JP2012004044A - 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法 - Google Patents

活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012004044A
JP2012004044A JP2010139834A JP2010139834A JP2012004044A JP 2012004044 A JP2012004044 A JP 2012004044A JP 2010139834 A JP2010139834 A JP 2010139834A JP 2010139834 A JP2010139834 A JP 2010139834A JP 2012004044 A JP2012004044 A JP 2012004044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode
plane
peak intensity
livopo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010139834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5609300B2 (ja
Inventor
Atsushi Sano
篤史 佐野
Keitaro Otsuki
佳太郎 大槻
Koji Tokita
浩司 時田
Tomohiko Kato
友彦 加藤
Shoji Higuchi
章二 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2010139834A priority Critical patent/JP5609300B2/ja
Priority to US13/160,968 priority patent/US8734987B2/en
Priority to CN2011101703797A priority patent/CN102363523A/zh
Priority to CN201310689040.7A priority patent/CN103771386B/zh
Publication of JP2012004044A publication Critical patent/JP2012004044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5609300B2 publication Critical patent/JP5609300B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 十分な放電容量を得られる活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法を提供すること。
【解決手段】 リチウム源と、5価のバナジウム源と、リン酸源と、水と、クエン酸とを含む混合物を、加圧下で200℃以上に加熱することにより、β型結晶構造のLiVOPOを得る水熱合成工程を備える活物質の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法に関する。
構造式LiVOPOで表される結晶においては、リチウムイオンが可逆的に挿入脱離することが知られている。特許文献1には、Vを用いて、固相法によりβ型結晶構造(斜方晶)のLiVOPO及びα型結晶構造(三斜晶)のLiVOPOを作製し、これらを非水電解質二次電池の電極活物質として用いることが開示されている。そして、非水電解質二次電池の放電容量は、α型結晶構造(三斜晶)のLiVOPOに比べ、β型結晶構造のLiVOPOの方が大きいことが記載されている。
非特許文献1には、VOPOとLiCOとを炭素の存在下で加熱し、炭素によりVOPOを還元して、β型結晶構造のLiVOPOを作製する方法(カーボサーマルリダクション法(CTR法))が開示されている。非特許文献2には、4価のバナジウムを用いることにより、β型結晶構造のLiVOPOを作製する方法が開示されている。
特開2004−303527号公報
J.Baker et al.,J.Electrochem.Soc.,151,A796(2004) J.Solid State Chem.,95,352(1991)
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1、2に記載された方法により得られたβ型結晶構造のLiVOPOを含む活物質は、十分な放電容量を得られるものではなかった。
そこで、本発明は、十分な放電容量を得られる活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、リチウム源と、5価のバナジウム源と、リン酸源と、水と、クエン酸とを含む混合物を、加圧下で200℃以上に加熱することにより、LiVOPO結晶の配向性が高度に制御された活物質を製造でき、この活物質によれば、十分な放電容量が得られることを見出した。
ここで、本発明の活物質の製造方法は、水熱合成工程で得られたβ型結晶構造のLiVOPOを加熱する工程をさらに備えることが好ましい。
また、上記混合物は、リチウム源、5価のバナジウム源、及びリン酸源の少なくとも一部が水に溶解していない懸濁液であることが好ましい。このような混合物を用いると、本発明の活物質を確実に得ることができる。
また、本発明は、β型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、X線回折測定により得られる、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.9以下であり、かつ、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上4.0以下であり、粒子形状が多面体である活物質を提供する。
本発明の活物質によれば、十分な放電容量が得られる。その理由は明らかではないが、従来の活物質と比べ、(102)面への配向性が低く、(201)面への配向性が高いため、リチウムイオンが拡散し易くなるからであると推測される。
また本発明の活物質は、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.0以下であり、かつ、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上3.0以下であることが好ましい。(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比、及び、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が、上記特定の範囲内の値であることにより、特に大きな放電容量を得ることができる。
また、本発明は、集電体と、上記活物質を含み上記集電体上に設けられた活物質層と、を備える電極を提供する。これにより、十分な放電容量の電極が得られる。
