JP2017171888A - 光アップコンバージョン材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光アップコンバージョン収率を実現する、固体状の有機系光アップコンバージョン材料を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、固体である、光アップコンバージョン材料。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、光アップコンバージョン材料に関する。
従来、長波長光を短波長光に変換する光アップコンバージョン発光体が知られている。光アップコンバージョン発光体としては、希土類元素などを用いた無機系光アップコンバージョン発光体が知られている。無機系光アップコンバージョン発光体は、赤外レーザー光を可視光に変換するIRカードなどに応用され、既に実用化されている。
一方、有機化合物を用いた有機系光アップコンバージョン発光体では、有機化合物が有する強くて幅広い吸収スペクトルを用いることにより、無機系光アップコンバージョン発光体よりも、幅広い波長かつ低い入射パワーでの光アップコンバージョンが可能となることが知られている。有機系光アップコンバージョン発光体の用途としては、例えば、有機太陽電池などが挙げられる。有機太陽電池において、太陽光から自由電荷担体を発生させるのは紫外光及び青色光である。そこで、有機太陽電池に有機系光アップコンバージョン発光体を用いることにより、緑色、赤色などの長波長光を青色光などの短波長光に変換し、有機太陽電池の光電変換効率を高めることなどが期待されている。このように、近年、有機系光アップコンバージョン発光体が注目を集めてきている(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2を参照)。
有機系光アップコンバージョン発光体は、一般に、光増感剤と共に用いられ、有機系光アップコンバージョン材料として使用される。現在知られている有機系光アップコンバージョン材料における光アップコンバージョンの機構としては、例えば次のような機構が挙げられる。まず、基底状態にある光増感剤分子(1A)が、光エネルギーを吸収して励起一重項状態(1*)へと遷移する(1A+hν→1*)。次に、速やかに励起三重項状態(3*)へと系間交差を起こし(1*3*)、光増感剤分子の励起三重項状態から発光体分子にエネルギーが受け渡される。これにより、光増感剤分子はエネルギーを失ってその基底状態に戻る。一方、基底状態にあった発光体分子(1E)が、励起三重項(3*)へと変化する(三重項−三重項エネルギー移動:3*1E→1A+3*)。励起三重項状態へ変化した発光体分子の濃度が高まると、励起三重項状態へ変化した発光体分子同士の相互作用が効率よく起きるようになり、励起三重項状態へ変化した一方の発光体分子から他方の発光体分子にエネルギーが移動する。このとき、励起三重項状態へ変化した一方の発光体分子は基底状態に戻り、他方は励起一重項状態へと変化する(三重項−三重項消滅過程:3*3*1E+1*)。そして、この励起一重項状態へ変化した発光体分子から、蛍光として、アップコンバージョンされた発光(1*1E+hνf)が生じる。このような機構は、「三重項-三重項アップコンバージョン」、「光化学アップコンバージョン」などと呼ばれている。
以上のような機構を考慮すると、有機系光アップコンバージョン材料では、発光体の励起三重項状態のエネルギーが励起一重項状態のエネルギーの半分程度である必要性がある。このため、発光体としては、芳香環骨格をもつ分子などが用いられている。また、光増感剤としては、高効率に励起三重項状態を生成する有機金属錯体などが用いられている。
例えば、青色発光領域の光アップコンバージョン発光体として、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセンなどが知られている。しかしながら、これらの発光体を用いた光アップコンバージョン収率(長波長光から短波長光への変換収率)は、3〜5%程度と低く、より高い光アップコンバージョン収率を有する新規な有機系光アップコンバージョン材料の開発が求められている。
また、従来の有機系光アップコンバージョン材料の多くは後述の通り液体であり、実用化の観点から、固体の有機系光アップコンバージョン材料の開発も求められている。
特表2008−506798号公報 国際公開2014/136619号
Ceroni, P., Energy up-conversion by low-power excitation: new applications of an old concept. Chemistry (Weinheim an der Bergstrasse, Germany) 2011, 17, 9560-4. Trupke, T.; Shalav, a.; Richards, B. S.; Wurfel, P.; Green, M., Efficiency enhancement of solar cells by luminescent up-conversion of sunlight. Solar Energy Materials and Solar Cells 2006, 90, 3327-3338.
