JP2012037221A - 加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置 - Google Patents

加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置 Download PDF

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Abstract

【課題】劣質炭を含む様々な種類の固体燃料に金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加した混合物を燃料とする加熱炉内の灰付着を精度良く予測し、適正な混合比率を求めて、灰が付着するのを抑制する。
【解決手段】加熱炉で使用する予定である複数種類の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機組成を測定し(S1)、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で混合した固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合とに基づいて、スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定する(S2)。所定の混合比率で添加して混合した混合物を燃料として加熱炉に供給する(S3)。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加した固体燃料を燃料とする加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置に関する。
劣質炭を含む単種類あるいは複数種類の固体燃料を燃料とするボイラ等の加熱炉(固体燃料を燃焼させる炉全般を意味する。)では、固体燃料を粉砕機で粉砕した後、搬送用空気で燃料として供給している。そして、加熱炉は、供給された燃料をバーナなどで燃焼させて熱を発生させる火炉と、火炉の上方から下流にわたって配置され、内部に燃焼ガスを流動して熱交換を行う伝熱管群とを備えており、加熱炉からでた燃焼ガスは煙突から排出されるようになっている。ここで、伝熱管群は、火炉の上方に所定の間隔で並列配置された二次加熱器、三次加熱器、最終加熱器、二次再熱器を備える上部伝熱部と、火炉の後部に配置された一次加熱器、一次再熱器、節炭器を備える後部伝熱部と、からなっている。
このような加熱炉では、燃焼した石炭から灰が発生するため、灰が加熱炉の燃焼ガスによって流動し、排出の途中で火炉の壁面や、火炉上方から下流にわたって配置された伝熱管群などに付着して堆積するスラッギングやファウリングが生じる。灰が火炉の壁面や伝熱管群に付着して堆積するスラッギングやファウリングが生じると、伝熱管の伝熱面が塞がれて熱吸収効率が大幅に低下する。更に、スラッギングやファウリングにより壁面などに巨大なクリンカが生成されると、クリンカが落下して、炉内圧が大幅に変動したり、炉底の伝熱管が損傷したり、炉底の閉塞が生じたりするという問題が生じる。また、火炉の上方に設けられる上部伝熱部は、狭い間隔で配置されているため、灰が付着すると、炉内圧が大きく変動したり、伝熱管間に付着した灰が成長してガス流路が閉塞されてしまい、燃焼ガスが通過できなくなり、運転障害を起こしたりする恐れがある。更に、バーナ近傍では、燃料の燃焼火炎の放射熱により火炉の壁面近傍の温度が高くなっているため、比較的低温な伝熱管群に灰が付着溶融しやすく、巨大なクリンカが成長しやすいという問題が生じる。
従って、加熱炉を安定運転するために、固体燃料を燃焼することによって、灰が付着する可能性を事前に予測して、灰付着による問題の発生を回避することが必要である。そこで、灰の付着が生じる可能性を指標として表すことが試みられている。
例えば、非特許文献1では、灰含有元素を酸化物で表した灰組成に基づいた灰に関する指標と評価基準により、灰が付着する可能性を事前に予測する方法が用いられている。しかしながら、非特許文献1に示された指標と評価基準は、灰の付着などの問題が少ない良質炭である瀝青炭を対象としている。従って、近年需要が高まっている劣質炭(例えば、亜瀝青炭、褐炭、高シリカ炭、高カルシウム炭などの炭種)を対象としていないため、非特許文献1に示される指標と灰付着との関係は必ずしも一致した傾向にないという問題がある。
そこで、劣質炭を対象として、特許文献1のように、使用する石炭を予め灰化して得られた石炭灰を焼結させることにより、焼結灰の膠着度を測定し、灰の付着を予測評価する技術が開発されている。しかしながら、灰の焼結性や溶融性は、温度だけでなく、雰囲気ガス組成の影響を大きく受ける。雰囲気がCOやHなどの還元性ガス濃度が高い還元雰囲気であれば、灰の軟化点や融点は下がり、焼結しやすくなる。また、雰囲気が酸化雰囲気であれば、灰の軟化点や融点は上がり、焼結しにくくなる。従って、雰囲気ガス組成を考慮していない特許文献1の技術では、加熱炉内の灰付着を精度良く予測することは困難であるという問題点がある。
また、未燃分を低下させるために、特許文献2のように、石炭にカルシウム、マグネシウム、鉄、銅等の金属酸化物を添加し、技術が開発されている。しかしながら、未燃分の含有率を求めているだけであって、金属酸化物を添加する量と加熱炉内の灰付着との関係は記載されておらず、また、使用する劣質炭に対応しながら金属酸化物を添加する量を決定していないため、添加する金属酸化物の適正量が定まっておらず、加熱炉内の灰付着を精度よく予測することはできないという問題点がある。
特開2004−361368号公報 特開2008−169338号公報
Gordon Couch, Understanding slagging and fouling during pf combustion (IEACR/72), 1994
本発明が解決しようとする課題は、劣質炭を含む様々な種類の固体燃料に金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加した混合物を燃料とする加熱炉において、加熱炉を安定運用させるべく、加熱炉内の灰付着を精度良く予測して、灰が付着するのを抑制することが可能な加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置を提供するものである。
本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法は、複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、を予め測定し、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定し、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物とを、前記所定の混合比率で添加して混合し、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を燃料として加熱炉に供給することを特徴とする。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制装置は、複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、が予め測定されて入力されて、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定する演算手段と、前記演算手段で決定された前記所定の混合比率に基づいて、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物との供給量を調整する燃料供給量調整手段と、を備えることを特徴とする。