また、本発明は、上記電極を備えるリチウム二次電池を提供する。これにより、十分な放電容量のリチウム二次電池を得られる。
本発明によれば、十分な放電容量を得られる活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法を提供することができる。
活物質が複数集合してなる活物質群の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本実施形態に係る活物質を模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係る活物質群のX線回折チャートである。 本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<活物質>
まず、本実施形態に係る活物質について説明する。図1は、本実施形態に係る活物質が、複数集合してなる活物質群の一例を示す電子顕微鏡写真である。図2は、図1に示された活物質群を構成する一つの活物質1を模式的に示した斜視図である。本実施形態に係る活物質の粒子形状は、主に六角形の面と五角形の面で囲まれて成る、角柱状の多面体である。
図3は、本実施形態に係る活物質群のX線回折チャートである。活物質1は、β型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、X線回折測定により得られる、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.9以下であり、かつ、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上4.0以下である活物質である。
ここで、「β型結晶構造のLiVOPOを主成分とする」とは、活物質1において、β型結晶構造のLiVOPOを、β型結晶構造のLiVOPOとα型結晶構造のLiVOPOとの総和に対して80質量%以上含むことを意味する。ここで、活物質におけるβ型結晶構造のLiVOPOやα型結晶構造のLiVOPO等の量は、例えば、X線回折法により測定することができる。通常、β型結晶構造のLiVOPOは2θ=27.0度にピークが現れ、α型結晶構造のLiVOPOは2θ=27.2度にピークが現れる。なお、活物質1は、β型結晶構造のLiVOPO及びα型結晶構造のLiVOPO以外にも、未反応の原料成分等を微量含んでもよい。
また、より大きな放電容量を得る観点から、活物質1は、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.0以下であり、かつ、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上3.0以下であることが好ましい。
活物質1が、β型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有する多面体であって、従来の活物質と比べ、(102)面への配向性が低く、(201)面への配向性が高く、これらの比が上記特定の範囲内の値であることにより、0.1Cでの放電においても、十分な放電容量を得ることができる。
また、活物質1の粒子形状は、図2に示すように、柱状の多面体である。活物質1は、多面体の軸に沿う面S1,S2が、{110}面から構成されていると推測される。ここで、{110}面は、(110)、(1−10)、(−110)及び(−1−10)で表わされる面を含む面である。
本実施形態において、柱状の多面体である活物質1の軸方向の径は、軸方向の最大移動距離、すなわち、投影図の平行外接線間の長さ(いわゆるFeret径)で表され、径の長さは、1μm〜10μmであることが好ましい。この径は、例えばSEM画像から測定することができる。また、この径に直交する径は、0.3μm〜5μmであることが好ましい。
<活物質の製造方法>
本実施形態に係る活物質の製造方法について説明する。本実施形態に係る活物質の製造方法は、下記の水熱合成工程を備える。
[水熱合成工程]
水熱合成工程は、リチウム源と、5価のバナジウム源と、リン酸源と、水と、クエン酸とを含む混合物を加圧下で200℃以上に加熱する工程である。
(混合物)
リチウム源としては、例えば、LiNO、LiCO、LiOH、LiCl、LiSO及びCHCOOLi等のリチウム化合物が挙げられる。これらの中でも、LiNO、LiCOが好ましい。
5価のバナジウム源としては、V及びNHVO等のバナジウム化合物が挙げられる。
リン酸源としては、例えば、HPO、NHPO、(NHHPO及びLiPO等のPO含有化合物が挙げられる。これらの中でも、HPO、(NHHPOが好ましい。
リチウム源は、5価のバナジウム原子のモル数に対するリチウム原子のモル数の割合が0.95〜1.2となるように配合することが好ましい。また、リン酸源は、5価のバナジウム原子のモル数に対するリン原子のモル数の割合が0.95〜1.2となるように配合することが好ましい。リチウム原子及びリン原子の少なくとも一方の配合比率が0.95より少ないと、得られる活物質の放電容量は減少する傾向があり、レート特性は低下する傾向がある。リチウム原子及びリン原子の少なくとも一方の配合比率が1.2よりも多いと、得られる活物質の放電容量は減少する傾向がある。
クエン酸の配合量は、5価のバナジウム原子のモル数に対してクエン酸のモル数の割合が10〜100mol%であることが好ましい。クエン酸をバナジウム原子のモル数に対して上記の割合で配合させると、より確実に本実施形態に係る活物質を得ることができる。また、クエン酸は、混合物全量を基準として、0.1〜1.0mol/Lであることが好ましい。
ところで、得られた活物質を用いて電極の活物質含有層を作製する場合、導電性を高めるべく、通常この活物質の表面に炭素材料等の導電材を接触させることが多い。この方法として、活物質の製造後に活物質と導電材とを混合して活物質含有層を形成してもよいが、例えば、水熱合成の原料となる混合物中に、炭素材料を導電材として添加して活物質に炭素を付着させることもできる。
混合物中に炭素材料である導電材を添加する場合の導電材としては、例えば、活性炭、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。これらの中でも水熱合成時に炭素粒子を混合物に容易に分散させることができる、活性炭を用いることが好ましい。ただし、導電材は必ずしも水熱合成時に混合物に全量混合されている必要はなく、少なくとも一部が水熱合成時に混合物に混合されることが好ましい。これにより、活物質含有層を形成する際の結合剤を低減して容量密度を増加させることができる場合がある。
水熱合成工程における混合物中の炭素粒子等の上記導電材の含有量は、炭素粒子を構成する炭素原子のモル数Cと、例えば5価のバナジウム化合物に含まれるバナジウム原子のモル数Mとの比C/Mが、0.04≦C/M≦4を満たすように調製することが好ましい。導電材の含有量(モル数C)が少なすぎる場合、活物質と導電材により構成される電極活物質の電子伝導性及び容量密度が低下する傾向がある。導電材の含有量が多すぎる場合、電極活物質に占める活物質の重量が相対的に減少し、電極活物質の容量密度が減少する傾向がある。導電材の含有量を上記の範囲内とすることにより、これらの傾向を抑制できる。
