JP2012076291A - ガスバリア性フィルム積層体、及び包装袋 - Google Patents

ガスバリア性フィルム積層体、及び包装袋 Download PDF

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正和 神取
Shigeki Matsui
茂樹 松井
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Abstract

【課題】 表面からだけでなく、端面からの酸素及び水蒸気の浸入も防ぐことができ、且つ透明性を兼ね備えたガスバリア性積層体、及び包装袋を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1の透明ガスバリア性フィルムと、該第1の透明ガスバリア性フィルム上に積層された樹脂層と、該樹脂層上に積層された第2の透明ガスバリア性フィルムとを有する積層体であって、該樹脂層がエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂からなることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体を提供することにより上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、飲食品、医薬品及び電子部材等のパッケージ材料として用いられ、酸素及び水蒸気に感受性のある内容物の劣化を抑えるためのガスバリア性積層体及びそれからなる包装袋に関する。
本発明のガスバリア性フィルム積層体、及び、包装袋の用途は、封止用包装袋、特にディスプレイの有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)や電子ペーパー等の表示素子の封止用包装袋、食品、医薬品及びその他の電子部材等の包装袋等であり、ガスバリア性を必要とするあらゆる用途に用いることができる。
近年、包装分野では、内容物の保存や包装形態の維持、品質保証等において、飲食品や医薬品、電子部材等のパッケージ材料として、またディスプレイ分野では、酸素及び水蒸気に感受性である表示素子の劣化を抑えるために、酸素及び水蒸気の透過を防ぐガスバリア性積層体からなる包装袋が用いられている。
これらのガスバリア性積層体は、通常、その表面からの酸素及び水蒸気の浸入を防ぐことを目的として、基材層やガスバリア性付与層等が積層された構成を有し、接着剤を用いずに蒸着や共押出し成形のみにより積層したものや(特許文献1及び2)、接着剤を用いてラミネートにより積層したものがある(特許文献3)。
電子部材の包装材料や表示素子の封止用部材として用いられる積層体には、極めて高いガスバリア性が要求され、この要求を満たすものとして、2枚又はそれ以上のガスバリア性フィルムを接着剤で接着して、そのガスバリア性を向上させた積層体がある。そして、このようなガスバリア性積層体は、その表面からの酸素や水蒸気の透過を好適に防ぐことができる。
しかしながら、酸素及び水蒸気は、該ガスバリア性積層体の端面、すなわち側面からも浸入し、特に、フィルム同士を接着する接着剤層からも浸入し、内容物の劣化を促すことが分かった。そして従来技術においては、このような観点からの対策が一切なされていなかった。
特開2003−340956号公報 特開2007−130857号公報 特開2005−161691号公報
本発明は、表面からのみならず、端面からの酸素及び水蒸気の浸入をも防ぐことができ、且つ、様々な包装用途及びディスプレイ分野に適用することができる、透明性を兼ね備えたガスバリア性積層体及び包装袋を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、第1の透明ガスバリア性フィルムと、該第1の透明ガスバリア性フィルム上に積層された樹脂層と、該樹脂層上に積層された第2の透明ガスバリア性フィルムとを有する積層体であって、該樹脂層がエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体が上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.第1の透明ガスバリア性フィルムと、該第1の透明ガスバリア性フィルム上に積層された樹脂層と、該樹脂層上に積層された第2の透明ガスバリア性フィルムとを有する積層体であって、該樹脂層がエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
2.前記樹脂層が、押し出しラミネートにより形成されたことを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
3.前記第1の透明ガスバリア性フィルム及び前記第2の透明ガスバリア性フィルムのうちの少なくとも一方が、基材層と、該基材層上に蒸着された炭素含有酸化ケイ素蒸着層とを有する蒸着フィルムであることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
4.前記蒸着フィルムが、さらに、前記炭素含有酸化ケイ素蒸着層上に設けられたガスバリア性塗布膜を有し、該ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物による膜であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
5.前記粘着剤層の層厚が、6〜15μmであることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体 。
6.前記第2の透明ガスバリア性フィルム上に積層された熱融着層をさらに有することを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
7.前記熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
8.前記ガスバリア性フィルム積層体が電子線により後処理されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体。
9.前記のガスバリア性フィルム積層体を、熱融着層が最内層となるように製袋して得られることを特徴とする包装袋。
10.本発明に規定する測定方法において、包装袋を形成する積層体の端面からの水蒸気透過度が、30g/m2・day以下であることを特徴とする包装袋。
11.水分による表示モジュールの劣化を防ぐ表示モジュール封止用包装袋であることを特徴とする包装袋。
本発明によれば、2枚の透明ガスバリア性フィルムを、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂からなる樹脂層により貼り合わせることによって、表面からだけではなく、端面からの酸素及び水蒸気の浸入も防ぐことができ、且つ透明性を兼ね備えたガスバリア性フィルム積層体を得ることができる。
以下、本発明においては、表面からの酸素及び水蒸気の浸入を防ぐ能力を表面ガスバリア性と言い、端面からの酸素及び水蒸気の浸入を防ぐ能力を端面ガスバリア性と言う。
本発明において、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂からなることを特徴とする粘着剤層は、該層中への酸素及び水蒸気の浸透が防がれるだけでなく、該層と透明ガスバリア性フィルムとの界面に酸素及び水蒸気が浸入するのを防ぐことができる。
したがって、本発明の積層体からなる包装袋中に有機ELや電子ペーパーなどの表示素子を封入することにより、酸素や水蒸気への暴露によるこれら電子部材の劣化を有効に防ぐことができる。
また、透明ガスバリア性フィルムとして、基材層と、該基材層上に蒸着された炭素含有酸化ケイ素蒸着層とを有する蒸着フィルムを用いると、該基材層と該蒸着層及び該蒸着層と接着性樹脂層との間に、本発明の目的に好適な界面が形成される。
