JP2011233696A - 積層電子部品 - Google Patents

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【課題】端子電極の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体の欠けの発生、及び絶縁層の剥がれの発生を抑制することが可能な積層電子部品を提供すること。
【解決手段】主面11,12と端面15,16とに直交する方向に切断した切断面において、主面11,12側での稜線部分17a〜17dの湾曲開始点から仮想の角A1までの距離R1と、端面15,16側での稜線部分17a〜17dの湾曲開始点から仮想の角A1までの距離R2とが、1.05≦R1/R2≦1.47なる関係を満たし、主面11,12と側面とに直交する方向に切断した切断面において、主面11,12側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R3と、側面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R4とが、1.05≦R3/R4≦1.47なる関係を満たし、距離R2と、複数の絶縁層21の積層方向での最外に位置する内部電極7と主面11,12との間隔Tとが、T>R2なる関係を満たしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ等の積層電子部品に関する。
積層電子部品として、複数の絶縁層が積層されており、互いに対向する一対の主面と、一対の前記主面間を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の側面と、一対の前記主面を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の端面とを有する素体と、素体内において複数の絶縁層の積層方向に配置され、端面に引き出されている複数の内部電極と、一対の端面にそれぞれ形成され、各端面に引き出された内部電極に接続される一対の端子電極と、を備えているものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1及び2に記載された積層電子部品では、主面と端面との間に位置する稜線部分及び主面と側面との間に位置する稜線部分が湾曲するように丸められている。
特開2001−006964号公報 特開2007−149990号公報
本発明は、端子電極の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体の欠けの発生、及び絶縁層の剥がれの発生を抑制することが可能な積層電子部品を提供することを目的とする。
本発明者等は、端子電極の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体の欠けの発生、及び絶縁層の剥がれの発生を抑制し得る積層電子部品について鋭意研究を行った。まず、本発明者等は、端子電極の形成異常の発生及びショート不良の発生と、素体の欠けの発生とが、相反する事象であることを見出した。主面と端面との間に位置する稜線部分及び主面と側面との間に位置する稜線部分は、当該稜線部分等での欠けの発生を抑制するために、湾曲するように丸められている。湾曲した稜線部分の曲率半径に関し、曲率半径が大きいほど、上記欠けの発生を抑制することが可能となる。これに対し、端子電極の形成異常の発生及びショート不良の発生については、曲率半径が小さいほど、その発生を抑制することが可能となる。
端子電極は、一般に、導電性ペーストを素体の端面に付与し、付与した導電性ペーストを焼き付けることにより形成される。このとき、稜線部分が端面の周囲に位置することもあって、稜線部分には導電性ペーストが付着し難いことが、本発明者等の調査研究の結果、判明した。曲率半径が大きくなると、複数の内部電極のうち複数の絶縁層の積層方向に見て外側に位置する内部電極は、稜線部分に露出することがある。内部電極が稜線部分に露出している場合、内部電極における稜線部分に露出している部分を覆うように、導電性ペーストを塗布することが難しく、導電性ペーストの塗布に異常が生じる懼れがある。導電性ペーストの塗布に異常が生じると、導電性ペーストにより形成される端子電極にも異常が生じることとなる。
また、素体の稜線部分では、導電性ペーストが付着したとしても、導電性ペーストの付着厚みを十分に確保することは難しい。したがって、導電性ペーストが稜線部分に露出している内部電極の端部を覆ったとしても、形成された端子電極の厚みが薄く、水分等の浸入によりショート不良が発生する懼れがある。
