JP5218348B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents
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(1)前記融液の材料が少なくとも1種の酸化物を含む、
(2)酸素を含む不活性ガス雰囲気下で結晶成長を行う、および
(3)酸素を含む不活性ガスを原料溶液に吹き込みながら結晶成長を行う。
(1)前記融液の材料が少なくとも1種の酸化物を含む、
(2)酸素を含有させた不活性ガス雰囲気下で結晶成長を行う、および
(3)酸素を含有させた不活性ガスを原料溶液に吹き込みながら結晶成長を行う。
本発明のSiC単結晶の製造方法は、本発明の特徴である、上述した原料溶液への酸素の供給以外のSiC単結晶成長条件については、通常の溶液成長法によるSiC単結晶の製造と同様に実施することができる。以下では、主に本発明の特徴である原料溶液の酸素の供給手法について説明する。
本発明で使用するのに好ましい酸化物としては、酸化物としての安定性、溶液原料作成時の取り扱いの容易さなどの観点より、酸化ホウ素、酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化カルシウム、酸化バナジウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化セレン、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化テルル、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンが挙げられる。これらのうち、特に好ましいのは酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ホウ素、および酸化アルミニウムである。
酸素(O)を含有させた不活性ガス雰囲気下でSiC単結晶の成長を行なうことによって原料溶液中に酸素を添加しても、原料溶液による成長表面の濡れ性の改善が可能である。不活性ガスとしてはHe、Ar、Ne、N2などが使用可能である。不活性ガスは2種以上のものを混合して使用しても良い。
この酸素を含有する不活性ガスは、単結晶の成長中だけに炉内に存在させればよいが、その前から、例えば、融液材料を炉内に装入し、加熱して融液を調製し、その融液にCを溶解させて原料溶液を調製する際の最初から、または途中から、炉内雰囲気が酸素を含有することも可能である。但し、溶液調整の最初から酸素を導入した場合には、溶液原料表面が酸化して溶解しにくくなったり、溶液表面に厚い酸化膜が形成されて種結晶浸漬時に種結晶表面に付着することもあるので、種結晶浸漬後に酸素を含有する不活性ガスを導入することが好ましい。
酸素(O)を含有させた不活性ガスを直接溶液中に吹き込みながら、SiC単結晶を成長させることによっても、原料溶液中に酸素を添加し、成長表面の原料溶液による濡れ性を改善することができる。この場合のガスは上記(2)と同様でよい。
SiC単結晶の育成は、図1に示す装置(結晶育成炉)を用いて行なった。
本装置では、水冷した炉体11の中に、6kHzの高周波を用いて加熱することができる加熱用の高周波水冷銅コイル10が設置されている。このコイル内には円筒状の断熱材9が挿入され、さらにその中に溶液を保持する黒鉛坩堝6が、それを支持する坩堝軸8上に固定されている。結晶成長用基板1は、中空の黒鉛製シード軸(結晶保持具)2の下端部に固定され、溶液中に浸漬される。シード軸内部には結晶成長用基板1の背面を冷却するための不活性ガスを導入する管3が軸対称に挿入されている。通常、He、Arなどの不活性ガスを数リットル毎分噴出させることで結晶成長用基板1(以下、種結晶ともいう)を冷却し、その近傍の原料溶液を過冷却状態とし、過飽和状態を創出し、SiC単結晶の成長を行なう。種結晶の背面は放射温度計4により管3を介して常時測温されており、ガス導入による温度低下を正確に把握することが可能である。
比較として、原料にTiO2を添加しないことを除いて、上記実施例1と全く同じ条件でSiC単結晶の成長を行った。平均厚み80μmのSiC単結晶が得られた。
