JP2011229751A - ミシン - Google Patents

ミシン Download PDF

Info

Publication number
JP2011229751A
JP2011229751A JP2010104181A JP2010104181A JP2011229751A JP 2011229751 A JP2011229751 A JP 2011229751A JP 2010104181 A JP2010104181 A JP 2010104181A JP 2010104181 A JP2010104181 A JP 2010104181A JP 2011229751 A JP2011229751 A JP 2011229751A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewing machine
thread
cam
movable blade
thread trimming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010104181A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Yamada
泰史 山田
Motonari Nakano
元就 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2010104181A priority Critical patent/JP2011229751A/ja
Priority to CN 201110118739 priority patent/CN102234880B/zh
Publication of JP2011229751A publication Critical patent/JP2011229751A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】布押さえ機構と糸切り機構を備えたミシンでミシンの小型化を図る。
【解決手段】ミシンの糸切り機構は、ミシン主軸10に固定し且つ可動刃を移動するように設定した糸切りカム板41と、糸切りカム板と係合可能なコロ部材を有し且つ係合位置と退避位置との間を移動可能な駆動レバー42と、係合位置においてコロ部材が糸切りカム板により変位することに伴う駆動レバーの揺動を可動刃に伝達して可動刃を駆動する糸切りリンク機構39と、駆動レバーを係合位置と退避位置との間に移動させる揺動力発生機構38と、ミシン主軸を駆動するミシンモータ27とを設け、揺動力発生機構と駆動機構68を駆動パルスモータで駆動し、駆動パルスモータと駆動機構と揺動力発生機構とをミシン脚柱部内に配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、布押え機構と糸切り機構を備えたミシンに関し、特にミシンを小型化することを可能にしたものに関する。
従来、閂止め縫目を形成するミシンにおいて、加工布を押える布押えを上下動させる布押え機構と、縫製終了時に上糸と下糸を切断する糸切り機構を備えたものが実用に供されている。このようなミシンにおいては、ソレノイドアクチュエータの駆動により、ミシン主軸に固定された糸切りカムにレバーの係合部を係合させることで、糸切り動作を可能にしている。
例えば、特許文献1には、ミシン主軸に固定された糸切りカム板(糸切りカム)と、駆動レバーと、糸切り用ソレノイド(ソレノイドアクチュエータ)とを有するミシンの糸切り装置が開示してある。ミシン主軸の後端近傍部に、糸切り動作を発生させる溝カム(カム溝)が形成された糸切りカム板を固定してある。糸切りカム板の直前に左右向きの駆動レバーを配置してある。駆動レバーは前後方向向きの案内軸に固定してある。フレーム等の支持部材が案内軸を前後方向に往復移動可能に支持している。
駆動レバーの右端近傍部に、糸切りカム板の溝カムに係合可能なコロ部材(係合部)を設けてある。駆動レバーは案内軸と共に、コロ部材が溝カムに係合する後側の係合位置と、係合位置よりも所定距離だけ前方の、コロ部材が溝カムから外れる非係合位置とに亙ってスライド可能に構成してある。通常、案内軸に外装された圧縮コイルバネのバネ力により、駆動レバーは非係合位置に位置している。駆動レバーの左端部の前側に水平方向に回動可能な回動板を配置してある。
糸切り用ソレノイドに通電した場合、糸切り用ソレノイドの駆動により回動板が回動し案内軸と駆動レバーが圧縮コイルバネのバネ力に抗して後側の係合位置に移動する。コロ部材が溝カムに係合し、ミシン主軸の回転によりコロ部材がカム部を移動することで、リンク機構を介して可動刃が水平面で往復回動して糸切り動作を行う。
また、布押え機構を備えたミシンとして、例えば、特許文献2には、布押えを布押えカムを介して上下動させる布押え機構と、ワイパーを糸払いカムを介して糸払いする糸払い機構とを駆動する共通の押えワイパー駆動モータを備えたミシンが開示してある。脚柱部の後側に、布押えカムと、糸払いカムと、布押えカムに作動的に連結された第1押えレバーと、糸払いカムに作動的に連結された第1糸払いレバーと、押えワイパー駆動モータ等を配置し、これらを覆うようにカバー部材を設けている。
押えワイパー駆動モータの駆動軸に固定された駆動ギヤに噛合する従動ギヤと、布押えカムと、糸払いカムとが、カム支持軸に夫々固定してある。ここで、布押えカムと糸払いカムは、布押えカムが布押えを上昇又は下降させる布押え作動領域と、糸払いカムがワイパーを移動させる糸払い作動領域とが重複しないように、位相をずらしてカム支持軸に固定してある。押えワイパー駆動モータの駆動により、布押えカムと糸払いカムとが一体的に回転することで、第1押えレバーを介して布押えが上下動し、第1糸払いレバーを介して糸払い動作を行う。
特開2009−61020号公報 特開2005−278856号公報
特許文献2に記載のミシンにおいては、布押えカムと第1押えレバーと押えワイパー駆動モータ等を脚柱部の外部に設けたので、ミシンが大型化するという問題があった。ミシンの大型化を抑制する為に、これらの部材を脚柱部内に配置することが望ましい。
しかし、ミシンにおいて、特許文献1の糸切り装置と特許文献2の布押え機構を設けようとすると、糸切りカムに係合部を係合させる為のソレノイドアクチュエータが邪魔になる。それ故、布押えカムを駆動する為の大型のモータを脚柱部内に配置することはスペース的に困難である。
本発明の目的は、布押え機構と糸切り機構を備えたミシンにおいて、ミシンの小型化を図ることである。
請求項1のミシンは、駆動機構を介して布押えを上下動させる布押え機構と、針板の下側に設けられた固定刃と水平に往復回動可能な可動刃とで上糸と下糸を切断する糸切り機構とを備えたミシンにおいて、前記糸切り機構は、ミシン主軸に固定し、前記可動刃を移動するように設定した糸切りカムと、前記糸切りカムと係合可能な係合部を有し、取付け軸を中心に揺動可能に設け、該係合部が前記糸切りカムと係合する係合位置と、該係合部が前記糸切りカムから離間する退避位置との間を移動可能なレバーと、前記係合位置において、前記係合部が前記糸切りカムにより変位することに伴う前記レバーの揺動を前記可動刃に伝達して前記可動刃を駆動する伝達機構と、前記レバーを前記係合位置と、前記退避位置との間に移動させる移動機構と、前記ミシン主軸を駆動するミシンモータとを備え、前記移動機構と前記駆動機構は、前記ミシンモータとは異なる1つのモータで駆動し、前記モータと、前記駆動機構と、前記移動機構とをミシン脚柱部内に配置したことを特徴としている。
