JP2012046384A - SiC単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】4H−SiC単結晶を安定して製造可能なSiC単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】本実施の形態におけるSiC単結晶の製造方法は、溶液成長法による。SiC単結晶の製造方法では、Siと希土類元素とを含有し、Siと希土類元素との総含有量に対する希土類元素の含有量が60at%以上である原料5を収納した容器4を準備する。そして、原料5を溶融して融液を生成し、かつ、融液にCを溶解してSiC溶液を生成する。SiC溶液にSiC単結晶からなる種結晶7が浸漬される。SiC溶液のうち、種結晶近傍部分の温度を他の融液部分の温度よりも低くして、種結晶7上に4H−SiC単結晶を育成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素(SiC)単結晶の製造方法に関し、溶液成長法によるSiC単結晶の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、熱的及び化学的に安定な化合物半導体である。SiCは、シリコン(Si)と比較して、優れたバンドギャップ、絶縁破壊電圧、電子飽和速度及び熱伝導率を有する。そのため、SiCは、次世代のパワーデバイス材料として注目される。
SiCは結晶多形を有する物質としてよく知られる。SiCの代表的な結晶多形は、6H多形(1周期ごとに6分子を有する六方晶系、多形はポリタイプともいう)、4H多形(1周期ごとに4分子を有する六方晶系)、3C多形(1周期ごとに3分子を有する立方晶系)である。SiCは積層多形のエネルギー差が小さいため、単一の結晶多形に制御することが難しい。
このうち、4H型の結晶多形を有するSiC単結晶(以下、4H−SiC単結晶という)のバンドギャップは大きく、かつ、電気特性の異方性が小さい。したがって、4H−SiC単結晶は特に、パワーデバイス材料に適する。
SiC単結晶の製造方法として最も利用されているのは、昇華法である。しかしながら、昇華法により製造されたSiC単結晶には、マイクロパイプ等の欠陥が発生しやすい。
SiC単結晶の他の製造方法として、溶液成長法がある。溶液成長法では、SiCが溶解したSiC溶液中にSiC単結晶からなる種結晶を浸漬する。そして、SiC溶液のうち、種結晶近傍部分を過冷却状態にして、種結晶の表面にSiC単結晶を育成する。成長させたい結晶多形と同一の結晶多形のSiC種結晶が使用されることが多い。
溶液成長法により得られたSiC単結晶には、マイクロパイプ等の欠陥が少ない。しかしながら、溶液成長法では、SiC単結晶の成長速度が昇華法よりも小さい。また、種結晶上に生成されたSiCに種結晶と異なる結晶多形が生じ混入することがある。結晶成長法において、結晶成長条件と、出現する結晶多形との関係は、十分に調査されていない。このため、特に、4H多形を種結晶とした溶液成長法によるSiC成長を行った場合、種結晶と異なる結晶多形(3Cや6H)が同時に生成されやすい。
特開2007−277049号公報(特許文献1)及び特開2009−274894号公報(特許文献2)は、SiC単結晶が生成しやすい溶液成長法を提案する。特許文献1の溶液成長法は、融液に希土類元素の少なくとも1種と、Sn、Al、Geのうちのいずれか1種とを添加する。また、特許文献2に開示された溶液成長法は、Si、C、Cr及びNiを含有する融液を利用する。
特開2007−277049号公報 特開2009−274894号公報
しかしながら、上述の特許文献に開示された溶液成長法でも、製造されたSiCが多結晶となる場合がある。さらに、上述の特許文献には、4H−SiC単結晶を製造するための具体的方法が開示されていない。
本発明の目的は、4H−SiC単結晶を製造しやすい、溶液成長法によるSiC単結晶の製造方法を提供することである。