そこで、本発明者等は、主面と端面とに直交する方向に切断した切断面において、端面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離を複数の内部電極のうち複数の絶縁層の積層方向での最外に位置する内部電極と主面との間隔よりも大きく設定することにより、稜線部分に内部電極が露出するのを防ぎ、端子電極の形成異常の発生及びショート不良の発生を抑制することができるという新たな事実を見出すに至った。そして、本発明者等は、主面と端面とに直交する方向に切断した切断面において、主面側での稜線部分の湾曲開始点から稜線部分が直角であると仮定した仮想の角までの距離を、端面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離よりも大きく設定し、主面と側面とに直交する方向に切断した切断面において、主面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離を、側面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離よりも大きく設定することにより、端子電極の形成異常の発生、ショート不良の発生、及び素体の欠けの発生を抑制することができるという新たな事実も見出すに至った。
本発明者等が、距離R2を距離R1よりも大きく設定した積層電子部品について、更なる調査研究を進めた結果、距離R1が大きくなり過ぎると、素体の主面側において、絶縁層が剥がれやすくなるという新たな問題点が生じる懼れがあることが判明した。
かかる研究結果を踏まえ、本発明に係る積層電子部品は、複数の絶縁層が積層されており、互いに対向する一対の主面と、一対の主面間を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の側面と、一対の主面を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の端面と、を有する素体と、素体内において複数の絶縁層の積層方向に配置され、端面に引き出されている複数の内部電極と、一対の端面にそれぞれ形成され、各端面に引き出された内部電極に接続される一対の端子電極と、を備え、主面と端面との間に位置する稜線部分及び主面と側面との間に位置する稜線部分が湾曲するように丸められており、主面と端面とに直交する方向に切断した切断面において、主面側での稜線部分の湾曲開始点から稜線部分が直角であると仮定した仮想の角までの距離R1と、端面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R2とが、
1.05≦R1/R2≦1.47
なる関係を満たし、主面と側面とに直交する方向に切断した切断面において、主面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R3と、側面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R4とが、
1.05≦R3/R4≦1.47
なる関係を満たし、距離R2と、複数の内部電極のうち複数の絶縁層の積層方向での最外に位置する内部電極と主面との間隔Tとが、
T>R2
なる関係を満たしていることを特徴とする。
好ましくは、側面と端面との間に位置する稜線部分が湾曲するように丸められており、側面と端面とに直交する方向に切断した切断面において、端面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R5と、内部電極と側面との距離Wgとが、
Wg>R5
なる関係を満たし、側面と端面とに直交する方向に切断した切断面において、側面側での稜線部分の湾曲開始点から仮想の角までの距離R6と、内部電極と端面との距離Lgとが、
Lg>R6
なる関係を満たし、距離R4と、間隔Tとが、
T>R4
なる関係を満たしている。より好ましくは、距離R5が、距離R2及び距離R4のいずれよりも短く、距離R6が、距離R2及び距離R4のいずれよりも短い。これらの場合、端面と当該端面に露出しない内部電極との間隔、及び、側面と内部電極との間隔が確保されることとなる。この結果、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制することができる。
本発明によれば、端子電極の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体の欠けの発生、及び絶縁層の剥がれの発生を抑制することが可能な積層電子部品を提供することができる。
本実施形態に係る積層電子部品の斜視図である。 本実施形態に係る積層電子部品に含まれる素体の断面構成を説明するための図である。 本実施形態に係る積層電子部品に含まれる素体の断面構成を説明するための図である。 本実施形態に係る積層電子部品に含まれる素体の断面構成を説明するための図である。 第1の実験の結果を示す図表である。 第2の実験の結果を示す図表である。 第3の実験の結果を示す図表である。 第4の実験の結果を示す図表である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図4を参照して、本実施形態に係る積層電子部品Cについて説明する。図1は、本実施形態に係る積層電子部品の斜視図である。図2〜図4は、本実施形態に係る積層電子部品に含まれる素体の断面構成を説明するための図である。本実施形態に係る積層電子部品Cは、チップ状の積層コンデンサである。積層電子部品Cは、略直方体形状を呈しており、例えば、長手方向の長さが3.2mm程度であり、幅方向の長さが1.6mm程度であり、高さ方向の長さが1.6mm程度である。すなわち、積層電子部品Cは、3216サイズのチップ部品である。
