JP5728874B2 - ガスバリア性フィルム積層体 - Google Patents
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1.プラスチック材料からなる基材フィルムの一方の面に、第1の耐候性コート層、蒸着層、及び、第2の耐候性コート層を、この順に設けたことを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
2.前記第1及び又は第2の耐候性コート層が、活性水素含有樹脂、及び、シランカップリング剤を含むことを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
3.前記活性水素含有樹脂が、アクリル樹脂であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
4.前記蒸着層が、プラズマ化学気相成長法により形成された炭素含有酸化珪素層であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
5.前記蒸着層が、さらに、蒸着層上に設けられたガスバリア性塗布膜を有し、該ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物による膜であることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
6.前記第2の耐候性コート層が、さらに、該耐候性コート層上に設けられた熱融着層を有することを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
7.前記熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とするガスバリア性フィルム積層体。
<1> 本発明のガスバリア性フィルム積層体の層構成
本発明のガスバリア性フィルム積層体としては、例えば、図1に示すように、基材フィルム1、第1及び第2の耐候性コート層2a、2b、蒸着層3からなることを基本構造とするガスバリア性フィルム積層体を挙げることができる。
また、本発明のガスバリア性フィルム積層体の一例として、図2に示すように、基材フィルム1、第1及び第2の耐候性コート層2a、2b、蒸着層3、ガスバリア性塗布膜4とからなるガスバリア性フィルム積層体が挙げられる。
さらに、本発明のガスバリア性フィルム積層体の一例として、図3に示すように、基材フィルム1、第1及び第2の耐候性コート層2a、2b、蒸着層3、ガスバリア性塗布膜4、熱融着層5とからなるガスバリア性フィルム積層体が挙げられる。
なお、本発明の耐候性コート層は、二層でもよいし三層以上の多層でもよく、必要に応じて適宜設定することができる。
本発明の基材フィルムとしては、化学的ないし物理的強度に優れ、耐候性コート層を形成する条件等に耐え、それら耐候性コート層の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができるプラスチックフィルムを使用することができる。
このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、環状オレフィンコポリマーフィルム、環状オレフィンポリマーフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリイミドフィルム、TACフィルムその他の各種の樹脂のフィルム、ないしシートを使用することができる。
特にディスプレイの表示素子などの封止用包装袋として使用する場合は、透明性・耐熱性の観点から、上記のプラスチック材料からなるフィルムの中でも、特にポリエチレンテレフタレートや環状オレフィンコポリマーからなるフィルムを使用することが好ましい。
本発明の基材フィルムの層厚は、2〜400μm、より好ましくは10〜200μmである。
また、上記表面前処理は、プラスチックフィルムと耐候性コート層との密着性を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密着性を改善する方法として、例えば、プラスチックフィルムの表面に、あらかじめ、プライマーコート剤層、アンダーコート層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層などを任意に形成することもできる。
本発明のガスバリア性フィルム積層体は、プラスチック材料からなる基材フィルムの一方の面に、第1の耐候性コート層、蒸着層、及び、第2の耐候性コート層を、この順に設けた積層体であるが、さらに該耐候性コート層は、活性水素含有樹脂、及び、シランカップリング剤を含むことを特徴とする。
本発明の耐候性コート層に用いる活性水素含有樹脂は、必要な接着性、透明性、塗工適性等を有するものであれば特に限定されず、公知の樹脂の中から、適宜選択することができる。
本発明の活性水素含有樹脂は、基材フィルムとの密着性を高めるためのバインダー成分として機能する。本発明においては、イソシアネートと反応性を有する硬化型樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えば、分子中に少なくとも2個の活性水素基、例えば水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基等を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。特に、加水分解されるエステル結合を有しないアクリル樹脂を好ましく使用することができる。
