JP2014067869A - ヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、ヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶、ヘテロ接合太陽電池 - Google Patents

ヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、ヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶、ヘテロ接合太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶の基板に基板と格子定数の異なる単結晶の薄膜を成長させる際に、薄膜中の格子欠陥を低減するヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、これを用いたヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶、ヘテロ接合太陽電池を提供する。
【解決手段】基板10上に形成したマスク層12に開口部13を形成することにより、前記開口部13の底面に前記基板10が露出した露出面14を形成し、前記露出面14に前記基板10と格子定数が異なるシリコン結晶20を前記露出面14の外形に倣って成長させるヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法であって、前記露出面14の幅寸法を、前記シリコン結晶20の破壊強度が、前記シリコン結晶20が前記基板10から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときの前記露出面14の幅寸法以下にすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、ヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、ヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶、ヘテロ接合太陽電池に関し、特に基板上に成長した単結晶中の格子欠陥を低減させる技術に関する。
半導体材料は、太陽電池や集積回路等の材料として用いられている。太陽電池については、更なる効率向上化のため、半導体の上にバンドギャップの異なる他の半導体を積層させたタンデム型の太陽電池が提案されている。また、集積回路については、寄生容量を低減して高速化を図るため、絶縁体上に集積回路の材料となる半導体を積層させる構造が提案されている。
いずれの提案においても、高品質なデバイスを製造するためには、単結晶の基板上に基板とは異なる材料の結晶からなる薄膜を成長させるヘテロエピタキシャル技術が必要となる。しかし、この場合、基板と薄膜との間では、格子定数が互いに異なる。このため、薄膜成長の際に、薄膜を構成する結晶が基板の結晶から格子歪を受けて、薄膜中に貫通転位等の格子欠陥が発生し、これが高品質化の妨げとなっている。
上述の格子欠陥の問題を解決するため、特許文献1においては、サファイア基板上にSiOのマスク層を形成し、サファイア基板の露出した位置からGaNをマスク層より高くなるように成長させ、さらにGaNのマスク層より高くなった部分を横方向成長させることにより、GaNによる薄膜を、基板全体を覆うように成長させる技術が開示されている。上記方法によれば、GaNの横方向成長部分において転位密度が劇的に低減する。よって、上記特許文献1の技術を太陽電池及び集積回路の製造方法に適用することにより、高品質なデバイスを製造することができるとも思われる。
特表2006−510227号公報 特開2012−054364号公報
P.M.J.Maree et,al;J.Appl.phys.58(8),15 October 1985;Silicon strained layers grown onGaP(001) by molecular beam epitaxy. NANO LETTER,2006,Vol.6,No.4,622−625,Samuel Hoffmann;Measurement of the Bending Strength of Vapor−Liquid−Solid Grown Silicon Nanowires. Namazu,T.et,al;Microelectromech.Syst.2000,9450 Evaluation of Size Effect on Mechanical Properties of Single Crystal Silicon by Nanoscale Bending Test Using AFM. F.Schaffler;Semicond.Sci.Technol.12.1515(1997). 応用物理 Vol.81,No.1,2012,p3−p14. J.M.Olson,et.al,27.3%efficient Ga0.5In0.5P/GaAs Tandem Solar cell,Appl.Phys.lett.56(7),12Feb,1990.
しかし、上記方法を用いても、基板上で成長した薄膜のうち、基板から直接成長した部分には貫通転位等の格子欠陥が未だ多く存在し、薄膜全体では未だ多くの格子欠陥を有することになるので、基板上に薄膜をヘテロエピタキシャル成長させた材料を用いたデバイスの高性能化に限界があった。もちろん、上記薄膜のうち、横方向成長成分のみを切り出して用いることも可能であるが、その部分を太陽電池や集積回路等のデバイスが必要とする大きさに形成することは困難である。
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、単結晶の基板に、その基板と格子定数の異なる単結晶の薄膜を成長させる際に、薄膜中の格子欠陥を低減するヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、これを用いたヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶、ヘテロ接合太陽電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法は、基板上に形成したマスク層に第1の開口部を形成することにより、前記第1の開口部の底面に前記基板が露出した露出面を形成し、前記露出面に前記基板と格子定数が異なる第1の成長結晶を前記露出面の外形に倣って成長させるヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法であって、前記露出面の幅寸法を、前記第1の成長結晶の破壊強度が、前記第1の成長結晶が前記基板から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときの前記露出面の幅寸法以下にすることを特徴とする。
上記構成により、露出面に成長する第1の成長結晶が格子歪に起因して破壊され貫通転位等の格子欠陥が発生することを低減することができる。よって、格子歪を保持しながら格子欠陥の少ないヘテロエピタキシャル単結晶を成長させることができる。
本発明において、前記第1の成長結晶を前記露出面において前記マスク層の上面より高くなるように成長させるとともに、前記第1の成長結晶の前記マスク層の上面より高くなった部分から横方向に成長させて前記第1の成長結晶が前記マスク層を覆うように成長させ、前記露出面の幅寸法を1μm以下にすることを特徴とする。
上記構成により、基板と格子不整合の割合が大きな成長結晶を、マスク層から露出した露出面の外形に倣って形成された部分であっても格子欠陥を小さくした状態で形成することができ、基板全体を覆うように格子欠陥の小さな成長結晶による薄膜を形成することができる。
本発明において、前記マスク層を形成する材料にP型またはN型のドーパントをドープすることを特徴とする。
上記構成により、トンネル接合のためのPN接合形成やマスク層の界面における少数キャリアの再結合を低減することができる。
本発明において、前記マスク層において、前記第1の開口部と、それ以外のマスク部分と、を交互に複数形成して前記第1の成長結晶を成長させ、前記マスク部分を除去することにより前記第1の成長結晶に挟まれた第2の露出面を形成し、前記第2の露出面及び前記第1の成長結晶の上面に前記基板と格子定数の異なる第2の成長結晶を成長させ、前記露出面の幅寸法を200μm以下にすることを特徴とする。
上記構成により、第1の成長結晶と、第2の成長結晶のうち第2の露出面に成長した部分は、バルク状態のときよりも5倍程度高い破壊強度を有することになる。また第2の成長結晶のうち第1の成長結晶上に成長した部分は、第1の成長結晶の格子歪の緩和が進行した上面から成長したものとなっている。したがって、基板上に格子欠陥の少ない第1の成長結晶及び第2の成長結晶を成長させることができる。
本発明において、前記マスク層において、前記第1の開口部と、それ以外のマスク部分と、を交互に複数形成して前記第1の成長結晶を成長させ、前記マスク部分を除去することにより、前記第1の成長結晶に挟まれた第2の露出面を形成し、前記第1の成長結晶上に第2のマスク層を形成し、前記第2の露出面において前記基板と格子定数の異なる第2の成長結晶を前記第2の露出面の外形に倣って成長させ、前記露出面の幅寸法を200μm以下にすることを特徴とする。
上記構成により、基板上には、第1の成長結晶と第2の成長結晶がモザイク状に形成される。そして、第1の成長結晶及び第2の成長結晶は、バルク状態のときよりも5倍程度高い破壊強度を有することになる。したがって、基板上に格子欠陥の少ない第1の成長結晶及び第2の成長結晶を成長させることができる。
本発明において、前記基板の両面に前記第1の開口部を有する前記マスク層を形成することにより前記基板の両面の露出面に前記成長結晶を成長させ、前記成長結晶の材料を前記基板の一方の面と他方の面とで互いに異ならせたことを特徴とする。
上記構成により、3層構造のヘテロエピタキシャル単結晶となり、例えばタンデム型の太陽電池の活性層として用いることができる。
本発明において、前記基板をシリコンとすることを特徴とする。
上記構成により、シリコンを基板としたヘテロエピタキシャル単結晶を形成することができる。