これによると、加熱炉内で燃焼により溶融し、加熱炉内の燃焼空気の気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分であるスラグに着目し、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物または金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加剤として添加して混合した複数種類の固体燃料について算出したスラグ割合と、複数種類の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、に基づいて、スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となるように、複数通りの混合比率から所定の混合比率を決定している。従って、本発明で新たに構築した評価指数であるスラグ割合に基づいて予め灰付着特性を評価したスラグ割合の基準値から、スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となるように、複数通りの混合比率から所定の混合比率を決定することにより、加熱炉内の灰付着を精度良く予測して、適正な混合比率を求めて、灰の付着を抑制することができる。ここで、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。また、加熱炉では熱量が重視されるため、燃料となる固体燃料は、加熱炉に投入される熱量が一定になるように供給量が決定されているものとする。ここで、金属系化合物もしくは金属含有化合物は、金属元素の主成分をマグネシウムまたはアルミニウムとし、マグネシウムまたはアルミニウムを含有した金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸化物等(例えば、MgO、Mg(CO)、Mg(OH)、Al、Al(OH)等)を含む他、マグネシウムまたはアルミニウムを含有したオキソ酸塩や有機塩や鉱物なども含まれる。金属系化合物もしくは金属含有化合物として、具体的には、無機塩である酸化マグネシウムMgO(苦土),過酸化マグネシウム MgO,水酸化マグネシウム Mg(OH)と、オキソ酸塩である炭酸マグネシウム MgCO(菱苦土石),炭酸カルシウムマグネシウム CaMg(CO(苦灰石、ドロマイト),硝酸マグネシウム Mg(NO,硫酸マグネシウムMgSO,亜硫酸マグネシウム MgSO,リン酸三マグネシウムMg(PO・8HO,過マンガン酸マグネシウムMg(MnOと、鉱物である三ケイ酸マグネシウム 2MgO・3SiO・nHO,尖晶石、スピネル MgO・Al,滑石 MgSi10(OH),蛇紋石MgSi(OH)と,有機塩である酢酸マグネシウムMg(CHCOO),クエン酸マグネシウム,L‐グルタミン酸マグネシウム,安息香酸マグネシウムC1410MgO,ステアリン酸マグネシウムMg(CH(CH)16COO)が挙げられる。尚、金属酸化物とは、加熱炉内の環境下において、固体燃料中の炭素を酸化する酸化力を有する金属酸化物を意味し、金属酸化物の原料を含むものである。また、金属酸化物の原料とは、熱分解により金属酸化物を生成する化合物を意味する。ここで、加熱炉は、固体燃料を燃焼させる炉全般を意味し、ボイラ等が含まれる。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法は、複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、を予め測定し、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率及び所定の平均粒子径を決定し、前記複数種類の固体燃料と前記所定の平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物とを、前記所定の混合比率で添加して混合し、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を燃料として加熱炉に供給することを特徴とする。
また、複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、を予め測定されて入力されて、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率及び所定の平均粒子径を決定する演算手段と、前記演算手段で決定された前記所定の混合比率及び所定の平均粒子径に基づいて、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物との供給量を調整する燃料供給量調整手段と、を備えることを特徴とする。
これによると、加熱炉内で燃焼により溶融し、加熱炉内の燃焼空気の気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分であるスラグに着目し、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加剤として複数通りの混合比率で混合した複数種類の固体燃料について算出したスラグ割合と、複数種類の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、に基づいて、複数通りの混合比率から所定の混合比率と、複数通りの平均粒子径から所定の平均粒子径を決定している。従って、本発明で新たに構築した評価指数であるスラグ割合に基づいて灰付着特性を評価し、スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となるように、複数通りの混合比率から所定の混合比率と、複数通りの平均粒子径から所定の平均粒子径を決定することにより、加熱炉内の灰付着を精度良く予測して、適正な混合比率を求めて、灰の付着を抑制することができる。
ここで、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の金属元素の主成分は、マグネシウムまたはアルミニウムであって良い。
これによると、予め調査した複数種類の固体燃料に添加剤として添加した灰中のマグネシウムまたはアルミニウムの含有割合とスラグ割合の比較結果に基づくと、灰中のマグネシウムまたはアルミニウムの含有割合が増加するに従って、スラグ割合が減少するため、金属系化合物もしくは金属含有化合物の金属元素の主成分がマグネシウムまたはアルミニウムである添加剤を複数種類の固体燃料に添加することにより、灰の付着の抑制を実現することができる。
ここで、前記スラグ割合は、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の前記灰成分の組成に基づいて熱力学平衡計算により算出されるか、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め測定した所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成で加熱して生じるスラグから算出されて良い。
これによると、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成に基づいて熱力学平衡計算によりスラグ割合を算出することにより、実験を行うことなくスラグ割合を求めることができる。また、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料について予め測定した所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成で加熱して生じるスラグからスラグ割合を算出することにより、実際の加熱炉の状況に合わせたスラグ割合を求めることができる。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記基準値は、前記スラグ割合に対する灰付着率に基づいて、前記灰付着率が低くように決定され、前記灰付着率は、予め調査された加熱炉内に挿入した灰付着プローブへの衝突灰量に対する実際の付着灰量の比として算出され、前記衝突灰量は、前記固体燃料の供給量、灰分含有率及び加熱炉の炉形状から求められる前記灰付着プローブの投影面積に衝突する灰の総量として算出されて良い。
これによると、予め調査した灰付着率とスラグ割合との比較結果に基づいて、灰付着率が低くなるように、スラグ割合の基準値を決定することにより、灰の付着を抑制することができる。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記基準値は、前記灰付着率が5〜7%以下となるように50〜60重量%以下に決定されて良い。
これによると、予め調査した灰付着率とスラグ割合との比較結果に基づくと、スラグ割合が50〜60重量%以下の範囲であると、灰付着率が低くなる(5〜7%以下)ため、灰の付着を抑制することができる。
ここで、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法において、前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であってよい。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制装置において、加熱炉燃焼室の温度及び雰囲気ガス組成を計測する計測手段を更に備え、前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、前記計測手段で測定した加熱炉燃焼室の温度及び雰囲気ガス組成であってよい。
これによると、加熱炉内部の各部分における灰中のスラグ割合を適正に求めることができ、複数種類の固体燃料の適切な混合比率を計算することができる。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、加熱炉設計上の最高雰囲気温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とその部位の温度であって良い。
