JP2011249019A - 光電変換装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】光電変換装置は、透明電極2とこの面に形成され色素が担持される酸化物半導体層3とを有する作用電極と、対向電極5と、電解質層4とを有し、酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下であり、同表面の吸着水濃度が0.03個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下である。光電変換装置の製造方法は、透明電極2の面に酸化物半導体層3を形成する第1工程と、酸化性雰囲気における低温プラズマ処理によって、酸化物半導体層の表面の水酸基濃度を0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下、同表面の吸着水濃度を0.03個/nm2以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御する第2工程と、酸化物半導体層に色素を担持させる第3工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止の面から、太陽光を直接電気エネルギーに変換する太陽電池が注目され、研究開発が推進されている。
太陽電池は、光電変換材料として結晶性シリコン、アモルファスシリコンを用いたものが主流である。太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する性能を表す光電変換効率は、結晶シリコン系太陽電池の方がアモルファスシリコン系太陽電池に比較して高いので、従来、太陽電池には結晶シリコン系太陽電池が多く用いられてきた。しかし、結晶シリコン系太陽電池は、シリコンの結晶成長に多くのエネルギーと時間とを必要とするため、生産性が低く、コストが高い。
アモルファスシリコン系太陽電池には、結晶シリコン系太陽電池に比較してより広い波長領域の光を吸収して利用することができること、種々の材質の基板材料を選択することができ、大面積化が容易であること等の特徴がある。また、結晶化が不要であるため、結晶シリコン系太陽電池に比較すると、生産性よく低コストで製造できる。しかし、光電変換効率は結晶シリコン系太陽電池よりも低い。
結晶性シリコン、アモルファスシリコンを使用した太陽電池の他に、多孔質金属酸化物半導体に色素を担持させ構成された電極を用いた色素増感型太陽電池がある。色素増感型太陽電池は、シリコン系太陽電池と比較すると、製造に必要な原料に資源的な制約が少ないこと、真空設備を必要とせず、印刷方式や流れ生産方式で製造することができ、製造コスト、設備コストが安くすむという利点がある。
一般的な色素増感型太陽電池は、透明導電層の面に多孔質金属酸化物半導体層を形成しこれに色素を担持させてなる作用電極と、透明又は不透明な導電層及び/又は触媒層からなる対向電極とを有し、電解質層を介して作用電極と対向電極を対向させ配置した構成を有している。例えば、多孔質金属酸化物半導体層として酸化チタン、色素としてルテニウム錯体等の増感色素、電解質層としてヨウ素を主体とする電解質が使用されている。
色素増感型太陽電池における多孔質金属酸化物半導体層、例えば、多孔質酸化チタン層は、一般的に、酸化チタン粒子の分散ペーストを調製しこれを透明導電層の面に塗布、乾燥し、粒子間の接合状態を向上させ、電子拡散性を向上させる目的で、350℃〜450℃で焼成している(例えば、後記する特許文献1を参照。)。
基材として樹脂(ポリマー)を使用する色素増感型太陽電池では、樹脂(ポリマー)が溶融しない低温での低温焼成での多孔質酸化チタン層の形成が試みられている(例えば、後記する非特許文献1を参照。)。また、基材として樹脂(ポリマー)を使用する色素増感型太陽電池では、多孔質金属酸化物半導体層の製造方法として金属酸化物粒子層を加圧する方法がある(非特許文献2、特許文献2を参照)。
なお、多孔質二酸化チタン層のプラズマ処理等による表面改質法が知られている。(例えば、後記する特許文献1、特許文献3を参照。)。
また、酸化物半導体表面における吸着水及び水酸基量は、固体表面の温度を一定速度で上昇させながら、酸化物半導体表面からの脱離化学種による圧力変化や、脱離化学種の量の変化を測定することにより、表面の吸着化学種、その吸着量や吸着状態、表面からの脱離過程の解析から、算出することができ、昇温脱離分析法として確立されている。(例えば、後記する非特許文献3を参照。)。
特許文献1に記載のように、多孔質金属酸化物半導体層における粒子間の接合状態を向上させ、電子拡散性を向上させる目的で、350℃〜450℃での高温の焼結プロセスをとっているため、使用可能な基材がガラスのような耐熱性の高い材質に限られるので、色素増感型太陽電池に使用する基材の材料費や製造時に消費するエネルギー費等の製造コストを高価なものとしている。
また、非特許文献1に記載のように、基材として樹脂(ポリマー)を使用する色素増感型太陽電池では、樹脂(ポリマー)が溶融しない低い温度での低温焼成での多孔質酸化チタン層の形成が試みられているが変換効率は低いものであり、低温焼成で形成された多孔質酸化チタン層はもろく、これを使用した電池の耐久性が低いものであった。低温焼成では焼結時間も比較的長時間となり、この点からも量産時のプロセスとしては問題があった。
非特許文献2及び特許文献2に記載されているような、金属酸化物粒子層を加圧して多孔質金属酸化物半導体層を形成しようとする方法では、加圧処理のみ場合、用いられる圧力が数百kgf/cm2と高圧であるため高圧の油圧装置が必要な上、ロールツーロール等の連続生産装置では圧力を伝達するロールが磨耗、破壊しやすい、処理速度が遅い等の点で、連続生産には不向きな方法であった。
色素増感型太陽電池を構成する多孔質金属酸化物半導体層の形成においては高温での焼成処理が必要とされており、使用する基材、透明導電層からなる透明電極にも耐熱性が要求される。通常の透明電極であるITO等は、このような耐熱性を有していないために、特に耐熱性に優れた透明電極であるフッ素ドープ酸化スズを用いる必要があるが、フッ素ドープ酸化スズは、導電性が劣り、太陽電池のような大面積を必要とする用途には不適当である。
更に、色素増感型太陽電池の光電変換効率を増大させるには、多孔質金属酸化物半導体層の特性向上が重要であり、多孔質金属酸化物半導体層への色素吸着量の増大、多孔質金属酸化物半導体層からの逆電子過程の抑制、多孔質金属酸化物半導体層における酸化物粒子内及び粒子間の電子拡散性の増大等の改善が要求されている。
なお、特許文献1に、二酸化チタン層をプラズマ処理して表面の水酸基濃度を増大させることによって色素吸着量を増大させることが記載され、特許文献3に、二酸化チタン層をプラズマ処理することによって変換効率を改善させることが記載されているが、二酸化チタン層の表面の水酸基濃度、吸着水濃度の値については記載がされていない。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、色素が担持される多孔質金属酸化物半導体層が形成された作用電極(例えば、後述の実施の形態における透明電極2)を有し、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下である、光電変換装置に係るものである。
また、本発明は、作用電極(例えば、後述の実施の形態における透明電極2)の面に多孔質金属酸化物半導体層を形成する第1工程と、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度を0.01個/(nm)2以以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御する第2工程と、前記多孔質金属酸化物半導体層に色素を担持させる第3工程とを有する、光電変換装置の製造方法に係るものである。
本発明によれば、色素が担持される多孔質金属酸化物半導体層が形成された作用電極(例えば、後述の実施の形態における透明電極2)を有し、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下であるので、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された前記多孔質金属酸化物半導体層を有する光電変換装置よりも高い変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、本発明によれば、作用電極の面に多孔質金属酸化物半導体層を形成する第1工程と、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度を0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御する第2工程と、前記多孔質金属酸化物半導体層に色素を担持させる第3工程とを有するので、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して前記多孔質金属酸化物半導体層を形成する工程を有する光電変換装置の製造方法よりも高い変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態における、色素増感型光電変換装置の構成を説明する図である。 同上、色素増感型光電変換装置の製造方法を説明する図である。 本発明の実施例における、色素増感型太陽電池に使用した二酸化チタン層における水酸基及び吸着水の濃度と光電変換効率の関係を説明する図である。 同上、二酸化チタン層における水酸基及び吸着水の濃度と光電変換効率の関係を説明する図である。 同上、二酸化チタン層における水酸基及び吸着水の濃度と光電変換効率の関係を説明する図である。 同上、二酸化チタン層における水酸基と吸着水の濃度の関係を説明する図である。 同上、二酸化チタン層のプラズマ処理におけるRF出力と、光電変換効率の関係、及び、水酸基、吸着水の濃度の関係を説明する図である。 同上、二酸化チタン層の表面における水酸基と吸着水の吸着を説明する図である。 同上、昇温脱離スペクトルの例を示す図である。
本発明の光電変換装置では、前記水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、3.0個/(nm)2以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、前記水酸基濃度が0.02個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、前記水酸基濃度が0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水濃度が0.03個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2 以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された前記多孔質金属酸化物半導体層を有する光電変換装置よりも高い変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、前記吸着水濃度が0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、前記吸着水濃度が0.07個/(nm)2以上、2.5個/(nm)2以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