本発明において、前記基板を、シリコン基板上に、酸素リッチなシリコン酸化膜を成長させるとともに前記シリコン酸化膜に前記シリコン基板を露出させる第2の開口部を形成し、前記シリコン基板の前記第2の開口部に露出した部分からシリコン結晶を成長させるとともに前記シリコン結晶が前記シリコン酸化膜を覆うように成長させ、前記シリコン結晶の成長中或いは成長後に熱処理を行なってシリコン結晶の前記第2の開口部で成長した初期成長部分を前記シリコン酸化膜が含有する酸素により酸化させることにより、前記シリコン基板、前記シリコン酸化膜、前記シリコン結晶によるシリコン薄膜、の順に積層させて形成し、前記シリコン薄膜上に前記第1の開口部を有する前記マスク層を形成することにより前記成長結晶を前記シリコン薄膜上に成長させることを特徴とする。
上記構成において、シリコン酸化膜は結合力が小さい。このため、成長結晶によるシリコン薄膜を、シリコン酸化膜を引き裂く態様で(このときフッ酸液を用いてシリコン酸化膜をエッチングしながら)シリコン基板から剥離することができる。よって、シリコン薄膜と成長結晶によるヘテロ接合体を容易に形成することができ、ヘテロ接合体の薄型化を図ることができる。また、剥離後のシリコン基板にシリコン酸化膜を介してシリコン薄膜を成長させることができる。よって、シリコン基板を繰り返し使用することができるので、コストを抑制することができる。
本発明において、前記熱処理を1000度以上の温度で行なうことを特徴とする。
上記構成により、強度及び絶縁性の高いシリコン酸化膜となるため、高速な応答が可能で省電力な半導体素子用の材料として用いることができる。
本発明において、前記成長結晶成長後の前記シリコン薄膜を前記シリコン基板から剥離するとともに前記シリコン薄膜の剥離面に前記第1の開口部を有する前記マスク層を形成することにより前記成長結晶を前記剥離面に成長させることを特徴とする。
上記構成により、シリコン薄膜の両面にヘテロエピタキシャル成長を行い、タンデム構造の太陽電池の活性層を形成することができる。
本発明において、前記シリコン薄膜のいずれか一方の面に成長させた前記成長結晶の材料をInGa1−xPとし、他方の面に成長させた前記成長結晶の材料をGeとすることを特徴とする。
上記構成により、シリコン薄膜の両面にはシリコンよりも格子定数の大きい成長結晶が成長するため、両面から格子歪による引っ張り応力を受ける。これにより、シリコン薄膜の物性を間接遷移型から直接遷移型に変化させることができ、発電効率を大幅に高めることができる。
本発明において、前記成長結晶を前記基板に成長する前に、前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数との間の格子定数を有するバッファー層を前記露出面に形成し、前記成長結晶を前記バッファー層上に成長させることを特徴とする。
上記構成により、基板と格子不整合の割合が大きい成長結晶を、格子欠陥を低減させて製造することができる。特にバッファー層もマスク層で区画された露出面の外形に合わせて形成されるので、バッファー層の破壊強度もバルク状態のときよりも増大し、貫通転位等の格子欠陥の発生を抑制することができる。よって、成長結晶において、バッファー層中の格子欠陥に起因した格子欠陥の発生を低減することができる。
本発明において、前記基板をサファイアで形成するとともに前記成長結晶をシリコンで形成し、前記成長結晶を前記基板に成長する前に、前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数との間の格子定数を有するバッファー層を前記露出面に形成し、前記成長結晶を前記バッファー層上に成長させることを特徴とする。
上記構成により、絶縁体であるサファイア上に格子不整合の割合の大きいシリコンを、格子欠陥を小さくした状態でバッファー層を介して成長することができ、集積回路等の高速な応答が要求されるデバイスの材料として用いることができる。
本発明において、前記原料ガスにP型またはN型のドーパントをドープするとともに、前記成長結晶の成長途中で前記ドーパントをP型またはN型に相互に切り替えることを特徴とする。
上記構成により、成長結晶の厚み方向でPN接合を形成することができる。
また、本発明に係るヘテロ接合太陽電池の製造方法は、前述のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法により製造された前記成長結晶の表面に電極を配置したことを特徴とする。
上記構成により、タンデム型であって高効率な太陽電池を製造することができる。
一方、本発明に係るヘテロエピタキシャル単結晶は、基板上に前記基板の格子定数と異なる格子定数を有する第1の成長結晶及び第2の成長結晶が互いに隣接して交互に成長しているヘテロエピタキシャル単結晶であって、前記成長結晶の幅寸法が200μm以下となっていることを特徴とする。
上記構成により、基板上には、第1の成長結晶と第2の成長結晶がモザイク状に形成される。そして、第1の成長結晶及び第2の成長結晶は、バルク状態のときよりも5倍程度高い破壊強度を有することになる。したがって、基板上に格子欠陥の少ない第1の成長結晶及び第2の成長結晶が成長したヘテロエピタキシャル単結晶となる。
また、本発明において、前記第1、第2の成長結晶のうちのいずれか一方の成長結晶は、他方の成長結晶よりも厚く成長しているとともに、他方の成長結晶を覆うように成長していることを特徴とする。
上記構成により、一方の成長結晶と、他方の成長結晶のうち露出面に直接成長した部分は、バルク状態のときよりも高い破壊強度を有することになる。また他方の成長結晶のうち一方の成長結晶上に成長した部分は、一方の成長結晶の格子歪の緩和が進行した上面から成長したものとなっている。したがって、基板上に格子欠陥の少ない第1の成長結晶及び第2の成長結晶を成長させたヘテロエピタキシャル単結晶となる。
本発明において、前記基板は、シリコン基板、シリコン酸化膜、シリコン薄膜の順に積層した構造を有し、前記成長結晶は、前記シリコン薄膜上に成長していることを特徴とする。
上記構成により、シリコン薄膜は、シリコン基板から剥離可能となっている。そして、シリコン基板をシリコン薄膜の成長に対し繰り返し使用することができるのでコストを抑制することができる。
本発明において、前記基板と前記成長結晶との間には、前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数の間の格子定数を有するとともに前記成長結晶の外形に倣った外形を有するバッファー層が配置されていることを特徴とする。
上記構成により、基板と格子不整合の割合が大きい結晶を、基板上で格子欠陥を低減させた状態で成長させたヘテロエピタキシャル単結晶となっている。特に、バッファー層は、第1の成長結晶の外形、及び第2の成長結晶の基板に接合する部分の外形に合わせてモザイク状に形成されているので、破壊強度がバルク状態のときよりも増大し、貫通転位等の格子欠陥の発生が抑制されている。よって、成長させた結晶において、バッファー層中の格子欠陥に起因した格子欠陥の発生を低減させたヘテロエピタキシャル単結晶となる。
本発明において、前記基板は、サファイアであり、前記成長結晶は、シリコンであり、前記基板と前記成長結晶との間には、前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数の間の格子定数を有するとともに前記成長結晶の外形に倣った外形を有するバッファー層が配置されていることを特徴とする。
上記構成により、絶縁体であるサファイア上にバッファー層を介して格子不整合の割合の大きいシリコンを、格子欠陥を小さくした状態で成長することができ、集積回路等の高速な応答が要求されるデバイスの材料として用いることができる。
一方、本発明に係るヘテロ接合太陽電池は、前述のヘテロエピタキシャル単結晶の表面に電極が配置されていることを特徴とする。
上記構成により、高効率な太陽電池となる。
本発明に係るヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶によれば、格子欠陥の少ない高品質なヘテロ接合を構築することができ、これを利用したヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロ接合太陽電池によれば、高効率な太陽電池を構築することができる。
第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶を製造するための配置図である。 第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶を製造するための基板の断面図である。 成長結晶の幅寸法を変化させた場合の破壊強度と、破壊強度に対応する応力を印加することになる格子歪の関係を表すグラフである。 第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(初期段階)の断面図である。 第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(横方向成長段階初期)の断面図である。 第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(横方向成長終了時)の断面図である。 第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(最終段階)の断面図である。 第2実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(マスク層形成後)の断面図である。 第2実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第1の成長結晶成長後)の断面図である。 第2実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第2の露出面形成時)の断面図である。 第2実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第2の成長結晶成長後)の断面図である。 第3実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第2のマスク層成長後)の断面図である。 第3実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第2の成長結晶成長後)の断面図である。 第3実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(エッチング後)の断面図である。 第4実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(マスク層及び第1のバッファー層成長後)の断面図である。 第4実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第1の成長結晶成長後)の断面図である。 