JP2011505479A - 光子のエネルギーをアップコンバージョンさせるための媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、光子エネルギーアップコンバージョンのための媒体、前記媒体を有する光子エネルギーアップコンバージョン装置、及び、前記媒体の使用方法に関する。本発明は、また、前記媒体または前記装置を用いた光子エネルギーアップコンバージョン方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光子のエネルギーをアップコンバージョンさせるための媒体、前記媒体を備える光子エネルギーアップコンバージョン装置、及び前記媒体の使用方法(uses)に関する。本発明はまた、前記媒体または前記装置を用いて光子エネルギーをアップコンバージョンさせる方法に関する。
多くの系において、より長波長の光の照射によって、より短波長の光の放出が引き起こされることが観察されてきた。この現象はまた、「周波数アップコンバージョン」または簡潔には「アップコンバージョン」に関連しており、ほとんどの場合、パルスレーザによって得られる高光強度の状態(high light intensities)に伴って生じる。現在、アップコンバージョンプロセスは、複数のより低い遷移状態の単一のより高い励起状態へのエネルギー遷移(energy transfer)を伴う、と信じられている。そして、このより高いエネルギー準位は、より低い波長、すなわち、より高いエネルギーを持った光を放出可能である。このプロセスは、結晶、薄膜、及びナノ粒子を含む固体状態における多くの無機の系に関して説明されてきた。通常は、結晶系におけるアップコンバージョンプロセスは、「増感(sensitizing)」要素、「活性剤(activator)」要素、及び/又はマトリックス(結晶)要素を含む。典型的に、マトリックスは、活性剤とともに増感剤(sensitizers)として振舞う希土類イオンと相互にドープされている(is co−doped with)。一のドーパント(dopand(dopant))は、吸収された光子のエネルギーが別のドーパントに遷移するとすぐに、低波長領域(典型的には赤外線領域)で、活性剤イオンを吸収し、青または緑の領域で発光する(E.L.Falcao−Filho et al. Journal of OSA Bulletin 11, 881 (1994))。さらに、結晶質のナノ粒子の混合物は、ホストマトリックス中に分散されて薄膜を形成する、と記述されている。これらの結晶質のナノ粒子はまた、エネルギーアップコンバージョンの能力を有することが示されている。そして、アップコンバージョンのプロセスは、様々な種類のナノ粒子の間で起こり、エネルギー遷移段階を含む(例えば、米国特許第6,541,788号明細書)。または、結晶質のナノ粒子は、例えば、Eu3+イオン、Tb3+イオン、Tb3+イオン、Ce3+イオンなどの他のドーパントにとってのマトリックスとして振舞う。そして、光の放射上の(upon irradiation of light)これらのドーパントは、蛍光強度及び量子効率を増大させることができる。
これらのシステムは、レーザ発振物質(lasing materials)、光起電装置(photovoltaic devices)などの製造にとって潜在的に興味深いものである。しかしながら、これらの製造に含まれる要素の性質のために、これらの製造にはむしろコストもかかり、さらに、例えば、広範囲にわたる膜の製造またはフレキシブル基板の製造は、例えば太陽電池のような商業的に有用な光起電装置の製造に特に有用であるべきであるが、前記システムは、これらの製造には、特に適しているというわけではない。
この問題を解決するための一つの提案は、無機化合物の代わりに有機化合物を使用することであった。これらの有機アップコンバージョンの系は全て、直接的な二光子または多光子の励起、及び/又は、高振動状態にある分子の第1の励起状態への励起に基づいている。後者のプロセスはまた、時々、「ホットバンド吸収(hot band−absorption)」と呼ばれる。直接的な、すなわち、同時に起こる2つの光子の励起において、アップコンバージョンは、2つの光子が、大きな二光子吸収(TPA)断面積を有する染料を直接注入した結果である。これらの染料は、溶液か、または、膜(不活性なマトリックス、すなわち、固体溶媒としての不活性なポリマーを有するいわゆる固溶体を含む。)に存在する。この不活性なマトリックスは、アップコンバージョンプロセスに全く関与しないという意味で不活性である。様々な系が記述されており、より大きなTPA断面積(TPA−cross−section)及びTPA染料を有する新規な有機染料のための継続的な調査がある。この新規な有機染料は、高分子に結合されるか、あるいは、ポリマーにドープされる(米国特許第5,912,257号明細書、米国特許第6,555,682号明細書、米国特許第6,100,405号明細書、T.Kojei et al. Chem. Phys. Lett. 298, 1 (1998)、G.S.He et al., Appl. Phys. Lett 68, 3549 (1996)、R.Schroeder et al., J.Phys.:Condens.Matter 13 L313 (2001)、R.Schroder et al., J. Chem. Phys. 116, 3449(2001))。TPA染料がポリマーマトリックスにドープされる場合には、再び、ポリマーは、アップコンバージョンプロセスに関与しない不活性な化合物となる。
アップコンバージョンが、ホットバンド吸収、すなわち、高振動状態にある分子の励起に起因する場合には、これは、場合によっては、物質のレーザ冷却(laser cooling)のために(J.L. Clark et al.Phys Rev. Lett 76, 2037 (1996))、及び/又は、光電子装置の温度プローブとして(J.M. Lupton, Appl. Phys. Lett 80, 186 (2002))使用されている。
有機化合物の分野における調査の別の領域は、「光リミッタ(optical limiters)」の分野である。光制限物質(optical limiting material)は、非線形の吸収特性を示す。これは、励起状態の断面積(cross−section)は、基底状態の断面積よりも大きいという現象のためである。入力エネルギーが大きければ大きいほど、より多くの分子が、より大きな断面積を有する状態に励起ようになるので、吸収係数を増大させる結果となる。ピコ秒及びナノ秒という時間的尺度におけるこの非線形吸収に基づいた光リミッタは、金属フタロシアニン、ポルフィリン及びフラーレンだけでなく、無機のナノ粒子をも含む多くの物質について報告されている(Qureshi FM et al. Chem. Phys. 231, 87 (1998)、及び、以下に引用される他の参考文献;Sun et al. Int. Rev. Phys. Chem. 18(1) 43 (1999)、及び、以下に引用される参考文献;W.Su, T.M. Cooper, Chem. Mater. 10, 1212(1998)1、J.W.Perry et al., Science 273, 1533 (1996)、K.A. Nguen et al., J.Chem.Phys. 118, 5802(2003))。
少なくとも1つの増感剤成分及び少なくとも1つのエミッタ成分を含む、多くの2分子または多分子の系では、光子エネルギーのアップコンバージョンは、三重項−三重項の消滅プロセス(annihilation processes)に基づいて起こることが示されている(Baluschev et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2007, 46, 1−5)。このような光子エネルギーのアップコンバージョンは、本質的に結び付いた三段階の連鎖であると信じられている。第1の段階は、増感剤分子での項間交差(inter system crossing)(ISC)であり、その後に第2の段階、すなわち、増感剤の三重項のエミッタの三重項への励起遷移(the transfer of the excitation)(三重項−三重項遷移(triplet−triplet transfer)、TTT)に続く。第3の段階は、ほとんどエミッタ分子の三重項同士の間における、その後に続く三重項−三重項消滅(triplet−triplet annihilation)(TTA)である。光子エネルギーのアップコンバージョンを補助する効果的な三重項−三重項消滅は、増感剤として振舞う広範囲の様々な金属錯体、及び、異なるエミッタ分子について観察されている。光子エネルギーのアップコンバージョンプロセスに基づいた、このような三重項−三重項消滅の主な利点は、干渉性の(coherent)励起光の非依存性(independence)である。さらに、光子エネルギーのアップコンバージョンを補助する三重項−三重項消滅は、低い強度(100mWcm−2程度)を有する励起光と、低いスペクトルパワー密度(spectral power density)(125μWnm−1程度)とを必要とするだけである[Baluschev et al., APL, 90, 181103, 2007]。光子エネルギーのアップコンバージョンを補助する三重項−三重項消滅に基づくこれらの研究は、溶液中において行われてきた。
しかしながら、前述の有機物の系では、対応する系に存在するアップコンバートする物質の固有の特性のため、あるいは、実用的な応用及び装置に使用することが事実上不可能である全体の機構の微妙な性質のため、特に用途が広いことは証明されない。さらに、場合によっては、特に、無機成分に基づいた系の場合には、アップコンバージョンは、−180℃以下の非常に低い温度の条件下でしか誘導され得ない。また、光制限物質が単独でアップコンバージョンする性質を示すことは、今までに報告されていない。無機物に基づいた系は、高強度、通常は、kW/cmのオーダーの強度の単色レーザ光を用いた場合にしか機能しない。また、それらの系は、励起光源の非常に高いスペクトルパワー強度、典型的にはWnm−1のオーダーの強度を必要とする。さらに、それらの系は、これまで報告されている限りでは、高強度を有する場合のみであるが、結晶質の粉末でca.1%、最大でも4%の低い効率しか有していない(Page et al., 1998, J.Opt. Soc. Am. B, Vol. 15, No.3, 996)。さらに、これまでに報告されている系は、放出された波長の割合(the ratio of emitted wavelength)に影響を与えるあらゆる可能性なしに、使用された対応する物質に固有の発光特性(emission characteristics)しか有していない。
無機物の系は、結晶質の物質に基づいており、ナノ結晶に適用して使用されるために特別に準備されなければならない。このような準備をすることにより、無機物の系は膜に適用される。あるいは、その代替として、結晶は微粉にされ、膜に分配される。その結果、結晶質の粉末の膜内への分配に伴う問題が発生する。
以上により、本発明の目的は、入射及び放射される放射線の波長に対して非常に広い用途(great versatility)を示す、光子エネルギーアップコンバージョン用の媒体を提供することにある。この媒体は、これゆえ、所望の励起及び/または発光(放射)特性に応じたものとなりうる。さらに、本発明の目的は、広い領域を覆うフィルムを形成するのに適した媒体を提供することにある。これゆえ、光電子装置に適した生成物の提供が可能になる(enable the production of tailor−made opto−electronic device)。本発明の目的は、また、低強度及び/または低スペクトルパワー密度の光源、例えば太陽やLED(広域、非同期(non−coherent))を効果的に使用することができる媒体を提供することを目的とする。この媒体は、これゆえ、スペクトル集約装置(好ましくは、アップコンバートするもの(up−converting))として使用されうる。
本発明の目的は、光子のエネルギーをアップコンバージョンする媒体であって、少なくとも2つの成分と、前記少なくとも2つの成分が分散したマトリックスとを有し、第1の成分は、w以上x以下の第1の波長領域λ1にある光を吸収可能であり、前記マトリックス内で増感剤として振る舞い、第2の成分は、y以上z以下の第2の波長領域λ2にある光を放射可能であり、前記マトリックス内で発光成分として振る舞い、前記第1の波長領域λ1は、前記第2の波長領域λ2以上であり、前記第1の成分が、前記第1の波長領域λ1の光を吸収すると、前記発光成分が前記第2の波長領域λ2にある光を放射し、前記第1の成分及び前記第2の成分は、有機化合物であり、前記第1の成分及び前記第2の成分は、前記マトリックスに分散しており、前記マトリックスは、固体、ゲル、または粘度が0.59x10−3Pa.s以上の液体である、媒体により解決される。
好ましくは、前記マトリックスは、300〜1600nmの範囲の光を透過する。
一実施形態では、前記液体は、0.59x10−3〜1x10Pa.sの範囲内の粘度を有する。
好ましい実施形態では、前記マトリックスは、弾性、可塑性、粘弾性、または粘塑性の性質を有する固体である。
他の実施形態では、前記マトリックスは、1x10〜1x1017Pa.sの範囲内の粘度を有する有機または無機のガラスである。
