JP2008032166A - 車両用手動変速機のシフトフォーク - Google Patents
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Abstract
【課題】大荷重にも耐えうる強度を保持しつつ、シフト操作レバーを操作する際のシフトフィーリングも良好な車両用手動変速機のシフトフォークを提供する。
【解決手段】腕部82には、爪部84の厚みよりも薄い厚みを有する一対の第1摺接突部92および第2摺接突部94が設けられ、且つ、第1摺接突部92および第2摺接突部94の厚みT1およびT2は、爪部84から取付部80側に位置するに従って、薄く形成されているため、シフトフォーク58にかけられる荷重に対して段階的に第1および第2摺接突部92、94が摺接し、シフト効率も段階的に変化させられるため、シフト効率の損失を低減させることができる。
【選択図】図3
【解決手段】腕部82には、爪部84の厚みよりも薄い厚みを有する一対の第1摺接突部92および第2摺接突部94が設けられ、且つ、第1摺接突部92および第2摺接突部94の厚みT1およびT2は、爪部84から取付部80側に位置するに従って、薄く形成されているため、シフトフォーク58にかけられる荷重に対して段階的に第1および第2摺接突部92、94が摺接し、シフト効率も段階的に変化させられるため、シフト効率の損失を低減させることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用手動変速機に備えられて、その変速機内に配設された変速用スリーブを移動させるシフトフォークに関し、特に、シフトフォークによるシフト操作レバーの変速操作性向上に関するものである。
車両に備えられる手動変速機には、各変速段を成立させるための複数個の変速歯車対が配設されており、この変速歯車対によって伝達される駆動力は、例えば同期噛合装置を介して出力軸に伝達される。同期噛合装置には、選択された変速段の位置、或いは動力伝達が遮断される中間位置に適宜移動させられる円筒状のスリーブが備えられており、このスリーブは、その外周面に形成されている外周溝内に相対回転可能且つ軸心方向の相対移動不能に係合されるシフトフォークによって移動させられる。なお、シフトフォークは、シフトシャフトに一体的に固定されており、通常は運転者によって操作されるシフト操作レバーに連動して機械的に軸心方向に移動させられる。
前記シフトフォークには、例えばギヤ鳴り時に発生する大荷重に対しても耐えうるだけの強度が必要とされる。これに対して、例えば、特許文献1に開示されている技術では、シフトフォークの腕部の先端部に設けられている爪部に対して、この爪部よりも厚みの薄い摺接部を爪部よりもシフトフォークの基部側に設けている。ここで、シフトフォークに大荷重がかかると、爪部および摺接部をスリーブの外周溝内の側壁面に摺接させることで、荷重を爪部および摺接部に分担させ、シフトフォークにかかるモーメント荷重を低減させている。これにより、シフトフォークを大型化することなく、負荷される大荷重に対して対処することができる。また、特許文献2に開示されている技術では、シフトフォークの爪部を基部から先端部に向かうに従って厚みが大きくなるテーパ形状とすることで、シフトフォークのたわみ時に爪部とスリーブとの片当たりを防ぎ、シフトフォークの異常摩耗を阻止している。また、特許文献3に開示されている技術では、シフトフォークの爪部に先端に向かうに従って厚みが大きくなるテーパ形状を形成すると共に、さらに爪部よりもシフトフォークの基部側に設けられている摺接部に対してもテーパ形状を形成することで、シフトフォークのたわみ時の強度を確保している。
ところで、前記シフトフォークは、手動変速機とシフト操作レバーとの間に介装されているため、運転者がシフト操作する際に感じるシフト操作レバーのシフトフィーリングに対して、シフトフォークが与える影響は大きく、シフトフォークには、シフト操作レバーを操作する際に軽い操作感覚で、且つ変速時に感じる変速ショックなどの違和感を運転者にほとんど与えさせないシフトフィーリングが求められている。