本発明においてはアクリル樹脂として、水酸基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、アミノ基含有アクリル樹脂等が好適であり、これらは中性モノマーと、水酸基含有アクリルモノマー、カルボキシル基含有アクリルモノマー、エポキシ基含有アクリルモノマー、又は含窒素アクリルモノマーとから製造される。
なお、上記アクリル樹脂の市販品として、例えば、DIC製のアクリディックA801や、東京インキ製のGLIB等を用いることができる。
本発明のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
コート層と接する層の表面に存在する基と、耐候性コート層に含まれるシランカップリング剤が有する基とが反応し、化学結合することで、接着性が向上するだけでなく、仮に、耐候性コート層の端面から水分が浸入しやすい環境であったとしても、水分子と反応する基(親水性基)は、シランカップリング剤が有する基と化学結合しているため、水分子を引き寄せ難く、ラミネート強度の低下が抑制できる。また、シランカップリング剤の使用により、耐候性コート層自体の耐久性、耐熱性が向上する。
なお、上記シランカップリング剤の市販品として、例えば、東レダウ製のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、SH6040等を用いることができる。
本発明の耐候性コート層に配合することができる硬化剤としてイソシアネート系の化合物を用いることができる。
イソシアネートは、上記の活性水素含有樹脂と反応してウレタン結合を形成する化合物であって、イソシアネート硬化剤として知られる任意の化合物、例えばトリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートモノマー、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネートモノマー、及びこれらの重合体、誘導体が用いられる。これらは、単独で又は混合物として用いることができる。
なお、上記硬化剤の市販品として、例えば、旭化成ケミカル社製のヘキサメチレンジイソシアネート、TPA−100等を用いることができる。
本発明の耐候性コート層の形成方法としては、例えば、印刷、コーティング等による方法が挙げられる。耐候性コート層の厚さは、耐候性コート層と接する面の状態、形状等を勘案し、該面に対する接着性と密着性とを損なわない範囲で、適宜選択することができる。
蒸着層
本発明において好適な蒸着層は、上記の耐候性コート層との密接着性、透明性、並びに表面及び端面ガスバリア性の観点から、以下に説明する無機酸化物からなる蒸着層を適用することができる。
無機酸化物蒸着層を形成する材料としては、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物であるが、特に、ガスバリア性、生産効率の点などから、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素のいずれかが好ましい。
ることが望ましい。
バリア性に応じて製膜室の数を任意に調製し、1層、2層又は4層以上等のように任意に製膜化し得るものであり、本発明は、上記の第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素層が重層したガスバリア性フィルムを製造する例だけに限定されるものではない。
上記において、各製膜室は、真空ポンプ等により減圧し、真空度1×10〜1×10-6Pa、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-5Paに調製することが望ましい。
また、本発明において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
本発明においては、上記蒸着層上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。
上記蒸着層上にガスバリア性塗布膜を設けることによって、一層優れた表面ガスバリア性が得られるだけでなく、上記耐候性コート層との密接着性が高まり、さらに高い端面ガスバリア性が得られる。
本発明において、ガスバリア性塗布膜とは、アルコキシドと水溶性高分子とをゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物を塗布し乾燥させた膜である。
また、上記の一般式R1 nM(OR2)mで表されるアルコキシドにおいて、R2で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基その他を挙げることができる。
尚、本発明において、同一分子中において、これらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
製するには、シランカップリング剤等も添加することができる。好適に用いられるシランカップリング剤としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。
さらに、加水分解によって生じた水酸基や、シランカップリング剤由来のシラノール基が無機酸化物蒸着層の表面の水酸基と結合する為、該無機酸化物蒸着層とガスバリア性塗布膜との密接着性等が良好なものとなる。
