JP2016033185A - 波長変換材料及び光エネルギーデバイス - Google Patents

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尚洋 藤沼
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純一郎 安西
剛之 小林
Takeyuki Kobayashi
剛之 小林
悠 長原
Yu Nagahara
悠 長原
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Abstract

【課題】励起光を高い変換効率で該励起光より波長の短い光に変換して発光する波長変換材料を提供する。【解決手段】第一の波長の光を吸収する波長変換物質6と、前記第一の波長より短い第二の波長の光を発する波長変換物質7と、担持体3とを備え、隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち、一つ以上の波長変換物質7に、波長変換物質6が少なくとも一つ隣接し、波長変換物質6及び波長変換物質7がそれぞれ、担持体3の表面3sの少なくとも一部に、化学結合によって連結している。【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換材料及び光エネルギーデバイスに関する。
近年、無機化合物や有機分子等からなる機能材料を用いた光触媒や人工光合成、或いは太陽電池、センサー等の光エネルギーデバイスが種々開発されている。
現在開発されている光エネルギーデバイスは、可視光に感度を有する、即ち可視光を照射してエネルギーを発生させるものが多い。その要因として、例えば可視光より波長が短く、エネルギーが高い紫外光は、光エネルギーデバイスに基材側から照射した際に、機能材料に到達する前に基材に吸収されてしまうことが挙げられる。この場合、機能材料に照射され難いだけでなく、基材の劣化を加速してしまうことも懸念される。一方、可視光より波長が長く、エネルギーが低い赤外光は、機能材料に吸収されないことが挙げられる。この場合、光エネルギーデバイスの基材を構成する分子の熱振動を促進することで光エネルギーデバイスの劣化を促進させてしまうことが懸念される。
このような中、エネルギー需要の増大に伴い、光エネルギーデバイスの感度領域を可視光より短波長の光、或いは可視光より長波長の光に拡大する試みが行われている。そして、後者に対して、ある波長の光をその光よりも短波長の光に変換する技術(アップコンバージョン技術)が近年注目されている。
アップコンバージョンの構成としては、2つのエネルギー供与体(Donor,以下D体という)と2つのエネルギー受容体(Accepter,以下A体という)からなるものが知られている。この構成では、図4に示すように、先ずD体(1),(2)が波長λの励起光を吸収し、励起状態になる。次に、D体(1),(2)からA体(1),(2)にそれぞれ励起エネルギーが移動し、A体(1),(2)が励起状態になる。さらに、A体(1)からA体(2)に励起エネルギーが移動し、A体(1)が基底状態に戻ると共に、A体(2)がよりエネルギーの高い励起状態になる。そして、A体(2)が基底状態に戻る際に、励起光よりも短波長λの光を発する。
上記のようなアップコンバージョンを生じる構成として、例えば特許文献1には、有機化合物のD体及びA体と、D体及びA体が分散したマトリックスと、を有する波長変換材料が開示されている。この波長変換材料では、D体からA体への励起エネルギー移動、及び一方のA体から他方のA体への励起エネルギーの移動が生じるためには、D体とA体とがマトリクス中に拡散し、且つ衝突する必要がある。このため、D体とA体のマトリクス中での拡散がボトルネックとなって、波長変換効率が低下する懸念があった。
上記懸念をふまえ、例えば特許文献2には、A体をホストとし、D体をゲストとした固体状の波長変換材料が提案されている。
一方、例えば、非特許文献1には、担持体に有機分子を固着させることで有機分子同士を近接させた波長変換材料が提案されている。
特許第5491408号公報 国際公開第2009/071281号
The Journal of Physical Chemistry,2011,115,23226−23232
しかしながら、特許文献2に記載の波長変換材料では、発光したA体の周囲に多数のA体が存在するため、A体同士による光吸収(再吸収)が生じてしまい、光が材料の外部に放出されず、波長変換効率が低下する問題があった。また、非特許文献1に記載の波長変換材料では、D体もA体も無機粒子の表面に析出しているだけであって、D体及びA体の担持体に対する吸着量の制御が困難である。そのため、A体同士による光吸収(再吸収)が生じてしまうことや、D体からA体への励起エネルギーの移動、及び一方のA体から他方のA体への励起エネルギーの移動が円滑に行われないことにより、波長変換効率が低下する問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、励起光を高い変換効率で該励起光より波長の短い光に変換して発光する波長変換材料の提供を課題とする。
また、本発明は、励起光を照射した際に高い変換効率で該励起光より波長の短い光に変換して活用する光エネルギーデバイスの提供を課題とする。
本発明の波長変換材料は、前記第一の波長の光を吸収する第一の物質と、前記第一の波長よりも短い前記第二の波長の光を発する第二の物質と、担持体とを備え、隣り合う二つ以上の前記第二の物質のうち、一つ以上の前記第二の物質に前記第一の物質が少なくとも一つ隣接し、前記第一の物質及び前記第二の物質がそれぞれ、前記担持体の表面の少なくとも一部に化学結合によって連結していることを特徴とする。
上記の波長変換材料では、第一の波長の光が照射されると、第一の物質が第一の波長の光を吸収して基底状態から励起状態になる。或いは第一の物質は、第一の物質同士で励起エネルギーの移動が生じることにより、少なくとも一つの第一の物質が励起状態になる。第二の物質は、励起状態にある第一の物質から、励起エネルギーを受け取り、基底状態から励起状態になる。
