JP2009281438A - 手動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】後進段への変速動作時にギヤ鳴りの防止を確実に行なう手動変速機を提供する。
【解決手段】選択摺動式の後進段への変速動作時におけるシフトセレクトシャフト20のセレクト動作中に、シフトセレクトシャフト20は軸線周りに回転する。この回転力を受けて、シフトセレクトシャフト20の突起部63が回転レバー81の第二腕部84を押圧される。この押圧力により、第二腕部84が支軸73回りに回転し、第一腕部83が第二腕部84の回転運動に従動して支軸73回りに回転する。この第一腕部83の回転により、回転レバー81はフォークシャフト53に軸線方向の力を加える。フォークシャフト53を軸線方向に移動させることにより、シフトセレクトシャフト20のセレクト動作中にシンクロメッシュ機構を作動させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、手動変速機に関し、特に、車両に搭載される手動変速機に関する。
車両用の手動変速機において、通常、前進段から後進段へシフトチェンジするリバースシフト操作は、クラッチが解放され、かつ車両が停車した状態で行なわれる。このとき、変速機構のインプットシャフトに設けられているリバースドライブギヤ、および、カウンタシャフト(アウトプットシャフトとも呼ばれる)に設けられているリバースドリブンギヤが、ともに停止状態となり、これら停止状態のギヤに対して停止状態のリバースアイドラギヤの噛合動作が行なわれると想定される。そのため、前進段には同期装置が設けられているものの、後進段には同期装置が設けられていない手動変速機が多い。
しかしながら、実際には、クラッチが解放されていても、インプットシャフトはその惰性によって惰性回転している場合がある。特に、車両の前進走行状態から停車した直後にリバースシフト操作を行なう場合には、インプットシャフトが惰性回転している可能性が高い。このような状況で、リバースアイドラギヤをその軸方向に移動させてリバースドライブギヤに噛合させようとすると、インプットシャフトとともに回転しているリバースドライブギヤに対して、停止しているリバースアイドラギヤを噛合させることになる。その結果、円滑な噛合動作が行なわれず、いわゆる「リバースシフトギヤ鳴り」と呼ばれる異音が発生する場合があり、ドライバーに違和感を与えてしまう。
このリバースシフトギヤ鳴りの発生防止を目的として、従来、種々のギヤ鳴り防止装置が提案されている(たとえば、特許文献1〜3参照)。特許文献1では、セレクト操作で回転しシフト操作で軸方向に移動可能に設けられたシフトセレクト軸を備え、変速操作部材がニュートラルから後進位置にシフトされるときにはシフトフォークを移動させてシンクロ機構を作動させることによりメインシャフトまたはカウンタシャフトの回転を停止させる構成が提案されている。
特許文献2では、シフトアンドセレクト軸に挿通したピンを中心として回転のみ可能に軸着されるとともにカム頂部が前進段シフトヨークに係合離脱するカムを設け、このカムをインタロックプレート側に押圧付勢するスプリングを設けた構成が提案されている。特許文献3では、リバースシフト時にインタロックプレートの動作によって前進段同期機構を作動させる構成が提案されている。
特開2005−155800号公報 特開平7−103332号公報 特開平6−341548号公報
特許文献1〜3に記載の装置では、シフトレバーのセレクト操作の後に行なわれるシフト操作時に、ギヤ鳴り防止機能が発揮される。このような構造では、ギヤ鳴り防止機能が発揮された直後にギヤの噛み合い動作が開始されることになる。そのため、ギヤ鳴り防止機能が発揮される期間が極端に短くなり、インプットシャフトの回転数を十分低減できないままシフト操作が完了して、ギヤ鳴り防止のための性能が十分に得られないという問題があった。ギヤ鳴り防止機能の作動時間を十分に確保するためには、シフトレバーのセレクト操作時に、惰性回転しているインプットシャフトの回転を低下させインプットシャフトを停止させるプレボーク機能を発生させることが考えられる。
しかし、フォークシャフトを軸線方向に必要量スライド移動させシンクロナイザリングを働かせてプレボーク機能を発生させたとき、フォークシャフトからシフトセレクトシャフトに対し軸線方向の反力が作用する。シフトセレクトシャフトがセレクト時に回転しシフト時に軸線方向にスライドする構造の場合、セレクト操作時にプレボーク機能を発生させたとき、シフトセレクトシャフトに対し軸線方向の反力が加えられると、軸線方向に移動可能に設けられているシフトセレクトシャフトがセレクト操作中に軸線方向にスライド移動してしまうという問題がある。シフトセレクトシャフトがフォークシャフトからの反力を十分に受けることができなければ、プレボーク機能発生のために必要とされるフォークシャフトのスライド量を確保することができない。それゆえに、セレクト操作時にプレボーク機能を発生させることは困難であった。
また、リバースシフト操作時にプレボーク機能を発生させた後に、プレボーク機能を適切に解除する機構がなければ、シンクロナイザリングを働かせた後にフォークシャフトのスライド移動を元に戻すことができない。その結果、シフトロックと呼ばれる、リバースアイドラギヤとリバースドライブギヤとを噛み合わせる際に互いのギヤの歯面が接触して動けなくなりロックする現象が発生するという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、リバースシフト操作におけるセレクト動作時に、前進段用の同期装置を作動させるのに十分な作動時間を確保して、ギヤ鳴りの防止を確実に行なうことを可能とする、手動変速機を提供することである。
本発明に係る手動変速機は、第一回転シャフトと、第二回転シャフトと、同期装置と、シフトセレクトシャフトと、フォークシャフトと、中間部材とを備える。第一回転シャフトには、第一歯車が固定されている。第二回転シャフトは、第一回転シャフトと平行に配置されている。第二回転シャフトには、第一歯車と噛み合う第二歯車が空転可能に組み付けられている。同期装置は、変速動作時に第二歯車を第二回転シャフトに一体回転するように連結させて、第一歯車および第二歯車を介在させて第一回転シャフトと第二回転シャフトとの間での動力伝達を可能とする。シフトセレクトシャフトは、変速動作時に軸線回りに回動するセレクト動作と軸線方向に往復動するシフト動作とを行なう。フォークシャフトは、シフトセレクトシャフトと平行に配置されている。中間部材は、一方の端部である一端と、一端と反対側の端部である他端とを有している。中間部材は、シフトセレクトシャフトとフォークシャフトとの中間に配置されている。中間部材は、一端がフォークシャフトに係合され、他端がシフトセレクトシャフトと接触可能であるように設けられている。前進段への変速動作時に、シフトセレクトシャフトのセレクト動作によってシフトセレクトシャフトがフォークシャフトに係合され、シフトセレクトシャフトのシフト動作に伴ってフォークシャフトが軸線方向へ移動して同期装置を作動させる。選択摺動式の後進段への変速動作時に、中間部材の他端がシフトセレクトシャフトと接触して、中間部材がシフトセレクトシャフトの軸線周りの回転力を受けてフォークシャフトに軸線方向の力を加えてフォークシャフトを軸線方向に移動させることにより、シフトセレクトシャフトのセレクト動作中に同期装置を作動させる。
上記手動変速機において好ましくは、中間部材は、一端を有する第一腕部と、他端を有する第二腕部とを含む。中間部材は、第一腕部と第二腕部とが一体に組み合わされたL字形状に形成されている。手動変速機は、第一腕部と第二腕部との結合部を中心として中間部材を回動可能に支持する支軸と、支軸が固定されている支持部とをさらに備える。シフトセレクトシャフトは、シフトセレクトシャフトの径方向外側に突起するように形成された突起部を有する。後進段への変速動作時におけるシフトセレクトシャフトのセレクト動作中に、突起部が中間部材の他端を押圧して、他端がフォークシャフトに接近するように第二腕部を支軸回りに回転させ、一端が軸線方向へ沿って移動するように第一腕部を第二腕部の回転運動に従動させて支軸回りに回転させることにより、フォークシャフトに軸線方向の力を加える。
また好ましくは、手動変速機は、突起部が他端を押圧するときの中間部材の回転方向と逆方向に中間部材を付勢する、弾性体をさらに備える。
また好ましくは、第二腕部の延在方向の長さは、第一腕部の延在方向の長さよりも大きい。
また好ましくは、後進段への変速動作時に、フォークシャフトを軸線方向に移動させるとき中間部材がフォークシャフトに加える軸線方向の力の反力は、シフトセレクトシャフトに対してシフトセレクトシャフトの径方向に作用する。
この手動変速機によると、後進段への変速動作時におけるセレクト動作中に同期装置を作動させることにより、第一回転シャフトおよび第二回転シャフトを強制的に停止または減速するプレボーク機能が、セレクト動作中に発生する。そのため、十分なプレボーク時間を確保することができるので、第一回転シャフトおよび第二回転シャフトに設けられているギヤを停止状態にすることができる。したがって、これら停止状態のギヤに対して選択摺動式に停止状態のギヤの噛合動作が行なわれることにより、円滑な噛み合い動作が行なわれてギヤ鳴りの発生を抑制できる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。本実施形態は、FF(Front engine Front drive)車両に搭載された、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機(マニュアルトランスミッション)に本発明を適用した場合について説明する。
なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
図1は、本実施の形態の手動変速機のギヤトレーンの一例を示すスケルトン図である。この図1に示すギヤトレーンは、図示しないトランスミッションケース内に収容されている。互いに平行に配置されたインプットシャフト1、アウトプットシャフト2、およびリバースアイドラギヤ10cが組み付けられた図示しないアイドラギヤシャフトは、互いに平行に配置されており、トランスミッションケースによって回転自在に支持されている。
インプットシャフト1は、図示しないエンジンのクランクシャフトにクラッチ機構を介在させて連結されている。このクラッチ機構の係合動作により、駆動力源としてのエンジンの回転駆動力がインプットシャフト1に入力されるようになっている。
インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間には、前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるための複数の変速ギヤ列4〜10が設けられている。具体的には、前進段用のギヤ列として、図1において右側からシャフト1,2の軸線方向左側に向かって、1速ギヤ列4、2速ギヤ列5、3速ギヤ列6、4速ギヤ列7、5速ギヤ列8および6速ギヤ列9が順に配設されている。また、後進段用のギヤ列として、リバースギヤ列10が配設されている。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを備えている。1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。1速ドライブギヤ4aは、インプットシャフト1と一体として回転可能であるように、インプットシャフト1に固定されている。1速ドリブンギヤ4bは、アウトプットシャフト2に空転可能に組み付けられている。
2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを備えている。2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。2速ドライブギヤ5aは、インプットシャフト1と一体として回転可能であるように、インプットシャフト1に固定されている。2速ドリブンギヤ5bは、アウトプットシャフト2に空転可能に組み付けられている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に対して相対回転自在に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを備えている。3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。3速ドライブギヤ6aは、インプットシャフト1に空転可能に組み付けられている。3速ドリブンギヤ6bは、アウトプットシャフト2と一体として回転可能であるように、アウトプットシャフト2に固定されている。
4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に対して相対回転自在に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを備えている。4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。4速ドライブギヤ7aは、インプットシャフト1に空転可能に組み付けられている。4速ドリブンギヤ7bは、アウトプットシャフト2と一体として回転可能であるように、アウトプットシャフト2に固定されている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に対して相対回転自在に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを備えている。5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。5速ドライブギヤ8aは、インプットシャフト1に空転可能に組み付けられている。5速ドリブンギヤ8bは、アウトプットシャフト2と一体として回転可能であるように、アウトプットシャフト2に固定されている。
6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に対して相対回転自在に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを備えている。6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。6速ドライブギヤ9aは、インプットシャフト1に空転可能に組み付けられている。6速ドリブンギヤ9bは、アウトプットシャフト2と一体として回転可能であるように、アウトプットシャフト2に固定されている。
上記各変速ギヤ列の切り替え動作(変速動作)は、3つのシンクロメッシュ機構11,12,13によって行なわれる。本実施の形態の手動変速機は、前進段用の同期装置としてのシンクロメッシュ機構11,12,13を用いた、同期噛み合い式の手動変速機である。なお、シンクロメッシュ機構11,12,13としては、キータイプ、サーボタイプ(ポルシェタイプ)、ピンタイプ、コンスタントロード型などのさまざまな機構を採用することが可能である。
第1のシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。1速−2速用同期装置としての第1のシンクロメッシュ機構11は、アウトプットシャフト2と一体化させたハブ11aと、このハブ11aの外周側をアウトプットシャフト2の軸線方向に移動するスリーブ11bとを備えている。このスリーブ11bを1速−2速用シフトフォークによって移動させることにより、同期機能と共に、ハブ11aといずれかのドリブンギヤ4b,5bとを連結する機能を果たしている。
つまり、第1のシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側に作動すると、1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に一体回転するように連結される。これにより、1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとを介在させて、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行なわれることになる(第1変速段の成立)。一方、第1のシンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側に作動すると、2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に一体回転するように連結される。これにより、2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとを介在させて、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行なわれることになる(第2変速段の成立)。
第2のシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。3速−4速用同期装置としての第2のシンクロメッシュ機構12は、インプットシャフト1と一体化させたハブ12aと、このハブ12aの外周側にインプットシャフト1の軸線方向に移動可能なスリーブ12bとを備えている。このスリーブ12bを3速−4速用シフトフォークによって移動させることにより、同期機能と共に、ハブ12aといずれかのドライブギヤ6a,7aとを連結する機能を果たしている。
つまり、第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動すると、3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に一体回転するように連結される。これにより、3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとを介在させて、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行なわれることになる(第3変速段の成立)。一方、第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動すると、4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に一体回転するように連結される。これにより、4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとを介在させて、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行なわれることになる(第4変速段の成立)。
第3のシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。5速−6速用同期装置としての第3のシンクロメッシュ機構13は、インプットシャフト1と一体化させたハブ13aと、このハブ13aの外周側にインプットシャフト1の軸線方向に移動可能なスリーブ13bとを備えている。このスリーブ13bを5速−6速用シフトフォークによって移動させることにより、同期機能と共に、ハブ13aといずれかのドライブギヤ8a,9aとを連結する機能を果たしている。
つまり、第3のシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側に作動すると、5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に一体回転するように連結される。これにより、5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとを介在させて、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行なわれることになる(第5変速段の成立)。一方、第3のシンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側に作動すると、6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に一体回転するように連結される。これにより、6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとを介在させて、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行なわれることになる(第6変速段の成立)。
このようにして、前進時には、シフトチェンジ動作時を除いて、シンクロメッシュ機構11,12,13のいずれか一つの作動によって、変速ギヤ列4〜9のいずれか一つが選択される。選択された一つの変速ギヤ列4〜9を介在させて、インプットシャフト1の回転駆動力がアウトプットシャフト2へ伝達される。