また、前記吸着水濃度が0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
本発明の光電変換装置の製造方法では、前記水酸基濃度を0.01個/(nm)2以上、3.0個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記水酸基濃度が0.02個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記水酸基濃度を0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水濃度を0.05個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された前記多孔質金属酸化物半導体層を有する光電変換装置よりも高い変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記吸着水濃度を0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記吸着水濃度を0.07個/(nm)2以上、2.5個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記吸着水濃度を0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下となるように制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面を、プラズマ処理、紫外線照射処理、加熱処理の少なくとも1つを行うことによって、前記水酸基濃度を制御する構成とするのがよい。このような構成によれば、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された前記多孔質金属酸化物半導体層を有する光電変換装置よりも高い変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記プラズマ処理を酸化性雰囲気中で行う構成とするのがよい。このような構成によれば、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された前記多孔質金属酸化物半導体層を有する光電変換装置よりも高い変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、前記プラズマ処理を、平行平板型プラズマ、バレル型プラズマ、マイクロ波型プラズマ、ECR型プラズマ、ヘリコン波プラズマ、ホローカソード放電プラズマ、表面波プラズマ、アークジェットプラズマの何れかを使用して行う構成とするのがよい。このような構成によれば、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された前記多孔質金属酸化物半導体層を有する光電変換装置よりも高い変換効率を有する光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、本発明の光電変換装置及びその製造方法では、前記水酸記濃度及び前記吸着水濃度により、水酸基濃度(個/(nm)2)/{水酸基濃度(個/(nm)2)+吸着水濃度(個/(nm)2)}によって定義される比αが、0.11以上、0.45以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記比αが、0.11以上、0.40以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記比αが、0.11以上、0.35以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面を、プラズマ処理を行うことによって、前記水酸基濃度の制御を行い、前記プラズマ処理におけるプラズマパワー(RF出力)が100W以上、700W以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面を、プラズマ処理を行うことによって、前記水酸基濃度の制御を行い、前記プラズマ処理におけるプラズマパワー(RF出力)が180W以上、660W以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面を、プラズマ処理を行うことによって、前記水酸基濃度の制御を行い、前記プラズマ処理におけるプラズマパワー(RF出力)が300W以上、580W以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明の光電変換装置及びその製造方法では、前記金属酸化物半導体粒子が、チタン、亜鉛、錫又はニオブの酸化物の少なくとも一種類以上の粒子からなる構成とするのがよい。このような構成によれば、高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記金属酸化物半導体粒子が、ブルッカイト型又はアナターゼ型の二酸化チタン粒子である構成とするのがよい。このような構成によれば、高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、前記金属酸化物半導体粒子の平均一次粒径が5nm以上、500nm以下である構成とするのがよい。このような構成によれば、高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
色素増感型太陽電池の発電特性は光照射によるエネルギーを最大限利用するために、多孔質金属酸化物半導体層に担持させる光増感色素の量を制御することが非常に重要である。この光増感色素の吸着量に影響を与える最大の要因は、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基量や吸着水量である。
気体分子の運動エネルギーは電子の運動エネルギーよりもはるかに小さい状態にあり、ガス温度よりも電子温度の方が非常に高く熱的に非平衡状態で系全体の温度が比較的低い状態にある低温プラズマを形成することによって、圧力の低い酸化性ガス雰囲気下では、酸素原子は効率的に原子核(イオンや中性ラジカル)と電子に分離され、低い温度領域で、酸化種を安定に形成することができる。
このような減圧下の酸化性ガス雰囲気において、低温プラズマを発生させて、この低温プラズマに多孔質金属酸化物半導体層をさらす処理(低温プラズマ処理)によって、多孔質金属酸化物半導体層の表面における吸着水の蒸発や脱水縮合反応を進行させ、表面の水分及び水酸基濃度を、簡便な方法でしかも短時間で制御することができる。
これに対して、大気雰囲気下で多孔質金属酸化物半導体層を加熱した場合には、水の潜熱が大きいことや水酸基相互の脱水縮合反応のエネルギーが非常に大きいため、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水分及び水酸基濃度の制御は非常に難しい。
本発明では、多孔質金属酸化物半導体層を低温プラズマ処理するので、高分子樹脂等の基板の耐熱温度以下の低温度で、基板温度を上昇させることなく、多孔質金属酸化物半導体層の表面における吸着水の蒸発や脱水縮合反応を簡便に進めることができるので、高分子樹脂基板を基材として使用する色素増感型太陽電池にも容易に適用することができる。
本発明の色素増感型太陽電池は、酸化性ガス雰囲気におけるプラズマ処理、加熱処理、又は紫外線処理によって、表面の水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下、及び、表面の吸着水濃度が0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下となるように制御された多孔質金属酸化物半導体層に色素が担持されてなる作用電極を有しており、高い変換効率を有し、簡便な手法による低温プロセスで製造することができる。
以下、多孔質金属酸化物半導体層に担持された光増感色素によって光が吸収され、この光吸収によって励起された光増感色素の電子が多孔質金属酸化物半導体層を介して外部へ取出されるように構成された光電変換装置として、色素増感型太陽電池を例にとって、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は上述した作用、効果を満たす構成であればよく、これらの実施形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面は構成が明瞭に分かり易くなるように描いているので、縮尺は厳密に正確なものではない。
[実施の形態]
<色素増感型光電変換装置>
図1は、本発明の実施の形態における色素増感型光電変換装置の構成を説明する図である。
図1に示すように、色素増感型光電変換装置(色素増感型太陽電池)10は、ガラス等の透明基板1、FTO(フッ素がドープされた酸化スズ(IV)SnO2)等の透明導電層からなる透明電極(負極)2、光増感色素を保持した多孔質金属酸化物半導体層3、電解質層4、対向電極(正極)5、対向基板6、及び、封止剤(図示省略。)等から構成されている。
多孔質金属酸化物半導体層3としては、酸化チタンTiO2の微粒子を焼結させた多孔質層が用いられることが多い。この多孔質金属酸化物半導体層3を構成する微粒子の表面に光増感色素が保持されている。
電解質層5は、多孔質金属酸化物半導体層3と対向電極5との間に充填され、I-/I3 -等の酸化還元種(レドックス対)を含む有機電解液等が用いられる。対向電極5は白金層5b等で構成され、対向基板6の上に形成されている。
色素増感型光電変換装置10は、光が入射すると、対向電極5を正極、透明電極2を負極とする電池として動作する。透明電極2の材料としてFTOを用い、光増感色素(図示してない。)として後述するN719を用い、多孔質金属酸化物半導体層3の材料として酸化チタンTiO2を用い、レドックス対としてI-/I3 -の酸化還元種を用いることを想定して、色素増感型光電変換装置10の原理を説明すると、次の通りである。
透明基板1及び透明電極2を透過してきた光子を光増感色素が吸収すると、光増感色素中の電子が基底状態(HOMO)から励起状態(LUMO)へ励起される。励起状態の電子は、光増感色素と多孔質金属酸化物半導体層3との間の電気的結合を介して、多孔質金属酸化物半導体層3の伝導帯に引き出され、多孔質金属酸化物半導体層3を通って透明電極2に到達する。
一方、電子を失った光増感色素は、電解質層4中の還元剤、例えば、I-から下記の反応、2I- → I2 + 2e- 、I2 + I- → I3 - によって電子を受け取り、電解質層4中に酸化剤、例えば、I3 - (I2 とI- との結合体)を生成させる。生じた酸化剤は拡散によって対向電極5に到達し、上記の反応の逆反応、I3 - → I2 + I- 、I2 + 2e- → 2I- によって対向電極6から電子を受け取り、もとの還元剤に還元される。
透明電極2から外部回路へ送り出された電子は、外部回路で電気的仕事をした後、対向電極5に戻る。このようにして、光増感色素にも電解質層4にも何の変化も残さず、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
色素増感型光電変換装置10の光増感色素としては、通常、可視光領域付近の光を吸収できる物質、例えば、ビピリジン錯体、テルピリジン錯体、メロシアニン色素、ポルフィリン、及び、フタロシアニン等が用いられる。