さらに、励起状態にある第二の物質同士で、エネルギー移動が生じ、隣り合う第二の物質が励起状態となる。この時、一方の第二の物質から他方の第二の物質に励起エネルギーが移動し、他方の第二の物質がより高いエネルギーの励起状態になる。この後、他方の第二の物質の電子が励起状態から基底状態に戻る際に、第二の波長の光が発せられる。
隣り合う二つ以上の第二の物質のうち、一つ以上の第二の物質の近傍に第一の物質が少なくとも一つ、担持体の表面に化学結合している。これにより、第一及び第二の物質間のエネルギー移動が行われやすい各物質の配置が安定的に保持されるので、第二の物質の過度な凝集が抑えられ、第二の物質同士による光吸収(再吸収)が抑制され、第一及び第二の物質間のエネルギー移動が円滑に行われる。その結果、第一の波長の光が高い変換効率で第二の波長の光に変換され、第二の波長の光が波長変換材料の外方に向けて放出される。
また、本発明の波長変換材料においては、前記第一及び第二の物質が官能基を少なくとも一つ以上有し、前記官能基が前記担持体と前記化学結合によって連結するヘテロ元素を含有していることが好ましい。
上記の波長変換材料では、部分的に電子密度の違いが生じることで反応活性点が生じるので、波長変換物質と担持体とが化学結合によって、より強固に連結する。従って、波長変換物質の凝集がより抑制される。
また、本発明の波長変換材料においては、前記官能基が、カルボン酸基、シリル基、ヒドロキシ基、リン酸基、アルデヒド基、アミノ基、アミド基、チオール基、スルホン基からなる群より選ばれた一種であることが好ましい。
また、本発明の波長変換材料においては、前記第一及び第二の物質が、カルボン酸塩、リン酸塩、アミン塩、スルホン酸塩からなる群より選ばれた一種であることが好ましい。
上記の波長変換材料では、第一及び第二の物質の担持体表面への吸着量の制御が容易になり、第一及び第二の物質の凝集状態を調整することが可能となる。
また、本発明の波長変換材料においては、前記担持体が無機酸化物又は有機高分子であることが好ましい。
上記の波長変換材料において、担持体が無機酸化物である場合、該無機酸化物は第一及び第二の物質よりも大きな体積且つ剛直な形状とすることが容易であり、第一及び第二の物質のより好適な担持体となる。さらに、一般的な無機酸化物の表面に存在するOH基(水酸基)もしくは金属と第一もしくは第二の物質の官能基とが化学結合することができるので、第一及び第二の物質の担持体に対する吸着量の制御が容易になる。また、無機酸化物の組成を選択することで、担持体が波長変換に該当する第一及び第二の波長の光に対して吸収特性を持たないようにさせ、波長変換効率の低下を抑制することができる。
上記の波長変換材料において、担持体が有機高分子である場合、高分子鎖に反応活性点を導入することで、第一及び第二の物質と化学結合でき、吸着量の制御が容易になる。また、有機高分子の組成を適宜選択することで、担持体が波長変換に該当する第一及び第二の波長の光に対して吸収特性を持たないようにさせ、波長変換効率の低下を抑制することができる。
また、本発明の波長変換材料においては、前記担持体の形状は、平板状や粒子状であってもよい。粒子状である場合は平均粒径が10nm以上100μm以下の微粒子であることが好ましい。
上記の波長変換材料では、担持体が粒子状である場合、平均粒径が10nm以上100μm以下の微粒子の表面の少なくとも一部に上記波長変換物質が連結している。これにより、波長変換材料の取り扱い及び製造が容易になる。
また、本発明の波長変換材料においては、前記担持体が多孔質であることが好ましい。
上記の波長変換材料では、担持体に多数の細孔があるので、第一及び第二の物質が細孔にも存在するため、好ましい。多孔質の担持体では、予め担持体を剛直に形成した上で、表面に第一及び第二の物質を担持させることで、第一及び第二の物質の吸着量の制御が容易になる。
本発明の光エネルギーデバイスには、上記波長変換材料が用いられていることを特徴とする。
上記の光エネルギーデバイスでは、波長変換材料の存在している位置に第一の波長の光が照射されると、上述のように波長変換材料の第一の物質が励起状態になり、上記説明したエネルギー移動が生じ、第一の波長の光が第二の波長の光に効率よく変換され、第二の物質から第二の波長の光が発せられる。第二の波長の光はそのまま光エネルギーデバイスの外部に出力されるか、光エネルギーデバイスで電流・電圧等に変換されて出力される、或いは機械等を作動させるエネルギー源になる。従って、照射された第一の波長の光が光エネルギーデバイス内で効率よく活用され、光エネルギーデバイスの出力が増大する。
また、本発明の光エネルギーデバイスは、透明基材と、透明電極と、前記第二の波長の光が照射された際に電子を放出可能な光電極と、電解質と、対向電極と、対向基材とを備え、前記透明基材、前記透明電極、前記光電極、前記電解質、前記対向電極、前記対向基材のうち少なくとも何れかが前記波長変換材料を有していてもよい。
上記の光エネルギーデバイスでは、透明基材の外方から光エネルギーデバイスの内部に向けて第一の波長の光が照射された際に、波長変換材料から高い強度の第二の波長の光が発せられ、光電極に照射されるので、光電極からより多くの電子が放出され、光エネルギーデバイスが効率よく作動する。
また、本発明の光エネルギーデバイスは、透明電極と、半導体素子と、対向電極とを備え、前記透明電極、前記半導体素子、前記対向電極のうち少なくとも何れかが前記波長変換材料を有していてもよい。
上記の光エネルギーデバイスでは、透明電極又は対向電極の外方から光エネルギーデバイスの内部に向かって第一の波長の光が照射された際に、波長変換材料から高い強度の第二の波長の光が発せられ、半導体素子に照射されるので、半導体素子における電子及び正孔の移動量が増加し、光エネルギーデバイスが効率よく作動する。
本発明によれば、励起光を高い変換効率で該励起光より波長の短い光に変換して発光する波長変換材料が提供される。