これによると、加熱炉の状態に依存することなく、複数種類の固体燃料の適切な混合比率を計算することができる。尚、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とは、COやHなどの還元性ガスの濃度が最も高い雰囲気ガス組成のことを意味する。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が、前記固体燃料中の灰の平均粒子径よりも小さくて良い。
これによると、予め調査した金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子量を変化させた場合の灰付着率とスラグ割合との比較結果に基づくと、添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物の量が同じでも、金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が小さいほど、灰付着率が小さくなるため、特に、金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が固体燃料中の灰の平均粒子径よりも小さい場合には、効果的に加熱炉への灰付着を好適に抑制することができる。
また、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び加熱炉の灰付着抑制装置において、前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が、5μm以下であって良い。
これによると、予め調査した金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子量を変化させた場合の灰付着率とスラグ割合との比較結果に基づくと、添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物の量が同じでも、金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が小さく、5μm以下である場合、灰付着率が小さくなるため、灰付着抑制効果が大きくなる。
本発明の加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置は、劣質炭を含む様々な種類の固体燃料に金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加した混合物を燃料とする加熱炉において、加熱炉内の灰付着を精度良く予測して、灰が付着するのを抑制するでき、加熱炉を安定運用させることが可能である。
本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を示すステップ図である。 本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置を示す概略図である。 予め測定したスラグ割合と灰付着率の関係の具体例を示す図である。 本実施例1に係る灰中のMgO成分含有割合とスラグ割合の関係を示す図である。 本実施例2に係る灰中のAl成分含有割合とスラグ割合の関係を示す図である。 本実施例1に係るスラグ割合と灰付着率の関係を示す図である。 本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を示すステップ図である。 本実施例3に係る固体燃料の灰の粒径分布を示す図である。 本実施例3に係るスラグ割合と灰付着率の関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置を実施するための形態について、具体的な一例に即して説明する。尚、以下に説明するものは、例示したものにすぎず、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置の適用限界を示すものではない。すなわち、本発明に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置は、下記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
まず、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の一例について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を示すステップ図である。
本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法は、図1に示すように、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状を測定するとともに、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状を測定する(ステップS1)。
ここで、固体燃料の石炭性状として、固体燃料の水分含有量、発熱量、灰分含有量、灰成分の組成等を測定する。尚、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。
また、金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状として、金属系化合物もしくは金属含有化合物の水分含有量、無機分含有量、無機成分の組成等を測定する。ここで、金属系化合物もしくは金属含有化合物は、金属元素の主成分をマグネシウムまたはアルミニウムとし、マグネシウムまたはアルミニウムを含有した金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸化物等(例えば、MgO、Mg(CO)、Mg(OH)、Al、Al(OH)等)を含む他、マグネシウムまたはアルミニウムを含有したオキソ酸塩や有機塩や鉱物なども含まれる。金属系化合物もしくは金属含有化合物として、具体的には、無機塩である酸化マグネシウム MgO(苦土),過酸化マグネシウム MgO,水酸化マグネシウム Mg(OH)と、オキソ酸塩である炭酸マグネシウム MgCO (菱苦土石),炭酸カルシウムマグネシウム CaMg(CO (苦灰石、ドロマイト),硝酸マグネシウム Mg(NO,硫酸マグネシウム MgSO,亜硫酸マグネシウム MgSO,リン酸三マグネシウムMg(PO・8HO,過マンガン酸マグネシウム Mg(MnOと、鉱物である三ケイ酸マグネシウム 2MgO・3SiO・nHO,尖晶石、スピネル MgO・Al,滑石 MgSi10(OH),蛇紋石MgSi(OH)と,有機塩である酢酸マグネシウムMg(CHCOO),クエン酸マグネシウム,L‐グルタミン酸マグネシウム,安息香酸マグネシウムC1410MgO,ステアリン酸マグネシウムMg(CH(CH)16COO)が挙げられる。尚、金属酸化物とは、加熱炉内の環境下において、固体燃料中の炭素を酸化する酸化力を有する金属酸化物を意味し、金属酸化物の原料を含むものである。また、金属酸化物の原料とは、熱分解により金属酸化物を生成する化合物を意味する。
次に、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉におけるスラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定する(ステップS2)。
ここで、スラグ割合は、本実施形態で用いる灰付着特性の評価指標であり、一定量の固体状の灰のうち、ある温度、雰囲気条件において、スラグになった割合を意味する。また、スラグとは、燃焼により溶融し、加熱炉内の燃焼気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分を意味する。そして、スラグ割合の基準値は、予め決定されるものである。まず、スラグ割合を、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの混合比率に応じて算出する。即ち、各固体燃料と各固体燃料について添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物との組合せを変え、且つ、各固体燃料について添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合比率を変化させながら複数通り算出する。また、スラグ割合を、複数種類の固体燃料について、混合させる固体燃料の組合せを変え、且つ、混合させる各固体燃料の混合比率を変化させながら複数通り算出しても良い。ここで、スラグ割合は、予め測定した各固体燃料の灰が、ある条件(温度、雰囲気ガス組成)において、熱力学的に最も安定する、つまり、ギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相を熱力学平衡計算により算出する。尚、スラグ割合の算出は、上述の形態に限らず、予め各固体燃料の灰を加熱し、各温度及び雰囲気ガス組成におけるスラグ割合を測定しておいても良い。これにより、実際の加熱炉の状況に合わせたスラグ割合を求めることができる。
