18a,18b及び19a,19bが挿通されている。クッションばね18a,18b及び19a,19bの一端側はシフトロッド8,9に装着されたスナップリング20,21で支持され、他端側がシフトヘッド17に圧接している。そのため、例えばシフトヘッド17を図3の右方向に作動させると、右側のクッションばね18b,19bが圧縮され、シフトロッド8,9も同時に右方向へ押される。逆に、シフトヘッド17を図3の左方向に作動させると、左側のクッションばね18a,19aが圧縮され、シフトロッド8,9も同時に左方向へ押される。
ここで、前記構成よりなるクラッチ装置A及びシフト装置Bの動作を、図2,図4に従って説明する。
まず中立位置では、シフト装置Bのいずれの油圧アクチュエータ15,16にも油圧が供給されておらず、ディテントボール10,11が中央のディテント溝8a,9aに嵌合することにより、シフトフォーク12,13は図2の(a)及び図4の(a)で示す中立位置で位置決めされている。
いま、シフト装置Bの左側の油圧アクチュエータ15に油圧を供給し、右側の油圧アクチュエータ16の油圧をドレーンさせると、ピストンロッド14が右方へ移動し、シフトヘッド17も同じく右方へ一定ストロークだけ移動する。そのため、右側のクッションばね18b,19bを介してシフトロッド8,9が右方へ押され、シフトフォーク12,13も右方へ押される。2個のスリーブ3,4は一体的に右方へスライドし、図2の(b),図4の(b)に示すように、右側のスリーブ3の内歯3aが右側のクラッチリング5のクラッチ歯5dの端面に当接する。なお、スリーブ3とクラッチリング5の位相関係によっては、内歯3aがクラッチ歯5dの隙間に直接嵌まり込むこともある。
スリーブ3,4とクラッチリング5との間には相対回転があるので、スリーブ3の内歯3aがクラッチリング5のクラッチ歯5dの端面を滑り、クッションばね18bのばね力により歯溝に落ち込む。この状態を示したのが図2の(c),図4の(c)である。
さらに、この状態からスリーブ3,4がクラッチリング5に対して相対回転するため、内歯3aがクラッチ歯5dの側面に当接して相対回転が停止し、位相合わせを終了する。この段階から動力伝達が開始する。一方、第2スリーブ4は常にクッションばね19bで右方へ付勢されているので、位相合わせが終了した段階で内歯4aがクラッチ歯5dの側面にそって容易に侵入し、係合が完了する。この状態を示したのが、図2の(d),図4の(d)である。
このようにシフトヘッド17をストロークした後、スリーブ3,4とクラッチリング5との相対回転に伴って内歯3a,4aがクラッチ歯5dに入り込む位置まで待っており、入る位置になると、スリーブ3,4がクッションばねのばね力によって自然に入り込むことができる。
まず中立位置では、シフト装置Bのいずれの油圧アクチュエータ15,16にも油圧が供給されておらず、ディテントボール10,11が中央のディテント溝8a,9aに嵌合することにより、シフトフォーク12,13は図2の(a)及び図4の(a)で示す中立位置で位置決めされている。
いま、シフト装置Bの左側の油圧アクチュエータ15に油圧を供給し、右側の油圧アクチュエータ16の油圧をドレーンさせると、ピストンロッド14が右方へ移動し、シフトヘッド17も同じく右方へ一定ストロークだけ移動する。そのため、右側のクッションばね18b,19bを介してシフトロッド8,9が右方へ押され、シフトフォーク12,13も右方へ押される。2個のスリーブ3,4は一体的に右方へスライドし、図2の(b),図4の(b)に示すように、右側のスリーブ3の内歯3aが右側のクラッチリング5のクラッチ歯5dの端面に当接する。なお、スリーブ3とクラッチリング5の位相関係によっては、内歯3aがクラッチ歯5dの隙間に直接嵌まり込むこともある。
スリーブ3,4とクラッチリング5との間には相対回転があるので、スリーブ3の内歯3aがクラッチリング5のクラッチ歯5dの端面を滑り、クッションばね18bのばね力により歯溝に落ち込む。この状態を示したのが図2の(c),図4の(c)である。
さらに、この状態からスリーブ3,4がクラッチリング5に対して相対回転するため、内歯3aがクラッチ歯5dの側面に当接して相対回転が停止し、位相合わせを終了する。この段階から動力伝達が開始する。一方、第2スリーブ4は常にクッションばね19bで右方へ付勢されているので、位相合わせが終了した段階で内歯4aがクラッチ歯5dの側面にそって容易に侵入し、係合が完了する。この状態を示したのが、図2の(d),図4の(d)である。
このようにシフトヘッド17をストロークした後、スリーブ3,4とクラッチリング5との相対回転に伴って内歯3a,4aがクラッチ歯5dに入り込む位置まで待っており、入る位置になると、スリーブ3,4がクッションばねのばね力によって自然に入り込むことができる。