また、本発明によれば、励起光を照射した際に高い変換効率で該励起光より波長の短い光に変換して活用する光エネルギーデバイスが提供される。
本発明の実施形態である波長変換材料を示す模式図である。 本発明の実施形態である光エネルギーデバイスを示す断面図である。 本発明の実施形態である別の光エネルギーデバイスを示す断面図である。 アップコンバージョンの構成における光吸収と発光の原理を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態である波長変換材料及び光エネルギーデバイスについて、図1及び図4を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更できる。
図1は、本実施形態の波長変換材料10を示す模式図である。
波長変換材料10は、波長λ(第一の波長)の光を吸収し、波長λより短い波長λ(第二の波長)の光を発する材料であって、波長変換物質6,7と担持体3から構成されている。隣り合う二つ以上の波長変換物質7(第二の物質)のうち、一つ以上の波長変換物質7に、波長変換物質6(第一の物質)が少なくとも一つ隣接している。個々の波長変換物質6,7は、担持体3の表面3sに化学結合によって連結している。図1には、隣り合う二つの波長変換物質7のそれぞれに、波長変換物質6が一つ隣接している配置を例示しているが、隣り合う波長変換物質7は二つに限定されず、二つ以上であってよく、偶数個であることが好ましい。また、隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち一つ以上の波長変換物質7に隣接する波長変換物質6も一つに限定されず、二つ以上であってもよい。また、前記化学結合としては、特に制限されないが、例えば共有結合、配位結合、イオン結合、水素結合等の結合が挙げられる。
以下、各構成要素について順次説明する。
波長変換物質6は、波長λの光を吸収し、波長変換物質7に励起エネルギーを渡す物質であって、いわゆるアップコンバージョンの構成におけるD体である。
図4は、アップコンバージョンの構成における光吸収と発光の原理を説明するための概略図である。図4に示すように、二つの波長変換物質6,6(図4におけるD体(1),(2))に波長λ且つエネルギーhνの光が入射すると、波長変換物質6のそれぞれの電子(図示略)がエネルギーEの基底準位からエネルギーEの励起準位に遷移する。このとき、エネルギーhνは、基底準位と励起準位のエネルギー差(E−E)より大きい。電子は、より安定になるべく、エネルギーEの励起準位に遷移する。なお、このときE<E<Eの関係が成り立つ。続いて、励起エネルギーが隣接する波長変換物質7に移動する。
波長変換物質7は、波長変換物質6から励起エネルギーを受け取り、波長λの光を発する物質であって、いわゆるアップコンバージョンの構成におけるA体である。図4に示すように、二つの波長変換物質7,7(図4におけるA体(1),(2))に二つの波長変換物質6,6からそれぞれ励起エネルギーが移動すると、波長変換物質7のそれぞれエネルギーEに励起した電子が存在する励起状態となる。その後、一方の波長変換物質7(図4におけるA体(1))から他方の波長変換物質7(図4におけるA体(2))に励起エネルギーが移動する。一方の波長変換物質7は、エネルギーEに励起した電子が存在する状態からエネルギーE´に電子が存在する状態に失活する。他方の波長変換物質7は、エネルギーEに励起した電子が存在する状態から、より高いエネルギーEに励起した電子が存在する状態に遷移する。続いて、他方の波長変換物質7の電子は、エネルギーEの励起準位から基底準位へと遷移する。この際に励起エネルギーが波長λの光となって波長変換材料10の外方に向かって放出される。
詳細には、波長変換物質6は、波長λの光を吸収した後に、先ず一重項状態となり、その後三重項状態となる。また、波長変換物質7は波長変換物質6からエネルギーを受け取るが、その際に生成される励起状態は三重項状態である。これらの三重項励起状態の波長変換物質6同士がエネルギー移動を起こし、最終的に高位の励起状態が生成される。
なお、本実施形態において、波長変換物質6の吸収波長λ及び波長変換物質7の発光波長λは、λ>λの関係が成立すれば、特に制限されない。
上記機構を鑑み、波長変換物質6,7間のエネルギー移動が円滑に行われ、波長λの光が波長変換材料10の外方により高い強度で放出される点から、波長変換物質6は、一重項状態と三重項状態のエネルギーが比較的近く、且つ三重項状態を生成しやすい物質が好ましい。また、波長変換物質7は、三重項状態が失活しにくい物質が好ましい。
また、二つ以上の波長変換物質7を隣接させ、且つ隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち、一つ以上の波長変換物質7のそれぞれに波長変換物質6を少なくとも一つ隣接させた配置を安定的に保持する点から、波長変換物質6,7は官能基を少なくとも一つ以上有し、前記官能基が担持体3と化学結合によって連結するヘテロ元素を含有していることが好ましい。これにより、部分的に電子密度の違いが生じることで反応活性点が生じるので、波長変換物質6,7と担持体3とが化学結合によって、より強固に連結する。
また、波長変換材料10における波長変換物質6と波長変換物質7との比率は、例えば波長変換物質7に対して波長変換物質6が0.001%以上1%以下であることが好ましい。波長変換物質6と波長変換物質7との比率が前記範囲内であれば、上記の配置が安定的に形成され、図4に示す波長変換物質6,7間のエネルギー移動がより一層効率よく円滑に行われるので、波長変換材料10における波長変換効率が向上する。
さらに、波長変換物質6,7の表面3sへの吸着量の制御が容易になり、波長変換物質6,7の凝集状態を調整可能になる点から、前記官能基が、カルボン酸基、シリル基、ヒドロキシ基、リン酸基、アルデヒド基、アミノ基、アミド基、チオール基、スルホン基からなる群より選ばれた一種であることが好ましい。
