JP2012031012A - 立方晶炭化珪素膜の製造方法 - Google Patents

立方晶炭化珪素膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶欠陥が少なく、かつ平坦性に優れた高品質の立方晶炭化珪素膜を容易に得ることができる立方晶炭化珪素膜の製造方法を提供する。
【解決手段】Si基板1の表面を炭化させて下地層2を形成し、次いで、Si基板1の下地層2上に原料ガスg2を供給しつつ、この原料ガス雰囲気にて立方晶炭化珪素層3をエピタキシャル成長させ、次いで、この立方晶炭化珪素層3の表面3aをクリーニングして異物を除去し、次いで、この立方晶炭化珪素層3上に再度、原料ガスg2を供給しつつ、この原料ガス雰囲気にて立方晶炭化珪素層4をエピタキシャル成長させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、立方晶炭化珪素膜の製造方法に関し、特に、ワイドバンドギャップ半導体として期待される炭化珪素(SiC)半導体に用いて好適な結晶欠陥が少なくかつ高品質の立方晶炭化珪素膜を製造する方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は、バンドギャップが2.2eV(300K)と、シリコン(Si)と比べて2倍以上のバンドギャップを有するワイドバンドギャップ半導体であり、パワーデバイス用半導体材料あるいは高耐圧デバイス用材料として注目されている。
この炭化珪素(SiC)の結晶生成温度は、シリコン(Si)と比べて高く、高品質の結晶を生成することが難しいとされているが、炭化珪素(SiC)の中でも立方晶炭化珪素(3C−SiC)は、結晶生成温度が比較的低温であり、安価なシリコン基板上にエピタキシャル成長(ヘテロエピタキシー)させることが可能であることが知られている。
ところで、立方晶炭化珪素の格子定数は4.359オングストロームであり、立方晶シリコンの格子定数(5.4307オングストローム)と比べて20%程度も小さく、かつ熱膨張係数も異なることから、結晶欠陥が少ない高品質のエピタキシャル膜を得ることが非常に難しい。
さらに、エピタキシャル成長させた立方晶炭化珪素膜には、結晶欠陥が高密度で形成され易く、また、膜応力に起因する膜の異常成長が発生し易く、表面が平坦な立方晶炭化珪素膜を得ることが難しい。
一方、エピタキシャル成長させた立方晶炭化珪素膜は、膜厚が増加するにしたがって、異なる方向に成長した積層欠陥を互いに打ち消し合い、その結果、膜全体の結晶欠陥が減少することが知られている。
そこで、結晶方位が(100)面のシリコン基板の表面に、[110]方向に平行に周期的な起伏構造を形成し、この周期的な起伏構造を有するシリコン基板上に立方晶炭化珪素を成長させる方法が提案されている(特許文献1)。
この方法では、結晶欠陥が少ない立方晶炭化珪素膜を得ることができる。
特開2004−189598号公報
しかしながら、上述した従来の立方晶炭化珪素をシリコン基板の表面に成長させる方法では、エピタキシャル成長させた立方晶炭化珪素膜内の積層欠陥が会合消滅する付近では、応力の集中等により、結晶の異常成長が生じ、その結果、立方晶炭化珪素膜の表面の凹凸が大きくなり、結晶欠陥が少なく、平坦性に優れた立方晶炭化珪素膜を得ることができないという問題点があった。
また、シリコン基板の表面に周期的な起伏構造を形成するために、フォトリソグラフィ、プレス加工、レーザ加工、超音波加工、研磨加工等が必要となり、したがって、工程数が増加し、製造コストが上昇するという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、結晶欠陥が少なく、かつ平坦性に優れた高品質の立方晶炭化珪素膜を容易に得ることができる立方晶炭化珪素膜の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の立方晶炭化珪素膜の製造方法を採用した。