そして、本実施形態で用いる灰付着特性の評価指標であるスラグ割合を評価するために、灰付着率を算出する。ここで、灰付着率とは、加熱炉の炉内に挿入した灰付着プローブへの衝突灰量に対する灰付着プローブへの付着灰量の比であり、灰の付着しやすさを意味し、次式で表される。尚、灰付着プローブへの衝突灰量とは、灰付着プローブの投影面積に衝突する灰の総量であり、固体燃料の供給量、灰分含有率及び加熱炉の炉形状によって求められる。そして、算出した灰付着率とスラグ割合との関係に基づいて、灰付着率が低くなる(灰付着率が5〜7%程度以下)スラグ割合の値(基準値)を決定する。
尚、灰付着率の算出において、評価は実加熱炉で行う必要は無く、燃焼試験炉や実缶加熱炉で行っても良い。そして、予め複数の固体燃料(使用する予定の固体燃料であっても良いし、使用する予定ではない固体燃料であっても良い。)を燃焼させて灰付着率を調査し、燃焼させた固体燃料のスラグ割合を算出することにより、予め測定した灰付着率とスラグ割合との関係に基づいて、灰付着率が低くなる(灰付着率が5〜7%程度以下)スラグ割合の値(基準値)を決定する。
尚、本実施形態では、灰付着率に基づいて灰付着特性の評価指標であるスラグ割合を評価しているが、それに限らない。燃焼試験炉や実缶加熱炉を用いて、燃料に含むスラグ割合を変えながら燃焼テストを行い、加熱炉に設置されたコンベアでは搬出できないサイズのクリンカ(溶融スラグ)の塊が炉壁に落下するとき、または、主蒸気温度・主蒸気圧力が規定領域から外れたり変動したりするときのスラグ割合を基準値としても良い。
そして、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの混合比率をパラメータとして用い、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成をステップS1で測定された複数の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成から算出し、熱力学平衡計算により、灰中のスラグ割合を求める。そして、複数通りの混合比率の中から、灰中のスラグ割合が予め決定されたスラグ割合の基準値以下となる所定の混合比率を算出する。ここで、燃料となる固体燃料は、加熱炉に投入される熱量が一定になるように供給量が決定されている。
尚、熱力学平衡計算においては、加熱炉壁への灰付着が顕著に発生するバーナ近傍の雰囲気温度と雰囲気ガス組成を用いる。また、雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍に限らず、灰の付着が生じやすい伝熱管群などの所望の部分の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成に基づいて熱力学平衡計算を行って良い。これにより、加熱炉内部の各部分における灰中のスラグ割合を適正に求めることができ、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率を適切に計算することができる。
尚、熱力学平衡計算は、上述の形態に限らず、加熱炉設計上の最高雰囲気ガス温度及びその部位の雰囲気ガス組成を用いても良い。また、加熱炉設計上の還元度が最も高い(COやHなどの還元性ガスの濃度が最も高い)雰囲気ガス組成とその部位の温度を用いても良い。そうすると、加熱炉の炉内の燃焼温度に依存せず、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率を決定することができる。
最後に、ステップS2で算出された複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率に基づいて、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物を混合し、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を粉砕した後に、燃料として加熱炉に供給する(ステップS3)。
次に、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置の一例について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置を示す概略図である。
図2に示すように、加熱炉7は、ホッパ1,2と、燃料供給量調整装置(燃料供給量調整手段)3と、混合機4と、粉砕機5と、バーナ6と、演算機(演算手段)9とを備え、本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置は、燃料供給量調整装置3と、演算機9とから構成される。
ここで、ホッパ1,2は、それぞれ、固体燃料、金属系化合物もしくは金属含有化合物を保持するものである。ここで、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。また、金属系化合物もしくは金属含有化合物は、金属元素の主成分をマグネシウムまたはアルミニウムとし、マグネシウムまたはアルミニウムを含有した酸化物、水酸化物、炭酸化物等(例えば、MgO、Mg(CO)、Mg(OH)、Al、Al(OH)等)を含むものである。尚、図2に示すホッパは2つであるが、それに限らず、複数備えることができる。燃料供給量調整装置3は、後述する演算機9で算出された複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率に基づいて、ホッパ1,2からの固体燃料、金属系化合物もしくは金属含有化合物の切り出し量を調整するものである。混合機4は、燃料供給量調整装置3で切り出された固体燃料に、燃料供給量調整装置3で切り出された金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合するものである。粉砕機5は、混合機4で混合された固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を粉砕して微粉炭とするものである。バーナ6は、空気と共に吹き込まれた微粉炭を燃焼するものである。加熱炉7は、微粉炭を燃焼させて熱を回収するものである。尚、図示していないが、加熱炉7は、供給された燃料を、バーナ6などで燃焼させて熱を発生させる火炉と、火炉の上方から下流にわたって配置され、内部に燃焼ガスを流動して熱交換を行う伝熱管群とを備えており、加熱炉からでた燃焼ガスは煙突から排出されるようになっている。また、伝熱管群は、火炉の上方に所定の間隔で並列配置された二次加熱器、三次加熱器、最終加熱器、二次再熱器を備える上部伝熱部と、火炉の後部に配置された一次加熱器、一次再熱器、節炭器を備える後部伝熱部と、からなっている。
そして、演算機9は、予め、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状(固体燃料の水分含有量、発熱量、灰分含有量、灰成分の組成等)と、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状(金属系化合物もしくは金属含有化合物の水分含有量、無機分含有量、無機成分の組成等)をデータ8として集積し、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの混合比率をパラメータとして用い、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成を、予め測定された複数の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成から算出し、熱力学平衡計算により、灰中のスラグ割合を求める。次に、複数通りの混合比率の中から、灰中のスラグ割合が決定された基準値以下となる所定の混合比率を算出する。ここで、燃料となる固体燃料は、加熱炉に投入される熱量が一定になるように供給量が決定されている。尚、スラグ割合は、本実施形態で用いる灰付着特性の評価指標であり、一定量の固体状の灰のうち、ある温度、雰囲気条件において、スラグになった割合を意味し、灰付着率とスラグ割合とその関係については、上述したとおりであり、その説明を省略する。また、スラグ割合の基準値は、上述の本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法で記載したとおりに決定するものとし、その説明を省略する。
また、熱力学平衡計算においては、例えば、加熱炉壁への灰付着が顕著に発生するバーナ近傍の雰囲気温度と雰囲気ガス組成を用いる。バーナ近傍の雰囲気温度と雰囲気ガス組成は、バーナ近傍に設置された図示しない計測装置(計測手段)を用いて測定する。また、計測装置は、バーナ近傍に設置するのに限らず、灰の付着が生じやすい伝熱管群などの所望の部分に設置して、かかる部分の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成に基づいて熱力学平衡計算を行って良い。これにより、加熱炉内部の各部分における灰中のスラグ割合を適正に求めることができ、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率を適切に計算することができる。更に、熱力学平衡計算は、上述の形態に限らず、加熱炉設計上の最高雰囲気ガス温度及びその部位の雰囲気ガス組成を用いても良い。また、加熱炉設計上の還元度が最も高い(COやHなどの還元性ガスの濃度が最も高い)雰囲気ガス組成とその部位の温度を用いても良い。そうすると、加熱炉の炉内の燃焼温度に依存せず、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率を決定することができる。