一実施形態では、前記マトリックスは、0.59x10−3Pa.s以上の粘度を有する粘性の液体である。好ましくは、前記マトリックスは、以下のオリゴマーから選択される1または複数の物質から生成され、前記オリゴマーは、有限数の単量体ユニット及びコオリゴマー(co−oligomers)を有し、前記コオリゴマーは、複数の単量体ユニットから成っており、前記単量体ユニットは、置換または非置換のスチレン、フェニレン、フェニレンジアミド、フェニレンジオール、メチルメタクリレート、フェノール、アクリル酸、ビニル、例えばビニルアルコールまたは塩化ビニル、乳酸、カルボハイドレート、カルボネート、イミド、アミド、例えばアクリルアミド、オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン、酸化オレフィン、例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレン、オレフィングリコール、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコール、テレフタル酸、イプシロン−カプロラクタム、ウレタン、シラン、シロキサン、これらを置換及び官能化したもの、及び、これらのあらゆる組み合わせ、の類を含むがこれらに限定されず、前記マトリックスは、前記媒体の粘度を変化、調整、及び制御するために、1または複数の有機溶媒または水を随意かつ追加的に含む。
一実施形態では、前記マトリックスは、1x10−1の粘度を有する無機または有機ゲルである。好ましくは、前記有機ゲルは、非共有結合を有する有機物理ゲル、または、共有結合を有し、好ましくは架橋された化学ゲルであり、架橋は、放射線照射(irradiation)、架橋用の化学物質の添加、またはこれら両方の処理を行うことで達成される。
好ましくは、前記ゲルは、1または複数の直線状かつ分岐したポリマーを含み、前記ポリマーは、ポリスチレン、ポリフェニレン、ポリナフタレート、ポリテレフタレート、ポリオレフィンナフタレート、ポリオレフィンテレフタレート、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリフェニレンジアミド、ポリフェニレンジオール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェノール、ポリアクリル酸、ポリビニル、例えばポリビニルアルコールまたはポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、ポリカルボハイドレート、ポリカルボネート、ポリイミド、ポリアミド、例えばポリアクリルアミド、オレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリ酸化オレフィン、例えばポリ酸化エチレンまたはポリ酸化プロピレン、ポリオレフィングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、ポリテレフタル酸、ポリイプシロン−カプロラクタム、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、これらの組み合わせ、及びこれらの混合物(mixtures or blends)を含むが、これらに限定されず、前記マトリックスは、前記媒体の粘度を変化、調整、及び制御するために、1または複数の有機溶媒または水を随意かつ追加的に含む。
一実施形態では、前記マトリックスは、固体または1x10Pa.s以上の粘度を有するガラスである。好ましくは、前記マトリックスは、サーモプラスチックポリマー、コポリマー(ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体)、またはこれらの混合物、及び/または、粘弾性または弾塑性(plastoelasticity)を制御及び調整するための1または複数の適切な溶媒から生成される。
好ましくは、前記マトリックスは、ポリマー、または、ブロック共重合体、交互共重合体、及び/またはグラフト共重合体を含み、分子量が10〜10、好ましくは10〜約10となるコポリマーから生成され、前記ポリマーまたはコポリマーは、ポリスチレン、ポリフェニレン、ポリナフタレート、ポリテレフタレート、ポリオレフィンナフタレート、ポリオレフィンテレフタレート、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリフェニレンジアミド、ポリフェニレンジオール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェノール、ポリアクリル酸、ポリビニル、例えばポリビニルアルコールまたはポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、ポリカルボハイドレート、ポリカルボネート、ポリイミド、ポリアミド、例えばポリアクリルアミド、オレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリ酸化オレフィン、例えばポリ酸化エチレン、またはポリ酸化プロピレン、ポリオレフィングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、ポリテレフタル酸、ポリイプシロン−カプロラクタム、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、これらの組み合わせ、及びこれらの混合物(mixtures or blends)を含むが、これらに限定されず、前記マトリックスは、前記媒体の粘度を変化、調整、及び制御するために、1または複数の有機溶媒または水を随意かつ追加的に含む。
好ましい実施形態では、前記マトリックスは、熱硬化性プラスチックから生成される。好ましくは、前記熱硬化性プラスチックは、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、好ましくは2つの成分からなるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、及びフェノール−ホルムアルデヒド樹脂から選択される。
一実施形態では、前記マトリックスは、弾性の固体、より具体的には、高分子エラストマーから生成される。好ましくは、前記マトリックスは、弾性の固体、より具体的には、高分子エラストマーから生成され、前記高分子エラストマーは、ポリアクリルゴム、シリコンゴム、フッ化シリコンゴム、フッ化エラストマー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテル−ブロック−アミド(polyether−block−amides)、及びオレフィンゴムから選択される。
一実施形態では、前記マトリックスは、前記媒体の光の照射(irradiation)による光子エネルギーのアップコンバージョン過程には関与しない。
一実施形態では、前記第1の成分は第1の有機化合物であり、前記第2の成分は、第2の有機化合物である。
一実施形態では、前記第1の成分は、前記第2の成分と共有結合しておらず、かつ、複合体を形成していない(nor complexed)。
他の実施形態では、前記第1の成分は、前記第2の成分と共有結合し、または、複合体を形成している(complexed)。
一実施形態では、前記第1及び第2の有機化合物は、互いに異なる化合物である。
一実施形態では、前記第1及び第2の有機化合物は、炭素を含む化合物であり、前記炭素を含む化合物は、水素を含まない炭素のカルコゲニド、この誘導体、塩様の炭化物、金属炭化物、または金属カルボニルではない。
好ましくは、前記発光成分による前記第2の波長領域λ2の発光は、2つの電子の直接(direct)または順次(sequential)の励起、複数の電子の直接または順次の励起、または、高振動状態にある(populated)分子の励起(「ホットバンド(hot−band)吸収」)に基づくアップコンバージョン過程によって起こり、アップコンバージョン過程は、前記第1の成分からの前記第1の波長領域λ1の光を吸収することによって起こる。
一実施形態では、前記発光成分による前記第2の波長領域λ2の発光は、前記発光成分の光励起された分子間の三重項‐三重項消滅、及び/または、前記第1の成分の光励起された分子間の三重項‐三重項消滅、に基づくアップコンバージョン過程によって起こる。
一実施形態では、前記第2の波長領域λ2は、360〜750nmの範囲であり、前記第1の波長領域λ1は、450〜1600nmの範囲である。
一実施形態では、前記第1の成分は、三重項状態(populated triplet)または三重項−一重項状態(mixed triplet−singlet state)を有する有機染料または分子、TPA(two−photon−absorbing)染料、光制限化合物、三重項状態を有する他の分子、または光制限化合物、例えばフラーレンまたはカーボンナノチューブである。
一実施形態では、前記第2の成分は、有機染料である。
一実施形態では、前記第1の成分は、第1の有機染料であり、前記第2の成分は、第2の有機染料であり、前記第1及び第2の有機染料は同一または異なる。好ましくは、前記第1及び/または第2の有機染料は、三重項状態を有するか、または2つの光子の直接及び/または順次の励起が可能な有機染料、複数の光子の直接及び/または順次の励起が可能な有機染料、非線形吸収が可能な有機染料、及び、ホットバンド吸収が可能な染料を含むグループから選択される。
一実施形態では、前記有機染料、特に前記第1の有機染料は、三重項状態を有する有機分子と、特に三重項状態を有する有機金属錯体とを含むグループから選択され、前記有機金属錯体は、波長の制御を確実に行うために、例えば、Li、Mg、Al、Ti、V(VO)、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb、U(UO)を含む有機錯体、またはこれらの組み合わせとなるがこれらに限定されない。好ましくは、前記第1の有機染料は、三重項状態を有する化合物を含むグループから選択され、前記三重項状態を有する化合物は、
・拡張された(extended)ポルフィリン、テキサフィリン、サフィリン、オレンジリン(orangerins)(炭素で架橋された(carbon−bridged)あらゆるピロール系)、置換されたポリフィリン、及び、これらのあらゆる分子(ポルフィリン)であって、Li、Mg、Al、Ti、V(VO)、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb、U(UO)を含むがこれらに限定されない金属を含むもの、を含むポルフィリン、
・拡張されたフタロシアニン、置換されたフタロシアニン、及び、これらのあらゆるフタロシアニンであって、Li、Mg、Al、Ti、V(VO)、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb、U(UO)を含むがこれらに限定されない金属を含むもの、を含むフタロシアニン、
・これらのあらゆるものの混合物(mixtures)、
を含むが、これらに限定されず、前記第2の有機染料は、360〜750nmの範囲の蛍光発光を示す化合物、特に、360〜750nmの範囲の蛍光発光を示す蛍光性の染料を含むグループから選択され、前記蛍光性の染料は、例えば、
・アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、
・置換されたアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン
・フェニル(ビ、トリフェニル)架橋アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン
・フルオレン、チオフェン
・あらゆる側鎖パターンを有するか、または有しないポリフルオレン及びオリゴフルオレン、及びこれらの共重合体、
・ポリパラフェニレンビニレン、及び、ポリパラフェニレンエチニレンを含む、ポリパラフェニレン、
である。
一実施形態では、前記第1及び前記第2の有機染料は、前記第1の有機染料の三重項状態が、三重項‐三重項消滅過程及びそれに続く前記第2の染料の励起した一重項状態へのエネルギー遷移が起こるエネルギーレベルにあるように選ばれる。
一実施形態では、前記第1及び第2の成分は、以下のものから選択される。
a)緑の対(Green couple):DPA/PdOEP;
(すなわち、9,10−ジフェニルアントラセン(DPA)/2,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリンパラジウム(PdOEP))
b)赤の対(Red couple):BPEA/PdTPTBP;
(すなわち、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)/メソ‐テトラフェニル‐テロラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP))
c)近赤外の対(Near infra red couple):BPEN/PdTPTNP;
(すなわち、9,10−ビス(フェニルエチニル)ナフタセン(BPEN)/メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム(PDTPTNP))
d)赤から青への直接の対(Direct Red−to−Blue couple):ペリレン/PdTPTBP;
(すなわち、ジベンズ[de,kl]アントラセン(ペリレン)/メソ‐テトラフェニル‐テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP))
e)赤外から緑への直接の対(Direct Infrared−to−Green couple):BPBT/PdTPTNP;
(すなわち、4,4’−ビス(5−テトラアセニル)−1,1’−ビフェニレン(BPBT)/メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム(PdTPTNP))
