JP2012107669A - 断熱層付き管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】非発泡性樹脂の内部での発泡性樹脂の発泡の挙動および流動を規制し得るようにする。
【解決手段】管状の継手本体12と、継手本体12の開口部に一体に形成された受口部13とを有し、継手本体12および受口部13が、非発泡性樹脂15によって主に構成されると共に、非発泡性樹脂15の内部に発泡性樹脂を発泡させて成る断熱材層16が封入された断熱層付き管継手17であって、継手本体12と受口部13との境界部分の少なくとも一つに、断熱材層16を境界部分で堰止可能な堰止部21が設けられるようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、断熱層付き管継手に関するものである。より詳しくは、断熱が必要な管路の継手部分に使用される断熱層付き管継手に関するものである。
例えば、給水や排水などを行うために、従来より樹脂製の管路が使用されている。このような樹脂製の管路には、複数本の管部材と、これらの管部材どうしを接続するための管継手とが用いられる。
そして、上記した樹脂製の管路には、断熱が必要なものも存在している。例えば、空調設備のドレン管路では、ドレン管路全体を外側から断熱材で覆って断熱することにより、結露防止を行わせるようにしている。
これに対し、本願の出願人により、管路の少なくとも一部を断熱材で覆う必要をなくすようにした断熱層付き管継手が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図6〜図8は、このような断熱層付き管継手の例であり、図6はチーズ部材、図7は90度のエルボ部材、図8は45度のエルボ部材をそれぞれ示している。
図6(または、図7、図8)に示すように、この断熱層付き管継手1は、要するに、管状の継手本体2と、この継手本体2の開口部に一体に形成された受口部3とを有しており、この継手本体2および受口部3が、非発泡性樹脂4によって主に構成されると共に、図9の断面図に示すように、継手本体2を構成する非発泡性樹脂4の内部に発泡性樹脂を発泡させて成る断熱材層5(または発泡断熱層)が封入されたものである。
この断熱層付き管継手1は、図示しない成形金型におけるキャビティ空間の容積よりも少ない量の非発泡性樹脂4を注入口6から注入(ショートショット注入)し、キャビティ空間の内部で非発泡性樹脂4の表面がある程度固まった頃に、同じ注入口6から発泡性樹脂を注入して圧力をかけることにより、発泡性樹脂の発泡圧力によって非発泡性樹脂4をキャビティ空間の内部の隅々にまで行き渡らせると共に、発泡性樹脂の発泡によって非発泡性樹脂4の内部に断熱材層5を形成するようにして製造される。
なお、断熱層付き管継手1は、図9に示すように、継手本体2の内部のみに対して、欠落部分を生じることなく全域に亘って断熱材層5が形成されると共に、受口部3には断熱材層5が全く入り込まないようにすることが理想的である。これは、受口部3の内部に断熱材層5が入り込むと、受口部3の強度的が低下することによる。
特許第3699579号
しかしながら、上記断熱層付き管継手には、非発泡性樹脂4の内部での発泡性樹脂の発泡の挙動および流動をコントロールするのが難しいという問題があった。
そして、上記コントロールがうまくできないことにより、非発泡性樹脂4の内部で断熱材層5が成行きまかせに形成されてしまうと、例えば、図6に示すように、断熱材層5が継手本体2の全域に行き渡らないことにより断熱材層5のない欠落部分7を生じたり、断熱材層5が受口部3へ入り込むことにより受口部3の強度低下などを招いたり(ハミ出部8、図10の断面図参照)、断熱材層5が断熱層付き管継手の表面に出ることにより製品の外観不良を起こしたりするおそれがある。
また、図7に示すように、90度屈曲のエルボ部材は、受口部3に断熱材層5のハミ出しを生じ易い(ハミ出部8)。そして、図8に示すように、45度屈曲のチーズ部材は、図7と同様の受口部3のハミ出し(ハミ出部8)と同時に、受口部3どうしが近接して継手本体2が側面視鋭角状となっている部分に断熱材層5の欠落部分7を生じ易い。
そこで、上記コントロールを行うために、発泡性樹脂の注入位置や注入量や注入圧力などを微妙に調整、設定する改善が逐次行われており、ある程度の成果は得られているものの、完全に決め手となる構成がまだ見つかっていないのが現状である。
なお、このような管継手は、形状や寸法などの規格が厳しく定められているため、上記規格を大きく外れるような改変ができないという制約が存在しており、この制約が上記した改善を困難にする要因となっている。
