JP6709079B2 - 発泡管継手 - Google Patents
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Description
一方で、空調機等に取り付けられ排水用竪管にドレン排水を流水させるドレンパイプを接続する管継手としては、例えば特許文献1に示されるような結露防止のために、内部に発泡樹脂層を有する断熱効果をもたせたものが広く用いられている。この場合には、配管施工後、保温材を巻いたり被せたりする作業を行わなくても済むようになる。
つまり、特許文献1に記載の管継手は、本体部の外側(内層及び外層をなすスキン層)および受口部が非発泡性樹脂により形成され、本体部の内側(スキン層の内部)が発泡性樹脂により形成された構成であり、空調設備等の断熱が必要な排水管路に使用されている。
また、本発明に係る発泡管継手では、前記熱可塑性樹脂が硬質塩化ビニル樹脂であり、前記本体部における見かけ密度が0.8〜1.0g/cm 3 であり、前記受口部における見かけ密度が1.0〜1.2g/cm 3 であることを特徴としてもよい。
また、表面からの管の厚み方向の1/4の距離の領域が30個/mm2以上100個/mm2未満であるので、表層〜前記1/4の距離の領域〜前記1/2の距離の領域にかけて連続的に気泡が形成され、空隙ができない利点がある。
また、表面からの管の厚み方向の1/2の距離の領域で80個/mm2以上300個/mm2未満であるので、密度が低下しすぎて継手としての強度が不足したり、断熱性能が不足することがなくなり、熱伝導率と密度(強度)のバランスを向上させることができる。
発泡管継手1は、本体部11及び受口部12ともに熱可塑性樹脂からなる発泡性樹脂を発泡させて一体的に形成されている。具体的に発泡管継手1は、図2に示すように、直管をなす本体部11の両端11a、11bおよび管軸O方向に直交する方向に開口する分岐端部11cの3箇所の開口部のそれぞれに受口部12A、12B、12Cが設けられたチーズ部材を構成している。
ここで、本体部11において、図3の符号Rで示す曲面状の部分を以下、本体肉厚部11Aという。
受口部12(12A、12B、12C)は、本体部11側のストッパー13の発泡倍率が受口開口部12b側よりも小さくなっている。
そして、本実施の形態では、本体肉厚部11Aの発泡層率が70〜95%であり、受口部12の発泡層率が20〜95%となっている。
また、1/4厚み部P2の数値範囲は、表層P1と1/2厚み部P3を上記範囲になるよう調整することにより設定された範囲である。このような数値範囲とすることで、表層P1〜1/4厚み部P2〜1/2厚み部P3にかけて連続的に気泡が形成されるため、空隙ができない利点がある。なお、1/4厚み部P2の気泡数の範囲が表層P1、1/2厚み部P3と重なっているが、気泡は連続的に形成されるものであるから、気泡数は表層P1<1/4厚み部P2<1/2厚み部P3となっている。例えば、表層P1の気泡数が35個/mm2のとき、1/4厚み部P2>35個/mm2となり、1/2厚み部P3の気泡数が85個/mm2のとき1/4厚み部P2<85個/mm2となる。
そして、1/2厚み部P3の気泡数が上述した範囲内であれば、熱伝導率と密度(強度)のバランスが良い。1/2厚み部P3の気泡数が300個/mm2以上になると、密度が低下しすぎて継手としての強度が不足する。1/2厚み部P3の気泡数が80個/mm2未満の場合には、断熱性能が不足する。
本実施の形態では、本体部11の底部に射出ゲート部14を設けて、下側から射出成形機のノズル16によって発泡性樹脂Jを注入する。射出ゲート部14から注入された発泡性樹脂Jは、射出ゲート部14の周辺部分から発泡が開始されるとともに、金型15のキャビティ空間15Aの奥へ押し込んでいく。具体的には、上下方向よりも重力による抵抗が少ない横方向、すなわち図2に示すように管軸O方向の両端の第1受口部12Aおよび第2受口部12Bに向かって発泡していく。そして、発泡性樹脂Jが横方向へ発泡して本体部11との境界線部分(ストッパー13部分)に達すると、次に上方の第3受口部12Cに向かって発泡される。