すなわち、本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、基板の上に立方晶炭化珪素膜を形成する方法であって、立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させる第1の工程及びエピタキシャル成長させた前記立方晶炭化珪素層の表面をクリーニングする第2の工程を、1回以上繰り返し行うことにより、前記基板上に複数の立方晶炭化珪素層を積層してなる立方晶炭化珪素膜を形成することを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させた後、このエピタキシャル成長させた立方晶炭化珪素層の表面をクリーニングするという一連の工程を行うことにより、立方晶炭化珪素層の表面に存在する異物が除去され、結晶欠陥も終端され、表面の平坦性も確保される。そこで、これら一連の工程を、1回以上繰り返し行うことにより、その上に形成される立方晶炭化珪素層は格子歪みや結晶欠陥が少なく、表面の平坦性が確保される。これにより、結晶欠陥が少なく異物も無い立方晶炭化珪素層を複数層、積層した構造の立方晶炭化珪素膜を得ることができる。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、シリコン基板の表面を炭化処理して下地層を形成した後、当該下地層上に、前記第1の工程及び前記第2の工程を繰り返し行うことを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、シリコン基板の表面を炭化処理して当該表面に下地層を形成したことにより、この下地層がシリコン基板の表面とエピタキシャル成長する立方晶炭化珪素層との格子定数の差を緩和し、立方晶炭化珪素層に格子歪みや結晶欠陥が生じ難くする。
そこで、この下地層上に、立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させた後、この立方晶炭化珪素層の表面の異物を除去するという一連の工程を、1回以上繰り返し行うこととすれば、格子歪みや結晶欠陥が少ない立方晶炭化珪素層を複数層、積層した構造の立方晶炭化珪素膜を得ることができる。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、前記第1の工程は、炭素を含むガスと珪素を含むガスとを混合してなる混合ガス雰囲気、炭素及び珪素を含むガス雰囲気、炭素を含むガスと珪素を含むガスと炭素及び珪素を含むガスとを混合してなる複数種混合ガス雰囲気、のいずれかの雰囲気下にて行うことを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させる第1の工程を、炭素を含むガスと珪素を含むガスとを混合してなる混合ガス雰囲気、炭素及び珪素を含むガス雰囲気、炭素を含むガスと珪素を含むガスと炭素及び珪素を含むガスとを混合してなる複数種混合ガス雰囲気、のいずれかの雰囲気下にて行うことにより、化学量論的組成の立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させることができる。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、前記第2の工程は、水素、塩素または塩化水素を含むガス雰囲気下にて行うことを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、立方晶炭化珪素層の表面の異物を除去する第2の工程を、水素、塩素または塩化水素を含むガス雰囲気下にて行うことにより、結晶欠陥や異常成長が生じ易い立方晶炭化珪素層の表面の異物が効率よく除去され、表面の平坦性も十分に確保される。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、前記ガス雰囲気は、水素原子を含むことを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、前記ガス雰囲気が水素原子を含むことにより、立方晶炭化珪素層の表面に存在する結晶欠陥が水素原子により終端され、この立方晶炭化珪素層の表面における再成長時の結晶性を向上させることができる。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、基板の上に立方晶炭化珪素膜を形成する方法であって、前記基板の上に第1の立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させる第1の工程と、前記第1の立方晶炭化珪素層の表面をクリーニングして、前記立方晶炭化珪素膜の一部を構成する第2の立方晶炭化珪素層を形成する第2の工程と、を含むことを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、基板の上に第1の立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程の後に、第1の立方晶炭化珪素層の表面をクリーニングする工程を行うことにより、立方晶炭化珪素層の表面に存在する異物が除去され、結晶欠陥も終端され、表面の平坦性も確保される。したがって、得られた立方晶炭化珪素層は格子歪みや結晶欠陥が少なく、表面の平坦性が確保されたものとなり、結晶欠陥が少なく異物も無い立方晶炭化珪素層を備えた立方晶炭化珪素膜を得ることができる。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法は、前記第1の工程と、前記第2の工程とを繰り返し行うことを特徴とする。