混合物中における水の量は水熱合成が可能であれば特に限定されないが、混合物中の水以外の物質の割合は35質量%以下となることが好ましい。
混合物を調整する際の、原料の投入順序は特に制限されない。例えば、上記混合物の原料をまとめて混合してもよく、また、最初に、水とPO含有化合物の混合物に対して5価のバナジウム化合物を添加し、その後、クエン酸を添加し、さらにその後、リチウム化合物を加えてもよい。混合物は十分に混合させ、添加成分を十分に分散させておくことが好ましく、リチウム化合物、5価のバナジウム化合物、及びPO含有化合物の少なくとも一部は、水に溶解しておらず、混合物は懸濁液であることが特に好ましい。
水熱合成工程では、まず、内部を加熱、加圧する機能を有する反応容器(例えば、オートクレーブ等)内に、上述した混合物(リチウム化合物、5価のバナジウム化合物、PO含有化合物、水、クエン酸等)を投入する。なお、反応容器内で、混合物を調整してもよい。
次に、反応容器を密閉して、混合物を加圧しながら200℃以上に加熱することにより、混合物の水熱反応を進行させる。これにより、本実施形態に係るβ型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、粒子形状が多面体である物質が水熱合成される。
水熱合成により得られたβ型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、粒子形状が多面体である物質は、通常、水熱合成後の液中に固体として沈殿する。そして、水熱合成後の液を、例えば、ろ過して固体を捕集し、捕集された固体を水やアセトン等で洗浄し、その後乾燥させることによりβ型結晶構造のLiVOPOを高純度に得ることができる。
水熱合成工程において、混合物に加える圧力は、0.1〜30MPaとすることが好ましい。混合物に加える圧力が低すぎると、得られるβ型結晶構造のLiVOPOの結晶性が低下し、活物質の容量密度が減少する傾向がある。混合物に加える圧力が高すぎると、反応容器に高い耐圧性が求められ、活物質製造コストが増大する傾向がある。混合物に加える圧力を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
水熱合成工程における混合物の温度は、200〜300℃とすることが好ましく、得られた活物質の放電容量を向上させる観点から、220〜280℃とすることがより好ましい。混合物の温度が低すぎると、得られるβ型結晶構造のLiVOPOの結晶性が低下し、活物質の容量密度が減少する傾向がある。混合物の温度が高すぎると、反応容器に高い耐熱性が求められ、活物質の製造コストが増大する傾向がある。混合物の温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向も抑制できる。
[焼成工程]
本実施形態に係る活物質の製造方法は、水熱合成により得られた材料、すなわち、β型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、粒子形状が多面体である物質を加熱する工程をさらに備えていてもよい(以下、「焼成工程」という場合がある。)。この工程においては、水熱合成工程を経て得られた活物質に残留した不純物等が除去される現象が起こるものと考えられる。
ここで、焼成工程では、上述のβ型結晶構造のLiVOPOを400℃〜600℃に加熱すればよい。加熱温度が高すぎると、活物質の粒成長が進み粒径(一次粒子径)が増大する結果、活物質におけるリチウムの拡散が遅くなり、活物質の容量密度が減少する傾向がある。一方、加熱温度が低すぎると、焼成の効果が得られない。加熱温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。加熱時間は特に限定されないが、3〜8時間とすることが好ましい。
焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、クエン酸の除去を行い易くするためには、大気雰囲気であることが好ましい。一方、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気中で行うこともできる。
本実施形態に係る活物質の製造方法によれば、β型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、X線回折測定により得られる、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.9以下であり、かつ、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上4.0以下であり、粒子形状が多面体である活物質を得ることができる。そして、このような活物質を用いた電極、及び当該電極を用いたリチウム二次電池は、大きな放電容量を得ることができる。このような知見は従来得られておらず、このような効果は、従来技術と比較して顕著な効果である。
<電極及び当該電極を用いたリチウム二次電池>
次に、本実施形態に係る活物質を用いた電極、及び当該電極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。本実施形態に係る電極は、集電体と、上記活物質を含み上記集電体上に設けられた活物質層と、を備える電極である。図4は、当該電極を用いた本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の模式断面図である。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、板状(膜状)の正極集電体12上に正極活物質層14が設けられたものである。負極20は、板状(膜状)の負極集電体22上に負極活物質層24が設けられたものである。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
以下、正極10及び負極20を総称して、電極10、20といい、正極集電体12及び負極集電体22を総称して集電体12、22といい、正極活物質層14及び負極活物質層24を総称して活物質層14、24という。
まず、電極10、20について具体的に説明する。
(正極10)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層14は、本実施形態に係る活物質、結合剤、必要に応じた量の導電材を含むものである。
結合剤は、活物質同士を結合すると共に、活物質と正極集電体12とを結合している。
結合剤の材質としては、上述の結合が可能であればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、結合剤として、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
