JP2017154405A - 発泡管継手 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、空調機等に取り付けられ排水用竪管にドレン排水を流水させるドレンパイプを接続する管継手としては、例えば特許文献1に示されるような結露防止のために、内部に発泡樹脂層を有する断熱効果をもたせたものが広く用いられている。この場合には、配管施工後、保温材を巻いたり被せたりする作業を行わなくても済むようになる。
つまり、特許文献1に記載の管継手は、本体部の外側(内層及び外層をなすスキン層)および受口部が非発泡性樹脂により形成され、本体部の内側(スキン層の内部)が発泡性樹脂により形成された構成であり、空調設備等の断熱が必要な排水管路に使用されている。
そして、本発明では、受口部も発泡倍率が1.0倍以上の発泡樹脂となり、断熱性をもたせることができるので、パイプの挿入不足時における結露を防止することができる。
さらに、ストッパーの発泡倍率が受口開口部側よりも低く高密度になり、受口部のテーパ部分よりも硬さが硬くなるため、受口部に挿入されるパイプの挿入方向への移動を確実に規制することができる。
発泡管継手1は、本体部11及び受口部12ともに熱可塑性樹脂からなる発泡性樹脂を発泡させて一体的に形成されている。具体的に発泡管継手1は、図2に示すように、直管をなす本体部11の両端11a、11bおよび管軸O方向に直交する方向に開口する分岐端部11cの3箇所の開口部のそれぞれに受口部12A、12B、12Cが設けられたチーズ部材を構成している。
ここで、本体部11において、図3の符号Rで示す曲面状の部分を以下、本体肉厚部11Aという。
受口部12(12A、12B、12C)は、本体部11側のストッパー13の発泡倍率が受口開口部12b側よりも小さくなっている。
そして、本実施の形態では、本体肉厚部11Aの発泡層率が70〜95%であり、受口部12の発泡層率が20〜95%となっている。
また、1/4厚み部P2の数値範囲は、表層P1と1/2厚み部P3を上記範囲になるよう調整することにより設定された範囲である。このような数値範囲とすることで、表層P1〜1/4厚み部P2〜1/2厚み部P3にかけて連続的に気泡が形成されるため、空隙ができない利点がある。なお、1/4厚み部P2の気泡数の範囲が表層P1、1/2厚み部P3と重なっているが、気泡は連続的に形成されるものであるから、気泡数は表層P1<1/4厚み部P2<1/2厚み部P3となっている。例えば、表層P1の気泡数が35個/mm2のとき、1/4厚み部P2>35個/mm2となり、1/2厚み部P3の気泡数が85個/mm2のとき1/4厚み部P2<85個/mm2となる。
そして、1/2厚み部P3の気泡数が上述した範囲内であれば、熱伝導率と密度(強度)のバランスが良い。1/2厚み部P3の気泡数が300個/mm2以上になると、密度が低下しすぎて継手としての強度が不足する。1/2厚み部P3の気泡数が80個/mm2未満の場合には、断熱性能が不足する。
本実施の形態では、本体部11の底部に射出ゲート部14を設けて、下側から射出成形機のノズル16によって発泡性樹脂Jを注入する。射出ゲート部14から注入された発泡性樹脂Jは、射出ゲート部14の周辺部分から発泡が開始されるとともに、金型15のキャビティ空間15Aの奥へ押し込んでいく。具体的には、上下方向よりも重力による抵抗が少ない横方向、すなわち図2に示すように管軸O方向の両端の第1受口部12Aおよび第2受口部12Bに向かって発泡していく。そして、発泡性樹脂Jが横方向へ発泡して本体部11との境界線部分(ストッパー13部分)に達すると、次に上方の第3受口部12Cに向かって発泡される。
そして、本実施の形態では、受口部12も発泡倍率が1.0倍以上の発泡樹脂となり、断熱性をもたせることができるので、パイプの挿入不足時における結露を防止することができる。
さらに、ストッパー13の発泡倍率が受口開口部12b側よりも低く高密度になり、受口部12のテーパ12a部分よりも硬さが硬くなるため、受口部12に挿入されるパイプの挿入方向への移動を確実に規制することができる。
実施例では、上述した実施の形態の発泡管継手における各部の発泡倍率を測定し確認を行った。すなわち、図7に示すように、発泡性樹脂としてポリ塩化ビニルを使用し、単層成形により製造されたチーズ部材からなる発泡管継手1において、本体部11(本体肉厚部11A)と受口部12(12A、12B、12C)のそれぞれの発泡倍率を確認した。この発泡管継手1としては、発泡性樹脂を使用し、汎用の単軸機により射出により成形したものである。
なお、成形条件(射出速度、計量値など)を変化させると、発泡倍率は変化する。
そして、管軸O方向で中央部分の底部、すなわち射出ゲート部14を有する箇所(No.8)の発泡倍率が1.35%で最も低くなっており、管軸O方向で射出ゲート部14から離れるほど、つまり受口部12A、12B側ほど発泡倍率が高くなっている。また、第3受口部12Cの受口軸O2に沿う上下方向においても射出ゲート部14から離れるほど、つまり第3受口部12C側ほど発泡倍率が高くなっていることがわかる。
例えば、上述の本実施の形態では、発泡管継手1として、チーズ部材を対象としているが、継手形状はこれに制限されることはなく、例えばエルボ、レジューサ、バルブソケット、ニップル等を対象とすることができる。また、異径のものであってもかまわない。
1a 表面
11 本体部
12、12A、12B、12C 受口部
12a テーパ
12b 受口開口部
13 ストッパー
14 射出ゲート部
P1 表層
P2 1/4厚み部
P3 厚み中心部
Claims (2)
- 本体部と、該本体部の開口部に一体に形成された受口部と、を有し、熱可塑性樹脂によって形成された発泡管継手であって、
前記本体部における本体肉厚部の発泡倍率は、1.2〜2.0倍で、かつ射出ゲート部からの距離が大きくなるほど高倍率となり、
前記受口部の発泡倍率は、1.0倍以上であることを特徴とする発泡管継手。 - 前記受口部は、
受口軸方向に沿って受口開口部から本体部に向けて受口部の内径が小さくなるテーパが形成され、
前記本体部側に形成されるストッパーの発泡倍率は、前記受口開口部側よりも低くなっていることを特徴とする請求項1に記載の発泡管継手。
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