第4実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第2のマスク層及び第2のバッファー層形成後)の断面図である。 第4実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(第2の成長結晶成長後)の断面図である。 第4実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階(エッチング後)の断面図である。 第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の基板の製造工程(成長初期)の断面図である。 第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の基板の製造工程(成長終了時)の断面図である。 第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造工程(剥離前)の断面図である。 第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造工程(剥離後)の断面図である。 第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造工程(剥離面へのヘテロエピタキシャル成長後)断面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本実施形態に係るヘテロエピタキシャル単結晶を製造するための配置図を図1に示す。図1に示すように、真空チャンバであるエピタキシャル成長炉100の中に設置された設置台106の上に基板10を設置し、この基板10をエピタキシャル成長炉100の外側に設けたヒーター108により所望の温度に加熱する。エピタキシャル成長炉100の原料ガス入口102から原料ガス18を導入し、これを基板10の表面上で化学反応させ、シリコン結晶20(図4)をエピタキシャル成長させ、これにより基板10上にシリコン結晶20等によるシリコン薄膜24(図7)を成膜させる。そして余剰の原料ガス18はエピタキシャル成長炉100の原料ガス出口104から排出される。
このような配置のもと、第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法は、基板10上に形成したマスク層12に開口部13(第1の開口部)を形成することにより、開口部13の底面に基板10が露出した露出面14を形成している。そして、露出面14に基板10と格子定数が異なるシリコン結晶20(第1の成長結晶)を開口部13の外形に倣って成長させている(図4)。
そして、開口部13の幅寸法を、シリコン結晶20の破壊強度が、シリコン結晶20が基板10から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときの開口部13の幅寸法以下とすることを特徴としている。より具体的には、開口部13(露出面14)の幅の下限を0.001μmとし、開口部13(露出面14)の幅の上限を、シリコン結晶20の幅寸法(断面寸法)で決定されるシリコン結晶20の破壊強度(単位面積当たりの破壊強度)が、シリコン結晶20が基板10から受ける格子歪に伴う応力(単位面積当たりの応力)と等しくなる値(図3参照)以下とすることを特徴としている。
詳細は後述するが、上記構成により、露出面14に成長するシリコン結晶20が格子歪に起因して破壊され貫通転位等の格子欠陥が発生することを低減することができる。よって、格子歪を保持しながら格子欠陥の少ないヘテロエピタキシャル単結晶を成長させることができる。
図2に、第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶を製造するための基板の断面図を示す。本実施形態では、ヘテロエピタキシャル成長させる薄膜(成長結晶)としてシリコンを例にとって説明する。図2に示す基板10は、SiC、サファイア、GaP等の単結晶が用いられる。もちろん、成長させる薄膜(成長結晶)がシリコンでない場合には、基板10としてシリコンを用いることができる。
また基板10上には、基板10上での分解反応が活性となるシリコン用の原料ガス18(図1)が供給される。しかし、基板10上には、予め、その原料ガス18の分解反応が不活性となるマスク層12(例えばSiO)が選択的に配置されている。よって基板10上には、マスク層12に形成された開口部13の底面となる露出面14と、マスク層12の開口部13以外のマスク部分の上面となるマスク面16が配置される。すなわち、一次元方向の配置のみを考えれば、露出面14とマスク面16が基板10上で交互に配置され、二次元方向の配置を考えれば、露出面14とマスク面16が市松模様を形成するように交互に配置されることになる。
露出面14及びマスク面16の製造工程としては、例えば、基板10全面にマスク層12(SiO)を堆積させ、マスク層12にレジスト膜(不図示)を塗布し、レジスト膜を露出面14のパターニングに合わせて感光し、レジスト膜の感光した部分を除去し、マスク層12のレジスト膜から露出した部分を(HF等を用いて)エッチングして除去し、最後にレジスト膜を除去すればよい。
ここで、エピタキシャル成長に使われる原料ガス18は、水素等のキャリアガスにシリコン結晶20の原料であるシリコン化合物を所定の割合で含有させたものであり、所定の温度及び流量でエピタキシャル成長炉100(図1)に供給される。原料ガス18としては、モノシラン(SiH)、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、四塩化ケイ素(SiCl)等が挙げられる。
気相エピタキシャル成長機構には、原料ガス18の輸送現象と化学反応(気相分解反応、表面分解反応)が伴う。特にエピタキシャル成長がなされる高い温度においては、律速反応として気相分解反応と表面分解反応を考慮する必要がある。本実施形態においては、後述のように横方向成長を行なうため、気相分解反応の割合が表面分解反応の割合より極めて小さく、表面分解反応が支配的となるガスを選択する必要がある。よって、上記原料ガス18のうち、モノシラン(SiH)は気相分解反応の割合が大きいため好適ではなく、トリクロロシラン(SiHCl)などの塩素系ガスが好適となる。これによりシリコン結晶20がシリコン酸化膜で形成されたマスク面16で直接堆積することを抑制することができ、後述のように、露出面14から直接成長してきたシリコン結晶20(シリコン柱22)からの横方向成長によりマスク面16を覆うことができる。成長例としては、基板温度900℃〜1000℃、四塩化ケイ素(SiCl)ガス(1.5g/min)、Hガス(55cc/min)、HClガス(8cc/min)の条件で、0.5μm/minの速度でシリコン結晶20が成長する。
基板10の格子定数の異なる格子定数を有する成長結晶をエピタキシャル成長させる場合、その成長結晶は基板10との界面において引張応力(または圧縮応力)を受ける。このとき成長結晶がその成長結晶が有する破壊強度(弾性限界強度)を超えると、それを解消するために転位が発生する。この破壊強度は成長させる成長結晶の固有の物性で決定される。例えば、非特許文献1では、GaPの基板上にシリコン単結晶を成長させた場合、シリコンは厚みが0.13μm未満の成長段階では、成長結晶中に格子歪が存在するものの転位は発生せず、0.13μm以上に成長させると転位が発生することが詳細に記載されている。
通常、ヘテロエピタキシャル成長を行なった場合、基板10全面に薄膜を成長させるため、基板10を構成する結晶と、薄膜を構成する成長結晶との間の格子不整合に起因して薄膜が受ける応力は基板10全面に連なっている。このとき、この応力を逃がす(緩和する)自由表面は薄膜の成長面(最上面だけ)に限られ、面内方向に緩和することはできない。すなわち、応力を緩和する方向が1次元に限られる。
しかし、成長結晶の幅寸法(断面寸法)を小さくすることにより、成長結晶の基板10から受ける応力を上面のみならず、側面2方向にも緩和させることができ、応力を緩和する方向が3次元となる。よって、格子不整合に起因して成長結晶が基板10から(基板10面内方向に)受けた引張(圧縮)応力を3次元方向に緩和して転位の発生を低減若しくは防止することができる。
図3に、成長結晶の幅寸法を変化させた場合の破壊強度と、破壊強度に対応する応力を印加することになる格子歪の関係を表すグラフを示す。図3において、横軸はログスケールになっている。本願発明者は、成長結晶の幅寸法と、成長結晶の破壊強度(弾性限界強度)と、破壊強度に対応する応力を印加する成長結晶に対する格子歪と、の関係について調査した。非特許文献3では、成長結晶をシリコンとし、シリコンの幅寸法を変化させたサンプルを用いてその曲げ強度(破壊確率が63.2%になる値)について報告している。
また非特許文献3では、シリコンの幅寸法を1μm以下にすると曲げ強度が劇的に増大するとともに、長手方向に大きな伸展性が表れる旨報告している。非特許文献2では、いずれの材料を問わず、材料の幅寸法を微小化すると曲げ強度は増加し、その極限において、その材料のヤング率をEとすると、E/10に近づく旨報告している。また非特許文献3では、ヤング率Eは材料の幅寸法に係らず一定である旨報告している。なお、曲げによる応力の方向と格子歪に起因する応力の方向は、いずれも材料の長手方向(成長する方向)に直交する面内の方向(断面方向)となるので、材料の曲げ強度と、格子歪に対する強度はほぼ同様である。上記知見から、本願発明者は、成長結晶の幅寸法と、その幅寸法における成長結晶の曲げ強度(破壊強度)に対応する応力を印加することになる格子歪との関係を示すプロット及び曲線を導出した。
図3では、プロットA1〜A6が曲げ強度を表し、プロットB1〜B6が格子歪を表している。バルク状態を表すプロットA1からプロットA3までは曲げ強度がなだらかに上昇し、結晶の幅寸法が、サブミクロンオーダー(1μm未満)となるプロットA4、A5、A6と向かう方向で曲げ強度は急激に上昇している。プロットB1〜B6は、ヤング率E(186GPa、非特許文献3参照)から容易に算出することができる。そしてプロットB6では、10%を超えている(10.4%)ので、成長結晶の幅寸法が0.1μm以下では、これ以上の上昇はなく、プロットB1〜B6を通過する曲線は飽和していると考えられる。