f)赤外から黄の対(Infrared−to−yellow couple):ルブレン/PdTAP;
(すなわち、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレン)/テトラアントラポルフィリンパラジウム(PdTAP))
一実施形態では、前記第1及び前記第2の成分は、前記マトリックスに均一に分散している。
一実施形態では、前記第1及び前記第2の成分は、平均の寸法(dimension)が5nm〜999μmとなる粒子にカプセル化され、これらの粒子が前記マトリックスに均一に分散している。好ましくは、前記粒子の平均の寸法は、10nm〜999μmである。
一実施形態では、前記粒子は、前記粒子を前記マトリックスに分散させる官能基によって官能化されている表面を有し、前記官能基は、好ましくは、H、‐(CHCH、‐(CH‐COOR、‐(CH‐OR、‐(CH‐SR、‐(CH‐NR、‐((CH‐O)‐CH、であり、Rは、H、置換または非置換のアルケニルまたはアルキニル、ハロゲン、例えばCl、Br、F、I、NO、NH、CN、SOH、またはOHである。
本発明の目的は、少なくとも1つの基質と、好ましくは前記少なくとも1つの基質に沈着し、または接触した請求項1〜38のいずれか1項に記載の媒体と、を備える、光子エネルギーアップコンバージョン装置によっても解決される。好ましくは、前記媒体は、1またはいくつかの層として、前記基質に沈着し、いくつかの層として沈着する場合には、前記基質上に多層構造を形成する。
一実施形態では、2以上の基質を備え、前記基質の間に、前記媒体が挟まれている。
一実施形態では、前記基質は、それぞれ独立して(independently, at each occurrence)、好ましくはガラス、石英、シリコン、窒化物、または炭化物から選択される固体の基質、これらのあらゆるものからなるシート、または、柔軟性のある基質、例えばポリマーシート及び樹脂膜である。
一実施形態では、前記媒体は、2つのガラスの基質に挟まれている。
本発明の目的は、本発明の媒体を備え、前記媒体は、所望の形状、例えば球体、立方体、平行六面体(paralleliped(parallelepiped))、または不規則な形状の物体に形成される、光子エネルギーアップコンバージョン装置によっても解決される。
好ましくは、本発明による装置は、スペクトル集約装置、特に、太陽電池、温室、または窓、例えば家、車、または他の物体の窓に設けられる、太陽のスペクトルを集約するスペクトル集約装置、スペクトル幅が変わる光源のためのスペクトル集約装置、例えば放射線のフィルター(emissive filtering)、ディスプレイ、例えば放射性の(emissive)アップコンバージョンレーザープロジェクションディスプレイ、または、温度センサである。
本発明の目的は、本発明の媒体または装置を、スペクトル集約装置、特に、太陽電池、温室、または窓に設けられる、太陽のスペクトルを集約するスペクトル集約装置、スペクトル幅が変わる光源のためのスペクトル集約装置、例えば放射線のフィルター、ディスプレイ、例えば放射性のアップコンバージョンレーザープロジェクションディスプレイ、ディスプレイシステムまたは、温度センサとして使用することによっても解決される。
本発明の目的は、・本発明の媒体または装置を用意するステップと、・前記媒体または前記光子エネルギーアップコンバージョン装置に、450nm〜1600nmの範囲の波長の電磁波を照射するステップと、を含む、光子エネルギーアップコンバージョン方法によっても解決される。
好ましくは、前記電磁波は、太陽のスペクトルのあらゆる部分、またはすべての部分である。
上記で報告された従来技術のすべての有機物の系は、溶液のマトリックス、すなわち、活性の成分が溶媒内に存在するマトリックスに基づくものであった。このため、装置内でこれらを利用することは難しく、密閉された空間が必要であった。本願発明者は、光子エネルギーをアップコンバージョンするための媒体を発明した。この媒体は、有機増感剤及び発光体を基礎とするものであり、拡張された領域にこのような媒体をフィルムとして沈着させることができるマトリックスを含む。したがって、増感剤及び発光体が位置する空間を密閉し、または、溶媒の漏洩を避けるための方策を講じる必要が無い。さらに、本発明による媒体は、三次元の形状をなすことができ、したがって、例えば、長い波長の光を短い波長の光にコンバートするディスプレイ、窓、または物体として使用されることが可能となる。驚くべきことに、本件の発明者は、以下の事項を発見した。すなわち、固体、ゲル、または粘度が0.59x10−3Pa.s以上、好ましくは1.0x10−3Pa.sより大きく、さらに好ましくは3.0x10−3Pa.sより大きくなる液体であるマトリックスに、有機増感剤及び発光体を埋め込み、分散させると、このようなマトリックス、増感剤及び発光体を有する媒体は、大きなディスプレイや窓を含む多数のアプリケーションに良好に適用される。これは、固体、ゲル、または高粘度のマトリックスは、媒体に対し、一旦所望の形状、例えばシートにされると、その形状を維持させるためである。ここで使われている「高粘度」という用語は、0.59x10−3Pa.s以上、好ましくは1.0x10−3Pa.sより大きく、さらに好ましくは3.0x10−3Pa.sより大きい粘度を参照するために用いられる。0.59x10−3Pa.s以上という値は、周囲の環境が室温である場合のトルエンの粘度である。本発明のマトリックスの粘度は、少なくとも、このような値に等しい。この値よりも低いと、従来技術に関連する同様の問題(形状持続性の欠如、漏洩、広い発光領域の装置に使用できない等)が必然的に生じる。
本発明の媒体は、非同期の太陽光であって、低い10mW/cmの強度であっても機能し、高い効率、すなわちおよそ5〜6%の効率を示す。すなわち、スペクトル濃度が50μWnm−1となる励起原である太陽光であっても、高い効率、すなわちおよそ5〜6%の効率を示す。さらに、本発明のアップコンバージョン過程における量子効率は、励起光のコヒーレント特性によらない。
本発明によれば、光子の励起は、光子エネルギーのアップコンバージョンに使用される。光子の励起では、励起した発光体の三重項状態の寿命に依存する時間のミスマッチがおよそ40μs生じる。さらに、光子の励起は、0.3eV以上の広さの励起エネルギー領域から生じる。このエネルギー領域は、増感剤が吸収するスペクトルの幅に依存する。そして、光子の励起では、増感剤及び発光剤分子特有の拡散係数に依存する、20μm以上の特別な分離(separation)が生じる。これにより、本発明の媒体がスペクトル集約装置に使用されることが可能になる。
さらに、励起光の前の波動(wave front of the excitation light)は必要ない。なぜなら、電子は、例えばディスプレイの表面にぶつかるまで、空間内でランダムな配向性を有するからである。さらに、本発明の媒体内の成分は、活性成分(すなわち、光子エネルギーのアップコンバージョン過程に関与する成分)に影響を与える、すなわち、媒体のスペクトル特性の制御を可能とするだけでなく、マトリックスの組成物が、媒体及び媒体で形成されたフィルムまたは物体の制御された形態を維持することを可能にするという意味で、非常に用途が広くなっている。
本発明によれば、より大きな多用途性は、少なくとも二つの独立した活性化合物の特性を組み合わせる可能性という点において、達成される。新しい系/組成物は、それぞれの成分単独では示されない多様な特性を持って、生成される。例えば、吸収分子、すなわち「増感剤」は多様であり、これゆえ、アップコンバートされる低エネルギー波長も多様である。それに代わり、あるいはそれに加えて、発光分子は多様であり、これゆえ、アップコンバートした発光の高エネルギー波長に多様性を持たせることが可能になる。少なくとも1つの有機化合物を増感剤または発光体として使用するか、またはこれら両方に有機化合物を用いることで、有機化合物が有する良好なフィルム形成特性を利用することが可能になる。これにより、本発明の組成物を、特に、広い発光領域の光電子機器に適用することが可能になる。
本願で用いられる「xnm〜ynmの範囲で透明な」という用語は、この範囲の全体、または一部における透明性を参照するために用いられる。
本願のマトリックスに関して用いられる「弾性の」という用語は、例えば圧力または圧迫の作用によって変形した後、このような圧力または圧迫から開放された際に、前記変形の前の元の形状に戻るマトリックスを参照するために用いられる。
本願のマトリックスに関して用いられる「樹脂」という用語は、作用された力に応じて、元に戻らない変形を受けるマトリックスを参照するために用いられる。
本願で使用される「粘弾性の」という用語は、時間に依存する特性であり、圧力を受けた物体が粘性及び弾性の応答を示す特性である。粘弾性の物体は、圧力を常時受けることで、粘性的な流動を示す。しかし、力学的エネルギーの一部は、圧力が解除された後に保存され、回復する。しばしば高分子の溶液、融液(melts)、及び構造化された懸濁液に使用され、粘弾性は、通常、瞬時に作用または取り去られる常時の圧力(constant stress)、引っ張り力(strain)、または力学的な圧力または引っ張り力に対する応答として、評価される。
本願で用いられる「粘塑性」という用語は、ある大きな値の、すなわち降伏応力(yield stress)の下では、固体のようにふるまい、さらに大きな力が作用した際(when this stress is exceeded)に、粘性的な液体のように流動するという物体の特性を示す。粘塑性の物体は、しばしば、高度に凝集された懸濁液及び高分子ゲルに使用される。
本願で用いられる「熱可塑性ポリマー」は、温度に応じて樹脂の振る舞いを示すポリマーである。すなわち、熱可塑性ポリマーは、加熱すると溶融し、冷却すると凝固する。
本願で用いられる「熱硬化性樹脂」は、樹脂体、例えば、エネルギー(例えば熱)を作用させることで、強固な形態に硬化するものを参照するために、用いられる。このような硬化の過程は、しばしば、樹脂体の分子の間に架橋、例えば高分子鎖を形成する。
本願で用いられる「粘性」という用語は、流出に耐える物体の傾向を参照するために用いられる。
本願で用いられる「2つの成分のエポキシ樹脂」は、2つの前駆体(precursor)成分がともに加えられたときにのみ生成されるエポキシ樹脂を参照するために用いられる。より具体的には、このようなエポキシ樹脂は、熱硬化性のエポキシドポリマーであり、触媒または「硬化剤」と混ぜられた際に硬化する。このような「2つの成分のエポキシ樹脂」としては、例えば、ビスフェノールA、及びエピクロロヒドリンがある。
本願で使用される「粘性の液体」は、0.59x10−3Pa.s以上の液体を参照するために用いられる。当業者であれば、液体の粘度を測定する方法、及び、購入可能な粘度計が存在することを知っている。後述する実施例で報告されるいくつかの実施形態によれば、本願発明者は、ほぼ(20〜1000)x10−3Pa.sの粘度値を有するものをマトリックスに使用する。しかし、このような粘度を測定する方法は重要ではない。すべての公知の粘度計は、10パーセント以内の誤差(boundaries)で同じ結果を与えるからである。
本願で使用される「ゲル」という用語は、通常、1(または複数)の成分(これらは「ネットワーク成分(network component)」とも称される)が他の成分、例えば溶媒にコロイドとして分散する系を参照する。好ましくは、「ゲル」は、有限の、通常はより小さな降伏応力が作用したコロイド系である。
例えば、高分子ゲルにおいては、ネットワーク成分は高分子であり、高分子は、ゲルを形成するために、水のような溶媒にコロイド状に分散する。高分子ネットワークは、共有結合または、局所的に秩序化された振る舞いが行われる領域での(with regions of local order acting)ネットワーク結合として(as network junctions)の物理的な凝集力により形成されるネットワークである。ゲルは、分散した成分の分子同士の相互作用が、非共有結合、実際はファンデルワールス相互作用となる場合に、物理的なものとなり、ゲルは、分散した成分の分子同士の相互作用が共有結合である場合に、化学的なものとなる。随意に、成分は物理的または化学的に架橋される。物理的な架橋がなされる場合、分子同士に共有結合は生じないが、分散された成分が物理的により合わされる。化学的な架橋がなされる場合、分散された成分の分子同士が共有結合する。この共有結合は、放射線の照射(irradiation)または化学的な架橋を行う物質を添加することにより達成される。
本願で使用される「有機の」という用語は、その一般的に理解されている意味で使用される。すなわち、この用語は、炭素を含む化合物に関連する。本願で使用されるように、この用語は、元素炭素、少なくともフラーレンの形状のものを含む。さらに、「有機の」という用語は、特定のカーボン含有化合物、例えば水素を含まない炭素のカルコゲニド、例えばCO、CO、CS及びこれらの誘導体、例えばHCO、KSCNを除外し、さらに、炭素を含む元素の二元化合物であり、水または希釈された酸の影響により炭化水素に分解する塩様の炭化物を除外するものである。塩様の炭化物は、一般的な構造M またはMIIを有する。MまたはMIIは、1または2価の金属イオンを意味する。カルシウム、銀、及び銅の塩様の炭化物は、分解してアセチレンになり、アルミニウムの塩様の炭化物(Al)は、分解してメタンになる。さらに除外される炭素含有化合物であって、「有機の」という用語の一部を構成していないものは、金属炭化物である。この金属炭化物は、合金の特性を有する非化学量論的化合物である。これらは酸に耐性を示し、導電性である。