単独で用いる色素としては、ビピリジン錯体の1種であるシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)ルテニウム(II)二テトラブチルアンモニウム錯体(通称N719)が、増感色素としての性能に優れており、一般的に用いられている。その他、ビピリジン錯体の1種であるシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)ルテニウム(II)(通称:N3)や、テルピリジン錯体の1種であるトリス(イソチオシアナト)(2,2':6',2”−テルピリジル−4,4',4”−トリカルボン酸)ルテニウム(II)三テトラブチルアンモニウム錯体(通称ブラックダイ)が一般的に用いられる。
特に、N3やブラックダイを用いる時には、共吸着剤もよく用いられる。共吸着剤は多孔質金属酸化物半導体層3上で色素分子が会合するのを防止するために添加される分子であり、代表的な共吸着剤としてケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸塩、及び、1−デクリルホスホン酸等が挙げられる。これらの分子の構造的特徴としては、多孔質金属酸化物半導体層3を構成する酸化チタンに吸着されやすい官能基として、カルボキシル基やホスホノ基等をもつこと、及び、色素分子間に介在して色素分子間の干渉を防止するために、σ結合で形成されていること等が挙げられる。
本発明の色素増感型光電変換装置(色素増感型太陽電池)の製造方法では、多孔質金属酸化物半導体層を形成、その表面の水酸基及び吸着水の濃度を制御し、多孔質金属酸化物半導体層に色素を担持させるので、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して多孔質金属酸化物半導体層を形成する工程を有する色素増感型光電変換装置の製造方法よりも、高い変換効率を有する色素増感型光電変換装置及びその製造方法を得ることができる。
多孔質金属酸化物半導体層の水酸基濃度が0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下、吸着水濃度が0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下、比αが0.11以上、0.35以下となるように制御することによって、光電変換効率が7%以上である色素増感型光電変換装置(色素増感型太陽電池)を実現することができる。比αは、水酸基濃度/(水酸基濃度+吸着水濃度)である。
基材として樹脂フィルムを用い、基材の上に形成された透明電極の面に多孔質金属酸化物半導体層を形成する際、基材が変質しない範囲で多孔質金属酸化物半導体層を加熱、焼成して変換効率を改善することが好ましい。基材が変質しない範囲の加温とは、例えば、基材にPETを使用した場合は170℃程度までで、PENの場合200℃程度までである。これ以上の加温は基材の変形を引き起こす等、製造に支障をきたすことになる。
多孔質金属酸化物半導体層の形成に使用される金属酸化物半導体粒子として、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化ストロンチウム、酸化タンタル、酸化アンチモン、酸化ランタノイド、酸化イットリウム、酸化バナジウム等を挙げることができる。これらがプラズマ処理後、多孔質金属酸化物半導体層を形成し、光励起された状態で電子電導性を有し、増感色素を連結することによって可視光及び/又は近赤外光領域までの光電変換が可能となるものであればこれに限らない。
金属酸化物半導体粒子の材質は複数種の金属酸化物同士の組み合せ構成であってもかまわない。多孔質金属酸化物半導体層の表面が増感色素によって増感されるためには、多孔質金属酸化物半導体層の電導帯が増感色素の光励起準位から電子を受け取りやすい位置に存在することが望ましい。このため金属酸化物半導体粒子の中でも酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ等が特に用いられる。更に、価格や環境衛生性等の点から、酸化チタンが特に用いられる。好ましくは、平均粒子径5nm以上、500nm以下である金属酸化物半導体粒子の一種又は複数の種類を選択して組み合せることができる。
透明導電層としては、太陽光の可視から近赤外領域に対して光吸収が少ない導電材料なら特に限定されないが、ITO(インジウム−スズ酸化物)や酸化スズ(フッ素等がドープされた物を含む)、酸化亜鉛等の導電性の良好な金属酸化物や炭素が好適である。透明電極層と金属酸化物粒子層との間に結着を促進したり、電子伝達を改善したり、逆電子過程を防止する等の目的で他の層を追加してもよい。
透明基材としては、太陽光の可視から近赤外領域に対して光り吸収が少ない材料であれば特に限定されない。石英、青板、BK7、鉛ガラス等のガラス基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラート、ポリプロピレン、テトラアセチルセルロース、シンジオクタチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ、塩化ビニル等の樹脂基材等を用いることができる。
金属酸化物半導体粒子に色素を担持させる処理に用いる、増感色素を含有する用液の調製に使用される溶剤は、増感色素を溶解させ、金属酸化物半導体粒子に色素吸着の仲立ちを行える溶剤である必要がある。増感色素を溶解させるために、必要に応じて加熱、溶解助剤の添加及び不溶分のろ過を行ってもよい。
溶剤は二種類以上の溶剤を混合して用いてもよく、溶剤としてエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等の炭酸エステル系溶剤、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭水化物系位溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3‐ジメチルイミダゾリノン、Nメチルピロリドン、水等を用いることができるがこれに限らない。溶剤は二種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
透明基材の導電面上に形成される多孔質金属酸化物半導体層の膜厚は0.5μm、以上200μm以下であることが望ましい。膜厚がこの範囲未満である場合有効な変換効率が得られない。また、膜厚がこの範囲より厚い場合成膜時に割れや剥がれが生じる等作製が困難になる反面、多孔質金属酸化物半導体層の表層と導電面との距離が増えるために発生電荷が導電面に有効に伝えられなくなるので、良好な変換効率を得にくくなる。
増感色素としては、通常、可視光領域付近の光を吸収できる物質、例えば、ビピリジン錯体、テルピリジン錯体、メロシアニン色素、ポルフィリン、及び、フタロシアニン等が用いられる。
単独で用いる色素としては、ビピリジン錯体の1種であるシス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)ルテニウム(II)二テトラブチルアンモニウム錯体(通称N719)が、増感色素としての性能に優れており、一般的に用いられている。
更に、光電変換用増感色素としては、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジケトピロロピロール系色素、スクワリリウム系色素シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィン系色素、クロロフィル系色素、ルテニウム錯体系色素、インジゴ系色素、ペリレン系色素、オキサジン系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素等、及び、その誘導体が挙げられるが光を吸収し多孔質金属酸化物半導体層(電極)の伝導帯に励起電子を注入できる色素であればこれらに限定されない。これらの増感色素はその構造中に連結基を1個以上有する場合は、多孔質金属酸化物半導体層の表面に連結することができ、光励起された色素の励起電子を多孔質金属酸化物半導体層の電導帯に迅速に伝えることができるので望ましい。
電解質層は電解質、媒体、及び、添加物から構成されることが好ましい。電解質は、I2とヨウ化物(例としてLiI、NaI、KI、CsI、MgI2、CaI2、CuI、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等)の混合物、Br2と臭化物(例としてLiBr等)の混合物が好ましく、この中でもI2とヨウ化物の組み合せとして、LiI、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等を混合した電解質が好ましいが、この組み合せ方に限らない。
好ましい電解質濃度は、媒体中I2が0.01M以上、0.5M以下でありヨウ化物の混合物が0.1M以上、15M以下である。
電解質層に用いられる媒体は、良好なイオン電導性を発現できる化合物であることが望ましい。溶液状の媒体としては、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、3‐メチル‐2‐オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジメチルスルホキシド、スルホラン等非プロトン極性物質等を用いることができる。
また、固体状(ゲル状を含む)の媒体を用いる目的で、ポリマーを含ませることもできる。この場合、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーを前記溶液状媒体中に添加することで、エチレン性不飽和基を有した多官能性モノマーを前記溶液状媒体中で重合させて媒体を固体状にする。
電解質としてはこの他、CuI、CuSCN媒体を必要としない電解質、及び、2,2’,7,7’‐テトラキス(N,N‐ジ‐p‐メトキシフェニルアミン)9,9’‐スピロビフルオレンのような正孔輸送材料を用いることができる。
対向電極5は、光電変換セルの正極として機能するものである。具体的に対向電極に用いる導電性の材料としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、金属酸化物(ITO(インジウム‐スズ酸化物)や酸化スズ(フッ素等がドープされた物を含む)、酸化亜鉛)、又は、炭素等が挙げられる。対向電極の膜厚は、特に制限はないが、5nm以上、100μm以下であることが好ましい。
窓電極(作用電極)と対向電極5とを電解質層を介して組み合せることによって光電変換セルを形成する。必要に応じて電解質層の漏れや揮発を防ぐために、光電変換セルの周囲に封止を行う。封止には熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、ガラスフリット等を封止材料として用いることができる。光電変換セルは必要に応じて小面積の光電変換セルを連結させて作る。光電変換セルを直列に組み合せることによって起電圧を高くすることができる。
<色素増感型光電変換装置の製造方法>
図2は、本発明の実施の形態における色素増感型光電変換装置の製造方法を説明する図である。図2(A)は窓電極(作用電極)を形成する工程を説明する図、図2(B)は対向電極を形成する工程を説明する図、図2(C)は対向させた窓電極(作用電極)と対向電極との間に電解質層を形成し封止する工程を説明する図、図2(D)は色素増感型光電変換装置の構成を説明する図である。