図3の曲線は、成長結晶の幅寸法で決定される結晶の曲げ強度(破壊強度)が、成長結晶が基板から受ける格子歪に伴う応力と等しくなる条件を示すことになる。よって、例えば、成長結晶の幅寸法と、基板との格子歪との関係を示すプロットが図の曲線より下側の領域に存在する場合には、その成長結晶をヘテロエピタキシャル成長しても貫通転移等の格子欠陥が発生しない(または格子欠陥が高密度で発生する可能性が低い)ことを示している。逆に、前述のプロットが図3の曲線より上側の領域に存在する場合には、その成長結晶をヘテロエピタキシャル成長した場合に格子欠陥が発生する(または格子欠陥が高密度で発生する可能性が高い)ことを示している。また、格子歪が10%を超える場合は、成長結晶の幅寸法をどのように設計してもヘテロエピタキシャル成長した際に、成長結晶に格子欠陥が発生する(または格子欠陥が高密度で発生する可能性が高い)ことを示している。
よって、基板10上に格子欠陥の少ない薄膜を成長させるためには、成長結晶(露出面14)の幅寸法を、その成長結晶の破壊強度が、その成長結晶が基板10から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときの成長結晶(露出面14)の幅寸法以下にする必要がある。すわわち、基板10(単結晶)と基板10上に成長する薄膜(成長結晶)を選択した場合、その基板10と薄膜の格子定数の差(格子歪)を算出し、格子歪と幅寸法からなるプロットが図3の曲線よりも下側の領域となるように、幅寸法の大きさを設計することにより、基板10上に格子欠陥の少ない薄膜を成長させることができる。例えば、図3の曲線から分かるように、成長結晶の幅寸法を200μmとした場合、曲線上の格子歪は1.5%程度であるが、プロットA1(バルク状態、格子歪0.31%)よりは5倍程度強度が向上していることがわかる。よって成長結晶の幅寸法(開口部13及び露出面14の幅寸法)を200μmとしても格子欠陥の低減の効果が期待できる。このように、成長結晶の幅寸法と曲げ強度との関係に関する知見を用いて格子欠陥を低減するためのヘテロエピタキシャル成長の条件の最適化を図ることができる。
図3に示すように、成長結晶の幅寸法を小さくするほど曲げ強度は増加することが分かる。しかし、成長結晶は前述のようにマスク層12の間の基板10の開口部13(露出面14)の外形に倣って成長させるので、開口部13(露出面)の幅が0.001μm以下では正常なエピタキシャル成長は不可能になると思われる。また、格子歪が10%を超える場合は、基板10の格子定数と、薄膜(成長結晶)の格子定数との間の格子定数を有するバッファー層を基板10上に成長させ、そのバッファー層上に薄膜を成長させればよい。
ヘテロエピタキシャル成長をさせるには、気相エピタキシャル法、液相エピタキシャル法、固相エピタキシャル法、又はそれらを援助するための例えばプラズマやイオンビームを利用した成長方法等各種の成長方法が存在する。しかし、それらの成長方法の選択は、基板10と、基板10上にエピタキシャル成長させる薄膜(成長結晶)の材料の特性とその目的によって、最適な成長方法が採用される。
本実施形態に供される、エピタキシャル成長に採用されるヘテロエピタキシャル方法あるいはマスク層12の材料やその利用方法は、基板10と成長させる薄膜材料に最適なエピタキシャル方法をとればよく、本実施形態の為に特別に成長方法の変更を促すものではない。本実施形態では、エピタキシャル成長を誘導するためにマスク層12を利用するがその材料(例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜)等も特に限定するもので無く、各成長方法に最適な材料を選択すれば良い。但し本実施形態では、基板10上にマスク層12を選択的に形成し、マスク層12に挟まれることにより形成される(または基板10全面にマスク層12を形成しマスク層12の一部をエッチングして形成された開口部13の底面として形成される)基板10の露出面14を用いることが唯一の制限であり、露出面14で成長した成長結晶に微少結晶の成長を誘導して該エピタキシャル膜の物性に変化を促すものである。
即ち、既存のヘテロエピタキシャル成長法を用い、基板10上のマスク層12により、幅が0.001μmから200μmの範囲にある開口部13(露出面14)を選択的に形成すること事だけで転位のない(または少ない)単結晶の薄膜(成長結晶)が得られる。特に、格子歪が大きい(例えば6%以上)場合には、幅が0.001μmから1μmの範囲にある露出面14を選択的に形成することにより、伸展性を獲得し転位のない(または少ない)単結晶の薄膜(成長結晶)が得られる。
なお、本実施形態は、開口部13(露出面14)の幅寸法(成長結晶の幅寸法)以外、例えばヘテロエピタキシャルの各種成長方法、マスク層12の材料、ヘテロエピタキシャル成長させる成長結晶の材料、成長元素の化学種(原子又は分子)、成長温度等いずれについても制限されるものではない。
次に本実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造工程について説明する。まず、図1、図2に示すように、シリコン薄膜24を成長するための基板10をエピタキシャル成長炉100の中の設置台106に設置する。このとき、基板10上にシリコン酸化膜(SiO、モノシランガスの酸化による)を用いたマスク層12を成長させ、前述のように、基板10上において基板10が露出した露出面14(開口部13)とマスク層12で覆われたマスク面16を予め形成しておく。
そして、基板10を、シリコン薄膜24を成長させるための温度まで基板10を昇温し、原料ガス18を所定の流量及び温度により基板10に供給する。なお、原料ガス18には塩化水素(HCl)ガスを混合させ、成長を促進させる。
図4乃至図7に、第1実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階の断面図を示す。図4に示すように、エピタキシャル成長の初期の比較的低温(例えば900℃から1000℃の温度)では、基板10の露出面14で原料ガス18の表面分解反応が起こり、開口部13(露出面14)の外径に倣った断面を有するシリコン柱22(シリコン結晶20)の成長が始まる。しかし前記のように選択された原料ガス18では、シリコン酸化膜で形成されたマスク面16上の領域では表面分解反応が抑制され、分解が起こらない。一方、露出面14から成長したシリコン柱22は原料ガス18の供給によりヘテロエピタキシャル成長していく。
図5に示すように、ヘテロエピタキシャル成長が進行し、やがて露出面14で成長したシリコン結晶20(シリコン柱22)がマスク面16を形成するマスク層12の厚さにまで成長すると、その後はシリコン結晶20がマスク面16上にも横方向に成長し始める。
このとき、横方向に成長した部分からもシリコン薄膜24の厚み方向に成長することになる。そして、シリコン薄膜24の厚み方向の成長速度と横方向の成長速度はほぼ同じなる。よって、図5に示すように、マスク面16上では、シリコン結晶20は、横方向成長と厚み方向の成長が進行する。
図6に示すように、成長がさらに進むとシリコン結晶20がマスク面16全体を覆い、シリコン結晶20がマスク面16上で連なるので、基板10の全面がシリコン薄膜24で覆われることになる。その後は、速度を速めるため原料ガス18への塩化水素ガスの混入を停止し、且つ基板10の温度を上げて必要なエピタキシャル厚さに達するまで成長を続行し、図7に示すシリコン薄膜24が形成される。
このように形成されたシリコン薄膜24は、露出面14上のシリコン柱22を核として成長した成長結晶であるから、露出面14上のシリコン結晶20(シリコン柱22)もマスク面16上のシリコン結晶20も共に基板10の結晶構造を引き継いでいる。しかし、基板10の格子定数とシリコン結晶20の格子定数とは互いに異なる。よって、シリコン結晶20の格子定数が基板10の格子定数よりも大きい場合には、シリコン結晶20は圧縮応力による格子歪を受け、逆に小さい場合は引張応力による格子歪を受けている。
しかし、本実施形態では上述のように開口部13(露出面14)の幅が0.001μmから200μm(または1μm)の範囲となるように形成され、シリコン柱22(シリコン結晶20)は開口部13(露出面14)の外形に倣った幅寸法(断面寸法)を有しているため、上述の格子歪を保持しながら貫通転位等の格子欠陥の発生が無い(または低減された)シリコン柱22(シリコン結晶20)となっている。よって、本実施形態によれば、シリコン薄膜24は、横方向成長した部分のみならず、露出面14から直接成長した部分(シリコン柱22)においても格子欠陥の発生が無い(または低減された)ものとなっている。したがって基板10全面を用いて格子欠陥の低減されたシリコン薄膜24を成長させることができる。
よって、本実施形態では、基板10上にマスク層12が形成されるとともにマスク層12に形成した開口部13の底面には基板10の露出面14が形成され、基板10と格子定数が異なるシリコン結晶20が露出面14から成長してマスク層12を覆っているヘテロエピタキシャル単結晶が形成されている。そして、開口部13の幅寸法は、シリコン結晶20の開口部13の外形に倣って成長した部分の破壊強度が、シリコン結晶20が基板10から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときの開口部13の幅寸法以下となっている。
本実施形態において、露出面14上では、基板10とシリコン結晶20との原子的結合がなされている。一方、マスク層12を形成しているシリコン酸化膜とシリコン薄膜24とは、マスク面16において冶金学的な結合をしているのみであって、規則的な原子的結合はない。よって、シリコン薄膜24の横方向成長部分は、マスク層12との格子定数の差に起因した格子歪を受けることはない。マスク層12は一般的に絶縁体(たとえば酸化膜、窒化膜)なので、基板10とシリコン薄膜24は露出面14のところで電気的に接続しているが、他のところは電気的に絶縁している。よって、このマスク層12を有効に利用する事が可能である。
例えば、本実施形態を太陽電池に適用する場合は、露出面14では成長したシリコン結晶20と基板10とが電気的に接続されているが、横方向成長成分の下には絶縁膜となるマスク層12が挿入されている。このマスク層12による電気抵抗増加により太陽電池の効率が低下する場合は、基板10上の露出面14の面積比率を増やすなどの対策が必要である。
また基板10とシリコン薄膜24の横方向成長成分との間のマスク層12は、短波長光の反射による光の再利用又は長波長光が透過しやすい物質を選択する事などで太陽電池の効率向上にも利用の可能性がある。しかし、基板10とマスク層12との界面やシリコン薄膜24とマスク層12との界面に対して、少数キャリアの再結合中心を緩和する処置が同時に必要である。