このミシンでは、縫製終了時に、モータの駆動により移動機構を介して係合部を係合位置に移動させて糸切りカムに係合させる。ミシンモータとは異なる1つのモータで駆動機構と移動機構とを駆動するので、糸切りカムに係合部を係合させる為のソレノイドアクチュエータが不要になる。このような大型の部材を省略することができるので、ミシンの小型化を図ることが可能となる。
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記糸切りカムは、前記可動刃が前記上糸と下糸とを捕捉して該上糸と下糸とを切断する直前の位置まで移動するように設定し、前記糸切り機構は、前記伝達機構と接続し、前記糸切りカムによって切断直前の位置まで移動した可動刃を前記直前の位置から前記上糸及び下糸を切断する切断位置まで移動させる駆動手段を備えたことを特徴としている。
請求項3のミシンは、請求項2の発明において、前記駆動手段をソレノイドアクチュエータで構成したことを特徴としている。
請求項4のミシンは、請求項3の発明において、糸切り指令に基づいて、前記ミシンモータと前記モータと前記ソレノイドアクチュエータとを制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記可動刃を前記直前の位置から前記切断位置まで移動させる際に前記ソレノイドアクチュエータの出力軸を退入させながら、前記駆動機構により前記布押えを上昇させるように、前記ソレノイドアクチュエータと前記モータとを制御することを特徴としている。
請求項5のミシンは、請求項1〜4の何れかの発明において、前記駆動機構と、前記移動機構と、前記モータとを含む1つの機構部ユニットが構成され、該機構部ユニットを前記ミシン脚柱部内に収容したことを特徴としている。
請求項6のミシンは、請求項3又は4の発明において、前記係合部は、前記糸切りカムのカム溝に水平方向から係合可能に構成され、前記カム溝に、前記ソレノイドアクチュエータの駆動時に前記ミシン主軸の軸心から離隔する方向への前記係合部の移動を許す逃し溝部を設けたことを特徴としている。
請求項7のミシンは、請求項6の発明において、前記カム溝に、前記可動刃を前記直前の位置まで移動させる際に前記ミシン主軸の軸心から離隔する方向への前記係合部の移動を防止する一定半径部を設けたことを特徴としている。
請求項8のミシンは、請求項4の発明において、前記制御手段は、前記可動刃を前記直前の位置まで移動させる際に前記ミシンモータを少なくとも3段階に分けて減速させることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、移動機構と駆動機構は、ミシンモータとは異なる1つのモータで駆動し、モータと、駆動機構と、移動機構とをミシン脚柱部内に配置したので、糸切りカムに係合部を係合させる為のソレノイドアクチュエータを省略することができる。布押え機構と糸切り機構の駆動源を共通化することで、ミシンの小型化を図ることが可能となるうえ、製作コストを低減できる。
請求項2の発明によれば、糸切りカムは、可動刃が上糸と下糸とを捕捉して該上糸と下糸とを切断する直前の位置まで移動するように設定し、糸切り機構は、伝達機構と接続し、糸切りカムによって切断直前の位置まで移動した可動刃を直前の位置から上糸及び下糸を切断する切断位置まで移動させる駆動手段を備えたので、可動刃をミシン主軸の動作に連動させて上糸と下糸とを確実に捕捉することができる。可動刃により上糸と下糸とを確実に捕捉することができるので、糸切断時に上糸と下糸とを確実に切断することができる。
請求項3の発明によれば、駆動手段をソレノイドアクチュエータで構成したので、駆動手段を簡単な構成で実現できる。
請求項4の発明によれば、糸切り指令に基づいて、ミシンモータとモータとソレノイドアクチュエータとを制御する制御手段を備え、制御手段は、可動刃を直前の位置から切断位置まで移動させる際にソレノイドアクチュエータの出力軸を退入させながら、駆動機構により布押えを上昇させるように、ソレノイドアクチュエータとモータとを制御するので、糸切りを行った後、連続的に布押えを上昇させることができ、縫製サイクルタイムを短縮することができる。
請求項5の発明によれば、駆動機構と、移動機構と、モータとを含む1つの機構部ユニットが構成され、該機構部ユニットをミシン脚柱部内に収容したので、ミシンへの部品の組付けを能率的に行うことができる。
請求項6の発明によれば、係合部は、糸切りカムのカム溝に水平方向から係合可能に構成され、カム溝に、ソレノイドアクチュエータの駆動時にミシン主軸の軸心から離隔する方向への係合部の移動を許す逃し溝部を設けたので、糸切断時に糸から可動刃に加わる衝撃が係合部を介して糸切りカムに伝わるのを緩和することができ、糸切りカムの破損を防止できる。
請求項7の発明によれば、カム溝に、可動刃を直前の位置まで移動させる際にミシン主軸の軸心から離隔する方向への係合部の移動を防止する一定半径部を設けたので、ソレノイドアクチュエータの駆動時にミシンモータを停止させる際、慣性モーメントによりミシン主軸の軸心から離隔する方向へ係合部が移動しない。これにより、ミシン主軸が停止する前に可動刃が復動回動することなく糸を切断するのを防止できる。
請求項8の発明によれば、制御手段は、可動刃を直前の位置まで移動させる際にミシンモータを少なくとも3段階に分けて減速させるので、可動刃により上糸と下糸とを捕捉する際に糸に掛かる負担を軽減することができ、アクチュエータの駆動時に安定的に糸を切断することができる。
本発明の実施例に係るミシンの側面図である。 糸切り機構と布押え機構と糸払い機構の斜視図である。 糸切り機構と布押え機構と糸払い機構の側面図である。 回転釜と固定刃と可動刃の平面図(糸切り前の待機位置)である。 糸切りカム板の正面図である。 機構部ユニットの斜視図である。 機構部ユニットの正面図である。 糸切りカムと糸払いカムと布押えカムの斜視図である。 糸切りカムの正面図である。 糸払いカムの正面図である。 布押えカムの正面図である。 回転釜と固定刃と可動刃の平面図(最大回動位置)である。 回転釜と固定刃と可動刃の平面図(切断直前位置)である。 回転釜と固定刃と可動刃の平面図(糸切り後の待機位置)である。 ミシンの制御系のブロック図である。 ミシンモータ駆動制御を示すフローチャートの一部である。 ミシンモータ駆動制御を示すフローチャートの残部である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部2と、ベッド部2の後端部から上方に立設する脚柱部5と、脚柱部5の上端部からベッド部2と対向するように前方へ延びるアーム部6等から構成してある。