同観点から、波長変換物質6,7は、カルボン酸塩、リン酸塩、アミン塩、スルホン酸塩からなる群より選ばれた一種であることが好ましい。
上記説明した波長変換物質6としては、例えば下記化学式(1)で表されるテトラキス(4−カルボキシフェニル)白金(II)ポルフィリン(PtTCPPy)、下記化学式(2)で表されるテトラキス(4−カルボキシフェニル)パラジウム(II)ポルフィリン、下記化学式(3)で表されるトリス(2,2´−ビピリジル−4,4´−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)等が挙げられる。
Figure 2016033185
なお、PtTCPPyでは、上記化学式(1)のRがカルボン酸基(COOH)である。
Figure 2016033185
なお、テトラキス(4−カルボキシフェニル)パラジウム(II)ポルフィリンでは、上記化学式(2)のRがカルボン酸基(COOH)である。
Figure 2016033185
なお、トリス(2,2´−ビピリジル−4,4´−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)では、上記化学式(3)のRがカルボン酸基(COOH)である。
また、上記説明した波長変換物質7としては、例えば下記化学式(4)で表される9,10−ビス(p−ベンゾイックアシッド)アントラセン(BBA)、下記化学式(5)で表される1−ピレンカルボン酸、下記化学式(6)で表される2−アントラセンカルボン酸等が挙げられる。
Figure 2016033185
なお、BBAでは、上記化学式(4)のRがカルボン酸基(COOH)である。
Figure 2016033185
Figure 2016033185
担持体3は、二つ以上の波長変換物質7を隣接させ、且つ隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち一つ以上の波長変換物質7に波長変換物質6を少なくとも一つ隣接させた配置で、波長変換物質6,7を表面3sに吸着(連結)しておくための物質である。波長変換物質6,7の担持体3に対する吸着量の制御が容易になる点から、担持体3は無機酸化物又は有機高分子であることが好ましい。担持体3が無機酸化物である場合、該無機酸化物は波長変換物質6,7よりも大きな体積を有し、且つ剛直な形状となり易い。また、担持体3が無機酸化物である場合、表面3sに存在するOH基(水酸基)もしくは金属と波長変換物質6,7の官能基とが容易に化学結合することで、波長変換物質6,7が表面3sに連結した状態となっている。このような無機酸化物としては、例えばシリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)等が挙げられる。
担持体3が有機高分子である場合、高分子鎖に反応活性点を導入することで、波長変換物質6,7と化学結合することで、波長変換物質6,7が表面3sに連結した状態となっている。このような有機高分子としては、例えばポリビニルアルコールを分散剤に用いて作製した塩化ビニル系樹脂微粒子、反応性界面活性剤を用いて作製したポリ(メタ)アクリル酸系樹脂微粒子、官能基を有するラジカル重合開始剤を用いて作製したポリスチレン樹脂微粒子等が挙げられる。
担持体3が粒子状であれば、波長変換材料10の取り扱い及び製造を容易にする点から、担持体3は平均粒径が10nm以上100μm以下の微粒子であることが好ましい。また、一つの担持体3が保有する波長変換物質6,7の数をより多くする点から、担持体3は多孔質であることが好ましい。これらの観点を兼ね備えていることから、担持体3としては例えばシリカ微粒子、酸化チタン微粒子が好適である。
また、より高い強度の波長λの光を波長変換材料10の外方へ放出させる点から、担持体3は波長λに対して吸収特性を持たない物質であることがより好ましい。例えば、波長変換材料10に吸収される光の波長λ1、及び波長変換材料10から発光される波長λが450nm≦λ<λ<700nmの関係を満たす場合、担持体3が450nm以上700nm以下の波長に吸収特性を持たないことが好ましい。このような担持体3には、例えばシリカ、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)がある。
次いで、波長変換材料10の製造方法について説明する。
第一の製造方法として、先ず波長変換物質6,7及び担持体3の各原料を所定の濃度の適当な溶媒に溶かして撹拌する。なお、波長変換物質6,7の溶液の濃度は、波長変換物質7に対して波長変換物質6が0.001%以上10%以下となるように適宜設定することが好ましい。これにより、表面3sに、波長変換物質7に対して波長変換物質6が0.001〜10%の範囲で存在する可能性が高まる。また、上記説明した好適な条件をふまえて分子設計或いは配位設計された波長変換物質6,7を用いることで、一つの担持体3に対し、図1に例示した配置を含む、二つ以上の波長変換物質7を隣接させ、且つ隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち、一つ以上の波長変換物質7に波長変換物質6を少なくとも一つ隣接させた配置で、表面3sの少なくとも一部に、波長変換物質6,7がそれぞれ化学結合によって連結する。これにより、前記溶液中に波長変換材料10が形成される。この後、遠心分離機等を用いて溶媒から波長変換材料10を分離し、必要に応じて洗浄する。