そのためにはマスク層12に不純物(p型又はn型)をあらかじめドープしたマスク層12を使うことや、あらかじめ基板10表面に再結合中心緩和処置を施す、あるいはヘテロエピタキシャル成長時にp型あるいはn型の不純物を導入などの措置を必要に応じて施すことが出来る。
従来のエピタキシャル技術を利用して、基板10上に基板10と材料の異なる成長結晶をエピタキシャル成長させる場合、基板10と成長結晶との間の境界において、エピタキシャル成長中に相互拡散が必ず発生する。すなわち成長結晶中には下地の基板10の原子が拡散し、基板10中に成長結晶の原子が拡散する。
しかし、本実施形態では、シリコン薄膜24の基板10の露出面14から直接成長した部分を除き、シリコン薄膜24の横方向成長した部分は、マスク層12の介在によって基板10との間の相互拡散を回避して成膜が可能であることが特徴となっている。
また本実施形態では、シリコン薄膜24の成長後にシリコン薄膜24上に前述同様にシリコン酸化膜によるマスク層12を形成してシリコン薄膜24の露出面(不図示)とマスク面(不図示)を形成し、シリコン薄膜24上にシリコン結晶20の原料ガス18(または、シリコンと格子定数の異なる他の結晶材料の原料ガス)を供給して基板10上に薄膜の2層構造(薄膜の上に新たな薄膜を1層あるいは2層以上積み上げても良い)を形成することが可能である。そして、上述同様の理由により、2層目の薄膜においても1層目のシリコン薄膜24との相互拡散を回避することができる。よって、本実施形態を用いることにより、各層を構成する材料の各層間の相互拡散を低減した高品質なタンデム型太陽電池等を形成することができる。
第1実施形態ではマスク層12上に直接シリコンの多結晶が堆積することを回避するため、表面分解反応を利用したヘテロエピタキシャル成長を行なった。この場合、成長温度が、成長させる結晶の原料ガス18(シリコン塩化物ガスの化学種(SiCl)の化学的性質により決定される成長温度に原則的に拘束される。
一方、気相分解反応は、表面分解反応(900℃〜1000℃、)よりも低い温度(570℃、非特許文献1参照)で実施することができるので、エピタキシャル成長温度を下げるための手段の選択(例えば元素を電磁的に加速する手段等)の幅を拡げることができる。さらに表面分解反応よりも低い温度で成長させることができるので、基板10と薄膜(成長結晶)の熱膨張係数の相違に起因した薄膜に対する熱歪の影響を、表面分解反応を用いた場合よりも緩和させることができる。また結晶成長後の基板10を結晶成長時の温度から室温に低下させると、前述の熱歪により基板10に対して反りが発生するが、気相分解反応では成長温度が抑制されるので、反りを低減することができる。そこで、マスク層12上にシリコン結晶20の横方向成長は行わない後述の第2実施形態、第3実施形態では、気相分解反応を利用したヘテロエピタキシャル成長を適用する。
図8乃至図11に、第2実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階の断面図を示す。第2実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法は、開口部13(露出面14)及びマスク面16(第2の露出面26)の幅の上限を200μmとし、シリコン結晶20(第1の成長結晶)を残してマスク層12を除去することによりシリコン結晶20(第1の成長結晶)に隣接した第2の露出面26を形成する。そして、基板10上に原料ガス18を供給してシリコン結晶20(第1の成長結晶)の上面及び第2の露出面26にシリコン結晶28(第2の成長結晶)を成長させるものである。
図8に示すように、第1実施形態と同様に、基板10上にマスク層12を選択的に堆積させて基板10上に露出面14(開口部13)とマスク面16を形成する。このとき、露出面14(開口部13)及びマスク面16は、幅が0.001μmから200μmの範囲となるように形成されている。
図9に示すように、基板10上に原料ガス18(図1、モノシランガス)を供給して露出面14にシリコン結晶20(第1の成長結晶)を成長させる。このとき、シリコン結晶20は、露出面14(開口部13)の外形に倣った幅寸法を有して成長しているが、基板10から格子歪を受けている。しかし、その幅寸法が200μm以下に設計され、その幅寸法により決定されるシリコン結晶20の破壊強度が、シリコン結晶20に対する格子歪みに対応する応力よりも大きな値となっているため、貫通転位等の格子欠陥が抑制されている。一方、マスク面16上にはシリコン多結晶30が堆積している。
図10に示すように、シリコン多結晶30及びマスク層12をエッチングにより除去する。この場合、シリコン結晶20(露出面14)の外形に倣って形成されたフォトレジストを形成し、フォトレジストから露出したシリコン多結晶30及びマスク層12をエッチングにより除去する。これにより、基板10上には基板10が露出した第2の露出面26が形成される。
図11に示すように、基板10上に再び原料ガス18(図1)を供給し、第2の露出面26及びシリコン結晶20(第1の成長結晶)上にシリコン結晶28(第2の成長結晶)を成長させる。シリコン結晶28(第2の成長結晶)の第2の露出面26から直接成長した部分は、前述同様に、第2の露出面26の外形に倣った幅寸法を有して成長しているが、基板10から格子歪を受けている。しかし、その幅寸法が200μm以下に設計され、その幅寸法により決定されるシリコン結晶28の破壊強度が、シリコン結晶28に対する格子歪みに対応する応力よりも大きな値となっているため、貫通転位等の格子欠陥が抑制されている。また、シリコン結晶28(第2の成長結晶)のシリコン結晶20(第1の成長結晶)から直接成長した部分は、シリコン結晶20の格子歪みが緩和された部分からホモエピタキシャル成長したものであるので、格子歪は小さく、格子欠陥も低減されている。
したがって、上記製造工程を経ることにより、本実施形態では、基板10上に基板10の格子定数と異なる格子定数を有するシリコン結晶20及びシリコン結晶28が互いに隣接して交互に成長しているヘテロエピタキシャル単結晶となっている。そして、シリコン結晶20(28)の幅寸法は、シリコン結晶20(28)の破壊強度が、シリコン結晶22(28)が基板10から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときのシリコン結晶20(28)の幅寸法以下となっている。さらに、シリコン結晶28は、シリコン結晶20よりも厚く成長しているとともに、シリコン結晶20を覆うように成長したものとなっている。
ここで、シリコン結晶20及び第2の露出面26の幅の下限が0.001μmであり、シリコン結晶20及び第2の露出面26の幅の上限が200μmとなっている。そして、シリコン結晶28は、第2の露出面26の外形に倣った幅寸法を有するので、シリコン結晶28の幅の下限が0.001μmであり、上限が200μmとなっている。
なお、シリコン結晶20とシリコン結晶28との間には転位(境界)が発生する場合があるが、格子歪に起因して発生する貫通転位等よりは十分密度の小さな転位となっている。また、本実施形態では、シリコン結晶28を露出面14に成長させ、その後、シリコン結晶20を第2の露出面26に成長させるとともにシリコン結晶20がシリコン結晶28を覆うように成長させてもよい。
図12乃至図14に、第3実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階の断面図を示す。第3実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法は、前述同様に、基板10上に配置される露出面14及びマスク面16(第2の露出面26)の幅の上限を200μmとしている。そして、シリコン結晶20を残してマスク層12を除去し、シリコン結晶20上に第2のマスク層32を形成してシリコン結晶20に隣接した第2の露出面26を形成する。最後に、原料ガス18を基板10に供給して第2の露出面26においてシリコン結晶28を成長させるものである。
まず、第2実施形態に倣って、基板10上に、シリコン結晶20を成長させる(図10参照)とともに、図12に示すようにシリコン結晶20上に第2のマスク層32を形成する。図13に示すように、基板10に原料ガス18(図1)を供給して第2の露出面26にシリコン結晶28(第2の成長結晶)を成長させる。このとき第2のマスク層32上にはシリコン多結晶30が堆積している。そして、図14に示すように、シリコン多結晶30及び第2のマスク層32をエッチングにより除去する。上記工程を経ることにより、基板10上に基板10の格子定数と異なる格子定数を有するシリコン結晶20及びシリコン結晶28が互いに隣接して交互に形成されたヘテロエピタキシャル単結晶が形成される。このとき、基板10上にはシリコン結晶20及びシリコン結晶28がモザイク状(市松模様)に形成されるが、それぞれの幅の下限が0.001μmであり、上限が200μmとなっている。
なお、本実施形態では、シリコン結晶20とシリコン結晶28は、あらかじめ計算された成長速度により同じ厚さに成長させることが可能であるが、意図的に互いに異なる厚みに成長させて段差を形成させることも可能である。これにより、シリコン薄膜24表面の光の反射率を低下させることができるので、シリコン薄膜24を太陽電池として用いる場合は、光の吸収効率を高め、発電効率を高めることができる。
なお、第2実施形態、第3実施形態において、前述の反りを低減させる方法としては、シリコン結晶28を成長させる際に、基板10に配置する第2のマスク層32を利用して基板10上にはエピタキシャル成長をさせない部分を必要な間隔で(基板10に格子線状)に施す。すなわち、例えば、平面視で矩形形状となるシリコン結晶28(シリコン薄膜)をアレイ状に複数並べて基板10上に成長させることにより基板10の反りを軽減することができる。また第2実施形態、第3実施形態では、気相分解反応を利用してシリコン結晶20,28を成長させたが、第1実施形態のように表面分解反応を利用してシリコン結晶20,28を成長させてもよい。
第1実施形態乃至第3実施形態のうちのいずれかの製造方法を用いて、3層構造のヘテロエピタキシャル単結晶を製造することができる。すなわち、基板10の片面のみならず、基板10の両面に開口部13を有するマスク層12を形成し、上述の実施形態に倣って成長結晶を基板10の両面に成長させることができる。このとき、成長結晶の材料を基板10の一方の面と他方の面とで互いに異ならせることができる。例えば、3層構造のタンデム型の太陽電池の活性層を製造する場合、基板10をシリコンとし、基板10の一方の面に成長させる成長結晶をシリコンよりバンドギャップの大きい材料(例えば後述のInGa1−xP)とし、他方の面に成長させる成長結晶をシリコンよりバンドギャップの小さい材料(例えば後述のGe)とすることができる。第1実施形態の製造方法であればマスク層12が残るが、マスク層12をバンドギャップの大きいSiOで形成することにより光吸収のロスを低減することができる。