上記課題を解決するために、本発明は、管状の継手本体と、該継手本体の開口部に一体に形成された受口部とを有し、前記継手本体および受口部が、非発泡性樹脂によって主に構成されると共に、該非発泡性樹脂の内部に発泡性樹脂を発泡させて成る断熱材層が封入された断熱層付き管継手であって、前記継手本体と受口部との境界部分の少なくとも一つに、前記断熱材層を境界部分で堰止可能な堰止部が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、継手本体と受口部との境界部分の少なくとも一つに堰止部を設けることにより、断熱材層を堰止部で確実に堰止めることが可能となる。これにより、断熱材層を確実にコントロールすることができるようになる。
本発明の実施例にかかる外周突出部を有する断熱層付き管継手(チーズ部材)の一部破断した側面図である。 図1の変形例にかかる外側突出部を有する断熱層付き管継手(チーズ部材)の一部破断した側面図である。 図1とは形状の異なる断熱層付き管継手(90度のエルボ部材)に対して外周突出部を適用した側面図である。 図1とは形状の異なる断熱層付き管継手(45度のエルボ部材)に対して外周突出部を適用した側面図である。 (a)〜(d)はそれぞれ図1の断熱層付き管継手における発泡性樹脂の発泡の経過を順に示す図である。 従来例にかかる断熱層付き管継手(チーズ部材)の側面図である。 図6とは形状の異なる断熱層付き管継手(90度のエルボ部材)の側面図である。 図6とは形状の異なる断熱層付き管継手(45度のエルボ部材)の側面図である。 理想的な断熱層付き管継手の部分拡大断面図である。 実際の断熱層付き管継手の部分拡大断面図である。
本発明は、上記した各問題点を解決するために、主に、非発泡性樹脂の内部での発泡性樹脂の発泡の挙動および流動を規制し得る構成を備えるようにしている。
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
<構成>以下、構成について説明する。
図1に示すように、給水や排水などを行うための樹脂製の管路に使用される管継手11を設ける。この管継手11は、管状の継手本体12と、この継手本体12の開口部に一体に形成された受口部13とを有している。受口部13は、継手本体12と外径がほぼ等しい管部材を挿入接続するために、継手本体12よりも大径のものとされており、継手本体12と受口部13との間には、径寸法の違いを有して一体に連結するための段差部14が設けられる。なお、このような管継手11は、形状や寸法などの規格が厳しく定められているため、上記規格を大きく外れるような改変ができないという制約が存在している。
そして、継手本体12および受口部13が、非発泡性樹脂15によって主に構成されると共に、この非発泡性樹脂15の内部に発泡性樹脂を発泡させて成る断熱材層16(または発泡断熱層)が封入された断熱層付き管継手17とされる。
この断熱層付き管継手17は、図示しない成形金型におけるキャビティ空間の容積よりも少ない量の非発泡性樹脂15を注入口18から注入(ショートショット注入)し、キャビティ空間の内部で非発泡性樹脂15の表面がある程度固まった頃に、発泡性樹脂を同じ注入口18から注入して圧力をかけることにより、発泡性樹脂の発泡圧力によって非発泡性樹脂15をキャビティ空間の内部の隅々にまで行き渡らせると共に、発泡性樹脂の発泡によって非発泡性樹脂15の内部に断熱材層16を形成するようにして製造される。ここで、図中の注入口18は、誇張して大きめに描かれているが、実際には、痕跡程度のものとなる。
なお、断熱層付き管継手17は、継手本体12の内部のみに対して、欠落部分を生じることなく全域に亘って断熱材層16が形成されると共に、受口部13には断熱材層16が全く入り込まないようにすることが理想的である。これは、受口部13の内部に断熱材層5が入り込むと、受口部13の強度的が低下することによる。
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
(構成1)
継手本体12と受口部13との境界部分の少なくとも一つに、断熱材層16を境界部分で堰止可能な堰止部21が設けられるようにする。
この堰止部21は、境界部分からハミ出す発泡性樹脂を堰止めることができればそれで良いので、発泡性樹脂がハミ出す部分を調査して、そこに部分的に堰止部21を設けるようにすれば最低限の目的を達することができる。しかし、上記した調査を行わなくても良いようにするために、境界部分の全域に対し連続して堰止部21を設けるようにするのが好ましい。また、断熱材層16のない欠落部分が生じないようにするために、発泡性樹脂を必要量よりも若干多めに注入して、意図的にハミ出しが生じる状況にした上で、堰止部21を、このハミ出し分の発泡性樹脂を確実に収容(または吸収)し切れる容量に設定するのが好ましい。