第二の製造方法として、先ず担持体3の原料を適当な物質と混合し、スクリーン印刷等の方法により基板上に成膜する。その後、担持体3が成膜された基板を所定の温度及び時間で焼成し、波長変換物質6,7の原料を所定の濃度に溶かした溶液に浸漬する。本手法においても、波長変換物質6,7の溶液の濃度は、波長変換物質7に対して波長変換物質6が0.001%以上10%以下となるように適宜設定することが好ましい。これにより、第一の製造方法と同様に、表面3sに、波長変換物質7に対して波長変換物質6が0.001〜10%の範囲で存在する可能性が高まる。また、上記説明した好適な条件をふまえて分子設計或いは配位設計された波長変換物質6,7を用いることで、二つ以上の波長変換物質7を隣接させ、且つ隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち、一つ以上の波長変換物質7のそれぞれに波長変換物質6を少なくとも一つ隣接させた配置が実現される。さらに、本工程では、担持体の材料をシリカや酸化チタンとすると、担持体3を多孔質のシリカ微粒子、酸化チタン微粒子(以下、これらをシリカ多孔体、酸化チタン多孔体という)とすることができ、担持体3に連結する波長変換物質6,7の数を容易に増やすことができる。以上により、複合膜に波長変換材料10が形成される。
上記作業により、図1に示す波長変換材料10が得られる。なお、上述した第一及び第二の製造方法は波長変換材料10を製造する方法の一例であり、波長変換材料10の製造方法は第一及び第二の製造方法に限定されない。
次いで、本実施形態の光エネルギーデバイスについて説明する。
図2は、本実施形態の光エネルギーデバイス20を示す模式図である。
図2に示すように、光エネルギーデバイス20は、いわゆる色素増感型太陽電池であって、作用電極21と、作用電極21に対向配置された対極22と、作用電極21と対極22との間に介在する電解質23と、を少なくとも備えて構成されている。電解質23には、波長変換材料10が含まれている。電解質23の側方は、封止材24によって封止されている。作用電極21と対極22には、外部回路(図示略)が接続されている。
なお、図2には、波長変換材料10が電解質23に含まれている光エネルギーデバイス20の構成を例示しているが、波長変換材料10は光電極27の一部に適用されていてもよい。
作用電極21は、透明基材25と、透明電極26と、光電極27とが順次積層された電極である。
透明基材25は、透明電極26及び光電極27の基台となるものである。また、透明基材25は、後述する光電極27の増感色素が電子を放出するための源となる波長λの光よりも長い波長λの光の少なくとも一部を透過することができるものである。透明基材25の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミドが知られている。
透明電極26は、スパッタリング法や印刷法により透明基材25の一方の板面上に形成されている。透明電極26は、透明基材25と同様に、波長λの光を透過することができるものである。透明電極26には、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、二酸化スズ(SnO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が用いられる。
光電極27は、色素増感型太陽電池の発電層として機能するものであり、金属酸化物等からなる不図示の光電極粒子と光電極粒子に担持させた増感色素によって構成されている。光電極粒子としては、ナノオーダーの多孔質層を形成し、下層の表面積よりも極めて大きな表面積が得られる点から、酸化チタン(TiO)粒子が好適である。
増感色素は、光電極27に照射される波長λの光によって電子を放出するものである。放出された電子は、光電極粒子に受け渡されて透明電極26に円滑に移動し、不図示の外部回路に取り出される。増感色素としては、例えばルテニウム錯体、シアニンやクロロフィル等の有機色素が知られている。吸収する波長域が広い上に、光励起の寿命が長く、光電極粒子からなる多孔質層に受け渡された電子が安定する点から、増感色素としてはルテニウム錯体が好適である。ルテニウム錯体には、例えば、シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)、該シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)のビス−テトラブチルアンモニウム塩がある。
対極22は、対向基材28と、対向電極29とが順次積層された電極である。
対向基材28は、対向電極29の基台となるものであり、透明基材25と厚み方向に所定の間隔をあけて配置されている。対向電極29は、スパッタリング法や印刷法により対向基材28の一方の板面上に形成されている。対向基材28及び対向電極29の材質としてはそれぞれ、透明基材25及び透明電極26と同様のものが挙げられるが、特に限定されない。
電解質23は、作用電極21と対極22と封止材24によって囲まれた空間内に充填されており、波長変換材料10と、光エネルギーデバイス20に電気を流すための酸化還元対とを含む物質である。このような酸化還元対としては、例えば酸化還元電位が低いヨウ素(ヨウ化物イオン(I)/三ヨウ化物イオン(I ))や臭素(臭化物イオン(Br)/三ヨウ化物イオン(I ))が挙げられる。ヨウ化物イオンを含む電解質23の材料としては、例えば、アセトニトリルやプロピオニトリル等の非水系溶媒、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムやヨウ化ブチルメチルイミダゾリウム等の溶媒、又は、ガンマブチロラクトン等の溶媒に、ヨウ化リチウムとヨウ素とが混合されてなる溶液等が挙げられる。
封止材24の材質としては、特に限定されず、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの材料を混合して用いてもよい。
次いで、本実施形態の光エネルギーデバイス20の製造方法について説明する。
先ず、ヨウ化リチウムとヨウ素とが混合されてなる溶液等の酸化還元対を含む材料に、予め、波長変換材料10を溶かして撹拌し、電解質23とする。波長変換材料10を作用電極21の一部に適用する場合、光電極粒子を製膜した後、波長変換材料10を適当な方法で塗布する。
この後、上記得られた電解質23を用い、公知の色素増感型太陽電池の製造方法と同様の作業を行う。これにより、光エネルギーデバイス20が完成する。