シフト操作レバーの操作感覚を軽くさせるためには、変速の際にシフトフォークがスリーブの中心を押圧する構造が望ましく、例えば特許文献1乃至3のように一対の爪部を結ぶ直線上付近にスリーブの中心が位置するように爪部を設けることで、爪部がスリーブの外周溝の側壁面を押圧する際には、スリーブが傾くことなく軸心と平行に移動させられ、軽い操作感覚での変速が可能となる。
ところが、例えばエンジンブレーキのためのシフトダウン時などには、シフトフォークには比較的大きな荷重がかかる。例えば特許文献1および3において、シフトフォークに大きな荷重がかかると、シフトフォークのたわみによって、爪部と共に摺接部がスリーブの外周溝内の側壁面を押圧する。この摺接部がスリーブを押圧すると、スリーブが傾きながら移動させられるために、運転者が変速操作レバーを操作する際の抵抗感が大きくなってしまう。ここで、シフト操作レバーを操作する際の抵抗感が小さい状態をシフト効率が良好と定義し、一方、シフト操作レバーを操作する際の抵抗感が大きいために所定の変速段に入りにくい感覚をシフト効率が悪いと定義すると、特許文献1および3では、摺接部がスリーブを押圧することで、急激にシフト効率が悪くなってしまう、すなわち、シフト操作レバーを操作する際の抵抗感が急激に大きくなってしまう問題がある。
また、特許文献2および3においては、シフトフォークに設けられている爪部がテーパ状に形成されているため、シフトフォークにかけられる荷重に従って摺接部が連続的に変化し、前記シフト効率が直線的に低下するためにシフト効率が悪くなる。すなわち、シフトフォークにかかる荷重が比較的小さい領域においても、シフト操作レバーを操作する際の抵抗感が大きくなってしまう問題がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、大荷重にも耐えうる強度を保持しつつ、シフト操作レバーを操作する際のシフトフィーリングも良好な車両用手動変速機のシフトフォークを提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)車両用手動変速機のシフトフォークにおいて、(b)シフトシャフトに一体的に取り付けられる取付部と、その取付部から半円状に湾曲して延設された腕部と、前記腕部のそれぞれの先端部に形成されて変速用スリーブの外周溝の側壁に摺接する一対の爪部とを、備え、(c)前記腕部には、前記爪部の厚みよりも薄い厚みを有する複数の摺接突部が複数箇所設けられ、且つ、(d)前記複数の摺接突部の厚みは、前記爪部から前記取付部側に位置するに従って、薄く形成されていることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1のシフトフォークにおいて、前記腕部は、前記シフトシャフトの軸心および前記変速用スリーブの軸心を結ぶ直線を基準とした線対称形状に構成されており、前記複数の摺接突部は、前記直線を基準とする対称位置に形成されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明のシフトフォークによれば、前記腕部には、前記爪部の厚みよりも薄い厚みを有する複数の摺接突部が複数箇所設けられ、且つ、前記複数の摺接突部の厚みは、前記爪部から前記取付部に位置するに従って、薄く形成されているため、前記シフトフォークにかけられる荷重に対して段階的に前記摺接突部が摺接し、シフト効率も段階的に変化させられるため、シフト効率の損失を低減させることができる。
また、請求項2にかかる発明のシフトフォークによれば、前記複数の摺接突部は、前記直線を基準とする対称位置に形成されているため、前記変速用スリーブは前記直線に対して対称に押圧され、変速用スリーブが偏心されることなく移動させられるため、シフト効率の損失を低減させることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10の骨子図である。図1の車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであり、走行用駆動源としてのエンジン12、クラッチ14、車両用手動変速機16、および終減速機18を備えている。