また、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率は、熱力学平衡計算で求めたスラグ割合に基づいて算出する形態に限らず、予め各固体燃料の灰を加熱して測定した各温度及び雰囲気ガス組成におけるスラグ割合に基づいて算出する形態を用いても良い。これにより、実際の加熱炉の状況に合わせたスラグ割合を求めることができる。
このように、本実施形態の加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置によれば、加熱炉内で燃焼により溶融し、加熱炉内の燃焼空気の気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分であるスラグに着目し、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物または金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加剤として添加して混合した複数種類の固体燃料について算出したスラグ割合と、複数種類の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、に基づいて、複数通りの混合比率から所定の混合比率を決定している。従って、本発明で新たに構築した評価指数であるスラグ割合に基づいて灰付着特性を評価し、スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となるように、複数通りの混合比率から所定の混合比率を決定することにより、加熱炉内の灰付着を精度良く予測して、適正な混合比率を求めて、灰の付着を抑制することができ、加熱炉を安定運用させることが可能である。
尚、上述した本実施形態の加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置は、上述の実施形態に限らない。例えば、固体燃料の石炭性状として、灰の粒径分布に基づいた平均粒子径を求めると共に、金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状として、平均粒子径等を測定し(S1、演算機9)、予め、固体燃料の灰の平均粒子径よりも金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が小さくなるように加熱炉で使用する予定である固体燃料及び金属系化合物もしくは金属含有化合物を選択してもよい。
これによると、予め調査した金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子量を変化させた場合の灰付着率とスラグ割合との比較結果に基づくと、添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物の量が同じでも、金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が小さいほど、灰付着率が小さくなるため、特に、金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が固体燃料中の灰の平均粒子径よりも小さい場合には、効果的に加熱炉への灰付着を好適に抑制することができる。
次に、本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制方法について、図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を示すステップ図である。尚、以下の説明では、上述した本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法と同じ内容については、その説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制方法は、図7に示すように、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状を測定するとともに、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状を測定する(ステップS11)。
ここで、変形例では、固体燃料の石炭性状として、灰の粒径分布に基づいた平均粒子径を求める。また、金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状として、上述した本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法の内容の他、平均粒子径等を測定する。
次に、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉におけるスラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定する(ステップS12)。
ここで、変形例では、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの混合比率と、金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの平均粒子径をパラメータとして用い、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成をステップS1で測定された複数の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成から算出し、熱力学平衡計算により、灰中のスラグ割合を求める。そして、複数通りの混合比率と複数種類の平均粒子径の中から、灰中のスラグ割合が決定されたスラグ割合の値(基準値)となる所定の混合比率と所定の平均粒子径を算出する。
最後に、ステップS2で算出された複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率と、金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の平均粒子径に基づいて、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物を混合し、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を粉砕した後に、燃料として加熱炉に供給する(ステップS13)。
次に、本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制装置について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制装置を示す概略図である。尚、図2は、上述した本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置と同じである。また、以下の説明では、上述した本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制装置と同じ内容については、その説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
変形例では、演算機9は、予め、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状(固体燃料の水分含有量、発熱量、灰分含有量、灰成分の組成等)と、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状(金属系化合物もしくは金属含有化合物の水分含有量、無機分含有量、無機成分の組成、平均粒子径等)をデータ8として集積し、複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの混合比率と、金属系化合物もしくは金属含有化合物の複数通りの平均粒子径をパラメータとして用い、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成を、予め測定された複数の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成から算出し、熱力学平衡計算により、灰中のスラグ割合を求める。そして、複数通りの混合比率と複数種類の平均粒子径の中から、灰中のスラグ割合が決定された基準値以下となる所定の混合比率と所定の平均粒子径を算出する。