一方、リバースギヤ列10は、インプットシャフト1に一体的に固定されたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に一体的に固定されたリバースドリブンギヤ10bと、図示しないアイドラギヤシャフトの軸線方向にスライド移動自在に組み付けられたリバースアイドラギヤ10cとを備えている。リバースドリブンギヤ10bは、第1のシンクロメッシュ機構11の外周側に回転一体に配設されている。リバースドリブンギヤ10bおよびリバースドライブギヤ10aに選択的に噛合するリバースアイドラギヤ10cは、これらのギヤ10a,10bの外周側を、アイドラギヤシャフトの軸線方向に移動するように配置されている。リバースドライブギヤ10a、リバースドリブンギヤ10bおよびリバースアイドラギヤ10cは、前進時には動力伝達を行なっていない。
一方後進時においては、すべてのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態に設定される。リバースアイドラギヤ10cは、上記アイドラギヤシャフトの軸線方向に沿って移動して、リバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合う。これにより、リバースドライブギヤ10aの回転方向を逆転させてリバースドリブンギヤ10bに伝達することになる。つまり、アウトプットシャフト2が前進段の場合とは逆方向に回転して、駆動輪は後退方向に回転する。
このようにして、所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達された回転駆動力は、出力ギヤ15と、出力ギヤ15と噛合する図示しないリングギヤとの終減速比によって減速された後、図示しないディファレンシャル装置に伝達される。これにより、上記ディファレンシャル装置にドライブシャフトを介在させて取り付けられた左右の駆動輪が、前進方向または後進方向に回転駆動する。
図2は、本実施の形態における6速マニュアルトランスミッションのシフトパターン(シフトゲート形状)の概略を示す模式図である。図2中に2点鎖線で示すシフトレバーLは、図2に両矢印Xで示す方向のセレクト操作と、両矢印Yで示すセレクト操作方向に直交する方向のシフト操作とを行い得る形状に構成されている。セレクト操作方向には、1速−2速セレクト位置P1、3速−4速セレクト位置P2、5速−6速セレクト位置P3およびリバースセレクト位置P4が一列に並んでいる。
1速−2速セレクト位置P1でのシフト操作(両矢印Y方向の操作)により、シフトレバーLを1速位置1stまたは2速位置2ndに動かすことができる。1速位置1stに操作された場合、図1に示す第1のシンクロメッシュ機構11は1速ドリブンギヤ4b側に作動し、1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。また、2速位置2ndに操作された場合、第1のシンクロメッシュ機構11は2速ドリブンギヤ5b側に作動し、2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。
同様に、3速−4速セレクト位置P2でのシフト操作により、シフトレバーLを3速位置3rdまたは4速位置4thに動かすことができる。3速位置3rdに操作された場合、図1に示す第2のシンクロメッシュ機構12は3速ドライブギヤ6a側に作動し、3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。また、4速位置4thに操作された場合、第2のシンクロメッシュ機構12は4速ドライブギヤ7a側に作動し、4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。
また、5速−6速セレクト位置P3でのシフト操作により、シフトレバーLを5速位置5thまたは6速位置6thに動かすことができる。5速位置5thに操作された場合、図1に示す第3のシンクロメッシュ機構13は5速ドライブギヤ8a側に作動し、5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。また、6速位置6thに操作された場合、第3のシンクロメッシュ機構13は6速ドライブギヤ9a側に作動し、6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。
さらに、リバースセレクト位置P4でのシフト操作により、シフトレバーLをリバース位置REVに動かすことができる。リバース位置REVに操作された場合、すべてのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態となるとともに、リバースアイドラギヤ10cがアイドラギヤシャフトの軸線方向に沿って移動して、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛み合うことになる。
次に、図2に示すシフトレバーLを操作したときのシフトレバーLの操作力を各シンクロメッシュ機構11,12,13やリバースアイドラギヤ10cに選択式に伝達して、ギヤトレーンに含まれる複数のギヤの噛合状態を切り替えて前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるための、セレクト・シフト機構について説明する。
図3は、このセレクト・シフト機構における各前進段用係合部およびその周辺部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から見た断面図である。図3に示すように、シフトレバーLの操作力が伝達されて軸線方向に摺動するとともに軸線回り方向に回動するシフトセレクトシャフト20は、トランスミッションケースC内に収容されている。シフトセレクトシャフト20は、回動可能かつ軸線方向に往復動可能に、トランスミッションケースCに支持されている。
シフトセレクトシャフト20には、後述するフォークシャフト51,52,53の内の1本を選択するための、シフトインナレバー21が固定されている。シフトインナレバー21は、シフトセレクトシャフト20の外周に外嵌固定された筒部(基部)21aと、筒部21aに連設されたアーム部21bとを有する。筒部21aには、シフトセレクトシャフト20を受け入れ可能な穴部が形成されている。アーム部21bは、シフトセレクトシャフト20の径方向に沿って延在しており、筒部21aを介在させてシフトセレクトシャフト20に固定されている。
シフトインナレバー21の筒部21aには、シフトインナレバー21に対し軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能に設けられた、インターロックプレート26が外嵌されている。インターロックプレート26は、シフトセレクトシャフト20に対して、シフトセレクトシャフト20の軸線回りに回動可能に設けられている。インターロックプレート26は、シフトインナレバー21の筒部21aを受け入れる貫通孔26aが形成された筒部26bと、シフトセレクトシャフト20の軸線回りのシフトインナレバー21の移動方向を規定する案内部26d,26eとを備える。案内部26d,26eは、アーム部21bの両側に位置している。
インターロックプレート26には、シフトセレクトシャフト20の軸線回りのアーム部21bの両側に摺接する、相対向する一対の案内面からなる係合片通路26cが、シフトセレクトシャフト20の径方向に延在して形成されている。アーム部21bは、案内部26d,26eによって規定される隙間である係合片通路26cを、シフトセレクトシャフト20の軸線方向に摺動可能とされている。
アーム部21bは、ヘッド22a,23a,24aに係合可能とされている。各一対のヘッド(前進段用係合片)22a,23a,24aは、シフトインナレバー21のアーム部21bの回動経路を挟んで、シフトセレクトシャフト20の軸線方向の両側に配設されている。各ヘッド22a,23a,24aは、インターロックプレート26の軸線回りの回動に応じて、アーム部21bが選択的に係合可能な位置に配置される。選択されたヘッド22a,23a,24aは、アーム部21bに係合されて、シフトセレクトシャフト20の軸線方向に移動する。
係合片通路26cの案内面間の間隔は、ヘッド22a,23a,24aが同時に複数個通過することを規制する、すなわち一つのヘッド22a(23a,24a)の通過のみを許容するものとなっている。
なお、インターロックプレート26は、シフトインナレバー21の筒部21aに対しては軸線方向に相対移動可能であるが、トランスミッションケースCに対しては軸線方向に移動不能に設けられている。シフトインナレバー21は、シフトセレクトシャフト20から筒部21aに亘って挿通された係合ピンPによって、シフトセレクトシャフト20に対して回転一体且つスライド移動一体に固定されている。シフトインナレバー21は、シフトセレクトシャフト20とともに、シフトセレクトシャフト20の軸線方向および軸線回りに変位する。
インターロックプレート26は、セレクトインナレバー27の先端部を受け入れ可能な係合孔28が形成されている、係合部29を備える。セレクトインナレバー27は、図2に示すシフトレバーLからセレクト方向の操作力を受けることによって、回転可能に設けられている。図3における紙面垂直方向に延在するセレクトインナレバー27の先端部は、インターロックプレート26と係合する。
各シンクロメッシュ機構11,12,13に対応して配設されたフォークシャフト51,52,53は、シフトセレクトシャフト20から離れて、シフトセレクトシャフト20と平行に配置されている。フォークシャフト51,52,53は、軸線方向に変位可能に、トランスミッションケースCに支持されている。各フォークシャフト51,52,53には、ヘッド22a,23a,24aを有する前進段用係合部22,23,24がそれぞれ配置されている。
つまり、1速−2速用のフォークシャフト51には、1速−2速用の前進段用係合部22が設けられている。3速−4速用のフォークシャフト52には、3速−4速用の前進段用係合部23が設けられている。5速−6速用のフォークシャフト53には、5速−6速用の前進段用係合部24が設けられている。また、各フォークシャフト51,52,53から各前進段用係合部22,23,24に亘ってそれぞれ係合ピンPが挿通されている。各前進段用係合部22,23,24は、各フォークシャフト51,52,53の軸線方向にスライド移動可能に、各フォークシャフト51,52,53に一体に連結されている。
このセレクト・シフト機構では、図2に示すシフトレバーLは、図示しないセレクトケーブルおよびシフトケーブルによりシフトレバーLに加えられた操作力を伝達可能に、シフトセレクトシャフト20に連結されている。上記セレクトケーブルは、セレクトインナレバー27に連結されている。シフトレバーLのセレクト操作力は、セレクトケーブルを経由してセレクトインナレバー27によって受けられて、シフトセレクトシャフト20に対して軸線回りの回動力を与える。