が向上し、相乗効果により、より良好な表面ガスバリア性の効果を発揮し得るものである。
本発明の積層体を構成する熱融着層は、オレフィン系熱融着樹脂組成物(オレフィン系ホットメルト樹脂組成物)からなる層であってもよいし、あるいは、熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)からなる層であってもよい。
本発明において、ホットメルト樹脂組成物とは、ベースポリマー及び粘着付与剤を含み、熱溶融性と粘着性とを備えた樹脂組成物を意味し、ベースポリマーがオレフィン系樹脂であるものを、特にオレフィン系ホットメルト樹脂組成物と呼ぶ。
ホットメルト樹脂組成物からなる熱融着層は、透明ガスバリア性フィルム上に直接積層することができる。これによって、層厚を薄く設定できるため、端面からのガス透過度を低く抑えることができる。
三井石油化学工業社製)、「ナックフレックス」(日本ユニカー社製)、「シェルポリブチレン」(シェル化学)、「タフマー」(三井石油化学工業社製)、「エクセレンVL」(住友化学社製)等が挙げられる。これらのα-オレフィン共重合体は2種以上を混合して使用してもよい。
本発明において用いることのできる熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)は、常温では非粘着性であるが、熱により溶融させてから、同じく熱により溶融させた熱融着層と重ね合わせ、圧着し、冷却することによって、互いに接着する。ここで、常温とは、JIS Z 8703に基づき、5℃から35℃の範囲にある温度状態をいう。非粘着性とは、JIS Z 0237に準じて測定した180度ひきはがし法の試験で測定不能なものをいう。
本発明の包装袋を形成する積層体を構成する熱融着性のフィルム(シーラントフィルム)は、ポリオレフィン系樹脂からなるものが望ましい。
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体等のポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が、単体で又は2種又はそれ以上の混合物として、場合によっては任意の添加剤を含有する樹脂組成物として使用される。なお、ポリオレフィン系樹脂が任意の添加剤を含有して樹脂組成物として使用される場合、該組成物は、粘着付与剤、例えば脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、水添石油樹脂等の飽和石油樹脂は含まない。
本発明においては、基材フィルム面上の第1の耐候性コート層上に、上記の蒸着層を形成した後、第2の耐候性コート層を積層し、さらにその上に熱融着層を積層することによりガスバリア性フィルム積層が得られる。
本発明の耐候性コート層は、蒸着層又はガスバリア性塗布膜と強固に接着し、経時的に安定な上に、貼り合わせた境界面への酸素及び水蒸気の浸入を防ぐため、端面ガスバリア性を一層高める。
または有色で透明なものも含まれるが、特にディスプレイの表示素子などの封止用包装袋として使用する場合は、高い透明性が要求され、例えば、可視光域380nm〜780nmにおける平均光透過率が80%以上である場合を言う。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
本発明のガスバリア性フィルム積層体は、貼り合わせ(積層)後の後処理として、電子線を照射して未硬化物等を処理し、バリア性をさらに向上することができる。
ここで、電子線の加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材フィルムとして電子線により劣化する基材フィルムを使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材フィルムへの余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材フィルムの劣化を最小限にとどめることができる。
本発明のガスバリア性フィルム積層体は、該積層体を二つ折にするか、又は積層体2枚を用意し、その熱融着層(シーラントフィルム)の面を対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋として製造することができる。
、内容物の水蒸気による劣化、変質を防止することができるので、飲食品、医薬品、電子部材、化学品、日用品等の種々の物品の包装材料として好適に使用することができる。また、水分の影響を受けやすい電子ペーパーの電気泳動式インクの保護材としても好適に使用することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
(1)基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、そのコロナ処理面に、グラビアコート法にて下記条件の溶液を塗工し、100℃で30秒乾燥した。
ライン速度:100m
アクリル樹脂:DIC製アクリディック:A801 70質量部
シランカップリング剤:東レダウ製
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:SH6040 5質量部
硬化剤:旭化成ケミカルズ製
ヘキサメチレンジイソシアネート:TPA−100 25質量部
(2)上記フィルムのコート面に、低温プラズマ化学気相成長装置にて、厚さ10nmの炭素含有酸化珪素蒸着層を積層した。