車両用手動変速機16および終減速機18は、共に共通のトランスアクスルケース20内に配設されてトランスアクスル22を構成している。車両用手動変速機16は、車両の車幅方向に互いに平行な一対の入力軸24、出力軸26間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対28a〜28eが配設されると共に、それらの変速ギヤ対28a〜28eに対応して複数のギヤピース30a〜30eが設けられた平行軸式の変速機構と、それらのギヤピース30a〜30eに対応する3つの同期噛合装置32a、32b、32cの何れかを選択的に係合させて変速段を切り換えるシフト・セレクトシャフト34とを備えており、前進5段の変速段が成立させられるようになっている。入力軸24および出力軸26にはさらに後進ギヤ対36が配設され、図示しない出力シャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされることにより後進変速段が成立させられるようになっている。出力軸26には、出力歯車38が配設されて終減速機18のファイナルギヤ40と噛み合わされている。
前記シフト・セレクトシャフト34を操作することにより、ギヤピース30eが係合されると、変速比(入力軸24の回転数/出力軸26の回転数)が最も大きい第1変速段が成立させられる。また、ギヤピース30dが係合されることにより変速比が2番目に大きい第2変速段が成立させられ、ギヤピース30cが係合されることにより変速比が3番目に大きい第3変速段が成立させられ、ギヤピース30bが係合されることにより変速比が4番目に大きい第4変速段が成立させられ、ギヤピース30aが係合されることにより変速比が最も小さい第5変速段が成立させられる。
終減速機18は、傘歯車式のもので、一対のサイドギヤ42R、42Lにはそれぞれドライブシャフト44R、44Lがスプライン嵌合などによって連結され、出力軸26からの動力を左右の前輪(駆動輪)46R、46Lに分配し、回転駆動させる。
次に、ギヤピース30bおよび30cを選択的に係合させる同期噛合装置32bについて説明する。なお、本実施例の同期噛合装置32aおよび32cについても同期歯車装置32bと略同様の構成となっているため、その説明を省略する。図2は、図1の同期噛合装置32bの断面図である。同期噛合装置32bは、クラッチハブスリーブ48、クラッチハブ50、シフティングキー52、一対のシンクロナイザリング54、56を備えている。クラッチハブ50は、スプライン嵌合によって入力軸24に相対回転不能に嵌め付けられており、その入力軸24と一体的に回転させられると共に、スナップリングや軸心方向の両側に配設されている変速ギヤ対28bの4速用歯車57および変速ギヤ対28cの3速用歯車59によって軸心方向の位置決めが為されている。クラッチハブスリーブ48は、円筒形状となっており、クラッチハブ50の外周側に相対回転不能且つ軸心方向の相対移動可能にスプライン嵌合されていると共に、外周側に形成されている外周溝49に係合されているシフトフォーク58によって、軸心方向に離間した一対の変速段位置、すなわち図2の4速用歯車57に対応する第4変速段位置および3速用歯車59に対応する第3変速段位置と、その一対の変速段位置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置(図2の位置)へと移動させられる。上記シフトフォーク58は、通常は運転者により操作される図示しないシフト操作レバーに連動して機械的に軸心方向に移動させられるようになっている。なお、本実施例のクラッチハブスリーブ48が、本発明の変速用スリーブに対応している。
シフティングキー52は、クラッチハブスリーブ48の内周側に等角度間隔で複数個(本実施例では3つ)配設されており、それぞれ軸心方向の相対移動は許容されるようになっているが、相対回転はクラッチハブ50との係合によって阻止されている。クラッチハブスリーブ48の内周面には、溝60が設けられ、一対のキースプリング62によってシフティングキー52がクラッチハブスリーブ48の内周面に押し付けられることで、そのシフティングキー52が軸心方向の略中央に位置決めされるようになっている。