このように、本実施形態の変形例における加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置によれば、加熱炉内で燃焼により溶融し、加熱炉内の燃焼空気の気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分であるスラグに着目し、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加剤として複数通りの混合比率で混合した複数種類の固体燃料について算出したスラグ割合と、複数種類の固体燃料の灰成分の組成及び金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、に基づいて、複数通りの混合比率から所定の混合比率と、複数通りの平均粒子径から所定の平均粒子径を決定している。従って、本発明で新たに構築した評価指数であるスラグ割合に基づいて灰付着特性を評価し、スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となるように、複数通りの混合比率から所定の混合比率と、複数通りの平均粒子径から所定の平均粒子径を決定することにより、加熱炉内の灰付着を精度良く予測して、適正な混合比率を求めて、灰の付着を抑制することができる。
次に、上述した本実施形態に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置を用いた実施例について、図3〜6及び表1、2に基づいて、説明する。図3は、本実施例に係る予め測定したスラグ割合と灰付着率の関係の具体例を示す図である。図4は、本実施例1に係るスラグ割合と灰付着率の関係を示す図である。図5は、本実施例1に係る灰中のMgO成分含有割合とスラグ割合の関係を示す図である。図6は、本実施例2に係る灰中のAl成分含有割合とスラグ割合の関係を示す図である。表1は、本実施例に係る予め測定したスラグ割合と灰付着率の関係の具体例で用いる石炭の性状を示す表である。表2は、本実施例1、2で用いる石炭の性状を示す表である。
本実施例において、まず、予め測定した灰付着率とスラグ割合との関係に基づいて、灰付着率が低くなる(灰付着率が5〜7%程度以下)スラグ割合の値(基準値)を決定する具体例について、図3及び表1に基づいて、説明する。
この具体例では、微粉炭燃焼試験炉(炉内径400mm、炉内有効高さ3650mm)において、加熱用の都市ガスと微粉炭の投入熱量の合計が149kW一定の条件下で、灰成分の組成が異なる5種類の微粉炭を用いて実験を行った。実験においては、5種類の微粉炭の投入熱量が60kW一定になるように単独或いは複数種類を混合して供給量を調整した。そして、供給量を調整した微粉炭を、燃焼空気と共に炉頂に設けたバーナで燃焼させ、下方に灰付着プローブを挿入して100分間保持し、灰付着プローブの表面に付着する灰の付着率を調査した。ここで、灰付着プローブ挿入部の炉内雰囲気温度は、実缶加熱炉において灰付着現象が発生している温度と同様の約1300℃である。また、灰付着プローブの表面温度は、約500℃になるように内部を水冷して温度調整している。そして、表1に実験に用いた5種類の微粉炭の性状を示す。
そして、実験で燃料として用いた微粉炭のスラグ割合を、表1に示す微粉炭の性状に基づいて、一定量の灰がある条件(温度、雰囲気ガス組成)において、熱力学的に最も安定する、つまり、ギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相を熱力学平衡計算により算出した。本実施例では、温度は1300℃、雰囲気ガス組成は、O:1%、CO:19%、N:80%として、熱力学平衡計算を行った。そして、図3に、具体例に係るスラグ割合と灰付着率との関係を示す。
図3に示すように、この具体例においては、スラグ割合が50〜60重量%までは、灰付着率が5〜7%程度以下となっており、スラグ割合が50〜60重量%以上になると、灰付着率が急激に上昇することが明らかである。スラグ割合の基準値を50〜60重量%以下と決定すれば、灰の付着が抑制することができる。以上により、本実施例では、スラグ割合の基準値を50〜60%以下と決定する。尚、本具体例では、灰付着率に基づいて灰付着特性の評価指標であるスラグ割合を評価するのに際して、5種類の微粉炭のうちの2種類の微粉炭について、混合比率を変えて混合した混合物を用いたが、それに限らず、複数種類の微粉炭と複数種類の金属系化合物もしくは金属含有化合物との混合比率を変えて混合した混合物を用いて評価しても良い。また、本具体例では、下記で説明する微粉炭と異なる微粉炭を用いて評価を行ったが、それに限らず、下記で説明する微粉炭を用いて評価を行ってよい。
次に、上述した図1に従って、本実施例に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を説明する。本実施例では、微粉炭燃焼試験炉(炉内径400mm、炉内有効高さ3650mm)において、加熱用の都市ガスと微粉炭の投入熱量の合計が149kW一定の条件下で、灰成分の組成が異なる5種類の微粉炭(固体燃料)を用いて実験を行った。
まず、本実施例の実験において、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状を測定するとともに、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状を測定する(ステップS1)。表1に、実験に用いた石炭A,B,C,E,Eの5種類の微粉炭の性状を示す。また、金属系化合物もしくは金属含有化合物は、純度が99%以上の酸化マグネシウム(MgO)粉末、或いは、純度が99%以上の酸化アルミニウム(Al)粉末を用いる。
次に、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉におけるスラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定する(ステップS2)。
本実施例では、表2に示す石炭のうち、灰の融点が1300℃以下と低い石炭B,C,D,Eの微粉炭のスラグ割合を、表1に示す微粉炭の性状に基づいて、一定量の灰が、ある条件(温度、雰囲気ガス組成)において、熱力学的に最も安定する、つまり、ギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相を熱力学平衡計算により算出した。本実施例では、温度は1300℃、雰囲気ガス組成は、O:1%、CO:19%、N:80%として、熱力学平衡計算を行った。そして、実施例1として、各微粉炭に添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物として、純度が99%以上の酸化マグネシウム(MgO)粉末を、複数通りの混合比率で(本実施例1では、各石炭の灰重量に対して0,5,10,25,50重量%ずつ)添加していき、熱力学平衡計算によりスラグ割合の推移を算出した。同様に、実施例2として、各微粉炭に添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物として、純度が99%以上の酸化アルミニウム(Al)粉末を、各石炭の灰重量に対して複数通りの混合比率で(本実施例2では、0,5,10,25,50重量%ずつ)添加していき、熱力学平衡計算によりスラグ割合の推移を算出した。
図4、5に、それぞれ、本実施例1に係る灰中のMgO成分含有割合とスラグ割合の関係、本実施例2に係る灰中のAl成分含有割合とスラグ割合の関係を示す。尚、図4、5の横軸は、灰中のMgO成分含有割合及び灰中のAl成分含有割合であって、表2に示す微粉炭の灰組成の酸化マグネシウムまたは酸化アルミニウムの灰重量%と、金属系化合物もしくは金属含有化合物(酸化マグネシウムまたは酸化アルミニウム)の添加した灰重量%と、を加算した値として示されている。
また、図4、5からは、いずれの石炭灰についても、灰中のMgO含有割合またはAl成分含有割合が増加するに従って、スラグ割合が減少することが分かる。
そして、図4、5に基づいて、加熱炉におけるスラグ割合が基準値以下、即ち、上述の具体例で示した通り、50〜60重量%以下になる所定の混合比率を決定する。本実施例1の場合は、石炭Bの灰+MgO25重量%、石炭Bの灰+MgO50重量%、石炭C+MgO25重量%、石炭Cの灰+MgO50重量%、石炭D+MgO25重量%、石炭Dの灰+MgO50重量%、石炭Eの灰+MgO50重量%が、スラグ割合が50〜60重量%以下になる所定の混合比率として決定される。また、本実施例2の場合は、石炭Bの灰+Al50重量%、石炭Cの灰+Al50重量%、石炭Dの灰+Al50重量%、石炭Eの灰+Al25重量%、石炭Eの灰+Al50重量%が、スラグ割合が50〜60重量%以下になる所定の混合比率として決定される。
最後に、ステップS2で算出された複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率に基づいて、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物を混合し、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を粉砕した後に、燃料として加熱炉に供給する(ステップS3)。