色素増感型光電変換装置(色素増感型太陽電池)の製造方法は、窓電極(作用電極)を形成する工程(図2(A))対向電極を形成する工程(図2(B)))、対向させた窓電極(作用電極)と対向電極との間に電解質層を形成し封止する工程(図2(C)からなる。
窓電極(作用電極)は、透明基板1、透明電極2、光増感色素が担持される多孔質金属酸化物半導体層3からなる。
図2(A)に示すように、窓電極(作用電極)を形成する工程は、透明基板1の面に透明電極(透明導電層、負極)2を形成する工程と、透明電極2の面に多孔質金属酸化物半導体層3を形成する工程と、多孔質金属酸化物半導体層3の水酸基及び吸着水の濃度を制御する工程と、多孔質金属酸化物半導体層3に光増感色素を担持させる工程を含む。
多孔質金属酸化物半導体層3の水酸基及び吸着水の濃度を制御する工程では、多孔質金属酸化物半導体層の表面に対して、プラズマ処理、紫外線照射処理、加熱処理の少なくとも1つを行うことによって、水酸基及び吸着水の濃度を制御することができる。例えば、プラズマ処理条件、例えば、RF出力、雰囲気ガス、プラズマ処理時間等を変更することによって、水酸基及び吸着水の濃度を制御することができる。
水酸基濃度が、(a)0.01個/(nm)2以上、3.0個/(nm)2以下、(b)0.02個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下、(c)0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下にそれぞれ制御された多孔質金属酸化物半導体層3を使用することによって、色素増感型太陽電池の光電変換効率を、(a)3%以上、(b)5%以上、(c)7%以上とすることすることができる。
また、吸着水濃度が、(a)0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下、(b)0.07個/(nm)2以上、2.5個/(nm)2以下、(c)0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下にそれぞれ制御された多孔質金属酸化物半導体層3を使用することによって、色素増感型太陽電池の光電変換効率を、(a)3%以上、(b)5%以上、(c)7%以上とすることすることができる。
図2(B)に示すように対向電極を形成する工程は、対向基板6の面に透明導電層5bを形成する工程と、透明導電層5bの面に白金層(触媒層)5aを形成する工程を含む。
図2(C)に示すように対向させた窓電極(作用電極)と対向電極との間に電解質層を形成し封止する工程は、窓電極(作用電極)と対向電極5との間に電解質層4を形成する工程と、電解質層4を外部と遮断し、電解質層4が漏洩しないように、窓電極(作用電極)と対向電極との間に封止層を、図示しない封止剤によって形成する工程を含む。
以上のようにして、図1に示すような構成を有する色素増感型光電変換装置を作製することができる。
高い変換効率を有する光電変換装置を実現するためには、金属酸化物半導体粒子は、チタン、亜鉛、錫又はニオブの酸化物の少なくとも一種類以上の粒子からなり、平均一次粒径が5nm以上、500nm以下であり、ブルッカイト型又はアナターゼ型の二酸化チタン粒子であるがこと望ましい。
本発明の色素増感型太陽電池の製造方法では、平均一次粒子径5nm以上、500nm以下の金属酸化物半導体粒子によって、導電層上に形成された多孔質金属酸化物半導体層に対して、常圧雰囲気下又は減圧状態でプラズマ処理を施すことによって、多孔質金属酸化物半導体層の吸着水及び水酸基濃度を所望の濃度に制御することができ、高い光電変換効率を有する色素増感型光電変換装置を実現することができる。
基材として樹脂フィルムを用い、基材の上に形成された透明電極の面に多孔質金属酸化物半導体層を形成する際、基材が変質しない範囲で多孔質金属酸化物半導体層を加熱しながら、多孔質金属酸化物半導体層をプラズマ処理することが、その表面の水酸基量及び吸着水量の制御する効果が大きく、ひいては色素増感型太陽電池を形成した場合の光電変換効率の改善が大きいため好ましい。基材が変質しない範囲の加温とは、例えば、基材にPETを使用した場合は170℃程度までで、PENの場合200℃程度までである。これ以上の加温は基材の変形を引き起こす等、製造に支障をきたすことになる。
基材に形成された多孔質金属酸化物半導体層を被処理体とし、これに対してプラズマ処理を行う方法として、プラズマ処理装置に対してシート状の上記の被処理体が連続的に移動し巻き取り作業を伴って処理するロールトゥロール方法は、作用電極の安価な製造方法として有用である。この際、被処理体が加熱体に密着を保ちながら連続的に位置関係を変化させゆく工夫をすることにより連続的な加熱効果を得ることもできる。
多孔質金属酸化物半導体層は、例えば、溶剤中に金属酸化物半導体粒子を分散させたペーストを作製し、これを透明電極表面に塗布し、溶剤を蒸発させて形成する。ペースト作製時には必要に応じて、水熱合成から得られた単分散コロイド粒子を利用してもよい。多孔質金属酸化物半導体層の成膜方法としては塗布法が簡便で量産性を有する方法として望ましい。スピンコーターによる塗布方法やスクリーン印刷を用いた塗布法、スキージーを用いた塗布方法、ディップ法、吹き付け法、転写法、ローラー法、スプレー等を用いることができる。多孔質金属酸化物半導体層の成膜後、基材を変質させない温度で乾燥させて揮発成分を除去することが望ましい。更に、透明基材が樹脂基材である場合、これが変質しない150℃程度の温度でプレベーク処理をしてもよい。
本発明において、プラズマ処理によって表面の水酸基及び吸着水濃度が制御され、透明基材に形成された多孔質金属酸化物半導体層は、これを透明基材ごと、増感色素を溶解させた溶液中に浸すことにより、多孔質金属酸化物半導体層の表面と増感色素の連結置換基の親和性を利用して、増感色素を多孔質金属酸化物半導体層の表面に接触・結合させる方法が一般的であるが、この方法に限定されない。
一般に、ルテニウム錯体等をはじめとする色素増感型太陽電池用の光増感色素は、その構造の末端はカルボキシル基等にて変性されており、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基との相互作用により、多孔質金属酸化物半導体層の表面に水素結合が形成されることで安定な吸着が可能となる。このため、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度は、非常に重要なパラメータとなる。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が高くなるにつれて、光増感色素の吸着量は増加するので、光照射によって光増感色素から発生する電子は増加し、色素増感型太陽電池の光電変換効率が向上する。しかし、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が高くなりすぎると、多分子吸着した光増感色素により光吸収が発生して、本来の励起により電子発生する光増感色素に光が届かないために、電池の特性が劣化する。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度は、光増感色素の単分子層が担持され、光照射によって光増感色素から発生する電子が効率よく多孔質金属酸化物半導体層に移動することができるような範囲であることが望ましい。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が上昇すると親水性が増加し、表面の吸着水濃度が増加することになり、光増感色素の多分子吸着を更に促進することになる。
色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、光照射によるエネルギーを起電力として最大限利用することができるように、多孔質金属酸化物半導体層の表面の色素量を制御することが非常に重要であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の色素量を制御するためには、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度、吸着水濃度を制御することが必要となる。
本発明は、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度、吸着水濃度の値を制御することによって、高い変換効率を有する光電変換装置を実現するものである。
本発明では、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度、吸着水濃度を制御することによって、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して多孔質金属酸化物半導体層3を形成する工程を有する光電変換装置の製造方法よりも、簡便な製造方法によって高い変換効率を有する光電変換装置を得ることができる。
<昇温脱離スペクトル>
多孔質金属酸化物半導体層3の温度を上昇させることによって、弱い結合状態にある分子種から強い結合状態にある分子種の順に、導体層3の表面から分子種を脱離させていくことができる。この分子種(フラグメント)を質量分析計(MS、Mass spectrometer)によって分析することができ、所望の脱離分子種のイオン強度を温度上昇の変化として検出したスペクトル(以下、昇温脱離スペクトルと言う。)として得ることができる。このような分析方法は、昇温脱離法(TPD、Temperature programmed Desorption)或いは昇温脱離ガス分析法(TDS、Thermal Desorption Spectroscopy)と呼ばれている。
昇温脱離スペクトルを測定するための昇温脱離測定装置は、真空室に置かれた導体層3を加熱する加熱装置と、真空室に結合され、昇温脱離された分子種を検出する質量分析計を含んでいる。真空室を排気する排気速度が、導体層3から発生する脱離ガスによる圧力変化に比べて十分に大きい時、脱離ガスは真空室内に滞留することはないので、ある時刻における脱離ガス量は真空室内での脱離ガスの分圧に比例する。
質量分析計では測定されるイオン強度と分圧は比例する、即ち、測定されるイオン強度と脱離ガス量が比例するので、所望の脱離分子種のイオン強度を、脱離開始から脱離終了に対応する温度範囲で積分した面積強度を用いて、導体層3から発生する所望の脱離分子種を、次に説明する定量方法によって定量的に求めることができる(非特許文献3を参照。)。
例えば、異なる既知量のH+を注入した複数のSi試料を用いて、昇温脱離による水素の脱離量とm/z=2のイオン量(面積強度)との比例係数を装置定数として予め実験的に求めておく。導体層3から昇温脱離される分子種Mについて、水素と分子種Mに関する、イオン化難易度、フラグメンテーションファクター、透過率を用いて、昇温脱離される分子種Mの量を定量的に求めることができる。
分子種Mを水、m/z=18として、以上のようにして、多孔質金属酸化物半導体層3から昇温脱離される水を、定量的に検出することができる。