積層電子部品Cは、素体1と、素体1の両端部にそれぞれ配置された端子電極3,5と、複数の内部電極7と、を備えている。
素体1は、一対の主面11,12と、一対の側面13,14と、一対の端面15,16と、を有している。一対の主面11,12は、互いに対向している。一対の側面13,14は、一対の主面11,12間を連結するように伸び且つ互いに対向している。一対の端面15,16は、一対の主面11,12を連結するように伸び且つ互いに対向している。
素体1は、稜線部分17a〜17dと、稜線部分18a〜18dと、稜線部分19a〜19dと、を含んでいる。稜線部分17a〜17dは、主面11,12と端面15,16との間に位置している。稜線部分18a〜18dは、主面11,12と側面13,14との間に位置している。稜線部分19a〜19dは、側面13,14と端面15,16との間に位置している。稜線部分17a〜17d、稜線部分18a〜18d、及び稜線部分19a〜19dは、湾曲するように丸められており、いわゆるR面取り加工が施されている。
素体1は、図2〜図4に示されるように、複数の絶縁層21を有している。各絶縁層21は、一対の主面11,12に平行な方向に伸びており、一対の主面11,12の対向方向に積層されている。すなわち、一対の主面11,12の対向方向と、素体1における積層方向とは、一致している。素体1は、内部電極7が絶縁層21を挟んで対向するように積層されてなる構造を有している。素体1は、内部電極7を含む容量形成部(内層部)1aと、容量形成部1aを一対の主面11,12の対向方向で挟む外層部1bと、を含んでいる。外層部1bは、複数の絶縁層21が積層され、これらの絶縁層21が一体化した層であり、内部電極7を含んでいない。
各絶縁層21は、誘電体材料(例えば、BaTiO等)を主成分として含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層電子部品Cでは、各絶縁層21は、絶縁層21の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各内部電極7は、略矩形状を呈しており、その端が端面15,16に露出している。端面15に露出する内部電極7と、端面16に露出する内部電極7とは、素体1において、絶縁層21の積層方向、すなわち一対の主面11,12の対向方向に交互に配置されている。絶縁層21の積層方向に隣り合う内部電極7は、絶縁層21を挟んだ状態で、互いに対向している。内部電極7は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば、卑金属であるNi等)からなる。内部電極7は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
端子電極3は、端面15側に配置されている。端子電極5は、端面16側に配置されている。各端子電極3,5は、焼付電極層と、めっき層と、を有している。焼付電極層は、端面15,16の全体と、端面15,16に隣り合う一対の主面11及び一対の側面13,14の一部を覆うように形成されている。したがって、焼付電極層は、稜線部分17a〜17dと稜線部分19a〜19dとを覆うこととなる。焼付電極層は、導電性金属粉末(例えば、Cu粉末等)を含む導電性ペーストを素体1の外表面の対応する箇所に付与し、焼き付けることによって形成される。めっき層は、湿式めっき法(例えば、電解めっき法等)により、焼付電極層上に形成される。電解めっきには、例えばNi/Snめっき等を用いることができる。
各端子電極3,5(焼付電極層)は、内部電極7における端面15,16に露出した部分をすべて覆っている。したがって、内部電極7は、対応する端子電極3,5に物理的且つ電気的に接続されることとなる。
続いて、各稜線部分17a〜17d,18a〜18d, 19a〜19dにおける湾曲開始点の位置について説明する。
稜線部分17a〜17dは、図2に示されるように、主面11,12と端面15,16とに直交する方向に切断した切断面において、主面11,12側と端面15,16側とにそれぞれ湾曲開始点を有している。主面11,12と端面15,16とに直交する方向に切断した上記切断面において、稜線部分17a〜17dが直角であると仮定した仮想の角を「A1」と規定し、主面11,12側での稜線部分17a〜17dの湾曲開始点から仮想の角A1までの距離を「R1」と規定し、端面15,16側での稜線部分17a〜17dの湾曲開始点から仮想の角A1までの距離を「R2」と規定する。距離R1と距離R2とは、
1.05≦R1/R2≦1.47
