JP2006315388A - 塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡が微細均一であり、リサイクル樹脂を含有しても発泡が不均一とならず、プレートアウト等の成型不良が発生しない長期間の製造が可能な1台の押出機で製造できる塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法の提供。
【解決手段】押出機、不活性ガス発泡剤供給装置、温調アダプター、押出成形用金型から構成される装置において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部あたり不活性ガスを0.1〜3重量部添加し、押出機内でスクリュフライトの一部分を押出方向に対して逆フライト構造としてガスシールを行い、シリンダー温度160℃〜200℃、Q/Nsが0.7以上で溶融混練した後、樹脂温度180℃〜200℃で温調アダプターに供給し、樹脂温度180℃以下に冷却した後、押出成型用金型に供給し165℃〜180℃にて発泡倍率が1.1〜5.0倍、平均気泡径が30〜100μmである発泡体を成形する塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】押出機、不活性ガス発泡剤供給装置、温調アダプター、押出成形用金型から構成される装置において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部あたり不活性ガスを0.1〜3重量部添加し、押出機内でスクリュフライトの一部分を押出方向に対して逆フライト構造としてガスシールを行い、シリンダー温度160℃〜200℃、Q/Nsが0.7以上で溶融混練した後、樹脂温度180℃〜200℃で温調アダプターに供給し、樹脂温度180℃以下に冷却した後、押出成型用金型に供給し165℃〜180℃にて発泡倍率が1.1〜5.0倍、平均気泡径が30〜100μmである発泡体を成形する塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法に関し、詳しくは、発泡が微細均一であり、塩化ビニル系リサイクル樹脂を含有しても発泡が不均一とならず、安価でかつ長期間の安定的製造が可能な塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法に関する。
塩化ビニル系樹脂発泡体は、塩化ビニル系樹脂の特徴である優れた機械的強度、耐候性、耐薬品性と、他のプラスチック材料と比較しても安価であり、軽量であることから建築部材、管工機材、住宅資材等への応用が期待される。
また、近年環境という観点から、これまでの塩化ビニル系樹脂等で形成された樹脂製品や、製造中に発生する廃材等をリサイクル樹脂として回収し、再生利用を行っている。
また、近年環境という観点から、これまでの塩化ビニル系樹脂等で形成された樹脂製品や、製造中に発生する廃材等をリサイクル樹脂として回収し、再生利用を行っている。
そして、塩化ビニル系樹脂発泡体は、化学発泡剤や物理的発泡剤を用いて製造する方法が知られている。一般に化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、スルフォニルヒドラジド等の熱分解型有機発泡剤や、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の熱分解型無機発泡剤が広く用いられている。
前記熱分解型有機発泡剤は、塩化ビニル系樹脂中に含まれる安定剤等の配合剤中に含まれる金属成分の種類によって発泡剤の分解挙動が異なってしまい、得られる発泡体が不均一なものとなってしまう問題がある。
例えば、鉛系の安定剤では発泡剤の分解が促進され発泡倍率が大きくなる傾向にあるのに対し、錫系の安定剤では逆に発泡剤の分解が遅くなり発泡倍率が小さくなる傾向にある。
さらに、リサイクルの塩化ビニル系樹脂を用いた場合に、樹脂中に鉛安定剤と錫安定剤が混在していると、発泡時の倍率や肉厚の変動が大きくなり均一な押出成形が困難となる。また、リサイクル樹脂中には不純物が多く含まれている可能性があり、これらも均一成形を阻害する要因となりうる。しかも、リサイクル樹脂は、ゲル化特性や溶融粘度挙動が一定ではなく、ゲル化が不十分な場合は、発泡が不均一となってしまう問題がある。
一方、熱分解型無機発泡剤は熱分解型有機発泡剤に比べて分解量が少ないために発泡剤の添加量を多くする必要があり、その結果、コストが高くなり、或いは発泡剤の分解速度が緩やかで、連続気泡になりやすいという欠点があった。
また前記に加え、化学発泡剤は、発泡体中に残存する発泡剤の分解残留物のために、成形機の汚れおよびプレートアウトとして一般的に知られている金型への付着物による成形不良について問題となっている。このため、長期間製品を製造することができないという問題があった。
これに対し、物理的発泡法であるガス発泡法は、成形機で樹脂を溶融したところに、ブタン、ペンタン、ジクロロジフロロメタンのような低沸点有機化合物を供給し、混練した後、低圧域に放出することにより発泡成形する方法である。この方法に用いられる低沸点有機化合物は、樹脂に対して親和性があるため溶解性に優れ、また、保持性にも優れていることから、高倍率発泡体を得ることができるという特徴を持っている。しかしながら、これらの発泡剤は、コストが高いことに加え、可燃性や毒性等の危険性を有しており、大気汚染の問題を生じる可能性を持っている。また、ジクロロジフロロメタンをはじめとするフロン系ガスはオゾン層破壊の環境問題から全廃の方向へ進んでいる。
このような従来法の問題点を解決するために、クリーンでコストがかからない炭酸ガス、窒素等の不活性ガスを発泡剤とする方法が数多く提案されている。
例えば、第1押出機と第2押出機とが接続されるタンデム型押出成形装置を用いて、第1押出機と第2押出機との間の混合部を有するアダプターにおいて、溶融された熱可塑性樹脂と不活性ガスを十分に溶解させる方法(例えば、特許文献1参照。)、第1押出機において、熱可塑性樹脂を溶融するとともに不活性ガスを混練し、所定の温度および圧力が制御された混合部において、溶融された熱可塑性樹脂に不活性ガスを溶解させ、次いで、第2押出機において、加圧状態を維持したまま、溶融された熱可塑性樹脂を冷却し、その後、発泡させる方法(例えば、特許文献1及び2参照。)が提案されている。
しかし、タンデム型押出成形装置では、第1押出機と第2押出機およびこれら押出機を接続するスタティックミキサーなどから構成する必要があり、装置構成が複雑となって、装置のコストの上昇を生じる。また、塩化ビニル系樹脂などの熱分解を生じる樹脂においては、タンデム型押出機では滞留時間が長いため、熱分解してしまう問題が生じる。
特開平8−11190号公報
特開2003−291201号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み、塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法において、化学発泡法に比べて発泡が微細均一であり、塩化ビニル系リサイクル樹脂を含有しても発泡が不均一とならず、プレートアウト等の成型不良が発生しない長期間の製造が可能であり、製造装置のコストが安価な1台の押出機で製造できる塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、1台の押出機に温調アダプターを接続し、押出機内で塩化ビニル系樹脂組成物に特定量の不活性ガスを供給し、特定構造によりガスシールを行い、特定条件下で溶融混練、冷却、発泡を行なうことにより、微細均一でありかつ成形不良が発生せず、長期間の製造が可能な塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法が可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、押出機と温調アダプター、押出成形用金型および押出機に接続され、発泡剤である不活性ガスを供給するガス供給装置から構成される塩化ビニル系樹脂発泡体の製造装置において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部あたり不活性ガスを0.1〜3重量部添加し、前記塩化ビニル系樹脂組成物を押出機内のスクリュに供給するホッパーと前記不活性ガスを押出機内に供給する供給口間のスクリュフライトの一部分を押出方向に対して逆フライト構造としてガスシールを行い、前記塩化ビニル系樹脂組成物と不活性ガスをスクリュでシリンダー温度160℃〜200℃、Q/Ns(=吐出量[kg/h]/回転数[rpm])が0.7以上で溶融混練した後、溶融樹脂を樹脂温度180℃〜200℃で温調アダプターに供給し、温調アダプター内で樹脂温度180℃以下に冷却した後、押出成型用金型に供給し、金型温度165℃〜180℃にて発泡倍率が1.1〜5.0倍、平均気泡径が30〜100μmである発泡体を成形することを特徴とする塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系リサイクル樹脂50〜100重量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記不活性ガスが、窒素または二酸化炭素であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法が提供される。
本発明の塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法は、化学発泡法に比べて発泡が微細均一であり、リサイクル樹脂を含有しても発泡が不均一とならず、プレートアウト等の成型不良が発生しない長期間の製造が可能であり、製造装置コストが安価な1台の押出機で製造できる。
本発明は、一台の押出機を用い、不活性ガスによる塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法であって、押出機と温調アダプター、押出成形用金型および押出機に接続され、発泡剤である不活性ガスを供給するガス供給装置から構成される製造装置で、特定の条件で塩化ビニル系樹脂発泡体を製造する方法である。以下詳細に説明する。
本発明の塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法で用いる装置は、押出機と温調アダプター、押出成形用金型および押出機に接続され、発泡剤である不活性ガスを供給するガス供給装置から構成される装置であって、図で説明する。図1は、本発明の塩化ビニル系樹脂成形体の製造方法に使用される製造装置の一例の工程を説明する模式図である。
図1において、本発明で用いる装置は、押出機1に塩化ビニル系樹脂組成物を供給する原料ホッパー2、樹脂組成物と不活性ガスを溶融混練するスクリュ11とシリンダー12、および不活性ガスを原料ホッパー2側へ漏洩させない逆フライト部13から構成される押出機1、押出機1から供給される溶融樹脂の温度調節を行う温調アダプター3、所定の形状に成形を行う押出成形用金型4、冷却装置6、引取機7とから構成されている。