次いで、本実施形態の別の光エネルギーデバイスについて説明する。
図3は、本実施形態の光エネルギーデバイス30を示す模式図である。
図3に示すように、光エネルギーデバイス30は、いわゆる半導体型太陽電池であって、基材31と、基材31の一方の板面上に形成された透明電極32と、透明電極32の上に形成された半導体35,36(半導体素子)と、半導体36の上に形成された対向電極37と、を少なくとも備えて構成されている。半導体35,36のうちいずれか一方は、後述する半導体39であってもよい。半導体36と対向電極37との界面38には、波長変換材料10が膜状に形成されている。透明電極32と対向電極37には、外部回路(図示略)が接続されている。
基材31は、透明電極32の基台となる部材であり、光エネルギーデバイス20の透明基材25と同様の材質から構成されていてもよく、ガラス基板等で構成されていてもよい。なお、基材31は省略されていてもよい。
透明電極32及び対向電極37は、後述する半導体35,36における電子が移動するための源となる波長λの光よりも長い波長λの光の少なくとも一部を透過することができるものである。
半導体35は、P型半導体から構成されている。P型半導体としては、例えばホウ素(B)等の三価の元素が微量にドープされたケイ素(Si)が挙げられる。
一方、半導体36は、N型半導体から構成されている。N型半導体としては、例えばヒ素(As)やリン(P)等の五価の元素が微量にドープされたケイ素(Si)が挙げられる。
半導体39(図示略)は、真性半導体から構成され、例えばドープのないケイ素で構成されている。
次いで、本実施形態の光エネルギーデバイス30の製造方法について説明する。
公知のシリコン半導体型太陽電池の製造方法と同様の作業を行い、半導体36の上に対向電極37を形成する前に、印刷法等により半導体36の上に波長変換材料10を成膜する。そして、波長変換材料10の上に対向電極37を形成する。これにより、光エネルギーデバイス30が完成する。
以上説明したように、本実施形態の波長変換材料10は、波長λの光を吸収する波長変換物質6と、波長λよりも短い波長λの光を発する波長変換物質7と、担持体3とを備え、隣り合う二つ以上の波長変換物質7のうち、一つ以上の波長変換物質7に波長変換物質6が少なくとも一つ隣接し、波長変換物質6,7がそれぞれ、表面3sの少なくとも一部に化学結合によって連結している。
これにより、波長変換物質6,7間のエネルギー移動が行われやすい波長変換物質6,7の配置が安定的に形成及び保持されるので、波長変換物質7の過度な凝集が抑えられ、波長変換物質7同士による光吸収(再吸収)が抑制される。その結果、波長変換物質6,7間のエネルギー移動が円滑に行われ、波長λの光が高い変換効率で波長λの光に変換され、波長λの光が波長変換材料10の外方に向けて放出される。
また、波長変換材料10においては、波長変換物質6,7が官能基を少なくとも一つ以上有し、前記官能基が担持体3と化学結合によって連結するヘテロ元素を含有していることが好ましい。
上記構成により、部分的に電子密度の違いが生じることで反応活性点が生じるので、波長変換物質6,7と担持体3とが化学結合によって、より強固に連結する。従って、波長変換物質の凝集がより抑制される。従って、波長λの光を波長変換材料10の外方に向けて効率よく放出させることができる。
また、波長変換材料10においては、前記官能基が、カルボン酸基、シリル基、ヒドロキシ基、リン酸基、アルデヒド基、アミノ基、アミド基、チオール基、スルホン基からなる群より選ばれた一種であることが好ましい。
また、波長変換材料10においては、波長変換物質6,7が、カルボン酸塩、リン酸塩、アミン塩、スルホン酸塩からなる群より選ばれた一種であることが好ましい。
上記構成により、波長変換物質6,7の表面3sへの吸着量の制御が容易になり、波長変換物質6,7の凝集状態を調整することが可能となる。従って、波長λの光を波長変換材料10の外方に向けて効率よく放出させることができる。
また、波長変換材料10においては、担持体3が無機酸化物又は有機高分子であることが好ましい。
担持体が無機酸化物である場合、無機酸化物は波長変換物質6,7よりも大きな体積且つ剛直な形状とすることが容易であり、波長変換物質6,7のより好適な担持体となる。さらに、一般的な無機酸化物の表面に存在するOH基もしくは金属と波長変換物質6もしくは波長変換物質7の官能基とが化学結合できるため、波長変換物質6,7の担持体3に対する吸着量の制御が容易になる。また、無機酸化物の組成を選択することで、担持体3が波長変換に該当する波長λ,λの光に対して吸収特性を持たないようにさせ、波長変換効率の低下を抑制すると共に、波長λの光を効率よく取り出すことができる。
担持体3が有機高分子である場合、高分子鎖に反応活性点を導入することで、波長変換物質6,7と化学結合でき、吸着量の制御が容易になる。また、有機高分子の組成を適宜選択することで、担持体3が波長変換に該当する波長λ,λの光に対して吸収特性を持たないようにさせ、波長変換効率の低下を抑制すると共に、波長λの光を効率よく取り出すことができる。
また、本発明の波長変換材料においては、担持体3の形状は、平板状や粒子状であってもよい。担持体3の形状が粒子状である場合は平均粒径が10nm以上100μm以下の微粒子であることが好ましい。
この構成により、平均粒径が10nm以上100μm以下の微粒子の表面の少なくとも一部に波長変換物質6,7が連結している状態になるので、波長変換材料10の取り扱い及び製造が容易になる。
また、波長変換材料10においては、担持体3が多孔質であることが好ましい。
上記構成により、担持体3に多数の細孔があるので、波長変換物質6,7が細孔にも存在する。このような多孔質の担持体3では、予め担持体3を剛直に形成した上で、表面3sに波長変換物質6,7を担持させることで、波長変換物質6,7の吸着量の制御が容易になる。従って、波長λの光を波長変換材料10の外方に向けて効率よく放出させることができる。