本発明によれば、増感剤及び発光体の成分は、粒子にカプセル化され、この粒子は、ナノメーターまたはマイクロメーターの範囲の平均寸法(average dimensions)を有する。もしこの平均寸法がナノメーターの範囲となる場合、このような粒子は、本願では「ナノ粒子」として参照される場合がある。当業者であれば、どのように成分を粒子にカプセル化するかを知っている。成分を粒子にカプセル化する方法は多数ある。例えば、乳化技術により、カプセル化がなされる。
本願で使用される「ナノ粒子」は、1〜750nmの範囲、好ましくは5〜500nmの範囲、より好ましくは5〜250nmの範囲のサイズを有する粒子を示すためのものである。これらのナノ粒子は、結晶挙動を示し、この場合、これらは「ナノ結晶」としても参照される。
本願で使用される「ナノチューブ」という用語は、チューブ状の構造物、好ましくは炭素からなる構造物を示すためのものであり、寸法は、上記で定義した「ナノ粒子」と同じ大きさのオーダーとなる。
本願で用いられる「ホスト分子」及び「ゲスト分子」は、2種類の分子を示すためのものである。これらは互いに異なり、ゲスト粒子として参照される分子は、ホスト分子として参照される分子で構成されるマトリックス内に埋め込まれる。
本願で用いられる「ディスプレイシステム」は、1またはいくつかのディスプレイ装置を参照するためのものである。もっとも単純な形態では、ディスプレイシステムは単一の「ディスプレイ」または「ディスプレイ装置」と同等である。より複雑な形態では、いくつかのこのような単一のディスプレイがともにアセンブルされて、本発明によるディスプレイシステムが形成される。
本願で用いられる「光」という用語は、300nm〜1600nm及びこの範囲内の任意の一部の波長を有する電磁波を参照するためのものである。
本発明による、基質(柔軟性のある固体または硬質の固体)を含む装置においては、このような基質は、好ましくは「光の透過性」を有する。「光の透過性」を有する基質は、光子エネルギーをアップコンバージョンする媒体を励起するために使用される領域の波長、光子エネルギーをアップコンバージョンする媒体が発光する放射線の領域の波長を少なくとも透過する基質を参照するためのものである。本発明によるディスプレイは、少なくとも1つの基質に接触し、光子のアップコンバージョンを行う媒体の、フィルム、層構造、複数フィルム、多層構造として形成される。好ましくは、このような媒体は、2つの基質に挟まれ、少なくとも一方の基質、好ましくは両方の基質が透過性を有する。層状構造の媒体は、一以上の層を有しており、また、一以上の増感剤/発光体成分の対を有している。各々の対は、異なる吸収特性、異なる発光特性、または異なる吸収及び発光特性の双方を有する。これらの異なる増感剤/発光体の対は、異なる層またはディスプレイの異なるピクセル内に存在するので、RGBディスプレイ、モノカラーディスプレイ、マルチカラーディスプレイ、またはホワイトディスプレイの製造が可能となる。
本発明によるディスプレイの他の実施形態においては、光子エネルギーアップコンバージョンを行う媒体が所望の3次元の形状、例えば、文字(letter)、数字(numeral)、立方体、ピラミッド、平行六面体(paralleliped(parallelepiped))、会社のロゴ、またはあらゆる他の規則的または不規則的な所望の形状に形成される。これは、本発明による光子エネルギーアップコンバージョン用の媒体が有する形状維持性によって可能になるものである。
本願で使用される「スペクトル集約装置」という用語は、調整のための装置、例えば、前記デバイスへ入射される光のスペクトルの波長領域を狭くする装置を参照するためのものである。これにより、前記デバイスから発光された光は、例えば、前記入射光より狭いか、またはよりシフトされた領域の波長に調整される。好ましくは、このような調整、例えば波長領域を狭くする調整のために、光子エネルギーのアップコンバージョン過程を単独で、または、光子エネルギーのダウンシフトまたはダウンコンバージョンをアップコンバージョン過程とともに行う。例えば、光子エネルギーのアップコンバージョンを単独で行うか、光子エネルギーのダウンシフトをアップコンバージョンとともに行うことで、前期デバイスに入射された光のスペクトルの広さが、調整され、例えば狭くされる。そして、光のスペクトルの広さが、効果的に「集約」されて、より狭くなる。狭くなったスペクトルは、元の入射されたスペクトル内に位置するか、または、このスペクトルの外に位置することとなる。一例としては、太陽光のスペクトルが、効果的に狭くされて、太陽光のスペクトル全体よりも狭い領域を有する可視光の波長領域(VIS region)となる。この調整は、赤外の領域が可視領域となる光子エネルギーのアップコンバージョン単独か、UV領域から可視領域への(ダウンシフトまたはダウンコンバージョンによる)赤方偏移と組み合わされたアップコンバージョンにより、行われる。さらには、可視領域自体の内であっても、領域を狭くすることは達成される。たとえば、赤の領域を緑の領域にアップコンバージョンしたり、青の領域を緑の領域にダウンシフトすることが可能である。光子エネルギーのアップコンバージョン単独、または、光子エネルギーのダウンシフトまたはダウンコンバージョンと組み合わされたアップコンバージョンに基づくスペクトル集約装置を、本発明、太陽電池の光子の捕獲、温室における異なる領域の光子の利用、または他の適した装置に従って(in accordance with)使用することで、各々の効率が改善される。同様のコンセプトは、家屋及び車の窓にも適用される。例えば車では、車の内部に入射される太陽光のスペクトルのある部分を集約したいという要望があり、例えば、より赤、より緑、等に集約したい場合がある。このコンセプトでは、例えば、近赤外線を可視光の波長領域にアップコンバージョンするか、紫外線を可視光の波長領域にダウンコンバージョンすることで、照明の強調が可能となる。
本願で使用される「波長領域の調整」は、処理を参照するために使用される。この処理によって、物体に照射された光のスペクトルの波長領域が狭くなり、すなわちより狭くなり、または、少なくとも元の位置からずれる。「調整された波長領域」は、狭い波長領域、または、元の位置からずれた波長領域である。このように狭くなった、またはずれた波長領域は、一部または全部が元の波長領域に含まれるか、または、全部が前記もとの波長領域から外れる。本願で用いられる「前記装置に入射される光のスペクトルの波長領域を調整するための装置」という用語は、これゆえ、「スペクトル集約装置」(spectrum concentrator or spectrum concentrator device)と同義語として用いられる。
あらゆる理論に制約されることを願うことなく、三重項‐三重項消滅に補助された本発明に係る光子エネルギーアップコンバージョン系の一実施形態に従ったアップコンバージョン過程の作用の法則は、以下のものである。すなわち、第1の成分、例えばMOEP(metallated porphyrin macrocycle)の一重項のQバンドにある光子が光を吸収した後に、効果的なISC(inter−system crossing)によって、高寿命の三重項状態の第1の成分(増感剤)が多数生成される(highly populated)。さらに、この三重項状態は、引き続いて起こるエネルギー遷移過程のための貯蔵庫とみなされている。この状態から、2つの励起の経路が可能である。第1の経路では、励起された前記第1の成分の分子同士の間で起こる三重項‐三重項消滅(TTA)の結果として、第1の成分の分子のひとつが、基底状態に戻り、他方が、より高い三重項状態に励起される。ついで、第1の成分の一重項励起から第2の成分の励起された一重項状態への効果的な遷移が行われる。第2の成分は、発光成分であり、例えば青色の発光体である。第2の経路では、追加的なアップコンバージョンの経路が可能である。第2の経路では、初めに、第1の成分の三重項励起が直接第2の発光成分分子の三重項状態に移行し、ついで、再度三重項‐三重項消滅が起こり、このとき、第2の成分の三重項状態が、第2の成分(発光成分)の励起された一重項状態に再度移行する。
より好ましくは、前記第1の有機染料(すなわち増感剤)は、ポルフィリン、メタロポルフィリン、具体的には、オクタエチルポルフィリンパラジウム(または‐Pt、または‐Cu、または‐Zn)、またはフタロシアニンである。前記第2の有機染料(すなわち発光体)は、(側鎖パターンを有するか、有しないか、または異なる側鎖パターンを有する(with or without(defferent)))ポリフルオレンまたはオリゴフルオレン、具体的には、PF2/6である。注目すべきは、本発明の一実施形態において、増感剤及び発光体が有機化合物であることである。これらの有機化合物は重合可能であり、重合は、同じ高分子内で生じる。すなわち、これらは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、または増感剤/または発光体の高分子として、同じ高分子の一部を形成する。各々の他の成分は、末端をふさぐ群を形成する。このような高分子は、例えば、発光体成分で末端をふさがれた、増感剤成分の高分子である。逆もまた同様である。さらに、不活性のポリマー(例えばポリスチレン)を、基幹として用い、増感剤及び発光体を両方含むポリマーを形成してもよい。ここで、増感剤及び発光体は、共有結合により基幹の側鎖となるか、または主鎖に含まれる。ここで述べたポリマーは、2つの成分が互いに共有結合したものの例である。
好ましい増感剤成分、発光体成分、及びマトリックス成分(「不活性のマトリックス」は、マトリックスがアップまたはダウンコンバージョン過程、またはダウンシフト過程に関与しない事実に言及するものである)の具体的な実施例は、以下に示される。
[増感剤分子(または増感剤成分)]
「増感剤」は、光を吸収可能な分子であり、有機染料、または有機金属錯体であり、好ましくは三重項状態を多数有する(with a high populated triplet state)。
有機金属錯体は、定義ごとに(per definition)、少なくとも、一または複数の分子、いわゆるリガンドLで囲まれた金属Mを含む化合物である。リガンドLは、一般的に、配位共有結合により金属イオンに結合している。
リガンドは、有機分子であり、環状または非環状であり、芳香性または非芳香性であり、単座配位または多座配位である。
リガンドが拡張された(extended)芳香族系である場合、金属に結合していなくても、それら自身が有機染料の増感剤となる。
より詳細には、Pd−ポルフィリン(有機金属錯体)及び金属を含まないポルフィリン(有機分子)は、ともに増感剤である。
有機金属錯体は、以下のいずれかである。
・一般的な構造MLでを有する単環である。
mは、リガンドの数であり、m=1〜8、好ましくは1〜3である。
・通常のリガンドB経由の金属架橋を有する(with metals bridge via common ligand B)多環の錯体である。すなわち、一般的な構造LM‐[B‐MLを有する。Lは、この化学式の各部位(at each occurrence)において、各々独立に選ばれたリガンドである。nは、繰り返し単位であり、1〜10、好ましくは1〜3であり、Bは、多座配位子として作用するあらゆる架橋性の有機分子、またはハロゲン化物、例えばF、Cl、Br、Iである。
・A経由で架橋されたリガンドを有する多環の錯体である。
すなわち、一般的な構造ML‐[A‐LM]を有し、Lは、この化学式の各部位(at each occurrence)において、各々独立に選ばれたリガンドである。nは、繰り返し単位であり、1〜6、好ましくは1〜3であり、Aは、以下のように定義されるものであるか、または、これらのユニットのあらゆる組み合わせ、または、リガンドを架橋している間(while)に、結合した系(fused system)を形成するあらゆる有機ユニットである。
Rは、H、置換または非置換のあらゆるアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、nは、0〜10、好ましくは0〜2であり、Rは、H、‐(CHCH、‐(CH‐COOR、‐(CH‐OR、‐(CH‐SR、‐(CH‐NR、‐((CH‐O)‐CH、である。
金属Mは、例えば、Li、Na,K,Mg、Ca,Sr,Al,Ga,In,Ti,Sn,Pb,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo,W,Mn,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Hg,Yb,Eu,Nd,Gd,Thから選択され、好ましくは、Pd,Pt,Ru,OS,Reである。
リガンドLは、例えば、以下のグループから選択されるが、これらに限定されない。このグループは、ヘテロ環芳香性または非芳香性の系であり、カーボンではなく、好ましくは窒素または酸素である原子を少なくとも1つ含む。この原子により、リガンドは金属に結合される。前記ヘテロ環芳香性または非芳香性の系は、単環または多環の凝集された環系、または、互いに共有結合した複数の環の系である。ここで、前記環系または複数の環は、随意に、さらなる置換基Zで置換されていてもよい。
Zは、一または複数の成分が、各部位(at each occurrence)において独立に、H、置換または非置換のアルケニルまたはアルキニル、ハロゲン、例えばCl、Br,F,I,NO、NH、CN、SOH、OH、H、‐(CHCH、‐(CH‐COOR、‐(CH‐OR、‐(CH‐SR、‐(CH‐NR、‐((CH‐O)‐CH、から選択され、Rは、H、置換または非置換のあらゆるアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、nは、0〜10、好ましくは0〜6であり、pは、0〜4、好ましくは1〜2である。Zは、また、あらゆる芳香性またはヘテロ芳香性の系であり、好ましくは、以下の構造式xで示される。