有機系光アップコンバージョン材料においては、その動作原理上、増感剤と発光体の間のエネルギーの受け渡し及び三重項発光体同士の対消滅に、増感剤と発光体の間または三重項発光体同士の間での、分子衝突が必要である。このため、従来、発光量子収率が10%を越える高効率材料は、液体であるか、実質上液体を含むゲル状媒体であり、取り扱いやデバイス化に難点があった。
さらに、液体を含まない固体については、蒸着法や、溶液からのスピンコート法では増感剤と発光体がそれぞれ別々に結晶化してしまうことが知られており(例えば、論文「Monguzzi, A.; Tubino, R.; Hoseinkhani, S.; Campione, M.; Meinardi, F., Low power, non-coherent sensitized photon up-conversion: modelling and perspectives. Phys. Chem. Chem. Phys. 2012, 14, 4322-4332」)、両者の間のエネルギー移動が著しく阻害される点に問題があった。
さらに、増感剤と発光体の間のエネルギーの受け渡しや三重項発光体は、大気中の酸素によって阻害されるため、不活性気体中に封止、酸素除去する必要があった。これらの点では、本発明者らの従来の技術(特許文献2)についても、同様である。
このような状況下、本発明は、高い光アップコンバージョン収率を実現する、固体状の有機系光アップコンバージョン材料を提供することを主な目的とする。
本発明者は、溶液から溶媒を蒸発させて固体化する際に増感剤と発光体がそれぞれ別々に結晶化する問題を克服するには、増感剤同士の結晶化が生じるよりも早く発光体の結晶化が行われるようにすることで、増感剤が結晶化しない状態で発光体結晶中に取り込まれて固体化することがでるとの着想を得た。そのために、発光体に対する増感剤の濃度を低くし、さらに発光体の濃度を高め、溶媒、揮発条件を調整することで、迅速に発光体が結晶化することで、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、上記の一般式(1)で表される化合物を光アップコンバージョン発光体として用いた上で、光増感剤と共に固体とすることにより、非常に高い光アップコンバージョン収率を有する光アップコンバージョン材料が得られることが明らかとなった。本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 下記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、固体である、光アップコンバージョン材料。
[一般式(1)中、基Aは、置換基を有することがある縮合環数が3〜5の多環芳香族化合物の2価の残基を示す。
基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(2a)または(2b)で表される3価の基を示す。
[一般式(2a)及び(2b)中、基Zが基Aと結合しており、残りの2つの結合手がそれぞれ基X1及び基X2と結合しており、基Zは、単結合、または飽和もしくは不飽和であり、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。Rn 2は、0〜3個の置換基であって、ベンゼン環上の水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。
基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数2以上の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を示す。]
項2. 前記固体中の前記一般式(1)で表される化合物と、前記光増感剤との合計割合が、60質量%以上である、項1に記載の光アップコンバージョン材料。
項3. 前記一般式(1)で表される化合物及び前記光増感剤により形成された結晶を含んでいる、項1または2に記載の光アップコンバージョン材料。
項4. 前記一般式(1)において、基Aが、下記一般式(A1)〜(A23)で表される多環芳香族化合物残基のいずれかである、項1〜3のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
[一般式(A1)〜(A23)中、2価の結合手は、それぞれ芳香環上の水素原子と置換可能な任意の位置に存在する。Rn 1は、0個以上の置換基であって、それぞれ芳香環に結合した水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]
項5. 前記一般式(1)において、基Aが、下記一般式(A1−1)、(A1−2)、(A2−1)、(A3−1)、(A4−1)、(A5−1)、(A5−2)、(A6−1)、(A9−1)、(A9−2)、(A9−3)、(A9−4)、(A14−1)、(A14−2)、(A14−3)、及び(A14−4)で表される多環芳香族化合物残基のいずれかである、項1〜4のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
[一般式(A1−1)、(A1−2)、(A2−1)、(A3−1)、(A4−1)、(A5−1)、(A5−2)、(A6−1)、(A9−1)、(A9−2)、(A9−3)、(A9−4)、(A14−1)、(A14−2)、(A14−3)、及び(A14−4)中、Rn 1は、上記の一般式(A1)〜(A23)と同様である。]
項6. 前記基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(3a−1)〜(3a−4)で表される3価の基のいずれかである、項1〜5のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
[一般式(3a−1)〜(3a−4)中、Rn 2は、一般式(2a)と同様である。]
項7. 前記一般式(1)において、基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数が5〜10の直鎖のアルキレン基である、項1〜6のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