そして、上記で説明した本実施例の有効性を検討するべく、本実施例1で用いた複数通りの混合比率で酸化マグネシウム(MgO)粉末を混合した微粉炭について、灰付着率を求める実験を行った。実験においては、5種類の微粉炭のうちの灰成分の組成が異なる二種類の微粉炭(石炭A,B)を用い、微粉炭の投入熱量が60kW一定になるように微粉炭の供給量を調整した。そして、複数通りの混合比率で金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した微粉炭を、燃焼空気と共に炉頂に設けたバーナで燃焼させ、下方に灰付着プローブを挿入して100分間保持し、灰付着プローブの表面に付着する灰の付着率を調査した。ここで、灰付着プローブ挿入部の炉内雰囲気温度は、実缶加熱炉において灰付着現象が発生している温度と同様の約1300℃である。また、灰付着プローブの表面温度は、約500℃になるように内部を水冷して温度調整している。比較のために、石炭Aは、金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加せずに実験を行った。また、金属系化合物もしくは金属含有化合物として、純度が99%以上の酸化マグネシウム(MgO)粉末を用い、石炭Bの灰重量に対して、25重量%または50重量%の混合比率で石炭Bに添加して実験を行った。
本実施例1に係る実験の結果を、スラグ割合と灰付着率の関係として、図6に示す。図6に示すように、本実施例1においては、スラグ割合が50〜60重量%以下になるように、石炭Bに灰重量の25、50%のMgO粉末を添加した場合は、灰付着率が5〜7%程度以下となっていることが分かる。一方、石炭BにMgO粉末を添加しなかった場合は、スラグ割合が約95重量%で、灰付着率が10%以上となり、スラグ割合が高いと灰付着率も高くなることが明らかである。尚、石炭Aは、MgO粉末を添加しない場合であっても、スラグ割合が約40重量%で、灰付着率が5〜7%以下となり、スラグ割合が低いと灰付着率も低くなることが明らかであり、石炭Aには、MgO粉末などの金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加しないでも灰の付着を抑制することができることがわかる。
このことから、スラグ割合の基準値を50〜60重量%以下とし、図4、5を参照して、スラグ割合が基準値である50〜60重量%以下となる灰中のMgO含有割合またはAl成分含有割合になるように、微粉炭に添加するMgO粉末またはAl粉末の混合比率を調整すれば、灰の付着が抑制することができることがわかる。
次に、上述した本実施形態の変形例に係る加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置を用いた実施例3について、図8、9に基づいて、説明する。図8は、本実施例3に係る固体燃料の灰の粒径分布を示す図である。図9は、本実施例3に係るスラグ割合と灰付着率の関係を示す図である。
次に、上述した図1に従って、本実施例3に係る加熱炉の灰付着抑制方法の手順を説明する。本実施例3では、上述の実施例1,2と同様に、スラグ割合の基準値を50〜60%以下と決定する。また、本実施例4では、上述の実施例1,2と同様に、微粉炭燃焼試験炉(炉内径400mm、炉内有効高さ3650mm)において、加熱用の都市ガスと微粉炭の投入熱量の合計が149kW一定の条件下で、灰成分の組成が異なる5種類の微粉炭(固体燃料)を用いて実験を行った。
まず、本実施例3の実験において、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状を測定するとともに、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状を測定する(ステップS11)。
本実施例3では、上述の表1に示した石炭Bを用いるものとし、石炭Bの灰の粒径分布を図8に示す。図8に基づくと、石炭Bの灰の平均粒子径(積算重量が50重量%時の粒子径)は、6.8μmである。また、本実施例3では、金属系化合物もしくは金属含有化合物として、マグネシウム酸化物(MgO)を用いるものとし、マグネシウム酸化物(MgO)粒子の複数通りの平均粒子径は、10μm(四角で表示),5μm(三角で表示),0.2μm(丸で表示)のものを用意した。
次に、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの平均粒子径の金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉におけるスラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率と所定の平均粒子径を決定する(ステップS12)。
本実施例3では、マグネシウム酸化物(MgO)の添加重量(複数通りの混合比率)は、石炭Bの灰重量に対して、0重量%(添加なし)、25重量%、50重量%とした。図9は、本実施例3に係る実験の結果を、スラグ割合と灰付着率の関係として、添加したMgOの粒子径ごとにプロットしたものである。図9では、添加したMgOの粒子径ごとに3通りの混合比率でプロットし、スラグ割合が低いものから、それぞれ、50重量%、25重量%、0重量%(添加なし)の混合比率で混合したものである。図9に示す結果から、MgOの添加重量が同じでも、MgOの粒子径が小さいほど(5μm以下)灰付着率が小さくなり、灰付着抑制効果が大きくなることが分かる。特に、MgOの平均粒子径が、石炭Bの灰の平均粒子径よりも小さい場合には、効果的に加熱炉への灰付着を好適に抑制することができることが分かる。
そして、本実施例3では、スラグ割合が基準値である50〜60%以下となるように、マグネシウム酸化物(MgO)粒子の平均粒子径が5μm以下であり、混合比率が50重量%、25重量%として決定される。
最後に、ステップS2で算出された複数種類の固体燃料及び複数種類の固体燃料に添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の混合比率と、金属系化合物もしくは金属含有化合物の所定の平均粒子径に基づいて、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物を混合し、固体燃料と金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を粉砕した後に、燃料として加熱炉に供給する(ステップS13)。
本実施例3では、マグネシウム酸化物(MgO)粒子の平均粒子径が5μm以下のもので、混合比率が50重量%または25重量%で、石炭Bとマグネシウム酸化物(MgO)とを混合して、燃料として加熱炉に供給する。
3 燃料供給量調整装置(燃料供給量調整手段)
7 加熱炉
9 演算機(演算手段)
まず、本実施例の実験において、加熱炉で使用する予定である各固体燃料の石炭性状を測定するとともに、固体燃料に添加して混合する予定である金属系化合物もしくは金属含有化合物の添加剤性状を測定する(ステップS1)。表に、実験に用いた石炭A,B,C,,Eの5種類の微粉炭の性状を示す。また、金属系化合物もしくは金属含有化合物は、純度が99%以上の酸化マグネシウム(MgO)粉末、或いは、純度が99%以上の酸化アルミニウム(Al)粉末を用いる。
本実施例では、表2に示す石炭のうち、灰の融点が1300℃以下と低い石炭B,C,D,Eの微粉炭のスラグ割合を、表に示す微粉炭の性状に基づいて、一定量の灰が、ある条件(温度、雰囲気ガス組成)において、熱力学的に最も安定する、つまり、ギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相を熱力学平衡計算により算出した。本実施例では、温度は1300℃、雰囲気ガス組成は、O:1%、CO:19%、N:80%として、熱力学平衡計算を行った。そして、実施例1として、各微粉炭に添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物として、純度が99%以上の酸化マグネシウム(MgO)粉末を、複数通りの混合比率で(本実施例1では、各石炭の灰重量に対して0,5,10,25,50重量%ずつ)添加していき、熱力学平衡計算によりスラグ割合の推移を算出した。同様に、実施例2として、各微粉炭に添加する金属系化合物もしくは金属含有化合物として、純度が99%以上の酸化アルミニウム(Al)粉末を、各石炭の灰重量に対して複数通りの混合比率で(本実施例2では、0,5,10,25,50重量%ずつ)添加していき、熱力学平衡計算によりスラグ割合の推移を算出した。

Claims (20)

  1. 複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、を予め測定し、
    複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定し、