は、1〜5であり、Rは、H、あらゆるアルケニル、アルキニル、アリール、ハロゲン、例えばCl、Br,F,I,NO、NH、CN、SCN、=C(CN)、=O、‐SOH、OH、H、‐(CHCH、‐(CH‐COOR、‐(CH‐OR、‐(CH‐SR、‐(CH‐NR、‐((CH‐O)‐CHであり、Rは、H、‐(CHCH、‐(CH‐COOR、‐(CH‐OR、‐(CH‐SR、‐(CH‐NR、‐((CH‐O)‐CHである。
リガンドLは、例えば、置換または非置換のポルフィリンの大員環系(macrocyclic systems of porphyrines including)、これらの誘導体の拡張された(extended)系、例えばベンゾポルフィリンまたはナフタロポルフィリンからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
リガンドLは、例えば、テトラアザポルフィリン、フタロポルフィリン、またはナフタロシアニンの大員環系であって、置換または非置換のものからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
リガンドLは、例えば、コロール(corroles)またはアザコロール(aza−corroles)の大員環系であって、置換または非置換のものであって、ベンゾまたはナフト拡張された系(benzo− and naphto− extended systems)を含む群から選択されるが、これらに限定されない。
リガンドLは、例えば、置換または非置換の線形のテトラ、トリ、またはジピロールの系であって、ベンゾまたはナフト拡張された系(benzo− and naphto− extended systems)を含む群から選択されるが、これらに限定されない。
リガンドLは、例えば、置換または非置換のピリジン、bi−、ter−、またはポリピリジン、フェナントロリン、キノリン、イソキノリン、ビス‐イソキノリン、ヒドロキシキノリンからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
リガンドLは、例えば、置換または非置換のヘテロ芳香環分子であって、以下の構造式及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
X、Yは、それぞれ独立にNR、O、Sである。
リガンドLは、例えば、置換または非置換のベンゼン‐1,2‐ジオール、ベンゼン‐1,2‐ジアミン、エタン‐1,2‐ジアミン、エタン‐1,2‐ジオール、ナフタレン‐2,3‐ジアミン、ナフタレン‐2,3‐ジオール、アントラセン‐2,3‐ジオール、アントラセン‐2,3‐ジアミン、シュウ酸アミド、シュウ酸、エチレンジアミンテトラ酢酸を含む誘導体から選択されるが、これらに限定されない。
増感剤は、有機染料であり、以下の群から選択されるが、これらに限定されない。
・置換または非置換のクマリン及びこれらの誘導体
Zは、上述したとおりである。
・置換または非置換の、シアニン、メロシアニン、及びアゾ染料、及びこれらの誘導体
は、0〜6であり、好ましくは0〜3である。
Ar及びArは、互いに同一または異なっており、各部位(at each occurrence)において独立に、以下の構造式、または、これらの構造式のあらゆる組み合わせから選択される。
Z、R、Rは上述したとおりである。
・スクアリリウム及びクロコニアム(croconium)色素の誘導体であって、置換または非置換のもの
X、Y、Ar及びArは、上述したとおりである。
・セミスクアリリウムまたはセミクロコニアム(semi−croconium)染料の誘導体であって、置換または非置換のもの、及びこれらの誘導体
・あらゆる芳香性またはヘテロ芳香性の系で架橋された(ポリ)スチレン(any aromatic and heteroaromatic systems bridged (poly−)styrene)、他の芳香性またはヘテロ芳香性の環、芳香性またはヘテロ芳香性の系が結合した2級または3級アミン、一方の末端が芳香性の系または有機金属錯体で塞がれた(mono−endcapped)(ポリ)フェニレン
・以下の化合物の誘導体であって、置換または非置換のもの。
すなわち、a)一方の末端が芳香性の系で塞がれた(mono−endcapped)(ポリ)フェニレン、b)芳香性またはヘテロ芳香性のユニットで置換された2級または3級アミン、または、c)〜f)芳香性またはヘテロ芳香性の系であって、(ポリ)スチレン、他の(ポリ)芳香性またはヘテロ芳香性の環で架橋された系
構造式は以下で示される。
は、1〜4、好ましくは1〜2である。Ar、Ar、X、及びRは上述したとおりである。
有機染料は、また、リガンドLの群、例えばポルフィリン、フタロシアニン、コロール(corroles)であって、金属に結合していないものから選択される。
[発光体分子(発光体成分)]
発光体分子は、(効率的に)発光する一重項状態を有する有機分子である。発光体分子は、グループEから選択される。Eは、例えば、以下の群から選択されるが、これらに限定されない。
・置換または非置換のアントラセン、ナフタセン、ペンタセン、ルブレン、及びこれらの誘導体。コアは、以下の構造として示される。
Zは上述したとおりである。
・置換または非置換のペリレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ベンゾピレン、クリセン、ベンゾクリセン、フェナレン、アセナフチレン、コラヌレン。コアの構造は、以下に示される。
Zは、上述したとおりである。
・非芳香性、芳香性、及びヘテロ芳香性の縮合した系の誘導体であって、置換または非置換のもの、または、これらの構造のあらゆる組み合わせ。
コアの構造は以下に示される。
Zは、上述したとおりである。Yは、C、Si、N、S,Oである。
・(ポリ)シロール、(ポリ)ピロール、またはチオフェンに基づく化合物からなる群であって、置換または非置換のもの。コアの構造は以下に示される。
Z及びnは、上述したとおりである。Y1は、Si(Z)、‐N(Z)、またはSである。
発光体分子は、また、以下の一般式で現れる分子であってもよい。
pは、0〜20である。E及びAは上述したとおりである。Lmは、それが現れる場合には、この構造式の各部位(at each occurrence)において独立に選択されるリガンドである。
[増感剤及び発光体成分が分散される非活性のマトリックス]
このマトリックスは、VIS及び近IR領域の光を適度に透過し、定義済みの多様な粘度を有する。例は以下のとおりであるが、これらに限定されない。
・オリゴマー、及びコオリゴマー、すなわち、スチレン、メチルメタクリレート、フェノール、アクリル酸、ビニルアルコール、カーボネート、イミド、アミド、エチレン、エチレングリコール、プロピレン、プロプレングリコール、一般的なオレフィン及びオレフィングリコール、テレフタル酸、イプシロン‐カプロラクトン、置換及び官能化されたスチレン、メチルメタクリレート、アクリル酸、ビニルアルコール、カーボネート、イミド、アミド、エチレン、エチレングリコール、プロピレン、プロプレングリコール、一般的なオレフィン及びオレフィングリコール、及びこれらの可能なすべての混合物であって、粘度を変化及び制御するための有機溶媒または水を含むもの
・ポリマー及びコポリマー(ブロック、交互、及びグラフト共重合体)であって、分子量が10〜約10となるもの、例えば、以下のものであるが、これらに限定されない。すなわち、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、一般的なすべてのポリアクリル酸、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンタン(一般的なポリオレフィン)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリ‐L‐乳酸、ポリイプシロン‐カプロラクトン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、すなわちポリエチレン及びポリアルキレングリコール、及び、これらのすべての混合物(mixtures and blends)であって、粘度を変化及び制御するための有機溶媒または水を含むもの
・物理的及び化学的高分子ゲル、すなわち、a)上述したすべてのオリゴマー及びポリマーであって、これらに限定されないもの、及びこれらの混合物であって、粘度を調整するための低分子量の溶媒を含むものを、放射線照射(irradiation)により架橋したもの
・反応性の高いものを架橋したもの(reactive crosslinking)(エポキシ樹脂など)
上記で報告された従来技術のすべての有機物の系は、溶液に基づくものであった。このため、装置内でこれらを利用することは難しく、密閉された空間が必要であった。本願発明者は、光子エネルギーをアップコンバージョンするための媒体を発明した。この媒体は、有機増感剤及び発光体を基礎とするものであり、拡張された領域にこのような媒体をフィルムとして沈着させることができるマトリックスを含む。
具体的には、本発明のいくつかの実施形態においては、「増感剤」は、非線形の吸収体である。すなわち、この非線形の吸収体は、とりわけ高強度の入射光(light at high incident irradiation)に対して線形の振る舞いを示さないという吸収特性を示す。この吸収は、二つの光子の直接の励起過程の結果によるものであるので、増感剤は、十分に高いTPA横断面(cross−section)を有していなければならない。2つあるいは複数の光子(two−multi−photon)が順次に励起する場合には、これによって発光体が光制限化合物となり、ほとんどの場合で、発光体は、RSA(reverse saturable absorber)となる。これらの系は、基底状態での吸収作用よりも高い励起状態(一重項または三重項)での吸収作用を有するものとして、定義される。これらの吸収作用の遷移(scheme)は、図1で示されるように、5または6つのレベルのモデルで示される。この図では、S0が基底の一重項状態、S1、Sx、Snが、励起した一重項状態、T1及びTnが三重項状態となる。これらの化合物の性能は、基底状態の吸収作用(一重項及び三重項のレベルを含む)に対する励起状態の比、及び、飽和強度または流束(fluence)に特徴付けられる。良好な特性(すなわち、良好なアップコンバージョンの振る舞い)のために、基底状態の吸収作用に対する励起状態の吸収作用の比を高くする一方で、飽和強度または流束(fluence)を低くする必要がある。
「発光体」成分(すなわち、第2の成分)は、増感剤成分のあらゆる高励起状態(すなわち、一重項Snまたは三重項Tn)から励起エネルギーが遷移する励起エネルギーレベルを放射的に緩和する(emissively relaxing)必要がある。さらに、発光体成分の高い蛍光量子効率は、重要かつ好ましい。
本発明によれば、より大きな多用途性は、少なくとも二つの独立した活性化合物の特性を組み合わせる可能性という点において、達成される。新しい系/組成物は、それぞれの成分単独では示されない多様な特性を持って、生成される。固体、ゲル、または粘度が0.59x10−3Pa.s以上のマトリックスを使用することで、このような媒体をフィルムまたは他の所望の形状に形成することが可能となり、特に、このような媒体を多数のアプリケーションに適用することが可能となり、漏洩を避けるための所定の方策を講じる必要がない。例えば、吸収分子、すなわち「増感剤」は多様であり、これゆえ、アップコンバートされる低エネルギー波長も多様である。それに代わり、あるいはそれに加えて、発光分子は多様であり、これゆえ、アップコンバートした発光の高エネルギー波長に多様性を持たせることが可能になる。少なくとも1つの有機化合物を増感剤または発光体として用いるか、またはこれら両方に有機化合物を用いることで、有機化合物が有する良好なフィルム形成特性を利用することが可能になる。これにより、本発明の組成物を、特に、広い発光領域を有する光電子機器に適用することが可能になる。
本願で使用される「有機の」という用語は、その一般的に理解されている意味で使用される。すなわち、この用語は、炭素を含む化合物に関連する。本願で使用されるように、この用語は、元素炭素、少なくともフラーレンの形状のものを含む。さらに、「有機の」という用語は、特定のカーボン含有化合物、例えば水素を含まない炭素のカルコゲニド、例えばCO、CO、CS及びこれらの誘導体、例えばHCO、KSCNを除外し、さらに、炭素を含む元素の二元化合物であり、水または希釈された酸の影響により炭化水素に分解する塩様の炭化物を除外するものである。塩様の炭化物は、一般的な構造M またはMIIを有する。MまたはMIIは、1または2価の金属イオンを意味する。カルシウム、銀、及び銅の塩様の炭化物は、分解してアセチレンになり、アルミニウムの塩様の炭化物(Al)は、分解してメタンになる。さらに除外される炭素含有化合物であって、「有機の」という用語の一部を構成していないものは、金属炭化物である。この金属炭化物は、合金の特性を有する非化学量論的化合物である。これらは酸に耐性を示し、導電性である。
[実施例]
以下では、実施例となる図面に言及する。