項8. 項1〜7のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料に光を照射することにより、前記照射した光よりも短波長の光を発光させる、光波長の変換方法。
項9. 下記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、前記一般式(1)で表される化合物の溶液を、乾燥させる工程を備えている、光アップコンバージョン材料の製造方法。
[一般式(1)中、基Aは、置換基を有することがある縮合環数が3〜5の多環芳香族化合物の2価の残基を示す。
基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(2a)または(2b)で表される3価の基を示す。
[一般式(2a)及び(2b)中、基Zが基Aと結合しており、残りの2つの結合手がそれぞれ基X1及び基X2と結合しており、基Zは、単結合、または飽和もしくは不飽和であり、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。Rn 2は、0〜3個の置換基であって、ベンゼン環上の水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]
基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数2以上の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を示す。]
本発明によれば、高い光アップコンバージョン収率を実現する、固体状の光アップコンバージョン発光材料を提供することができる。
実施例1で得られた固体試料に光出力パワー4mWのレーザービームを凸レンズ用いてビーム径を拡大し、円形に広がった固体が励起されるように照射し、照射光の散乱を防ぐノッチフィルターを通して目視で観察したものの写真である。 実施例2で得られた固体試料に含まれる結晶粒(PtOEP:C7−sDPAのモル比が1:720))の顕微鏡像である。 実施例2で得られた結晶粒からの発光を、ノッチフィルターを通してCCDカメラで観察したものの写真である。 実施例2で得られた固体試料(図3中央の結晶固体)の発光スペクトルである。 実施例4で得られた結晶粒からの発光を、ノッチフィルターを通してCCDカメラで観察したものの写真である。 実施例4で得られた固体試料(図5中央の結晶固体)の発光スペクトルである。 実施例5で得られた結晶粒からの発光を、ノッチフィルターを通してCCDカメラで観察したものの写真である。 実施例5で得られた固体試料(図7中央の結晶固体)の発光スペクトルである。
本発明の光アップコンバージョン材料は、下記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、固体であることを特徴とする。
ここで、下記一般式(1)で表される化合物は、本発明の光アップコンバージョン材料において、光アップコンバージョン発光体として機能する化合物である。また、本発明において、「光アップコンバージョン発光体」とは、吸収した光よりも短波長の光を発する化合物をいう。本発明の光アップコンバージョン材料においては、光増感剤がアクセプターとして機能し、光アップコンバージョン発光体がドナーとして機能する。以下、本発明の光アップコンバージョン発光材料について詳述する。
[光アップコンバージョン発光体]
光アップコンバージョン発光体は、上記の一般式(1)で表される化合物であり、本発明の光アップコンバージョン材料が吸収した光よりも短波長光を発光する機能を有する。一般式(1)において、基Aは、基B1及び基B2と結合している。また、基B1、基X1、基B2、及び基X2はこの順に結合して環を形成しており、この環の中に基Aが位置している。
一般式(1)において、基Aは、置換基を有することがある縮合環数が3〜5の多環芳香族化合物の2価の残基を示す。基Aを構成する芳香環としては、例えば、ベンゼン環、シクロペンタジエニル環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、フラン環、チオフェン環、シロール環などが挙げられる。
基Aの具体例としては、例えば、下記一般式(A1)〜(A23)で表される多環芳香族化合物残基が挙げられる。
一般式(A1)〜(A23)において、2価の結合手の位置は、特に制限されず、それぞれ芳香環上の水素原子と置換可能な任意の位置に存在する。2価の結合手は、それぞれ、同一または互いに隣接する芳香環上に存在することが好ましい。これにより、環の大きさを小さくすることができ、発光体間の相互作用が起こりやすくなり、光アップコンバージョン収率をより高めることが可能となると考えられる。また、2価の結合手は、結合手が無い場合にラジカルが発生しやすい位置にあることが好ましい。このような位置に結合手が存在することにより、これらの位置でラジカルが発生することが阻止され、ラジカル反応によって発光体同士が反応して2量体となり、光アップコンバージョン収率が低下することを抑制することができる。
一般式(A1)〜(A23)において、Rn 1は、0個以上の置換基であって、それぞれ芳香環に結合した水素原子と置換している。Rn 1の数の上限値は、一般式(A1)〜(A23)の芳香環に結合した水素原子の数によって異なるが、通常0〜8個程度、好ましくは0〜4程度である。0個以上のRn 1は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。Rn 1が、アルキル基またはアルコキシ基である場合、炭素数としては特に制限されないが、基Aの立体障害を小さくし、発光体間の相互作用を起こりやすくする観点からは、好ましくは1〜10程度が挙げられる。
一般式(1)において、好ましい基Aとしては、下記一般式(A1−1)、(A1−2)、(A2−1)、(A3−1)、(A4−1)、(A5−1)、(A5−2)、(A6−1)、(A9−1)、(A9−2)、(A9−3)、(A9−4)、(A14−1)、(A14−2)、(A14−3)、及び(A14−4)で表される多環芳香族化合物残基が挙げられる。基Aがこれらの構造を有することにより、発光体は、基Aの中央部分において、基B1、基X1、基B2、及び基X2によって形成された環が基Aを囲む構造となる。このような構造を有する発光体間では、相互作用が起こりやすくなり、光アップコンバージョン収率をより高めることが可能になると考えられる。また、これらの構造を有する基Aの2つの結合手は、それぞれ、結合手が無い場合にはラジカルが発生しやすい炭素原子上に位置している。すなわち、これらの構造では、基Aの2つの結合手によって、これらの位置でラジカルが発生することが阻止されている。よって、ラジカル反応によって発光体同士が反応して2量体となり、光アップコンバージョン収率が低下することが、効果的に抑制されていると考えられる。