(蒸着条件)
蒸着用混合ガス反応ガス組成物の混合比
へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム
=1:10:10(単位:slm)
真空度:6Pa
冷却・電極ドラム供給電力 :22Kw
ライン速度:100m/min
(3)上記フィルムの蒸着面に(1)と同様に塗工して、ガスバリア積層体を得た。
(4)次いで(3)で得られた積層体の一方の面に、230℃で溶融させたオレフィン系ホットメルト樹脂(東亜合成製、アロンメルトHMP)を押し出し形成して、厚さ20μの熱融着層を形押し出し形成し、本発明の積層体を製造した。
耐候性コート層として下記の溶液を用いる以外は実施例1に同じ。
アクリル樹脂:東京インキ製:GLIB 70質量部
シランカップリング剤:東レダウ製
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:SH6040 5質量部
硬化剤:旭化成ケミカルズ製
ヘキサメチレンジイソシアネート:TPA−100 25質量部
蒸着をPVD法アルミナ蒸着にする以外は実施例1に同じ。すなわち、マグネトロンスパッタリング装置を使用し、アルゴンガス500sccmを導入して、20kWでプラズマ処理を行って、基材フィルムの一方の面に、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成し
、次いで、そのプラズマ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚10nmの酸化アルミニウムからなる蒸着層を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバー内の真空度:2×10-4mbar
巻き取りチャンバー内の真空度:2×10-2mbar
電子ビーム電力:25kw
フィルムの搬送速度:600m/min
基材フィルムと蒸着層の間にアクリル樹脂層が無い以外は実施例1に同じ。
すなわち、基材フィルム/蒸着層/耐候性コート層とした。
基材フィルムと蒸着層の間にアクリル樹脂層が無い以外は実施例2に同じ。
すなわち、基材フィルム/蒸着層/耐候性コート層とした。
評価方法
上記で製造したフィルムをA4サイズにカットし、温度60℃で、湿度90%(RH)で200時間保存した。
ASTM F1249−90に準じて、40℃、90%RHの環境下で、MOCON社製PERMAT RANを使用して24時間あたり、積層体1m2あたりの水蒸気透過量を測定する。
実施例1〜3は、温度60℃で湿度90%(RH)の環境下で、200時間経過後においても、バリアの性能劣化はほとんど観察されなかった。
これに対し、比較例1、2においては、大幅な性能劣化が観察された。
(1)積層体2枚を、その熱融着層の面同士が対向するように重ね合わせ、3方をヒートシールし、塩化カルシウム10gを入れてから残り1辺をヒートシールして、内寸100mm×100mm、シール幅3mmの評価用袋を製造する。
(2)上記で製造した評価用袋を、60℃、90%RHの環境下で静置し、24時間後の塩化カルシウムの重量増加を測定する。
(3)一方で、ASTM F1249−90に準じて、60℃、90%RHの環境下で、MOCON社製AQUATRANを使用して、以下のとおり、24時間あたり、積層体0
.01m2あたりの表面方向の水蒸気透過量を測定する。
(4)上記(2)の測定値(評価用袋の水蒸気透過量)から、上記(3)の測定値(0.01m2あたりの表面方向の水蒸気透過量)の2倍値を引き、得られた値を評価用袋の端面の面積で割り、これによって得られた値を、その積層体の端面からの水蒸気透過度とする。
端面からの水蒸気透過度={(評価用袋の水蒸気透過量)−2×(0.01m2あたりの表面方向の水蒸気透過量)}/(評価用袋の端面の面積)
上記の方法に基づいて、実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した各積層体について、端面からの水蒸気透過度を測定した。
結果を表2に示す。
2a. 第1の耐候性コート層
2b. 第2の耐候性コート層
3. 蒸着層
4. ガスバリア性塗布膜
5. 熱融着層
Claims (4)
- プラスチック材料からなる基材フィルムの一方の面に、第1の耐候性コート層、蒸着層、及び、第2の耐候性コート層を、この順に設けたガスバリア性フィルム積層体において、第1の耐候性コート層、及び、第2の耐候性コート層が、端面からの酸素及び水蒸気の侵入を防ぐための活性水素基を有するアクリル樹脂及びシランカップリング剤を含むことを特徴とする、ガスバリア性フィルム積層体。
- 前記蒸着層が、プラズマ化学気相成長法により形成された炭素含有酸化珪素層であることを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア性フィルム積層体。
- 前記第2の耐候性コート層が、さらに、該耐候性コート層上に設けられた熱融着層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム積層体。
- 前記熱融着層がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、請求項3に記載のガスバリア性フィルム積層体。
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