JP6943597B2 - 発泡管継手およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は発泡管継手およびその製造方法に関する。
従来、鋼管や合成樹脂管からなる配管周りをグラスウール等の保温材で被覆することによって配管周りの結露等を防止するのが一般的である。
しかし、上記従来の方法では、配管の作業とは別に、保温材を巻いたり被せたりする作業が必要であるため作業効率が悪く、狭い作業スペースでは作業を行えない場合もある。
そこで、断熱層となる発泡層を有する樹脂製の配管や管継手が提案されている。断熱層を設けることにより、配管施工後に保温材で被覆しなくても結露の防止が可能となる。
一般的な管継手にあっては、流路となる本体部の開口部に、本体部の開口部よりも内径が大きい受口部が一体的に設けられており、この受口部に他の管部材が挿入されるようになっている。
特許文献1には、本体部の内部に発泡樹脂からなる断熱層を備える発泡管継手が提案されている。特許文献1には、管継手の製造に使用できる樹脂として、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられており、現行品では、耐衝撃性、耐熱性に優れるABS樹脂が使用されている。
特許第3699579号公報
近年、発泡管継手の用途も広がり、例えば、耐薬品性に優れる管継手のニーズがある。
塩化ビニル樹脂は耐薬品性に優れるが、現行のABS樹脂に比べると耐衝撃性が劣る。
本発明は、耐薬品性および耐衝撃性に優れる発泡管継手およびその製造方法の提供を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を、発泡・成形してなる発泡管継手であって、内部に流路を有する本体部と、該本体部の開口部に一体に形成された受口部とを有し、(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が0.3〜0.7であり、本体部中央における発泡倍率が1.2〜2.5倍であり、かつ受口部の開口端部における発泡倍率が1.2〜1.5倍である、ことを特徴とする発泡管継手。
[2] 前記[1]の発泡管継手の製造方法であって、塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を射出成形する、発泡管継手の製造方法。
本発明によれば、耐薬品性および耐衝撃性に優れる発泡管継手が得られる。
本発明の一実施形態に係る発泡管継手を示す側面図である。 図1に示す発泡管継手の縦断面図である。 図1に示すA−A線断面図である。
以下、本発明の実施の形態による発泡管継手について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の発泡管継手1は、例えばドレンパイプの接続に使用されるチーズ型(ティー型)管継手である。
発泡管継手1は、第1の管軸O1と、第2の管軸O2を有する。二つの管軸O1及びO2は直線状であり互いに直交する。
発泡管継手1は、内部に流路(例えばドレンの流路)を有する管状の本体部10と、この本体部10の三つの開口部11にそれぞれ一体に形成された受口部12を有する。発泡管継手1は、本体部10と受口部12とが一体的に形成された発泡樹脂層からなる。
受口部12には、本体部10の開口部11の内径とほぼ同内径の管部材(例えばドレンパイプ)が挿入される。受口部12の開口部の内径D2は、本体部10の開口部11の内径D1より大きい。
以下、本体部10の三つの開口部11のうち、二つは第1の管軸O1と同軸の円形である。第1の管軸O1の一端側の開口部を第1の本体開口部11a、他端側の開口部を第2の本体開口部11bということもある。残りの一つは第2の管軸O2と同軸の円形であり、第3の本体開口部11cということもある。
また、三つの受口部12のうち、二つは第1の管軸O1と同軸の管状である。第1の管軸O1の一端側の受口部を第1の受口部12A、他端側の受口部を第2の受口部12Bということもある。残りの一つは第2の管軸O2と同軸の管状であり、第3の受口部12Cということもある。
本体部10の表面上であって、第1〜3の受口部12A〜12Cの、各開口部12bからの距離が最も遠い位置に、成形時に射出される位置となる射出ゲート部14が設けられている。
図2に示すように、受口部12の内面は、開口部12bから内方に向かって漸次縮径するテーパ部12aと、テーパ部12aの本体部10側の端部から、本体部10の開口部11に達するまで、さらに漸次縮径する段部13を有する。段部13は、受口部12に挿入された管部材の先端面が突き当たるストッパーとしての役割を果たす。
発泡管継手1は、塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を、発泡・成形して形成される。本発明の発泡管継手の製造方法は発泡性樹脂組成物を射出成形する方法である。