一般式(A1−1)、(A1−2)、(A2−1)、(A3−1)、(A4−1)、(A5−1)、(A5−2)、(A6−1)、(A9−1)、(A9−2)、(A9−3)、(A9−4)、(A14−1)、(A14−2)、(A14−3)、及び(A14−4)において、Rn 1は、上記の一般式(A1)〜(A23)と同様である。
一般式(1)において、基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(2a)または(2b)で表される3価の基を示す。
一般式(2a)及び(2b)において、基Zが、基Aの2つの結合手とそれぞれ結合している。また、一般式(2a)及び(2b)の残りの2つの結合手は、それぞれ一般式(1)の基X1及び基X2と結合している。
一般式(2a)及び(2b)において、基Zは、単結合、または飽和もしくは不飽和であり、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。また、一般式(2a)において、Rn 2は、0〜3個の置換基であって、ベンゼン環上の水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。Rn 2がアルキル基またはアルコキシ基である場合、炭素数としては特に制限されないが、基B1及び基B2の立体障害を小さくし、発光体間の相互作用を起こりやすくすることと、増感剤との相溶性を増加させることを両立させる観点からは、好ましくは1〜10程度、より好ましくは5〜10程度が挙げられる。
基B1及び基B2の具体例としては、それぞれ独立に、下記一般式(3a−1)〜(3a−4)で表される3価の基が挙げられる。
一般式(3a−1)〜(3a−4)のRn 2は、それぞれ、上記の一般式(2a)及び(2b)のRn 2と同じである。
一般式(1)において、基X1及び基X2は、それぞれ、2価の結合手の一方が基B1と結合しており、他方が基B2と結合している。基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数2以上の直鎖または分岐鎖のアルキレン基である。基X1及び基X2の立体障害を小さくし、発光体間の相互作用を起こりやすくする観点からは、基X1及び基X2は、好ましくは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数が5〜10の直鎖のアルキレン基が挙げられ、より好ましくは炭素数が5〜10の直鎖のアルキレン基またはエーテル結合を有する炭素数が5〜10の直鎖のアルキレン基が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、下記一般式(1a−1)〜(1a−3)、(1b−1)〜(1b−3)、(1c−1)〜(1c−3)で表される化合物が特に好ましい。
一般式(1a−1)〜(1a−3)、(1b−1)〜(1b−3)、(1c−1)〜(1c−3)において、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。R11及びR12が、それぞれ、アルキル基またはアルコキシ基である場合、炭素数としては特に制限されないが、発光体間の相互作用を起こりやすくする観点からは、好ましくは1〜10程度、より好ましくは5〜10程度が挙げられる。また、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。R21及びR22が、それぞれ、アルキル基またはアルコキシ基である場合、炭素数としては特に制限されないが、発光体間の相互作用を起こりやすくする観点からは、好ましくは1〜10程度、より好ましくは5〜10程度が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記式(1a)、(1b)、(1c)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の製造方法としては、特に制限されず、公知の合成方法により製造することができる。一般式(1)で表される化合物の製造方法を上記式(1a)で表される化合物を例にして説明する。下記のスキーム1に示すように、まず、アントラキノン(1a1)と2,6−ジメチロキシフェニルリチウムとを反応させて、式(1a2)で表される化合物を得る。次に、この化合物を脱水させることにより9,10−bis(2,6−ジメトキシフェニル)アントラセン(1a3)を得る。脱水は、例えば、NaI、NaH2PO2・H2O、AcOHの存在下において、120℃程度に加熱することにより行うことができる。次に、BBr3を用いて、9,10−bis(2.6−ジメトキシフェニル)アントラセン(1a3)の脱メチル化を行い、式(1a4)で表される化合物を得る。最後に、式(1a4)の化合物と1,7−ジブロモヘプタンとを反応させることにより、式(1a)の化合物が得られる。
また、一般式(1)で表される化合物は、下記のスキーム2に示す方法などによっても、製造することもできる。この製造方法を式(1a)で表される化合物を例にして説明する。まず、9,10−ジブロモアントラセン(1a5)と2,6−ジメトキシフェニルボロン酸とを鈴木−宮浦カップリング反応により結合させて、9,10−bis(2,6−ジメトキシフェニル)アントラセン(1a3)を得る。その後は、上記のスキーム1と同様にして、式(1a)の化合物が得られる。
後述の光アップコンバージョン材料において、本発明の光アップコンバージョン発光体は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の光アップコンバージョン材料には、上記一般式(1)で表される化合物(光アップコンバージョン発光体)に加えて、光増感剤が含まれる。光増感剤としては、光エネルギーを吸収して、本発明の光アップコンバージョン発光体に光エネルギーを移動させることができるものであれば、特に制限されず、公知の光増感剤を用いることができる。
