JP2010266089A - 断熱箱体及びこれを備えた冷蔵庫、並びに断熱箱体の製造方法 - Google Patents

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崇 井関
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恒 越後屋
Kuninari Araki
邦成 荒木
Toshimitsu Tsuruga
俊光 鶴賀
Yushi Arai
祐志 新井
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Abstract

【課題】ポリウレタンフォームの形成ルートの差によってポリウレタンフォームの立ち上がり時間が異ならないようにすることで、ポリウレタンフォームの未充填部の発生を防止すること。
【解決手段】外箱1と内箱2の間に形成される空間に真空断熱パネル3を配置する断熱箱体において、外箱と真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂6を注入できるような位置と、内箱と真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂5を注入できるような位置とに、それぞれ注入口4,4を設け、それぞれの注入口4,4にポリウレタン樹脂6,5を注入する際に、外箱1と真空断熱パネル3間の空隙距離と内箱2と真空断熱パネル3間の空隙距離にそれぞれ対応してポリウレタン樹脂5の注入開始の時間を異ならせることで、それぞれの空隙距離をもつそれぞれの空隙空間にポリウレタンフォームの未充填部を形成させない構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱パネルの配置された断熱箱体及びその製造方法に係り、特に冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵ショーケースおよび自動販売機などに用いる断熱箱体に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、いずれの分野においても省エネルギー化は課題となっており、熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱箱体が求められている。
そこで、硬質ポリウレタンフォームと熱伝導率の低い真空断熱パネルとを併用して断熱層とする断熱箱体が、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に提案されている。特許文献1〜3に提示された断熱箱体の製造方法は、外箱及び内箱からなる箱体を形成し、この箱体の外箱と内箱との間に形成される空間に真空断熱パネルを配置した状態で硬質ポリウレタンフォームを充填して形成した断熱箱体である。
従来、真空断熱パネルは、冷蔵庫外箱に接着剤にて貼り付けているが、この手法においては、放熱パイプ等の部品によって、真空断熱パネルの貼付け領域が制約され、効果が目減りすることがあった。さらに、外箱鋼板に直接に真空断熱パネルを貼り付けることにより、この真空断熱パネルの外被材を通して熱移動が促進されること(ヒートブリッジ効果)となってしまい、想定した断熱性能が得られないことがあった。
そこで、冷蔵庫外箱と内箱間の空隙部においてスペーサを介在させて浮かせた状態で真空断熱パネルを設置する手法が、例えば特許文献4で提案されている。
特開2000−283385号公報 特開2001−99392号公報 特開2002−90048号公報 特開2005−55086号公報
しかしながら、特許文献4に開示されたように、真空断熱パネルを外箱と内箱間の空隙部に設置する場合、硬質ポリウレタン樹脂が流動する空隙が非常に小さくなり、流動抵抗が大きくなることから未充填部(ポリウレタンフォームの形成ルートの差異によって発生するポリウレタンフォームの存在しない空洞部)が発生する課題があった。また、薄肉部ではポリウレタンフォーム表面層近傍にスキン層の発生が顕著となり(ポリウレタンフォームが形成される中央部分に比べてその周辺部分ではフォーム形成速度が低下し発泡状態が良くない層ができる)、断熱性能の悪化に繋がった。