更に、上記の他に、結合剤として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。
また、結合剤として電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、結合剤が導電材の機能も発揮するので導電材を添加しなくてもよい。
イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr、Li(CFSON、LiN(CSOリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
正極活物質層14に含まれる結合剤の含有率は、活物質層の質量を基準として0.5〜6質量%であることが好ましい。結合剤の含有率が0.5質量%未満となると、結合剤の量が少なすぎて強固な活物質層を形成できなくなる傾向が大きくなる。また、結合剤の含有率が6質量%を超えると、電気容量に寄与しない結合剤の量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向が大きくなる。また、この場合、特に結合剤の電子伝導性が低いと活物質層の電気抵抗が上昇し、十分な電気容量が得られなくなる傾向が大きくなる。
導電材としては、例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極20)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミ、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
負極活物質は特に限定されず、公知の電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出(インターカレート・デインターカレート、或いはドーピング・脱ドーピング)可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO、SnO等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
結合材、導電材は、それぞれ、正極と同様のものを使用できる。
次に、本実施形態に係る電極10,20の製造方法について説明する。
(電極10,20の製造方法)
本実施形態に係る電極10,20の製造方法は、電極活物質層14,24の原料である塗料を、集体上に塗布する工程(以下、「塗布工程」ということがある。)と、集電体上に塗布された塗料中の溶媒を除去する工程(以下、「溶媒除去工程」ということがある。)と、を備える。
(塗布工程)
塗料を集電体12、22に塗布する塗布工程について説明する。塗料は、上記活物質、結合剤、及び溶媒を含む。塗料には、これらの成分の他に、例えば、活物質の導電性を高めるための導電材が含まれていてもよい。溶媒としては、溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
活物質、結合剤、溶媒、導電材等の塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。例えば、まず、活物質、導電材及び結合剤を混合し、得られた混合物に、N−メチル−2−ピロリドンを加えて混合し、塗料を調整する。
上記塗料を、集電体12、22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
(溶媒除去工程)
続いて、集電体12、22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体12、22を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして活物質層14、24が形成された電極を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、10〜50kgf/cmとすることができる。
以上の工程を経て、本実施形態に係る電極を作製することができる。
本実施形態に係る電極によれば、正極活物質として本実施形態に係る活物質を用いるため、十分な放電容量の電極が得られる。
ここで、上述のように作製した電極を用いたリチウムイオン二次電池100の他の構成要素を説明する。
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、本実施形態において、電解質は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
セパレータ18は、電気絶縁性の多孔体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解質溶液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からの電気化学デバイス100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図4に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
以上、本発明の活物質、それを用いた電極、当該電極を備えるリチウムイオン二次電池、及び、それらの製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の活物質を用いた電極は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子にも用いることができる。電気化学素子としては、金属リチウム二次電池(カソードとして本発明の活物質を用い、アノードに金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。これらの電気化学素子は、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途に使用することが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[水熱合成工程]
500mlのマイヤーフラスコに、23.06g(0.20mol)のHPO(ナカライテスク社製、純度85%)、及び、180gの蒸留水(ナカライテスク社製、HPLC用)を入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。続いて、18.37g(0.10mol)のV(ナカライテスク社製、純度99%)を加え、約2.5時間攪拌したところ、黄橙色の懸濁液が得られた。攪拌の回転数を上げた後、攪拌を続けながら、10.56g(0.05mol)のクエン酸一水和物を上記混合物中に加えた。クエン酸を加えた後、約60分間攪拌を継続したところ、流動性のあるペースト状の物質が得られた。
得られたペースト状の物質に、8.48g(0.20mol)のLiOH・HO(ナカライテスク社製、純度99%)、20gの蒸留水をこの順に加えた後、フラスコ内の物質258.70gを、0.5Lオートクレーブのガラス製の円筒容器内に移した。水熱合成前の原料混合物は懸濁液であった。容器を密閉し、12時間、250℃で保持し、水熱合成を行った。