次に、色素増感型光電変換装置に関する実施例について説明する。なお、実施例、比較例では、酸化チタンとして、日本アエロジル社製P25(BET法比表面積48m2/g、アナターゼ型酸化チタンを主成分とする。)を使用した(BET法比表面積は、日本ベル株式会社、Belsorp装置を使用して測定した。)。また、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は、BET法比表面積として、日本ベル株式会社社、Belsorp装置を使用して測定した。
また、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度は、昇温脱離分析装置(電子科学株式会社製、WA1000S/W型を使用した。)を使用し、昇温速度30℃/分として測定された昇温脱離スペクトルを解析して求めた。なお、吸着水及び水酸基の濃度の検出下限は0.005個/(nm)2である。
先ず、実施例1〜実施例6では、プラズマ処理による多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度と、プラズマパワー(RF出力)との関係について説明する。
[実施例1]
可視領域に吸収のないソーダライムガラス基板を透明基板1として使用し、これに可視領域に吸収のない透明電極(透明電極層)2を定法のスパッタ法により厚さ100nmで形成した。二酸化チタンの分散液を調製し、これを透明電極2の面に塗布し、焼成処理を行って多孔質金属酸化物半導体層を形成した。
金属酸化物半導体粒子として二酸化チタン(アナターゼ)を使用して、透明電極2の面に多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3を、次のようにして形成した。
ビーズ分散機を用いて、酸化チタン(日本アエロジル社製P25)5gを溶媒(エタノール45g)中に分散させ分散溶液を調製し、この分散液を透明電極2の面に塗布法によって塗布し、その後、オーブン中で150℃、1時間焼成して、多孔質金属酸化物半導体層を形成した。
この多孔質金属酸化物半導体層に対して、減圧酸素雰囲気下でバレル型プラズマ処理装置を用いて酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を所望の濃度に制御した。
なお、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を300W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は42m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が1.0個/(nm)2、吸着水濃度が2.0個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。なお、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度の測定については、後述する。
プラズマ処理を行った後の多孔質金属酸化物半導体層に対して色素を、次のようにして担持させた。
エタノール50mlに色素(シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2'−ビピリジル−4,4'−ジカルボン酸)ルテニウム(II)二テトラブチルアンモニウム錯体(通称N719))25mgを含有する色素溶液を調製した。この色素溶液に多孔質金属酸化物半導体層が形成された透明基板1を浸漬して色素を吸着させた後、多孔質金属酸化物半導体層が形成された透明基板1をエタノールにて洗浄して余剰の色素を除去し、乾燥させた。
次に、樹脂フィルム製スペーサー(三井・デュポンポリケミカル社製「ハイミラン」フィルム、厚さ25μmを使用した。)を周辺部に挟み間隙を保持した状態で、対向電極5が形成された対向基板6と、多孔質金属酸化物半導体層が形成された透明基板1とを対向配置させた。上記の間隙に電解液を注入した後、アクリル系紫外線硬化樹脂を用いて上記の間隙が封止された状態とした。
なお、上記の電解液は、メトキシプロピオニトリル(1.5g)、ヨウ化ナトリウム(0.02g)、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダソリウムヨーダイド(0.8g)、ヨウ素(0.1g)、4−tert−ブチルピリジン(TBP)(0.05g)を含有する。
以上のようにして作製された多孔質金属酸化物半導体層を使用して色素増感型太陽電池を作製した。この色素増感型太陽電池について、疑似太陽光(AM1.5、100mw/cm2)を照射し、短絡電流、開放電圧、フィルファクタ(形状因子)、光電変換効率の測定をおこなった。色素増感型太陽電池の光電変換効率は7.0%であった。表面がプラズマ処理され、表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を使用することによって、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させることができた。
[実施例2]
透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、実施例1と同様にして酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を所望の濃度に制御した。但し、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を200W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は45m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が1.8個/(nm)2、吸着水濃度が2.6個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の紫外線照射処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、5.5%と良好な値であった。
[実施例3]
透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、実施例1と同様にして酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を所望の濃度に制御した。但し、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を100W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は48m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が2.9個/(nm)2、吸着水濃度が3.5個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の紫外線照射処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、3.0%と良好な値であった。
[実施例4]
透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、実施例1と同様にして酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を所望の濃度に制御した。但し、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を400W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は40m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が0.5個/(nm)2、吸着水濃度が1.0個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の紫外線照射処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、8.0%と良好な値であった。
[実施例5]
透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、実施例1と同様にして酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を所望の濃度に制御した。但し、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を500W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は37m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が0.1個/(nm)2、吸着水濃度が0.5個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の紫外線照射処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、8.0%と良好な値であった。
[実施例6]
透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、実施例1と同様にして酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を所望の濃度に制御した。但し、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を700W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は36m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が0.01個/(nm)2、吸着水濃度が0.03個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の紫外線照射処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、3.0%と良好な値であった。
実施例6では、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が小さく、多孔質金属酸化物半導体層に吸着される色素数が減少するため、光照射によって励起される電子の総数が減少し、その結果、光変換効率は低下している。
[実施例7]
透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、常圧圧力下で常圧プラズマ処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を制御した。
多孔質金属酸化物半導体層に対して、Heガス流量2000sccm、酸素ガス流量100sccm、圧力を常圧、RF出力を300W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は48m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が2.8個/(nm)2、吸着水濃度が3.8個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の常圧プラズマ処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、3.5%と良好な値であった。