さらに、前記炭素含有酸化ケイ素蒸着層上に、一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物からなるガスバリア性塗布膜を設けることにより、端面ガスバリア性及び表面ガスバリア性を一層向上させることができる。
また、本発明においては、熱融着層として、ポリオレフィン系樹脂を用いる。このポリオレフィン系樹脂からなる層は、それ自体が酸素及び水蒸気に対して良好なガスバリア性を有するため、積層体の表面ガスバリア性を向上させ、さらに、端面ガスバリア性の低下を防ぐことができる。
本発明により、本発明において規定する測定方法において、包装袋を形成する積層体の端面からの水蒸気透過度が、30g/m2・day以下という高いバリア性を有する包装袋を得ることができる。
本発明にかかるガスバリア性フィルム積層体の層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明にかかるガスバリア性フィルム積層体の層構成について、他の一例を示す概略的断面図である。 本発明にかかるガスバリア性フィルム積層体の層構成について、他の一例を示す概略的断面図である。 本発明にかかる包装袋の使用形態について、一例を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下にさらに詳しく説明する。
<1>本発明の包装袋を形成する積層体の層構成
本発明にかかる包装袋を形成する積層体としては、例えば、図1に示すように、第1及び第2の透明ガスバリア性フィルム1a、1b、樹脂層2、並びに熱融着層3からなることを基本構造とする積層体を挙げることができる。
また、本発明にかかる包装袋を形成する積層体の一例として、図2に示すように、第1及び第2の透明ガスバリア性フィルムがそれぞれ、基材層4と炭素含有酸化ケイ素蒸着層5とからなる蒸着フィルムである積層体が挙げられる。
さらに、本発明にかかる包装袋を形成する積層体の一例として、図3に示すように、第1及び第2の透明ガスバリア性フィルムがそれぞれ、基材層4、炭素含有酸化ケイ素蒸着層5及びガスバリア性塗布膜6からなる蒸着フィルムである積層体が挙げられる。
なお、本発明の透明ガスバリア性フィルムは、一層でもよいし二層以上の多層でもよく、必要に応じて適宜設定することができる。
<2>樹脂層
本発明のガスバリア性フィルム積層体は、第1の透明ガスバリア性フィルムと、該第1の透明ガスバリア性フィルム上に積層された樹脂層と、該樹脂層上に積層された第2の透明ガスバリア性フィルムとを有する積層体であるが、該樹脂層はエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなることを特徴とする。
本発明の樹脂層は、第1の透明ガスバリア性フィルムと第2の透明ガスバリア性フィルムとを優れた接着力で接着し、また第2の透明ガスバリア性フィルムと熱融着層とを優れた接着力で接着し、さらに、端面から積層体内部への酸素及び水蒸気の透過を防止する役割を果たす。
エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂
本発明は、樹脂層としてエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を用いることにより、高い層間接着強度を得ることができる。
本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は、エチレン−ビニルアルコール共重合体のビニルアルコール部分に脂肪族ポリエステルがグラフトしてなる熱可塑性の樹脂である。本発明の樹脂は、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH樹脂)の存在下にラクトン類を開環重合する方法、或いはEVOH樹脂と、通常の縮合重合反応で生成させた脂肪族ポリエステルやラクトン類を開環重合体して得られる末端にカルボキシル基を有するポリエステルとを反応させる方法等によって製造することができる。
本発明で使用するEVOH樹脂は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の酢酸ビニルの一部を鹸化した樹脂である。グラフト樹脂の成形性やガスバリア性等の点から、好ましいエチレンの含有量は20〜60モル%、さらに好ましくは25〜55モル%であり、重合体鎖中の酢酸ビニルの90モル%以上、さらには95モル%以上が鹸化されているものが好ましい。エチレン含有量が20モル%未満では成形性が悪化するとともに、高湿度下でのガスバリア性が悪くなる。又、エチレン含有量が60モル%を超えるとEVOH樹脂の特徴であるガスバリア性が失われるので好ましくない。
本発明においてEVOH樹脂と反応させるラクトン類は、ε−カプロラクトン類、δ−バレロラクトン類等の従来公知のラクトン開環重合法によってポリエステルを形成し得るラクトン類である。
本発明で使用するラクトン類は開環重合するものであれば特に限定されないが、ε−カプロラクトン類及びδ−バレロラクトン類が特に好ましい。ε−カプロラクトン類としては、ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−カプロラクトン、モノエチル−ε−カプロラクトン、モノプロピル−ε−カプロラクトン、モノドデシル−ε−カプロラクトン等のアルキル基の炭素数が1〜5程度のモノアルキル−ε−カプロラクトン類、或いは2〜3個のアルキル基がε−位置の炭素原子以外の同一又は異なる炭素原子の水素と置換しているジアルキル又はトリアルキル−ε−カプロラクトン類、置換基がアルコキシ基、アリール基、ベンジル基、シクロアルキル基、或いはアラルキル基等である置換ε−カプロラクトン類が挙げられる。
また、δ−バレロラクトン類としては5−バレロラクトン、3−メチル−5−バレロラクトン、3,3,−ジメチル−5−バレロラクトン、2−メチル−5−バレロラクトン、3−エチル−5−バレロラクトンなどが挙げられる。
EVOH樹脂の存在下のラクトン類の開環重合反応は、反応容器中で両者を所定の割合で混合し、従来公知の開環重合触媒、例えば、チタン系化合物、錫系化合物等を使用し、好ましくは窒素気流下で、10〜220℃の温度で、好ましくは80〜220℃の温度で数時間攪拌しながら行う。
このようにしてEVOH樹脂(エチレン−ビニルアルコール共重合体)に脂肪族ポリエステルがグラフトしたエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂が得られる。
本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は、エチレ−ビニルアルコール共重合体(EVOH樹脂)にグラフトさせる脂肪族ポリエステルの分子量、即ちEVOH樹脂と脂肪族ポリエステルの質量比を変化させることにより、EVOH樹脂及び脂肪族ポリエステルのそれぞれの特性を持ったエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を得ることができる。
本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は、幹を形成するエチレ−ビニルアルコール共重合体単位の含有量が98〜2質量%で、この幹にグラフトした脂肪族ポリエステル単位の含有量が2〜98質量%であり、数平均分子量(GPCで測定した標準ポリスチレン換算)が10,000〜600,000、好ましくは20,000〜200,000であるグラフト共重合体である。このようなグラフト共重合体は、EVOH樹脂98〜2質量%とラクトン類2〜98質量%とを用いて反応させることによって得ることができる。
具体的には、クラレ社製エバール H171B(酸素透過係数が1.6×10-24mol・m/(m2・s・Pa)、結晶化温度Tcが148℃)や、クラレ社製エバール H105B等を用いる。