これらの課題を解決するためには、硬質ポリウレタン樹脂自体の特性を高流動タイプにする等の原料側からの改善のアプローチがあるが、断熱性能と流動性を共に満足する処方の構築には限界がある。逆に、冷蔵庫の箱体構造からの改善アプローチもあるが、断熱厚さを大きくすることは冷蔵庫内容積の縮小に繋がり、冷蔵庫自体の使い勝手が悪くなる。
また、スペーサによる真空断熱パネルの設置方法についても課題があった。真空断熱パネルの固定が不十分であると、ポリウレタン樹脂の流動により真空断熱パネルが波打ち現象を起こし、ウレタン流動空隙が不均一となり、真空断熱パネルを挟んだ左右でポリウレタンフォームの形成速度が大きく異なり、一方からの発泡樹脂圧による真空断熱パネルの剥がれ、ずれ、流れ等の課題が生じた。
また、外箱と内箱の間で、真空断熱パネルの設置していない通常の肉厚のある部分においては、ポリウレタン樹脂の流動は、真空断熱パネルの設置部位よりも優勢であり、部分によっては、パネル非設置部位で先に立ち上がったポリウレタンフォームが、パネル設置部位で後から立ち上がってくる真空断熱パネル部分のポリウレタンフォームの上から蓋をするような形で行く手を阻み、発泡時に発生するガスの抜け道を遮ることからエアパック状態(ガスでパッキングした状態、すなわち空洞部)となり、未充填部が発生する課題があった。
本発明は、ポリウレタンフォームの形成ルートの差によってポリウレタンフォームの立ち上がり時間が異ならないようにすることで、ポリウレタンフォームの未充填部の発生を防止する断熱箱体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
外箱と内箱の間に形成される空間に真空断熱パネルを配置する断熱箱体において、前記外箱と前記真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂を注入できるような位置と、前記内箱と前記真空断熱パネルの間に前記ポリウレタン樹脂を注入できるような位置とに、それぞれ注入口を設け、前記それぞれの注入口に前記ポリウレタン樹脂を注入する際に、前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離にそれぞれ対応して前記ポリウレタン樹脂の注入開始の時間を異ならせることで、それぞれの空隙距離をもつそれぞれの空隙空間にポリウレタンフォームの未充填部を形成させない構成とする。この構成の採用に際して、前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離の内で、前記空隙距離の小さい方の前記空隙空間に対応する注入口に先に前記ポリウレタン樹脂を注入し、所定時間経過後に前記空隙距離の大きい方の前記空隙空間に対応する注入口に前記ポリウレタン樹脂を注入すること。
また、外箱と内箱の間に形成される空間に真空断熱パネルを配置する断熱箱体において、前記外箱と前記真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂を注入できるような位置と、前記内箱と前記真空断熱パネルの間に前記ポリウレタン樹脂を注入できるような位置とに、それぞれ注入口を設け、前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離の内で前記空隙距離の小さい方の注入口から注入するポリウレタン樹脂は、そのポリウレタンフォーム反応性が前記空隙距離の大きい方の注入口から注入するポリウレタン樹脂のポリウレタンフォーム反応性より速反応性をもつものである構成とする。
本発明によれば、ポリウレタン樹脂の注入開始に時間差をもたせたり、反応性の異なるポリウレタン樹脂を注入することにより、真空断熱パネルと内箱間及び真空断熱パネルと外板間の不均衡さにより生じるウレタンフォームの立ち上がり時間を一定化することが可能となり、未充填部の発生を防止して、断熱性能に優れた冷蔵庫を実現することができる。