前記4速用歯車57および3速用歯車59は、クラッチハブ50の両側においてそれぞれニードルベアリング等により、相対回転可能に入力軸24に嵌め入れられていると共に、スナップリング等によって軸心方向の位置決めが為されている。これらの4速用歯車57および3速用歯車59には、外周部に外周噛合歯61、63を備えたギヤピース30b、30cがスプライン嵌合によってクラッチハブ50側の端部に相対回転不能にそれぞれ配設されている。また、クラッチハブスリーブ48の内周面には、前記ギヤピース30b、30cの外周噛合歯61、63と噛み合うための内周噛合歯48gが設けられている。これにより、そのクラッチハブスリーブ48が何れかの変速位置に移動させられることにより、そのギヤピース30bの外周噛合歯61またはギヤピース30cの外周噛合歯63とクラッチハブスリーブ48の内周噛合歯48gとが噛み合わされ、入力軸24からクラッチハブスリーブ48およびクラッチハブ50を介して4速用歯車57または3速用歯車59に動力伝達が行われるようになっている。
そして、上記クラッチハブスリーブ48とギヤピース30b、30cとの間に配設されたシンクロナイザリング54、56により、そのクラッチハブスリーブ48の内周噛合歯48gとギヤピース30bの外周噛合歯61またはギヤピース30cの外周噛合歯63との間の噛合が、それらクラッチハブスリーブ48とギヤピース30bまたはギヤピース30cとの回転、すなわちクラッチハブ50と4速用歯車57または3速用歯車59との回転が同期した状態で行われるようになっている。すなわち、上記シンクロナイザリング54および56の内周面には、ギヤピース30bの外周噛合歯61およびギヤピース30cの外周噛合歯63に接近するほど大径となるコーン面すなわちテーパ状内周面54cおよび56cがそれぞれ形成されている。上記シンクロナイザリング54および56は、そのテーパ状内周面54cおよび56cとギヤピース30bおよび30cに設けられたテーパ状外周面65および67と摺接する状態で、所定範囲の相対回転可能且つ軸心方向の相対移動可能に上記テーパ状外周面65および67上に配設されており、それぞれ軸心方向においてギヤピース30b或いは30c側へ押圧されて相互に摩擦係合させられることにより、相対回転トルクが伝達されてクラッチハブスリーブ48とギヤピース30bまたは30cとの間の相対回転が減少させられるようになっている。なお、上記シンクロナイザリング54および56には、前記シフティングキー52の軸心方向の端部が係合させられるキー溝68、70が設けられており、クラッチハブ50とともに回転させられる。
以上のように構成された同期噛合装置32bが、図2に示す中立位置から、例えば4速用歯車57との連結位置へ操作された場合の作動を説明する。先ず、クラッチハブスリーブ48が4速用歯車57側に移動させられると、シフティングキー52がシンクロナイザリング54のキー溝68の軸心方向端面68aに当接させられることにより、そのシンクロナイザリング54がギヤピース30bとテーパ係合させられ、そのテーパ状内周面54cとテーパ状外周面65との間の相対回転により発生する摩擦力すなわち相対回転トルクでシンクロナイザリング54と4速用歯車57とが次第に同期回転させられる。この同期回転までの期間では、クラッチハブスリーブ48の内周噛合歯48gがシンクロナイザリング54の外周係合歯72に係合してその軸心方向の移動が阻止されているが、シンクロナイザリング54と4速用歯車57とが同期回転状態となると、上記相対回転トルクが減少してシンクロナイザリング54の外周係合歯72の阻止力が弱くなって上記クラッチハブスリーブ48の4速用歯車57側への移動が許容される。そして、更にクラッチハブスリーブ48に操作荷重(シフト操作力)が加えられると、キースプリング62の付勢力に抗してシフティングキー52が溝60から内周側へ抜け出し、クラッチハブスリーブ48の内周噛合歯48gとギヤピース30bの外周噛合歯61とが互いに噛み合わされて、同期噛合装置32bが連結状態とされる。
図3は、本発明の要部である図2のクラッチハブスリーブ48に係合されているシフトフォーク58の構成を説明するための斜視図である。シフトフォーク58は、例えば鉄系の鋼、アルミニウム系の軽合金、真鍮等の銅合金から成り、シフトシャフト34に一体的に取り付けられる取付部80と、この取付部80から半円状に湾曲して延設された腕部82と、腕部82のそれぞれの先端部に一体形成されてクラッチハブスリーブ48の外周溝49の側壁に摺接する一対の爪部84とを備えている。また、取付部80と腕部82とは連続的に構成されており、全体として均一な厚みtを有する板状に形成されている。