この立方晶炭化珪素膜の製造方法では、第1の工程と第2の工程とを繰り返し行うことにより、下側の立方晶炭化珪素層の上に形成される立方晶炭化珪素層は格子歪みや結晶欠陥が少なく、表面の平坦性が確保される。これにより、結晶欠陥が少なく異物も無い立方晶炭化珪素層を複数層有する構造の立方晶炭化珪素膜を得ることができる。
本発明の一実施形態の立方晶炭化珪素膜の製造方法を示す過程図である。
本発明の立方晶炭化珪素膜の製造方法を実施するための形態について説明する。
本実施形態においては、発明の内容の説明を容易にするために、構造上の各部分の形状等については、適宜、実際の形状と異ならせてある。
本実施形態の立方晶炭化珪素膜の製造方法について、図1に基づき説明する。
まず、図1(a)に示すように、シリコン(Si)基板1を用意し、このSi基板1の表面を希フッ酸(DHF)溶液を用いてエッチングし、このSi基板1の表面に形成されている酸化膜を除去し、この表面を清浄面とする。
次いで、Si基板1の表面に炭素原料ガスg1を所定の流速にて供給しつつ、Si基板1の温度を900℃〜1350℃の範囲内の任意の温度まで昇温させ、この温度を所定時間保持してSi基板1の表面を炭化させ、このSi基板1の表面に炭化珪素(SiC)膜からなる下地層2を形成する。
この炭素原料ガスとしては、エチレン(C)の他、アセチレン(C)、プロパン(C)、メタン(CH)、ノルマルブタン(n−C10)、イソブタン(i−C10)、ネオペンタン(neo−C12)等が好適に用いられる。
また、メチルシラン(SiHCH)、ジメチルシラン(SiH(CH)、トリメチルシラン(SiH(CH)等のガスを用いると、炭化珪素(SiC)膜からなる下地層2をエピタキシャル成長させることができる。
このように、Si基板1の表面を炭化処理して当該表面に下地層2を形成したことにより、この下地層2がSi基板1の表面と後の工程でエピタキシャル成長する立方晶炭化珪素層との格子定数の差を緩和し、エピタキシャル成長する立方晶炭化珪素層に格子歪みや結晶欠陥が生じ難くなる。
次いで、図1(b)に示すように、Si基板1の下地層2上に原料ガスg2を供給しつつ、この原料ガス雰囲気にて、下地層2上に立方晶炭化珪素(3C−SiC)層3をエピタキシャル成長させる。
ここで、原料ガス雰囲気としては、炭素を含むガスと珪素を含むガスとを所定の割合にて混合してなる混合ガス雰囲気、炭素と珪素とを所定の割合にて含む炭素及び珪素を含むガス雰囲気、炭素を含むガスと珪素を含むガスと炭素及び珪素を含むガスとを所定の割合にて混合してなる複数種混合ガス雰囲気、のいずれかの雰囲気が好ましい。
ここで、炭素を含むガスとしては、上記の炭素原料ガスと同様、エチレン(C)の他、アセチレン(C)、プロパン(C)、メタン(CH)、ノルマルブタン(n−C10)、イソブタン(i−C10)、ネオペンタン(neo−C12)等が好適に用いられる。
また、珪素を含むガスとしては、モノシラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ジクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)等が好適に用いられる。
また、炭素及び珪素を含むガスとしては、メチルシラン(SiHCH)、ジメチルシラン(SiH(CH)、トリメチルシラン(SiH(CH)等が好適に用いられる。
このように、炭素を含むガスと珪素を含むガスとを所定の割合にて混合してなる混合ガス、炭素と珪素とを所定の割合にて含む炭素及び珪素を含むガス、炭素を含むガスと珪素を含むガスと炭素及び珪素を含むガスとを所定の割合にて混合してなる複数種混合ガス、のいずれかのガスを用いてエピタキシャル成長させれば、得られた立方晶炭化珪素層3は、化学量論的組成の立方晶炭化珪素となる。
ところで、エピタキシャル成長の過程では、立方晶炭化珪素層3中にはSi基板1との格子定数が異なることに起因して、多くの結晶欠陥11が発生する。