前記説明では、シフト装置Bの左側の油圧アクチュエータ15を作動させ、ピストンロッド14(シフトヘッド17)を右方へ移動させた場合の動作を示したが、右側の油圧アクチュエータ16を作動させ、ピストンロッド14(シフトヘッド17)を左方へ移動させた場合にも同様に、左側のスリーブ4の内歯4aが先にクラッチリング6のクラッチ歯6dにかみ合い、遅れて右側のスリーブ3の内歯(ドッグギヤ部)3bがかみ合うことで、円滑なかみ合いを実施できる。
かみ合い状態において、第1スリーブ3の内歯3aと第2スリーブ4の内歯4aとの外側面間の距離Dと、クラッチリング5のクラッチ歯5dの歯溝の間隔Wとがほぼ一致しているので、バックラッシが小さく、振動や騒音を低減できる。しかも、両方のスリーブ3、4の内歯3a,4aがクラッチリング5のクラッチ歯5dに対して同じ噛み合い深さとなるので、伝達トルクが十分得られ、かつ不意の係合外れを防止できる。また、上述の通り、一方のスリーブの内歯で位相合わせを終了した段階で他方の内歯がかみ合うので、かみ合いが円滑に行え、摩耗も少ない。さらに、シフト装置Bは、クッションばね18a,18b,19a,19bのばね力により、スリーブ3,4に無理な荷重を掛けずにクラッチリング5,6のクラッチ歯にかみ合わせることができるため、頭突き時の衝撃力を回避できると共に、摩耗を少なくできる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形可能であることは勿論である。
前記実施例では、アクチュエータとして油圧アクチュエータを使用したが、これに限るものではなく、電磁式アクチュエータでもよいし、モータとボールネジとを組み合わせた直動機構などでもよい。さらに、手動でシフトヘッドを軸方向に作動させることも可能である。
また、クラッチリングのクラッチ歯の先端又はスリーブの内歯の先端に、かみ合い性を高めるための面取り、R面、ベベリングなどのエッジ処理を施してもよい。
前記実施例では、アクチュエータとして油圧アクチュエータを使用したが、これに限るものではなく、電磁式アクチュエータでもよいし、モータとボールネジとを組み合わせた直動機構などでもよい。さらに、手動でシフトヘッドを軸方向に作動させることも可能である。
また、クラッチリングのクラッチ歯の先端又はスリーブの内歯の先端に、かみ合い性を高めるための面取り、R面、ベベリングなどのエッジ処理を施してもよい。
クラッチリングは、外周にギヤ部を持つギヤに限らず、スプロケットでもよいし、その他の回転部材であってもよい。また、ハブの両側にクラッチリングを設けた例を示したが、ハブの片側にのみクラッチリングを設けてもよい。
本クラッチ機構は、変速段の切り替え用のほか、前後進切替用にも使用できる。
本クラッチ機構は、変速段の切り替え用のほか、前後進切替用にも使用できる。
1 回転軸
2 ハブ
2a ハブ歯
2b ハブ溝
3 第1スリーブ
4 第2スリーブ
3a,4a 内歯
3b,4b ドッグギヤ部
5,6 クラッチリング
5b,6b ギヤ
5d,6d クラッチ歯
8,9 シフトロッド
10,11 ディテントボール
12,13 シフトフォーク
14 ピストンロッド
15,16 油圧アクチュエータ
17 シフトヘッド
18a,18b,19a,19b クッションばね
2 ハブ
2a ハブ歯
2b ハブ溝
3 第1スリーブ
4 第2スリーブ
3a,4a 内歯
3b,4b ドッグギヤ部
5,6 クラッチリング
5b,6b ギヤ
5d,6d クラッチ歯
8,9 シフトロッド
10,11 ディテントボール
12,13 シフトフォーク
14 ピストンロッド
15,16 油圧アクチュエータ
17 シフトヘッド
18a,18b,19a,19b クッションばね
Claims (2)
- ハブの外周に形成されたハブ歯にスライド自在に係合するスリーブの内歯を、前記ハブに対して相対回転自在にかつ隣接して配置されたクラッチリングのクラッチ歯と直接かみ合わせるクラッチ装置において、
前記スリーブは1個のハブに対して2個設けられ、
前記両方のスリーブの内歯は前記ハブ溝の周上に沿って交互にかみ合うように設けられ、
前記両方のスリーブの内歯は当該スリーブの対向する端面より軸方向に突出したドッグギヤ部をそれぞれ有し、
前記クラッチリングのクラッチ歯の間隔は、前記一方のスリーブの内歯の外側面と、当該内歯と周方向に隣り合う他方のスリーブの内歯の外側面とが係合しうる間隔に設定されていることを特徴とする、かみ合い式クラッチ装置。 - 請求項1に記載のかみ合い式クラッチ装置と共に使用されるシフト装置であって、
ディテント部を備える2本の平行なシフトロッドと、
各シフトロッドに固定され、前記2つのスリーブの周溝にそれぞれ係合する2本のシフトフォークと、
前記2本のシフトロッドに対してスライド自在に挿通されたシフトヘッドと、
前記各シフトロッドとシフトヘッドとの間に介装され、前記各シフトロッドとシフトヘッドとの相対移動を許容しつつ、前記各シフトロッドに付勢力を与えるクッションばねと、
を備えたことを特徴とするシフト装置。
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