図1、図2に示すように、脚柱部5とアーム部6には、ミシンモータ27で回転駆動するミシン主軸10を前後方向向きに配置している。主軸軸受部材15はミシン主軸10を軸心回りに回転可能に支持している。アーム部6前方内部には、ミシン主軸10の前端部と連結し、針棒12を上下駆動させる針棒上下動機構11を配置している。ミシン機枠に固定した針棒軸受部材12aは、針棒12を上下に往復移動可能に支持している。針棒12下端部は、縫針13を着脱可能に装着している。
針棒12は、その高さ方向中段部に針棒抱き14を固着している。ミシン主軸10前端部は、連結ピン17を有する針棒クランク16を固着している。連結ピン17は針棒クランクロッド18上端部を回動可能に支持している。針棒クランクロッド18下端部は、針棒抱き14を介して針棒12を連結している。
ミシン主軸10は、その中央部に偏心部19aを介してクランクロッド19上端部と連結している。クランクロッド19下端部は、ミシン主軸10の回転駆動力を下軸23に伝達する為のセクターギヤ21をクランク腕20を介して連結している。ミシン主軸10において偏心部19a後側には、糸切りカム板41(糸切りカム)を固定している。糸切りカム板41左下側には、後述する機構部ユニット50を配置している。
アーム部6前方内部には、糸切り機構30により切断された上糸25(図4参照)の端部を払うワイパー101を設けている。ワイパー101は、正面視にて時計回り及び反時計回りに揺動可能である。ワイパー101は後述する糸払い機構97により糸払い動作するように構成してある。
図1に示すように、ベッド部2には、布送り機構(図示略)と、半回転釜22と、下軸23等を設けている。布送り機構(図示略)は、後述する布押え機構80と針板9及び送り台79を前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)に移動させる。布押え機構80は、後述する駆動機構68によって動作する。
半回転釜22は、縫針13の上下動と同期して閂止め縫目を形成する。半回転釜22は、下軸23端部と接続している。図4に示すように、糸切り機構30は、縫製終了時に、針板9の下側に設けた固定刃33と、水平に往復回動可能な可動刃35とで上糸25と下糸26を切断する。
次に、図2〜図4を用いて糸切り機構30について説明する。
糸切り機構30は、固定刃33と、可動刃35と、糸切り駆動機構32と、ミシンモータ27とで構成する。
図4に示すように、可動刃35は、糸さばき部35a、貫通穴の端部の刃部35b、糸案内部35c、糸係合部35d及び上糸ループ25aの加工布から延びる側を捕捉する糸捕捉部35e等を有する。
固定刃33は、平面視ほぼL字形状であり、且つ針板9の下側に螺子34で固定してある。固定刃33は、左方の基端部からほぼ水平状で且つ右方に延設してあり、右端部で下方に曲げ形成されて刃部33aを形成してある。固定刃33の下側に可動刃35が配置してあり、段付きボルト36は可動刃35を水平に往復回動可能に支持している。
可動刃35の一端部は、後述する糸切りリンク機構39から延びる第3リンク72の先端部とピン37で連結している。可動刃35は、図4に示す待機位置と、この待機位置から図12に示す最大回動位置とに亙って、水平に往復回動する。
可動刃35が待機位置まで回動復帰するとき、待機位置近傍の切断位置において可動刃35の刃部35bと固定刃33の刃部33aとにより、下糸26と上糸ループ25aの加工布側の上糸25とを同時に切断する。上糸ループ25aは、縫針13の目孔から延び、加工布に至る上糸25を示す。
次に、可動刃35を回動駆動する糸切り駆動機構32について説明する。
図2、図3に示すように、糸切り駆動機構32は、糸切りカム板41と、駆動レバー42と、揺動力発生機構38(移動機構)と、糸切りリンク機構39(伝達機構)と、糸切り用ソレノイド40(駆動手段)とを有する。
先ず、糸切りカム板41について説明する。
図5に示すように、糸切りカム板41の前面には、糸切り動作を発生させるカム溝41aを形成してあり、このカム溝41aによって可動刃35の回動速度及び動作タイミングを設定している。カム溝41aには、待機部Aと、上糸さばき部Bと、下糸捕捉部Dと、一定半径部Eと、糸切断部Fと、移行部Gとを連続して形成している。
待機部Aは、可動刃35を回動させないカム部である。上糸さばき部Bは、可動刃35を回動させて糸さばき部35aを上糸ループ25a内に突入させるカム部である。下糸捕捉部Dは、可動刃35を回動させて下糸26を捕捉するカム部である。上糸さばき部Bにおいて下糸捕捉部D側には、可動刃35の回動を一時的に停止させる可動刃停止区間Cを設けている。
一定半径部Eは、可動刃35が上糸25と下糸26とを捕捉して切断直前位置まで移動した際に制御装置113(図15参照)がミシンモータ27を停止させたとき、ミシン主軸10の軸心から離隔する方向へのコロ部材43の移動を防止するカム部である。糸切断部Fは、切断直前位置から可動刃35を復動回動させて加工布からの上糸25と下糸26とを切断するカム部である。糸切断部Fは、糸切り用ソレノイド40により可動刃35が切断直前位置から切断位置まで移動したときに、鉛直方向(ミシン主軸10の軸心から離隔する方向)へのコロ部材43の移動を許す逃し溝部41bを設けている。尚、ミシンモータ27を停止させたとき、コロ部材43は、糸切断部Fに位置する。
本実施例では可動刃35が上糸25と下糸26とを捕捉して切断直前位置まで回動(移動)した後、糸切り用ソレノイド40により可動刃35は切断位置まで回動(移動)する。それ故、コロ部材43が糸切断部Fを移動することで糸切りを行わない。
図2、図3に示すように、糸切りカム板41の直前に駆動レバー42を配置してある。前後方向に延びる案内軸47(取付け軸)が、駆動レバー42の上端部を前後方向に移動可能に挿通している。図示しないフレーム等の支持部材が案内軸47を前後方向に往復移動可能に支持している。案内軸47のうちの、駆動レバー42とバネ受け部47aとの間には圧縮コイルバネ48を外装してある。
駆動レバー42は、案内軸47を中心に揺動可能に設けてある。駆動レバー42の左右方向中央部の後面に、糸切りカム板41のカム溝41aに水平方向から係合可能なコロ部材43(係合部)を設けている。駆動レバー42は、コロ部材43が糸切りカム板41と係合する係合位置と、係合位置よりも所定距離だけ前方の退避位置とに亙って切換えることができる。退避位置は、コロ部材43が糸切りカム板41から離間する位置である。通常、駆動レバー42は圧縮コイルバネ48のバネ力により退避位置に位置している。
次に、揺動力発生機構38について説明する。
図2、図3に示すように、揺動力発生機構38は、糸切りカム57(図8参照)と、レバー付き軸部材44とを有する。揺動力発生機構38は、制御装置113の制御によって、駆動パルスモータ46で駆動される糸切りカム57を介して、駆動レバー42を係合位置と、退避位置との間に移動させる。レバー付き軸部材44と糸切りカム57と駆動パルスモータ46は、脚柱部5内に収容される機構部ユニット50として、後述する布押えカム59(図8参照)及び糸払いカム58(図8参照)等と共にユニット化してある。
次に、機構部ユニット50について説明する。