図15乃至図19に、第4実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の成長段階の断面図を示す。本実施形態は、シリコン結晶20,28を基板10に成長する前に、基板10の格子定数とシリコン結晶20,28の格子定数との間の格子定数を有するバッファー層(第1のバッファー層34、第2のバッファー層36)を基板10の露出面(露出面14、第2の露出面26)に形成し、シリコン結晶20,28をバッファー層上に成長するものである。本実施形態は、基板10と、基板10上に成長させる結晶との格子不整合の割合が大きく(例えば10%以上)、貫通転位等の格子欠陥が高密度に発生してしまう場合に適用することにより、格子欠陥を低減することができる。なお、本実施形態は第3実施形態を例にして説明するが、他の実施形態にも適用可能である。
図15に示すように、基板10上にマスク層12を形成して、露出面14(開口部13)とマスク面16を形成するともに、露出面14にマスク層12よりも厚みの薄い第1のバッファー層34を形成する。図16に示すように、第1のバッファー層34上にシリコン結晶20を成長させる。なお、図16以降において、マスク層12上に堆積するシリコン多結晶30を省略している。
図17に示すように、マスク層12をエッチングにより除去して基板10上に第2の露出面26を形成し、シリコン結晶20上に第2のマスク層32を形成するとともに、第2の露出面26にシリコン結晶20よりも厚みの薄い第2のバッファー層36を形成する。図18に示すように、第2のバッファー層36上にシリコン結晶28を成長させ、図19に示すように、第2のマスク層32をエッチングにより除去する。
上記工程を経ることにより、基板10とシリコン結晶20との間には、基板10の格子定数とシリコン結晶20の格子定数の間の格子定数を有するとともにシリコン結晶20の外形に倣った外形を有する第1のバッファー層34が配置されている。基板10とシリコン結晶28の基板10と接合する部分との間には、基板10の格子定数とシリコン結晶28の格子定数の間の格子定数を有するとともにシリコン結晶20の外形に倣った外形を有する第2のバッファー層36が配置されている。
上記構成により、シリコン結晶20,28は、バッファー層上で成長しているので、格子歪みが緩和され、格子欠陥の発生が抑制されたヘテロエピタキシャル単結晶となっている。またバッファー層(第1のバッファー層34、第2のバッファー層36)もその外径が露出面(露出面14、第2の露出面26)の外径(幅の下限が0.001μm、上限が200μm)に倣って形成されているのでバッファー層においても、格子歪を保持しつつ貫通転位等の格子欠陥が抑制されることになる。
ところで、サファイアとシリコンの格子不整合の割合は約12.5%である。よって、サファイア基板上に直接シリコン結晶を成長させてもシリコン結晶中にはまだ貫通転位が残るためデバイス用としては不向きである。しかし、上述のようにバッファー層を予めサファイア基板上に形成してバッファー層(例えば格子定数が4.98Åの立方晶のInN)上にシリコン結晶を成長させることによりシリコン結晶中の格子欠陥を低減することができる。これにより、サファイアとシリコンからなる積層構造を利用して、高速な応答が可能な集積回路等を構築することができる。なお、シリコン結晶を成長させる基板としてSiCを用いた場合も上述同様に行なうことができ、逆に基板をシリコンにしてSiCを成長させる場合にも上述同様に行なうことができる。
図20、図21に第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の基板の製造工程の断面図を示す。第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法は、上述の第1実施形態乃至第4実施形態のいずれの形態と同様である。しかし、基板10は、以下のように形成される。シリコン基板38上に、酸素リッチなシリコン酸化膜40を選択的に成長させる。すなわち、シリコン酸化膜40にシリコン基板38が露出する開口部41(第2の開口部)を形成することにより、開口部41の底面に前記シリコン基板38の露出面42を形成する。このとき露出面42(開口部41)の幅が0.001μmから0.45μm(特許文献2参照)の範囲となるように露出面42(開口部41)を形成する。
次に、露出面42にシランガスを供給して露出面42からシリコン結晶44を成長させ、シリコン結晶44によるシリコン薄膜46を、前記シリコン基板38を覆うように成長させる。そして、シリコン薄膜46の成長中或いは成長後に熱処理を行なってシリコン結晶44の露出面42(開口部41)で成長した初期成長部分をシリコン酸化膜40が含有する酸素により酸化させる。これにより、シリコン基板38とシリコン薄膜46との結合をシリコン酸化膜40により遮断し、シリコン基板38、シリコン酸化膜40、シリコン薄膜46の三層構造の基板10が形成される。最後に、シリコン薄膜46上にマスク層12及び第1の成長結晶(シリコン結晶20とは材料が異なる異種結晶)等を成長させる。
シリコン薄膜46(シリコン結晶44)の露出面42(開口部41)に成長した初期成長部分の酸化は、シリコン薄膜46の成長時とその後の熱処理によって行なわれる。例えば、上述の方法を用いて、シリコン薄膜46を最初に1000℃でシリコン基板38(シリコン酸化膜40)を覆うように成長させる。その後、1200℃に昇温して厚さが20μmになるまでシリコン薄膜46(成長速度1.5μm/min,成長時間13.3min)を成長させる。このとき、開口部41(露出面42)の幅を0.23μm以下に設計することにより、シリコン薄膜46の成長とともに初期成長部分も酸化される。
シリコン薄膜46の厚みを1μmとする場合には、シリコン薄膜46の厚みが1μmにまで成長した段階でシランガスの供給を停止し、熱処理により初期成長部分の酸化を促進させる。この場合、開口部41は2μm以下の間隔で形成する必要がある。また、シリコン薄膜46を1μmよりも十分厚い厚みで成長させ、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により1μmの厚みに形成してもよい。この場合、開口部41の形成間隔はある程度自由に設計できる。
上記方法において、シリコン薄膜46は、強度の低いシリコン酸化膜40を引き裂く態様で(このときフッ酸液によりシリコン酸化膜40をエッチングしながら)シリコン基板38から剥離可能である。このとき、シリコン薄膜46の端部をシリコン基板38から剥離し、粘着テープを貼り付けた部分から引き剥がす態様でシリコン薄膜46全体をシリコン基板38から剥離することができる。よって、ヘテロエピタキシャル単結晶を、シリコン薄膜46を土台として形成して全体の薄膜化を図ることができるとともに、シリコン基板38は表面を研磨することにより繰り返し使用できるのでコストを抑制することができる。以下、本実施形態の製造工程について説明する。
まず、シリコン基板38に酸素リッチなシリコン酸化膜40を形成する。シリコン酸化膜40は、シリコン基板38を300℃に加熱し、モノシランと酸素(化学量論よりリッチな酸素)の混合ガスをシリコン基板38に供給する、或いは、Si(OH)をシリコン基板38上に塗布してスピンナー乾燥させることにより化学量論的に酸素リッチなシリコン酸化膜40を形成する。次に、シリコン基板38表面が露出した露出面42(その幅の下限が0.001μm、上限が0.45μm)のパターニングに倣ってシリコン酸化膜40をエッチングし、シリコン基板38上にシリコン酸化膜40の開口部41の底面であってシリコン基板38が露出した露出面42とシリコン酸化膜40によるマスク面48を形成する。
そして、図20に示すように、シリコン基板38に原料ガス18(図1)を供給して露出面42からシリコン結晶44を成長させる。シリコン結晶44は、その厚みがシリコン酸化膜40よりも厚くなると横方向成長していくが、シリコン結晶44の露出面42から直接成長した部分(シリコン柱50)の周縁には、隣接する化学量論的に酸素リッチなシリコン酸化膜40中の酸素が供給されて酸化し、その酸化がシリコン柱50の中心に向かって徐々に進行することにより、シリコン酸化膜40がシリコン柱50内に形成されていく。
図21に示すように、シリコン結晶44の横方向成長が終了し、ある程度の厚みを有するシリコン薄膜46が形成された段階で、シリコン柱50(図20)は、ほぼ酸化されて消失してシリコン酸化膜40に変質する。これによりシリコン基板38とシリコン薄膜46との結合がシリコン酸化膜46により遮断され、シリコン基板38、シリコン酸化膜40、シリコン薄膜46による三層構造の基板10が形成される。シリコン酸化膜40とシリコン基板38及びシリコン薄膜46との接合強度は小さく、またシリコン酸化膜40自体の強度も小さいので、後述のようにシリコン薄膜46をシリコン基板38から剥離することができる。
ところで、上述の基板10を1000度以上の温度で熱処理することにより、基板10中のシリコン酸化膜40を緻密かつ強固で絶縁性の高い酸化膜にすることができる。この場合、シリコン薄膜46をシリコン基板38から剥離することはできなくなるが、シリコン基板38、シリコン酸化膜40、シリコン薄膜46により、SOS(Silicon on Sapphire)構造と類似する強固な積層構造を有する基板10となる。一方、シリコン薄膜46には集積回路等のパターンを配置することが可能である、よって、この基板10を、高速で省電力な半導体素子の材料として使用することができる。もちろん、この基板10上に、第1実施形態等と同様に、基板10と格子定数の異なる成長結晶を成長させてもよい。
図22乃至図24に、第5実施形態のヘテロエピタキシャル単結晶の製造工程の断面図を示す。図22に示すように、シリコン薄膜46上に第1実施形態乃至第4実施形態の方法を用いてシリコンと異なる材料(異なる格子定数を有する材料)の異種結晶52(例えば、後述のGe、InGa1−xP)をヘテロエピタキシャル成長させる。ここで、シリコン薄膜46表面に図21に示すような凹凸がある場合には、表面を事前に鏡面研磨しておく。また異種結晶52の原料ガスには、異種結晶52を構成する元素(半導体)を包含する有機化合物等が用いられる。
