JP2014112642A - 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オレフィン(共)重合体を含む樹脂材料及び波長変換物質を含む太陽電池用封止膜であって、波長変換材料が、特定構造式を有するユウロピウム錯体であり、アクリル系樹脂からなる微粒子中に含有されているか、又は当該微粒子に担持されており、且つ前記微粒子が、前記樹脂材料中に分散されていることを特徴とする太陽電池用封止膜、及びこれを用いた太陽電池。
【選択図】図1
Description
(1)前記式(I)において、Rが全ての水素原子であり、nが1である。特に耐紫外線性に優れる。
(2)前記波長変換材料が、前記微粒子中に含有されている。オレフィン(共)重合体を含む太陽電池用封止膜中に生じる場合がある酸や水分の影響による前記波長変換材料の劣化をより防止することができ、より発電効率を向上する効果が低下し難い太陽電池用封止膜とすることができる。
(3)前記アクリル系樹脂が、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを主成分とする樹脂である。屈折率がオレフィン(共)重合体と同等又はそれ以下であるため、封止膜の透明性に影響を与え難い。
(4)前記微粒子が、球状である。ハンドリング性、分散性に優れる。
(5)前記波長変換材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.000001〜1質量部である。これにより十分な発電効率を向上する効果が得られる。
(6)前記波長変換材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜0.01質量部である。これにより更に十分な発電効率を向上する効果が得られる。
(7)前記オレフィン(共)重合体が、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・αオレフィン共重合体(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリブテン、及びエチレン−極性モノマー共重合体からなる群から選択される1種以上の重合体である。
(8)前記オレフィン(共)重合体が、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(m−LLDPE)及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体である。加工性に優れ、架橋剤による架橋構造を形成することができ、接着性が高い封止膜とすることができる。
(9)前記エチレン−極性モノマー共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(EMMA)である。より透明性に優れ、柔軟性に優れた封止膜とすることができる。
(10)前記波長変換材料の励起波長に相当する325nmの光線を、太陽電池用封止膜に照射したときに得られる蛍光発光スペクトルにおける波長580〜640nmの発光ピーク面積を蛍光強度とし、1000W/cm2の照射強度を有する紫外線ランプから235mmの距離に、前記太陽電池用封止膜を配置し、温度63℃条件下で連続照射し、経時的に前記蛍光強度を測定したとき、前記太陽電池用封止膜の蛍光強度が、照射前の蛍光強度に対して30%に低下するまでに要する時間が、10時間以上である。
上述の通り、式(I)において、複数個のRは、同一でも異なっていても良く、水素原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基である。
そして、本発明においては、式(I)のユウロピウム錯体が、更にアクリル系樹脂からなる微粒子に含有されているか、担持された状態で樹脂材料中に分散していることにより、波長変換材料が太陽電池用封止膜中に均一に分散されている。
式(I)のユウロピウム錯体は、微粒子中に含有されている方が、エチレン−極性モノマー共重合体を含む太陽電池用封止膜中に生じる場合がある酸や水分の影響による劣化をより防止することができ、より発電効率を向上する効果が低下し難い太陽電池封止膜とすることができる点で好ましい。
本発明において微粒子はアクリル系樹脂から形成されている。アクリル系樹脂とは、主成分として(メタ)アクリル系モノマーを用いて重合させたものであり、(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル−」は、「アクリル−又はメタクリル−」を示す。これらの(メタ)アクリル系モノマーは単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
本発明において、太陽電池用封止膜の樹脂材料は、オレフィン(共)重合体を主成分として含む。ここで、オレフィン(共)重合体とは、エチレン・α−オレフィン共重合体(例えば、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(m−LLDPE)等)、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等)、ポリプロピレン、ポリブテン等のオレフィンの重合体又は共重合体、及びエチレン−極性モノマー共重合体等のオレフィンと極性モノマーとの共重合体を意味し、太陽電池用封止膜に要求される接着性、透明性等を有するものとする。オレフィン(共)重合体として、これらの1種を用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。本発明において、オレフィン(共)重合体としては、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリブテン及びエチレン−極性モノマー共重合体からなる群から選択される少なくとも1種以上の重合体であることが好ましい。特に、加工性に優れ、架橋剤による架橋構造を形成することができ、接着性が高い太陽電池用封止膜を形成することができることから、オレフィン(共)重合体が、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(m−LLDPE)及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体であることが好ましい。