本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫の背面部からの斜視図であり、並列した2つのウレタン注入口を示す図である。 本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫の背面部からの斜視図であり、互い違いに配列した2つのウレタン注入口を示す図である。 本実施形態に係る冷蔵庫における側面部の断面図である。 本実施形態に関する真空断熱パネルの断面図である。 本実施形態に係る冷蔵庫における真空断熱パネルと外箱又は内箱との空隙距離の差によってポリウレタン樹脂の注入開始時間を異ならせる実施例1を示す図である。 本実施形態に係る冷蔵庫における真空断熱パネルと外箱又は内箱との空隙距離の差によってポリウレタン樹脂の注入開始時間を異ならせる実施例2を示す図である。 本実施形態に係る冷蔵庫における真空断熱パネルと外箱又は内箱との空隙距離の差によって反応性の異なるポリウレタン樹脂を注入する実施例3を示す図である。
本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫について、図1〜図7を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫の背面部からの斜視図であり、並列した2つのウレタン注入口を示す図である。図2は本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫の背面部からの斜視図であり、互い違いに配列した2つのウレタン注入口を示す図である。図3は本実施形態に係る冷蔵庫における側面部の断面図である。図4は本実施形態に関する真空断熱パネルの断面図である。
また、図5は本実施形態に係る冷蔵庫における真空断熱パネルと外箱又は内箱との空隙距離の差によってポリウレタン樹脂の注入開始時間を異ならせる実施例1を示す図である。図6は本実施形態に係る冷蔵庫における真空断熱パネルと外箱又は内箱との空隙距離の差によってポリウレタン樹脂の注入開始時間を異ならせる実施例2を示す図である。図7は本実施形態に係る冷蔵庫における真空断熱パネルと外箱又は内箱との空隙距離の差によって反応性の異なるポリウレタン樹脂を注入する実施例3を示す図である。
まず、本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫における、ポリウレタン樹脂の注入とポリウレタンフォームの発泡の基本的態様について、図1〜図4を参照しながら以下説明する。
図1と図2は、本実施形態に係る縦長直方体の冷蔵庫を、その背面側を上とし且つ天井側を手前として倒した場合の図である。冷蔵庫の両側面部における外箱1と内箱2の略中間位置に真空断熱パネル3を配置している。ウレタン注入口4は冷蔵庫の背面側の両側面部に設けられている。
外箱1と内箱2との間に形成される断熱空間に真空断熱パネル3を配置した冷蔵庫において、ウレタン注入口4からポリウレタン樹脂を注入するが、ウレタン注入口4は、外箱1と真空断熱パネル3間に符号6のように注入可能な位置と内箱2と真空断熱パネル3間に符号5のように注入可能なようにそれぞれ設置する。
真空断熱パネル3の構造については図4に示すように、ガス成分や水分を吸着する吸着剤9を保持したバインダを含まないグラスウールの積層体を有機フィルムから形成される内包材10に挿入し真空脱気して成形した芯材11を、ガスバリヤ性を有する外包材12内に挿入後、真空引きを行い所定時間後に封止することにより作製される。ここで、積層体を形成する材料は、グラスウールに拘らず、樹脂繊維やセラミックス繊維等でもよい。また、図示する内包材10は無くても構わない。
注入されたポリウレタン樹脂5及び6は冷蔵庫のフランジ部7(図1においてウレタン注入口4とは反対側の冷蔵庫前面側の部分)において液状態で平面方向に広がりながら流動し、続いて発泡しながら冷蔵庫側面部に沿ってポリウレタンフォームを形成しながら立ち上がっていく。続いて、冷蔵庫の側面部を立ち上がっていくポリウレタンフォームは、図3に示すように、冷蔵庫の背面側に沿って背面側の中央部に設けられたガス抜き孔8に向かって進んでいく。ここで、ウレタン注入口4に注入されるポリウレタン樹脂は液状であり、フランジ部7では液と固体の混合状態であり、続いてポリウレタン樹脂が発泡しながら固化しつつ立ち上がっていくのであり、この状態をポリウレタンフォームと称する。