本発明の実施の形態によるSiC単結晶の製造方法は、溶液成長法による。SiC単結晶の製造方法は、Siと希土類元素とを含有し、Siと希土類元素との総含有量に対する希土類元素の含有量が60at%以上である原料を収納した容器を準備する工程と、容器内の原料を溶融して融液を生成し、かつ、融液にCを溶解してSiC溶液を生成する工程と、SiC溶液のうち、SiC溶液に浸漬されたSiC種結晶の近傍部分の温度を他のSiC溶液部分の温度よりも低くして、SiC種結晶の表面に結晶多形が4H型であるSiC単結晶を育成する工程とを備える。
本発明の実施の形態によるSiC単結晶の製造方法は、4H−SiC単結晶を製造しやすい。
本発明の実施の形態によるSiC単結晶の製造装置を示す模式図である。 実施例で種結晶基板上に形成されたSiC単結晶の断面写真である。 図2中の線分周辺部の模式図である。 図2及び図3に示す線分でのラマン分光分析結果を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[SiC単結晶の製造方法]
本実施の形態によるSiC単結晶の製造方法は、溶液成長法による。溶液成長法では、シリコン(Si)と、炭素(C)とを含有するSiC溶液に、SiC単結晶からなる種結晶を浸漬する。そして、SiC溶液のうち、種結晶近傍部分を過冷却状態にして、種結晶の表面にSiC単結晶を育成する。
このような溶液成長法には、たとえば、TSM(Travelling Solvent Method)法や、TSSG(Top Seeded Solution Growth)法がある。以下、溶液成長法の一例として、TSM法を用いた本実施の形態によるSiC単結晶の製造方法を説明する。
[製造装置の構成]
図1はTSM法におけるSiC単結晶の製造装置の模式図である。図1を参照して、製造装置100は、チャンバ1と、断熱部材2と加熱装置3とを備える。
チャンバ1は、断熱部材2と加熱装置3とを収納する。チャンバ1はさらに、容器4を収納する。容器4は周知の耐熱材料からなる。容器4はたとえば、坩堝である。図1では、容器4は筐体状であり、蓋を有する。ただし、容器4の形状はこれに限定されない。
容器4は、原料5と、炭素供給源6とを収納する。原料5が溶融し、溶融した原料5に炭素供給源6の炭素が溶解することにより、SiC溶液が生成される。容器4はさらに、SiC単結晶からなる種結晶7を収納する。種結晶は4H−SiC単結晶が好ましい。しかしながら、他の結晶多形(6H、3C等)からなるSiC単結晶を用いても良い。
加熱装置3は、容器4の周りに配置される。本例では、加熱装置3は高周波コイルである。加熱装置3は、容器4を誘導加熱する。加熱装置3の加熱により、原料5が溶融してSiC溶液が生成される。
断熱部材2は、筐体状であり、蓋を有する。断熱部材2の側壁は、加熱装置3と容器4との間に配置される。断熱部材2は、容器4全体を覆う。図1では、断熱部材2は、容器4を収納する。断熱部材2は、周知の断熱材を備える。
[容器4の収納物]
上述のとおり、容器4には、原料5と、炭素供給源6と、種結晶7とが収納される。図1に示すとおり、これらは層状に積層される。原料5は、炭素供給源6と種結晶7との間に配置される。
[原料5]
原料5は、SiC溶液の溶媒に相当する。原料5は、シリコン(Si)と、希土類元素とを含有する。希土類元素は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)である。原料5は、上述の複数の希土類元素のうち1種又は2種以上を含有する。
原料5中のSi及び希土類元素の総含有量に対する希土類元素の含有量は、原子比(at%)で60at%以上である。つまり、Si及び希土類元素の含有量は、以下の式(1)を満たす。
希土類元素含有量/(Si含有量+希土類元素含有量)×100≧60at% (1)