ヒータのスイッチをオフにした後、容器内の温度が23℃になるまで放冷し、茶色の沈殿を含む褐色溶液を得た。この物質のpHを測定したところ、pHは3であった。上澄みを除去した後、約300mlの蒸留水を加え、攪拌しながら容器内の沈殿物を洗浄した。その後、吸引濾過を行った(水洗)。この操作を2回繰り返した後、約800mlのアセトンを加え、上記水洗と同様にして沈殿物の洗浄を行った。濾過後の物質を、ふるい(網目を構成する孔径:52μm)に通した。この物質をシャーレに移し、大気中で乾燥させて、30.83gの茶色の固体を得た。収率は、LiVOPO換算で91.9%であった。
[焼成工程]
上記アセトンを用いて洗浄した後の物質のうち3.00gをアルミナ坩堝に入れ、大気雰囲気中、室温から450℃まで45分かけて昇温し、450℃で4時間熱処理することにより、2.97gの粉体を得た。
[結晶構造の確認]
実施例1の活物質に対して、X線回折測定を行った。複数のピークのうち、2θ=26.966°、27.582°、28.309°において、強度が相対的に高いピークが得られ、活物質は主にβ型結晶構造のLiVOPOから構成されることが確認された。
[X線回折測定による活物質のピーク強度比(I(102)/(020)及びI(201)/(020))の算出]
2θ=26.966°におけるピークは(201)、2θ=27.582°におけるピークは(102)、2θ=28.309°におけるピークは(020)に帰属された。2θ=27.582°におけるピークと、2θ=28.309°におけるピークとのピーク強度比(I(102)/(020))及び、2θ=26.966°におけるピークと、2θ=28.309°におけるピークとのピーク強度比(I(201)/(020))を表1に示す。
[活物質の形状の観察]
走査型電子顕微鏡を用いて、実施例1の活物質の形状を観察した。実施例1の活物質の電子顕微鏡写真を図1に示す。活物質の粒子形状は柱状の多面体であった。多面体の軸に沿う面の結晶面を電子線回折により測定した。結晶面は{110}面に帰属された。
[放電容量の測定]
実施例1の活物質と、結合剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、導電材であるアセチレンブラックと、を混合したものを、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて活物質とアセチレンブラックとPVDFとの重量比が84:8:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、実施例1の活物質を含む活物質層が形成された電極(正極)を得た。
次に、得られた電極と、その対極であるLi箔とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液として1MのLiPF溶液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
実施例1の評価用セルを用いて、放電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)とした場合の放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
水熱合成工程後、焼成工程を行わなかった以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。実施例2の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
水熱合成工程において、水熱合成の時間を15時間とした以外は実施例2と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。実施例3の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
水熱合成工程において、水熱合成の温度を220℃とした以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。実施例4の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
水熱合成工程において、水熱合成の温度を280℃とした以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。実施例5の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
焼成工程において、焼成時間を430℃とした以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。実施例6の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
焼成工程において、焼成時間を7時間とした以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。実施例7の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
水熱合成工程において、水熱合成の還元剤としてヒドラジンを用いた以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。比較例1の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
水熱合成工程において、水熱合成の温度を190℃とした以外は実施例1と同様にして活物質を作製した。実施例1と同様にして、活物質に対してX線回折測定を行い、I(102)/(020)及びI(201)/(020)を算出した。
得られた活物質を用いて、実施例1と同様に電極、及び評価用セルを作製した。比較例2の評価用セルを用いて、実施例1と同様にして放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。
水熱合成工程において、還元剤としてヒドラジンを用いた比較例1は、活物質の粒子形状は不定形となり、(201)面への配向性も低く、放電容量は実施例1〜7に比べて低かった。水熱合成工程において、水熱合成の温度を190℃とした比較例2も、活物質の粒子形状は不定形となり、放電容量は実施例1〜7に比べて低かった。
(102)/(020)が1.0より大きく、かつ、I(201)/(020)が3.0より大きい実施例3、4は、実施例1、2、5に比べて放電容量は劣っていた。I(201)/(020)が3.0より大きい実施例6も、実施例1、2、5に比べて放電容量が劣っていた。そして、I(102)/(020)が1.0より大きい実施例7も、実施例1、2、5に比べて放電容量が劣っていた。
1…活物質、S1,S2…最も長い稜を含む面、L1…最も長い稜。

Claims (7)

  1. リチウム源と、5価のバナジウム源と、リン酸源と、水と、クエン酸とを含む混合物を、加圧下で200℃以上に加熱することにより、β型結晶構造のLiVOPOを得る水熱合成工程を備える活物質の製造方法。