前進段への変速動作時に、シフトレバーLから操作力を伝達されたシフトセレクトシャフト20は、シフトレバーLのセレクト操作に応じて、軸線回り(図3に示す両矢印M1〜M2方向)に回動するセレクト動作を行ない、そのシフトレバーLの操作位置に応じた回動位置に置かれる。またシフトセレクトシャフト20は、シフトレバーLのシフト操作に応じて、軸線方向(図3における紙面垂直方向)にスライド移動して往復動するシフト動作を行ない、そのシフトレバーLの操作位置に応じたスライド位置に置かれる。
すなわち、シフトレバーLに対するセレクト操作力(図2に矢印Xで示す方向の操作力)は、セレクトケーブルを経て、軸線回りの回動力としてセレクトインナレバー27に伝達される。セレクトインナレバー27の回動に伴い、インターロックプレート26がシフトセレクトシャフト20の軸線回りに回動する。インターロックプレート26の回動により、シフトインナレバー21は、インターロックプレート26の案内部26d,26eによって押圧され、シフトセレクトシャフト20の軸線回りに回動する。シフトインナレバー21が回動することで、アーム部21bは、アーム部21bの回動経路の両側に沿って隣接配置されたヘッド22a,23a,24aのいずれかと選択的に係合可能なように位置決めされる。このようにしてセレクト操作が行なわれる。
シフトレバーLに対するシフト操作力(図2に矢印Yで示す方向の操作力)は、シフトケーブルを経て、軸線方向のスライド移動力としてシフトセレクトシャフト20に伝達される。シフトセレクトシャフト20の軸線方向の変位に伴って、ヘッド22a,23a,24aのいずれかとアーム部21bとが選択的に係合した状態で、選択された前進段用係合部22,23,24およびフォークシャフト51,52,53のいずれかが、軸線方向に変位する。このようにしてシフト操作が行なわれる。
なお、図3では、シフトレバーLが3速−4速セレクト位置P2に操作され、アーム部21bがヘッド23aと係合したときの、シフトセレクトシャフト20およびシフトインナレバー21の回動位置を図示している。
図4は、5速−6速用フォークシャフトと第3のシンクロメッシュ機構との係合部分を示す断面図である。図5は、各フォークシャフトに設けられたシフトフォークおよびその周辺部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から見た断面図である。なお図4では、3本のシフトフォーク31,32,33および3本のフォークシャフト51,52,53のうち、5速−6速用のシフトフォーク33および5速−6速用のフォークシャフト53のみが図示されている。
図1に示す各シンクロメッシュ機構11,12,13に備えられているスリーブ11b,12b,13bには、それぞれに対応して配設されたシフトフォーク31,32,33が係合されている。シフトフォーク31,32,33の基端部分は、それぞれに対応して設けられた前進段用のフォークシャフト51,52,53によって、それぞれ支持されている。
シフトレバーLが1速−2速セレクト位置P1に操作された場合には、シフトインナレバー21のアーム部21bは、1速−2速用のフォークシャフト51に設けられた前進段用係合部22のヘッド22aと係合可能に配置される。シフトレバーLが3速−4速セレクト位置P2に操作された場合には、アーム部21bは、3速−4速用のフォークシャフト52に設けられた前進段用係合部23のヘッド23aと係合可能に配置される。シフトレバーLが5速−6速セレクト位置P3に操作された場合には、アーム部21bは、5速−6速用のフォークシャフト53に設けられた前進段用係合部24のヘッド24aと係合可能に配置される。
このように、シフトレバーLのセレクト操作に応じたシフトセレクトシャフト20の軸線回りの回動によって、いずれかのヘッド22a,23a,24aにアーム部21bが係合可能に配置されることで、いずれか1本のフォークシャフト51,52,53が、シフトレバーLのシフト操作力の伝達が可能となるように選択される。シフトセレクトシャフト20は、アーム部21bおよびヘッド22a,23a,24aを介在させて、いずれか1本のフォークシャフト51,52,53に係合される。
この状態から、シフトレバーLがシフト方向に操作されると、そのシフト操作力がシフトセレクトシャフト20に伝達され、シフトセレクトシャフト20は軸線方向にスライド移動する。シフトインナレバー21のアーム部21bがいずれかのヘッド22a,23a,24aに係合している場合には、その係合しているヘッド22a,23a,24aとともに、前進段用係合部22,23,24およびこれに連動するフォークシャフト51,52,53も、軸線方向にスライド移動する。
つまり、シフトレバーLのシフト操作に応じたシフトセレクトシャフト20の軸線方向のスライド移動によって、選択された1本のフォークシャフト51,52,53も軸線方向にスライド移動する。このフォークシャフト51,52,53に固定された1本のシフトフォーク31,32,33がシフトセレクトシャフト20の軸線方向に移動することにより、所定の一つのシンクロメッシュ機構11,12,13を作動させる、同期動作が行なわれるようになっている。
たとえば図4および図5に示すように、5速−6速用のフォークシャフト53には、連結部30aを介在させてシフトフォーク33が設けられている。アーム部21bがヘッド24aに係合可能に配置されている状態からシフトレバーLがシフト操作されることにより、シフトフォーク33は、図1に示すギヤトレーンに設けられた第3のシンクロメッシュ機構13のスリーブ13bを、インプットシャフト1の軸線方向に変位させる。シフトフォーク33がスリーブ13bを動かすことで、ハブ13aとドライブギヤ8a,9aのいずれか一方とを連結して、第5変速段または第6変速段へのシフトを行なうことができる。
3速−4速用のフォークシャフト52には、シフトフォーク32が設けられている。アーム部21bがヘッド23aに係合可能に配置されている状態からシフトレバーLがシフト操作されることにより、シフトフォーク32は、第2のシンクロメッシュ機構12のスリーブ12bを、インプットシャフト1の軸線方向に変位させる。シフトフォーク32がスリーブ12bを動かすことで、ハブ12aとドライブギヤ6a,7aのいずれか一方とを連結して、第3変速段または第4変速段へのシフトを行なうことができる。
1速−2速用のフォークシャフト51には、シフトフォーク31が設けられている。アーム部21bがヘッド22aに係合可能に配置されている状態からシフトレバーLがシフト操作されることにより、シフトフォーク31は、第1のシンクロメッシュ機構11のスリーブ11bを、アウトプットシャフト2の軸線方向に変位させる。シフトフォーク31がスリーブ11bを動かすことで、ハブ11aとドリブンギヤ4b,5bのいずれか一方とを連結して、第1変速段または第2変速段へのシフトを行なうことができる。
図4を参照して、フォークシャフト53とシンクロメッシュ機構13との係合部分について説明する。図4に示すように、フォークシャフト53には二点鎖線で示す連結部30aを介在させてシフトフォーク33が取り付けられている。シフトフォーク33の先端部が、第3のシンクロメッシュ機構13のスリーブ13bに係合されている。
シンクロメッシュ機構13においては、ハブ13aの外径側に、周方向に等間隔をおいて複数のシンクロナイザキー18が配設されている。各シンクロナイザキー18の中央部において外周側に突出して形成された突起18aが、スリーブ13bの内周面に形成された周方向の溝17に係合されている。シンクロナイザキー18は、ハブ13aの内部に配設されたキースプリング19によってスリーブ13bの内周面に押し付けられている。
上記のキースプリング19などからなる構成により、シフトレバーLが5速−6速セレクト位置P3に操作された状態でフォークシャフト53が軸線方向へ僅かに移動すると、突起18aが溝17から完全に離脱しない限り、スリーブ13bに対し5速−6速セレクト位置P3に復帰させようとする復帰力が作用する。
また、フォークシャフト53には、5速位置5th、5速−6速セレクト位置P3、6速位置6th(図2参照)にそれぞれ対応する、3個のロックボール溝41,42,43が形成されている。ロックボール溝41,42,43のいずれかに、1個のロックボール44が選択的に嵌入され得るようになっている。ロックボール44は、トランスミッションケースCに形成された孔C1の内部に収容されており、同じく孔C1に収容されたプラグ45によって係止された圧縮状態のコイルスプリング46によりフォークシャフト53側に押圧されている。
上記のロックボール44などからなる構成によっても、シフトレバーLが5速−6速セレクト位置P3に操作された状態でフォークシャフト53が軸線方向へ僅かに移動すると、ロックボール44がロックボール溝42から完全に離脱しない限り、5速−6速セレクト位置P3に復帰させようとする復帰力が作用する。また、ロックボール44などからなる構成によって、ギヤ抜けが防止され、節度感が得られるようになっている。なお節度感とは、ドライバーがシフトレバーを操作した時、シフトレバーを次レンジまで操作したときに次レンジ付近でレバーが引き込まれシフトやセレクト操作が行われたことをドライバーに感じさせる感覚である。
1速−2速用フォークシャフト51と第1のシンクロメッシュ機構11との係合部分、および、3速−4速用フォークシャフト52と第二のシンクロメッシュ機構12との係合部分も、上述したフォークシャフト53とシンクロメッシュ機構13との係合部分と同様の構成となっている。
図6は、リバースシフト機構における各ギヤおよび各シャフトとシフトアームとの配置関係を示す模式図である。図6に示すように、リバースドライブギヤ10aはインプットシャフト1上に一体的に形成され、リバースドリブンギヤ10bはアウトプットシャフト2上に一体回転可能に組み付けられている。またリバースアイドラギヤ10cは、アイドラギヤシャフト3上に、軸線方向に摺動可能に組み付けられている。各シャフト1,2,3は、トランスミッションケースに互いに並列的に軸支されている。
リバースフォークシャフト90は、アイドラギヤシャフト3と平行に設けられており、トランスミッションケースに支持されている。リバースシフトアーム94は、リバースフォークシャフト90の軸線方向へ揺動可能に、リバースフォークシャフト90に組み付けられている。リバースシフトアーム94は、先端部がフォーク状に形成されており、アイドラギヤシャフト3を挟む2点の荷重点において、リバースシフト操作時にリバースアイドラギヤ10cに対してアイドラギヤシャフト3の軸線方向の力を作用する構成とされている。