さらに、押出機1に不活性ガスである二酸化炭素や窒素を供給するため、押出機1の近くにボンベ51と定量ポンプ52とポンプからのガスの圧力を調整するための減圧弁53から構成されるガス供給装置5が設けられている。不活性ガスの押出機1への供給は、図1に示すように、押出機1内において塩化ビニル系樹脂組成物を溶融混練しながら、ボンベ51内の二酸化炭素または窒素が定量ポンプ52のポンプ動作と減圧弁により圧力調整され、押出機に設けられたガス注入口54に配管55を通して、押出機1内の塩化ビニル系樹脂組成物へと定量供給されるようになっている。
本発明の塩化ビニル樹脂発泡体の製造工程を説明する。原料ホッパー2から供給された塩化ビニル樹脂組成物は、押出機1内にて発泡剤である不活性ガスが供給され、塩化ビニル系樹脂組成物中に不活性ガスが溶解する。ここで、不活性ガスは、スクリュフライトの一部分を押出し方向に対して逆フライト構造にした逆フライト部13でシールされ、原料ホッパー2側へは漏洩しない。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物と不活性ガスをスクリュで溶融混練する条件としては、温度条件が低い場合、樹脂組成物に不活性ガスが十分に溶解せず、不均一発泡となり、回転数が吐出量に対して大きい場合、局所発熱が生じ樹脂が分解してしまうため、シリンダー温度160℃〜200℃、Q/Ns(=吐出量[kg/h]/回転数[rpm])が0.7以上である。
次に、スクリュ11とシリンダー12にて溶融混練した後、不活性ガスを含んだ溶融樹脂を樹脂温度180℃〜200℃で温調アダプター3に供給する。
次に、スクリュ11とシリンダー12にて溶融混練した後、不活性ガスを含んだ溶融樹脂を樹脂温度180℃〜200℃で温調アダプター3に供給する。
さらに、破泡や異常発泡等が発生しないよう温調アダプターにて温度180℃以下に冷却を行い、押出成形用金型に溶融樹脂を供給し、金型温度165℃〜180℃にて発泡され所定の形状に成形されながら、冷却装置6内で冷却されて発泡体100が成形される。さらに、冷却成形された発泡体は、引取機7に引き渡されたのち、所定の長さに切断される。
本発明における押出成形金型内に供給する溶融樹脂の温度としては、高すぎると破泡や連通化、不均一発泡が発生し、低すぎると溶融樹脂の粘度が高くなり、押出機の負荷の増大や発泡しないという問題が発生するため、前記温調アダプターにて冷却を行い180℃以下とし、金型温度を165℃〜175℃とすることがより好ましい。
本発明に用いられる温調アダプターとしては、押出機から供給された溶融樹脂を温調により温度調節可能であり、規定の吐出量で金型に供給することを損なわない限り、特に限定されないが、効率の良い温調が可能な油温調式の筒体で樹脂流路は硬質クロムメッキが施されていることが好ましい。
本発明に用いられる不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これら単独でも2種以上の混合物でも使用できる。これらの中では、特に、二酸化炭素、窒素が好ましい。二酸化炭素または窒素は、発泡剤の回収が不要となるだけでなく、樹脂に対する溶解性が高く成形が行いやすい。
発泡剤として不活性ガスを用いると、樹脂中に含まれる安定剤等の添加剤、特に添加剤中の金属成分の影響をほとんど受けずに、一定の発泡倍率で発泡し、肉厚の安定した均一な成形体が得られる。また、物理発泡剤が樹脂に溶解すると、樹脂に対して可塑化効果を示すためゲル化し易くなり、押出挙動が安定する。
不活性ガスの添加量は、所望の発泡倍率を得る為に適宜調節されるが、添加量が少なすぎると、軽量化やコストダウンの効果、断熱性等の効果を十分に発揮できず、逆に添加量が多過ぎると、破泡や連通化、不均一発泡といった成形上の不具合や、力学物性の低下等を招き好ましくない。従って、添加量としては塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜3重量部程度が好ましく、特に0.3〜1重量部が好ましい。
本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマー単独、又は塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーを重合させて得られる樹脂であり、塩化ビニルを主成分とするモノマーとは、50重量%以上の塩化ビニルとこれと共重合可能なビニルモノマーとの混合物を意味し、共重合可能なモノマーとは、通常公知のビニルモノマーであって、例えば、酢酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルビニルエーテル、エチレン、フッ化ビニル、マレイミドなどが挙げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。また、本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩素化して製造した塩素化塩化ビニル系樹脂を用いても良い。上記塩化ビニル系樹脂中のポリ塩化ビニルの重合度および塩素化度は、特に限定されない。
また、本発明においては、塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法において、発泡体を形成する塩化ビニル系樹脂組成物として、塩化ビニル系リサイクル樹脂を含有させることができる。
本発明における塩化ビニル系リサイクル樹脂とは、市中から回収された樹脂製品の樹脂部分を粉砕したものの他、工場内での成形品の端材や、成形スタート時、ストップ時、あるいはトラブル時に発生するスクラップを粉砕したもの等を再生利用する樹脂のことをいう。
本発明における塩化ビニル系リサイクル樹脂とは、市中から回収された樹脂製品の樹脂部分を粉砕したものの他、工場内での成形品の端材や、成形スタート時、ストップ時、あるいはトラブル時に発生するスクラップを粉砕したもの等を再生利用する樹脂のことをいう。
塩化ビニル系リサイクル樹脂を用いる場合、樹脂中に多数の添加剤が含まれている場合があるが、本発明の製造方法によれば、熱分解型発泡剤を使用した場合に生じていた安定剤などの種類によってガス発生量が変化し発泡倍率の変動が発生するといった問題がなく、また、滑剤の添加量の変化による粘度変化による押出変動や吐出分布を発生させるという問題が生じにくく、発泡の変動を少なくして寸法の安定した発泡体が得られる。なお、これらの塩化ビニル系リサイクル樹脂は単独で用いてもよいが、成形安定性をより改善するためにバージン(未使用)樹脂を0〜50重量部の割合で併用してもよい。
さらに、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物においては、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、可塑剤などの添加剤が添加されてもよい。
上記の条件で得られる本発明の塩化ビニル系樹脂発泡体の発泡倍率は、1.1倍〜5.0倍である。発泡倍率が小さすぎると、軽量化やコストダウンの効果、断熱性等の効果を十分に発揮できず、逆に発泡倍率が大き過ぎると、破泡や連通化、不均一発泡といった成形上の不具合や、力学物性の低下等を招き好ましくない。
また、平均気泡径は、30〜100μmのものが得られ、大きすぎると断熱性等の効果や力学物性の低下等を招く。
また、平均気泡径は、30〜100μmのものが得られ、大きすぎると断熱性等の効果や力学物性の低下等を招く。
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受けるものではない。以下の実施例、比較例で用いた評価方法、原材料は以下の通りである。
1.サンプル評価法
(1)肉厚変動
サンプル評価はプレート発泡体の肉厚変動により評価した。押出成形品を1分ごとに10回切断し、断面の4力所の肉厚(単位mm)を測定して、40のデータをとり、それらの標準偏差を算出した。
(2)発泡倍率
下式により発泡体の発泡倍率を求めた。尚、成形体及び発泡体の比重は、発泡体を水に沈めた際の発生浮力より算出したものである。
発泡倍率=発泡剤を含有しない配合組成物を押出した成形体の比重/発泡体の比重
(3)平均気泡径及び径のばらつき
得られた発泡円筒体の断面を、2次電子反射式電子顕微鏡により観察した。観察し撮影した断面写真を画像解析により白色部分(樹脂部分)と黒色部分(気泡部分)に二値化を行った。その黒色部分の面積を疑似円表面積とし、そこから気泡径を算出し平均値と気泡径の標準偏差を算出した。算出した気泡径の標準偏差を径のばらつきとした。
(4)プレートアウト
それぞれの配合を5時間、押出成形を行った後、プレート金型を解体し金型流路面のプレートアウト付着を確認した。
(1)肉厚変動
サンプル評価はプレート発泡体の肉厚変動により評価した。押出成形品を1分ごとに10回切断し、断面の4力所の肉厚(単位mm)を測定して、40のデータをとり、それらの標準偏差を算出した。
(2)発泡倍率
下式により発泡体の発泡倍率を求めた。尚、成形体及び発泡体の比重は、発泡体を水に沈めた際の発生浮力より算出したものである。
発泡倍率=発泡剤を含有しない配合組成物を押出した成形体の比重/発泡体の比重
(3)平均気泡径及び径のばらつき
得られた発泡円筒体の断面を、2次電子反射式電子顕微鏡により観察した。観察し撮影した断面写真を画像解析により白色部分(樹脂部分)と黒色部分(気泡部分)に二値化を行った。その黒色部分の面積を疑似円表面積とし、そこから気泡径を算出し平均値と気泡径の標準偏差を算出した。算出した気泡径の標準偏差を径のばらつきとした。
(4)プレートアウト
それぞれの配合を5時間、押出成形を行った後、プレート金型を解体し金型流路面のプレートアウト付着を確認した。
2.用いた原料
塩化ビニル系樹脂には、A:重合度1050の塩化ビニル樹脂(徳山積水工業製:TS1000R)、B:鉛系安定剤が混入された下水用塩化ビニル管のリサイクル塩化ビニル樹脂粉砕品(重合度1050)、C:錫系安定剤が混入された水道用塩化ビニル管のリサイクル塩化ビニル樹脂粉砕品(重合度1050)を用意した。なお、B原料、C原料の塩化ビニル管の粉砕品は、粉砕機を使用してパイプを粉砕した後、φ5mmのスクリーンを通過した粉砕品を使用した。
塩化ビニル系樹脂には、A:重合度1050の塩化ビニル樹脂(徳山積水工業製:TS1000R)、B:鉛系安定剤が混入された下水用塩化ビニル管のリサイクル塩化ビニル樹脂粉砕品(重合度1050)、C:錫系安定剤が混入された水道用塩化ビニル管のリサイクル塩化ビニル樹脂粉砕品(重合度1050)を用意した。なお、B原料、C原料の塩化ビニル管の粉砕品は、粉砕機を使用してパイプを粉砕した後、φ5mmのスクリーンを通過した粉砕品を使用した。
(実施例1)
A原料100重量部と、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た。
A原料100重量部と、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た。
押出成形を行うにあたっては、図1に示す製造装置を用いた。なお、この製造装置には、押出機1のベント孔へ窒素ガスを供給するための窒素ガスボンベ51と定量ポンプ52が設けられている。そして、前記配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が190℃になるようシリンダー温度を160℃〜200℃の間で調整し、吐出量20kg/h、回転数28.6rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が180℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
A原料50重量部とB原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
A原料50重量部とB原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
A原料50重量部とC原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
A原料50重量部とC原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
A原料40重量部とB原料30重量部、C原料30重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
A原料40重量部とB原料30重量部、C原料30重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して配合組成物を得た以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
(実施例5〜8)
実施例1〜4で配合したそれぞれの配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が200℃になるようシリンダー温度を160℃〜200℃の間で調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
実施例1〜4で配合したそれぞれの配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が200℃になるようシリンダー温度を160℃〜200℃の間で調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
A原料100重量部と、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
A原料100重量部と、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例2)
A原料50重量部とB原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
A原料50重量部とB原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例3)
A原料50重量部とC原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
A原料50重量部とC原料50重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例4)
A原料40重量部とB原料30重量部、C原料30重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
A原料40重量部とB原料30重量部、C原料30重量部配合したものに、鉛系熱安定剤(品川化工社製、SAK−NS)2.0重量部、ポリエチレン系ワックス(三井化学社製、商品名:Hiwax220MP)0.5重量部、アクリル系加工助剤(三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンP−530A)2.0重量部、エステル系ワックス(コグニスジャパン社製、商品名:VPN963)0.7重量部、炭酸カルシウム(白石工業社製、商品名:白艶華CCR)3重量部、顔料0.5重量部とADCA(アゾジカルボンアミド)0.5重量部をヘンシェルミキサーに供給し混合して得た配合組成物を用い、押出機1に窒素ガスを供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が180℃になるようシリンダー温度を140℃〜200℃間で調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が180℃になるようシリンダー温度を140℃〜200℃間で調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が205℃になるようシリンダー温度を160℃〜210℃間で調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が205℃になるようシリンダー温度を160℃〜210℃間で調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が190℃になるようシリンダー温度を調整し、吐出量20kg/h、回転数30rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が190℃になるようシリンダー温度を調整し、吐出量20kg/h、回転数30rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が175℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が200℃になるようシリンダー温度を調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が190℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
実施例1で配合した配合組成物を押出機出口での組成物(樹脂溶融体)温度が200℃になるようシリンダー温度を調整し、吐出量20kg/h、回転数20rpmで、窒素ガス0.5重量部を添加し溶融混練した溶融樹脂を温調アダプターに供給し、溶融樹脂の温度が190℃となるよう冷却し、押出成形用のプレート金型(幅60mm、厚さ2mm)に供給しプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表2に示す。
(実施例9〜16)
発泡剤として、窒素ガスの代わりに、二酸化炭素1.0重量部を添加した以外は、それぞれ実施例1〜8と同様の配合組成、成形条件でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表3に示す。
発泡剤として、窒素ガスの代わりに、二酸化炭素1.0重量部を添加した以外は、それぞれ実施例1〜8と同様の配合組成、成形条件でプレート発泡体を得た。発泡体の評価結果を表3に示す。
表1〜3から明らかなように、実施例1〜16に示すように、本発明の製造方法によれば、熱分解型発泡剤を使用した各比較例や所定の温度条件や回転数条件の範囲外で成形した各比較例に比べ、不活性ガスを使用し、所定の温度条件と回転数で成形を行った実施例のほうが、肉厚や発泡倍率の変動が少なく、平均気泡径と径のばらつきの結果から微細均一な発泡体が得られた。また、不活性ガスを使用した実施例のほうが、熱分解型発泡剤を使用した各比較例に比べ、プレートアウトも発生しなかった。
本発明の塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法は、化学発泡法に比べて発泡が微細均一であり、リサイクル樹脂を含有しても発泡が不均一とならず、プレートアウト等の成型不良が発生しない長期間の製造が可能であり、製造装置コストが安価な1台の押出機で製造できる製造方法であり、建築部材、管工機材、住宅資材等の製造法として好適に使用される。
1 押出機
2 原料ホッパー
3 温調アダプター
4 押出成形用金型
5 ガス供給装置
6 冷却装置
7 引取機
11 スクリュ
12 シリンダー
13 逆フライト部
51 ボンベ
52 定量ポンプ
53 減圧弁
54 ガス注入口
55 配管
100 発泡体
2 原料ホッパー
3 温調アダプター
4 押出成形用金型
5 ガス供給装置
6 冷却装置
7 引取機
11 スクリュ
12 シリンダー
13 逆フライト部
51 ボンベ
52 定量ポンプ
53 減圧弁
54 ガス注入口
55 配管
100 発泡体
Claims (3)
- 押出機と温調アダプター、押出成形用金型および押出機に接続され、発泡剤である不活性ガスを供給するガス供給装置から構成される塩化ビニル系樹脂発泡体の製造装置において、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部あたり不活性ガスを0.1〜3重量部添加し、前記塩化ビニル系樹脂組成物を押出機内のスクリュに供給するホッパーと前記不活性ガスを押出機内に供給する供給口間のスクリュフライトの一部分を押出方向に対して逆フライト構造としてガスシールを行い、前記塩化ビニル系樹脂組成物と不活性ガスをスクリュでシリンダー温度160℃〜200℃、Q/Ns(=吐出量[kg/h]/回転数[rpm])が0.7以上で溶融混練した後、溶融樹脂を樹脂温度180℃〜200℃で温調アダプターに供給し、温調アダプター内で樹脂温度180℃以下に冷却した後、押出成型用金型に供給し、金型温度165℃〜180℃にて発泡倍率が1.1〜5.0倍、平均気泡径が30〜100μmである発泡体を成形することを特徴とする塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系リサイクル樹脂50〜100重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法。
- 前記不活性ガスが、窒素または二酸化炭素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005283407A JP2006315388A (ja) | 2005-04-14 | 2005-09-29 | 塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005116453 | 2005-04-14 | ||
JP2005283407A JP2006315388A (ja) | 2005-04-14 | 2005-09-29 | 塩化ビニル系樹脂発泡体の製造方法 |
Publications (1)
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Family
ID=37536458
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101352662B (zh) * | 2007-07-25 | 2012-11-28 | 巴斯股份公司 | 用于连续混合的混合捏合机及其使用方法 |
CN102245844B (zh) * | 2008-12-09 | 2015-11-25 | 松下电器产业株式会社 | 雨水槽及其制造方法 |
JP2017155868A (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-07 | 積水化学工業株式会社 | 発泡管継手 |
-
2005
- 2005-09-29 JP JP2005283407A patent/JP2006315388A/ja active Pending
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