なお、発泡性樹脂のハミ出しは、注入口18により近く、また、発泡に対する抵抗がより少ない部分ほど生じ易く、反対に、発泡性樹脂の欠落部分は、注入口18からより遠く、発泡に対する抵抗がより多い部分ほど生じ易い、という傾向がある。
ここで、境界部分は、主に上記した段差部14およびその周辺部分を指す。より詳細には、境界部分は、受口部13に挿入される管部材の端部の停止位置などとする。或いは、受口部13に図示しないパッキンを介在させて止水性能を確保し得るようにする場合には、パッキンと管部材の端部との接触面の位置を境界部分とする。
なお、この場合には、継手本体12の内部に断熱材層16を形成し、境界部分で堰止部21により堰止めて受口部13に断熱材層16が侵入しないようなものとしているが、構造的には、上記とは反対に、受口部13の内部に断熱材層16を形成し、境界部分で堰止部21により堰止めて継手本体12に断熱材層16が侵入しないようにすることも可能である。
また、内部に断熱材層16を形成しない受口部13(または継手本体12)は、同じ規格の通常の管継手(断熱層付き管継手17でない管継手11)と同じ肉厚とされると共に、内部に断熱材層16を形成する継手本体12(または受口部13)は、同じ規格の通常の管継手(断熱層付き管継手17でない管継手11)よりも規格の許容範囲内で厚肉とされる。
(構成2)
堰止部21が、継手本体12と受口部13との境界部分に沿って外方へ突設された容積拡大部22とされる。
この容積拡大部22は、例えば、図1に示すように、段差部14の外周面に対して突設形成された外周突出部23などとすることができる(図中の突出量23a参照)。また、容積拡大部22は、図2に示すように、段差部14の外側面(段差面)に対して突設形成された外側突出部24(或いは、段差面突出部と言い換えることもできる)などとすることができる(図中の突出量24a参照)。この容積拡大部22としての外周突出部23または外側突出部24は、上記したように、部分的なものとすることもできるが、段差部14の周方向へ連続して延びる突条などとするのが好ましい。但し、外側突出部24の場合、段差部14の周方向へ連続して延びる突条とすると、見掛上は、単に段差部14を通常よりも厚肉にしただけのものと変らなくなってしまう。しかし、外側突出部24は、上記したように、突出量24aを微妙に調整して容量を最適化することにより、断熱材層16をうまく外側突出部24の内部に封じ込め得るようにしたものであるため、通常の肉厚のものや、強度向上のために無雑作に厚肉にしただけのものとは、構成および機能において全く異なるものである。なお、容積拡大部22に必要な容積は、例えば、実績に基づいてトライアンドエラーを行うことにより得ることができる。
なお、受口部13が複数存在している場合には、境界部分の形状や状況に応じて外周突出部23と外側突出部24とを使い分けたり、外周突出部23と外側突出部24とを混在させるようにしても良い。
(構成3)
断熱層付き管継手17は、図1または図2に示すように、継手本体12が分岐管形状とされ、分岐管形状の継手本体12の両端および分岐端部の3箇所の開口部に受口部13がそれぞれ設けられたチーズ部材25に対して、上記した外周突出部23や外側突出部24などの堰止部21を設けたものとすることができる。或いは、断熱層付き管継手17は、図3や、図4に示すように、継手本体12が曲管状とされ、曲管状の継手本体12の両端の2箇所の開口部に受口部13がそれぞれ設けられたエルボ部材26に対して、上記した外周突出部23や外側突出部24などの堰止部21を設けたものとすることができる。
なお、上記したチーズ部材25は、図1や図2に示すような、直角分岐形状のものに限らず、傾斜分岐形状のものなどとすることができる。また、上記したエルボ部材26は、図3に示すような90度屈曲形状のものや、図4に示すような、45度屈曲形状のものに限らず、上記以外の角度を有する屈曲形状のものとすることができる。
(構成4)
非発泡性樹脂15が、内部を透視可能な、無色または有色の、透明または半透明な樹脂で構成されるようにする。
ここで、非発泡性樹脂15には、例えば、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AES樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂などの硬質の樹脂を使用することができる。
また、発泡性樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニルやABS樹脂などの硬質の樹脂に、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学社製AZ−HM)を混入したものなどを使用することができる。このような発泡性樹脂を発泡して成る断熱材層16は、硬質のものとなる。