リバースシフトアーム94の先端は二股に分かれており、リバースアイドラギヤ10cの側面両側からリバースアイドラギヤ10cに荷重を加えることができる。つまり、図6に示すように、リバースアイドラギヤ10cの紙面手前側の側面にリバースシフトアーム94の二股の一方が配置され、かつ、図示されていないリバースアイドラギヤ10cの紙面奥側の側面にはリバースシフトアーム94の二股の他方が配置されている。
リバースシフトフォーク92は、リバースシフトアーム94と係合して、リバースフォークシャフト90の軸線方向の荷重をリバースシフトアーム94に加える。リバースシフトフォーク92の一方の端部がリバースシフトアーム94と係合しており、他方の端部にはリバース用レバー91と接触可能なリバースヘッド92aが設けられている。リバースシフトフォーク92では、リバースヘッド92aが形成されている側とは反対側の先端部分が、リバースシフトアーム94に係合している。リバースシフトフォーク92は、後述する軸部98によって、軸部98回りに回動可能に、トランスミッションケース内に支持されている。
シフトセレクトシャフト20には、シフトインナレバー21が設置されている断面と異なる軸線方向の断面において、リバース用フランジ部96が設置されている。リバース用フランジ部96の一部がシフトセレクトシャフト20の径方向外側へ向かって突起して、リバース用レバー91を形成している。リバース用フランジ部96は、シフトセレクトシャフト20とともに軸線方向に往復運動し、かつ軸線回りに回動するように、シフトセレクトシャフト20に対し一体として組み付けられている。リバース用フランジ部96は、シフトセレクトシャフト20に回転一体且つスライド移動一体に設けられている。後進段用シフト部材としてのリバースシフトフォーク92は、シフトセレクトシャフト20が回動する際のリバース用レバー91の回動軌跡上にリバースヘッド92aが位置するように、配設されている。
図7は、リバースセレクト位置に向けてのセレクト操作が行なわれた状態における、リバースシフト機構の模式図である。セレクト操作が行なわれるとき、シフトセレクトシャフト20は軸線回りに回動する。図7に示すリバースセレクト位置P4に向けてのセレクト操作が行なわれた状態(すなわち、シフトレバーLがリバースセレクト位置P4にある状態)においては、シフトセレクトシャフト20とともにリバース用フランジ部96がM2方向へ回転し、リバース用レバー91はリバースヘッド92aに対向する位置まで回転され、リバース用レバー91がリバースヘッド92aと係合する。シフトレバーLがリバースセレクト位置P4に操作された場合には、シフトセレクトシャフト20が図6および図7に示すM2方向に回転することで、リバース用レバー91がリバースシフトフォーク92のリバースヘッド92aに係合可能に配置される。
図8は、リバース位置へのシフト操作前のリバースシフトフォークの配置を示す模式図である。図9は、リバース位置へのシフト操作後のリバースシフトフォークの配置を示す模式図である。図8および図9に示すように、トランスミッションケースCに取り付けられた一対のブラケット97に軸部98が設置されている。リバースシフトフォーク92は、軸部98回りを回動可能に軸支されている。リバースシフトフォーク92の先端には、リバース用レバー91を挟んでリバース用レバー91と係合するように、リバースヘッド92aが形成されている。
シフトレバーLをリバースセレクト位置P4からリバース位置REVへ移動させるシフト操作が行なわれると、シフトセレクトシャフト20は軸線方向に移動する。これによりシフトセレクトシャフト20に固定されたリバース用フランジ部96も軸線方向に移動し、リバース用レバー91は図8に示すように、トランスミッションケースCに接近する方向に移動する。リバース用レバー91と当接しているリバースヘッド92aも、トランスミッションケースCに接近するように移動する。
このとき、リバースシフトフォーク92は、軸部98回りの回転運動を行なう。図9に示す配置では、リバースシフトフォーク92は、図中の矢印に示すように、軸部98回りを反時計回り方向に回転する。このリバースシフトフォーク92の移動によって、リバースシフトアーム94は、リバースフォークシャフト90の軸線に沿う方向に摺動する。図6および図7に示す配置では、リバースシフトアーム94は紙面と垂直方向手前側に向かって移動し、リバースアイドラギヤ10cをアイドラギヤシャフト3の軸線方向に沿って、紙面と垂直方向手前側へ移動させる。
このように、リバース用レバー91がリバースシフトフォーク92の先端部分のリバースヘッド92aに係合している場合、リバースシフトフォーク92の移動とともにリバースシフトアーム94を軸線方向にスライド移動させることができる。これにより、リバースシフトアーム94がリバースアイドラギヤ10cをアイドラギヤシャフト3の軸線方向に移動させる。そして、リバースアイドラギヤ10cを、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bと順に噛合させて、リバースドライブギヤ10aの回転方向を逆転させてリバースドリブンギヤ10bに伝達することができる。つまり、リバースアイドラギヤ10cを介在させてインプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達を行なうことにより、アウトプットシャフト2を前進段の場合と逆方向に回転させ、駆動輪を後退方向に回転させることが可能となる。
次に、本実施の形態に係る手動変速機のギヤ鳴り防止装置の特徴部分の構成について説明する。このギヤ鳴り防止装置は、選択摺動式の後進変速機構を備える手動変速機において、後進段への変速動作(リバースシフト操作)時にリバースシフトギヤ鳴りの発生を抑制するためのものである。リバースシフト操作に際して、3つのシンクロメッシュ機構11,12,13のいずれかを作動させてインプットシャフト1の回転を十分に低下または停止させる、プレボーク機能を発生させた上で、インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との連繋を行なうことにより、円滑な噛合動作が可能となる。
本実施の形態では、第3のシンクロメッシュ機構13を6速変速段成立側へ作動させることによりプレボーク機能を発生させてギヤ鳴りを抑制する、ギヤ鳴り防止装置について説明する。なお、作動するシンクロメッシュ機構は、第3のシンクロメッシュ機構13に限られるものではなく、第1または第2のシンクロメッシュ機構11,12を作動させてもよい。また、複数のシンクロメッシュ機構を作動させても構わない。
図10は、図5に示すX方向から見た、ギヤ鳴り防止装置の構成を示す模式図である。なお図5は、図10に示すV−V線に沿う断面図を示している。ただし図10には、3本のフォークシャフト51,52,53のうち、シンクロメッシュ機構13の作動に用いられる5速−6速用のフォークシャフト53のみが図示されている。また図10には、シフトフォーク31,32,33は図示されていない。図11は、回転レバーの構成を拡大して示す模式図である。
図5、図10および図11に示すように、ギヤ鳴り防止装置は、シフトセレクトシャフト20とフォークシャフト53との中間に配置された、中間部材としての回転レバー81を備える。回転レバー81は、円板形状の円板部82と、円板部82の円板形状の径方向外側に向かって延びる第一腕部83および第二腕部84とを含む。第一腕部83と第二腕部84とは、延在方向が直交するように設けられている。回転レバー81は、互いに直交する第一腕部83と第二腕部84とが一体に組み合わされた、略L字形状に形成されている。
第一腕部83の、円板部82に連結されている側と反対側の端部83aは、回転レバー81の一方の端部である一端を成している。第一腕部83は、回転レバー81の一方の端部である一端としての端部83aを有している。第二腕部84の、円板部82に連結されている側と反対側の端部84aは、回転レバー81の上記一端と反対側の端部である他端を成している。第二腕部84は、回転レバー81の他方の端部である他端としての端部84aを有している。
第一腕部83と第二腕部84とは、いずれも平面形状円形の円板部82の径方向に延在している。円板部82を形成する円の中心から第二腕部84の端部84aの先端までの長さは、円板部82を形成する円の中心から第一腕部83の端部83aの先端までの長さに比して、大きくなっている。第一腕部83と第二腕部84との結合部から端部83aまでの長さは、当該結合部から端部84aまでの長さに対して小さい。つまり、第二腕部84の延在方向の長さが、第一腕部83の延在方向の長さよりも大きくなるように、回転レバー81は形成されている。
回転レバー81の円板部82には、支軸73を受け入れ可能な貫通孔が形成されている。支軸73によって、回転レバー81は、第一腕部83と第二腕部84との結合部である円板部82の貫通孔の中心点を回転中心として、回転可能に支持されている。支軸73は、回転レバー81の回転の支点となる部材である。回転レバー81は、支軸73に対して相対回転可能な構造とされている。支軸73は円筒形状に形成されており、円筒形状の両端部において支軸73は支持部71,72に固定されている。支持部71,72は先端部において支軸73を保持している。支持部71,72の基部は、トランスミッションケースCに取り付けられたベース部61に固定されている。
シフトセレクトシャフト20には、略円環形状のフランジ部62が固定されている。フランジ部62は、シフトセレクトシャフト20と一体として、軸線方向のスライド移動および軸線回りの回動が可能であるように、シフトセレクトシャフト20に取り付けられている。フランジ部62は、ピン64によりシフトセレクトシャフト20に固定されている。フランジ部62の外径がシフトセレクトシャフト20の径よりも大径となるように、シフトセレクトシャフト20とフランジ部62とは形成されている。フランジ部62には、外径の一部が径方向外側に突起した、突起部63が設けられている。つまり、シフトセレクトシャフト20は、シフトセレクトシャフト20の径方向外側に突起するように形成された、突起部63を有する。
図5および図10に示すように、回転レバー81は、シフトセレクトシャフト20に対して、第二腕部84の端部84aにおいて突起部63と接触可能である位置関係にある。端部84aがシフトセレクトシャフト20と接触可能であるように、回転レバー81はシフトセレクトシャフト20とフォークシャフト53との間に配置されている。