これらの結晶欠陥11は、エピタキシャル成長が進行して膜厚が厚くなるのに伴い、結晶欠陥11同士が打ち消し合い、消滅12するものもある。したがって、立方晶炭化珪素層3は、膜厚が厚くなるにしたがって結晶欠陥11の密度も減少する傾向がある。
一方、立方晶炭化珪素層3の表面では、結晶欠陥11が残存したり、あるいは、膜応力等の影響により異常成長した核等の異物13が生じたりするので、表面の凹凸は大きくなる。
そこで、立方晶炭化珪素層3をエピタキシャル成長させた後、この立方晶炭化珪素層3の表面3aをクリーニングするという一連の工程を、1回以上繰り返し行うこととすれば、格子歪みや結晶欠陥が少ない立方晶炭化珪素層を複数層、積層した構造の立方晶炭化珪素膜を得ることが可能である。
そこで、原料ガスg2の供給を停止し、図1(c)に示すように、立方晶炭化珪素層3上にエッチングガスg3を供給しつつ、立方晶炭化珪素層3の表面3aのクリーニングを行う。
エッチングガスg3としては、立方晶炭化珪素層3の表面3aをエッチングすることができる水素(H)ガス、塩素(Cl)ガス、塩化水素(HCl)ガス等が好適に用いられる。
このクリーニングの過程で、立方晶炭化珪素層3の表面に存在する異常成長した核等の異物13は結晶性が低いので、立方晶炭化珪素層3よりもエッチングレートが高い。したがって、このクリーニングの過程では、エッチングガスg3により立方晶炭化珪素層3よりも異物13の方が優先的にエッチングされて消失することとなる。
よって、立方晶炭化珪素層3の表面が平坦化される。特に、水素(H)ガスや塩化水素(HCl)ガス等の水素(H)原子を含むガスを用いたクリーニングでは、立方晶炭化珪素層3の表面に存在する結晶欠陥11が水素(H)原子により終端されることで、終端部14が形成され、クリーニング後の立方晶炭化珪素層3の表面における再成長時の結晶性を向上させることができる。
次いで、エッチングガスg3の供給を停止し、図1(d)に示すように、クリーニング後の立方晶炭化珪素層3上に再度、原料ガスg2を供給しつつ、この原料ガス雰囲気にて、立方晶炭化珪素層3上に立方晶炭化珪素(3C−SiC)層4をエピタキシャル成長させる。
ここでは、核等の異物13が取り除かれて平坦化された立方晶炭化珪素層3の表面に立方晶炭化珪素層4をエピタキシャル成長させるので、立方晶炭化珪素層3中の結晶欠陥11の一部は立方晶炭化珪素層4との界面で終端され、終端部14が形成される。この終端された結晶欠陥11がエピタキシャル成長する立方晶炭化珪素層4に影響を及ぼす虞はない。したがって、エピタキシャル成長する立方晶炭化珪素層4中の結晶欠陥11は立方晶炭化珪素層3と比べて減少することとなり、結晶欠陥が少ない高品質の立方晶炭化珪素層4が形成される。
このように、Si基板1の下地層2上に、立方晶炭化珪素層3をエピタキシャル成長させ、この立方晶炭化珪素層3の表面3aのクリーニングを行い、クリーニング後の立方晶炭化珪素層3上に再度、立方晶炭化珪素層4をエピタキシャル成長させるという工程を行うことにより、下層側の立方晶炭化珪素層3の膜応力を緩和しながら、その上に、より高品質の立方晶炭化珪素層4を形成することができる。
また、同一チャンバー内で原料ガスg2とエッチングガスg3を切り換えることで、エッチングとエピタキシャル成長とを容易に切り換えることができるので、立方晶炭化珪素膜の成膜プロセスを簡単化することができる。また、成膜プロセスを簡単化することで、製造工程を短縮することができ、製造工程のコストダウンを図ることができる。
以上により、Si基板1の下地層2上に、立方晶炭化珪素層3、立方晶炭化珪素層4を順次積層させた2層構造の高品質の立方晶炭化珪素膜21を形成することができる。
このような工程をさらに繰り返すことにより、Si基板1の下地層2上に、立方晶炭化珪素層3、立方晶炭化珪素層4、…、立方晶炭化珪素層nからなる多層構造の高品質の立方晶炭化珪素膜を形成することが可能である。
この多層構造の立方晶炭化珪素膜では、上層の立方晶炭化珪素層ほど結晶欠陥11が少ないので、多層構造の立方晶炭化珪素膜では、最上層の立方晶炭化珪素層nの結晶欠陥11は極めて少ないものとなる。
以上説明したように、本実施形態の立方晶炭化珪素膜の製造方法によれば、立方晶炭化珪素層3をエピタキシャル成長させ、この立方晶炭化珪素層3の表面3aのクリーニングを行い、クリーニング後の立方晶炭化珪素層3上に再度、立方晶炭化珪素層4をエピタキシャル成長させるので、Si基板1に加工等を施すこと無しに、Si基板1の下地層2上に、立方晶炭化珪素層3、立方晶炭化珪素層4を順次積層させた2層構造の平坦性の良い高品質の立方晶炭化珪素膜21を形成することができる。