式(1)が満たされることにより、4H−SiC単結晶が安定して成長する。種結晶7が4H多形と異なる結晶多形を有しても、4H−SiC単結晶が種結晶7の表面上に安定して成長しやすい。この理由は定かではないが、以下の理由が推定される。SiC結晶中の化学量論比からのズレ、すなわちSi:C=1:1からのズレが結晶多形の安定性と関係する。具体的には、SiC結晶中でC欠損点欠陥が多いと3C多形が安定化し、一方、化学量論比に近いと4H多形が安定化する。また、3C多形と4H多形の間に6H多形の安定領域が存在する。従来の溶液成長法では、溶液中のC溶解量が少ない。このため、溶液内のC/Si比が著しく小さく。その結果、得られるSiC結晶には、C欠損点欠陥が多く導入され、3C多形や6H多形が主相として出現する。一方、60at%以上の希土類元素を含有する溶液のC溶解量は、希土類元素が60at%未満の溶液と比較して、顕著に大きくなると推測される。そして、C溶解量の増大により、溶液中のC/Siが1に近づくと推察される。その結果、結晶成長したSiC中のC欠損の点欠陥が少なくなり、このことが、4H−SiC単結晶の安定化と関連していると推測される。
一方、希土類元素の含有量が60at%未満である場合、4H−SiC単結晶は成長しにくい。
好ましい希土類元素はDyである。Si及びDyの総含有量に対するDy含有量が60at%以上であれば、4H−SiC単結晶が顕著に安定して成長する。
原料5は上述のSi、希土類元素の他に、他の金属元素を含有してもよい。金属元素はたとえば、クロム(Cr)や、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)等である。
[炭素供給源6]
炭素供給源6は、溶融された原料5に炭素(C)を供給する。本実施の形態では、炭素供給源6は、SiCからなる多結晶基板(以下、SiC多結晶基板という)である。しかしながら、炭素供給源6は、SiC多結晶基板以外であってもよい。たとえば、炭素供給源6は、黒鉛でもよいし、Cと他の元素との化合物であってもよい。
好ましくは、炭素供給源6はSiCの多結晶である。炭素供給源6が黒鉛である場合、SiC単結晶が成長するに従い、SiC溶液中のSi濃度が減少する。そのため、製造工程中に、SiC溶液の組成が変化する可能性がある。一方、炭素供給源6がSiC多結晶である場合、SiC多結晶からSiC溶液にCだけでなく、Siも溶解する。そのため、製造工程中のSiC溶液の組成が変化しにくい。
[種結晶7]
種結晶7は、SiC単結晶からなる。図1では、種結晶7は板状である。しかしながら、種結晶7の形状は特に限定されない。種結晶7のうち、SiC単結晶が成長する表面は平坦である。
種結晶7の結晶多形の種類は特に限定されない。つまり、種結晶7は、6H多形であってもよいし、3C多形であってもよいし、4H多形であってもよい。好ましくは、種結晶7のうち、SiC種結晶が形成される表面は、(0001)面又は(0001)面から8°以下の角度で傾斜した面である。さらに好ましくは、種結晶7は、4H−SiC単結晶からなる。種結晶7が(0001)面又は(0001)面から8°以下の角度で傾斜した表面を有し、かつ、4H−SiC単結晶から構成されていれば、種結晶7の結晶構造を引継ながら、4H−SiC単結晶が成長しやすい。つまり、ステップフロー成長が促進され、4H−SiC単結晶が安定して成長する。
[製造工程]
本実施の形態によるSiC単結晶の製造方法は、上述の原料5を用いて、周知の溶液成長法により製造される。以下、製造装置100を用いたTSM法によるSiC単結晶の製造方法を説明する。
初めに、原料5を収納した容器4を準備する。図1に示すとおり、容器4に、原料5と、炭素供給源6と、種結晶7とを収納する。このとき、原料5と炭素供給源6と種結晶7とは互いに積層される。そして、原料5は、炭素供給源6と種結晶7との間に配置される。
次に、容器4をチャンバ1内に収納する。そして、チャンバ1内に希ガスを充填する。チャンバ1内の好ましい圧力は大気圧である。