なお、上記した断熱層付き管継手17は、必要であれば、不透明樹脂によって構成することも可能である。即ち、少なくとも非発泡性樹脂15に不透明樹脂を用いることができる。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
断熱層付き管継手17は、管部材の接続に使用されるものであり、断熱層付き管継手17の内部が透視可能な受口部13に対し、管部材の端部を挿入して接着剤で接着することにより、管部材を接続(接着接合)することが可能となり、管部材の嵌合状態や接着状態を外部から確認(視認)することができると共に、有色の接着剤で接着するようにすれば、接着剤の塗り忘れを簡単に確認することが可能となる。
そして、この断熱層付き管継手17は、非発泡性樹脂15の内部に発泡性樹脂を発泡させて成る断熱材層16が封入されることにより、それ自体で断熱性能を得ることができる。これにより、断熱層付き管継手17の外周を断熱材で覆う必要を無くすことができる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果1)
継手本体12と受口部13との境界部分の少なくとも一つに堰止部21を設けることにより、断熱材層16を堰止部21で確実に堰止めることが可能となる。これにより、断熱材層16を確実にコントロールすることができるようになる。
よって、例えば、断熱材層16が継手本体12の全域に行き渡らないことにより断熱材層16のない欠落部分が生じたり、断熱材層16が受口部13へ入り込むことにより受口部13の強度低下などを招いたり、断熱材層16が表面に出ることにより製品の外観不良を起こしたりするような不具合をなくして、理想的な断熱層付き管継手17を得ることができる。
しかも、製造に際して、発泡性樹脂の注入位置や注入量や注入圧力などを微妙に調整する必要もなくすことができる。
更に、断熱材層16のない欠落部分が生じないように発泡性樹脂を必要量よりも若干多めに注入して、意図的にハミ出しが生じる状況にした上で、容量を最適に設定された堰止部21によって、このハミ出し分の発泡性樹脂を収容および誘導させるようにすることにより、確実にハミ出しと欠落部分の発生とを同時に防止することができる。しかも、堰止部21を、最適な容量に設定して設けるだけなので、管継手11の規格を大きく外れることなく実施することができる。
(効果2)
堰止部21を容積拡大部22とすることにより、継手本体12の内部で発泡性樹脂が発泡する際に、容積拡大部22に達した発泡性樹脂が、容積拡大部22の内部を継手本体12と受口部13との境界部分に沿って拡がることになるので、発泡性樹脂の発泡の挙動および流動をコントロールして、発泡性樹脂を堰止めることが可能となる。これにより、例えば、断熱材層16が受口部13へ入り込むのを確実に防止することができるようになる。
(効果3)
チーズ部材25やエルボ部材26に対して、上記した堰止部21を設けることにより、規格を大きく変更せずに、理想的な断熱性能や製品品質を有する断熱層付き管継手17を得ることができる。
以下、上記について詳細に説明する。
図5は、発泡性樹脂の発泡の経過を順に示すものである。ここでは、枝管側の受口部13を上に向け、継手本体12の直管部を横へ向けた状態のチーズ部材25に対し、継手本体12の直管部の軸線方向中央部の底部に注入口18を設けて、下側から非発泡性樹脂15および発泡性樹脂(断熱材層16)を順番に注入する例を示している。なお、符号は、図1と同じものを使用している。
まず、図5(a)は、ショートショット注入された非発泡性樹脂15に対して、後から発泡性樹脂(断熱材層16参照)を注入し始めた状態を示しており、注入口18から注入された発泡性樹脂は、注入口18の周辺部分から発泡を始め、上記したように、金型の表面で固まった非発泡性樹脂15のスキン層の間へもぐり込みながら、まだ固まっていない非発泡性樹脂15をキャビティ空間の奥の方へと押込んで行く。この際、発泡性樹脂は、より抵抗の少ない方向へ向かって発泡して行く。この場合には、発泡性樹脂は、先ず、上下方向よりも重力による抵抗が少なく、また、形状がより単純な横方向へ向かって発泡して行く。
そして、発泡性樹脂が横方向へ発泡して直管部の両端の受口部13との境界部分に達すると、図5(b)に示すように、境界部分に設けた堰止部21によって堰止められると共に、堰止部21に沿って上方へ発泡して行く。これは、堰止部21の内部は他の部分よりも容積(断面形状)が大きく、まだ非発泡性樹脂15が完全には充填しきっていないため、抵抗が最も少なくなっているからである。なお、堰止部21を設けていない場合には、非発泡性樹脂15は、そのまま境界部分を越えて受口部13の内部へと侵入してしまうことになる。