そして、ヘテロエピタキシャル成長後のシリコン薄膜46の端部にシリコン薄膜46がシリコン基板38から剥がれる方向に物理的な応力を印加する。これにより、シリコン薄膜46の端部にあるシリコン酸化膜40のシリコン基板38に接合する部分、シリコン酸化膜40のシリコン薄膜46に接合する部分、シリコン酸化膜40の厚み方向の中央部のいずれかでシリコン酸化膜40を破断させる。これにより、粘着テープを貼り付けた部分から引き剥がす態様で、シリコン薄膜46をシリコン基板38から剥離させることができ、図23に示すようにシリコン薄膜46とシリコンとは異なる結晶による異種結晶52からなるヘテロエピタキシャル単結晶を構築することができる。その際、シリコン基板38とシリコン薄膜46との剥離部分にフッ酸等を供給してシリコン酸化膜40をエッチングすることにより、剥離を容易に行うことができる。また、シリコン基板38は、シリコン薄膜46の剥離後に表面を研磨することにより、シリコン薄膜46の成長に対し繰り返し使用することができるのでコストを抑制することができる。
図24に示すように、シリコン薄膜46の剥離面に、前述同様に、第1実施形態乃至第4実施形態の方法を用いてシリコンと異なる材料(異なる格子定数を有する材料)の異種結晶54をヘテロエピタキシャル成長させる。ここで、シリコン薄膜46の剥離面の凹凸は、必要に応じて事前に鏡面研磨しておいてもよい。これによりシリコン薄膜46の両面にシリコンとは異なる結晶による異種結晶52,54が成長したヘテロエピタキシャル単結晶となる。このとき、シリコン薄膜46上に成長した異種結晶52,54は、第1実施形態乃至第4実施形態の方法により成長させているので、格子歪みを保持しつつ格子欠陥が少ない状態となっている。これにより、シリコン薄膜46も異種結晶52,54から格子歪が印可されることになる。
なお、第1実施形態の方法を用いて、シリコン薄膜46にマスク層12を形成し、シリコン薄膜46のマスク層12から露出した部分に異種結晶52(54)を成長させるとともに異種結晶52(54)がマスク層12を覆うように成長させ、シリコン薄膜46をシリコン基板38から剥離したのち、シリコン薄膜46の剥離面にマスク層12を形成し、剥離面のマスク層12から露出した部分に異種結晶54(52)を成長させるとともに異種結晶54(52)が剥離面のマスク層12を覆うように成長させてもよい。
シリコン太陽電池の効率の観点から最適なバンドギャップの組み合わせとしては、1.8eV/1.1eV/0.66eVで、InGa1−xP/Si/Ge(0<x<1)の3接合セルなどが有力視されている。本実施形態は上記タンデム型のシリコン太陽電池を実現することができる。すなわち、例えば、図22に示す段階において、シリコン薄膜46の表面に異種結晶52であるInGa1−xP(In0.5Ga0.5P)を成長させ、図24に示す段階において、シリコン薄膜46の剥離面に異種結晶54であるGeを成長することにより実現できる。太陽電池の機能を発揮するには、このような構造をとりながら表裏面への電極形成、シリコン薄膜46と異種結晶52,54との界面に必要な処理が加えられる。
非特許文献6において、成長温度700℃で有機金属気相成長法によりGaAs基板にInGa1−xP(In0.5Ga0.5P)薄膜をヘテロエピタキシャル成長させ、基板と薄膜との間の格子不整合をX線回折により求めている。GaAs基板上に成長するInGa1−xPの組成比(x)は成長方法により変化し、xの変化によりエネルギーギャップ(Eg)及び格子不整合が変化すると報告している。そして、xの変化により、GaAsに対して引張歪(最大0.3%)を与える場合や、圧縮歪(最大0.42%)を与える場合があると報告している。
ここで、シリコン(格子定数:5.43Å)とGaAs(格子定数:5.65Å)との格子不整合の割合は約4.0%である。よって、シリコン薄膜46にInGa1−xP(In0.5Ga0.5P)を成長させた場合、InGa1−xPは、3.58%((4.0−0.42)%)〜4.3%((4.0+0.3)%)の格子歪(圧縮歪)を受けると考えられる。
ところで、図3に示す特性は、上述の非特許文献2の記載により、材料によらず(圧縮、引張によらず)ほぼ同様と考えられる。よって、図3により、InGa1−xPに対して上述の4.3%の格子不整合がある場合には、InGa1−xPの幅寸法を10μmオーダー以下に設計すればよい。これによりInGa1−xP(In0.5Ga0.5P)は、格子歪(圧縮歪)を受けつつも貫通転位等の無い(または少ない)結晶とすることができる。
同様に、シリコン(格子定数:5.43Å)とGe(格子定数:5.68Å)の格子不整合の割合は、約4.60%である。よって、図3により、シリコン薄膜にGeを成長させる場合は、Geの幅寸法も10μmオーダー以下に設計することにより、Geは格子歪(圧縮歪)を受けつつ格子欠陥の無い(または少ない)結晶とすることができる。
したがって、InGa1−xP(In0.5Ga0.5P)及びGeは、それぞれ格子歪(圧縮歪)の反作用として、シリコン薄膜46に対して格子歪(引張歪)を印加することができ、シリコン薄膜46は、両面から格子歪(引張歪)を受けることになる。なお、InGa1−xP(In0.5Ga0.5P)及びGeの幅寸法を10μmオーダー以上に設計する場合には、InGa1−xP(In0.5Ga0.5P)及びGeを成長する前に、シリコン基板上にバッファー層を形成しておけばよい。
従来のタンデム型の太陽電池の製造においては、エネルギーギャップが1.8eVで、且つ格子定数がシリコンの格子定数に近く転位による効率の劣化が防げる程度の格子不整合の割合となる材料を探す必要があった。しかし、本実施形態のエピタキシャル成長を行うことにより、格子定数の合致条件を緩和させてエネルギーギャップの最適材料の開発を行えばよい事になり、材料選択の自由度が格段に向上する。
シリコン基板38から剥離されたシリコン薄膜46(図23)は、エピタキシャル成長で得られたものであるから用途によって厚さは自由にコントロールされる。コスト面からは、今までの半導体用シリコンウエーハはCZ法により結晶成長及び基板(ウェーハ)に加工するためのワイヤソー等による切断が必須であり、産業上大きなコスト及び環境負担が伴う。本実施形態では、シリコン基板38は使うものの再使用することが可能となりコスト及び環境への負担が軽減される。
産業上広く利用されている半導体としてシリコン半導体はスケーリングに基づいた微細化を推し進めることによって発展してきた。しかし、ここに至り、半導体産業はシリコン微細化の限界による半導体技術発展の停滞が見え始めており、それに変わる新しい技術開発が求められている。半導体材料のヘテロエピタキシャルにより、半導体材料に歪を与えてキャリアの移動度(mobility)を大きくしてデバイスの機能(高速化等)を上げる試みは古くから試みられている(非特許文献4参照)。
また、非特許文献5によると、Ge半導体にSn元素を固溶させSn元素の含率が10%程度でGe半導体が、間接遷移型から直接遷移型に変わることが報告されている。同様なことが間接遷移型の結晶に2軸性伸張歪を加えることによっても可能で、非特許文献4では、Geに対して1.4%程度の伸張歪を与えることにより直接遷移型になることが予想される旨報告されている。Geと同じグループに属し、同じダイヤモンド原子構造を持ち、且つエネルギーバンド構造が近似しているシリコン結晶にも2軸性伸張歪を加えることにより間接遷移型から直接遷移型に変化することが期待される。
図23において、シリコン薄膜46上に成長させた異種結晶52,54がシリコン結晶44よりも格子定数が大きい場合は、シリコン薄膜46上に成長させた異種結晶52からシリコン薄膜46は2軸性伸張歪を受ける。したがって歪の大きさが間接遷移型から直接遷移型に変わるに十分な値であればシリコン薄膜46中のシリコン結晶44が直接遷移型の半導体に変化することが期待される。したがってキャリア(電子、正孔)の移動度の増大も期待される。
また、図24の場合は、シリコン薄膜46は、その表面にはシリコン結晶44と格子定数の異なる結晶からなる異種結晶52が、その剥離面にはシリコン結晶44と格子定数の異なる結晶からなる異種結晶54が、それぞれヘテロエピタキシャル成長されている。よって、異種結晶52,54がそれぞれ、シリコン薄膜46よりも格子定数が大きな結晶で構成されている場合には、シリコン薄膜46は、表裏両面から2軸性伸張歪を受ける。したがってシリコン薄膜46は直接遷移型の半導体の性質を具備可能となる。Ge(ゲルマニウム)元素を例に取ると、Geはシリコンよりも格子定数が大きく、その格子不整合の割合は4.2%である。よって、シリコン薄膜46と異種結晶Geとのヘテロエピタキシャルを構築した場合、シリコン薄膜46中のシリコン結晶44が直接遷移型の半導体に変化できると考えられる。
尚、第2実施形態及び第3実施形態の同様の構成で、シリコン薄膜にシリコン薄膜以外の異種結晶をヘテロエピタキシャル成長させる場合を考える。この場合、シリコン薄膜がヘテロエピタキシャル層から格子歪を受ける場合には、第2の露出面26の幅を極めて小さく(例えば100nm以下)する事により露出面14での1回目の異種結晶の成長でシリコン薄膜に十分な歪を与えることが可能となり、太陽電池応用などに適したコスト低減方法となる。
太陽電池応用に関して、2軸性伸張歪を受けることにより直接遷移型に変化したシリコン薄膜は太陽光吸収と透過の特性が変化し、シリコン薄膜10は、間接遷移型の特性を有するシリコンが必要とする太陽光を吸収するための厚みより薄くすることが可能になり、その上に太陽光で発生したキャリアの移動度の増大で変換効率の増大が期待される。
非特許文献1によると、シリコン薄膜に対する格子歪は、その大きさが格子歪を受けるシリコン薄膜の表面から100nmより深くなると減衰するが、400nmの深さで表面の半分の値の格子歪を測定により確認している。このことから、500nmから800nmの深さまでは格子歪が残存するものと推定される。よって、図24に示すように、シリコン薄膜46が異種結晶52,54に挟まれた態様の場合、シリコン薄膜46の厚みを1600nm(1.6μm)以下にすることにより、シリコン薄膜46の厚み方向の全域で格子歪を発生させることができ、その厚みの範囲において直接遷移型に変化させることができると期待される。
さらに直接遷移型になることにより、シリコンのバンド端近傍の吸収係数が10cm―1程度になれば、シリコン薄膜46を、その厚みが1μm程度となるように成長させるのみで、直接遷移型となったシリコン薄膜46の厚み方向の全域で光吸収を無駄なく有効に行うことができる。