なる関係を満たしている。稜線部分17a〜17dは、主面11,12と端面15,16とに直交する方向に切断した切断面において、例えば、距離R1を長軸とし且つ距離R2を端軸とする楕円の円弧に沿っている。
主面11,12と端面15,16とに直交する方向に切断した切断面において、複数の内部電極7のうち複数の絶縁層21の積層方向での最外に位置する内部電極7と主面11,12との間隔を「T」と規定する。間隔Tは、外層部1bの厚みに相当する。距離R2と間隔Tとは、
T>R2
なる関係を満たしている。
稜線部分18a〜18dは、図3に示されるように、主面11,12と側面13,14とに直交する方向に切断した切断面において、主面11,12側と側面13,14側とにそれぞれ湾曲開始点を有している。主面11,12と側面13,14とに直交する方向に切断した上記切断面において、稜線部分18a〜18dが直角であると仮定した仮想の角を「A2」と規定し、主面11,12側での稜線部分18a〜18dの湾曲開始点から仮想の角A2までの距離を「R3」と規定し、側面13,14側での稜線部分18a〜18dの湾曲開始点から仮想の角A2までの距離を「R4」と規定する。距離R3と距離R4とは、
1.05≦R3/R4≦1.47
なる関係を満たしている。距離R4と間隔Tとは、
T>R4
なる関係を満たしている。稜線部分18a〜18dは、主面11,12と側面13,14とに直交する方向に切断した切断面において、例えば、距離R3を長軸とし且つ距離R4を端軸とする楕円の円弧に沿っている。
稜線部分19a〜19dは、図4に示されるように、側面13,14と端面15,16とに直交する方向に切断した切断面において、側面13,14側と端面15,16側とにそれぞれ湾曲開始点を有している。側面13,14と端面15,16とに直交する方向に切断した上記切断面において、稜線部分19a〜19dが直角であると仮定した仮想の角を「A3」と規定し、端面15,16側での稜線部分19a〜19dの湾曲開始点から仮想の角A3までの距離を「R5」と規定し、内部電極7と側面13,14との距離を「Wg」と規定する。距離R5と距離Wgとは、
Wg>R5
なる関係を満たしている。距離R5は、距離R2及び距離R4よりも短い。
側面13,14と端面15,16とに直交する方向に切断した上記切断面において、側面13,14側での稜線部分19a〜19dの湾曲開始点から仮想の角A3までの距離を「R6」と規定し、内部電極7と端面15,16との距離を「Lg」と規定する。距離R6と距離Lgとは、
Lg>R6
なる関係を満たしている。距離R6は、距離R2及び距離R4よりも短い。稜線部分19a〜19dは、側面13,14と端面15,16とに直交する方向に切断した切断面において、例えば、距離R5(距離R6)を半径とする円弧に沿っている。
ここで、距離R1〜R6と、端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生との関係について、詳細に説明する。
本発明者等は、距離R1〜R6と、端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生との関係を明らかにするために、以下のような第1の実験を行なった。距離R1と距離R2とが異なる積層コンデンサ(3216タイプの積層コンデンサ)をサンプル1〜11毎に所定個数(1000個)の検体を作製し、各検体における端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生を確認した。端子電極3,5の形成異常の発生に関しては、各検体の外観を検査し、内部電極が外部電極に覆われていない場合に、「不良」と判断した。ショート不良の発生に関しては、各検体に所定の電圧(1V)を印加した際の抵抗値を測定し、測定値が10kΩ以下である場合に、「不良」と判定した。素体1の欠けの発生に関しては、各検体の外観を検査し、所定の面積(10μm)以上の破断面が稜線部分に確認された場合に、「不良」と判断した。絶縁層21の剥がれの発生に関しては、各検体の外観を検査し、積層方向に平行な空隙がある場合に、「不良」と判断した。
本第1の実験の結果を、図5に示す。各サンプル1〜11とも、距離R1と距離R2がと異なる点を除いては、上述した実施形態の積層電子部品C(積層コンデンサ)と同じ構成であり、すべてのサンプル1〜11において検体同士が同じ電気的特性(例えば、B特性等)を有している。第1の実験では、各検体において、距離R3を230μmに設定し、距離R4を180μmに設定した。したがって、各検体における距離R3と距離R4との比(R3/R4)は、1.28となる。また、第1の実験では、各検体において、間隔Tを200μmに設定し、距離Wg及び距離Lgを200μmに設定した。
図5に示される実験結果から、距離R1と距離R2とが
1.05≦R1/R2≦1.47
なる関係を満たしている場合、端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生が抑制されていることがわかる。特に、距離R1と距離R2とが
1.14≦R1/R2≦1.22