本発明においては、前記エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記樹脂組成物には、必要に応じて、耐候安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、離型性改善剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を、適宜使用することができる。
樹脂層の形成方法
樹脂層の形成方法としては、押し出しラミネートにより形成することが望ましく、さらに、印刷、コーティング等による方法が挙げられる。
樹脂層の厚みは、樹脂層と接するバリアフィルム面の状態、形状等を勘案し、バリアフィルム面に対する接着性と密着性とを損なわない範囲で、適宜選択することができる。通常、5〜50μm、好ましくは6〜15μmである。
上記範囲であれば、物性が安定する。なお、厚みが5μm以下であると、十分な接着強度が得られない場合があり、50μm以上であると、光線透過率等の光学特性に悪影響を及ぼす場合がある。
<3>透明ガスバリア性フィルム
本発明の包装袋を形成する積層体を構成する透明ガスバリア性フィルムとしては、用途に応じて種々の透明ガスバリア性フィルムを使用することができるが、表示素子封止用包装袋として使用するためには、表面からの水蒸気透過度が0.1g/m2・day以下である透明フィルムを使用することが好ましい。
なお、本発明において、表面からの水蒸気透過度は、ASTM F1249−90に準じて、温度60℃、湿度90%(RH)の環境下で、MOCON社製AQUATRANを使用して測定した値である。また、本発明において透明とは、用途に応じて必要な透明性を有していればよく、無色または有色で透明なものも含まれるが、特にディスプレイの表示素子などの封止用包装袋として使用する場合は、高い透明性が要求され、例えば、可視光域380nm〜780nmにおける平均光透過率が80%以上である場合を言う。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
蒸着フィルム
本発明において用いる透明ガスバリア性フィルムとして、例えば、基材層と、該基材層上に蒸着された炭素含有酸化ケイ素蒸着層とを有する蒸着フィルムを使用することが特に好ましい。
該蒸着フィルムは、優れた表面ガスバリア性及び透明性を示すだけでなく、基材層と炭素含有酸化ケイ素蒸着層との間の密接着性が高く、層間の界面に酸素及び水蒸気が比較的浸入しにくいため、良好な端面ガスバリア性を示す。
基材層
蒸着フィルムの基材層としては、化学的ないし物理的強度に優れ、炭素含有酸化ケイ素蒸着層を形成する条件等に耐え、それら炭素含有酸化ケイ素蒸着層の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができるプラスチックフィルムを使用することができる。
このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、環状オレフィンコポリマーフィルム、環状オレフィンポリマーフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリイミドフィルム、TACフィルムその他の各種の樹脂のフィルム、ないしシートを使用することができる。
特にディスプレイの表示素子などの封止用包装袋として使用する場合は、透明性・耐熱性の観点から、上記のプラスチック材料からなるフィルムの中でも、特に環状オレフィンコポリマーからなるフィルムを使用することが好ましい。
本発明の基材層の層厚は、2〜400μm、より好ましくは10〜200μmである。
プラスチックフィルムは、必要に応じて、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガスなどを用いて低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品などを用いて処理する酸化処理、その他の前処理を任意に施すことができる。また、上記表面前処理は、プラスチックフィルムと炭素含有酸化ケイ素蒸着層との密着性を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密着性を改善する方法として、例えば、プラスチックフィルムの表面に、あらかじめ、プライマーコート剤層、アンダーコート層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層などを任意に形成することもできる。
炭素含有酸化ケイ素蒸着層
本発明において好適な蒸着層は、上記の基材層及び接着性樹脂層との密接着性、透明性、並びに表面及び端面ガスバリア性の観点から、以下に説明するプラズマ化学気相成長法により形成された炭素含有酸化ケイ素が好ましい。
蒸着層を形成する材料としては、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物であるが、特に、ガスバリア性、生産効率の点などから、プラズマ化学気相成長法により形成された炭素含有酸化ケイ素が好ましい。
本発明の炭素含有酸化ケイ素蒸着層の形成方法としては、真空蒸着法、反応蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、熱CVD法等の真空成膜法で行なうことが挙げられる。
また、炭素含有酸化ケイ素蒸着層は、1回の蒸着工程により形成される単層であってもよく、又は蒸着工程を複数回繰り返すことにより形成される多層構造であってもよい。多層構造である場合には、各層は、同一の材料からなっていてもよく、又は異なる材料からなっていてもよく、また同一の形成方法により形成されても、又は異なる形成方法により形成されてもよい。例えば、基材層上に、化学気相成長法によって酸化珪素からなる蒸着膜を形成し、次いで物理気相成長法によって酸化アルミニウムからなる蒸着膜を形成してもよい。
本発明の炭素含有酸化ケイ素蒸着層の層厚としては、層全体の厚さとして、5〜100nm、より好ましくは10〜50nmの範囲で適宜設定することができる。100nmを超えると、フレキシビリティ性が低下し、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外力で、蒸着層に亀裂を生じる恐れがあり、透明性が低下したりし、材料自身の応力が大きくなり、着色したりして好ましくない。また、上記の厚さが100nmを超えると、生産性を著しく低下させ、さらに異常粒の成長から突起が形成される傾向があるので好ましくない。
一方で、無機化合物層の厚さが5nm未満では、透明性は良いが、均一な層が得られにくく、またガスバリア性の機能を十分に果たすことが難しい。
ガスバリア性塗布膜
本発明においては、上記炭素含有酸化ケイ素蒸着層上に、ガスバリア性塗布膜を設けることによって、一層優れた表面ガスバリア性が得られるだけでなく、上記接着性樹脂層との密接着性が高まり、さらに高い端面ガスバリア性が得られる。
本発明において、ガスバリア性塗布膜とは、アルコキシドと水溶性高分子とをゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物を塗布し乾燥させた膜である。
該ガスバリア性組成物において用いるアルコキシドとしては、一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドを挙げることができる。
また、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合体のいずれか又はその両方を好ましく用いることができる。
本発明において、一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとしては、金属原子Mとして、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムその他を使用することができる。また、本発明において、単独又は二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うことができる。
また、上記の一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドにおいて、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基その他のアルキル基を挙げることができる。
また、上記の一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドにおいて、R2で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基その他を挙げることができる。
尚、本発明において、同一分子中において、これらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
本発明において、上記の一般式R1 nM(OR2mで表されるアルコキシドとしては、例えば、MがSiであるアルコキシシランを使用することができ、アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH34、テトラエトキシシラン Si(OC254、テトラプロポキシシラン Si(OC374、テトラブトキシシラン Si(OC494等が挙げられる。
また、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体の含有量は、上記のアルコキシドの合計量100質量部に対して5〜500質量部の範囲であることが好ましい。上記において、500質量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、その耐侯性等も低下することから好ましくない。
本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂として、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものを使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製PVA110(ケン化度=98〜99%、重合度=1100)、PVA117(ケン化度=98〜99%、重合度=1700)、PVA124(ケン化度=98〜99%、重合度=2400)、PVA135H(ケン化度=99.7%以上、重合度=3500)、同社製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)及びゴーセノールNH−18(ケン化度=98〜99%、重合度=1700)等を使用することができる。
また、本発明において、エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。
このようなケン化物には、酢酸基が数十モル%残存する部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないか又は酢酸基が全く残存していない完全ケン化物までが包含される。特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から、ケン化度が80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であるものを使用することが望ましい。
また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは20〜45モル%であるものを使用することが好ましい。上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
本発明において、本発明に係るガスバリア性塗布膜を形成するガスバリア性組成物を調製するには、シランカップリング剤等も添加することができる。好適に用いられるシランカップリング剤としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
本発明において用いられるガスバリア性組成物は、アルコキシドと水溶性高分子とを、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾルゲル法によって加水分解及び、重縮合することにより調製することができる。
ガスバリア性塗布膜は、ガスバリア性組成物を上記炭素含有酸化ケイ素蒸着層の上に塗布し、20℃〜200℃、好ましくは140℃以上、且つ基材層を構成するプラスチックフィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理することにより形成することができる。
また、上記のガスバリア性組成物の調製において用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、並びに酢酸、酒石酸等の有機酸その他を使用することができる。さらに、有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等を用いることができる。
さらに、上記のガスバリア性組成物に関して、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤等を含む塗工液中で溶解した状態にあることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択される。
本発明において、溶剤中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(日本合成化学社製)として市販されているものを使用することができる。
上記のガスバリア性組成物を、炭素含有酸化ケイ素蒸着層の上に塗布し、加熱して溶媒及び重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、透明なガスバリア性塗布膜が形成される。
さらに、加水分解によって生じた水酸基や、シランカップリング剤由来のシラノール基が炭素含有酸化ケイ素蒸着層の表面の水酸基と結合する為、該炭素含有酸化ケイ素蒸着層とガスバリア性塗布膜との密接着性等が良好なものとなる。
上述のように形成されることにより、本発明のガスバリア性塗布膜は、結晶性を有する直鎖状ポリマーを含み、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造を取る。このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高いため、良好な表面ガスバリア性を示す。
本発明においては、炭素含有酸化ケイ素蒸着層とガスバリア性塗布膜とが、例えば、加水分解・共縮合による化学結合、水素結合、或いは、配位結合等を形成し、これら2層間の密着性が向上し、相乗効果により、より良好な表面ガスバリア性の効果を発揮し得るものである。
本発明において、上記のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により、1回或いは複数回の塗布で、乾燥膜厚が0.01〜30μm、好ましくは0.1〜10μmのガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、本発明において、より高い表面ガスバリア性を得るために、ガスバリア性塗布膜を設けた後で、さらに炭素含有酸化ケイ素蒸着層とガスバリア性塗布膜とを、この順序で、交互に1回又はそれ以上繰り返し積層し、好ましくはガスバリア性塗布膜が最外層となるように形成して、透明ガスバリア性フィルムとしてもよい。
<4>熱融着層
本発明の積層体を構成する熱融着層は、オレフィン系熱融着樹脂組成物(オレフィン系ホットメルト樹脂組成物)からなる層であってもよいし、あるいは、熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)からなる層であってもよい。
オレフィン系熱融着樹脂組成物(オレフィン系ホットメルト樹脂組成物)
本発明において、ホットメルト樹脂組成物とは、ベースポリマー及び粘着付与剤を含み、熱溶融性と粘着性とを備えた樹脂組成物を意味し、ベースポリマーがオレフィン系樹脂であるものを、特にオレフィン系ホットメルト樹脂組成物と呼ぶ。
ホットメルト樹脂組成物からなる熱融着層は、透明ガスバリア性フィルム上に直接積層することができる。これによって、層厚を薄く設定できるため、端面からのガス透過度を低く抑えることができる。
ベースポリマーとは、ホットメルト樹脂組成物にバルク物性を付与することで、凝集力を付与するものであり、強靭で引張り強度や圧縮応力に対して強い性質を有するものである。ベースポリマーとしてオレフィン系樹脂を含有するオレフィン系ホットメルト樹脂組成物は、端面からの酸素及び水蒸気の浸入の抑制性に優れたものとなるため好ましい。
本発明のオレフィン系樹脂としては、α-オレフィン共重合体が好ましく使用される。α-オレフィン共重合体は、α-オレフィン類の2種以上のモノマーからなる共重合体であり、必要に応じてこれにその他の共重合可能なモノマー類を含む共重合体であることができる。共重合比、粘度、分子内の分岐、分子量分布等の特性は当業者が任意に設定することができる。α-オレフィンにはエチレン、プロピレン、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、デセン-1、ドデセン-1が含まれる。これらのうち、密度が高く水蒸気の浸入の抑制性に優れる為、プロピレン、エチレン、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、デセン-1、ヘキセン-1が好ましい。特に好ましくはプロピレン、エチレン、ブテン-1からなる共重合体、特にエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体、すなわちエチレン/α-オレフィン共重合体が好ましい。
本発明で好適に使用される市販のα-オレフィン共重合体としては、「ビューロン」(三井石油化学工業社製)、「ナックフレックス」(日本ユニカー社製)、「シェルポリブチレン」(シェル化学)、「タフマー」(三井石油化学工業社製)、「エクセレンVL」(住友化学社製)等が挙げられる。これらのα-オレフィン共重合体は2種以上を混合して使用してもよい。
粘着付与剤は、ホットメルト樹脂組成物の粘着性を調整するために用いられる。本発明で使用する粘着付与剤としては、脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、水添石油樹脂等の飽和石油樹脂が好ましい。具体的には、例えば、ペンテン類、イソプレン、ピペリン、1,3−ペンタジエンなどを含むC5留分を共重合して得られる樹脂、インデン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのC9〜C10留分を共重合して得られる樹脂、ジシクロペンタジエンなどの環状モノマーを重合させた樹脂などが挙げられる。本発明で好適に使用される市販の粘着付与剤としては、例えば「FTR−600」(三井石油化学工業社製)、「アルコン」(荒川化学工業社製)、「クイントン」(日本ゼオン社性)、「エスコレッツ」(トーネックス社製)等が使用できる。
本発明のオレフィン系ホットメルト樹脂組成物においては、ベースポリマー:粘着付与剤の比は、70:30〜95:5、好ましくは75:25〜90:10である。ベースポリマーの割合が少ないと、取り扱い性及び接着強度が低くなる。一方、ベースポリマーの割合が多いと、やはり接着強度が低下する。
オレフィン系ホットメルト樹脂組成物の調製方法および塗付方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。具体的な調製方法としては、加熱、攪拌、混練機能などを備えた装置を使用して、通常行われる操作によって、各成分を混練することにより行うことができる。
そして、得られたホットメルト樹脂組成物を被着層に塗付する方法及び装置は、例えば、スプレー塗布、ノズル塗布、浸漬塗布、ロール塗布、グラビア塗布、圧延塗布、刷毛塗り等の従来公知の塗布方法及び塗布装置を使用することができる。そのような塗布方法及び塗布装置は、本発明に係るオレフィン系ホットメルト樹脂組成物の粘度や粘性を考慮して適宜選択することができる。また、オレフィン系ホットメルト樹脂組成物からなるフィルムを熱プレスにより接着させて熱融着層としてもよい。
熱融着層を形成する上記ホットメルト樹脂組成物の層厚としては、20〜50μmであることが好ましい。50μmより厚いと、熱融着層の端面から浸透する酸素及び水蒸気量が多くなる。また20μmより薄いと、ヒートシール強度が低くなり、リークの原因となる。
本発明において、オレフィン系熱融着樹脂組成物(オレフィン系ホットメルト樹脂組成物)は、第2の耐候性コート層上に設けるが、その際には、適宜の接着性樹脂層を介して積層することとする。
熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)
本発明の熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)は、常温では非粘着性であるが、熱により溶融させてから、同じく熱により溶融させた熱融着層と重ね合わせ、圧着し、冷却することによって、互いに接着する。ここで、常温とは、JIS Z 8703に基づき、5℃から35℃の範囲にある温度状態をいう。非粘着性とは、JIS Z 0237に準じて測定した180度ひきはがし法の試験で測定不能なものをいう。
本発明の包装袋を形成する積層体を構成する熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)は、ポリオレフィン系樹脂からなるものが望ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体等のポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が、単体で又は2種又はそれ以上の混合物として、場合によっては任意の添加剤を含有する樹脂組成物として使用される。なお、ポリオレフィン系樹脂が任意の添加剤を含有して樹脂組成物として使用される場合、該組成物は、粘着付与剤、例えば脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、水添石油樹脂等の飽和石油樹脂は含まない。
ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる単層のフィルムであっても、ポリオレフィン系樹脂からなる層を最外層として有する共押出しフィルムであってもよい。優れた端面ガスバリア性を維持するためには、ポリオレフィン系樹脂からなる単層のフィルム、又は全ての層がポリオレフィン系樹脂からなる層である共押出しフィルムであることが好ましい。
本発明において、熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)は、第2の透明ガスバリア性フィルム上に積層する。なお、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが共押出しフィルムである場合は、ポリオレフィン系樹脂からなる層が、最外層となるように積層する。
ポリオレフィン系樹脂は防水性を示すため、ポリオレフィン系樹脂からなる熱融着層を貼り合わせることにより、積層体の表面ガスバリア性を向上させ、さらに、端面ガスバリア性の低下を防ぐことができる。
熱融着層を形成する上記熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)の膜厚としては、15〜50μmであることが好ましい。50μmより厚いと、熱融着層の端面から浸透する酸素及び水蒸気量が多くなる。また15μmより薄いと、ヒートシール強度が低くなり、リークの原因となる。
<5>貼り合わせ