フォークシャフト53には、径方向断面における外周部の一部が切り欠かれて形成されている、切り欠き部53aが形成されている。この切り欠き部53aにおいて、第一腕部83の端部83aが、フォークシャフト53に係合されている。回転レバー81の一端である端部83aは、回転レバー81の支軸73回りの回動を妨げないように、切り欠き部53aにおいてフォークシャフト53に係止されている。
また、支軸73の周囲には、支軸73回りに回転する方向に回転レバー81を付勢する、弾性体としてのコイルばね85が設置されている。図10および図11に示す配置において、回転レバー81を支軸73回りに反時計回り方向の回転運動をさせる向きの力を加えて回転レバー81を付勢するように、コイルばね85は設けられている。
トランスミッションケースCには、その表面が窪んだ孔C2,C3が形成されている。シフトセレクトシャフト20とフォークシャフト53とは、図10に示す端部がそれぞれ孔C2,C3の内部に収容されている。シフトセレクトシャフト20とフォークシャフト53とはいずれも、その端部が孔C2,C3の最深部から離れて配置されている。孔C2,C3はそれぞれ、シフトセレクトシャフト20とフォークシャフト53との外径に対してわずかに大きい径を有するように形成されている。
シフトセレクトシャフト20は、図10に示す端部近傍において、たとえばニードル軸受などの軸支部材47によって支持されている。シフトセレクトシャフト20は、径方向には移動しないように、軸支部材47を介在させてトランスミッションケースCによって支持されている。またシフトセレクトシャフト20は、図示しないスプリングによって軸線方向の位置決めがされており、このスプリングが伸縮することにより、シフトセレクトシャフト20は、シフトレバーLのシフト操作を受けて軸線方向に移動可能とされている。シフトセレクトシャフト20は、軸線方向には上記スプリングのみによって固定されている。
フォークシャフト53は、図10に示す端部近傍において、たとえばニードル軸受などの軸支部材48によって支持されている。フォークシャフト53は、径方向には移動しないように、軸支部材48を介在させてトランスミッションケースCによって支持されている。またフォークシャフト53は、図3に示す前進段用係合部24のヘッド24aがアーム部21bと係合して往復動することにより、軸線方向に移動可能とされている。
次に、上記の如く構成されたギヤ鳴り防止装置の動作について、図12〜図17を用いて順に説明する。ここでは、まず図12〜図16を用いて、シフトレバーLが3速−4速セレクト位置P2からリバースセレクト位置P4を経由してリバース位置REVへ至るまでの操作、すなわち後進段への変速動作であるリバースシフト操作について説明する。その後図17を用いて、リバース解除動作(シフトレバーLのリバース位置REVから3速−4速セレクト位置P2への操作)について説明する。
図12〜図17における(a)図は、シフトインナレバー21のアーム部21bと各ヘッド22a,22a、23a,23a、24a,24aとの位置関係を示す図であって、アーム部21bの移動軌跡に沿ったインターロックプレート26の断面を展開した図である。ここで、上述した通り、シフトインナレバー21とリバース用フランジ部96とは、シフトセレクトシャフト20の軸線方向における固定位置が異なっている。しかしながら、シフトインナレバー21とリバース用フランジ部96とはいずれも、シフトセレクトシャフト20のセレクト動作およびシフト動作に伴って回動および軸線方向の往復動を行なうため、アーム部21bとリバース用レバー91とは同時に同方向に同量の変位を行なう。そのため(a)図には、リバース用レバー91とリバースヘッド92aとの位置関係を併せて模式的に図示している。なお、インターロックプレート26には、後述するプレボーク作動時(第3のシンクロメッシュ機構13の作動時)に5速−6速用のヘッド24a,24aの移動を許容するための、凹部26fが形成されている。
また、図12〜図17における(b)図は、図5に示す断面視におけるシフトセレクトシャフト20、フォークシャフト53および回転レバー81の位置関係を示す図である。さらに、図12〜図17における(c)図は、突起部63と回転レバー81との位置関係、および回転レバー81の支軸73回りの回動について示す図である。なお、(c)図では、突起部63による回転レバー81の移動についてわかりやすさを優先して示しているため、回転レバー81は簡略化して図示されており、また突起部63と第二腕部84との相対的位置関係については他図との整合性を考慮せずに図示している。
図12は、ギヤ鳴り防止装置のリバースシフト操作前の状態を示している。たとえば、車両の前進走行状態から停車した直後であって、リバースシフト操作を行なうに際してシフトレバーLが3速−4速セレクト位置P2まで操作された状態を示している。この状態では図12(a)に示すように、シフトインナレバー21のアーム部21bは、3速−4速用フォークシャフト52に設けられた前進段用係合部23のヘッド23a,23aに係合可能な位置にある。また、図12(b)および図12(c)に示すように、シフトセレクトシャフト20に形成された突起部63は、回転レバー81と接触しておらず、第二腕部84の端部84aから所定間隔を存して対向する初期位置にある。つまり、シフトセレクトシャフト20から回転レバー81への操作力の伝達が行なわれていない状態にある。
図13は、リバースシフト操作の開始初期時における図12に相当する図である。図12に示す状態から、シフトレバーLのリバースセレクト位置P4に向けてのセレクト操作が開始されると、図13(a)に示すように、リバース用レバー91がリバースヘッド92a,92aに接近するように移動する(図13(a)中の矢印参照)。このとき、図13(b)に示すように、シフトセレクトシャフト20の回転運動に伴って突起部63もシフトセレクトシャフト20の軸線回りに回転する(図13(b)中の矢印参照)。そして図13(b)および図13(c)に示すように、回転レバー81の他端である第二腕部84の端部84aは、シフトセレクトシャフト20に設けられた突起部63と接触する。
図14は、図13の状態から突起部の軸線回りの回転量が大きくなった時点における、図12に相当する図である。図15は、図14の状態からさらに突起部の軸線回りの回転量が大きくなった時点における、図12に相当する図である。図15の状態では、図15(a)に示すように、リバース用レバー91がリバースヘッド92a,92aと係合可能な位置にまで移動している。つまり、リバースシフト操作におけるシフトレバーLのセレクト方向の移動が完了しており、図15の状態ではシフトレバーLはリバースセレクト位置P4にある。
図13(b)、図14(b)、図15(b)には、シフトセレクトシャフト20の回転量が次第に増大していく状態を順に示している。つまり、シフトセレクトシャフト20に形成されている突起部63が回転レバー81の第二腕部84の端部84aに接触した状態から(図13(b)および(c)参照)、シフトセレクトシャフト20の軸線回りの回転量がさらに増大していくと、突起部63が端部84aを押圧する。シフトセレクトシャフト20の回転力を受けて、回転レバー81の端部84aが押圧される。図13(c)、図14(c)、図15(c)には、端部84aに対する押圧力が大きくなっていく状態を順に示している。
この押圧力を受ける端部84aは、シフトセレクトシャフト20の回転量が増大していくに従って次第に押し下げられ、5速−6速用のフォークシャフト53に接近するように移動することになる(図14(c)、図15(c)中の矢印参照)。ここで、第二腕部84の一方端は、支軸73によって軸支されている。そのため、第二腕部84が支軸73を中心として回転し、第二腕部84を含む回転レバー81全体が支軸73回りに時計回り方向の回転運動を行なう。第一腕部83は、第二腕部84の回転運動に従動して、支軸73を中心として回転する。
このとき、第二腕部84と直交する第一腕部83の端部83aは、第二腕部84の端部84aがフォークシャフト53に接近する方向と直交する方向へ移動する。つまり、回転レバー81の一端である第一腕部83の端部83aは、フォークシャフト53の延在方向、すなわちフォークシャフト53と平行に配置されているシフトセレクトシャフト20の軸線方向へ沿って移動する。端部83aは、フォークシャフト53に形成された切り欠き部53aに係合している。端部83aは、軸線方向に沿って移動するとき、フォークシャフト53を軸線方向に押圧して、フォークシャフト53に軸線方向の力を加える。
つまり、シフトセレクトシャフト20の回転力は、回転レバー81を介在させてフォークシャフト53へ伝達される。このとき回転レバー81は、フォークシャフト53の軸線方向へと荷重方向を変えている。その結果として、フォークシャフト53が軸線方向に移動することとなる。
フォークシャフト53の軸線方向の移動により、プレボーク機能が作動開始する。具体的には、6速ドライブギヤ9aが第三のシンクロメッシュ機構13の作動によりインプットシャフト1に連繋(摩擦接触)される。つまり、インプットシャフト1は、第3のシンクロメッシュ機構13、6速ドライブギヤ9aおよび6速ドリブンギヤ9bを介在させて、アウトプットシャフト2と連繋されることになる。このとき、図14(a)および図15(a)に示すように、フォークシャフト53の軸線方向の移動により5速−6速用のヘッド24aが移動するが、インターロックプレート26には凹部26fが形成されているためにヘッド24aの移動が許容されている。
そして、後進段への変速動作時には車両は停車状態であり、アウトプットシャフト2は回転していない。このため、インプットシャフト1が惰性回転している状況であっても、上述したプレボーク機能により、第3のシンクロメッシュ機構13を介在させてアウトプットシャフト2に連繋されるインプットシャフト1は、強制的に停止されることになる。すなわち、インプットシャフト1の回転は、アウトプットシャフト2の回転に合わせられることになる。
したがって、その後にシフトレバーLをリバース位置REVにシフト操作した際には、インプットシャフト1に回転一体に設けられているリバースドライブギヤ10aが停止した状態で、リバースドライブギヤ10aとリバースアイドラギヤ10cとを噛合させることができる。その結果、円滑な噛合い動作が行なわれるので、リバースシフトギヤ鳴りの発生を抑制することができる。
図13(c)、図14(c)、図15(c)に示す、後進段への変速動作時にシフトセレクトシャフト20の突起部63が回転レバー81の端部84aを押圧する押圧力は、シフトセレクトシャフト20の略径方向に作用する。このとき、作用・反作用の法則により、上記押圧力の反力がシフトセレクトシャフト20に作用する。シフトセレクトシャフト20の軸線回りの回転力を受けた回転レバー81は、フォークシャフト53に軸線方向の力を加えてフォークシャフト53を軸線方向に移動させるが、このフォークシャフト53の軸線方向に作用する力の反力は、シフトセレクトシャフト20に対して、シフトセレクトシャフト20の径方向に作用することになる。ここで図10を参照して説明したように、シフトセレクトシャフト20は、軸線方向には移動可能に、かつ径方向には移動不能に軸支されている。
上記反力がシフトセレクトシャフト20の軸線方向に作用する場合、反力によりシフトセレクトシャフト20は軸線方向に移動して、その結果プレボークが不十分となる、またギヤ鳴り防止装置が損傷を受けるなどの問題が発生する可能性がある。しかし、本実施の形態では、シフトセレクトシャフト20が回転レバー81を介在させてフォークシャフト53に軸線方向の力を加えており、反力はシフトセレクトシャフト20の径方向に作用する。シフトセレクトシャフト20は、径方向にはトランスミッションケースCにより支持されているので、反力によりシフトセレクトシャフト20が径方向に動くことはない。
そのため、プレボーク機能を発生させるための軸線方向の力をフォークシャフト53に対して十分に加えるとともに、その反力をシフトセレクトシャフト20の径方向で支えることができる。したがって、軸線方向にはスプリングだけで固定されているシフトセレクトシャフト20は、プレボーク時には軸線方向に移動しないことになる。つまり、プレボーク発生時にシフトセレクトシャフト20が予期しない軸線方向の移動を行なうことを抑制することができる。
また、上述したように、回転レバー81の第二腕部84の延在方向の長さは、第一腕部83の延在方向の長さよりも大きい。第一腕部83は、平行に設けられているシフトセレクトシャフト20およびフォークシャフト53に交差する(典型的には直交する)ように設けられているため、所定の長さに規定されている。一方第二腕部84は、シフトセレクトシャフト20およびフォークシャフト53の軸線方向に沿うように(典型的には軸線方向と平行に延在するように)設けられている。フランジ部62は、図10に示すように、シフトセレクトシャフト20の軸線方向における配置を自由に設定可能である。つまり、シフトセレクトシャフト20の軸線方向における支軸73とフランジ部62との間隔を自由に設定でき、第二腕部84の長さを自由に設定することが可能とされている。
第二腕部84の長さが調整可能であるため、レバー比を自由に決定することができ、レバー比の設定の自由度が高められている。第二腕部84を第一腕部83よりも長く設けることによって、第二腕部84を回転駆動させる駆動力が小さくても、フォークシャフト53を軸線方向に移動させる力は大きくなる。そのため、ドライバーがシフトレバーLをセレクト操作するときに手で発生させる力を低減することができ、より小さな操作力で大きな駆動力を発生させることができるので、リバースセレクト位置P4に向けてのセレクト操作時の操作性を向上させることができる。なおレバー比とは、支点〜力点間の距離と支点〜作用点間の距離との比をいい、本実施の形態の場合は第二腕部84の長さと第一腕部83の長さとの比に相当する。
図16は、リバース位置に向けてのシフト操作が行なわれた際における、図12に相当する図である。シフトレバーLをリバース位置REVにシフト操作する際、シフトセレクトシャフト20は軸線方向にスライド移動する。具体的には、シフトセレクトシャフト20は、図16(b)における紙面に直交する手前側にスライド移動する。このシフトセレクトシャフト20のスライド移動によって、リバース用レバー91は図16(a)中の矢印に示すように移動して、リバースヘッド92aと当接してリバースヘッド92aを移動させる。リバースヘッド92aの移動に伴って、リバースアイドラギヤ10cがアイドラギヤシャフト3の軸線方向に沿って移動し、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bと順に噛み合って、リバースシフト操作が完了する。
また、シフトセレクトシャフト20のスライド移動により、シフトセレクトシャフト20に設けられている突起部63も同方向にスライド移動する。突起部63がシフトセレクトシャフト20の軸線方向に移動することにより、第二腕部84の端部84aを押圧していた突起部63が、図16(c)中の矢印に示すように、第二腕部84から外れる方向に移動する。
突起部63が第二腕部84から離れると、突起部63を経由して第二腕部84に作用していたシフトセレクトシャフト20の軸線回りの回転力が解除されることになる。このとき、支軸73の回りにコイルばね85が設けられており、コイルばね85によって回転レバー81は支軸73を中心として回転する方向に付勢されている。コイルばね85の付勢力によって、回転レバー81は反時計方向に回転し(図16(c)中の矢印参照)、図8に示す回動方向の初期位置に戻される。回転レバー81が初期位置に戻されることにより、第一腕部83の端部83aからフォークシャフト53に加えられていた軸線方向の力も解除されることになる。そのため、フォークシャフト53は軸線方向に移動して(図16(c)中の矢印参照)、フォークシャフト53も初期位置に戻される。
フォークシャフト53の移動によって、ヘッド24aも図16(a)に示す位置に戻されて、第3のシンクロメッシュ機構13の作動が終了し、プレボークが解除される。つまり、第3のシンクロメッシュ機構13の動作によるインプットシャフト1とアウトプットシャフト2との連繋状態は解除される。その後、シフトレバーLのリバース位置REVに向けてのシフト操作が進むことによって、後進段への変速が完了することになる。
突起部63が第二腕部84の端部84aを押圧することにより、回転レバー81は時計回り方向に回転して、フォークシャフト53を軸線方向に移動させる。コイルばね85は、突起部63が端部84aを押圧するときの回転レバー81の回転方向である時計回り方向と逆方向である、反時計回り方向に、回転レバー81を付勢している。そのため、突起部63が端部84aを押圧する押圧力が解除されると、回転レバー81は反時計回り方向に回転移動して、初期位置へと戻される。
突起部63から端部84aに作用する押圧力は、シフトレバーLのリバース位置REVへのシフト操作の途中で解除されている。図2に示すリバースセレクト位置P4からリバース位置REVへ至る経路内の所定位置にシフトレバーLが到達したときに、フォークシャフト53を軸線方向に移動させるためのフォークシャフト53の軸線方向の力が加えられなくなり、フォークシャフト53は軸線方向の初期位置に戻されている。つまり、リバースギヤ列10が噛み合う以前の、シフトセレクトシャフト20のシフト動作中に、プレボーク機能が解除され、シンクロナイザリングがドライブギヤ8a,9aのいずれにも押し付けられていない状態となる。
つまり、シフト動作が終了する時には既に第3のシンクロメッシュ機構13は作動しておらず、インプットシャフト1とアウトプットシャフト2とは自由に回転可能な状態とされている。リバースアイドラギヤ10cを軸線方向に移動させてリバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bの両方と噛合させるとき、インプットシャフト1に固定されたリバースドライブギヤ10a、アウトプットシャフト2に固定されたリバースドリブンギヤ10bはいずれも、リバースアイドラギヤ10cに対して回転可能な状態である。換言すると、リバースドライブギヤ10aとリバースアイドラギヤ10cとを噛み合わせるとき、リバースドライブギヤ10aは回転可能である。リバースドリブンギヤ10bとリバースアイドラギヤ10cとを噛み合わせるとき、リバースドリブンギヤ10bは回転可能である。
リバースアイドラギヤ10cを軸線方向に移動させるとき、リバースドライブギヤ10a(またはリバースドリブンギヤ10b)の歯面の稜線がリバースアイドラギヤ10cの歯面の稜線と接触しても、リバースドライブギヤ10a(またはリバースドリブンギヤ10b)が回転して互いのギヤの歯同士を噛み合わせることができる。したがって、リバースアイドラギヤ10cをリバースドライブギヤ10a(またはリバースドリブンギヤ10b)と円滑に噛み合わせることができるので、互いのギヤの歯面が接触して動けなくなるリバースシフトロックの発生を抑制することができる。
次に、リバース解除操作、すなわちシフトレバーLのリバース位置REVから3速−4速セレクト位置P2への操作について説明する。図17は、リバース解除操作のセレクト操作が開始された時点における、図12に相当する図である。リバース位置REVにあるシフトレバーLをリバースセレクト位置P4に向けて操作すると、シフトセレクトシャフト20は軸線方向に移動する。具体的には、図17(b)における紙面に直行する奥側に、シフトセレクトシャフト20がスライド移動する。
シフトセレクトシャフト20の軸線方向の移動に伴い、リバース用レバー91は図17(a)に示す下向き方向に移動して、リバースヘッド92aもリバース用レバー91とともに移動する。また、シフトセレクトシャフト20の軸線方向の移動に伴い、シフトセレクトシャフト20に取り付けられており突起部63を有するフランジ部62も、軸線方向の初期位置に向けて移動する。
シフトレバーLがリバースセレクト位置P4まで操作された後に3速−4速セレクト位置P2に向けて操作されると、シフトセレクトシャフト20が回動し(図13(b)に示す矢印参照)、これに伴い突起部63も初期位置に向けて回動する。そして、シフトレバーLが3速−4速セレクト位置P2に達すると、シフトセレクトシャフト20および突起部63が図12に示す初期位置に戻ることになる。
以上説明したように、本実施の形態の手動変速機は、回転レバー81を備える。回転レバー81は、シフトセレクトシャフト20とフォークシャフト53との中間に配置されている。回転レバー81は、端部83aを有する第一腕部83と、端部84aを有する第二腕部84とを有している。回転レバー81は、端部83aがフォークシャフト53の切り欠き部53aに係合され、端部84aがシフトセレクトシャフト20と接触可能であるように設けられている。回転レバー81は、第一腕部83と第二腕部84とが一体に組み合わされた、L字形状に形成されている。
手動変速機はまた、第一腕部83と第二腕部84との結合部を中心として回転レバー81を回動可能に支持する支軸73と、支軸73が固定されている支持部71,72とをさらに備える。シフトセレクトシャフト20は、シフトセレクトシャフト20の径方向外側に突起するように形成された、突起部63を有する。