次に、原料5を溶融してSiC溶液を生成する。加熱装置3により容器4内の原料5を融点以上に加熱する。容器4内の原料5を加熱するとき、炭素供給源6からCが原料5の融液に溶け込み、SiC溶液が生成される。したがって、SiC溶液は、Siと希土類元素とCとを含有する。上述のとおり、SiC溶液はさらに、他の金属元素を含有してもよい。このとき、SiC溶液内のC濃度は、飽和濃度に近い。
SiC溶液を生成した後、4H−SiC単結晶を育成する。原料5が溶融してSiC溶液が生成されると、種結晶5の表面(図1でいう種結晶5の下面)は、SiC溶液の液面直下に浸漬する。加熱装置3により、SiC溶液の温度を結晶成長温度以上に保持する。結晶成長温度は、SiC溶液の組成に依存する。原料5を含有するSiC溶液の結晶成長温度は1400〜2000℃である。
さらに、SiC溶液のうち、少なくとも種結晶7の近傍部分を過冷却してSiC溶液中のSiCを過飽和状態にする。以下、SiC溶液のうち、種結晶7の近傍部分を単に「近傍部分」という。近傍部分の温度を他のSiC溶液部分の温度よりも低くする方法は周知である。たとえば、加熱装置8は、上下に並んで配置される2つの高周波コイルを備える。この場合、種結晶7に近い高周波コイルを低出力とし、炭素供給源6に近い高周波コイルを高出力にする。その結果、SiC溶液内に温度差が生じ、近傍部分の温度を他の部分よりも低くできる。
近傍部分のSiCを過飽和状態にしたまま、SiC溶液の温度を維持する。このとき、種結晶7の表面に、4H−SiC単結晶が生成し、成長する。つまり、4H−SiC単結晶が育成される。
以上のとおり、本実施の形態によるSiC単結晶の製造方法では、原料5がSiと希土類元素とを含有する。さらに、Siと希土類元素との総含有量に対する希土類元素の含有量は、60at%以上である。このような原料5を用いて、溶液成長法によりSiC単結晶を製造すれば、4H−SiC単結晶が安定して成長する。
[他の実施の形態]
上述の実施の形態では、SiC溶液へのCの供給源として、炭素供給源6を使用する。しかしながら、炭素供給源6を使用しなくてもよい。たとえば、容器4を、黒鉛からなる坩堝にしてもよい。この場合、原料5からなる融液に、容器4からCが溶解して、SiC養鶏が生成される。また、容器4の内表面に黒鉛の被膜を形成してもよい。
図1では、加熱装置3は容器4の周りに配置される。しかしながら、加熱装置3は、容器4の上方と下方にそれぞれ配置されてもよい。要するに、加熱装置3は、容器4を加熱できれば、その配置場所は限定されない。また、断熱部材2はなくてもよい。
上述の実施の形態では、溶液成長法の一例として、TSM法を利用する。しかしながら、TSSG法により、SiC単結晶を製造してもよい。原料5を使用してSiC溶液を生成すれば、TSSG法においても、4H−SiC単結晶が安定して成長する。
種々の試験条件で、TSM法によりSiC単結晶の製造を試みた。このとき、図1と同様の構成を有する製造装置を使用した。そして、試験条件ごとに、4H−SiC単結晶が生成されたか否かを評価した。
[試験方法]
表1に示す化学組成を有する原料を準備した。
表1中の「原料組成」は、原料の組成(単位はat%)を示す。試験番号1及び2は、SiとCrとのみからなる原料を準備した。試験番号3〜14は、SiとDyとのみからなる原料を準備した。試験番号1の原料において、Si及びCrの総含有量に対するCr含有量は85at%であった。試験番号2において、Cr含有量は60at%であった。
試験番号3、6、9及び10において、Si及びDyの総含有量に対するDy含有量は、60at%であった。一方、試験番号4、5、7、8、11〜14において、Dy含有量は、60at%未満であった。
各試験番号において、炭素供給源と、原料と、種結晶とを含む試料を、容器に収納した。炭素供給源は、3C多形のSiC多結晶基板であった。原料は、種結晶とSiC多結晶基板との間に配置した。種結晶は、(0001)面を有し、6H−SiC単結晶からなる基板であった。つまり、4H−SiC単結晶からなる種結晶を使用しなかった。4H−SiC単結晶の種結晶を利用すれば、ステップフロー成長により4H−SiC単結晶が成長する可能性が高い。そのため、4H−SiC単結晶が最も安定して成長する原料(SiC溶液の溶媒)の組成を調査しにくい。そこで、4H−SiCと異なる結晶多形の種結晶を利用した。種結晶基板の表面は矩形状であり、縦10mm×横10mmであった。