    前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物とを、前記所定の混合比率で添加して混合し、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を燃料として加熱炉に供給することを特徴とする加熱炉の灰付着抑制方法。
  2. 複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、を予め測定し、
    複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率及び所定の平均粒子径を決定し、
    前記複数種類の固体燃料と前記所定の平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物とを、前記所定の混合比率で添加して混合し、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の混合物を燃料として加熱炉に供給することを特徴とする加熱炉の灰付着抑制方法。
  3. 前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の金属元素の主成分は、マグネシウムまたはアルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  4. 前記スラグ割合は、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の前記灰成分の組成に基づいて熱力学平衡計算により算出されるか、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め測定した所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成で加熱して生じるスラグから算出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  5. 前記基準値は、前記スラグ割合に対する灰付着率に基づいて、前記灰付着率が低くなるように決定され、
    前記灰付着率は、予め調査された加熱炉内に挿入した灰付着プローブへの衝突灰量に対する実際の付着灰量の比として算出され、
    前記衝突灰量は、前記固体燃料の供給量、灰分含有率及び加熱炉の炉形状から求められる前記灰付着プローブの投影面積に衝突する灰の総量として算出されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  6. 前記基準値は、前記灰付着率が5〜7%以下となるように50〜60重量%以下に決定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  7. 前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  8. 前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、加熱炉設計上の最高雰囲気温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とその部位の温度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  9. 前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が、前記固体燃料中の灰の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  10. 前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が、5μm以下であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
  11. 複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、が予め測定されて入力されて、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率を決定する演算手段と、
    前記演算手段で決定された前記所定の混合比率に基づいて、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物との供給量を調整する燃料供給量調整手段と、を備えることを特徴とする加熱炉の灰付着抑制装置。
  12. 複数種類の固体燃料のそれぞれについての灰成分の組成と、前記複数種類の固体燃料に添加剤として添加して混合する金属系化合物もしくは金属含有化合物の無機成分の組成と、を予め測定されて入力されて、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料の灰成分の組成と、複数通りの平均粒子径の前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を複数通りの混合比率で添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め算出した一定量の灰成分のうち所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成においてスラグになる割合を示すスラグ割合と、に基づいて、加熱炉における前記スラグ割合が基準値以下になる灰成分の組成となる所定の混合比率及び所定の平均粒子径を決定する演算手段と、
    前記演算手段で決定された前記所定の混合比率及び所定の平均粒子径に基づいて、前記複数種類の固体燃料と前記金属系化合物もしくは金属含有化合物との供給量を調整する燃料供給量調整手段と、を備えることを特徴とする加熱炉の灰付着抑制装置。
  13. 前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の金属元素の主成分は、マグネシウムまたはアルミニウムであることを特徴とする請求項11または12に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  14. 前記スラグ割合は、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料の前記灰成分の組成に基づいて熱力学平衡計算により算出されるか、複数通りの混合比率で前記金属系化合物もしくは金属含有化合物を添加して混合した前記複数種類の固体燃料について予め測定した所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成で加熱して生じるスラグから算出されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  15. 前記基準値は、前記スラグ割合に対する灰付着率に基づいて、前記灰付着率が低くなるように決定され、
    前記灰付着率は、予め調査された加熱炉内に挿入した灰付着プローブへの衝突灰量に対する実際の付着灰量の比として算出され、
    前記衝突灰量は、前記固体燃料の供給量、灰分含有率及び加熱炉の炉形状から求められる前記灰付着プローブの投影面積に衝突する灰の総量として算出されることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  16. 前記基準値は、前記灰付着率が5〜7%以下となるように50〜60重量%以下に決定されることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  17. 前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成であることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  18. 前記所定の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、加熱炉設計上の最高雰囲気温度及びその部位の雰囲気ガス組成、または、加熱炉設計上の還元度が最も高い雰囲気ガス組成とその部位の温度であることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  19. 前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が、前記固体燃料中の灰の平均粒子径よりも小さいことを特徴とする請求項11〜18のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制装置。
  20. 前記金属系化合物もしくは金属含有化合物の平均粒子径が、5μm以下であることを特徴とする請求項12〜19のいずれか一項に記載の加熱炉の灰付着抑制方法。
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