次に説明する実施例8〜実施例10では、プラズマ処理によらない多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度の制御方法について説明する。
[実施例8]
ビーズ分散機を用いて、酸化チタン(日本アエロジル社製P25)5g、添加剤(チタンエトキシド0.5g)を溶媒(エタノール45g)中に分散させ分散溶液を調製し、この分散液を透明電極2の面に塗布法によって塗布し、その後、オーブン中で150℃、1時間焼成して、多孔質金属酸化物半導体層を形成した。
この多孔質金属酸化物半導体層に対して、超高真空(3.0×10-7 torr)中で、150℃、60分の加熱処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、プラズマ処理によらず、制御した。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は46m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が2.0個/(nm)2、吸着水濃度が2.8個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の超高真空中での加熱処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、5.0%と良好な値であった。
[実施例9]
実施例1と同様にして、ビーズ分散機を用いて、酸化チタン(日本アエロジル社製P25)5gを溶媒(エタノール45g)中に分散させ分散溶液を調製し、この分散液を透明電極2の面に塗布法によって塗布し、その後、オーブン中で150℃、1時間焼成して、多孔質金属酸化物半導体層を形成した。
この多孔質金属酸化物半導体層に対して、真空装置内に設置された紫外線照射装置を用いて紫外線照射処理し酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、プラズマ処理によらず、所望の濃度に制御した。
なお、ガス雰囲気を酸素(100%)、圧力を1×10-7 torr 、処理時間を5分とする条件下で、紫外線照射を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は42m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が1.8個/(nm)2、吸着水濃度が2.6個/(nm)2であり、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度が良好に制御されていることが分かった。
また、上記の紫外線照射処理によって表面の吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層を用いて、実施例1と同様にして、色素増感型太陽電池を作製して、色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した結果は、5.5%と良好な値であった。
[実施例10]
実施例1と同様にして、ビーズ分散機を用いて、酸化チタン(日本アエロジル社製P25)5gを溶媒(エタノール45g)中に分散させ分散溶液を調製し、この分散液を透明電極2の面に塗布法によって塗布し、その後、オーブン中で150℃、1時間焼成して、多孔質金属酸化物半導体層を形成した。
この多孔質金属酸化物半導体層に対して、紫外線照射装置を用いて、大気下において、紫外線照射処理し酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、プラズマ処理によらず、所望の濃度に制御した。なお、紫外線照射処理時間を5分とする条件下で、紫外線照射を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は48m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が3.3個/(nm)2、吸着水濃度が3.7個/(nm)2であり、この多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率は2%と良好な値であった。
次に説明する実施例12〜実施例16では、透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、酸素以外の減圧ガス雰囲気下でプラズマ処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を制御した。
次に説明する実施例11〜実施例15では、多孔質金属酸化物半導体層に対して、ガス雰囲気を酸素以外のガス雰囲気(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を300W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。そして、実施例1と同様にして、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を測定し、また、多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した。
[実施例11]
ガス雰囲気を一酸化炭素(CO)とした場合、プラズマ処理によって、吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は45m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が2.0個/(nm)2、吸着水濃度が2.8個/(nm)2であり、この多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率は5.0%と良好な値であった。
[実施例12]
ガス雰囲気を二酸化炭素(CO2)とした場合、プラズマ処理によって、吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は45m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が2.0個/(nm)2、吸着水濃度が2.8個/(nm)2であり、この多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率は5.0%と良好な値であった。
[実施例13]
ガス雰囲気を一酸化窒素(NO)とした場合、プラズマ処理によって、吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は45m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が2.5個/(nm)2、吸着水濃度が3.2個/(nm)2であり、この多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率は4.0%と良好な値であった。
[実施例14]
ガス雰囲気を二酸化窒素(NO2)とした場合、プラズマ処理によって、吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は45m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が2.5個/(nm)2、吸着水濃度が3.2個/(nm)2であり、この多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率は4.0%と良好な値であった。
[実施例15]
ガス雰囲気を二酸化窒素(N2O)とした場合、プラズマ処理によって、吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は45m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が2.5個/(nm)2、吸着水濃度が3.2個/(nm)2であり、この多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率は4.0%と良好な値であった。
[実施例16]
実施例1〜実施例15では、多孔質金属酸化物半導体層に対して、バレル型プラズマ処理装置を用いて酸化処理を行ったが、実施例16では、透明電極2の面に実施例1と同様にして形成された多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)3に対して、減圧酸素雰囲気下で平行平板型プラズマ装置を用いて酸化処理を行い、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を制御した。
なお、プラズマは、平行平板アノードカップル方式(周波数13.56MHz)で発生させ、ガス雰囲気を酸素(100%)、ガス流量100sccm、圧力を100Pa、RF出力を300W、処理時間を5分とするプラズマ処理条件下で、プラズマ処理を行った。
以上のようにして吸着水及び水酸基の濃度が制御された多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は43m2/gであった。
そして、実施例1と同様にして、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を測定し、また、多孔質金属酸化物半導体層を使用した色素増感型太陽電池の光電変換効率を測定した。多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度はそれぞれ、2.8個/(nm)2、2.0個/(nm)2であり、光電変換効率は5.0%と良好な値であった。
[比較例1]
比較例1における多孔質金属酸化物半導体層は、実施例1において、バレル型プラズマ処理装置を用いて酸化処理を行う前の状態の多孔質金属酸化物半導体層と同じものである。即ち、ビーズ分散機を用いて、酸化チタン(日本アエロジル社製P25)5gを溶媒(エタノール45g)中に分散させ分散溶液を調製し、この分散液を透明電極2の面に塗布法によって塗布し、その後、オーブン中で150℃、1時間焼成して、多孔質金属酸化物半導体層を形成した。
この多孔質金属酸化物半導体層の厚さは10μmであり、多孔質金属酸化物半導体層の比表面積は50m2/gであった。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度を、実施例1と同様にして、昇温脱離分析装置を用いて測定した結果、水酸基濃度が4.5個/(nm)2、吸着水濃度が4.5個/(nm)2であった。
また、色素を実施例1と同様にして担持させた多孔質金属酸化物半導体層を使用して作製された色素増感型太陽電池について、実施例1と同様にして、短絡電流、開放電圧、フィルファクタ(形状因子)、光電変換効率の測定をおこなった結果、光電変換効率は1.0%であった。
以上説明した実施例を整理した結果を次に説明する。
<色素増感型太陽電池の二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の形成条件と水酸基濃度、吸着水濃度、光電変換効率との関係>
図3は、本発明の実施例における色素増感型太陽電池に使用した二酸化チタン層の形成条件、二酸化チタン層における水酸基及び吸着水の濃度と光電変換効率の関係を説明する図である。図3に示す形成条件は上述した各実施例で説明した二酸化チタン電極層の形成方法の概要のみを示している。