m−LLDPEは、エチレン由来の構成単位を主成分とし、更に炭素数3〜12のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1-へキセン、1−オクテン、4−メチルペンテン−1、4−メチル−へキセン−1、4,4−ジメチル−ペンテン−1等由来の1種又は複数種の構成単位を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(ターポリマー等も含む)である。エチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−ペンテン−1共重合体、エチレン・ブテン・ヘキセンターポリマー、エチレン・プロピレン・オクテンターポリマー、エチレン・ブテン・オクテンターポリマー等が挙げられる。エチレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンの含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましく、15〜30質量%が更に好ましい。α−オレフィンの含有量が少ないと太陽電池用封止膜の柔軟性や耐衝撃性が十分でない場合があり、多過ぎると耐熱性が低い場合がある。
エチレン−極性モノマー共重合体の極性モノマーは、ビニルエステル、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、一酸化炭素等を例示することができる。より具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
また、EMMAにおけるメタクリル酸メチルの含有率は20〜30質量%、更に22〜28質量%とするのが好ましい。この範囲であれば、透明性の高い封止膜が得られ、発電効率が高い太陽電池とすることができる。
なお、本発明において、樹脂材料には、上述のオレフィン(共)重合体に加えて副次的にポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB)等の樹脂を配合しても良い。
本発明の太陽電池用封止膜においては、架橋剤を含有させ、エチレン−極性モノマー共重合体の架橋構造を形成することが好ましい。架橋剤は、有機過酸化物又は光重合開始剤を用いることが好ましい。なかでも、接着力、耐湿性、耐貫通性の温度依存性が改善された封止膜が得られることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
本発明の太陽電池用封止膜においては、必要に応じて、架橋助剤を含んでいてもよい。架橋助剤は、エチレン−極性モノマー共重合体のゲル分率を向上させ、封止膜の接着性及び耐久性を向上させることができるものである。
本発明の太陽電池用封止膜においては、更に、接着向上剤を含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、更に優れた接着力を有する太陽電池用封止膜とすることができる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
本発明の太陽電池用封止膜においては、封止膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
上述した本発明の太陽電池用封止膜を形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上述のように、式(I)のユウロピウム錯体を含む微粒子を調製した後、上記の他の各材料とともにスーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。また、前記組成物を溶剤に溶解(微粒子については分散)させ、この分散液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。なお、製膜時の加熱温度は、有機過酸化物を用いる場合は、有機過酸化物が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、50〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。太陽電池用封止膜の厚さは、特に制限されず、用途によって適宜設定することができる。一般に、50μm〜2mmの範囲である。
本発明の太陽電池の構造は、本発明の太陽電池用封止膜により太陽電池素子が封止されてなる構造を含んでいれば特に制限されない。例えば、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、本発明の太陽電池用封止膜を介在させて架橋一体化させることにより太陽電池用セルを封止させた構造などが挙げられる。
(波長変換材料(式(I)のユウロピウム錯体)を含む微粒子の調製)
(1)波長変換材料含有微粒子
メタクリル酸メチル95質量部、エチレングリコールジメタクリレート5質量部、波長変換材料(1)(Eu(hfa)3(TPPO)2、ルミシスE−300(セントラルテクノ社製))0.1質量部及び開始剤を用い、常法により懸濁重合を行い、球状微粒子(平均粒子径100μm)を得た。
(2)波長変換材料担持微粒子
ポリメタクリル酸メチル樹脂微粒子(根上工業株式会社製、平均粒子径100μm)に、波長変換材料(1)、Eu(hfa)3(TPPO)2、ルミシスE−300(セントラルテクノ社製))のアセトン溶液を添加し(微粒子100質量部に対してユウロピウム錯体0.1質量部となるように添加)、撹拌後、乾燥し、球状微粒子を得た。
下記表に示す配合で各材料をロールミルに供給し、70℃において混練して太陽電池用封止膜組成物を調製した。この太陽電池用封止膜組成物を、70℃においてカレンダ成形し、放冷後、太陽電池用封止膜(厚さ0.46mm)を作製した。
なお、他の各波長変換材料は以下の通りである。
波長変換材料(2):C60H42EuF9O8P2S3、ルミシスE−400(セントラルテクノ社製)
波長変換材料(3):ルミシスR−600(セントラルテクノ社製)
波長変換材料(4):Eu(TTA)3Phen
上記太陽電池用封止膜を2枚の白板ガラス(厚さ3.2mm)で挟み、得られた積層体を真空ラミネータを用いて90℃において真空時間2分、プレス時間8分で圧着した後、155℃のオーブン中で30分間加熱して架橋硬化させることにより、サンプルを作製した。
(1)光線透過率(%)
上記サンプルについて、分光光度計(日立製作所製、U−4100)を用いて400〜1000nmのスペクトル測定を実施し、その平均値を光線透過率(%)とした。
(2)ヘイズ(濁度)(%)
上記サンプルについて、JIS K 7105(2000年)に従って、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 NDH 2000型)を用いてヘイズ値(%)を測定した。
(3)蛍光強度
上記サンプルについて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、F−7000)を用いて蛍光強度を測定した。測定条件:ホトマル電圧400V、励起側スリット20nm、蛍光側スリット10nm、スキャンスピード240nm/min。照射波長は波長変換材料(1)の場合は325nm、波長変換材料(2)及び(3)の場合は355nm、波長変換材料(4)の場合は365nmとした。なお、各波長変換材料自体の励起ピーク波長は、上記各照射波長よりも短波長側に位置しているが、白板ガラスの光線透過率(白板ガラスでの吸収)が紫外線領域に存在しており、白板ガラスの吸収は短波長側にかけて強くなる傾向がある。したがって、短波長側の紫外線は強く吸収され、合わせガラス構造の試験では見かけ励起のピーク波長が長波長側にシフトすることから、各照射波長を上記のとおりとした。