図6、図7に示すように、機構部ユニット50は、ベース部材51と、糸切りカム57(図8参照)と、糸払いカム58(図8参照)と、布押えカム59(図8参照)と、これら3つのカム57〜59に夫々連結された3つのレバー付き軸部材44,62,64と、2つの引っ張りコイルバネ66,67と、駆動パルスモータ46と、減速ギヤ機構56とを有する。減速ギヤ機構56は、駆動ギヤ(図示略)と従動ギヤ55とからなる。
ベース部材51は、上方且つ前方を開口したボックス状に形成された大小2つのケーシング52,53からなる。ベース部材51の内部に、布押えカム59と、糸払いカム58と、糸切りカム57と、3つのレバー付き軸部材44,62,64と、2つの引っ張りコイルバネ66,67と、減速ギヤ機構56を収容してある。
第1ケーシング52の右壁部52aの外面に駆動パルスモータ46を4本の螺子46aで固定してある。駆動パルスモータ46は、糸切りカム57と糸払いカム58と布押えカム59とを駆動する為の共通のパルスモータである。駆動パルスモータ46の出力軸(図示略)に減速ギヤ機構56の駆動ギヤを固定してある。減速ギヤ機構56は、カム支持軸54(図8参照)に固定してある。第1ケーシング52の右壁部52aと左壁部52bは、カム支持軸54を回動可能に支持している。
カム支持軸54には左側から、糸切りカム57と、糸払いカム58と、布押えカム59と、駆動ギヤに噛合する減速ギヤ機構56の従動ギヤ55とを夫々固定してある。駆動パルスモータ46の駆動により、駆動ギヤと従動ギヤ55を介して、3つのカム57〜59が一体的に回転する。
図2、図3、図6、図7に示すように、第1ケーシング52の右壁部52aと左壁部52bの上端部は、軸60を介してレバー付き軸部材44を回動可能に支持している。レバー付き軸部材44は、図6において左端部に下方に延びる駆動側レバー部44aと、右端部に上方に延びる従動側レバー部44bを有する。駆動側レバー部44a下端部は、糸切りカム57のカム面に当接可能なコロ部材44c(図9参照)を有する。従動側レバー部44b上端部は、駆動レバー42に前方から当接可能なコロ部材45を有する。
第2ケーシング53の右壁部53aと左壁部53bの上端部は、軸61を介して2つのレバー付き軸部材62,64を回動可能に支持している。図6に示すように、レバー付き軸部材62は、駆動側レバー部62aと、従動側レバー部62b及び軸受け部62dを有する。軸受け部62dは、軸61に嵌合している。駆動側レバー部62aは、軸受け部62dから第1ケーシング52側に延び、その端部に糸払いカム58のカム面に当接可能なコロ部材62c(図10参照)を有する。従動側レバー部62bは、軸受け部62dから上方に延び、その上端部は、連結ピン63を介して糸払い連竿98後端部に連結している。
レバー付き軸部材64は、駆動側レバー部64aと、従動側レバー部64b及び軸受け部64dとを有する。軸受け部64dは、軸61に嵌合している。駆動側レバー部64aは、軸受け部64dから第1ケーシング52側に延び、その端部に布押えカム59のカム面に当接可能なコロ部材64c(図11参照)を有する。従動側レバー部64bは、軸受け部64dから上方に延び、その上端部は、押え連竿91の後端部に連結している。
取付部材65は、第1ケーシング52の後壁部52c上端部に固定している。取付部材65は、2つの引っ張りバネ66,67の一端部と連結している。2つの引っ張りバネ66,67の他端部は、レバー付き軸部材62,64の駆動側レバー部62a,64aに夫々連結してある。引っ張りバネ66は、糸払いカム58のカム面に駆動側レバー部62aのコロ部材62cが常時当接するように付勢している。引っ張りバネ67は、布押えカム59のカム面に駆動側レバー部64aのコロ部材64cが常時当接するように付勢している。
図9を用いて糸切りカム57について説明する。電源投入時又は縫製中のコロ部材44cの位置は、図9に示す位置になる。糸切りカム57は、後述する作動部57aと、非作動部57bと、突起部57cとが形成されている。作動部57aは、図9に示したコロ部材44cの位置から半径が次第に大きくなっている。作動部57aは、レバー付き軸部材44に作用して、コロ部材43を糸切りカム板41のカム溝41aに係合させる。非作動部57bは、作動部57aに連続して、一定半径となっている。非作動部57bは、コロ部材43が糸切りカム板41のカム溝41aに係合する状態、又は、非係合状態を維持する。突起部57cは、半径が異なる非作動部57bを接続する部分に形成されている。
縫製中(糸切り指令を実行しない場合)、駆動レバー42は圧縮コイルバネ48のバネ力により退避位置に位置する。駆動レバー42が退避位置に位置することで、コロ部材43は、糸切りカム板41のカム溝41aに係合しない。それ故、可動刃35は、ミシン主軸10が回転しても回動しない。
糸切り指令を実行した場合、制御装置113は駆動パルスモータ46を正回転駆動する。駆動パルスモータ46が正回転駆動すると、カム支持軸54は、図8において矢印Aの方向に回動する。駆動側レバー部44aは、作動部57aにより第2ケーシング53側に移動する。駆動側レバー部44aが移動することで、従動側レバー部44bは、糸切りカム板41側に移動する。コロ部材45は、圧縮コイルバネ48のバネ力に抗して駆動レバー42を前方から押圧する。それ故、駆動レバー42のコロ部材43は、糸切りカム板41の溝カム41aに係合する。
次に、糸切りリンク機構39について説明する。
図2、図3に示すように、糸切りリンク機構39は、第1〜第3リンク70〜72と、二股状揺動レバー73と、L字レバー76とを有する。糸切りリンク機構39は、駆動レバー42を係合位置に切換えた状態で、糸切りカム板41による駆動レバー42の揺動を可動刃35に伝達して可動刃35を駆動する。第1リンク70は脚柱部5内において縦向きに配置してある。第1リンク70の上端部は、駆動レバー42の右端部に連結している。第1リンク70の下端部は、脚柱部5の下端部に回動可能に設けられたL字レバー76の第3アーム76cに連結している。
L字レバー76は、第1アーム76aと、第2アーム76bと、第3アーム76cとを有している。ミシン機枠に固着された横向きの支持軸76dは、L字レバー76を回動自在に支持している。第1アーム76a一端部は、第3アーム76cに連結している。第1アーム76a他端は、後述するリンク部材77に連結している。第1アーム76aの中央部は、第2アーム76bの中央部と連結している。第2リンク71は、ベッド部3内において横向きに配置してある。第2リンク71は、その後端部を第2アーム76b一端に連結している。第2リンク71前端部は、二股状揺動レバー73の第2揺動アーム73bに連結している。
第3リンク72は、第2リンク71よりも上側且つ前方のベッド部2内に配置してある。第3リンク72後端は、二股状揺動レバー73の第1揺動アーム73aにピン75を介して連結している。図4に示すように第3リンク72前端は、可動刃35の一端部にピン37を介して連結している。二股状揺動レバー73は針板9よりも後側に配置してある。ミシン機枠に固着した鉛直向きの支持軸74は、二股状揺動レバー73を回動自在に支持している。
次に、糸切り動作において、待機位置から切断直前位置までの可動刃35の回動動作について説明する。
図2〜図5に示すように、駆動レバー42が係合位置に移動することでコロ部材43が糸切りカム板41のカム溝41aに係合する。この状態で、ミシンモータ27の駆動によりコロ部材43が上糸さばき部Bから下糸捕捉部Dを順々に移動するとき、駆動レバー42の右端部が案内軸47を揺動支点として、第1リンク70と共に上下に揺動する。
コロ部材43が待機部Aから上糸さばき部Bに到達したとき、制御装置113はミシンモータ27の回転数を例えば700rpmに減速させる。コロ部材43が上糸さばき部Bを移動するとき、可動刃35の糸さばき部35aが上糸ループ25a内に突入する。その後、コロ部材43が可動刃停止区間Cを移動するので、コロ部材43が下糸捕捉部Dに到達するまでの間、可動刃35の回動動作が一時的に停止する。可動刃35が一時的に停止するため、可動刃35は確実に上糸25を捕捉することができる。
コロ部材43が下糸捕捉部Dに到達したとき、制御装置113はミシンモータ27の回転数を例えば400rpmに減速させる。コロ部材43が下糸捕捉部Dを移動するとき、可動刃35は、復動回動する。可動刃35が復動回動すると、上糸ループ25aの縫針13の目孔から延びる側は可動刃35の糸係合部35dと係合し、上糸ループ25aの加工布から延びる側は可動刃35の糸案内部35cに沿って糸捕捉部35eに到達している。
コロ部材43が一定半径部Eに到達したとき、制御装置113はミシンモータ27の回転数を例えば200rpmに減速させる。コロ部材43が一定半径部Eを移動するとき、可動刃35は、切断直前位置(図13参照)で停止する。天秤が上糸25を引き上げた後、コロ部材43が糸切断部Fに到達すると、制御装置113はミシンモータ27を停止させる。
次に、糸切り用ソレノイド40について説明する。
図2、図3に示すように、ベッド部3内に糸切り用ソレノイド40を配置している。糸切り用ソレノイド40は、可動刃35が切断直前位置まで回動(移動)した後、制御装置113の制御によって可動刃35を切断位置まで回動(移動)させる為の駆動手段である。L字レバー76の第1アーム76aの上端部に、リンク部材77を介して糸切り用ソレノイド40の出力軸40aを連結している。制御装置113が糸切り用ソレノイド40に通電したとき、出力軸40aが退入するように構成してある。
縫製中、制御装置113は糸切り用ソレノイド40に微弱な電流を通電することで、L字レバー76の第1アーム76aに対して後方に微弱な力を作用させている。そのため、可動刃35が待機位置に回動する方向に微弱な力を作用させることができ、縫製中において糸切り機構30のガタつきを抑制している。糸切り実行時、制御装置113は糸切り用ソレノイド40に対して電流の供給を停止する。それ故、可動刃35は糸切り用ソレノイド40で制御不能状態となり、ミシン主軸10が可動刃35を回動する。
可動刃35が切断直前位置まで回動した後、制御装置113の制御によって、糸切り用ソレノイド40の出力軸40aが退入すると、L字レバー76と第1,第2リンク70,71と二股状揺動レバー73を介して、可動刃35は切断直前位置から図14に示す待機位置まで復動回動する。可動刃35が復動回動する途中の切断位置で、上糸ループ25aの加工布側部分と下糸26とを、可動刃35と固定刃33とで同時に切断する。
次に、駆動機構68を介して布押え84を上下動させる布押え機構80について説明する。布押え機構80は、送り台79上に設けてあり、送り台79と共に前後方向及び左右方向に移動する。
図1に示すように、送り台79の上面に、側面視にて湾曲状で片持ち状に支持された押え腕81の基端部(後端部)を固定している。押え腕81の先端部は、左右1対の布押え84を支持する押え取付け部81aを有している。押え取付け部81aは、左右1対の布押え84を上下動可能に支持している。押え腕81の前後方向中央部には、左右方向向きの軸82を固定している。押え腕81の左右両側に、前後方向に延びる押え腕レバー83を夫々配置している。軸82は各押え腕レバー83をその前後方向のほぼ中央部で回動可能に支持している。
押え腕レバー83先端部は、左右1対の布押え84の係合穴に後方から夫々挿通している。押え腕レバー83後端部は、バネガイド軸85の上端部に回動可能に連結している。押え腕81は、その後端部にバネ受け部材86を有する。バネ受け部材86は、バネガイド軸85の下端部を上下方向に摺動可能に支持している。圧縮コイルバネ87は、バネガイド軸85のバネ受け部と、バネ受け部材86のバネ受け部とに亙ってバネガイド軸85に外装してある。
圧縮コイルバネ87は、1対の押え腕レバー83の後端を上方に付勢する。左右一対の布押え84は、圧縮コイルバネ87によって常に針板9上面を押圧する。押え腕レバー83は、軸82よりも後側の左右両側に、押え作動板88をボルト89で夫々固定している。
次に、図1〜図3を用いて布押え機構80を駆動する布押え駆動機構90について説明する。
布押え駆動機構90は、上下動部材94と、押えレバー92と、押え連竿91と、駆動機構68を構成する布押えカム59(図8、図11参照)及びレバー付き軸部材64と、駆動パルスモータ46とを有する。アーム部6の機枠に固定した軸93は、L字状の押えレバー92を回動可能に支持する。押えレバー92は、軸93から下方に延びる駆動側レバー部92aと、軸93から前方に延びる従動側レバー部92bとを有する。駆動側レバー部92aは、押え連竿91前端部に連結している。従動側レバー部92bは、アーム部6の機枠に上下動可能に支持された上下動部材94に連結している。上下動部材94下端は、押え作動板88を押し下げる水平板部95を配置してある。
上下動部材94が下降することで水平板部95は、押え作動板88を下方に押圧する。押え作動板88は、左右一対の押え腕レバー83を圧縮コイルバネ87のバネ力に抗して、軸82を回動支点として時計回り(図1において)に回動する。左右一対の押え腕レバー83が前述した時計回りに回動することで、布押え84は針板9よりも上側の上昇位置に上昇する。
図11を用いて布押えカム59について説明する。布押えカム59は、作動部59aと、非作動部59bとを有している。図11に示すコロ部材64cの位置は、布押え84が加工布を押さえた状態である。作動部59aの半径は、非作動部59bの半径から次第に大きくなっている。非作動部59bの半径は、一定であり、コロ部材64cが非作動部59bに位置する間、レバー付き軸部材64は、揺動することはない。
図1〜図3に示すように、駆動パルスモータ46の逆回動駆動により、カム支持軸54は、矢印B(図8参照)の方向に回動する。カム支持軸54が回動すると、コロ部材64cは、布押えカム59の作動部59aを移動する。コロ部材64cが作動部59aを移動することでレバー付き軸部材64は、反時計回り(図3において)に回動する。押えレバー92は、レバー付き軸部材64及び押え連竿91を介して時計回り(図3において)に回動する。それ故、上下動部材94は下降して押え作動板88を押し下げるため、押え腕レバー83は時計回り(図1において)に回動し、布押え84が上昇位置に移動する。
次に、糸切断後の上糸25端部をワイパー101により糸払いする糸払い機構97について説明する。
図2、図3に示すように、糸払い機構97は、ワイパー101と、糸払いリンク100と、糸払いレバー99と、糸払い連竿98と、レバー付き軸部材62と、糸払いカム58と、駆動パルスモータ46とを有する。
糸払い連竿98は、アーム部6内に配置してある。糸払い連竿98後端部は、従動側レバー部62b上端部に連結している。糸払い連竿98前端部は、後述する糸払いレバー99の駆動側レバー部99aに連結している。糸払いレバー99は、略L字状の形状であり、アーム部6の機枠に固定した軸103を支点として回動可能である。糸払いレバー99は、軸103から後方に延びる駆動側レバー99aと、軸103から前方に延びる従動側レバー99bとを有する。
糸払いリンク100は上下方向に延び、該上端を従動側レバー部99bに連結している。糸払いリンク100下端部は、ワイパー101に連結している。ワイパー101は、アーム部6前端に固定した正面視L字状の支持部材102右端部に、ワイパー101の連結部よりも右側の基端部を前後向きのボルト104で回動可能に連結している。
図10を用いて糸払いカム58について説明する。糸払いカム58は、2つの作動部58aと、2つの非作動部58bとを有している。図10に示すコロ部材62cの位置は、電源投入時又は縫製中である。電源投入時又は縫製中の場合、ワイパー101は、縫針13を超えた位置(図2において、縫針13より右側の位置)になっている。2つの作動部58aの半径は、非作動部58bの半径から次第に大きくなっている。2つの非作動部58bは、それぞれの半径は異なるが一定であり、コロ部材62cが非作動部58bに位置する間、レバー付き軸部材62は、揺動することはない。
駆動パルスモータ46の逆回動駆動により、カム支持軸54は、矢印B(図8参照)の方向に回動する。カム支持軸54が回動すると、コロ部材62cは、糸払いカム58の作動部58aを移動する。それ故、図2においてレバー付き軸部材62が反時計回りに回動し、糸払い連竿98を介して糸払いレバー99が反時計回りに回動する。これにより、糸払いリンク100が上方に移動し、ワイパー101は、図2に示す位置まで回動する。ワイパー101は、針板9下方にある上糸25を針板9上方に引き出すことができる。
次に、ミシン1の制御系の電気的構成について説明する。
図15に示すように、制御装置113(制御手段)は、CPU115とROM116とRAM117とを含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにデータバスなどを介して接続した入力インターフェース114及び出力インターフェース118と、駆動回路119〜122等を有する。入力インターフェース114には、足踏みペダル110が有する第1スイッチ(第1SW)111及び第2スイッチ(第2SW)112と、主軸エンコーダ10a等を接続している。出力インターフェース118には、ミシンモータ27と、駆動パルスモータ46と、XY送り用パルスモータ28と、糸切り用ソレノイド40を夫々駆動回路119〜122を介して接続している。
第1SW111は、作業者により足踏みペダル110が1段目の布押え位置に踏み込まれたときにONし、制御装置113は布押え84を上昇位置から針板9上面の下降位置(押圧位置)に下降させる。第2SW112は、作業者により足踏みペダル110が2段目の縫製位置に踏み込まれたときにONし、制御装置113は縫製制御を開始する。主軸エンコーダ10aは、ミシン主軸10の回転角度と、針上停止位置及び針下停止位置を検出するものである。ROM116には、各種の駆動機構の駆動制御と各種の表示制御とを含む縫製制御の制御プログラム、図16、図17に示すミシンモータ駆動制御の制御プログラム、各種の閂止め縫目の為の縫製データ等を予め格納している。
次に、図16、図17のフローチャートに基づいて、制御装置113が実行するミシンモータ駆動制御について説明する。尚、図中Si(i=1,2・・・)は各ステップを示す。図16、図17のフローチャートは、作業者がミシン1の電源を投入したとき開始する。
最初に、CPU115は初期化処理を実行する(S1)。初期化処理では、CPU115は駆動パルスモータ46を逆回転駆動する。コロ部材64cが布押えカム59の作動部59aを移動するので布押え84は上昇し、コロ部材62cが糸払いカム58の作動部58aを移動するのでワイパー101は図2に示す位置まで回動する。
これと同時に、コロ部材44cは、糸切りカム57の非作動部57bに移動する。それ故、レバー付き軸部材44は、移動可能となる。駆動レバー42は圧縮コイルバネ48のバネ力により退避位置に移動して、レバー付き軸部材44を図3において時計回りに回動させるため、コロ部材43はカム溝41aから離れる。このとき、可動刃35は待機位置に位置する。
CPU115は、第1SW111がONしたか否かを判定し、第1SW111がONした場合(S2;Yes)、CPU115は、駆動パルスモータ46を所定パルスだけ正回転駆動すると(S3)、コロ部材44c,62c,64cは図9〜図11に示す位置になる。
CPU115は、第2SW112がONしたか否かを判定し、第2SW112がONした場合(S4;Yes)、CPU115はミシンモータ27を駆動し縫製処理を実行する(S5)。CPU115は、実行中の縫製プログラムに基づき縫製終了か否かを判定する。
縫製終了の場合(S6;Yes)、CPU115は、縫製処理の最終縫目を縫製したときに糸切り指令を実行し、駆動パルスモータ46を所定パルスだけ正回動駆動する(S7)。それ故、駆動側レバー部44aのコロ部材44cは、糸切りカム57の作動部57aを移動し、レバー付き軸部材44が図3において反時計回りに回動する。レバー付き軸部材44は、駆動レバー42を係合位置に移動させる。駆動レバー42が係合位置に移動することで、コロ部材43は糸切りカム板41のカム溝41aに係合する。
次に、CPU115は、糸切り用ソレノイド40をOFFして(S8)、糸切り用ソレノイド40による可動刃35の制御を中止する。可動刃35は、ミシンモータ27の回転駆動により往復回動する。CPU115は、コロ部材44cが上糸さばき部Bに到達したことを主軸エンコーダ10aにより検出した場合(S9;Yes)、ミシンモータ27を700rpmに減速させる(S10)。CPU115は、コロ部材44cが下糸捕捉部Dに到達したことを主軸エンコーダ10aにより検出した場合(S11;Yes)、ミシンモータ27を400rpmに減速させる(S12)。
次に、CPU115は、コロ部材44cが一定半径部Eに到達したことを主軸エンコーダ10aにより検出した場合(S13;Yes)、ミシンモータ27を200rpmに減速させる(S14)。CPU115は、コロ部材44cが糸切断部Fに到達したことを主軸エンコーダ10aにより検出した場合(S15;Yes)、ミシンモータ27を停止する(S16)。このとき、コロ部材43は、可動刃35は、糸切直前位置で停止する。
次に、CPU115は、駆動パルスモータ46を所定パルスだけ逆回転駆動し(S17)、糸切り用ソレノイド40をONする(S18)。すなわち、糸切り用ソレノイド40の出力軸40aを退入させながら、駆動パルスモータ46を所定パルスだけ逆回転駆動する。