具体的には、発泡性樹脂組成物を射出成形機に供給し、加熱して塩化ビニル樹脂を溶融し、金型内に射出し、冷却して所望の形状に成形する。発泡性樹脂組成物中の発泡剤は、加熱によって分解されガスを発生し、溶融した塩化ビニル樹脂中に独立気泡が形成される。こうして得られる発泡管継手は、全体が発泡樹脂層からなる。
成形時に射出される位置となる射出ゲート部14は、金型全体に発泡性樹脂組成物を充填できる位置であればよく、特に限定されない。本実施形態では、本体部10の表面上において、第1〜3の受口部12A〜12Cの各開口部12bからの距離が最も遠い位置に射出ゲート部14が設けられている。
金型の温度は、射出直前の発泡性樹脂組成物の温度よりも低く、射出された発泡性樹脂組成物は金型内を流動する間に温度が低下する。例えば、射出される直前の発泡性樹脂組成物の温度(成形温度)は150〜190℃が好ましく、160〜180℃がより好ましい。また発泡性樹脂組成物が射出される直前の金型の温度は20〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
発泡性樹脂組成物については後述する。
発泡管継手1は、(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が0.3〜0.7である。
本発明において、最も長い管軸(本実施形態では第1の管軸O1)上の点であって、該管軸の一端側の開口部(第1の本体開口部11a)および他端側の開口部(第2の本体開口部11b)から等距離にある点P1を通り、該管軸に垂直な面で、本体部10を切断して得られる断面を本体部中央の断面とする。本実施形態では、図3に示す断面のうち、符号Rで示す部分が本体部中央の断面である。
本体部中央の断面における本体部10(射出ゲート部は除く)の厚さT1を本体部中央の厚さとする。本体部中央の断面において、本体部10の厚さT1が均一でない場合は、最も厚い箇所における厚さを本体部中央の厚さとする。
本発明において、受口部12の管軸上の点であって、受口部12の開口部12bおよび本体部10の開口部11から等距離にある点P2を通り、該管軸に垂直な面で、受口部12を切断して得られる断面を受口部中央の断面とする。受口部中央の断面における受口部12の厚さT2を受口部中央の厚さとする。受口部中央の断面において、受口部12の厚さT2が均一でない場合は、最も厚い箇所における厚さを受口部中央の厚さとする。
発泡管継手1を構成する複数の受口部12の全部において、それぞれの(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が上記の範囲内であればよい。
本発明では、(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比を上記範囲の下限値より大きくすることによって、本体部の発泡倍率を高くすることができる。その結果、発泡管継手1全体が軽量化され、耐衝撃性が向上する。
本体部の発泡倍率が高くなる理由は以下のように考えられる。発泡管継手1を射出成形により製造する際、射出ゲート部14から射出された発泡性樹脂組成物は金型内を流動し、金型内の空間に充填されながら、ガスを発生して発泡する。射出ゲート部14の位置にかかわらず、発泡性樹脂組成物の一部は、本体部10に対応する空間を通って、受口部12に対応する空間に流入する。このとき、本体部10よりも受口部12の方が管壁の厚さが小さいため、発泡性樹脂組成物の流路が狭くなり、本体部10に対応する空間内の発泡性樹脂組成物に圧力が加わり、該圧力が大きいと、本体部の発泡倍率が低下する。
本発明において(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)が1に近いほど、本体部10から受口部12にかけて発泡性樹脂組成物の流路の大きさの変化が小さくなるため、本体部10に対応する空間内の発泡性樹脂組成物にかかる圧力が緩和され、発泡倍率が高くなると考えられる。
一方、(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が上記範囲の上限値を超えると、受口部12に対応する空間の隅々にまで発泡性樹脂組成物を充填するための圧力が不足して、受口部12の成形不良が生じやすい。
(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比は0.3〜0.7が好ましく、0.4〜0.6がより好ましい。
本体部中央の厚さT1は、例えば6〜12mmが好ましく、8〜10mmがより好ましい。
受口部中央の厚さT2は、例えば2〜8mmが好ましく、4〜5mmがより好ましい。
発泡管継手1は、受口部の開口端部における発泡倍率が1.2〜1.5倍である。