図4は、本発明の実施例の二酸化チタン層の表面における水酸基及び吸着水の濃度と光電変換効率の関係を説明する図である。
図4(A)は、図3に示す水酸基の濃度と光電変換効率の関係をプロットし、滑らかな曲線で結んだものであり、横軸は水酸基の濃度(個/(nm)2)、縦軸は光電変換効率(%)を示す。
図4(B)は、図3に示す吸着水の濃度と光電変換効率の関係をプロットし、滑らかな曲線で結んだものであり、横軸は吸着水の濃度(個/(nm)2)であり、縦軸は光電変換効率(%)を示す。
図3、図4に示すように、色素増感型太陽電池の光電変換効率は何れの実施例においても比較例1よりも大きな値が得られている。
図4(A)に示すように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度の増加と共に、光電変換効率は大きくなっていき最大値となり、更に、水酸基の濃度が増加していくと、光電変換効率は低下していくことが分かった。
このように、二酸化チタン電極層の表面の水酸基の濃度を変化させた時に、光電変換効率が最大値を示すことは、特許文献1に記載されているように、二酸化チタン層をプラズマ処理して表面の水酸基濃度を増大させて色素吸着量を増大させるだけでは、光電変換効率を最大とし好適な状態とすることができず、光電変換効率をある値以上とするためには、好ましい水酸基濃度の範囲が存在することを示している。
図4(A)に示すように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度が、0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、比較例1よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
また、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度が、0.01個/(nm)2以上、3.0個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、光電変換効率は3%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
また、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度が、0.02個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、光電変換効率は5%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
また、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度が、0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、光電変換効率は7%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
図4(B)に示すように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の吸着水の濃度の増加と共に、光電変換効率は大きくなっていき最大値となり、更に、吸着水の濃度が増加していくと、光電変換効率は低下していくことが分かった。
図4(B)に示すように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の吸着水の濃度が、0.03個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、比較例1よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
また、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の吸着水の濃度が、0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、光電変換効率が3%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
また、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の吸着水の濃度が、0.07個/(nm)2以上、2.5個/(nm)2以下となるように制御されている場合には、光電変換効率が5%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
また、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の吸着水の濃度が、0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2 以下となるように制御されている場合には、光電変換効率が7%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を実現することができる。
図5は、本発明の実施例の二酸化チタン層の表面における水酸基及び吸着水の濃度と光電変換効率の関係を説明する図である。
図5において、横軸は{[水酸基の濃度(個/(nm)2)]/[(水酸基の濃度(個/(nm)2))+(吸着水の濃度(個/(nm)2))]}、縦軸は光電変換効率(%)を示す。以下の説明では、この{[水酸基の濃度(個/(nm)2)]/[(水酸基の濃度(個/(nm)2))+(吸着水の濃度(個/(nm)2))]}で定義される比をαとする。図5は、図3にしめす結果を用いて算出した上記のαに対して光電変換効率をプロットし、滑らかな曲線で結んだ結果を示す。図5において、実施例6に対応する点は、水酸基、吸着水の濃度が小さく、測定誤差が大きいと考えられるため、図示した曲線から外れている。
図5に示すように、上記の比αが0.11以上、0.45以下となるように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度及び吸着水の濃度が制御されている場合には、光電変換効率が3%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池及びその製造方法を提供することができる。
また、上記の比αが0.11以上、0.40以下となるように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度及び吸着水の濃度が制御されている場合には、光電変換効率が5%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池及びその製造方法を提供することができる。
また、上記の比αが0.11以上、0.35以下となるように、二酸化チタン電極層(多孔質金属酸化物半導体層)の表面の水酸基の濃度及び吸着水の濃度が制御されている場合には、光電変換効率が7%よりも大きな光電変換効率を有する色素増感型太陽電池及びその製造方法を提供することができる。
図6は、本発明の実施例の二酸化チタン層の表面における水酸基と吸着水の濃度の関係を説明する図である。図6において、横軸は水酸基の濃度(個/(nm)2)、縦軸は吸着水の濃度(個/(nm)2)を示す。
図6に示すように、二酸化チタン層の表面の水酸基の濃度と吸着水の濃度は略直線関係を示し、二酸化チタン層の表面の水酸基の濃度が大きければ大きいほど、吸着水の濃度が大きくなることを示している。なお、図6において、実施例6に対応する点は、水酸基、吸着水の濃度が小さく、測定誤差が大きいと考えられるため、図示した直線から外れている。
図7は、図3に示す結果をグラフで示した図であり、本発明の実施例の二酸化チタン層のプラズマ処理におけるRF出力(プラズマパワー)と、光電変換効率の関係、及び、二酸化チタン層の表面の水酸基、吸着水の濃度の関係を説明する図であり、図7(A)はプラズマ処理におけるRF出力と光電変換効率、水酸基濃度、吸着水濃度の関係を示す線形プロット図であり、図7(B)はプラズマ処理におけるRF出力と水酸基濃度、吸着水濃度の関係を示す半対数プロット図である。
図7(A)において、横軸はプラズマ処理におけるRF出力、左縦軸は光電変換効率(%)、右縦軸は水酸基、吸着水の濃度(個/(nm)2)を示す。図7(B)において、横軸はプラズマ処理におけるRF出力、縦軸は水酸基、吸着水の濃度(個/(nm)2)を示す。
図7(A)、図7(B)に示すように、プラズマ処理におけるRF出力の増大と共に、二酸化チタン層の表面の水酸基及び吸着水の濃度は共に減少しており、一方、RF出力が増大していくと、光電変換効率は増大していき、最大値となり、減少している。この結果は、プラズマ処理におけるRF出力を制御することによって、多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)の表面における吸着水の蒸発や脱水縮合反応の進行が制御されるので、水酸基、吸着水の濃度を制御することができ、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させることが可能であることを示している。
図7(A)に示すように、プラズマ処理におけるプラズマパワー(RF出力)が100W以上、700W以下となるように制御することによって、3%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、プラズマ処理におけるプラズマパワー(RF出力)が180W以上、660W以下となるように制御することによって、5%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
また、プラズマ処理におけるプラズマパワー(RF出力)が300W以上、580W以下となるように制御することによって、7%以上の光電変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
図3〜図7に示す結果から明らかなように、比較例1では、水酸基及び吸着水の濃度は、何れの実施例よりも大きな値を示しており、光電変換効率が小さな値となっており、多孔質金属酸化物半導体層(二酸化チタン層)の表面における水酸基、吸着水の濃度が、光電変換装置(色素増感型太陽電池)の光電変換効率を決定する大きな要因の一つとなっていることが明らかである。
多孔質金属酸化物半導体層の表面に結合され担持される色素量(分子数)は、多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水及び水酸基の濃度の影響を大きく受け、担持される色素の量(分子数)、色素が表面に担持される状態等は、光電変換装置(色素増感型太陽電池)の光電変換効率に大きく影響すると考えられる。
図8は、本発明の実施例の二酸化チタン層の表面における水酸基と吸着水の吸着を説明する図であり、図8(A)は二酸化チタン層の表面における水酸基の吸着を模式的に示し、図8(B)は二酸化チタン層の表面における水酸基と吸着水の吸着を模式的に示す。
二酸化チタン層11の表面では、図8(A)に示すように、ターミナル水酸基(チタン原子に結合した水酸基(−OH))15、ブリッジ水酸基(隣接する2個のチタン原子に結合する水酸基(−OH))13のような水酸基(化学吸着水)が存在すると考えられており、図8(B)に示すように、これら水酸基に水素結合によって水(物理吸着水)が吸着していると考えられている。