駆動パルスモータ46の逆回転駆動により、コロ部材44c,62c,64cは図9〜図11に示す位置を通過する。出力軸40aの退入により、可動刃35は切断直前位置から復動回動を開始する。可動刃35は、上糸ループ25aの加工布側と下糸26とを途中の切断位置で同時に切断した後、CPU115は処理を終了する。
次に、以上説明したミシン1の作用、効果について説明する。
糸切り用の揺動力発生機構38と布押え用の駆動機構68は、ミシンモータ27とは異なる1つの駆動パルスモータ46で駆動し、駆動パルスモータ46と、駆動機構68と、揺動力発生機構38とをミシン脚柱部5内に配置したので、糸切りカム板41にコロ部材43を係合させる為のソレノイドアクチュエータを省略することができる。布押え機構80と糸切り機構30の駆動源を共通化することで、ミシン1の小型化を図ることが可能となるうえ、製作コストを低減できる。
糸切りカム板41は、可動刃35が上糸25と下糸26とを捕捉して切断直前位置まで移動するように設定し、糸切り機構30は、糸切りリンク機構39と接続し、糸切りカム板41によって切断直前位置まで回動した可動刃35を切断直前位置から切断位置まで回動させる糸切り用ソレノイド40を備えたので、可動刃35をミシン主軸10の動作に連動させて上糸25と下糸26とを確実に捕捉することができる。可動刃35により上糸25と下糸26とを確実に捕捉することができるので、糸切断時に上糸25と下糸26とを確実に切断することができる。また、駆動手段を糸切り用ソレノイド40で構成したので、駆動手段を簡単な構成で実現できる。
糸切り指令に基づいて、ミシンモータ27と駆動パルスモータ46と糸切り用ソレノイド40とを制御する制御装置113を備え、制御装置113は、可動刃35を切断直前位置から切断位置まで移動させる際に糸切り用ソレノイド40の出力軸40aを退入させながら、駆動機構68により布押え84を上昇させるように、糸切り用ソレノイド40と駆動パルスモータ46とを制御するので、糸切りを行いながら布押え84を上昇させることができ、縫製サイクルタイムを短縮することができる。
制御装置113は、可動刃35を切断直前位置まで移動させる際にミシンモータ27を少なくとも3段階に分けて減速させるので、可動刃35により上糸25と下糸26とを捕捉する際に糸に掛かる負担を軽減することができ、糸切り用ソレノイド40の駆動時に安定的に糸を切断することができる。
駆動機構68と、揺動力発生機構32と、駆動パルスモータ46とを含む1つの機構部ユニット50が構成され、機構部ユニット50をミシン脚柱部5内に収容したので、ミシン1への部品の組付けを能率的に行うことができる。コロ部材43は、糸切りカム板41のカム溝41aに水平方向から係合可能に構成され、カム溝41aに、糸切り用ソレノイド40の駆動時にミシン主軸10の軸心から離隔する方向へのコロ部材43の移動を許す逃し溝部41bを設けたので、糸切断時に糸から可動刃35に加わる衝撃がコロ部材43を介して糸切りカム板41に伝わるのを緩和することができ、糸切りカム板41の破損を防止できる。
カム溝41aに、可動刃35を切断直前位置まで回動させる際にミシン主軸10の軸心から離隔する方向へのコロ部材43の移動を防止する一定半径部Eを設けたので、糸切り用ソレノイド40の駆動時にミシンモータ27を停止させる際、慣性モーメントによりミシン主軸10の軸心から離隔する方向へコロ部材43が移動しない。これにより、ミシン主軸10が停止する前に可動刃35が復動回動することなく糸を切断するのを防止できる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1]糸払い機構97を省略し、布押え機構80と糸切り機構30のみを駆動パルスモータ46で作動させてもよい。
2]駆動手段として、糸切り用ソレノイド40の代わりにパルスモータやエアシリンダ等を適用することも可能である。
3]制御装置113は、可動刃35を切断直前位置まで回動させる際にミシンモータ27を、例えば4段階など3段階以上に分けて減速させてもよい。
E 一定半径部
1 ミシン
5 脚柱部
9 針板
10 ミシン主軸
25 上糸
26 下糸
27 ミシンモータ
30 糸切り機構
33 固定刃
35 可動刃
38 揺動力発生機構
39 糸切りリンク機構
40 糸切り用ソレノイド
40a 出力軸
41 糸切りカム板
41a カム溝
41b 逃し溝部
42 駆動レバー
43 コロ部材
46 駆動パルスモータ
47 案内軸
50 機構部ユニット
56 減速ギヤ機構
68 駆動機構
80 布押え機構
84 布押え
113 制御装置

Claims (8)

  1. 駆動機構を介して布押えを上下動させる布押え機構と、針板の下側に設けられた固定刃と水平に往復回動可能な可動刃とで上糸と下糸を切断する糸切り機構とを備えたミシンにおいて、
    前記糸切り機構は、ミシン主軸に固定し、前記可動刃を移動するように設定した糸切りカムと、
    前記糸切りカムと係合可能な係合部を有し、取付け軸を中心に揺動可能に設け、該係合部が前記糸切りカムと係合する係合位置と、該係合部が前記糸切りカムから離間する退避位置との間を移動可能なレバーと、
    前記係合位置において、前記係合部が前記糸切りカムにより変位することに伴う前記レバーの揺動を前記可動刃に伝達して前記可動刃を駆動する伝達機構と、
    前記レバーを前記係合位置と、前記退避位置との間に移動させる移動機構と、
    前記ミシン主軸を駆動するミシンモータとを備え、
    前記移動機構と前記駆動機構は、前記ミシンモータとは異なる1つのモータで駆動し、
    前記モータと、前記駆動機構と、前記移動機構とをミシン脚柱部内に配置した
    ことを特徴とするミシン。
  2. 前記糸切りカムは、前記可動刃が前記上糸と下糸とを捕捉して該上糸と下糸とを切断する直前の位置まで移動するように設定し、
    前記糸切り機構は、前記伝達機構と接続し、前記糸切りカムによって切断直前の位置まで移動した可動刃を前記直前の位置から前記上糸及び下糸を切断する切断位置まで移動させる駆動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記駆動手段をソレノイドアクチュエータで構成したことを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 糸切り指令に基づいて、前記ミシンモータと前記モータと前記ソレノイドアクチュエータとを制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記可動刃を前記直前の位置から前記切断位置まで移動させる際に前記ソレノイドアクチュエータの出力軸を退入させながら、前記駆動機構により前記布押えを上昇させるように、前記ソレノイドアクチュエータと前記モータとを制御することを特徴とする請求項3に記載のミシン。
  5. 前記駆動機構と、前記移動機構と、前記モータとを含む1つの機構部ユニットが構成され、該機構部ユニットを前記ミシン脚柱部内に収容したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシン。