受口部の開口端部における発泡倍率は、受口部の開口部12bの端面を含む厚さ1〜2mmの円環状のサンプルを切り出し、その比重(x)を測定し、発泡させなかった時の樹脂の比重を、サンプルの比重(x)で除して求められる値である。
具体的には、「発泡倍率=発泡させなかった時の樹脂の比重/x」を開口端部における発泡倍率の値とする。発泡させなかった時の樹脂の比重は、上記サンプルを溶融したものから測定できる。
比重は、JIS 7122に従い、23℃±2℃で水置換式比重測定器を用いて測定する。
受口部の開口端部における発泡倍率が1.0倍に近いほど、開口部の強度は高くなり、耐衝撃性が向上する。
受口部の開口端部における発泡倍率が上記範囲の下限値以上であると断熱性能に優れ、上限値以下であると耐衝撃性に優れる。
複数の受口部において、開口端部における発泡倍率が互いに異なる場合は、最も大きい値が上記の範囲内であればよい。
本実施形態では、第1〜3の受口部12A〜12Cの各開口部12bからの距離が最も遠い位置に、射出ゲート部14が設けられているため、射出された発泡性樹脂組成物が、金型内の空間を流動して開口部12bに到達したときの、発泡性樹脂組成物の温度がより低くなりやすい。開口端部に充填された発泡性樹脂組成物の温度が低いほど、開口端部の発泡倍率が低くなりやすい。
また、本実施形態では、受口部12の内面がテーパ部12aを有し、受口部12の管壁の厚さが開口部12bに向かって小さくなっている。すなわち、金型内の受口部12に対応する空間が開口部12bに向かって狭くなっている。開口端部に対応する空間が狭いほど、開口端部の発泡倍率が低くなりやすい。
受口部12のテーパ部12aと、受口部12の外面とのなす角度θ(以下、テーパ角度θともいう)は、例えば0.05〜1.5°が好ましく、0.07〜1.2°がより好ましく、0.09〜1.18°が最も好ましい。
開口部12bにおける受口部12の厚さT3は、薄すぎると受口部12の開口部12bが衝撃を受けたときに欠けが生じすい。該厚さT3は、例えば2〜8mmが好ましく、4〜5mmがより好ましい。
発泡管継手1は、本体部中央における発泡倍率が1.2〜2.5倍であることが好ましく、1.3〜2.5倍がより好ましく、1.5〜2.2倍が最も好ましい。
本体部中央における発泡倍率は、本体部中央の断面を含む厚さ1〜2mmのサンプルを切り出し、その比重値(y)を測定し、発泡させなかった時の樹脂の比重を、サンプルの比重(y)で除して求められる値である。
具体的には、「発泡倍率=発泡させなかった時の樹脂の比重/y」を本体部中央における発泡倍率の値とする。
比重は、JIS 7122に従い、23℃±2℃で水置換式比重測定器を用いて測定する。
本体部中央における発泡倍率が上記範囲の下限値以上であると断熱性能に優れ、上限値以下であると耐衝撃性に優れる。
本体部中央における発泡倍率は、例えば成形温度、製品肉厚、配合組成によって調整することができる。
<発泡性樹脂組成物>
発泡性樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む。
塩化ビニル樹脂は、管継手の材料として公知の硬質塩化ビニル樹脂を用いることができる。硬質塩化ビニル樹脂とは、可塑剤を実質的に含まない塩化ビニル樹脂である。
塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単量体の単独重合体でもよいし、塩化ビニル単量体と、該塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、塩化アリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の単量体が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニル樹脂は単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は450〜800が好ましく、600〜700がより好ましい。
発泡剤としては、揮発性発泡剤、分解型発泡剤のいずれを使用してもよい。
揮発性発泡剤としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等が挙げられる。このうち脂肪族炭化水素としては、例えばプロパン、ブタン(ノルマルブタン、イソブタン)、ペンタン(ノルマルペンタン、イソペンタンなど)等が挙げられ、脂環族炭化水素としては、例えばシクロペンタン、シクロへキサン等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては、例えばトリクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素などの1種または2種以上が挙げられる。さらにエーテルとしては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル等が挙げられ、ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