(4)UV劣化
上記サンプルについて、紫外線ランプ(スーパーUV、岩崎電気社製)を用い、ブラックパネル温度63℃の条件下において、1000W/cm2の紫外線を照射する光源から235mmの位置に対向させて配置し、紫外線を照射した場合に、紫外線照射前の試料の発光強度に対して30%まで低下するのに要する時間を測定した。
(5)分散性評価
上記サンプルについて、紫外線ランプ(スーパーUV、岩崎電気社製)を照射し、サンプル中央の30mm×30mm四方内に、0.1mm以上の発光点がいくつ存在するかをカウントした。波長変換材料が分散不良状態になると、凝集して粗大な状態でフィルム内部に存在し、大きな発光点として目視で容易に確認することが可能になる。また、分散性が良好であれば、微小な発光点がフィルム内部に均一に存在する為、粗大発光点数をカウントすることで分散性の指標とした。
(6)耐湿性評価
上記サンプルについて、85℃85%RH環境下に100h放置し、投入前後での蛍光強度を測定し、残存率を算出した。
(評価結果)
各評価結果を表に示す。
12 裏面側保護部材
13A 表面側封止膜
13B 裏面側封止膜
14 太陽電池用セル
(1)前記アクリル系樹脂が、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを主成分とする樹脂である。屈折率がオレフィン(共)重合体と同等又はそれ以下であるため、封止膜の透明性に影響を与え難い。
(2)前記微粒子が、球状である。ハンドリング性、分散性に優れる。
(3)前記オレフィン(共)重合体が、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・αオレフィン共重合体(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリブテン、及びエチレン−極性モノマー共重合体からなる群から選択される1種以上の重合体である。
(4)前記オレフィン(共)重合体が、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(m−LLDPE)及び/又はエチレン−極性モノマー共重合体である。加工性に優れ、架橋剤による架橋構造を形成することができ、接着性が高い封止膜とすることができる。
(5)前記エチレン−極性モノマー共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はエチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(EMMA)である。より透明性に優れ、柔軟性に優れた封止膜とすることができる。
(6)前記波長変換材料の励起波長に相当する325nmの光線を、太陽電池用封止膜に照射したときに得られる蛍光発光スペクトルにおける波長580〜640nmの発光ピーク面積を蛍光強度とし、1000W/cm2の照射強度を有する紫外線ランプから235mmの距離に、前記太陽電池用封止膜を配置し、温度63℃条件下で連続照射し、経時的に前記蛍光強度を測定したとき、前記太陽電池用封止膜の蛍光強度が、照射前の蛍光強度に対して30%に低下するまでに要する時間が、10時間以上である。
そして、本発明においては、式(I)のユウロピウム錯体が、更にアクリル系樹脂からなる微粒子に含有されていることにより、波長変換材料が太陽電池用封止膜中に均一に分散されている。
式(I)のユウロピウム錯体は、参考例として、微粒子中に担持させることもできるが、微粒子中に含有されている方が、エチレン−極性モノマー共重合体を含む太陽電池用封止膜中に生じる場合がある酸や水分の影響による劣化をより防止することができ、より発電効率を向上する効果が低下し難い太陽電池封止膜とすることができる。
Claims (10)
- 前記式(I)において、Rが全て水素原子であり、nが1である請求項1に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記波長変換材料が、前記微粒子中に含有されている請求項1又は2に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記アクリル系樹脂が、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを主成分とする樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記微粒子が、球状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記波長変換材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.000001〜1質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記波長変換材料の含有量が、前記樹脂材料100質量部に対して、0.0001〜0.01質量部である請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記オレフィン(共)重合体が、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン・αオレフィン共重合体(m−LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリブテン、及びエチレン−極性モノマー共重合体からなる群から選択される1種以上の重合体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
- 前記波長変換材料の励起波長に相当する325nmの光線を、太陽電池用封止膜に照射したときに得られる蛍光発光スペクトルにおける波長580〜640nmの発光ピーク面積を蛍光強度とし、
1000W/cm2の照射強度を有する紫外線ランプから235mmの距離に、前記太陽電池用封止膜を配置し、温度63℃条件下で連続照射し、経時的に前記蛍光強度を測定したとき、前記太陽電池用封止膜の蛍光強度が、照射前の蛍光強度に対して30%に低下するまでに要する時間が、10時間以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜により太陽電池素子を封止してなることを特徴とする太陽電池。
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