なる関係を満たしている場合、端子電極3,5の形成異常、ショート不良、素体1の欠け、及び絶縁層21の剥がれのいずれの不具合も発生していない。最終的な良否の判定は、端子電極3,5の形成異常、ショート不良、素体1の欠け、及び絶縁層21の剥がれのそれぞれの不良発生率を合計した合計不良発生率で判断し、合計不良発生率が0.5%以下となるサンプルを「良(◎又は○)」と判定した。
続いて、本発明者等は、以下のような第2の実験を行なった。距離R3と距離R4とが異なる積層コンデンサ(3216タイプの積層コンデンサ)をサンプル12〜18毎に所定個数(1000個)の検体を作製し、各検体における端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生を確認した。これらの不具合の発生に関しては、第1の実験と同じ評価を行なった。
本第2の実験の結果を、図6に示す。各サンプル12〜18とも、距離R3と距離R4とが異なる点を除いては、上述した実施形態の積層電子部品Cと同じ構成であり、すべてのサンプル12〜18において検体同士が同じ電気的特性(例えば、B特性等)を有している。第2の実験では、各検体において、距離R1を230μmに設定し、距離R2を200μmに設定した。したがって、各検体における距離R1と距離R2との比(R1/R2)は、1.15となる。また、第1の実験では、各検体において、間隔Tを200μmに設定し、距離Wg及び距離Lgを200μmに設定した。
図6に示される実験結果から、距離R3と距離R4とが
1.05≦R3/R4≦1.47
なる関係を満たしている場合、端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生が抑制されていることがわかる。特に、距離R3と距離R4とが
1.15≦R3/R4≦1.24
なる関係を満たしている場合、端子電極3,5の形成異常、ショート不良、素体1の欠け、及び絶縁層21の剥がれのいずれの不具合も発生していない。ここでも、最終的な良否の判定は、端子電極3,5の形成異常、ショート不良、素体1の欠け、及び絶縁層21の剥がれのそれぞれの不良発生率を合計した合計不良発生率で判断し、合計不良発生率が0.5%以下となるサンプルを「良(◎又は○)」として判定した。
次に、本発明者等は、距離R4及び間隔Tと、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生との関係を明らかにするために、以下のような第3の実験を行なった。距離R4と間隔Tとの関係が異なる積層コンデンサ(3216タイプの積層コンデンサ)をサンプル19〜21毎に所定個数(1000個)の検体を作製し、各検体における高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を確認した。ここでは、各検体をはんだ付け(リフロー)により基板に実装した状態で加速試験を行い、各検体の加速試験前後における絶縁抵抗IRをそれぞれ測定した。そして、加速試験後に絶縁抵抗IRが一桁以上低下した検体を「不良」と判断した。加速試験では、恒温恒湿環境(温度:121℃、相対湿度:95%、圧力:2気圧)中で、各検体に50VのDC電圧を24時間連続して印加した。加速試験後の絶縁抵抗は、加速試験から所定時間(2時間以上)経過した後に測定した値とした。
本第3の実験の結果を、図7に示す。各サンプル19〜21とも、距離R4と間隔Tとの関係が異なる点を除いては、上述した実施形態の積層電子部品Cと同じ構成であり、すべてのサンプル19〜21において検体同士が同じ電気的特性(例えば、B特性等)を有している。第3の実験では、各検体において、距離R1を205μmに設定し、距離R2を180μmに設定し、距離R3を230μmに設定した。したがって、各検体における距離R1と距離R2との比(R1/R2)は、1.14となる。また、第3の実験では、各検体において、間隔Tを200μmに設定し、距離Wg及び距離Lgを200μmに設定した。
図7に示される実験結果から、距離R4と間隔Tとが、
T>R4
なる関係を満たしている場合、絶縁抵抗劣化の発生が抑制されていることがわかる。
続いて、本発明者等は、距離R5と距離Wgとの関係及び距離R6と距離Lgとの関係と、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生との関係を明らかにするために、以下のような第4の実験を行なった。距離R5と距離Wgとの関係及び距離R6と距離Lgとの関係が異なる積層コンデンサ(3216タイプの積層コンデンサ)をサンプル22〜26毎に所定個数(1000個)の検体を作製し、各検体における高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を確認した。絶縁抵抗劣化の発生に関しては、第3の実験と同じ評価を行なった。