上述したように、ポリウレタンフォームは冷蔵庫の背面中央部に予め設けられたガス抜き孔8に向かって樹脂化しながら流動を継続し、充填を完了する。その際、外箱1と真空断熱パネル3間をウレタン樹脂が流動するタイミングと、内箱2と真空断熱パネル3間にウレタン樹脂が流動するタイミングが重要となる。
そもそも、ポリウレタン樹脂は発泡によりフォームを形成しながら流動していくが、特に冷蔵庫側面部を流動している際は、まだ発泡の初期段階であるため泡化〜ゲル状態であり、ポリウレタン樹脂が空隙に流入していく際は、その流動抵抗が少ない部分、例えば空隙距離(真空断熱パネルと外箱との空隙距離、又は真空断熱パネルと内箱との空隙距離)が大きい部分に優先的に流動していく特性がある。
したがって、空隙距離に相違がある場合に、同じ反応性のポリウレタン樹脂を全ての注入口から同時に注入する場合、空隙距離が大きい方を流動するポリウレタン樹脂が早い時間でフォーム化しながら立ち上がっていくこととなる。すなわち、真空断熱パネルとの空隙距離の大きい区間を先に立ち上がりきり、反対側の空隙距離が小さい方に対して図1で上側から流入していき、蓋をしてしまう状態になることが想定される。
上部を蓋されてしまうと、空隙距離が小さい方を下部から立ち上がってくるポリウレタンフォームは、発生する発泡ガスの逃げ場所が無くなってしまい、所謂エアパック状態となり、未充填部が形成されてしまう可能性が高い。未充填部(ポリウレタンフォームの存在しない空洞部)が形成されてしまうとその部分の熱移動が大きくなってしまい、冷蔵庫断熱性能の大幅悪化に繋がってしまう。
ここで、ウレタン注入口4は真空断熱パネル3の長辺の範囲内(図1の例で、真空断熱パネル3における冷蔵庫高さ方向の長さ範囲内)にあることが好ましい。図1に示すとおり横一線に並んでいても(図1に示す2つのウレタン注入口4が冷蔵庫の高さ方向で同一位置に並列している状態)それほど支障は無いが、大型化がトレンドである昨今の冷蔵庫においてポリウレタン樹脂を充填させるには、液状態でのポリウレタン樹脂の流動が重要であり、そのためには注入口は図2に示すようにある程度離れていること(図2で距離d)が好ましい。すなわち、フランジ部7の端部(冷蔵庫の側面部における天井側と底面側)においても、液状態のポリウレタン樹脂が流動しているような位置(ポリウレタン樹脂が固化してしまわない位置)にウレタン注入口4を設ける必要があり、そうすると、2つの注入口は距離dを設けることが好都合となる。
しかし、真空断熱パネル3がカバーされている範囲外に全てのウレタン注入口3を設定した場合、図3に示す空隙空間aとbにポリウレタン樹脂が流入する際、それまでの空隙距離(真空断熱パネルが不存在である外箱と内箱の距離)と比較して、一気に狭くなるため流動抵抗が大きくなるため、未充填部やスキン層の優勢化、ウレタン注入量の増加(空隙距離が狭くなることによりフォームの立ち上がり途中で固化が始まるのを防止するために、多量のポリウレタン樹脂を注入すること)等の弊害が考えられるため、注入口間距離dは、少なくとも真空断熱パネルの長辺距離以内とする。
「実施例1」
本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫における実施例1について図5を用いて説明する。外箱1と内箱2との間に形成される断熱空間に真空断熱パネル3を配置した冷蔵庫において、外箱1と真空断熱パネル3間の空隙距離aより内箱2と真空断熱パネル3間の空隙距離bが大きい場合(a<b)、先に、空隙空間の小さい外箱1と真空断熱パネル3間の一方の断熱空間に注入発泡を行い、空間が狭く流動抵抗の大きい部分のフォーム化を促進させる。そして、一定時間経過後に他方の空隙空間の大きい内箱2と真空断熱パネル3間に注入発泡する。他方の空隙空間は流動抵抗も少なく比較的スムーズに流動及び発泡が進行する。図5で空隙空間に示す波形はウレタンフォームの立ち上がり先端部を示している。
先行して発泡させた空間a側の硬質ウレタンフォームが、空間b側を蓋する前に、空間b側をフォームが立ち上がってきてそれぞれ合わさるが、空間a側を立ち上がってきた硬質ウレタンフォームは、予め冷蔵庫背面外箱に設置しておいたガス抜き孔8に、空間b側を立ち上がってきた硬質ウレタンフォームは、予め冷蔵庫背面内箱に設置しておいたガス抜き孔8に向かって流動を進行し、ウレタンフォームが充填されることになる。