本実施形態で、ヘテロエピタキシャル成長した異種結晶52,54は、シリコン薄膜24と格子定数差が必ず存在しているから歪(圧縮、伸張)が残されている状態で単結晶化されている。伸長性歪みを起させるためには、格子定数差(大小の)選択と露出面の大きさの選択、この2者の組み合わせにより、目的とする半導体の性質(移動度の増加やエネルギーバンド構造の変化)を替えることができる。上述の実施形態ではシリコン薄膜24の一方の面にInGa1−xPを成長させ、他方の面にGeを成長させているが、他の材料による異種結晶をシリコン薄膜24に成長させてもよい。
なお、いずれの実施形態においても、基板10上に結晶のヘテロエピタキシャル成長を行う際、結晶の原料ガス(原料ガス18)にp型或いはn型のドーパントをドープして、成長途中でドーパントの種類を相互に切り替えて、成長させた結晶による薄膜において、その厚み方向でPN接合を形成することができる。また、第2実施形態、第3実施形態等において、第1の成長結晶、第2の成長結晶をそれぞれシリコン結晶としたが、両者は互いに異なる材料を用いてもよい。また、いずれの実施形態においても、成長させた結晶の表面にITO等の電極を配置することにより、活性層が他の層とヘテロ接合した太陽電池を構築可能であることは言うまでもない。
格子欠陥の少ない高品質なヘテロ接合を構築することが可能なヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法、ヘテロエピタキシャル単結晶、これを利用したヘテロ接合太陽電池の製造方法、ヘテロ接合太陽電池として利用できる。
10………基板、12………マスク層、13………開口部、14………露出面、16………マスク面、18………原料ガス、20………シリコン結晶、22………シリコン柱、24………シリコン薄膜、26………第2の露出面、28………シリコン結晶、30………シリコン多結晶、32………第2のマスク層、34………第1のバッファー層、36………第2のバッファー層、38………シリコン基板、40………シリコン酸化膜、41………開口部、42………露出面、44………シリコン結晶、46………シリコン薄膜、48………マスク面、50………シリコン柱、52………異種結晶、54………異種結晶、100………エピタキシャル成長炉、102………原料ガス入口、104………原料ガス出口、106………設置台、108………ヒーター。

Claims (21)

  1. 基板上に形成したマスク層に第1の開口部を形成することにより、前記第1の開口部の底面に前記基板が露出した露出面を形成し、前記露出面に前記基板と格子定数が異なる第1の成長結晶を前記露出面の外形に倣って成長させるヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法であって、
    前記露出面の幅寸法を、
    前記第1の成長結晶の破壊強度が、前記第1の成長結晶が前記基板から受ける格子歪に伴う応力と等しくなるときの前記露出面の幅寸法以下にすることを特徴とするヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  2. 前記第1の成長結晶を前記露出面において前記マスク層の上面より高くなるように成長させるとともに、前記第1の成長結晶の前記マスク層の上面より高くなった部分から横方向に成長させて前記第1の成長結晶が前記マスク層を覆うように成長させ、
    前記露出面の幅寸法を1μm以下にすることを特徴とする請求項1に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  3. 前記マスク層を形成する材料にP型またはN型のドーパントをドープすることを特徴とする請求項2に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  4. 前記マスク層において、前記第1の開口部と、それ以外のマスク部分と、を交互に複数形成して前記第1の成長結晶を成長させ、
    前記マスク部分を除去することにより前記第1の成長結晶に挟まれた第2の露出面を形成し、
    前記第2の露出面及び前記第1の成長結晶の上面に前記基板と格子定数の異なる第2の成長結晶を成長させ、
    前記露出面の幅寸法を200μm以下にすることを特徴とする請求項1に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  5. 前記マスク層において、前記第1の開口部と、それ以外のマスク部分と、を交互に複数形成して前記第1の成長結晶を成長させ、
    前記マスク部分を除去することにより、前記第1の成長結晶に挟まれた第2の露出面を形成し、
    前記第1の成長結晶上に第2のマスク層を形成し、前記第2の露出面において前記基板と格子定数の異なる第2の成長結晶を前記第2の露出面の外形に倣って成長させ、
    前記露出面の幅寸法を200μm以下にすることを特徴とする請求項1に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  6. 前記基板の両面に前記第1の開口部を有する前記マスク層を形成することにより前記基板の両面の露出面に前記成長結晶を成長させ、
    前記成長結晶の材料を前記基板の一方の面と他方の面とで互いに異ならせたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  7. 前記基板をシリコンとすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  8. 前記基板を、
    シリコン基板上に、酸素リッチなシリコン酸化膜を成長させるとともに前記シリコン酸化膜に前記シリコン基板を露出させる第2の開口部を形成し、前記シリコン基板の前記第2の開口部に露出した部分からシリコン結晶を成長させるとともに前記シリコン結晶が前記シリコン酸化膜を覆うように成長させ、前記シリコン結晶の成長中或いは成長後に熱処理を行なってシリコン結晶の前記第2の開口部で成長した初期成長部分を前記シリコン酸化膜が含有する酸素により酸化させることにより、前記シリコン基板、前記シリコン酸化膜、前記シリコン結晶によるシリコン薄膜、の順に積層させて形成し、
    前記シリコン薄膜上に前記第1の開口部を有する前記マスク層を形成することにより前記成長結晶を前記シリコン薄膜上に成長させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の成長方法。
  9. 前記熱処理を1000度以上の温度で行なうことを特徴とする請求項8に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法
  10. 前記成長結晶成長後の前記シリコン薄膜を前記シリコン基板から剥離するとともに前記シリコン薄膜の剥離面に前記第1の開口部を有する前記マスク層を形成することにより前記成長結晶を前記剥離面に成長させることを特徴とする請求項8に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  11. 前記シリコン薄膜のいずれか一方の面に成長させた前記成長結晶の材料をInGa1−xPとし、
    他方の面に成長させた前記成長結晶の材料をGeとすることを特徴とする請求項10に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  12. 前記成長結晶を前記基板に成長する前に、
    前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数との間の格子定数を有するバッファー層を前記露出面に形成し、
    前記成長結晶を前記バッファー層上に成長させることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  13. 前記基板をサファイアで形成するとともに前記成長結晶をシリコンで形成し、
    前記成長結晶を前記基板に成長する前に、
    前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数との間の格子定数を有するバッファー層を前記露出面に形成し、
    前記成長結晶を前記バッファー層上に成長させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  14. 前記原料ガスにP型またはN型のドーパントをドープするとともに、前記成長結晶の成長途中で前記ドーパントをP型またはN型に相互に切り替えることを特徴とする請求項2乃至13のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法。
  15. 請求項14に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の製造方法により製造された前記成長結晶の表面に電極を配置したことを特徴とするヘテロ接合太陽電池の製造方法。
  16. 基板上に前記基板の格子定数と異なる格子定数を有する第1の成長結晶及び第2の成長結晶が互いに隣接して交互に成長しているヘテロエピタキシャル単結晶であって、
    前記成長結晶の幅寸法が200μm以下となっていることを特徴とするヘテロエピタキシャル単結晶。
  17. 前記第1、第2の成長結晶のうちのいずれか一方の成長結晶は、他方の成長結晶よりも厚く成長しているとともに、他方の成長結晶を覆うように成長していることを特徴とする請求項16に記載のヘテロエピタキシャル単結晶。
  18. 前記基板は、
    シリコン基板、シリコン酸化膜、シリコン薄膜の順に積層した構造を有し、
    前記成長結晶は、前記シリコン薄膜上に成長していることを特徴とする請求項16または17に記載のヘテロエピタキシャル単結晶。
  19. 前記基板と前記成長結晶との間には、前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数の間の格子定数を有するとともに前記成長結晶の外形に倣った外形を有するバッファー層が配置されていることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶。
  20. 前記基板は、サファイアであり、
    前記成長結晶は、シリコンであり、
    前記基板と前記成長結晶との間には、前記基板の格子定数と前記成長結晶の格子定数の間の格子定数を有するとともに前記成長結晶の外形に倣った外形を有するバッファー層が配置されていることを特徴とする請求項16または17に記載のヘテロエピタキシャル単結晶。
  21. 請求項16乃至20のいずれか1項に記載のヘテロエピタキシャル単結晶の表面に電極が配置されていることを特徴とするヘテロ接合太陽電池。
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