  2. 前記水熱合成工程で得られたβ型結晶構造のLiVOPOを加熱する工程をさらに備える、請求項1記載の活物質の製造方法。
  3. 前記混合物は、前記リチウム源、前記5価のバナジウム源、及び前記リン酸源の少なくとも一部が前記水に溶解していない懸濁液である、請求項1又は2に記載の活物質の製造方法。
  4. β型結晶構造のLiVOPOを主成分として含有し、
    X線回折測定により得られる、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.9以下であり、かつ、(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上4.0以下であり、
    粒子形状が多面体である活物質。
  5. 前記(020)面に帰属されるピーク強度に対する(102)面に帰属されるピーク強度の比が0.6以上1.0以下であり、かつ、前記(020)面に帰属されるピーク強度に対する(201)面に帰属されるピーク強度の比が1.8以上3.0以下である請求項4に記載の活物質。
  6. 集電体と、請求項4又は5に記載の活物質を含み前記集電体上に設けられた活物質層と、を備える電極。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の電極を備えるリチウム二次電池。
JP2010139834A 2010-06-18 2010-06-18 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法 Expired - Fee Related JP5609300B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010139834A JP5609300B2 (ja) 2010-06-18 2010-06-18 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
US13/160,968 US8734987B2 (en) 2010-06-18 2011-06-15 Active material, electrode containing same, lithium-ion secondary battery with the electrode, and method of manufacturing active material
CN2011101703797A CN102363523A (zh) 2010-06-18 2011-06-20 活性物质、含有其的电极、具备该电极的锂二次电池以及活性物质的制造方法
CN201310689040.7A CN103771386B (zh) 2010-06-18 2011-06-20 活性物质、含有其的电极、具备该电极的锂二次电池以及活性物质的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010139834A JP5609300B2 (ja) 2010-06-18 2010-06-18 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012004044A true JP2012004044A (ja) 2012-01-05
JP5609300B2 JP5609300B2 (ja) 2014-10-22

Family

ID=45535800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010139834A Expired - Fee Related JP5609300B2 (ja) 2010-06-18 2010-06-18 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5609300B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180066946A (ko) * 2016-12-09 2018-06-20 제이에이치화학공업(주) 리튬 이차 전지용 양극 활물질 전구체 및 그 제조 방법
JP2021040078A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 時空化学株式会社 パウチ型スーパーキャパシタ、正極材料及び負極材料
WO2023119056A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 株式会社半導体エネルギー研究所 前駆体の製造方法、及び正極活物質の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010086778A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Tdk Corp 活物質材料、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池
JP2010092599A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Gs Yuasa Corporation 正極材料、正極材料の製造方法、及び該製造方法で製造された正極材料が備えられている非水電解質二次電池
JP2010218822A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Tdk Corp 活物質の製造方法、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池
JP2010537946A (ja) * 2007-09-06 2010-12-09 ヴァレンス テクノロジー インコーポレーテッド 二次電気化学セルで使用するための活性材料の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010537946A (ja) * 2007-09-06 2010-12-09 ヴァレンス テクノロジー インコーポレーテッド 二次電気化学セルで使用するための活性材料の製造方法
JP2010086778A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Tdk Corp 活物質材料、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池
JP2010092599A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Gs Yuasa Corporation 正極材料、正極材料の製造方法、及び該製造方法で製造された正極材料が備えられている非水電解質二次電池