また、これらの工程は、特に高価な設備等を必要とせず、汎用の設備を用いて実施可能であるから、製造コストを低く抑えることができる。したがって、結晶欠陥の少ない高品質の立方晶炭化珪素膜を安価に得ることができる。
また、同一チャンバー内で原料ガスg2とエッチングガスg3を切り換えることで、エッチングとエピタキシャル成長とを容易に切り換えることができる。したがって、立方晶炭化珪素膜の成膜プロセスを簡単化することができ、製造工程のコストダウンを図ることができる。
さらに、このような工程を繰り返すことにより、Si基板1の下地層2上に、立方晶炭化珪素層3、立方晶炭化珪素層4、…、立方晶炭化珪素層nからなる多層構造の高品質の立方晶炭化珪素膜を形成することができる。
この多層構造の立方晶炭化珪素膜では、上層の立方晶炭化珪素層ほど結晶欠陥11が少ないので、結晶欠陥が極めて少ない高品質の立方晶炭化珪素膜を安価に得ることができる。
本実施形態の立方晶炭化珪素膜の製造方法により得られた立方晶炭化珪素膜は、結晶欠陥が極めて少ない高品質の立方晶炭化珪素膜であるから、ワイドバンドギャップ半導体として期待される炭化珪素(SiC)半導体に好適であることはもちろんのこと、パワーデバイス用半導体材料あるいは高耐圧デバイス用材料としても利用可能である。
なお、本実施形態では、立方晶炭化珪素層3をエピタキシャル成長させる工程と、この立方晶炭化珪素層3の表面3aのクリーニングを行う工程とを繰り返し行ったが、立方晶炭化珪素層3をエピタキシャル成長させる工程と、この立方晶炭化珪素層3の表面3aのクリーニングを行う工程を、それぞれ1回のみ行うこととしてもよい。
また、本実施形態では、Si基板1の下地層2上に、立方晶炭化珪素層3、立方晶炭化珪素層4を順次積層させた2層構造の立方晶炭化珪素膜21を形成したが、この立方晶炭化珪素膜21は、必ずしもSi基板1の下地層2上に形成させる必要はなく、この立方晶炭化珪素膜21とSi基板1の下地層2との間に単層または積層構造の第3の膜を形成した構造、あるいは、この立方晶炭化珪素膜21の上に単層または積層構造の第3の膜を形成した構造であってもよい。
1…シリコン(Si)基板、2…下地層、3…立方晶炭化珪素(3C−SiC)層、3a…表面、4…立方晶炭化珪素(3C−SiC)層、21…立方晶炭化珪素膜、g2…原料ガス、g3…エッチングガス

Claims (7)

  1. 基板の上に立方晶炭化珪素膜を形成する方法であって、
    立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させる第1の工程及びエピタキシャル成長させた前記立方晶炭化珪素層の表面をクリーニングする第2の工程を、1回以上繰り返し行うことにより、前記基板上に複数の立方晶炭化珪素層を積層してなる立方晶炭化珪素膜を形成することを特徴とする立方晶炭化珪素膜の製造方法。
  2. シリコン基板の表面を炭化処理して下地層を形成した後、当該下地層上に、前記第1の工程及び前記第2の工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項1記載の立方晶炭化珪素膜の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、炭素を含むガスと珪素を含むガスとを混合してなる混合ガス雰囲気、炭素及び珪素を含むガス雰囲気、炭素を含むガスと珪素を含むガスと炭素及び珪素を含むガスとを混合してなる複数種混合ガス雰囲気、のいずれかの雰囲気下にて行うことを特徴とする請求項1または2記載の立方晶炭化珪素膜の製造方法。
  4. 前記第2の工程は、水素、塩素または塩化水素を含むガス雰囲気下にて行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の立方晶炭化珪素膜の製造方法。
  5. 前記ガス雰囲気は、水素原子を含むことを特徴とする請求項4記載の立方晶炭化珪素膜の製造方法。
  6. 基板の上に立方晶炭化珪素膜を形成する方法であって、
    前記基板の上に第1の立方晶炭化珪素層をエピタキシャル成長させる第1の工程と、
    前記第1の立方晶炭化珪素層の表面をクリーニングして、前記立方晶炭化珪素膜の一部を構成する第2の立方晶炭化珪素層を形成する第2の工程と、
    を含むことを特徴とする立方晶炭化珪素膜の製造方法。
  7. 前記第1の工程と、前記第2の工程とを繰り返し行うことを特徴とする請求項6記載の立方晶炭化珪素膜の製造方法。
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