本発明においては、第1の透明ガスバリア性フィルムと第2の透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性塗布膜面同士を、加熱した上記樹脂層でサンドラミネートして積層し、さらにその一方の面に熱融着層を積層して本発明の包装袋を形成するガスバリア性フィルム積層体が得られる。
ここで、第1の透明ガスバリア性フィルムが、上記の蒸着フィルムである場合は、その炭素含有酸化ケイ素蒸着層が粘着剤層と接するように、またガスバリア性塗布膜が設けられる場合は、そのガスバリア性塗布膜が粘着剤層と接するように貼り合わせ、その基材層が積層体の表層となるようにすると、積層体の取り扱い性の観点から好ましい。
本発明の接着性樹脂層は、炭素含有酸化ケイ素蒸着層又はガスバリア性塗布膜と強固に接着し、貼り合わせた境界面への酸素及び水蒸気の浸入を防ぐため、端面ガスバリア性を一層高める。
また本発明の一態様として、第1の透明ガスバリア性フィルムの、第2の透明ガスバリア性フィルムと対向する面と反対の面上に、1又はそれ以上の更なる層を積層してもよい。更なる層として、接着性樹脂を介してフィルム、例えば透明ガスバリア性フィルムを貼り合わせる場合、本発明の粘着剤層を用いて貼り合わせることにより、積層体の厚さが増加しても、高い端面ガスバリア性を維持することができる。
高い表面ガスバリア性を得るために透明ガスバリア性フィルムを何枚も貼り合わせると、一般的には、表面ガスバリア性が向上する代わりに、端面ガスバリア性が低下する。しかしながら、表示素子の封止用包装袋として好適に使用するために、該包装袋は、優れた表面ガスバリア性及び端面ガスバリア性の両方を示す必要がある。特に端面ガスバリア性については、下記に記載される方法に基づく端面からの水蒸気透過度の測定値として、包装袋を形成する積層体の端面からの水蒸気透過度が30g/m2・day以下、より好ましくは15g/m2・day以下、さらに好ましくは10g/m2・day以下という低い値を示すことが要求されるが、本発明によれば、この要求を達成することができる。
後処理
本発明のガスバリア性フィルム積層体は、貼り合わせ(積層)後の後処理として、電子線を照射して未硬化物等を処理し、バリア性をさらに向上することができる。
ここで、電子線の加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
<6>包装袋の製造及び使用
本発明の包装袋は、上述の積層体を二つ折にするか、又は積層体2枚を用意し、そのシーラントフィルムの面を対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋として製造することができる。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の包装袋は、種々のパッケージ材料として使用することができるが、特に、ディスプレイの表示素子などの封止用包装袋として好適に使用することができる。
本発明の包装袋中に表示素子を封入して、封入表示デバイスを製造する場合、封入される表示素子としては、有機EL表示素子、電気泳動表示素子、液晶表示素子、発光ダイオード表示素子等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明の包装袋中に封入される表示素子としては、例えば、特表2004−526210等に記載されたものが適用できる。
本発明の包装袋中に表示素子を封入して得られる封入表示デバイスの1つの態様として、表示素子は、図4に示すように、1対の基板(7a、7b)と、該1対の基板の間に配置された1対の電極(8a、8b)と、該1対の電極の間に配置された発光体(9)とを有する表示素子であり、これを、積層体(10a、10b)からなる本発明の包装袋で封入する。
本発明のバリアフィルム積層体は、高い水蒸気バリア性を有するバリアフィルムを貼り合わせ、さらに、高温高湿環境下での使用に耐え得る性能を付与したものである。したがって、本発明のバリアフィルム積層体によれば、優れた水蒸気遮断性を有し、内容物の水蒸気による劣化、変質を防止することができるので、飲食品、医薬品、電子部材、化学品、日用品等の種々の物品の包装材料として好適に使用することができる。また、水分の影響を受けやすい電子ペーパーの電気泳動式インクの保護材としても好適に使用することができる。
さらに、本発明のバリアフィルム積層体は、太陽電池用バックシートや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ用基板に適用することができる。ディスプレイ素子は、水蒸気に触れると性能が劣化し、発光しない等の支障が生じ得る。本発明のバリアフィルム積層体によれば、例えば、ディスプレイの2枚のガラス基板の代わりに、又はガラス基板の外側に適用することで、ディスプレイ素子を水蒸気から保護することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(1)基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、厚さ10nmの炭素含有酸化珪素蒸着層を形成した。
(蒸着条件)
蒸着用混合ガス反応ガス組成物の混合比
へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム
=1:10:10(単位:slm)
真空度:6Pa
冷却・電極ドラム供給電力 :22Kw
ライン速度:100m/min
しかる後、さらに、もう一機のマグネトロンスパッタリング装置を使用し、酸素ガス1000sccmを導入して、出力5kWでプラズマ処理を行って、上記の酸化珪素の蒸着層の面に、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成して巻き取った。
(2)他方、下記の表1に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、さらに予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) 、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
Figure 2012076291
次に、上記の(1)で形成した酸素ガスによるプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用して、これをグラビアロールコート法によりコーティングし、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2(0.4μ)(乾操状態)の第1のガスバリア性塗布膜を形成した。
(3)次に、上記で第1のガスバリア性塗布膜を形成した基材フィルムを使用し、再度、これを巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着し、第1のガスバリア性塗布膜の面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、上記の(1)と同じ条件下で、膜厚10nmの酸化珪素の蒸着層を形成した。
しかる後、さらに、もう一機のマグネトロンスパッタリング装置を使用し、酸素ガス500sccmを導入して、出力3kWでプラズマ処理を行って、上記の酸化珪素の蒸着層の面に、酸素ガスによるプラズマ処理面を形成して巻き取った。
(4)上記の(3)で形成した酸素ガスによるプラズマ処理面に、上記(2)で製造したガスバリア性組成物を使用して、これをグラビアロールコート法によりコーティングし、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2(0.4μ)(乾操状態)の第2のガスバリア性塗布膜を形成して、第1及び第2の透明ガスバリア性フィルムを製造した。