その後、図5(c)に示すように、発泡性樹脂は、堰止部21の内部と、直管部の内部とを、並行して上方へ発泡して行き、枝管と受口部13との境界部分に達すると、図5(d)に示すように、発泡性樹脂は、枝管と受口部13との境界部分の堰止部21によって堰止められ、堰止部21に沿って横方向へと発泡することになる。ここで、堰止部21は、全体(或いは合計)で容量を最適に設定されているため、発泡性樹脂の発泡はこの堰止部21の内部で終了し、堰止部21を越えて上方の受口部13の内部へ侵入することはない。
以上により、断熱層付き管継手17は、継手本体12の内部のみに対して、しかも、欠落部分を生じることなく断熱材層16が形成されると共に、受口部13には断熱材層16が入り込まない理想的なものとなる。
ここで、チーズ部材25は、形状が複雑であるため(特に、分岐部分)、堰止部21を設けていない場合には、断熱材層16を最適に形成するのが最も難しいものである。即ち、既に図6を用いて説明したように、直管部の両端の受口部3で断熱材層5のハミ出しを生じ易く(ハミ出部8)、しかも同時に、枝管の受口部3で断熱材層5の欠落部分7を生じ易い。これに対し、堰止部21を設けたこの実施例のチーズ部材25の場合には、図1に示すように、断熱材層16のハミ出しや欠落部分の発生をなくすことができる。
また、図3に示す90度屈曲のエルボ部材26は、堰止部21を設けないと、既に図7を用いて説明したように、受口部3で断熱材層5のハミ出しを生じ易く(ハミ出部8)、また、図4に示す45度屈曲のチーズ部材25は、堰止部21を設けないと、既に図8を用いて説明したように、図7と同様のハミ出し(ハミ出部8)と同時に、受口部3どうしが近接して継手本体2が側面視鋭角状となっている部分で断熱材層5の欠落部分7を生じ易い。これに対し、堰止部21を設けたこの実施例のエルボ部材26の場合には、図3、図4に示すように、断熱材層16のハミ出しや欠落部分の発生をなくすことができる。
(効果4)
非発泡性樹脂15を、無色または有色の、透明または半透明な樹脂で構成することにより、外側から内部の様子を透視することが可能となる。これにより、断熱材層16の形成状態(製品品質)や、受口部13に対する管部材の嵌合状態および接着状態(施工品質)を外側から目視確認することができるようになる。
なお、断熱層付き管継手17の非発泡性樹脂15を、不透明樹脂で構成した場合には、断熱材層16の状態を外部から目視確認することができないため、そのままでは品質保証を行うことが難しいので、製品化は難しいが、この実施例のように堰止部21を設けるようにすれば、非発泡性樹脂15を不透明樹脂とした場合であっても、断熱材層16が堰止部21で確実に堰止められることになるので、品質保証を行うことが可能となり、不透明樹脂製の断熱層付き管継手17を安心して製品化することが可能となる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
空調設備のドレン管路以外の管路にも、断熱が必要な管路に対して広く適用することができる。
12 継手本体
13 受口部
14 段差部(境界部分)
15 非発泡性樹脂
16 断熱材層
17 断熱層付き管継手
21 堰止部
22 容積拡大部
25 チーズ部材
26 エルボ部材

Claims (4)

  1. 管状の継手本体と、該継手本体の開口部に一体に形成された受口部とを有し、
    前記継手本体および受口部が、非発泡性樹脂によって主に構成されると共に、該非発泡性樹脂の内部に発泡性樹脂を発泡させて成る断熱材層が封入された断熱層付き管継手であって、
    前記継手本体と受口部との境界部分に、前記断熱材層を境界部分で堰止可能な堰止部が設けられたことを特徴とする断熱層付き管継手。
  2. 前記堰止部が、継手本体と受口部との境界部分に沿って外方へ突設された容積拡大部であることを特徴とする請求項1記載の断熱層付き管継手。
  3. 前記継手本体が分岐管形状とされ、前記分岐管形状の継手本体の3箇所の開口部に受口部がそれぞれ設けられたチーズ部材に対し、前記堰止部が設けられるか、或いは、前記継手本体が曲管状とされ、前記曲管状の継手本体の2箇所の開口部に受口部がそれぞれ設けられたエルボ部材に対し、前記堰止部が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の断熱層付き管継手。
  4. 前記非発泡性樹脂が、内部を透視可能な、無色または有色の、透明または半透明な樹脂で構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の断熱層付き管継手。
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