本発明の光アップコンバージョン発光体に光エネルギーを好適に移動させる観点からは、光増感剤としては、好ましくは、有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体を構成する金属としては、特に制限されないが、例えば、Li、Mg、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Pd、Ag、Re、Os、Ir、Pt、Pbなどが挙げられ、好ましくはPt、Pdが挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、ポルフィリンまたはその置換体の金属錯体、フタロシアニンまたはその置換体の金属錯体などが挙げられ、これらの中でも好ましくはポルフィリンまたはその置換体の金属錯体が挙げられる。
特に好ましい光増感剤としては、ポルフィリンまたはその置換体のパラジウム錯体、ポルフィリンまたはその置換体のプラチナ錯体が挙げられる。ポルフィリンまたはその置換体のパラジウム錯体の具体例としては、パラジウムテトラベンゾポルフィリン、パラジウムテトラフェニルテトラベンゾポルフィリン、パラジウムオクタエチルポルフィリン、パラジウムシクロヘキセノポルフィリンなどが挙げられる。また、ポルフィリンまたはその置換体のプラチナ錯体の具体例としては、プラチナテトラベンゾポルフィリン、プラチナテトラフェニルテトラベンゾポルフィリン、プラチナオクタエチルポルフィリン、プラチナシクロヘキセノポルフィリンなどが挙げられる。
本発明の光アップコンバージョン材料において、光増感剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の光アップコンバージョン材料において、一般式(1)で表される化合物と、光増感剤との配合割合(モル比)としては、特に制限されないが、アップコンバージョン発光量子収率を効果的に高める観点から、光増感剤1モルに対して、一般式(1)で表される化合物を10〜10000モル程度とすることが好ましく、200〜2000モル程度とすることがより好ましい。
本発明の光アップコンバージョン材料において、一般式(1)で表される化合物と、前記光増感剤との合計割合としては、特に制限されないが、アップコンバージョン発光量子収率を効果的に高める観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは90質量%以上が挙げられる。
また、本発明の光アップコンバージョン材料においては、アップコンバージョン発光量子収率を効果的に高める観点から、一般式(1)で表される化合物及び前記光増感剤により形成された結晶を含んでいることが好ましい。本発明の光アップコンバージョン材料においては、当該結晶になっている部分の発光効率が特に高いためである。
本発明において、アップコンバージョン発光量子収率(Φuc)は、下記数式(A)によって算出される。
Φuc=2×Φstd×(Astd/Auc)×(Iuc/Istd)×(Nuc/Nstd)2 (A)
上記式において、Astd及びAucは、それぞれ標準物質及び被測定試料の励起波長における吸光度である。また、Istd及びIucは、それぞれ標準物質及び被測定試料の発光強度を発光体全域にわたる波長で積分した積分発光強度である。特に、アップコンバージョン用の被測定試料については、励起光よりも短波長のアップコンバージョン発光帯についての積分発光強度である。また、Nstd及びNucは、それぞれ標準物質及び被測定試料の発光波長における溶媒もしくは周囲媒体の屈折率である。
標準物質としては、被測定試料と同じ波長および光学配置で励起できるものであり、かつその信頼できる蛍光量子収率が報告されているものであれば利用することができる。例えば、後述の実施例においては、ローダミン101のエチレングリコール溶液(100μM)を標準物質として用い、その蛍光量子収率0.94をΦstdとして用いた。この蛍光量子収率の値は、更にローダミン101のエタノール希薄溶液を標準物質としても、論文「C. Wurth, C. Lochmann, M. Spieles, J. Pauli, K. Hoffmann, T. Schuttrigkeit, T. Franzl, U. Resch-Genger, Appl. Spectroscop. 2010, 64, 733.」に記載の同希薄溶液の蛍光量子収率0.89を下記数式(B)におけるΦstdとして用いて決定した値である。
Φfl=Φstd×(Astd/Auc)×(Iuc/Istd)×(Nuc/Nstd)2 (B)
また、論文「Shiina, S. Oishi, S. Tobita, Phys. Chem. Chem. Phys. 2009, 11, 9850.」に記載の方法により、ローダミン101のエチレングリコール溶液(100μM)を直接測定することによって得られた値とも3%の誤差内で一致した。
本発明の光アップコンバージョン材料が固体である温度は、使用時に固体であれば特に制限されず、少なくとも、125℃以下、より好ましくは80℃以下において固体である。
本発明の光アップコンバージョン材料の製造方法としては、特に限定されないが、上記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、一般式(1)で表される化合物の溶液を、乾燥させる工程を備える方法により製造することができる。このような製造方法を採用することにより、特に発光効率に優れた光アップコンバージョン材料が得られる。
具体的には、光増感剤を含んでおり、かつ、一般式(1)で表される化合物(発光体)が高濃度、具体的には飽和濃度の10分の1以上の濃度となっており、さらには増感剤分子1モルに対して発光体分子が100モル以上、より望ましくは500モル以上である溶液を準備し、当該溶液から溶媒を迅速に揮発させることにより、固体形態の光アップコンバージョン材料を迅速に製造することができる。迅速に揮発させる方法としては、テトラヒドロフランのような揮発性の高い極性溶媒を用いて、濡れ性の良いガラス基板表面に滴下乾燥させるなどの方法を例示できる。このようにして、光アップコンバージョン材料を製造することにより、発光体と光増感剤との相互分散性が高い状態で素早く固体形態に移行させることが可能となる。そして、これにより、液体から固体に移行する際の発光体同士または光増感剤同士の凝集が抑制され、発光体と光増感剤とが隣接したものが、固体中に分散した形態になると考えられる。このため、光増感剤から隣接する発光体への三重項エネルギー移動が、固体中において効率的に行われ、結果として、高いアップコンバージョン発光量子収率が得られるものと考えられる。なお、特許文献2においては、光増感剤と一般式(1)で表される化合物(発光体)を溶媒に溶解させた溶液を調製しているが、溶媒は乾燥させずに、当該溶液を光アップコンバージョン材料として用いている。特許文献2では、最も高いアップコンバージョン効率を実現する材料系として、溶液を想定しており、溶液からの揮発では非特許文献3に示される様に、増感剤と発光体が別々に結晶化することでアップコンバージョンが生じないことが知られていた。
溶媒としては、特に制限されず、例えば、有機溶媒、水などを用いることができる。有機溶媒の具体例としては、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられ、これらの中でも、揮発性が高いことから、好ましくはジアセトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、シクロヘキサンが挙げられるが、揮発条件によってはこの限りではない。溶液の乾燥は、例えば、インクジェット法、スプレードライ法などによって行うこともできる。
本発明の光アップコンバージョン材料を、樹脂やガラスなどに含有させてもよい。樹脂としては、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース樹脂、イミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ビニルエステル樹脂などの公知の樹脂を用いることができる。また、樹脂の形状は、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、フィルム状、シート状、繊維状などが挙げられる。
ガラスとしては、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどを用いることができる。また、ガラスの形状は、特に制限されず、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、フィルム状、シート状、繊維状などが挙げられる。
本発明の光アップコンバージョン材料では、吸収する光の波長が通常480〜560nm程度、好ましくは490〜510nm程度と525〜540nm程度の位置に吸収強度のピークがある。本発明の光アップコンバージョン材料では、発光する光の波長が通常400〜550nm程度、好ましくは400〜480nm程度の位置に発光強度のピークがある。また、本発明の光アップコンバージョン材料に照射する光の光照射パワー(mW)は、光アップコンバージョン材料の用途に応じて適宜設定することができ、例えば、0.01〜10mW程度が挙げられる。
本発明の光アップコンバージョン材料は、光アップコンバージョン材料に入射した波長を効率よく短波長に変換することができるため、有機太陽電池などの太陽電池、自然光照明、LED、有機EL素子、バイオマーカー、ディスプレイ、印刷、セキュリティ認証、光データ記憶装置、センサーなどの用途に好適に使用することができる。本発明の光アップコンバージョン材料は、光を照射することにより、照射した光よりも短波長の光を発光させる、光波長の変換方法として好適に使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
[実施例1]
テトラヒドロフラン(THF)からなる媒体中に、光増感剤として下記式(4)で表されるPt−オクタエチルポルフィリン(PtOEP)を加え、所定濃度溶液を調製した。次に、このPtOEPの所定濃度溶液に発光体として下記式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)の粉末を加えて、均一に攪拌して溶液を得た。このとき、発光体と光増感剤とのモル比は、光増感剤1モルに対して、発光体を720モルとし、さらにC7−sDPAの濃度は室温(23℃)における飽和濃度とした。次に、得られた溶液をスポイトにとり、スライドガラスの表面に1滴垂らして、そのまま室温(23℃)、大気中で1分間放置して乾燥させることにより、円形に広がった固体試料を得た(図1を参照)。なお、円形に広がっている部分の直径は、約2cmであった。固体試料中の一般式(1a)で表される化合物と、光増感剤との合計割合は、100質量%である。
次に、得られた固体試料に光出力パワー4mWのレーザービーム(入射光の中心波長532nm、緑色、連続光)を凸レンズ用いてビーム径を拡大して、円形に広がった固体が励起される様に照射し、照射光の散乱を防ぐノッチフィルターを通して目視で観察したところ、円形に広がった固体の円周部が青色に発光した(図1の写真はその条件で撮影したものである)。照射部位でのレーザービーム径は2cmを越えており、用いたレーザービームは中心の光強度が高いガウス型空間プロファイルを持っており、青く発光している円周部における照射光強度は2.3 mW/cm2未満である。
[実施例2]
実施例1と同じ方法により作製したPt−オクタエチルポルフィリン(PtOEP、式(4))と式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)からなる円形に広がった固体試料を、光学顕微鏡下(対物レンズ20倍)において観察した。その結果、固体試料は、種々の形状の粒状の結晶からなることが示された(図2)。さらに同一の対物レンズを通して、波長532nmの緑色のレーザー光(連続光)を顕微鏡観察視野中央にある固体試料の結晶粒に照射した(照射部位での光強度6.0 W/cm2)。この状態で、固体試料からの発光を、ノッチフィルターを通してCCDカメラで観察すると共に、ファイバー分光器で発光スペクトル観察を行った。その結果、結晶粒が鮮やかな青色に発光していることが確認された(図3)。また、得られたスペクトルを図4に示す。固体試料中の一般式(1a)で表される化合物と、光増感剤との合計割合は、100質量%である。
[実施例3]
実施例1と同じ方法により作製したPt−オクタエチルポルフィリン(PtOEP)と式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)からなる円形に広がった固体試料の領域を80μmのスペーサーを介して、カバーガラスで覆った試料を作製した(試料3-air)。固体試料中の一般式(1a)で表される化合物と、光増感剤との合計割合は、100質量%である。
さらに、これと同じ方法で作製した試料であるが、カバーグラスで覆う工程のみを高純度アルゴン(99.998%以上)雰囲気下で行い、カバーグラスの周囲を紫外線硬化樹脂で封止して(封止の際には固体試料には紫外線が照射されないようにマスクにした)固体試料がアルゴンガス環境下にある試料(試料3-Ar)を作製した。
加えて、試料3-airと同一であるが、カバーガラスを載せる工程において、カバーガラスをかける前にイマージョンオイル(オリンパス社製、屈折率1.404)が固体試料を覆う様に滴下した上にカバーガラスを載せた試料(試料3-oil)を作製した。
上記の手順で作製した三種類の試料を用意し、これらを順次光学顕微鏡下(対物レンズ20倍)において観察して選んだ結晶粒について顕微鏡に接続したファイバー分光器を用いて、そのまま同一の対物レンズを用いて、その結晶粒の透過吸収スペクトル、さらに波長532nmの緑色のレーザー光(連続光、照射部位での光強度6.0 W/cm2)を照射してノッチフィルターを通して測定することで発光スペクトルの測定を行った。さらに上記3試料と同一のスペーサーおよびスライドガラス、カバーガラスを用いて、両ガラスの間にローダミン101のエチレングリコール溶液(100μM)満たした試料を参照試料として、上記3試料と同じ条件でその透過吸収スペクトルおよび発光スペクトルの測定を行った。これらのデータより、前述の数式(A)に基づいて、各試料の結晶粒の発光量子収率を決定した。得られた発光量子収率は結晶粒毎にばらつきがあるが、各試料につき10個の結晶粒についての平均値、標準偏差を表1に示す。
表1に示されるように、いずれの試料においても、アップコンバージョン発光量子収率は10%を越えている。現時点で、三重項-三重項消滅にもとづく光アップコンバージョンでは固体材料で10%を越える材料は報告されていない。3種の試料のうち、試料3-Arが最も平均値高いが、標準偏差を考えると試料3-oilと顕著な差は見られない。イマージョンオイルは固体結晶表面との屈折率整合を促進し、固体試料の散乱や反射による損失を低減する効果がある。これに対して試料3-Arは固体試料の周囲が気体であり、屈折率整合が十分取れていない状況にある。しかし、それらの試料の差が顕著でないことから、屈折率整合が不十分であることによる誤差は、結晶粒の個体差に比べて小さいと結論付けられる。また、周囲環境が空気である試料3-airは他の2つの試料に比べて、誤差も考慮すると大差は無いといえる。液体の光アップコンバージョン材料においては酸素の存在下ではアップコンバージョン発光量子収率が著しく低下することが知られているが、本実施例である固体試料では空気中でも顕著な影響を受けないことを示している。
なお、特許文献2に示されるPt−オクタエチルポルフィリン(PtOEP、式(4))と式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)を含むジメチルスルホキシド溶液のアップコンバージョン発光量収率(最大15.1%)と比較しても、測定条件は異なるものの、本実施例で得られた固体の光アップコンバージョン材料のアップコンバージョン発光量収率は、高い値であった。
[比較例1]
実施例3と同じ方法で、かつ発光体として式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)の代わりに下記式で表される化合物(DPA)とし、さらにこのときの発光体と光増感剤とのモル比は、光増感剤1モルに対して、発光体を1000モルとすること以外は実施例3と同じ3種類の試料(試料4-air、試料4-Ar、試料4-oilであり、それぞれ固体試料を取り囲む環境が空気、アルゴンガス、イマージョンオイルである),を作製して、実施例3と同じ手順および方法でアップコンバージョン発光量子収率を測定した。その結果、各試料につき10個の結晶粒についてのアップコンバージョン発光量子収率の平均値、標準偏差として、表2に示す結果を得た。明らかにこれら比較例は表1に示される実施例3に比べて劣っている。
[実施例4]
実施例1と同じ方法で、かつ発光体として式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)の代わりに下記式で表される2,6−ジオクチル−C7s−DPA(一般式(1a−1に該当する化合物)とし、さらにこのときの発光体と光増感剤とのモル比は、光増感剤1モルに対して、発光体を1000モルとすること以外は、実施例3と同様にして円形に広がった固体試料を得た。次に、照射部位での励起光強度が3.0 W/cm2であること以外は、実施例2と同じ方法で固体試料の発光を観察すると共に、発光スペクトル測定を行った。その結果、結晶粒が鮮やかな青色に発光していることが確認された(図5)。また、得られたスペクトルを図6に示す。なお、下記式の化合物は、国際公開2014/136619A1の段落[0036]に記載の方法において、アントラキノンに代えて2,6−ジブロモアントラキノンを用いることにより合成した。さらにカバーグラスで覆う工程を大気中で行ったもののみであることを除き、実施例3と同じ方法により発光量子収率の測定を行ったところ、結晶粒毎にばらつきがあるが、各試料につき8個の結晶粒についての平均値は0.20、標準偏差0.06を得た。比較例1と比較しても、実施例4で得られた固体の光アップコンバージョン材料のアップコンバージョン発光量収率は、高い値であった。固体試料中の下記式で表される化合物と、光増感剤との合計割合は、100質量%である。
[実施例5]
実施例1と同じ方法で、かつ発光体として式(1a)で表される化合物(C7−sDPA)の代わりに、下記式で表されるC7s−ビス(4−オクチルフェニル)アントラセン(一般式1a−2に該当する化合物)とし、さらにこのときの発光体と光増感剤とのモル比は、光増感剤1モルに対して、発光体を1000モルとすること以外は、実施例3と同様にして円形に広がった固体試料を得た。次に、照射部位での光強度6.0 W/cm2にて、実施例2と同じ方法で発光を観察すると共に、発光スペクトル測定を行った。その結果、結晶粒が鮮やかな青色に発光していることが確認された(図7)。また、得られたスペクトルを図8に示す。なお、下記式の化合物は、国際公開2014/136619A1の段落[0036]に記載の方法において、2,6−ジメトキシフェニルリチウムに替えて2,6−ジメトキシ−4−オクチルフェニルリチウムを用いることにより合成した。さらにカバーグラスで覆う工程を大気中で行ったもののみであることを除き、実施例3と同じ方法により発光量子収率の測定を行ったところ、結晶粒毎にばらつきがあるが、各試料につき9個の結晶粒についての平均値は0.059、標準偏差0.004を得た。比較例1と比較しても、実施例5で得られた固体の光アップコンバージョン材料のアップコンバージョン発光量収率は、高い値であった。固体試料中の下記式で表される化合物と、光増感剤との合計割合は、100質量%である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、固体である、光アップコンバージョン材料。
    [一般式(1)中、基Aは、置換基を有することがある縮合環数が3〜5の多環芳香族化合物の2価の残基を示す。
    基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(2a)または(2b)で表される3価の基を示す。
    [一般式(2a)及び(2b)中、基Zが基Aと結合しており、残りの2つの結合手がそれぞれ基X1及び基X2と結合しており、基Zは、単結合、または飽和もしくは不飽和であり、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。Rn 2は、0〜3個の置換基であって、ベンゼン環上の水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]
    基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数2以上の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を示す。]
  2. 前記固体中の前記一般式(1)で表される化合物と、前記光増感剤との合計割合が、60質量%以上である、請求項1に記載の光アップコンバージョン材料。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物及び前記光増感剤により形成された結晶を含んでいる、請求項1または2に記載の光アップコンバージョン材料。
  4. 前記一般式(1)において、基Aが、下記一般式(A1)〜(A23)で表される多環芳香族化合物残基のいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
    [一般式(A1)〜(A23)中、2価の結合手は、それぞれ芳香環上の水素原子と置換可能な任意の位置に存在する。Rn 1は、0個以上の置換基であって、それぞれ芳香環に結合した水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]
  5. 前記一般式(1)において、基Aが、下記一般式(A1−1)、(A1−2)、(A2−1)、(A3−1)、(A4−1)、(A5−1)、(A5−2)、(A6−1)、(A9−1)、(A9−2)、(A9−3)、(A9−4)、(A14−1)、(A14−2)、(A14−3)、及び(A14−4)で表される多環芳香族化合物残基のいずれかである、請求項1〜4のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
    [一般式(A1−1)、(A1−2)、(A2−1)、(A3−1)、(A4−1)、(A5−1)、(A5−2)、(A6−1)、(A9−1)、(A9−2)、(A9−3)、(A9−4)、(A14−1)、(A14−2)、(A14−3)、及び(A14−4)中、Rn 1は、上記の一般式(A1)〜(A23)と同様である。]
  6. 前記基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(3a−1)〜(3a−4)で表される3価の基のいずれかである、請求項1〜5のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
    [一般式(3a−1)〜(3a−4)中、Rn 2は、一般式(2a)と同様である。]
  7. 前記一般式(1)において、基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数が5〜10の直鎖のアルキレン基である、請求項1〜6のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光アップコンバージョン材料に光を照射することにより、前記照射した光よりも短波長の光を発光させる、光波長の変換方法。
  9. 下記一般式(1)で表される化合物と、光増感剤とを含み、前記一般式(1)で表される化合物の溶液を、乾燥させる工程を備えている、光アップコンバージョン材料の製造方法。
    [一般式(1)中、基Aは、置換基を有することがある縮合環数が3〜5の多環芳香族化合物の2価の残基を示す。
    基B1及び基B2は、それぞれ独立して、下記一般式(2a)または(2b)で表される3価の基を示す。
    [一般式(2a)及び(2b)中、基Zが基Aと結合しており、残りの2つの結合手がそれぞれ基X1及び基X2と結合しており、基Zは、単結合、または飽和もしくは不飽和であり、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基を示す。Rn 2は、0〜3個の置換基であって、ベンゼン環上の水素原子と置換しており、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、水酸基、またはアミノ基を示す。]
    基X1及び基X2は、それぞれ独立して、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びスルフィド結合からなる群から選択された少なくとも一種の結合を有することがある炭素数2以上の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を示す。]
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