(5)上記(4)で製造した第1の透明ガスバリア性フィルムを、押出しラミネート機の第1送り出しロールに装着し、(4)で製造した第2の透明ガスバリア性フィルムを第2送り出しロールに装着し、そのガスバリア性塗布膜面同士を、クラレ製エバールE105B、樹脂温度220℃でサンドラミネートして10μの押出し樹脂層を形成した。
(6)次いで、上記(5)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂組成物(東亞合成株式会社製、アロンメルトHMP)を押出し成形して、層厚30μmの熱融着層を形成し、本発明に係る包装袋を形成する積層体(総厚み64μm)を製造した。
(7)次いで、上記(6)で得られた積層体の熱融着層同士を向かい合わせて、ヒートシール(温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPa、シール幅3mm)し、3方シール袋として、本発明の包装袋を製造した。
[実施例2]
(1)基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、厚さ10nmの炭素含有酸化珪素蒸着層を形成した。
(蒸着条件)
蒸着用混合ガス反応ガス組成物の混合比
へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム
=1:10:10(単位:slm)
真空度:6Pa
冷却・電極ドラム供給電力 :22Kw
ライン速度:100m/min
(2)次に、上記で厚さ10nmの酸化珪素の蒸着層を形成した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、これを、巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さ10nmの酸化珪素の蒸着層の面に、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、ライン速度600m/minで搬送し、アルゴンガス500sccmを導入し、出力20kWでプラズマ処理を行って、プラズマ処理面を形成し、次いで、そのプラズマ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚10nmの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチャンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;600m/min
次に、上記で厚さ10nmの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 600m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化アルミニウムの蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
(3)他方、実施例1(2)と同様にして、無色透明のガスバリア性組成物を得、これを上記の(2)で形成したプラズマ処理面に、グラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間加熱処理して、厚さ0.4g/m2(0.4μ)(乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、第1及び第2の透明ガスバリア性フィルムを製造した。
(4)上記(3)で製造した第1の透明ガスバリア性フィルムを、押出しラミネート機の第1送り出しロールに装着し、(3)で製造した第2の透明ガスバリア性フィルムを第2送り出しロールに装着し、そのガスバリア性塗布膜面同士を、クラレ製エバールE105B、樹脂温度220℃でサンドラミネートして10μの押出し樹脂層を形成した。
(5)次いで、上記(4)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂組成物(東亞合成株式会社製、アロンメルトHMP)を押出し成形して、層厚30μmの熱融着層を形成し、本発明に係る包装袋を形成する積層体(総厚み64μm)を製造した。
(6)次いで、上記(5)で得られた積層体の熱融着層同士を向かい合わせて、ヒートシール(温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPa、シール幅3mm)し、3方シール袋として、本発明の包装袋を製造した。
[実施例3]
(1)実施例1(4)で製造した第1の透明ガスバリア性フィルムを、押出しラミネート機の第1送り出しロールに装着し、(4)で製造した第2の透明ガスバリア性フィルムを第2送り出しロールに装着し、そのガスバリア性塗布膜面同士を、日本合成化学工業製ソアノールA4412、樹脂温度230℃でサンドラミネートして10μの押出し樹脂層を形成した。
(2)次いで、上記(1)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂組成物(東亞合成株式会社製、アロンメルトHMP)を押出し成形して、層厚30μmの熱融着層を形成し、本発明に係る包装袋を形成する積層体(総厚
み64μm)を製造した。
(3)次いで、上記(2)で得られた積層体の第1のガスバリア性フィルム面に、70 kV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記積層体の未硬化物を架橋させ、本発明に係る包装袋を形成する積層体(総厚み64μm)を製造した。
(4)次いで、上記(3)で得られた積層体の熱融着層同士を向かい合わせて、ヒートシール(温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPa、シール幅3mm)し、3方シール袋として、本発明の包装袋を製造した。
[実施例4]
(1)実施例2(3)で製造した第1の透明ガスバリア性フィルムを、押出しラミネート機の第1送り出しロールに装着し、(4)で製造した第2の透明ガスバリア性フィルムを第2送り出しロールに装着し、そのガスバリア性塗布膜面同士を、日本合成化学工業製ソアノールA4412、樹脂温度230℃でサンドラミネートして10μの押出し樹脂層を形成した。
(2)次いで、上記(1)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂組成物(東亞合成株式会社製、アロンメルトHMP)を押出し成形して、層厚30μmの熱融着層を形成し、本発明に係る包装袋を形成する積層体(総厚み64μm)を製造した。
(3)次いで、上記(2)で得られた積層体の熱融着層同士を向かい合わせて、ヒートシール(温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPa、シール幅3mm)し、3方シール袋として、本発明の包装袋を製造した。
[比較例1]
(1)実施例1(4)で製造した第1の透明ガスバリア性フィルムを、ドライラミネート機の第1送り出しロールに装着し、そのガスバリア性塗布膜面に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤(三井化学製、主剤タケラックA−515/硬化剤タケネートA−50)からなる溶液を、グラビアロールコート法を用いて塗布し、乾燥させて、接着性樹脂層(層厚4μm)を形成した。
(2)次いで、実施例1(4)で製造した第2の透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性塗布膜面を、接着性樹脂層と対向させて、ドライラミネートし、40℃で72時間硬化反応を促進させた。
(3)次いで、上記(2)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂組成物(東亞合成株式会社製、アロンメルトHMP)を押出し成形して、層厚30μmの熱融着層を形成し、本発明に係る積層体(総厚み58μm)を製造した。