また分解型発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウムなどの無機系発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの有機系発泡剤が挙げられる。
その他、炭酸ガス、窒素、空気等のガスを発泡剤として用いてもよい。
発泡性能に優れる観点から、分解型発泡剤が好ましく、中でも重曹、アゾジカルボンアミドがより好ましい。
これらは単独で用いられても良く、2種以上が併用されてもよい。
発泡剤の使用量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.1〜8質量部が好ましく、2〜5質量部がより好ましく、1〜3質量部が最も好ましい。
発泡性樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂および発泡剤以外の他の成分(任意成分)を含んでもよい。任意成分としては、例えば、安定剤、滑剤、加工助剤、顔料等の公知の添加剤が挙げられる。
安定剤としては、塩化ビニル樹脂の安定剤として公知の化合物を用いることができる。例えば、鉛系安定剤、CaZn系安定剤、錫系安定剤等が挙げられるが、発泡性樹脂組成物中には、鉛系安定剤が含まれないことが好ましい。
発泡性樹脂組成物中に鉛系安定剤が含まれると、アゾジカルボンアミド等の有機系発泡剤の分解が活性化され、発泡開始温度が低下する。その結果、発泡残渣が発生し、ヤケ(変色した異物)と呼ばれる製品不良が生じやすくなり、好ましくない。
発泡性樹脂組成物中の安定剤は、錫系安定剤であることが好ましい。錫系安定剤を用いることにより、塩化ビニル樹脂の熱安定性を高めやすくなり、ヤケの発生を抑えることができる。錫系安定剤としては、ジアルキル錫の有機酸塩を用いることができる。アルキル基としては、メチル、ブチル、オクチルの3種類が挙げられる。有機酸としては、チオグリコール酸のエステル、メルカプトエタノールのエステル等のメルカプト系化合物;マレイン酸エステル、マレイン酸のハーフエステルの有機錫塩等のマレート系化合物;ラウリン酸の塩等のラウレート系化合物等が挙げられる。非発泡層の透明性を担保する観点から、錫系安定剤としては、メルカプト系化合物が好ましい。例えば、ジブチル錫メルカプタン、ジオクチル錫メルカプタン等が挙げられる。
これらの錫系安定剤は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。塩化ビニル樹脂の熱安定性をより高め、加工性を向上させる観点から、錫系安定剤を2種以上併用することが好ましい。
錫系安定剤は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
錫系安定剤の含有量は、安定剤の総質量に対して95質量%以上が好ましく、100質量%が特に好ましい。
また、錫系安定剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.5質量部以上5質量部以下がより好ましく、1質量部以上5質量部以下がさらに好ましい。錫系安定剤の含有量が、前記下限値以上であると、塩化ビニル樹脂の熱安定性をより高めやすい。前記上限値以下であると、発泡性樹脂組成物の耐熱性、加工性をより高めやすい。
任意成分の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましい。
本発明の発泡管継手は、塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を、発泡・成形したものであり、耐薬品性および断熱性に優れる。また、全体が塩化ビニル樹脂の発泡層からなる成形品であるにもかかわらず、耐衝撃性に優れる。
管継手の形状は、本実施形態のチーズ型(ティー型)に限らず、エルボ、レジューサ、バルブソケット、ニップル等の各種形状を適用することができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、評価方法は、以下の通りである。
[使用原料]
塩化ビニル樹脂:重合度640、徳山積水工業社製、商品名「TS−640M」。
発泡剤:アゾジカルボンアミド、永和化成社製、商品名「AC3」。
安定剤:メチル錫、勝田化工社製、商品名「KM−19D−2」。
[耐衝撃性試験]
雰囲気温度0℃で、1mの高さから床(材質:コンクリート)に落とす落下試験を行い、下記の基準で判定した。落下試験は、1個の発泡管継手の複数の受口部の全部について行う。したがって、チーズ型管継手は、3つの受口部がそれぞれ床に衝突するように3回の落下試験を行った。