第1実施例では、発泡性樹脂としてポリ塩化ビニルを使用し、単層成形により製造されたチーズ部材からなる発泡管継手1における本体肉厚部11Aおよび受口部12の発泡層率を測定し確認を行った。本実施例の発泡管継手1としては、発泡性樹脂を使用し、汎用の単軸機により射出により成形したものである。
なお、上述した実施の形態では、発泡樹脂による単層であり、厚さ方向の全体が発泡層であるが、本実施例では、あえて低発泡部分を非発泡層と定義した表層と、発泡層とを分別することで発泡層率を確認している。
第2実施例は、図7に示すように、上述した第1実施例と同様のチーズ部材からなる発泡管継手1における本体肉厚部11Aおよび受口部12の気泡数、平均気泡径を測定して確認を行った。
図10及び図11に示すように、適宜な箇所の断面を顕微鏡で観察し、本体部11及び受口部12において、管表面から1mmの箇所(以下、表層部という)、管表面から全体厚みの1/4の箇所(以下、厚み中間部という)、管表面から全体厚みの1/2の箇所(以下、厚み中心部という)における気泡数(個/mm2)と平均気泡径(mm)を測定した。具体的には、上述した各箇所において、撮影した画像を1mm間隔のメッシュを設定し、その1つのメッシュ中の気泡数と気泡径を求めた。
例えば、上述の本実施の形態では、発泡管継手1として、チーズ部材を対象としているが、継手形状はこれに制限されることはなく、例えばエルボ、レジューサ、バルブソケット、ニップル等を対象とすることができる。また、異径のものであってもかまわない。
1a 表面
11 本体部
12、12A、12B、12C 受口部
12a テーパ
12b 受口開口部
13 ストッパー
14 射出ゲート部
P1 表層
P2 1/4厚み部
P3 厚み中心部
Claims (5)
- 本体部と、該本体部の開口部に一体に形成された受口部と、を有し、熱可塑性樹脂からなる発泡性樹脂を発泡させて前記本体部と前記受口部とが一体的に形成された発泡管継手であって、
前記発泡管継手の外面にゲート部を有し、
前記本体部における本体肉厚部の発泡層率は、70〜95%であり、かつ発泡倍率が1.2〜2.0倍、かつ前記ゲート部からの距離が大きくなるほど低密度であり、
前記受口部の発泡層率は、20〜95%であることを特徴とする発泡管継手。 - 前記本体部の平均気泡径は、
表層1mmの領域で0.03〜0.24mmであり、表面からの管の厚み方向の1/2の距離の領域で0.02〜0.03mmであり、表面からの管の厚み方向の1/4の距離の領域で0.02〜0.03mmであることを特徴とする請求項1に記載の発泡管継手。 - 前記受口部の平均気泡径は、
表層1mmの領域で0.02〜0.04mmであり、表面からの管の厚み方向の1/2の距離の領域で0.02〜0.03mmであり、表面からの管の厚み方向の1/4の距離の領域で0.02〜0.03mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡管継手。 - 前記本体部及び前記受口部の気泡数は、
表層1mmの領域で1個/mm2以上40個/mm2未満であり、表面からの管の厚み方向の1/4の距離の領域で30個/mm2以上100個/mm2未満であり、表面からの管の厚み方向の1/2の距離の領域で80個/mm2以上300個/mm2未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発泡管継手。 - 前記熱可塑性樹脂が硬質塩化ビニル樹脂であり、
前記本体部における見かけ密度が0.8〜1.0g/cm 3 であり、前記受口部における見かけ密度が1.0〜1.2g/cm 3 であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発泡管継手。
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