図8(B)に示すように、二酸化チタン層11の表面の水酸基13、15には水素結合17によって水分子が結合し、物理吸着による水分子の層(物理吸着層)19が形成される。水素結合の形態として、Ti-OHの水素(H)原子と水分子H2Oの酸素(O)原子の間の水素結合(第1の形態))、Ti-OHの酸素(O)原子と水分子H2Oの水素(H)原子の間の水素結合(第2の形態))が考えられるが、図8(B)では第1の形態にゆいて示している。
一般に、色素増感型太陽電池に使用される光増感色素は、多孔質金属酸化物半導体層の表面に色素を結合、吸着させる機能を有し、光照射により励起された色素と多孔性酸化物半導体層の伝導帯との間の電子移動を容易にする結合を多孔質金属酸化物半導体層との間で形成するために、色素分子構造にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等のインターロック基を含んでいる。
二酸化チタン層のような多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基と色素のインターロック基との結合反応により、多孔質金属酸化物半導体層の表面に安定して結合され吸着される。このため、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度は、光増感色素の吸着量を支配する重要なパラメータとなる。多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が高くなる程、光増感色素の吸着量は増加するので、吸着された光増感色素が光(太陽光)照射によって励起されて発生する電子数は増加し、色素増感型太陽電池の光電変換効率が向上する。
しかし、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が高くなりすぎると、多孔質金属酸化物半導体層の表面に光増感色素が多分子吸着してしまう。この多分子吸着した1つの光増感色素が励起され電子が発生しても、多分子吸着した他の光増感色素に吸収されてしまい、多孔質金属酸化物半導体層に電子が効率よく移動できる位置に吸着されている光増感色素までに到達しないので、起電力の発生に効率よく寄与することができない。
更に、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が上昇すると親水性が増加し、図8(B)に示すように、水酸基に水素結合によって水分子が結合し物理吸着によって、物理吸着水層が形成され、物理吸着された吸着水の濃度が大きくなる。この物理吸着層の吸着水と水素結合によって光増感色素が結合するので、表面の吸着水濃度が増加する程、光増感色素の多分子吸着が促進されることになる。
物理吸着された吸着水と水素結合によって結合する光増感色素が、光照射によって励起され電子が発生しても、この電子は物理吸着層を介して多孔質金属酸化物半導体層に移動することになるので、起電力の発生に効率よく寄与することができない。
本発明では、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度は、単分子層の光増感色素が表面に担持され、光照射によって光増感色素から励起され発生した電子が効率よく多孔質金属酸化物半導体層に移動して、起電力の発生に効率よく寄与することができるような濃度範囲に制御する。
多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度は、例えば、先述したように、多孔質金属酸化物半導体層の表面をプラズマ処理することによって、多孔質金属酸化物半導体層の表面における吸着水の蒸発や脱水縮合反応を促進させることができるので、プラズマ処理におけるプラズマ条件等によって、所望の範囲に制御することができる。なお、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度とプラズマ処理におけるプラズマ条件等との関係は予め求めておけばよい。
次に、昇温脱離スペクトルの例を示しておく。
図9は、本発明の実施例1における、質量電荷比m/z=18に関する昇温脱離スペクトルの例を示す図である。図9において、横軸は温度(℃)、縦軸はm/z=18のイオン強度(任意単位)を示す。
図9に示す例では、昇温脱離スペクトルは双峰型曲線を示しており、この双峰型曲線を2つの曲線(a)及び(b)に分離し各曲線の面積強度を求める。曲線(b)は、図8に示すような先述した水素結合17によって酸化チタン層に結合した吸着水が脱離した水のイオン化に基づくものと考えられ、先述した定量方法に基づいて、吸着水の濃度を定量的に求める。また、曲線(a)は、図8に示すTi原子に結合する水酸基(-OH)13、15が、脱水縮合(2Ti-OH → Ti-OH + H2O)によって発生して酸化チタン層から脱離した水のイオン化に基づくものと考えられ、先述した定量方法に基づいて、水濃度を定量的に求めこれを水酸基濃度に換算する。
以上説明したように、本発明では、色素増感型太陽電池等の光電変換装置の光電変換効率を向上させるために、多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度、吸着水濃度を制御することによって、多孔質金属酸化物半導体層の表面に担持、結合される色素量を制御し、光照射によるエネルギーを起電力として最大限利用することができ、本発明における多孔質金属酸化物半導体層は、金属酸化物半導体粒子を分散させた溶液を塗布、焼成して形成された多孔質金属酸化物半導体層よりも優れた特性を有している。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形が可能である。
本発明によれば、高い変換効率を有する光電変換装置及びその製造方法を提供することができる。
1…透明基板、2…透明電極、3…光増感色素を担持させた多孔質金属酸化物半導体層、
4…電解質層、5…対向電極、5a…白金層、5b…透明導電層、6…対向基板、
10…色素増感型光電変換装置、11…二酸化チタン層、13…ブリッジ水酸基、
15…ターミナル水酸基、17…水素結合、19…物理吸着による水分子の層
特開2006−310134号公報(段落0017〜0028) WO00/72373号公報(claim 1) 特開2004−247104号公報(段落0015〜0019)
内田聡、瀬川浩司、「フレキシブルデバイスとしてのフィルム型色素増感太陽電池」、機能材料、Vol.29, No.10, 29-35(20009)(3.フィルム型色素増感太陽電池に用いる酸化チタン電極の安定性、4.酸化チタン電極のマイクロ波焼成技術) H. Lindstron et.al., " A New Method for Manufacturing Nanostructured Electrodes on Plastic Substrates ", Nano lett., Vol.1, No.2, 97-100(2001)(Experimental Section, Result and Discussion) 平下紀夫、内山泰三、「昇温脱離ガス分析法による半導体集積回路材料からの放出ガスの定量分析」、分析化学、43,757(1994)

Claims (19)

  1. 色素が担持される多孔質金属酸化物半導体層が形成された作用電極を有し、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下である、光電変換装置。
  2. 前記水酸基濃度が0.01個/(nm)2以上、3.0個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記水酸基濃度が0.02個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 前記水酸基濃度が0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  5. 前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水濃度が0.03個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  6. 前記吸着水濃度が0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  7. 前記吸着水濃度が0.07個/(nm)2以上、2.5個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  8. 前記吸着水濃度が0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
  9. 作用電極の面に多孔質金属酸化物半導体層を形成する第1工程と、
    前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の水酸基濃度を0.01個/(nm)2以上、 4.0個/(nm)2以下となるように制御する第2工程と、
    前記多孔質金属酸化物半導体層に色素を担持させる第3工程と
    を有する、光電変換装置の製造方法。
  10. 前記水酸基濃度を0.01個/(nm)2以上、3.0個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  11. 前記水酸基濃度が0.02個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  12. 前記水酸基濃度を0.05個/(nm)2以上、0.9個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  13. 前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面の吸着水濃度を0.05個/(nm)2以上、4.0個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  14. 前記吸着水濃度を0.03個/(nm)2以上、3.5個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  15. 前記吸着水濃度を0.07個/(nm)2以上、2.5個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  16. 前記吸着水濃度を0.2個/(nm)2以上、2.0個/(nm)2以下となるように制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  17. 前記第2工程において、前記多孔質金属酸化物半導体層の表面を、プラズマ処理、紫外線照射処理、加熱処理の少なくとも1つを行うことによって、前記水酸基濃度を制御する、請求項9に記載の光電変換装置の製造方法。
  18. 前記プラズマ処理を酸化性雰囲気中で行う、請求項17に記載の光電変換装置の製造方法。
  19. 前記プラズマ処理を、平行平板型プラズマ、バレル型プラズマ、マイクロ波型プラズマ、ECR型プラズマ、ヘリコン波プラズマ、ホローカソード放電プラズマ、表面波プラズマ、アークジェットプラズマの何れかを使用して行う、請求項17に記載の光電変換装置の製造方法。
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