また、本実施形態の光エネルギーデバイス20では、透明基材25と、透明電極26と、光電極27と、電解質23と、対向電極29と、対向基材28とがこの順で積層され、電解質23の内部、もしくは光電極27の一部に波長変換材料10が存在している。このような構成において、図2に示す矢印L1の方向から波長λの光が入射すると、波長変換物質6が波長λの光を吸収し、波長変換物質7に励起エネルギーを移動させる。波長変換物質7から発せられた波長λの光は、光電極27の増感色素に照射され、吸収される。波長変換材料10は効率よく波長λの光を発するので、光電極27の増感色素は、光電極粒子により多くの電子を放出する。放出された電子は、光電極粒子からなる多孔質層中を移動して透明電極26に至る。その後、電子は作用電極21に接続された配線を通り、外部回路を介して対極22の対向電極29に至る。その一方で、酸化された増感色素は電解質23に含まれる酸化還元対から電子を受け取る。このような反応が繰り返し継続されることで光エネルギーデバイス20に電流が流れる。
このように、本実施形態の光エネルギーデバイス20に波長変換材料10が用いられることで、図2に示す矢印L1の方向から波長λの光が入射したときに、波長変換材料10の波長変換物質7からより高い強度の波長λの光が放出されるので、光エネルギーデバイス20における発電量が増加し、光エネルギーデバイス20の出力の増大が図られる。また、本実施形態の光エネルギーデバイス20では、感度を有する波長領域が光電極27が電子を放出可能な波長λだけではなく、波長λより長い波長λに拡大される。
さらに、本実施形態の光エネルギーデバイス30は、透明電極32と、半導体35,36と、対向電極37とがこの順で積層され、半導体36と対向電極37との界面38に波長変換材料10が存在している。このような構成において、図3に示す矢印L2の方向から波長λの光が入射すると、波長変換物質6が波長λの光を吸収し、波長変換物質7に励起エネルギーを移動させる。波長変換物質7から発せられた波長λの光は、半導体35,36、もしくは半導体39に照射される。半導体36に生成した電子は対向電極37へ移動し、対向電極37に接続された配線を通り、外部回路を介して透明電極32に至る。このような動作により、光エネルギーデバイス30に電流が流れる。
このように、本実施形態の光エネルギーデバイス30に波長変換材料10が用いられることで、図3に示す矢印L2の方向から波長λの光が入射したときに、波長変換材料10の波長変換物質7からより高い強度の波長λの光が効率よく放出されるので、光エネルギーデバイス30における移動する正孔及び電子の量が増加し、光エネルギーデバイス30の出力の増大が図られる。また、本実施形態の光エネルギーデバイス30では、感度を有する波長領域が波長λに拡大される。
なお、上記では、電解質23もしくは光電極27の一部に波長変換材料10が含まれている光エネルギーデバイス20の構成を例示して説明した。本発明を適用した光エネルギーデバイス20においては、透明基材25の外方から光電極27に向かう方向(即ち、図2に示す矢印L1の方向)から波長λの光を照射した際に、その光が波長変換材料10に入射すればよい。従って、波長変換材料10は、例えば、透明基材25の外面又は内部、透明基材25と透明電極26との界面、透明電極26の内部、透明電極26と光電極27との界面、電解質23の内部、電解質23と対向電極29との界面、対向電極29等の位置に存在していてもよい。また、本実施形態の光エネルギーデバイス20においては、波長変換材料10が電解質23の封止材24の側に存在していてもよい。このような構成により、上記説明した本実施形態の光エネルギーデバイス20と同様の効果が得られる。
また、上記では、半導体36と対向電極37との界面38に波長変換材料10が存在する光エネルギーデバイス30の構成を例示して説明した。本発明を適用した光エネルギーデバイス30においては、対向電極37の外方から半導体35,36に向かう方向(即ち、図3に示す矢印L2の方向)、或いは透明電極32の外方から半導体35,36に向かう方向から波長λの光を照射した際に、その光が波長変換材料10に入射可能であればよい。従って、波長変換材料10は、例えば、透明電極32の外面又は内部、透明電極32と半導体35との界面、半導体35,36の内部、半導体36と対向電極37との界面等の位置に存在していてもよい。このような構成により、上記説明した本実施形態の光エネルギーデバイス30と同様の効果が得られる。
なお、本発明の光エネルギーデバイスは、上記説明した光エネルギーデバイス20,30に限定されず、その他の形態の色素増感型太陽電池やシリコン半導体型太陽電池であってもよく、照射された光からエネルギーを発生させて動作するものであればこれらの太陽電池以外のデバイスであってもよい。色素増感型太陽電池やシリコン半導体型太陽電池以外のデバイスとしては、例えば、CdTe太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、有機薄膜太陽電池、CIS太陽電池,CIGS太陽電池等が挙げられる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、本発明を適用した光エネルギーデバイスの一例として、いわゆる色素増感型太陽電池やシリコン半導体型太陽電池である光エネルギーデバイス20,30を例示して説明したが、本発明の光エネルギーデバイスはこれらの太陽電池に限定されない。本発明の光エネルギーは、波長変換材料10に波長λの光が照射された際に発せられる波長λの光を動力源として作動可能なものであればよい。
次に、本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
波長変換物質6としてのPtTCPPyの濃度が0.05mMであり、波長変換物質7としてのBBAの濃度が5mMのアセトニトリル溶液10mlに、担持体としての平均粒径1μmのシリカ微粒子を2g添加し、30分間撹拌した。得られた複合微粒子を遠心分離で溶媒から分離し、アセトニトリルで洗浄した。その後、10mlのトルエンに5gの前記複合微粒子を混合し、ガラス基板上にキャストし、膜厚5μmの複合膜を形成した。