本第4の実験の結果を、図8に示す。各サンプル22〜26とも、距離R5と距離Wgとの関係及び距離R6と距離Lgとの関係が異なる点を除いては、上述した実施形態の積層電子部品Cと同じ構成であり、すべてのサンプル22〜26において検体同士が同じ電気的特性(例えば、B特性等)を有している。第4の実験では、各検体において、距離R1を205μmに設定し、距離R2を180μmに設定し、距離R3を230μmに設定し、距離R4を180μmに設定した。したがって、各検体における距離R1と距離R2との比(R1/R2)は1.14となり、各検体における距離R3と距離R4との比(R3/R4)は1.10となる。また、第3の実験では、各検体において、間隔Tを200μmに設定し、距離Wg及び距離Lgを200μmに設定した。
図8に示される実験結果から、距離R5と距離Wgとが、
Wg>R5
なる関係を満たすと共に、距離R6と距離Lgとが、
Lg>R6
なる関係を満たしている場合、絶縁抵抗劣化の発生が抑制されていることがわかる。
以上のように、本実施形態においては、距離R1と距離R2とが、
1.05≦R1/R2≦1.47
なる関係を満たし、距離R3と距離R4とが、
1.05≦R3/R4≦1.47
なる関係を満たし、距離R2と間隔Tとが、
T>R2
なる関係を満たしているので、端子電極3,5の形成異常の発生、ショート不良の発生、素体1の欠けの発生、及び絶縁層21の剥がれの発生を抑制することができる。
本実施形態においては、距離R5と距離Wgとが、
Wg>R5
なる関係を満たし、距離R6と距離Lgとが、
Lg>R6
なる関係を満たし、距離R4と間隔Tとが、
T>R4
なる関係を満たしているので、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本発明は、積層コンデンサに限られることなく、積層バリスタや積層圧電アクチュエータ等の積層電子部品にも適用できる。
本発明は、積層セラミックコンデンサ等の積層電子部品に利用できる。
1…素体、1a…容量形成部、1b…外層部、3,5…端子電極、7…内部電極、11,12…主面、13,14…側面、15,16…端面、17a〜17d、18a〜18d、19a〜19d…稜線部分、21…絶縁層、C…積層電子部品。

Claims (3)

  1. 複数の絶縁層が積層されており、互いに対向する一対の主面と、一対の前記主面間を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の側面と、一対の前記主面を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の端面と、を有する素体と、
    前記素体内において前記複数の絶縁層の積層方向に配置され、前記端面に引き出されている複数の内部電極と、
    前記一対の端面にそれぞれ形成され、各前記端面に引き出された前記内部電極に接続される一対の端子電極と、を備え、
    前記主面と前記端面との間に位置する稜線部分及び前記主面と前記側面との間に位置する稜線部分が湾曲するように丸められており、
    前記主面と前記端面とに直交する方向に切断した切断面において、前記主面側での前記稜線部分の湾曲開始点から前記稜線部分が直角であると仮定した仮想の角までの距離R1と、前記端面側での前記稜線部分の湾曲開始点から前記仮想の角までの距離R2とが、
    1.05≦R1/R2≦1.47
    なる関係を満たし、
    前記主面と前記側面とに直交する方向に切断した切断面において、前記主面側での前記稜線部分の湾曲開始点から前記仮想の角までの距離R3と、前記側面側での前記稜線部分の湾曲開始点から前記仮想の角までの距離R4とが、
    1.05≦R3/R4≦1.47
    なる関係を満たし、
    前記距離R2と、前記複数の内部電極のうち前記複数の絶縁層の積層方向での最外に位置する内部電極と前記主面との間隔Tとが、
    T>R2
    なる関係を満たしていることを特徴とする積層電子部品。
  2. 前記側面と前記端面との間に位置する稜線部分が湾曲するように丸められており、
    前記側面と前記端面とに直交する方向に切断した切断面において、前記端面側での前記稜線部分の湾曲開始点から前記仮想の角までの距離R5と、前記内部電極と前記側面との距離Wgとが、
    Wg>R5
    なる関係を満たし、
    前記側面と前記端面とに直交する方向に切断した切断面において、前記側面側での前記稜線部分の湾曲開始点から前記仮想の角までの距離R6と、前記内部電極と前記端面との距離Lgとが、
    Lg>R6
    なる関係を満たし、
    前記距離R4と、前記間隔Tとが、
    T>R4
    なる関係を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の積層電子部品。
  3. 前記距離R5が、前記距離R2及び前記距離R4のいずれよりも短く、
    前記距離R6が、前記距離R2及び前記距離R4のいずれよりも短いことを特徴とする請求項2に記載の積層電子部品。
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