原料を収納した容器をチャンバ内に装入した。続いて、容器を加熱し、容器の温度を表1に示す温度にした。さらに、容器の温度を表1に示す保持時間維持し、SiC単結晶を育成した。保持時間経過後、容器を常温(25℃)まで冷却した。
試験後、容器から試料を取り出した。そして、試料をHF−HNOで洗浄し、SiC溶液が固化して形成された残留溶媒を除去し、種結晶を試料から取り出した。
取り出した種結晶の(0001)表面に対して、縦方向、横方向各1mmピッチでラマン分光分析を実施した。そして、各測定点(縦横それぞれ1mmピッチの各点)における結晶多形構造を同定した。試験番号ごとに、4H−SiC単結晶の表面被覆率F(%)を、以下の式(2)により求めた。
F=4H−SiCと同定された測定点数/全測定点数×100 (2)
[評価結果]
表1に評価結果を示す。試験番号3、6、9及び10では、原料が希土類元素(Dy)を60at%以上含有した。そのため、4H−SiC単結晶の表面被覆率Fは100%であった。つまり、種結晶の表面全体に、4H−SiC単結晶が形成された。
図2は試験番号9の試験後の種結晶の断面写真である。図2を参照して、種結晶基板60の表面上には、SiC単結晶70が形成された。図3は、図2中の線分200を含む領域の模式図である。図4は、図3中の線分200を11等分した各区分点P1〜P12におけるラマン分光分析の結果を示すグラフである。図4の横軸は、ラマンシフト(cm−1)を示す。縦軸はラマン散乱強度を示す。ラマン分光分析において、4H多形のSiC単結晶では、ラマンシフトが266cm−1近傍と、610cm−1近傍とに、ラマン散乱強度のピークが発生する。一方、6H多形のSiC単結晶では、ラマンシフトが240cm−1近傍と、500cm−1近傍とに、ラマン散乱強度のピークが発生する。
図4を参照して、種結晶基板60内の区分点P1及びP2のラマン分光結果は、6H型の結晶多形を示した。一方、形成されたSiC単結晶70内の区分点P3〜P11では、いずれも、4H型の結晶多形を示した。
以上のとおり、原料中の希土類元素が60at%以上である場合、種結晶の表面全体に4H−SiC単結晶が安定して成長することが確認された。
一方、試験番号1及び2の原料は、希土類元素を含有しなかった。そのため、4H−SiC単結晶の表面被覆率Fは0%であった。つまり、4H−SiC単結晶が生成されなかった。
さらに、試験番号4、5、7、8、11〜14はいずれも、原料中のSi及び希土類元素の総含有量に対する希土類元素の含有量が60at%未満であった。そのため、4H−SiC単結晶の表面被覆率Fは0%であった。つまり、4H−SiC単結晶が生成されなかった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
1 チャンバ
4 容器
5 原料
6 炭素供給源
7 種結晶

Claims (2)

  1. 溶液成長法によるSiC単結晶の製造方法であって、
    Siと希土類元素とを含有し、前記Siと前記希土類元素との総含有量に対する前記希土類元素の含有量が60at%以上である原料を収納した容器を準備する工程と、
    前記容器内の原料を溶融して融液を生成し、かつ、前記融液にCを溶解してSiC溶液を生成する工程と、
    前記SiC溶液のうち、前記SiC溶液に浸漬されたSiC種結晶の近傍部分の温度を他の部分の温度よりも低くして、前記SiC種結晶の表面に結晶多形が4H型であるSiC単結晶を育成する工程とを備える、SiC単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記希土類元素は、Dyである、SiC単結晶の製造方法。
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