(実施例2)
シリカ微粒子の代わりに平均粒径1μmの酸化チタン微粒子を用いること以外は実施例1と同様にして、複合膜を形成した。
(実施例3)
担持体としての平均粒径20nmのシリカ微粒子をエチルセルロース、ターピネオールに混合し、スクリーン印刷にてガラス基板上に塗布した後、520℃で30分間焼成した。その後、ガラス基板を波長変換物質6としてのPtTCPPyの濃度が0.05mMであり、波長変換物質7としてのBBAの濃度が5mMのアセトニトリル溶液に、30℃の環境下で5時間浸漬して複合膜を形成した。
(実施例4)
シリカ微粒子の代わりに平均粒径20nmの酸化チタン微粒子を用いること以外は実施例3と同様にして、複合膜を形成した。
(比較例1)
PtTCPPyの代わりにPtTPPyを用いること以外は実施例1と同様にして、複合膜を形成した。なお、PtTPPyは、前記化学式(1)におけるRを水素(H)としたものである。
(比較例2)
BBAの代わりにDPAを用いること以外は比較例1と同様にして、複合膜を形成した。なお、DPAは、前記化学式(4)におけるRを水素(H)としたものである。
(比較例3)
PtTCPPyの濃度が0.05mM、BBAの濃度が5mMのアセトニトリル溶液をガラス基板上にキャストし、膜厚5μmの複合膜を形成した。
(実施例1〜4及び比較例1〜3の複合膜の評価)
実施例1〜4及び比較例1〜3で形成した複合膜を水に浸漬させ、窒素(N)でバブリングを行いながら、波長532nmの光を照射し、分光器を用いて発光スペクトルを計測することで、発光スペクトルのピーク強度を比較し、4段階で評価した。発光スペクトルのピーク波長は435nmであった。
各複合膜からの発光スペクトルのピーク強度に関する評価結果を表1に示す。なお、表1において、各評価結果はそれぞれ、
4・・・複合膜の発光スペクトルのピーク強度が比較例3の複合膜の発光スペクトルのピーク強度より10%以上増加した場合、
3・・・複合膜の発光スペクトルのピーク強度が比較例3の複合膜の発光スペクトルのピーク強度より2%以上10%未満増加した場合、
2・・・複合膜の発光スペクトルのピーク強度が比較例3の複合膜の発光スペクトルのピーク強度より2%未満増加或いは減少した場合、
1・・・複合膜の発光スペクトルのピーク強度が比較例3の複合膜の発光スペクトルのピーク強度より2%以上減少した場合、
であることを示す。
Figure 2016033185
表1に示すように、何れの実施例の複合膜(波長変換材料)においても、比較例3の複合膜と比較して発光スペクトルのピーク強度が10%以上増加した。これに対し、何れの比較例の複合膜(波長変換材料)においても、発光スペクトルのピーク強度は、比較例3の複合膜とほぼ同等であった。
従って、本発明を適用した波長変換材料に波長532nmの光を照射した際に、波長変換材料から、照射した光の波長よりも短い波長435nmの光が発せられ、且つ発光強度が大きくなり、本発明の有効性が実証された。
3…担持体、3s…表面、6,7…波長変換物質、10…波長変換材料、20,30…光エネルギーデバイス、23…電解質、25…透明基材、26,32…透明電極、27…光電極、28…対向基材、29,37…対向電極、35,36,39…半導体(半導体素子)

Claims (10)

  1. 前記第一の波長の光を吸収する第一の物質と、前記第一の波長よりも短い前記第二の波長の光を発する第二の物質と、担持体とを備え、
    隣り合う二つ以上の前記第二の物質のうち、少なくとも二つの前記第二の物質のそれぞれに前記第一の物質が少なくとも一つ隣接し、
    前記第一の物質及び前記第二の物質がそれぞれ、前記担持体の表面の少なくとも一部に化学結合によって連結していることを特徴とする波長変換材料。
  2. 前記第一及び第二の物質が官能基を少なくとも一つ以上有し、
    前記官能基が前記担持体と前記化学結合によって連結するヘテロ元素を含有していることを特徴とする請求項1に記載の波長変換材料。
  3. 前記官能基が、カルボン酸基、シリル基、ヒドロキシ基、リン酸基、アルデヒド基、アミノ基、アミド基、チオール基、スルホン基からなる群より選ばれた一種であることを特徴とする請求項2に記載の波長変換材料。
  4. 前記第一及び第二の物質が、カルボン酸塩、リン酸塩、アミン塩、スルホン酸塩からなる群より選ばれた一種であることを特徴とする請求項3に記載の波長変換材料。
  5. 前記担持体が無機酸化物又は有機高分子であることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の波長変換材料。
  6. 前記担持体は平均粒径が10nm以上100μm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のうち何れか一項に記載の波長変換材料。
  7. 前記担持体が多孔質であることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の波長変換材料。
  8. 請求項1〜7のうち何れか一項に記載の波長変換材料が用いられていることを特徴とする光エネルギーデバイス。
  9. 透明基材と、透明電極と、前記第二の波長の光が照射された際に電子を放出可能な光電極と、電解質と、対向電極と、対向基材とを備え、
    前記透明基材、前記透明電極、前記光電極、前記電解質、前記対向電極、前記対向基材のうち少なくとも何れかが請求項1〜7のうち何れか一項に記載の前記波長変換材料を有していることを特徴とする光エネルギーデバイス。
  10. 透明電極と、半導体素子と、対向電極とを備え、
    前記透明電極、前記半導体素子、前記対向電極のうち少なくとも何れかが請求項1〜7のうち何れか一項に記載の前記波長変換材料を有していることを特徴とする光エネルギーデバイス。

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