図1は、TTAによりサポートされるアップコンバージョン過程を示すエネルギー図(scheme)案(proposed)である。点で描かれた経路は、アントラセン誘導体/金属(metallated)大員環系における、アップコンバージョンによるエネルギー励起の遷移を示す。例えば、アップコンバージョン対がBPEA/PdPhTBPとなる場合、光子励起のエネルギーは、1.98±0.08eVとなる一方、放射された光子のエネルギーは、2.5±0.1eVとなる。増感剤及び発光体の三重項多様体のエネルギー準位がスペクトルの重なりを有していること(when the energetic position of the triplet manifold the sensitizer and emitter have spectral overlap)が最適である。
図2は、本発明で使用される増感剤(A)及び発光体(B)の構成を示す。いくつかの研究された対であって、可能なものは、PdOEP(2,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリンパラジウム)及びDPA(9,10−ジフェニルアントラセン)、PdTPTBP(メソ‐テトラフェニル‐テロラベンゾポルフィリンパラジウム)及びBPEA(9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン)、PdTPTNP(メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム)及びBPEN(9,10−ビス(フェニルエチニル)ナフタセン)、X=OMe、PdTPTBP(上述)及びルブレン、PdTPTNP(メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム)及びルブレン、である。さらなる略語(abbreviations)については、以下に示す図6の説明を参照。
図3は、アップコンバージョンされた蛍光のCCDカメラによる画像である。この蛍光は、400ミクロン厚のアップコンバージョン層内のものであり、アップコンバージョン層は、密封されたポリカーボネート基質間に設けられる(前面の励起(frontal excitation))。(A)は、PdTPTBP/BPEA系の画像を示し、(B)は、PdTPTBP/ペリレン系の画像を示す。励起の強度は、35mWcm−2より小さく、λ=635nmである(シングルモードダイオードレーザー)。ブロッキングフィルター(blocking filter)は使用されていない。
図4は、例えば発光ディスプレイまたはスペクトル集約装置として使用される可能なアップコンバーターのさまざまな例を示す。より具体的には、(A)ルブレン/PdTPTNP(励起の波長λ=695nm、強度 100mWcm−2、シングルモードダイオードレーザー)、ポリカーボネート基質、Mnが400Da以下のPS(ポリスチレン)で構成される粘性のマトリックス、を用いたもの。粘度は0.59x10−3Pa.sより大きい。(B)ルブレン/PdTPTBP(励起の波長λ=635nm、強度100mWcm−2、シングルモードダイオードレーザー)、(押し出し)ポリスチレンで構成される基質、分子量が380DaとなるPSで構成される粘性のマトリックス、を用いたもの。粘度は0.59x10−3Pa.sより大きい。
図5は、本発明の媒体を太陽スペクトルの集約装置として使用したときの様子を示す。図5Aは、染料で増感された(sensitized)太陽電池(10μmのTiO、液体の電解質、及び、図5(B)で示される構造の染料)の電圧/電流特性を示す。黒い円は、アップコンバーターが無い場合を示し、青い円は、0.25cm−2の領域のレーザー励起によるアップコンバーター(up−converter laser excitation)が存在する場合を示し、オレンジの星は、約40Sunsの太陽光(Sun−light excitation ca. 40 Suns)、すなわち、620〜680nmのスペクトルの一部による励起がなされた場合を示す。アップコンバージョンの系:ペリレン/PdTPTBP(励起の波長λ=635nm、強度100mWcm−2、シングルモードダイオードレーザー)、ガラス基質、密封、400DaのPSによるマトリックス。図5Bは、研究(調査)対象の太陽電池のIPCEカーブを示す。挿入された構造は、電池に使用された染料の構造である。
図6は、さまざまな発光特性を示す多数の媒体サンプルを示す。具体的には、
1)緑の対(Green couple):DPA/PdOEP(緑λ=530nm→青λ=420nm);9,10−ジフェニルアントラセン(DPA)/2,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリンパラジウム(PdOEP)
2)赤から青への直接の対(Direct Red−to−Blue couple):ペリレン/PdTPTBP(赤λ=630nm→青λ450nm);ジベンズ[de,kl]アントラセン(ペリレン)/メソ‐テトラフェニル‐テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)
3)赤の対(Red couple):BPEA/PdTPTBP(赤λ630nm→緑λ485nm);9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)/メソ‐テトラフェニル‐テロラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)
4)赤外から黄の対(Infrared−to−yellow couple):ルブレン/PdTAP(赤外λ=810nm→黄λ=580nm);5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレン)/テトラアントラポルフィリンパラジウム(PdTAP)
5)近赤外の対(Near infra red couple):BPEN/PdTPTNP(近赤外λ=710nm→黄λ580nm);9,10−ビス(フェニルエチニル)ナフタセン(BPEN)/メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム(PdTPTNP)
6)赤外から緑への直接の対(Direct Infrared−to−Green couple):BPBT/PdTPTNP(赤外λ=810nm(近赤外λ=710nm)→緑λ=500nm);4,4’−ビス(5−テトラアセニル)−1,1’−ビフェニレン(BPBT)/メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム(PdTPTNP)
マトリックスは、ガラスのキュベット(glass quvette)で密封された400DaのPS(ポリスチレン)である。
図7は、図中に示した3つの対について、レーザー及び太陽光で励起を行った場合の比較を示す。各対の励起に使用される太陽光のスペクトルは、図中右に示される。マトリックスは、約400Daの分子量のPSが用いられる。溶媒は使用していない。
図8は、本発明による媒体の三次元のサンプルの例である。アップコンバージョンは、635nm〜約480nmで達成され、マトリックスは、2つの成分のエポキシ樹脂に基づく。アップコンバージョン対:BPEA/PdTPTBP(赤λ630nm→緑λ485nm);9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)/メソ‐テトラフェニル‐テロラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)
図9は、感光剤の例を示す。すなわち、
a)パラジウム(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチロキシ)−フタロシアニン(DOPdPc)
b)白金(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチロキシ)−フタロシアニン
c)パラジウム(II)2,11,20,29−テトラ−tert−ブチル−2,3−ナフタロシアニン
d)パラジウム(II)1,8,15,22−テトラフェノキシ−フタロシアニン(PhPdPc)
図10は、発光体としてルブレンを有する感光剤(PhPdPc)について、フェニル−ヘプタデカン(PHD)マトリックス中における感光剤の濃度を変化させた場合のアップコンバージョンスペクトルを示す。すなわち、
図10A)5x10−5M PhPdPc + 5x10−4M ルブレン
図10B)1x10−5M PhPdPc + 5x10−4M ルブレン
励起波長635nm
図10C)1x10−5M PhPdPc + 5x10−4M ルブレン
励起波長691nm
図11は、発光体としてルブレンを有する感光剤(DOPdPc)について、フェニル−ヘプタデカン(PHD)マトリックス中における感光剤が以下の濃度である場合のアップコンバージョンスペクトルを示す。
1x10−4M PhPdPc + 1x10−3M ルブレン。異なる曲線は、635nmにおける持続波(continuous wave)の励起の異なる強度に対応する(635nmにおけるcw)。
図12は、発光体の構造の例を示す。すなわち、
a)3−フェニル−ペリレン(PhP)
b)3−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−ペリレン(DFPP)
c)2,6−ジ−tert−ブチル−1,3,5,7,8−ペンタ−メチル−ピロメテン−フルオロホウ酸錯体(ボディパイ(bodipy))
d)ルビセン
図13は、一対のアップコンバージョンスペクトルを示す:ペリレンを有するメソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)、PhPを有するPdTPTBP、及び、DFPPを有するPDTPTBP;励起波長632nm,1mW;
図14は、一対のアップコンバージョンスペクトルを示す:ルビセンを有するPdTPTBP。励起波長は632nmである。説明文(the legend)に記載されているように、異なる曲線は、異なるレーザパワーに対応する;
図15は、1つの感光剤(PdTPTBP)と3つの発光体、すなわち、ペリレン、BPEA(ビス(フェニルエチニル)アントラセン)及びルビセンを有するアップコンバージョンの系のアップコンバージョンスペクトルを示す;マトリックスであるPHD中の濃度は、5x10−5M PdTPTBP及び1.5x10−4M ルビセン,1.5x10−4M ペリレン及び1.5x10−4M BPEA;励起波長632nm,1mW。
図16は、様々なマトリックス分子の構造の例を示す。すなわち、
a)1−フェニル−ヘプタデカン(PHD)−エチレンに基づいたオリゴマー,
b)1−フェニル−オクタデカン(POD)−エチレンに基づいたオリゴマー、結晶質、このオリゴマーは、粘度を調整するためにPHDに添加される,
c)ポリ(メチルフェニルシロキサン)710(登録商標)−粘度450−550cSt(25℃),
d)ビベンジル−結晶質(低分子)−粘度を調整するためにPHDに加えられる,
e)オリゴスチレン(PS400)
f)ポリスチレン−b−ポリ(エチレン/ブチレン)−b−ポリスチレン)ブロック共重合体(SEBS);
図17は、異なるマトリックス中に感光剤としてのPdTPTBP及び発光体としてのペリレンを有するアップコンバージョンの系のアップコンバージョンスペクトルを示す。全ての例における励起波長は632nmであった。
図17A)1−フェニル−ヘプタデカン(PHD)中,
図17B)PHD:POD=50:50の混合物中,
図17C)PHD:ビベンジル=96:4の混合物中,
図17D)ポリ(メチルフェニルシロキサン)710(登録商標)中,
図17E)PS400:PS600=50:50の混合物中,ここで、説明文に記載されているように、異なる曲線は、励起のための異なるレーザパワーに対応する,
図17F)アップコンバージョンシステム PdTPTBP+BPEA; PdTPTBP+ペリレン、及び、PdTPTBP+ルビセンの他に、SEBS中のPdTPTBP+BPEA+ペリレン+ルビセン;レーザパワー1mW; 差し込み図:150mWcm−2の非干渉性の(non−coherent)光源(LED)を用いて励起されたPdTPTBP+ペリレンの系;
図18は、染料で増感された(sensitized)太陽電池に結合した(combined with)、焦点が無く(non−focussed)、非干渉性の(non−coherent)光で作用するスペクトル集約(spectrum concentration)の例を示す。これは、染料で増感された太陽電池(DSSC)がアップコンバートされた発光(非干渉性の赤色LED、90mWcm−2)及び広域(20x20mm)のアップコンバーターとともに動作する原理の証明(proof−of−principle)である。より具体的には、本図は、アップコンバートされた非干渉性の光を用いたDSSCの特性評価(characterization)を行うための装置一式(set−up)を示す。すなわち、図18(a)は、装置一式の写真を示し、図18(b)は、装置一式の概略図を、アップコンバーター及び5パーセント集積された(collected)アップコンバート光(up−converted light)が照射されたDSSCの前面写真とともに示す。図18(c)は、装置一式に用いられるLEDのスペクトルを示す。アップコンバーターは、以下のアップコンバージョン系を含む。このアップコンバージョン系は、1つの増感剤(PdTPTBP)及び3つの発光体、すなわち、ペリレン、BPEA(9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン)、及びルビセンを含む。濃度は、マトリックスPHD内において、5x10−5M PDTPTBP、1.5x10−4M ルビセン、1.5x10−4M ペリレン、及び、1.5x10−4M BPEAとなる。アップコンバーター上での(on the upconverter)励起波(excitation wave)の波長は、633〜670nmであり、励起波のパワーは、90mWcm−2である。アップコンバーターは、20x20mmの活性領域を有している一方、DSSCの領域は10x10mmである。アップコンバートされた光子のうち、5パーセントだけ(only)がこの装置では集積され、これにより、JSCは100μA/cmだけ(only)となる。しかし、導波の構造(wave guide structures)を用いることで、約80%のアップコンバートされた(UC)光子が集積可能となることが予想される。