なお、図5において、左から5番目の図に示す点線は内側と外側からのウレタンフォームの合わせ目を示している。本実施例1のように時間差をもってポリウレタン樹脂を注入するのではなくて、略同時に注入すると内側と外側の合わせ目(目視可能なもの)の位置が左から5番目の図に示す位置とは異なる位置に合わせ目が現出することとなる。
「実施例2」
本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫における実施例2について図6を用いて説明する。図6に示すとおり、外箱1と内箱2との間に形成される断熱空間に真空断熱パネル3を配置した冷蔵庫において、外箱1と真空断熱パネル3間の空隙距離aより内箱2と真空断熱パネル3間の空隙距離bが小さい場合(a>b)、先に、空隙空間の小さい内箱2と真空断熱パネル3間の一方の断熱空間に注入発泡を行い、空間が狭く流動抵抗の大きい部分のフォーム化を促進させる。そして、一定時間経過後に他方の空隙空間の大きい外箱1と真空断熱パネル3間に注入発泡する。他方の空隙空間は流動抵抗も少なく比較的スムーズに流動及び発泡が進行する。先行して発泡させた空間b側の硬質ウレタンフォームが、空間a側を蓋する前に、空間a側をフォームが立ち上がってきてそれぞれ合わさるが、空間a側を立ち上がってきた硬質ウレタンフォームは、予め冷蔵庫背面外箱に設置しておいたガス抜き孔8に、空間b側を立ち上がってきた硬質ウレタンフォームは、予め冷蔵庫背面内箱に設置しておいたガス抜き孔8に向かって流動を進行し、充填に至る。
「実施例3」
本発明の実施形態に係る断熱箱体を備えた冷蔵庫における実施例3について図7を用いて説明する。図7に示すとおり、外箱1と内箱2との間に形成される断熱空間に真空断熱パネル3を配置した冷蔵庫において、外箱1と真空断熱パネル3間の空隙距離aより内箱2と真空断熱パネル3間の空隙距離bが大きい場合(a<b)において、全てのウレタン注入口から同時に注入発泡する際、空隙空間の小さい空隙a側に注入するウレタン処方の反応性を速反応処方とし、空隙空間の大きい空隙b側に注入するウレタン処方の反応性を遅反応とすることにより、空間が狭く流動抵抗の大きい部分の流動及びフォーム化と、空間が広く流動抵抗も少なく比較的スムーズに流動及び発泡が進行する部分のフォーム化の時間を均一化した。すなわち、ウレタンフォームの発泡反応性の遅い材料と速い材料を空隙の大小で使い分けすることで未充填部の発生を防止するものである。
先行して発泡させた空間a側の硬質ウレタンフォームが、空間b側を蓋する前に、空間b側をフォームが立ち上がってきてそれぞれ合わさるが、空間a側を立ち上がってきた硬質ウレタンフォームは、予め冷蔵庫背面外箱に設置しておいたガス抜き孔8に、空間b側を立ち上がってきた硬質ウレタンフォームは、予め冷蔵庫背面内箱に設置しておいたガス抜き孔8に向かって流動を進行し、充填に至る。
この際、それぞれのウレタン注入口5,6から全て反応性が異なるウレタン処方を注入しても構わない。また、反応性の操作については、それぞれの注入口5,6に繋がる原料供給系統において、原料管理温度操作によって調整しても構わない。つまり、処方系統自体は全て同じであっても構わない。反応性については、泡化から樹脂化が始まるまでの時間にて管理する。とりわけ、ゲルタイムにおいて、反応の速い/遅いを判断する。ゲルタイムが若干秒でも遅い場合、その処方は他の処方に対して遅反応であると判断する。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る断熱箱体は、次のような課題を解決するための構成を備えたことを特徴とするものである。すなわち、真空断熱パネルを断熱箱体の断熱空間の中間部分に設置する場合に、ポリウレタン樹脂の流動において、流動通路の大小や発泡ガスのガス抜き不十分による未充填部の発生、又は薄肉部ではポリウレタンフォーム表面層近傍に発泡状態不良のスキン層の発生によって、断熱性能が悪化するという課題解決のために、外箱と真空断熱パネル間にポリウレタン樹脂が注入できるような位置と、内箱と真空断熱パネル間にポリウレタン樹脂が注入できるような位置に設けた注入口からそれぞれポリウレタン樹脂を注入する場合、外箱と真空断熱パネル間の距離および内箱と真空断熱パネル間の距離に応じて、注入開始する時間に差をつけて注入発泡すること、或いは全注入口から同時に注入発泡する場合、外箱と真空断熱パネル間の距離および内箱と真空断熱パネル間の距離に応じてウレタン処方の反応性の相違を付けること、という構成を採用することに、ウレタンフォームの形成時間差を少なくし未充填ボイドの発生やスキン層の発生を抑制し、優れた断熱性能を得るものである。