  6. 前記係合部は、前記糸切りカムのカム溝に水平方向から係合可能に構成され、
    前記カム溝に、前記ソレノイドアクチュエータの駆動時に前記ミシン主軸の軸心から離隔する方向への前記係合部の移動を許す逃し溝部を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載のミシン。
  7. 前記カム溝に、前記可動刃を前記直前の位置まで移動させる際に前記ミシン主軸の軸心から離隔する方向への前記係合部の移動を防止する一定半径部を設けたことを特徴とする請求項6に記載のミシン。
  8. 前記制御手段は、前記可動刃を前記直前の位置まで移動させる際に前記ミシンモータを少なくとも3段階に分けて減速させることを特徴とする請求項4に記載のミシン。
JP2010104181A 2010-04-28 2010-04-28 ミシン Pending JP2011229751A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010104181A JP2011229751A (ja) 2010-04-28 2010-04-28 ミシン
CN 201110118739 CN102234880B (zh) 2010-04-28 2011-04-27 缝纫机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010104181A JP2011229751A (ja) 2010-04-28 2010-04-28 ミシン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011229751A true JP2011229751A (ja) 2011-11-17

Family

ID=44885969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010104181A Pending JP2011229751A (ja) 2010-04-28 2010-04-28 ミシン

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2011229751A (ja)
CN (1) CN102234880B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108118466A (zh) * 2016-11-29 2018-06-05 拓卡奔马机电科技有限公司 一种上剪线驱动机构及锁眼机
CN108425190A (zh) * 2018-04-04 2018-08-21 林小玲 一种曲折缝纫机的剪线装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014223720B3 (de) * 2014-11-20 2016-02-25 Dürkopp Adler AG Antriebsbaugruppe für eine Nähmaschine sowie Nähmaschine mit einer derartigen Antriebsbaugruppe
JP2017080315A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 ブラザー工業株式会社 糸切機構とミシン
CN108118467B (zh) * 2016-11-29 2023-07-14 拓卡奔马机电科技有限公司 一种下剪线驱动机构及锁眼机
CN107099941B (zh) * 2017-05-25 2020-04-17 杰克缝纫机股份有限公司 一种缝纫机

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0761391B2 (ja) * 1988-07-15 1995-07-05 ジューキ株式会社 ポスト型ミシンの糸切り装置
JPH11333175A (ja) * 1998-05-28 1999-12-07 Tokai Ind Sewing Mach Co Ltd ミシンの糸切り装置
JP3571576B2 (ja) * 1999-05-06 2004-09-29 ペガサスミシン製造株式会社 縫目ほつれ防止装置
JP2005278856A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Brother Ind Ltd ミシン
JP5042573B2 (ja) * 2006-09-15 2012-10-03 Juki株式会社 ミシン
JP2009061020A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Brother Ind Ltd ミシンの糸切り装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108118466A (zh) * 2016-11-29 2018-06-05 拓卡奔马机电科技有限公司 一种上剪线驱动机构及锁眼机
CN108118466B (zh) * 2016-11-29 2023-07-25 拓卡奔马机电科技有限公司 一种上剪线驱动机构及锁眼机
CN108425190A (zh) * 2018-04-04 2018-08-21 林小玲 一种曲折缝纫机的剪线装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102234880A (zh) 2011-11-09
CN102234880B (zh) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011229751A (ja) ミシン
JP2008068004A (ja) ミシン
JP2007282747A (ja) ミシン
CN214422841U (zh) 一种分离式平缝机
JP2007252495A (ja) ミシン
JP2009061020A (ja) ミシンの糸切り装置
JP4020692B2 (ja) 針送りミシン
JP3897641B2 (ja) ミシン
JP2009240389A (ja) ミシン
CN214193680U (zh) 一种分离式平缝机的独立运行底线机构
JP4108991B2 (ja) ミシン
JP2007007219A (ja) ミシンの自動糸切り装置
JP2013070915A (ja) ミシン
CN214193701U (zh) 一种分离式平缝机的独立运行底线机构
JP4507273B2 (ja) ミシンのワイパー装置
JP2009207665A (ja) ミシン
JP2011229752A (ja) ミシン
JP2012165849A (ja) ミシン及びミシンの糸切り方法
JP2008229082A (ja) ミシンの糸切り装置
CN110629418A (zh) 缝纫机
CN220413709U (zh) 一种缝纫机的针送料切换和压脚驱动机构
JP2014012041A (ja) ミシン
JP2011212151A (ja) ミシン
JP4492178B2 (ja) ミシン
CN115074923B (zh) 一种缝纫机