図19は、アップコンバージョンディスプレイの例を示す。2次元ディスプレイには、異なる色における透明ディスプレイ、1の励起源を有するマルチレイヤーディスプレイ、1の励起源を有する画素で構成されたディスプレイ(pixelated displays)、及び2の励起源を有するマルチレイヤーディスプレイが含まれる。これらの全てのディスプレイは、本発明に従って実現されうる。より具体的には、図19は、異なる発光色を有する透明ディスプレイを示す。励起波長は635nmである。A)は、青のアップコンバージョン対:メソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)+ペリレンを示す。B)は、緑のアップコンバージョン対:PdTPTBP+(ビス(フェニルエチニル)アントラセン)(BPEA)を示す。また、C)は、黄色のアップコンバージョン対:PdTPTBP+ルビセンを示す。
図20は、異なる層で異なる発光色を有するマルチレイヤーディスプレイのためのデモンストレーションとしての透明ディスプレイを示す。励起波長は635nmである。
A)青のアップコンバージョン対:メソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)+ペリレン、及び、緑のアップコンバージョン対:PdTPTBP+(ビス(フェニルエチニル)アントラセン)(BPEA);
B)青のアップコンバージョン対:メソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)+ペリレン、及び、黄色のアップコンバージョン対:PdTPTBP+ルビセン;
C)黄色のアップコンバージョン対:PdTPTBP+ルビセン、及び、緑のアップコンバージョン対:PdTPTBP+(ビス(フェニルエチニル)アントラセン)(BPEA);
D)青のアップコンバージョン対:メソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)+ペリレン、及び、緑のアップコンバージョン対:PdTPTBP+(ビス(フェニルエチニル)アントラセン)(BPEA)、及び、黄色のアップコンバージョン対:PdTPTBP+ルビセン。示されたディスプレイは、透明度の高い単色ディスプレイであり、これらのディスプレイは、間に距離をおいて配置され得る。このことは、同時に、透明度を維持している間、3次元効果を発生させる可能性がある。5以上の層は、原理上は可能である。
図21は、画素で構成されたディスプレイの第1の試作品を示す。この例における励起波長は635nmである。青のアップコンバージョン対は、メソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP)+ペリレンであり、緑のアップコンバージョン対は、PdTPTBP+(ビス(フェニルエチニル)アントラセン)(BPEA)である。
一の黄色のアップコンバージョン対は、PdTPTBP+ルビセンであり、他の黄色のアップコンバージョン対は、PdTPTBP+ルブレンである。
図22は、3次元ディスプレイの例を示す。原理の証拠として(as a proof of principle)、アップコンバージョンされた発光物(emission)の位置/画素、すなわち、発光した画素(emissive pixel)は、アップコンバージョンのための3次元媒体中で作られる。図22aは、PHD中に5x10−5MのPdTPTBP+5x10−4MのBPEAが含まれる系を示す。励起ビームは、直径6mmであり、ca.1100μmの長さとca.200μmの高さを有するスポットにおける開口数(NA)が0.25となるように焦点が合わせられる。励起波長は1.3mWのレーザパワーで685nmであった。
図22bは、PHD中に2.5x10−5MのPdTPTBP+5x10−4MのBPEAが含まれる系を示す。励起ビームは、直径10mmであり、ca.1000μmの長さとca.500μmの高さを有するスポットにおける開口数(NA)が0.1となるように焦点が合わせられた。励起波長は685nmであり、レーザパワーは15mWであった。これは、本発明に従った媒体を使用した3次元ディスプレイも可能である、という原理の証拠である。
明細書、請求の範囲、及び/又は図面に開示された本発明の特徴は、これらを単独で、及び、これを任意に組み合わせて、本発明を様々な形態で実現するための構成要素となり得る。


Claims (48)

  1. 光子のエネルギーをアップコンバージョンする媒体であって、
    少なくとも2つの成分と、前記少なくとも2つの成分が分散したマトリックスとを有し、
    第1の成分は、w以上x以下の第1の波長領域λ1にある光を吸収可能であり、前記マトリックス内で増感剤として振る舞い、
    第2の成分は、y以上z以下の第2の波長領域λ2にある光を放射可能であり、前記マトリックス内で発光成分として振る舞い、
    前記第1の波長領域λ1は、前記第2の波長領域λ2以上であり、
    前記第1の成分が、前記第1の波長領域λ1の光を吸収すると、前記発光成分が前記第2の波長領域λ2にある光を放射し、
    前記第1の成分及び前記第2の成分は、有機化合物であり、
    前記第1の成分及び前記第2の成分は、前記マトリックスに分散しており、
    前記マトリックスは、固体、ゲル、または粘度が0.59x10−3Pa.s以上の液体である、媒体。
  2. 前記マトリックスは、300〜1600nmの範囲の光を透過する、請求項1記載の媒体。
  3. 前記液体は、0.59x10−3〜1x10Pa.sの範囲内の粘度を有する、請求項1または2記載の媒体。
  4. 前記マトリックスは、弾性、可塑性、粘弾性、または粘塑性の性質を有する固体である、請求項1または2記載の媒体。
  5. 前記マトリックスは、1x10〜1x1017Pa.sの範囲内の粘度を有する有機または無機のガラスである、請求項1、2または4記載の媒体。
  6. 前記マトリックスは、0.59x10−3Pa.s以上の粘度を有する粘性の液体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の媒体。
  7. 前記マトリックスは、以下のオリゴマーから選択される1または複数の物質から生成され、
    前記オリゴマーは、有限数の単量体ユニット及びコオリゴマー(co−oligomers)を有し、
    前記コオリゴマーは、複数の単量体ユニットから成っており、
    前記単量体ユニットは、置換または非置換のスチレン、フェニレン、フェニレンジアミド、フェニレンジオール、メチルメタクリレート、フェノール、アクリル酸、ビニル、例えばビニルアルコールまたは塩化ビニル、乳酸、カルボハイドレート、カルボネート、イミド、アミド、例えばアクリルアミド、オレフィン、例えばエチレン及びプロピレン、酸化オレフィン、例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレン、オレフィングリコール、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコール、テレフタル酸、イプシロン−カプロラクタム、ウレタン、シラン、シロキサン、これらを置換及び官能化したもの、及び、これらのあらゆる組み合わせ、の類を含むがこれらに限定されず、
    前記マトリックスは、前記媒体の粘度を変化、調整、及び制御するために、1または複数の有機溶媒または水を随意かつ追加的に含む、請求項6記載の媒体。
  8. 前記マトリックスは、1x10−1の粘度を有する無機または有機ゲルである、請求項1、2、または4記載の媒体。
  9. 前記有機ゲルは、非共有結合を有する有機物理ゲル、または、共有結合を有し、好ましくは架橋された化学ゲルであり、
    架橋は、放射線照射(irradiation)、架橋用の化学物質の添加、またはこれら両方の処理を行うことで達成される、請求項8記載の媒体。
  10. 前記ゲルは、1または複数の直線状かつ分岐したポリマーを含み、
    前記ポリマーは、ポリスチレン、ポリフェニレン、ポリナフタレート、ポリテレフタレート、ポリオレフィンナフタレート、ポリオレフィンテレフタレート、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリフェニレンジアミド、ポリフェニレンジオール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェノール、ポリアクリル酸、ポリビニル、例えばポリビニルアルコールまたはポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、ポリカルボハイドレート、ポリカルボネート、ポリイミド、ポリアミド、例えばポリアクリルアミド、オレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリ酸化オレフィン、例えばポリ酸化エチレンまたはポリ酸化プロピレン、ポリオレフィングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、ポリテレフタル酸、ポリイプシロン−カプロラクタム、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、これらの組み合わせ、及びこれらの混合物(mixtures or blends)を含むが、これらに限定されず、
    前記マトリックスは、前記媒体の粘度を変化、調整、及び制御するために、1または複数の有機溶媒または水を随意かつ追加的に含む、請求項8または9記載の媒体。
  11. 前記マトリックスは、固体または1x10Pa.s以上の粘度を有するガラスである、請求項1、2、または4記載の媒体。
  12. 前記マトリックスは、サーモプラスチックポリマー、コポリマー(ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体)、またはこれらの混合物、及び/または、粘弾性または弾塑性(plastoelasticity)を制御及び調整するための1または複数の適切な溶媒から生成される、請求項11記載の媒体。
  13. 前記マトリックスは、ポリマー、または、ブロック共重合体、交互共重合体、及び/またはグラフト共重合体を含み、分子量が10〜10、好ましくは10〜約10となるコポリマーから生成され、
    前記ポリマーまたはコポリマーは、ポリスチレン、ポリフェニレン、ポリナフタレート、ポリテレフタレート、ポリオレフィンナフタレート、ポリオレフィンテレフタレート、例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリフェニレンジアミド、ポリフェニレンジオール、ポリメチルメタクリレート、ポリフェノール、ポリアクリル酸、ポリビニル、例えばポリビニルアルコールまたはポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、ポリカルボハイドレート、ポリカルボネート、ポリイミド、ポリアミド、例えばポリアクリルアミド、オレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリ酸化オレフィン、例えばポリ酸化エチレン、またはポリ酸化プロピレン、ポリオレフィングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、ポリテレフタル酸、ポリイプシロン−カプロラクタム、ポリウレタン、ポリシラン、ポリシロキサン、これらの組み合わせ、及びこれらの混合物(mixtures or blends)を含むが、これらに限定されず、
    前記マトリックスは、前記媒体の粘度を変化、調整、及び制御するために、1または複数の有機溶媒または水を随意かつ追加的に含む、請求項11記載の媒体。
  14. 前記マトリックスは、熱硬化性プラスチックから生成される、請求項11記載の媒体。
  15. 前記熱硬化性プラスチックは、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、好ましくは2つの成分からなるエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、及びフェノール−ホルムアルデヒド樹脂から選択される、請求項14記載の媒体。
  16. 前記マトリックスは、弾性の固体、より具体的には、高分子エラストマーから生成される、請求項1、2、または4記載の媒体。
  17. 前記マトリックスは、弾性の固体、より具体的には、高分子エラストマーから生成され、
    前記高分子エラストマーは、ポリアクリルゴム、シリコンゴム、フッ化シリコンゴム、フッ化エラストマー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテル−ブロック−アミド(polyether−block−amides)、及びオレフィンゴムから選択される、請求項16記載の媒体。
  18. 前記マトリックスは、前記媒体の光の照射(irradiation)による光子エネルギーのアップコンバージョン過程には関与しない、請求項1〜17のいずれか1項に記載の媒体。