1 外箱
2 内箱
3 真空断熱パネル
4 ウレタン注入口
5 ポリウレタン樹脂
6 ポリウレタン樹脂
7 フランジ部
8 ガス抜き孔
9 吸着材
10 内包材
11 芯材
12 外包材

Claims (6)

  1. 外箱と内箱の間に形成される空間に真空断熱パネルを配置する断熱箱体において、
    前記外箱と前記真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂を注入できるような位置と、前記内箱と前記真空断熱パネルの間に前記ポリウレタン樹脂を注入できるような位置とに、それぞれ注入口を設け、
    前記それぞれの注入口に前記ポリウレタン樹脂を注入する際に、前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離にそれぞれ対応して前記ポリウレタン樹脂の注入開始の時間を異ならせることで、それぞれの空隙距離をもつそれぞれの空隙空間にポリウレタンフォームの未充填部を形成させない構成とする
    ことを特徴とした断熱箱体。
  2. 請求項1において、
    前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離の内で、前記空隙距離の小さい方の前記空隙空間に対応する注入口に先に前記ポリウレタン樹脂を注入し、所定時間経過後に前記空隙距離の大きい方の前記空隙空間に対応する注入口に前記ポリウレタン樹脂を注入する
    ことを特徴とする断熱箱体。
  3. 請求項1または2において、
    前記それぞれの空隙空間に対応する注入口は、前記真空断熱パネルの薄厚方向からみた矩形形状の真空断熱パネルの長辺部の範囲内に位置させる
    ことを特徴とする断熱箱体。
  4. 外箱と内箱の間に形成される空間に真空断熱パネルを配置する断熱箱体において、
    前記外箱と前記真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂を注入できるような位置と、前記内箱と前記真空断熱パネルの間に前記ポリウレタン樹脂を注入できるような位置とに、それぞれ注入口を設け、
    前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離の内で前記空隙距離の小さい方の注入口から注入するポリウレタン樹脂は、そのポリウレタンフォーム反応性が前記空隙距離の大きい方の注入口から注入するポリウレタン樹脂のポリウレタンフォーム反応性より速反応性をもつものである
    ことを特徴とする断熱箱体。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の断熱箱体を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  6. 外箱と内箱の間に形成される空間に真空断熱パネルを配置する断熱箱体の製造方法において、
    前記外箱と前記真空断熱パネルの間にポリウレタン樹脂を注入できるような位置と、前記内箱と前記真空断熱パネルの間に前記ポリウレタン樹脂を注入できるような位置とに、それぞれ注入口が設けられ、
    前記それぞれの注入口に前記ポリウレタン樹脂を注入する際に、前記外箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離と前記内箱と前記真空断熱パネル間の空隙距離の内で、前記空隙距離の小さい方の前記空隙空間に対応する注入口に、まず先に前記ポリウレタン樹脂を注入し、
    次に所定時間経過後に前記空隙距離の大きい方の前記空隙空間に対応する注入口に前記ポリウレタン樹脂を注入する
    ことを特徴とした断熱箱体の製造方法。
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