取付部80には、平坦な表面86に対して垂直にシフトシャフト34が貫通させられており、図示しないボルト等によって一体的に固定されている。腕部82は、シフトシャフト34の軸心およびクラッチハブスリーブ48の軸心とを結ぶ直線Lを基準とした線対称(左右対称)形状に構成されている。腕部82に形成されている内周面88は半円状に形成されており、この内周面88がクラッチハブスリーブ48の外周溝49の溝底面に対向させられるようにシフトフォーク58がその外周溝49内に嵌め入れられる。
爪部84は、腕部82のそれぞれの先端部からシフトシャフト34の軸心方向に突出すように形成されており、シフト操作レバーの変速操作によって、シフトフォーク58が軸心方向の一方側に移動させられると、爪部84の摺接面90がクラッチハブスリーブ48の外周溝49の側壁面に摺接させられる。なお、本実施例のシフトフォーク58には、爪部84の摺接面90の裏面にも同様の摺接面90が対称的に形成されており、シフトフォーク58が軸心方向の他方側に移動させられると、その裏面側の摺接面90が摺接させられる。
また、腕部82の内周面88の近傍において、爪部84と取付部80との中間位置には、直線Lを基準とする対称位置に一対の第1摺接突部92が爪部84と同方向に突き出すように一体成形によって形成されている。さらに、内周面88の最も取付部80側の位置には、第2摺接突部94が爪部84と同方向に突き出すように一体成形によって形成されている。なお、本実施例の第1摺接突部92および第2摺接突部94が、本発明の摺接突部に対応している。
図4は、図3のシフトフォーク58を、シフトシャフト34の軸心に対して垂直な方向から見た側面図である。図4に示されるように、爪部84の厚みTが最も厚く形成されており、腕部82の厚みtが最も薄く形成されている。また、第1摺接突部92および第2摺接突部94は、爪部84の厚みTよりも薄く、腕部82の厚みtよりも厚い厚みT1およびT2を有しており、第2摺接突部94の厚みT2は、第1摺接突部92の厚みT1よりも薄く形成されている。すなわち、第1および第2摺接突部92、94の厚みT1およびT2は、爪部84から取付部80側に位置するに従って、薄く形成されている。なお、一対の爪部84は、それぞれ同じ厚みTに形成されていると共に、一対の第1摺接突部92は、それぞれ同じ厚みT1に形成され、共に対称な厚みとなっている。
次に、このように構成されるシフトフォーク58の作動について、概念図である図4、図5、図6を用いて説明する。図4は、通常の変速操作時(通常使用時)のシフトフォーク58の状態を示したものである。この状態では、シフトフォーク58にかかる荷重は比較的小さく、シフトフォーク58に撓みがほとんど生じないため、爪部84のみがクラッチハブスリーブ48の外周溝49の側壁に摺接させられる。ここで、図3に示すそれぞれの爪部84の略中心部を結ぶ直線Mは、クラッチハブスリーブ48の軸心上、或いは軸心近傍を通過するように設定されており、クラッチハブスリーブ48は、シフトフォーク58による押圧時にほとんど偏心することなく軸心方向に移動させられる。これにより、運転者がシフト操作レバーを操作する際の抵抗感が小さく、シフト効率が良好な状態での変速操作となる。
図5は、例えば急激なエンジンブレーキなどの変速操作時(ハードシフト時)のシフトフォーク58の状態を示したものである。この状態では、シフトフォーク58にかかる荷重は比較的大きくなり、シフトフォーク58に撓みが生じ、爪部84および一対の第1摺接突部92がクラッチハブスリーブ48の外周溝49の側壁に摺接させられる。ここで、一対の第1摺接突部92が摺接させられるため、クラッチハブスリーブ48は、若干の偏心を伴いながら軸心方向に移動させられる。これにより、運転者がシフト操作レバーを操作する際の抵抗感が僅かに大きくなるものの、シフト効率を大きく低下させることなく、変速させることができる。
図6は、例えば強引な変速操作を行い、変速操作時にギヤ鳴りが生じた際(ギヤ鳴り時)のシフトフォーク58の状態を示したものである。この状態では、シフトフォーク58には、非常に大きな荷重がかかり、それに伴いシフトフォーク58は大きく撓まされ、爪部84、第1摺接突部92、および第2摺接突部94がクラッチハブスリーブ48の外周溝49の側壁に摺接させられる。ここで、一対の第1摺接突部92および第2摺接突部94が摺接させられるため、クラッチハブスリーブ48は図5に比べてさらに偏心させられながら軸心方向に移動させられる。これにより、運転者がシフト操作レバーを操作する際の抵抗感が大きくなり、シフト効率が低下させられた状態での変速操作となる。
前述したように、シフトフォーク58にかけられる荷重が大きくなるにつれて撓みが生じる設定となっている。これは、シフトフォーク58に撓みを持たせる設定とすることで、変速操作時に同期噛合装置32で発生する変速ショックをこの撓みによって吸収し、シフト操作レバーに伝達される変速ショックを低減させている。なお、この同期噛合装置32で発生する変速ショックは、例えばクラッチハブスリーブ48の内周噛合歯48gがシンクロナイザリング54の外周係合歯72の間をすり抜け始めると、摩擦による同期作用がなくなるため、内周噛合歯48gと外周係合歯72との相対回転差によって互いに衝突する際に生じる。
このように、シフトフォーク58に撓みを持たせる設定とすることで、変速ショックを抑制させ、シフトフィーリングを向上させることが可能となる一方、シフトフォークの強度が問題となる。特に、シフトフォーク58に大荷重がかかると、シフトフォーク58の取付部80に大きな荷重モーメントが発生し、シフトフォーク58の耐久力が低下する可能性がある。この問題に対して、本実施例では、第1摺接突部92および第2摺接突部94を設けることで、取付部80で発生するモーメント荷重を減少させ、シフトフォーク58の強度を保持させている。
具体的には、図5の状態では、シフトフォーク58にかかる比較的大きな荷重に対して、この荷重を爪部84および一対の第1摺接突部92で分担させることでモーメント荷重を低下させている。第1摺接突部92は爪部84に比べて取付部80に近い位置に形成されているため、モーメントの長さ(距離)が短くなっており、その分だけモーメント荷重を低下させている。また、図6の状態では、シフトフォーク58にかかる大荷重に対して、この大荷重を爪部84、第1摺接突部92、および第2摺接突部94で分担させることでモーメント荷重を低下させている。特に、第2摺接突部94は、取付部80から最も近い位置(モーメントの距離が最も短い位置)に形成されており、この第2摺接突部94にも荷重を分担させることで、取付部80に生じるモーメント荷重を低下させている。このように、第1摺接突部92および第2摺接突部94を摺接させることで、シフトフォーク58に撓みを持たせつつ、非常に大きな荷重に対しても耐えうる強度を保持させている。
これら、図4(通常使用時)、図5(ハードシフト時)、および図6(ギヤ鳴り時)を比較すると、図4の通常使用時が最もシフト効率に優れており、図6のギヤ鳴り時が最もシフト効率が劣っている。一方、シフトフォーク58の強度に関しては、図6のように第1摺接部92および第2摺接突起94を摺接させることで、大荷重に対しても取付部80にかかる荷重モーメントを減少させることができる。これにより、シフトフォーク58の取付部80および腕部82の厚みtを比較的薄く形成しても強度を保持させることができる。また、図5のハードシフト時がそれぞれの中間位置となっており、シフト効率および強度をバランスよく保持させている。すなわち、第1摺接突部92が摺接することによって、図5のようなハードシフト時においても、急激なシフト効率の低下を阻止させており、シフトフィーリングの急激な悪化を阻止させている。
ここで、第1摺接突部92の位置は、シフトフォーク58の強度およびシフト効率のバランスを考えて設計することができる。例えば第1摺接突部92が爪部84側に形成されると、シフト効率が良好となる一方、シフトフォーク58の取付部80には、比較的大きな荷重モーメントが発生しやすくなる。また、第1摺接突部92および第2摺接突部94の厚みT1およびT2を適宜調整することにより、シフトフォーク58が撓まされて、第1摺接突部92および第2摺接突部94がクラッチハブスリーブ48の外周溝49の側壁に摺接させられる際の荷重を調整することができる。また、シフトフォーク58の撓み量においても、シフト効率と強度保持のバランスを考えて設定することができる。このように、シフトフォーク58のシフト効率および強度保持のバランスを考えて、第1摺接突部92および第2摺接突部94の位置および厚み、並びにシフトフォーク58の撓み量(剛性)を適宜チューニングすることができる。
上述のように、本実施例のシフトフォーク58によれば、腕部82には、爪部84の厚みよりも薄い厚みを有する一対の第1摺接突部92および第2摺接突部94が設けられ、且つ、第1摺接突部92および第2摺接突部94の厚みT1およびT2は、爪部84から取付部80側に位置するに従って、薄く形成されているため、シフトフォーク58にかけられる荷重に対して段階的に第1および第2摺接突部92、94が摺接し、シフト効率も段階的に変化させられるため、シフト効率の損失を低減させることができる。
また、本実施例のシフトフォーク58によれば、第1摺接突部92は、直線Lを基準とする対称位置に形成されているため、クラッチハブスリーブ48は直線Lに対して対称に押圧され、クラッチハブスリーブ48が偏心されることなく移動させられるため、シフト効率の損失が低減される。
また、本実施例のシフトフォーク58によれば、シフトフォーク58に所定の荷重がかけられた際に腕部82を撓ませる構造としたため、同期噛合装置32で発生する変速ショックに対して、この撓みによって変速ショックを低減させ、シフト操作レバーに伝達される変速ショックを抑制させることができる。
また、本実施例のシフトフォーク58によれば、比較的大きな荷重がシフトフォーク58にかけられる際には、第1摺接突部92および第2摺接突部94が摺接させられることで取付部80に生じる荷重モーメントを低減させることができる。これにより、シフトフォーク58の厚みtを薄く形成することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、本実施例のシフトフォーク58は、第1および第2摺接突部92、94と爪部84の両面に摺接面が形成されているが、本発明は、必ずしも摺接面を両側に設ける必要はなく、一方の摺接面のみに適用して実施することができる。例えば、同期噛合装置32aでは、第5変速段のみを係合させるものであるため、一方側に摺接面を設けるだけでよい。
また、本実施例のシフトフォーク58の爪部84、第1および第2摺接突部92、94はそれぞれ腕部82と一体成形によって形成されているが、必ずしも一体成形で形成される必要はなく、別体で形成した後に、溶接接合等によって固着させて実施することもできる。
また、本実施例のシフトフォーク58には、一対の第1摺接突部92および第2摺接突部94の3つの摺接突部が形成されているが、摺接突部の数は3つに限られるものではなく、例えばさらに第1摺接突部92と第2摺接突部94との間に一対の摺接突部を設けるなど、自由に摺接突部の数を設定することができる。また、第2摺接突部94を省略して実施することも可能である。なお、この場合、第2摺接突部94が省略しても強度が保持されるように腕部82の厚みtを大きくするなどの調整が必要となる。
また、本実施例の車両用動力伝達装置10は、FF型車両用のものであったが、例えばFR型車両など、他の形式の車両についても、本発明は適用することができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
16:車両用手動変速機 34:シフトシャフト 48:クラッチハブスリーブ(変速用スリーブ) 49:外周溝 58:シフトフォーク 80:取付部 82:腕部 84:爪部 92:第1摺接突部(摺接突部) 94:第2摺接突部(摺接突部)
Claims (2)
- 車両用手動変速機のシフトフォークであって、
シフトシャフトに一体的に取り付けられる取付部と、該取付部から半円状に湾曲して延設された腕部と、前記腕部のそれぞれの先端部に形成されて変速用スリーブの外周溝の側壁に摺接する一対の爪部とを、備え、
前記腕部には、前記爪部の厚みよりも薄い厚みを有する複数の摺接突部が複数箇所設けられ、且つ、
前記複数の摺接突部の厚みは、前記爪部から前記取付部側に位置するに従って、薄く形成されていることを特徴とするシフトフォーク。 - 前記腕部は、前記シフトシャフトの軸心および前記変速用スリーブの軸心を結ぶ直線を基準とした線対称形状に構成されており、
前記複数の摺接突部は、前記直線を基準とする対称位置に形成されていることを特徴とする請求項1のシフトフォーク。
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