(4)次いで、上記(3)で得られた積層体の熱融着層同士を向かい合わせて、ヒートシール(温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPa、シール幅3mm)し、3方シール袋として、本発明の包装袋を製造した。
[比較例2]
(1)実施例2(3)で製造した第1の透明ガスバリア性フィルムを、ドライラミネート機の第1送り出しロールに装着し、そのガスバリア性塗布膜面に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤(三井化学製、主剤タケラックA−515/硬化剤タケネートA−50)からなる溶液を、グラビアロールコート法を用いて塗布し、乾燥させて、接着性樹脂層(層厚4μm)を形成した。
(2)次いで、実施例2(3)で製造した第2の透明ガスバリア性フィルムのガスバリア性塗布膜面を、接着性樹脂層と対向させて、ドライラミネートし、40℃で72時間硬化反応を促進させた。
(3)次いで、上記(2)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂組成物(東亞合成株式会社製、アロンメルトHMP)を押出し成形して、層厚30μmの熱融着層を形成し、本発明に係る積層体(総厚み58μm)を製造した。
(4)次いで、上記(3)で得られた積層体の熱融着層同士を向かい合わせて、ヒートシール(温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPa、シール幅3mm)し、3方シール袋として、本発明の包装袋を製造した。
[ガスバリア性の評価]
(1)ポリイミドフィルム上にアルミ電極を施したフレキシブルプリント基板(厚さ100μm)と、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にITO透明電極を施し、マイクロカプセルを均一に塗布した電子インクシート(厚さ100μm)とを用意した。フレキシブルプリント基板のアルミ電極を施した面と、電子インクシートのマイクロカプセルを塗布した面とが対向するように重ね合わせ、電気泳動表示素子を製造した。この表示素子は、アルミ電極に印加される電圧に応じて、マイクロカプセル内の黒色顔料片(マイナスに帯電)と白色顔料片(プラスに帯電)とが移動し、白黒の画像を形成できるように構成されている。
(2)上記表示素子を、実施例1〜4及び比較例1〜2の包装袋中に挿入し、熱プレス(110℃、5秒、0.1MPa)によって残る一辺を封止し、評価用の封入表示デバイスを作成した。
(3)封入表示デバイスを駆動機器に接続し、温度60℃、湿度90%(RH)の環境下において、白色表示時の輝度及び黒色表示時の輝度を株式会社トプコンテクノハウス製色彩輝度計BM−5ASを用いて測定し、コントラスト比(=白色表示時の輝度/黒色表示時の輝度)を算出した。
包装袋の表面及び端面から、酸素及び水蒸気が内部に浸入すると、マイクロカプセル内の白色顔料と黒色顔料の移動が妨げられ、コントラスト比が低下する。
結果を表2に示す。
Figure 2012076291
[積層体の端面からの水蒸気透過度の測定方法]
(1)積層体2枚を、その熱融着層の面同士が対向するように重ね合わせ、3方をヒートシールし、塩化カルシウム10gを入れてから残り1辺をヒートシールして、内寸100mm×100mm、シール幅3mmの包装袋を製造する。
(2)上記で製造した包装袋を、温度60℃、湿度90%(RH)の環境下で静置し、24時間後の塩化カルシウムの質量増加を測定する。
(3)一方で、ASTM F1249−90に準じて、温度60℃、湿度90%(RH)の環境下で、MOCON社製AQUATRANを使用して、以下のとおり、24時間あたり、積層体0.01m2あたりの表面方向の水蒸気透過量を測定する。
(4)上記(2)の測定値(包装袋の水蒸気透過量)から、上記(3)の測定値(0.01m2あたりの表面方向の水蒸気透過量)の2倍値を引き、得られた値を包装袋の端面の面積で割り、これによって得られた値を、その積層体の端面からの水蒸気透過度とする。端面からの水蒸気透過度={(評価用袋の水蒸気透過量)−2×(0.01m2あたりの表面方向の水蒸気透過量)}/(評価用袋の端面の面積)
[端面ガスバリア性の評価]
上記の方法に基づいて、実施例1〜4及び比較例1〜2で製造した包装袋を形成する各積層体について、端面からの水蒸気透過度を測定した。
結果を表3に示す。
Figure 2012076291
[評価結果]
実施例1〜4の包装袋を用いた封入表示デバイスは、200時間後もコントラスト比20以上であったが、比較例1〜2の包装袋を用いた封入表示デバイスでは、200時間後にはコントラスト比が大幅に低下した。
また、実施例1〜4及び比較例1〜2の包装袋を形成する積層体は、表面方向の水蒸気透過量については、ほぼ等しい値を示したが、包装袋の水蒸気透過量は、実施例1〜4の包装袋が、比較例1〜2の包装袋よりも小さい値を示した。実施例1〜4の包装袋では、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂からなる押出し樹脂層が、端面からの水蒸気の透過を防ぐため、端面からの水蒸気透過度は極めて低い値に抑えられた。
1a、1b. 透明ガスバリア性フィルム
2. 樹脂層
3. 熱融着層
4. 基材層
5. 炭素含有酸化ケイ素蒸着層
6. ガスバリア性塗布膜
7a、7b. 基板
8a、8b. 電極
9. 発光体
10a、10b. 積層体

Claims (11)

  1. 第1の透明ガスバリア性フィルムと、該第1の透明ガスバリア性フィルム上に積層された樹脂層と、該樹脂層上に積層された第2の透明ガスバリア性フィルムとを有する積層体であって、該樹脂層がエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
  2. 前記樹脂層が、押し出しラミネートにより形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  3. 前記第1の透明ガスバリア性フィルム及び前記第2の透明ガスバリア性フィルムのうちの少なくとも一方が、基材層と、該基材層上に蒸着された炭素含有酸化ケイ素蒸着層とを有する蒸着フィルムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  4. 前記蒸着フィルムが、さらに、前記炭素含有酸化ケイ素蒸着層上に設けられたガスバリア性塗布膜を有し、該ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物による膜であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  5. 前記樹脂層の層厚が、6〜15μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  6. 前記第2の透明ガスバリア性フィルム上に積層された熱融着層をさらに有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  7. 前記熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  8. 前記ガスバリア性フィルム積層体が電子線により後処理されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルム積層体を、熱融着層が最内層となるように製袋して得られることを特徴とする包装袋。
  10. 本発明に規定する測定方法において、包装袋を形成する積層体の端面からの水蒸気透過度が、30g/m2・day以下であることを特徴とする、請求項9に記載の包装袋。
  11. 水分による表示モジュールの劣化を防ぐ表示モジュール封止用包装袋であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の包装袋。
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