JP2010218822A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Tdk Corp 活物質の製造方法、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
GAUBICHER J. ET AL.: "Li/β-VOPO4: A New 4 V System for Lithium Batteries", J. ELECTROCHEM. SOC., vol. Vol.146, Issue 12, JPN6013063177, 1999, pages 4375 - 4379, ISSN: 0002869445 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180066946A (ko) * 2016-12-09 2018-06-20 제이에이치화학공업(주) 리튬 이차 전지용 양극 활물질 전구체 및 그 제조 방법
KR101879324B1 (ko) * 2016-12-09 2018-07-18 제이에이치화학공업(주) 리튬 이차 전지용 양극 활물질 전구체 및 그 제조 방법
JP2021040078A (ja) * 2019-09-04 2021-03-11 時空化学株式会社 パウチ型スーパーキャパシタ、正極材料及び負極材料
JP7399407B2 (ja) 2019-09-04 2023-12-18 時空化学株式会社 パウチ型スーパーキャパシタ、正極材料及び負極材料
WO2023119056A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 株式会社半導体エネルギー研究所 前駆体の製造方法、及び正極活物質の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5609300B2 (ja) 2014-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5699754B2 (ja) 活物質、電極、リチウムイオン二次電池、及び、活物質の製造方法
JP4317571B2 (ja) 活物質、電極、電池、及び活物質の製造方法
JP5223281B2 (ja) リチウムイオン二次電池又はリチウム二次電池の正極用複合粒子、及びリチウムイオン二次電池又はリチウム二次電池
JP5396942B2 (ja) 活物質の製造方法、活物質、当該活物質を用いた電極、及び当該電極を備えたリチウムイオン二次電池
WO2012008423A1 (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
JP2004186089A (ja) 電極形成用塗布液、電極及び電気化学素子、並びに、電極形成用塗布液の製造方法、電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法
WO2012169331A1 (ja) チタン酸リチウム一次粒子、チタン酸リチウム凝集体及びこれらを用いたリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ
JP5347604B2 (ja) α型結晶構造のLiVOPO4を主成分とする活物質粒子、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及びこの活物質粒子の製造方法
JP5347605B2 (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を含むリチウムイオン二次電池、及び活物質の製造方法
JP5375446B2 (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
JP6041867B2 (ja) 二次電池用負極活物質の製造方法および二次電池用負極活物質、二次電池用負極の製造方法および二次電池用負極、ならびに二次電池
US20110052995A1 (en) Active material, electrode containing the same, lithium secondary battery provided therewith and method for manufacture of the active material
JP5609299B2 (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
JP5609300B2 (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
US10826110B2 (en) Positive electrode active material for lithium ion secondary battery, positive electrode for lithium ion secondary battery, and lithium ion secondary battery using the same
JP5617744B2 (ja) 活物質粒子、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池
TW201902823A (zh) 含有碳材料之分散液、電極形成用漿料、及非水電解質二次電池用電極之製造方法
JP5888046B2 (ja) 正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池
JP2012212634A (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
JP2019175658A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質、リチウムイオン二次電池用正極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池。
JP5818086B2 (ja) 二次電池およびその製造方法
JP2017152119A (ja) 正極活物質、及びそれを用いた正極ならびにリチウムイオン二次電池
JP2012212635A (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
JP2018156823A (ja) 正極活物質、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池
JP2013232288A (ja) 正極活物質、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130507

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20131004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5609300

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees