JP2015132813A - イオン液体を含む光波長変換要素およびその光波長変換要素を含む物品 - Google Patents
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Abstract
Description
で表される化合物が挙げられる。ここで、「水素原子を含む任意の置換基」とは、水素原子、又は水素原子を除く任意の置換基を意味する。
で表される化合物(ボロンジピロメテン類)、C70等が挙げられる。
で表される化合物であることが最も好ましい。これにより、さらに高い光波長変換効率を有する光波長変換要素を実現できる。
以下のイオン液体(C)の作製例では、超純水として、超純水製造装置(製造元:Merck KGaA、型番:Direct−Q(登録商標)UV3)で製造した超純水を用いた。
非特許文献6に記載の方法で、下記式
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.51−7.48(m,3H),7.27−7.25(m,2H),6,04(s,1H),2.63(s,3H),2.57(s,3H),1.38(s,6H)
13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 157.9,154.7,145.3,143.4,141.7,135.0,132.0,131.1,129.8,129.5,129.4,128.0,122.5,84.4,16.8,16.0,14.9,14.7
〔有機光増感分子(A)の合成例2〕
非特許文献6に記載の方法で、下記式
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.54−7.51(m,3H),7.26−7.24(m,2H),2.65(s,6H),1.38(s,6H)
13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 156.9,145.5,141.5,134.4,129.7,129.6,127.9,85.8,17.1,16.2
〔イオン液体(C)の作製例1〕
非水混和性のイオン液体である1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:169051−76−7;以下「イオン液体#1」と称する)の市販品(製造元:Ionic Liquids Technologies GmbH)をガラスバイアル瓶にとり、そのイオン液体#1の市販品にその9倍の体積の超純水を加え、汎用のマグネチックスターラーおよび撹拌子を用いて撹拌し静置した(その9倍の体積の超純水により洗浄した)。このとき、ガラスバイアル瓶の内容物は、ガラスバイアル瓶の底部にある当該イオン液体層と、その上にある水層とに分離した。その後、水層を取得し、水層のpH(洗浄後の水のpH)を測定したところ、水層のpHは3.9であった。
イオン液体(C)の作製例1で用いたイオン液体#1の市販品に代えて非水混和性のイオン液体である1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:350493−08−2;以下「イオン液体#2」と称する)の市販品(製造元:Ionic Liquids Technologies GmbH)を用いる以外は、イオン液体(C)の作製例1と同様の処理(イオン液体の9倍の体積の超純水による洗浄(撹拌および水層除去)の3回繰り返し)を行った。その結果、3回目の洗浄操作で除去された水層のpH(洗浄後の水のpH)が6.4となり、イオン液体(C)であるイオン液体#2が得られた。
イオン液体(C)の作製例1および2と同様の処理をそれぞれ行うことにより、イオン液体(C)である、イオン液体#1およびイオン液体#2を得た。また、イオン液体(C)の作製例1で用いたイオン液体#1の市販品に代えて、すべて非水混和性のイオン液体である、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:174899−82−2;以下「イオン液体#3」と称する)の市販品(製造元:Ionic Liquids Technologies GmbH)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:174899−83−3;以下「イオン液体#4」と称する)の市販品(製造元:Ionic Liquids Technologies GmbH)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:174899−83−3;以下「イオン液体#5」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、エチルジメチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:258273−77−7;以下「イオン液体#6」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:169051−76−7;以下「イオン液体#7」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(CAS番号:377739−43−0;以下「イオン液体#8」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(CAS番号:713512−19−7;以下「イオン液体#9」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:223437−11−4;以下「イオン液体#10」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:350493−08−2;以下「イオン液体#11」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:382150−50−7;以下「イオン液体#12」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(CAS番号:851856−47−8;以下「イオン液体#13」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)、およびメチルトリ−n−オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(CAS番号:375395−33−8;以下「イオン液体#14」と称する)の市販品(製造元:Merck KGaA)をそれぞれ用いる以外は、イオン液体(C)の作製例1と同様の処理を行うことにより、イオン液体(C)である、イオン液体#3、イオン液体#4、イオン液体#5、イオン液体#6、イオン液体#7、イオン液体#8、イオン液体#9、イオン液体#10、イオン液体#11、イオン液体#12、イオン液体#13、およびイオン液体#14を得た。
有機光増感分子(A)の合成例2で得られた有機光増感分子(A)(2,6−ジヨード−1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−4,4−ジフルオロボラジアザインダセン)を、イオン液体(C)中に目視上均質かつ透明に溶解および/または分散させることができ、かつ、その状態が安定に保たれることを確認するため、以下の実験を行った。
(光波長変換要素の作製)
室温下で、内容積約8mlのガラスバイアル瓶内に、イオン液体(C)の作製例1で得られたイオン液体(C)であるイオン液体#1を400μl入れた。続いて、このイオン液体(C)であるイオン液体#1に、有機光増感分子(A)としてのメソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウム(CAS番号:119654−64−7)をトルエン中に濃度2×10-4Mで溶解させた溶液を約20μl、有機発光分子(B)としてのペリレン(CAS番号:198−55−0)をトルエン中に濃度4×10-3Mで溶解させた溶液を約300μl加えた。これにより、目視で不均質な混合液体が得られた。この目視で不均質な混合液体に対して、特許文献3に記載した方法と同様にガラス製パスツールピペット(イオン液体(C)の作製例1で使用したものと同じ)を用いて「吸い・吐き」を繰り返し行うことにより、目視で均質かつ透明な混合液を得た。その後、そのガラスバイアル瓶に蓋をして、超音波バスソニケーター(製造元:Branson Ultrasonics Corp.、型番:Model3510)にて約10分間撹拌および均質化処理した。
続いて、同グローブボックス中で真空チャンバーの蓋を開け、同グローブボックス中において、特許文献3に記載した方法と同様に、当該液体(光波長変換要素)の一部を、内寸1mm×1mm、外寸2mm×2mm、長さ約25mmの片端閉じ正方形石英管内にその全長の3/4程度、注入し、石英管の開口端を鉛ハンダで封止して、当該石英管に密閉されたアップコンバージョン発光評価用試料を得た。このアップコンバージョン発光評価用試料は、光波長変換要素とセルとしての石英管とを備え、光波長変換要素が、その酸素濃度が100質量ppm以下の状態で前記石英管中に封入されているものであり、本発明の光アップコンバージョンフィルターに相当する。
また、アップコンバージョン発光評価用試料の作製に使用しなかった残りの液体(光波長変換要素)を厚さ1mmの薄型石英セルに入れて、光吸収スペクトル測定用試料とした。紫外可視近赤外分光光度計(製造元:島津製作所、型番:UV−3600)により、光吸収スペクトル測定用試料の光吸収スペクトルを測定した。測定された光吸収スペクトルを図4に示す。
イオン液体(C)の作製例1の方法により得られたイオン液体(C)であるイオン液体#1の代わりに、イオン液体(C)の作製例1に使用したイオン液体#1の市販品(その9倍の体積の超純水で洗浄した後に洗浄後の水のpHが3.9であるもの)をそのまま用いる以外は、実施例1と同じ手順で比較用の光波長変換要素としての目視上均質かつ透明な液体を作製し、実施例1と同じ手順で比較用のアップコンバージョン発光評価用試料を作製し、続いて、実施例1と同じ条件でアップコンバージョン発光強度を測定した。
イオン液体(C)の作製例1で作製したイオン液体(C)であるイオン液体#1に代えてイオン液体(C)の作製例2で作製したイオン液体(C)であるイオン液体#2を用いる以外は、実施例1と同じ手順で光波長変換要素としての目視上均質かつ透明な液体を作製し、実施例1と同じ手順でアップコンバージョン発光評価用試料および光吸収スペクトル測定用試料を作製し、続いて、実施例1と同じ条件でアップコンバージョン発光スペクトル、アップコンバージョン発光強度(ピーク強度および積分強度)、および光吸収スペクトルを測定した。測定されたアップコンバージョン発光スペクトルおよび光吸収スペクトルをそれぞれ図5および図6に示す。
イオン液体(C)の作製例1で得られたイオン液体(C)であるイオン液体#1に代えてイオン液体(C)の作製例2に使用したイオン液体#2の市販品をそのまま用いる以外は、実施例1と同じ手順で比較用の光波長変換要素としての目視上均質かつ透明な液体を作製し、実施例1と同じ手順で比較用のアップコンバージョン発光評価用試料および比較用の光吸収スペクトル測定用試料を作製し、続いて、実施例1と同じ条件でアップコンバージョン発光スペクトル、アップコンバージョン発光強度(ピーク強度および積分強度)、および光吸収スペクトルを測定した。測定されたアップコンバージョン発光スペクトルおよび光吸収スペクトルをそれぞれ図5および図7に示す。
図8に示すように、その9倍量の超純水で洗浄したときに洗浄後の水のpHが5より大きくなるイオン液体(C)であるイオン液体#2を使用した本発明に係る光波長変換要素である実施例2の光波長変換要素では、その9倍量の超純水で洗浄したときに洗浄後の水のpHが5以下となる市販のイオン液体#2を使用した比較用の光波長変換要素である比較例2の光波長変換要素のアップコンバージョン発光強度の約1.4倍程度まで向上(改善)したアップコンバージョン発光強度が得られることが判明した。以上のように、実施例1と比較例1との比較、および実施例2と比較例2との比較から、光波長変換要素にイオン液体(C)を用いることの利点および改善効果が明らかになった。
(光波長変換要素の作製)
イオン液体(C)の作製例1で得られたイオン液体(C)であるイオン液体#1(400μl)に代えてイオン液体(C)の作製例2で得られたイオン液体#2(400μl)を使用し、メソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウムをトルエン中に濃度2×10-4Mで溶解させた溶液約20μlに代えて、有機光増感分子(A)の合成例1で得られた有機光増感分子(A)(2−ヨード−1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−4,4−ジフルオロボラジアザインダセン)をトルエン中に濃度6×10-4Mで溶解させた溶液約40μlを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換要素としての目視上均質かつ透明な液体を得た。続いて、実施例1と同じ手順でアップコンバージョン発光評価用試料および光吸収スペクトル測定用試料を作製し、続いて、実施例1と同じ条件で光吸収スペクトルを測定した。測定された光吸収スペクトルを図9に示す。
本実施例で作製したアップコンバージョン発光評価用試料のアップコンバージョン量子効率(光波長変換効率)を、特許文献3の[0099]に記載されている測定方法と同様に、参照法に基づき以下のように測定した。
有機光増感分子(A)の合成例1で得られた有機光増感分子(A)(2−ヨード−1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−4,4−ジフルオロボラジアザインダセン)をトルエン中に濃度6×10-4Mで溶解させた溶液約40μlに代えて、有機光増感分子(A)の合成例2で得られた有機光増感分子(A)(2,6−ジヨード−1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−4,4−ジフルオロボラジアザインダセン)をトルエン中に濃度3×10-4Mで溶解させた溶液約20μlを使用したこと以外は、実施例3と同じ手順で光波長変換要素としての目視上均質かつ透明な液体を得た。
非特許文献6では、有機光増感分子および有機発光分子として、それぞれ実施例3において使用したのと同種類の分子、すなわち、それぞれ有機光増感分子(A)の合成例1で得られた有機光増感分子(A)(2−ヨード−1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−4,4−ジフルオロボラジアザインダセン)およびペリレンを用いて光波長変換要素が作製されているが、その光波長変換要素の媒体として古典的な有機溶媒(アセトニトリル)が用いられている。非特許文献6では、その光波長変換要素に励起光として波長532nmの連続光レーザー発光を照射して測定が行われ、そのアップコンバージョン量子効率が2.4%であったことが報告されている。
続いて、イオン液体(C)として様々な粘度のイオン液体を検討し、その種類による光波長変換要素の光波長変換効率(アップコンバージョン量子効率)への影響を鋭意検討した結果、驚くべきことに、イオン液体の粘度が光波長変換要素の光波長変換効率を支配する設計上極めて重要な因子であることが初めて明らかになった。
本実施例で使用する、イオン液体(C)の作製例3で作製したイオン液体(C)である、イオン液体#1、イオン液体#2、イオン液体#3、イオン液体#4、イオン液体#5、イオン液体#6、イオン液体#7、イオン液体#8、イオン液体#9、イオン液体#10、イオン液体#11、イオン液体#12、イオン液体#13、およびイオン液体#14の粘度を、コーン/プレート型粘度計(製造元:Brookfield Engineering Laboratories, Inc.、型番:R/S Plus)を用いて26℃で測定した。その結果、イオン液体#1の26℃における粘度は86.8mPa・s、イオン液体#2の26℃における粘度は94.5mPa・s、イオン液体#3の26℃における粘度は28.4mPa・s、イオン液体#4の26℃における粘度は45.7mPa・s、イオン液体#5の26℃における粘度は47.0mPa・s、イオン液体#6の26℃における粘度が70.3mPa・s、イオン液体#7の26℃における粘度は87.3mPa・s、イオン液体#8の26℃における粘度は57.9mPa・s、イオン液体#9の26℃における粘度は86.7mPa・s、イオン液体#10の26℃における粘度は71.8mPa・s、イオン液体#11の26℃における粘度は94.7mPa・s、イオン液体#12の26℃における粘度は64.8mPa・s、イオン液体#13の26℃における粘度は200mPa・s、イオン液体#14の26℃における粘度は584mPa・sであった。
イオン液体(C)の作製例1で作製したイオン液体(C)であるイオン液体#1に代えて、イオン液体(C)の作製例3で作製したイオン液体(C)であるイオン液体#1、イオン液体#2、イオン液体#3、イオン液体#4、イオン液体#5、イオン液体#6、イオン液体#7、イオン液体#8、イオン液体#9、イオン液体#10、イオン液体#11、イオン液体#12、イオン液体#13、およびイオン液体#14をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同じ手順で14種類の光波長変換要素を作製した。
上記の14種類の光波長変換要素を用いて、実施例1と同じ手順で14種類のアップコンバージョン発光評価用試料を作製し、続いて、実施例1と同じ条件でアップコンバージョン発光強度を測定した。
本実施例においてイオン液体(C)であるイオン液体#14を用いて作製されたアップコンバージョン発光評価用試料に対し、励起光として、実施例1で使用したものと同じ連続光レーザー発光器から出射させた連続光レーザー発光#1(波長:632.8nm、スポット径:約0.8mm、出力パワー:約28mW)を照射したこと以外は、実施例3と同じ手順で光吸収スペクトルおよびアップコンバージョン発光スペクトルを測定し、光波長変換要素のアップコンバージョン量子効率(光波長変換効率)を測定した。測定された光吸収スペクトルを図15に、アップコンバージョン発光スペクトルを図16に示す。その結果、光波長変換要素のアップコンバージョン量子効率は15.4%と判明した。
(光波長変換要素の作製)
イオン液体(C)の作製例1で得られたイオン液体(C)であるイオン液体#1(400μl)に代えてイオン液体(C)の作製例3で得られたイオン液体#14(400μl)を使用し、有機光増感分子(A)としてメソ−テトラフェニル−テトラベンゾポルフィリンパラジウムをトルエン中に濃度2×10-4Mで溶解させた溶液に代えてオクタエチルポルフィリンパラジウムをトルエン中に濃度4×10-4Mで溶解させた溶液を使用し、有機発光分子(B)としてペリレンをトルエン中に濃度4×10-3Mで溶解させた溶液に代えて9,10−ジフェニルアントラセンをトルエン中に濃度4×10-3Mで溶解させた溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換要素としての目視上均質かつ透明な液体を得た。続いて、実施例1と同じ手順で光吸収スペクトル測定用試料アップコンバージョンおよび発光評価用試料を作製し、実施例1と同じ条件で光吸収スペクトルを測定した。測定された光吸収スペクトルを図17に示す。
(イオン液体(C)の粘度の測定)
本実施例で使用する、イオン液体(C)の作製例3で作製したイオン液体(C)である、イオン液体#1、イオン液体#2、イオン液体#3、イオン液体#4、イオン液体#5、イオン液体#9、イオン液体#10、イオン液体#12、イオン液体#13、およびイオン液体#14の粘度を、コーン/プレート型粘度計(実施例5で使用したものと同じ)を用いて20℃で測定した。
イオン液体(C)の作製例2で得られたイオン液体(C)であるイオン液体#14に代えて、イオン液体(C)の作製例3で作製したイオン液体(C)であるイオン液体#1、イオン液体#2、イオン液体#3、イオン液体#4、イオン液体#5、イオン液体#9、イオン液体#10、イオン液体#12、イオン液体#13、およびイオン液体#14をそれぞれ用いる以外は、実施例6と同じ手順で10種類の光波長変換要素を作製した。
上記の10種類の光波長変換要素を用いて、実施例1と同じ手順で10種類のアップコンバージョン発光評価用試料を作製し、続いて、実施例3と同じ条件でアップコンバージョン発光強度を測定した。
2 透明背面電極
3 透明絶縁膜
4 アップコンバージョン層
5 光反射膜
7 受光面電極
8 ガラスチャネル
9 ガス
10 光触媒が添加された水
11 機械的支持体
Claims (10)
- 三重項−三重項消滅過程を示す組み合わせである有機光増感分子(A)および有機発光分子(B)を、イオン液体(C)中に溶解および/または分散させてなる、目視上均質かつ透明な光波長変換要素であって、
前記イオン液体(C)が、前記イオン液体(C)をその9倍の体積の超純水で洗浄したときに、洗浄後の水のpHが5より大きくなるものであることを特徴とする光波長変換要素。 - 前記有機光増感分子(A)の吸収極大波長が、500〜700nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光波長変換要素。
- 前記有機光増感分子(A)が、その構造中に金属を含まないことを特徴とする請求項1または2に記載の光波長変換要素。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光波長変換要素を用いた太陽電池。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光波長変換要素を用いた光触媒。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光波長変換要素を用いた光触媒型水素・酸素発生装置。
- 光をより短い波長の光に変換する光アップコンバージョンフィルターであって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光波長変換要素と、
セルとを備え、
前記光波長変換要素が、前記セル中に封入されていることを特徴とする光アップコンバージョンフィルター。
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