実施例1と同様の装置を使用し、内径100mmの高純度黒鉛坩堝中に、高純度Siを490g、高純度Tiを250g、Crを330g装入し、さらに酸化物として高純度のSiO 2 粉末を20g加えた。この原料の入った坩堝を結晶育成炉内に装填し、高周波加熱により加熱融解させて融液とした。溶解温度は坩堝底に装着した熱電対7により1650℃に設定、制御し、室温から2時間で設定温度まで加熱昇温させた。設定温度に到達後、さらに1時間等温保持して原料を完全に融解させると同時に、坩堝からSiC単結晶成長に十分な量のCを溶解させてSiC溶液を得た。
実施例1と同様な成長装置を用い、内径100mmの高純度黒鉛坩堝中に高純度Siを490g、高純度Tiを250g、Crを330g装入し、さらに高純度のCr 2 O 3 粉末を30g加えた。この原料の入った坩堝を結晶育成炉内に装填し、高周波加熱により加熱融解させて融液とした。溶解温度は坩堝底に装着した熱電対7により1650℃に設定、制御し、室温から2時間で設定温度まで加熱昇温させた。設定温度に到達後、さらに1時間等温保持して原料を完全に融解させると同時に、坩堝からSiC単結晶成長に十分な量のCを溶解させてSiC溶液を得た。
[実施例4]
実施例1と同様の成長装置を用い、内径100mmの高純度黒鉛坩堝中に高純度Siを490g、高純度Tiを250g、Crを330g装入し、さらに高純度のTiO2粉末を50mg、100mg、1g、10g、100g、200g、250gと量を変えて加えた7種類の融液原料を調製した。この原料の入った坩堝を結晶育成炉内に装填し、高周波加熱により加熱融解させて融液を得た。溶解温度は坩堝底に装着した熱電対7により1650℃に設定、制御し、室温から2時間で設定温度まで加熱昇温させた。設定温度に到達後、さらに1時間等温保持して原料を完全に融解させると同時に、坩堝からSiC単結晶成長に十分な量のCを溶解させてSiC溶液を得た。
図1に示す装置を用いて、結晶育成中の雰囲気ガスを、5%の分子状酸素を含むAr−酸素混合ガス雰囲気とし、融液材料には酸化物を添加せずに、次に述べるようにSiC単結晶成長を行なった。
図1に示す装置を用いて、結晶育成中の雰囲気ガスを、分子状酸素を5%含むHe−酸素の混合ガス雰囲気とし、次のようにSiC単結晶成長を行なった。
比較として、結晶育成時の雰囲気ガスを、酸素ガスを含まないHeガスとしたことを除き、実施例6と同じ条件でSiC単結晶の成長を行った。平均厚み105μmのSiC単結晶が得られた。
[実施例7]
図3に示す装置を用いて、図3に示すように黒鉛製のノズルを介して、ルツボ中の原料溶液に酸素を5%含むAr−酸素の混合ガスを吹き込みながら、融液材料には酸化物を添加せずに、次のようにSiC単結晶成長を行なった。
Claims (1)
- SiまたはSiとM(MはSi以外の1種以上の金属)との合金からなる融液にCが溶解している原料溶液にシード軸に固定された結晶成長用基板を浸漬し、少なくとも前記基板の近傍の溶液を過飽和状態とすることによって前記基板上にSiC単結晶を成長させるSiC単結晶の製造方法であって、
前記原料溶液が融液材料および/またはガスから供給された溶存酸素を含有し、
前記原料溶液への酸素の供給が下記(1)〜(3)のいずれか少なくとも1つの手法により行われ:
(1)前記融液材料が少なくとも1種の酸化物を含む、
(2)酸素を含有させた不活性ガス雰囲気下で結晶成長を行う、および
(3)酸素を含有させた不活性ガスを原料溶液に吹き込みながら結晶成長を行う、
前記(1)により酸素の供給がなされる場合、前記酸化物が、酸化スカンジウム、酸化ホウ素、酸化チタニウム、酸化ケイ素、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化カルシウム、酸化バナジウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ニオビウム、酸化セレン、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化テルル、酸化ハフニウム、酸化タンタル及び酸化タングステンから選ばれた少なくとも1種であり、前記酸化物の添加量が、前記原料溶液1質量部に対して1.0×10 -5 〜0.19質量部の範囲内である、
ことを特徴とするSiC単結晶の製造方法。
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