×:1つ以上の受口部で割れが発生した。
〇:全部の受口部で割れが発生しなかった。
(例1〜6)
例2〜4は実施例、例1、5、6は比較例である。
塩化ビニル樹脂100質量部と、発泡剤1質量部と、安定剤2質量部を混合した発泡性樹脂組成物を射出成形して、図1〜3に示す形状の発泡管継手を製造した。成形温度は170℃、金型温度は40℃、射出開始から脱型までの成形時間は120秒とした。
発泡管継手における各寸法が表1に示す通りとなるように、金型の寸法を変更した。
例5は、例3において射出ゲートの位置を受口部の開口部近傍に変更したほかは、例3と同様とした。
得られた発泡管継手について、表1に示す各項目について測定または評価を行った。発泡させなかった時の樹脂の比重は1.4であった。結果を表1に示す。
なお、例6は発泡性樹脂組成物の充填不足による開口部12bの成形不良が生じたため、開口端部における発泡倍率の測定および耐衝撃性試験は行わなかった。
Figure 0006943597
表1の結果に示されるように、(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が0.3〜0.7であり、本体部中央における発泡倍率が1.2〜2.5倍であり、かつ受口部の開口端部における発泡倍率が1.2〜1.5倍である例2〜4の発泡管継手は、耐衝撃性に優れる。
これに対して、受口部の開口端部における発泡倍率は1.0であるものの、(受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が小さい例1は、本体部中央における発泡倍率が低く、耐衝撃性が劣る。
例5は、射出ゲート部14の位置を変更したため、受口部の開口端部における発泡倍率が高くなり、耐衝撃性に劣る。
例6は、受口部中央の厚さ(T2)が大きすぎるため、受口部に発泡性樹脂組成物の充填不足が生じたと考えられる。
1 発泡管継手
10 本体部
11 開口部
11a 第1の本体開口部
11b 第2の本体開口部
11c 第3の本体開口部
12 受口部
12A 第1の受口部
12B 第2の受口部
12C 第3の受口部
12a テーパ部
12b 開口部
13 段部
14 射出ゲート部
O1 第1の管軸
O2 第2の管軸

Claims (6)

  1. 塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を、発泡・成形してなる発泡管継手であって、
    内部に流路を有し、前記発泡性樹脂組成物を発泡・成形した発泡樹脂層からなる本体部と、
    前記該本体部と同じ発泡性樹脂組成物を発泡・成形した発泡樹脂層からなり、前記本体部の開口部に一体に形成された受口部とを有し、
    (受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が0.3〜0.7であり、
    本体部中央における発泡倍率が1.2〜2.5倍であり、かつ
    受口部の開口端部における発泡倍率が1.2〜1.5倍である、ことを特徴とする発泡管継手。
  2. 塩化ビニル樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を、発泡・成形してなる発泡管継手であって、
    内部に流路を有する本体部と、該本体部の開口部に一体に形成された受口部とを有し、
    (受口部中央の厚さ)/(本体部中央の厚さ)の比が0.3〜0.7であり、
    本体部中央における発泡倍率が1.2〜2.5倍であり、かつ
    受口部の開口端部における発泡倍率が1.2〜1.5倍である、ことを特徴とする発泡管継手(ただし、受口部が非発泡性樹脂で形成されたものを除く)。
  3. 前記発泡管継手は、前記本体部に設けられた三つの開口部と、前記三つの開口部にそれぞれ一体に形成された三つの前記受口部とを有するチーズ型管継手であり、
    前記受口部の二つは前記本体部の管軸と同軸の円管状であり、
    前記本体部の表面上であって、前記三つの開口部からの距離が最も遠い位置に射出ゲート部が設けられている、請求項1又は2に記載の発泡管継手。
  4. 前記発泡性樹脂組成物が錫系安定剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡管継手。
  5. 前記錫系安定剤が、アルキル基がメチル基であるジアルキル錫の有機酸塩を含む、請求項4に記載の発泡管継手。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡管継手の製造方法であって、前記発泡性樹脂組成物を射出成形する、発泡管継手の製造方法。
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