  19. 前記第1の成分は第1の有機化合物であり、前記第2の成分は、第2の有機化合物である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の媒体。
  20. 前記第1の成分は、前記第2の成分と共有結合しておらず、かつ、複合体を形成していない(nor complexed)、請求項1〜19のいずれか1項に記載の媒体。
  21. 前記第1の成分は、前記第2の成分と共有結合し、または、複合体を形成している(complexed)、請求項1〜19のいずれか1項に記載の媒体。
  22. 前記第1及び第2の有機化合物は、互いに異なる化合物である、請求項19〜21のいずれか1項に記載の媒体。
  23. 前記第1及び第2の有機化合物は、炭素を含む化合物であり、
    前記炭素を含む化合物は、水素を含まない炭素のカルコゲニド、この誘導体、塩様の炭化物、金属炭化物、または金属カルボニルではない、請求項19〜22のいずれか1項に記載の媒体。
  24. 前記発光成分による前記第2の波長領域λ2の発光は、2つの電子の直接(direct)または順次(sequential)の励起、複数の電子の直接または順次の励起、または、高振動状態にある(populated)分子の励起(「ホットバンド(hot−band)吸収」)に基づくアップコンバージョン過程によって起こり、
    アップコンバージョン過程は、前記第1の成分からの前記第1の波長領域λ1の光を吸収することによって起こる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の媒体。
  25. 前記発光成分による前記第2の波長領域λ2の発光は、前記発光成分の光励起された分子間の三重項‐三重項消滅、及び/または、前記第1の成分の光励起された分子間の三重項‐三重項消滅、に基づくアップコンバージョン過程によって起こる、請求項1〜24のいずれか1項に記載の媒体。
  26. 前記第2の波長領域λ2は、360〜750nmの範囲であり、前記第1の波長領域λ1は、450〜1600nmの範囲である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の媒体。
  27. 前記第1の成分は、三重項状態(populated triplet)または三重項−一重項状態(mixed triplet−singlet state)を有する有機染料または分子、TPA(two−photon−absorbing)染料、光制限化合物、三重項状態を有する他の分子、または光制限化合物、例えばフラーレンまたはカーボンナノチューブである、請求項1〜26のいずれか1項に記載の媒体。
  28. 前記第2の成分は、有機染料である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の媒体。
  29. 前記第1の成分は、第1の有機染料であり、前記第2の成分は、第2の有機染料であり、前記第1及び第2の有機染料は同一または異なる、請求項1〜28のいずれか1項に記載の媒体。
  30. 前記第1及び/または第2の有機染料は、三重項状態を有するか、または2つの光子の直接及び/または順次の励起が可能な有機染料、複数の光子の直接及び/または順次の励起が可能な有機染料、非線形吸収が可能な有機染料、及び、ホットバンド吸収が可能な染料を含むグループから選択される、請求項29記載の媒体。
  31. 前記有機染料、特に前記第1の有機染料は、三重項状態を有する有機分子と、特に三重項状態を有する有機金属錯体とを含むグループから選択され、
    前記有機金属錯体は、波長の制御を確実に行うために、例えば、Li、Mg、Al、Ti、V(VO)、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb、U(UO)を含む有機錯体、またはこれらの組み合わせとなるがこれらに限定されない、請求項27〜30のいずれか1項に記載の媒体。
  32. 前記第1の有機染料は、三重項状態を有する化合物を含むグループから選択され、
    前記三重項状態を有する化合物は、
    ・拡張された(extended)ポルフィリン、テキサフィリン、サフィリン、オレンジリン(orangerins)(炭素で架橋された(carbon−bridged)あらゆるピロール系)、置換されたポリフィリン、及び、これらのあらゆる分子(ポルフィリン)であって、Li、Mg、Al、Ti、V(VO)、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb、U(UO)を含むがこれらに限定されない金属を含むもの、を含むポルフィリン、
    ・拡張されたフタロシアニン、置換されたフタロシアニン、及び、これらのあらゆるフタロシアニンであって、Li、Mg、Al、Ti、V(VO)、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pb、U(UO)を含むがこれらに限定されない金属を含むもの、を含むフタロシアニン、
    ・これらのあらゆるものの混合物(mixtures)、
    を含むが、これらに限定されず、
    前記第2の有機染料は、360〜750nmの範囲の蛍光発光を示す化合物、特に、360〜750nmの範囲の蛍光発光を示す蛍光性の染料を含むグループから選択され、
    前記蛍光性の染料は、例えば、
    ・アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、
    ・置換されたアントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン
    ・フェニル(ビ、トリフェニル)架橋アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン
    ・フルオレン、チオフェン
    ・あらゆる側鎖パターンを有するか、または有しないポリフルオレン及びオリゴフルオレン、及びこれらの共重合体、
    ・ポリパラフェニレンビニレン、及び、ポリパラフェニレンエチニレンを含む、ポリパラフェニレン、
    である、請求項31記載の媒体。
  33. 前記第1及び前記第2の有機染料は、前記第1の有機染料の三重項状態が、三重項‐三重項消滅過程及びそれに続く前記第2の染料の励起した一重項状態へのエネルギー遷移が起こるエネルギーレベルにあるように選ばれる、請求項31または32記載の媒体。
  34. 前記第1及び第2の成分は、以下のものから選択される、請求項1〜34のいずれか1項、特に請求項31〜33のいずれか1項に記載の媒体。
    a)緑の対(Green couple):DPA/PdOEP;
    (すなわち、9,10−ジフェニルアントラセン(DPA)/2,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィリンパラジウム(PdOEP))
    b)赤の対(Red couple):BPEA/PdTPTBP;
    (すなわち、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)/メソ‐テトラフェニル‐テロラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP))
    c)近赤外の対(Near infra red couple):BPEN/PdTPTNP;
    (すなわち、9,10−ビス(フェニルエチニル)ナフタセン(BPEN)/メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム(PDTPTNP))
    d)赤から青への直接の対(Direct Red−to−Blue couple):ペリレン/PdTPTBP;
    (すなわち、ジベンズ[de,kl]アントラセン(ペリレン)/メソ‐テトラフェニル‐テトラベンゾポルフィリンパラジウム(PdTPTBP))
    e)赤外から緑への直接の対(Direct Infrared−to−Green couple):BPBT/PdTPTNP;
    (すなわち、4,4’−ビス(5−テトラアセニル)−1,1’−ビフェニレン(BPBT)/メソ‐テトラフェニル‐オクタメトキシド‐テトラナフト[2,3]ポルフィリンパラジウム(PdTPTNP))
    f)赤外から黄の対(Infrared−to−yellow couple):ルブレン/PdTAP;
    (すなわち、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレン)/テトラアントラポルフィリンパラジウム(PdTAP))
  35. 前記第1及び前記第2の成分は、前記マトリックスに均一に分散している、請求項1〜34のいずれか1項に記載の媒体。
  36. 前記第1及び前記第2の成分は、平均の寸法(dimension)が5nm〜999μmとなる粒子にカプセル化され、これらの粒子が前記マトリックスに均一に分散している、請求項1〜34のいずれか1項に記載の媒体。
  37. 前記粒子の平均の寸法は、10nm〜999μmである、請求項36記載の媒体。
  38. 前記粒子は、前記粒子を前記マトリックスに分散させる官能基によって官能化されている表面を有し、
    前記官能基は、好ましくは、H、‐(CHCH、‐(CH‐COOR、‐(CH‐OR、‐(CH‐SR、‐(CH‐NR、‐((CH‐O)‐CH、であり、
    Rは、H、置換または非置換のアルケニルまたはアルキニル、ハロゲン、例えばCl、Br、F、I、NO、NH、CN、SOH、またはOH
    である、請求項36または37記載の媒体。
  39. 少なくとも1つの基質と、
    好ましくは前記少なくとも1つの基質に沈着し、または接触した請求項1〜38のいずれか1項に記載の媒体と、
    を備える、光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  40. 前記媒体は、1またはいくつかの層として、前記基質に沈着し、いくつかの層として沈着する場合には、前記基質上に多層構造を形成する、請求項39記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  41. 2以上の基質を備え、
    前記基質の間に、前記媒体が挟まれている、請求項39または40記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  42. 前記基質は、それぞれ独立して(independently, at each occurrence)、好ましくはガラス、石英、シリコン、窒化物、または炭化物から選択される固体の基質、これらのあらゆるものからなるシート、または、柔軟性のある基質、例えばポリマーシート及び樹脂膜である、請求項39〜41のいずれか1項に記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  43. 前記媒体は、2つのガラスの基質に挟まれている、請求項39〜42のいずれか1項に記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  44. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の媒体を備え、
    前記媒体は、所望の形状、例えば球体、立方体、平行六面体(paralleliped(parallelepiped))、または不規則な形状の物体に形成される、光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  45. スペクトル集約装置、特に、太陽電池、温室、または窓、例えば家、車、または他の物体の窓に設けられる、太陽のスペクトルを集約するスペクトル集約装置、スペクトル幅が変わる光源のためのスペクトル集約装置、例えば放射線のフィルター(emissive filtering)、ディスプレイ、例えば放射性の(emissive)アップコンバージョンレーザープロジェクションディスプレイ、または、温度センサである、請求項39〜44のいずれか1項に記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置。
  46. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の媒体、または、請求項39〜45のいずれか1項に記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置の使用方法であって、
    前記媒体または前記光子エネルギーアップコンバージョン装置を、スペクトル集約装置、特に、太陽電池、温室、または窓に設けられる、太陽のスペクトルを集約するスペクトル集約装置、スペクトル幅が変わる光源のためのスペクトル集約装置、例えば放射線のフィルター、ディスプレイ、例えば放射性のアップコンバージョンレーザープロジェクションディスプレイ、ディスプレイシステムまたは、温度センサとして使用する、媒体または光子エネルギーアップコンバージョン装置の使用方法。
  47. ・請求項1〜38のいずれか1項に記載の媒体、または、請求項39〜45のいずれか1個に記載の光子エネルギーアップコンバージョン装置を用意するステップと、
    ・前記媒体または前記光子エネルギーアップコンバージョン装置に、450nm〜1600nmの範囲の波長の電磁波を照射するステップと、
    を含む、光子エネルギーアップコンバージョン方法。
  48. 前記電磁波は、太陽のスペクトルのあらゆる部分、またはすべての部分である、請求項47記載の方法。

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