選択摺動式の後進段への変速動作時におけるシフトセレクトシャフト20のセレクト動作中に、シフトセレクトシャフト20は軸線周りに回転する。この回転力を受けて、回転レバー81の端部84aがシフトセレクトシャフト20の突起部63と接触して、突起部63が回転レバー81の端部84aを押圧する。この押圧力により、端部84aがフォークシャフト53に接近するように、第二腕部84が支軸73回りに回転する。また上記押圧力により、端部73aが軸線方向へ沿って移動するように、第一腕部83が第二腕部84の回転運動に従動して支軸73回りに回転する。
この第一腕部83の回転により、回転レバー81はフォークシャフト53に軸線方向の力を加える。このようにして、フォークシャフト53を軸線方向に移動させることにより、シフトセレクトシャフト20のセレクト動作中に第3のシンクロメッシュ機構13を作動させる。
このようにすれば、第3のシンクロメッシュ機構13を作動させることによりインプットシャフト1およびアウトプットシャフト2を強制的に停止または減速するプレボーク機能が、シフトレバーLをリバースセレクト位置P4へ移動させるセレクト操作中に発生する。そのため、十分なプレボーク時間を確保して確実にプレボーク機能を発生させることができるので、インプットシャフト1の回転数を効果的に低減させることができる。
したがって、インプットシャフト1に設けられているリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に設けられているリバースドリブンギヤ10bとを、停止状態にすることができる。これら停止状態のギヤ10a,10bに対して選択摺動的に停止状態のリバースアイドラギヤ10cの噛合動作が行なわれることにより、円滑な噛み合い動作が行なわれて、リバースシフトギヤ鳴りの発生を抑制することができる。
これまでの説明においては、支軸73は支持部71,72に固定されており、回転レバー81は支軸73回りを回転する例について説明したが、回転レバー81が支軸73を回転中心として支持部71,72に対して相対的に回転可能な構成であればよい。上記の構造に限らず、回転レバー81と支軸73とは一体として固定されており、支軸73が支持部71,72によって回動可能に支持されているような構造であってもよい。
また、第一腕部83がフォークシャフト53に形成された切り欠き部53aに係合する構造について説明したが、この構造に限られるものではない。回転レバー81の支軸73回りの回動を妨げることなく第一腕部83の端部83aがフォークシャフト53に係合できる構造であれば、どのようなものでもよい。
また、上記実施の形態では、FF車両に搭載された、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、FR(Front engine Rear drive)車両など、他の形式の車両に搭載された手動変速機にも適用可能である。また、変速段数の異なる変速機、たとえば前進5速段、後進1速段の手動変速機に対しても適用可能である。さらに、ドライバーのシフトチェンジ操作に連動するアクチュエータを備え、このアクチュエータによって変速動作を行なう構成とされた変速機(いわゆるAMT;Automated Manual Transmission)に対しても本発明を適用可能である。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、シフトセレクトシャフトおよびフォークシャフトが平行に配置され、シフトセレクトシャフトがセレクト時に回転しシフト時に軸線方向にスライド移動する手動変速機に、特に有利に適用され得る。
手動変速機のギヤトレーンの一例を示すスケルトン図である。 6速マニュアルトランスミッションのシフトパターンの概略を示す模式図である。 セレクト・シフト機構における各前進段用係合部およびその周辺部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から見た断面図である。 5速−6速用フォークシャフトと第3のシンクロメッシュ機構との係合部分を示す断面図である。 各フォークシャフトに設けられたシフトフォークおよびその周辺部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から見た断面図である。 リバースシフト機構における各ギヤおよび各シャフトとシフトアームとの配置関係を示す模式図である。 リバースセレクト位置に向けてのセレクト操作が行なわれた状態における、リバースシフト機構の模式図である。 リバース位置へのシフト操作前のリバースシフトフォークの配置を示す模式図である。 リバース位置へのシフト操作後のリバースシフトフォークの配置を示す模式図である。 図5に示すX方向から見たギヤ鳴り防止装置の構成を示す模式図である。 回転レバーの構成を拡大して示す模式図である。 ギヤ鳴り防止装置のリバースシフト操作前の状態を示し、図12(a)はシフトインナレバーのアーム部と各ヘッドとの位置関係を示す図であり、図12(b)は図5に示す断面視におけるシフトセレクトシャフト、フォークシャフトおよび回転レバーの位置関係を示す図であり、図12(c)は突起部と回転レバーとの位置関係、および回転レバーの支軸回りの回動について示す図である。 リバースシフト操作の開始初期時における図12に相当する図である。 図13の状態から突起部の軸線回りの回転量が大きくなった時点における、図12に相当する図である。 図14の状態からさらに突起部の軸線回りの回転量が大きくなった時点における、図12に相当する図である。 リバース位置に向けてのシフト操作が行なわれた際における、図12に相当する図である。 リバース解除操作のセレクト操作が開始された時点における、図12に相当する図である。
符号の説明
1 インプットシャフト、2 アウトプットシャフト、3 アイドラギヤシャフト、4〜9 変速ギヤ列、4a〜10a ドライブギヤ、4b〜10b ドリブンギヤ、10 リバースギヤ列、10c リバースアイドラギヤ、11〜13 シンクロメッシュ機構、20 シフトセレクトシャフト、21 シフトインナレバー、21b アーム部、22a〜24a ヘッド、26 インターロックプレート、26f 凹部、27 セレクトインナレバー、31〜33 シフトフォーク、47,48 軸支部材、51〜53 フォークシャフト、53a 切り欠き部、61 ベース部、62 フランジ部、63 突起部、64 ピン、71,72 支持部、73 支軸、73a 端部、81 回転レバー、82 円板部、83 第一腕部、83a,84a 端部、84 第二腕部、85 コイルばね、90 リバースフォークシャフト、91 リバース用レバー、92 リバースシフトフォーク、92a リバースヘッド、94 リバースシフトアーム、96 リバース用フランジ部。

Claims (5)

  1. 第一歯車が固定された第一回転シャフトと、
    前記第一回転シャフトと平行に配置され、前記第一歯車と噛み合う第二歯車が空転可能に組み付けられた第二回転シャフトと、
    変速動作時に前記第二歯車を前記第二回転シャフトに一体回転するように連結させて、前記第一歯車および前記第二歯車を介在させて前記第一回転シャフトと前記第二回転シャフトとの間での動力伝達を可能とする同期装置と、
    変速動作時に軸線回りに回動するセレクト動作と軸線方向に往復動するシフト動作とを行なうシフトセレクトシャフトと、
    前記シフトセレクトシャフトと平行に配置されているフォークシャフトと、
    一方の端部である一端と前記一端と反対側の端部である他端とを有しており、前記シフトセレクトシャフトと前記フォークシャフトとの中間に配置された、中間部材とを備え、
    前記一端が前記フォークシャフトに係合され、前記他端が前記シフトセレクトシャフトと接触可能であるように、前記中間部材は設けられており、
    前進段への変速動作時に、前記シフトセレクトシャフトのセレクト動作によって前記シフトセレクトシャフトが前記フォークシャフトに係合され、前記シフトセレクトシャフトのシフト動作に伴って前記フォークシャフトが前記軸線方向へ移動して前記同期装置を作動させ、
    選択摺動式の後進段への変速動作時に、前記他端が前記シフトセレクトシャフトと接触して、前記中間部材が前記シフトセレクトシャフトの軸線周りの回転力を受けて前記フォークシャフトに前記軸線方向の力を加えて前記フォークシャフトを前記軸線方向に移動させることにより、前記シフトセレクトシャフトのセレクト動作中に前記同期装置を作動させる、手動変速機。
  2. 前記中間部材は、前記一端を有する第一腕部と前記他端を有する第二腕部とを含み、前記第一腕部と前記第二腕部とが一体に組み合わされたL字形状に形成されており、
    前記手動変速機は、前記第一腕部と前記第二腕部との結合部を中心として前記中間部材を回動可能に支持する支軸と、前記支軸が固定されている支持部とをさらに備え、
    前記シフトセレクトシャフトは、前記シフトセレクトシャフトの径方向外側に突起するように形成された突起部を有し、
    後進段への変速動作時における前記シフトセレクトシャフトのセレクト動作中に、前記突起部が前記他端を押圧して、前記他端が前記フォークシャフトに接近するように前記第二腕部を前記支軸回りに回転させ、前記一端が前記軸線方向へ沿って移動するように前記第一腕部を前記第二腕部の回転運動に従動させて前記支軸回りに回転させることにより、前記フォークシャフトに前記軸線方向の力を加える、請求項1に記載の手動変速機。
  3. 前記突起部が前記他端を押圧するときの前記中間部材の回転方向と逆方向に前記中間部材を付勢する弾性体をさらに備える、請求項2に記載の手動変速機。
  4. 前記第二腕部の延在方向の長さは、前記第一腕部の延在方向の長さよりも大きい、請求項2または請求項3に記載の手動変速機。
  5. 後進段への変速動作時に、前記フォークシャフトを前記軸線方向に移動させるとき前記中間部材が前記フォークシャフトに加える前記軸線方向の力の反力は、前記シフトセレクトシャフトに対して前記シフトセレクトシャフトの径方向に作用する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の手動変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012077856A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Mitsubishi Motors Corp 手動変速機のギヤ鳴り防止装置
JP2013177981A (ja) * 2013-06-18 2013-09-09 Mitsubishi Motors Corp 手動変速機のギヤ鳴り防止装置

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