JP2009207665A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】糸の切断不良を抑止する。
【解決手段】縫い針11,12を保持する針棒13,14を揺動させる揺動機構110と、縫い針が挿入される針穴201a,201bを有する送り歯201を針棒の揺動に同期して送る送り機構200と、送り機構の送り動作量を調節する送り量調節機構250と、送り歯の下側に配置された水平釜101,102と、送り歯の下方で進退往復動作を行う動メス151,152を備えたメス機構50とを備え、メス機構は動メスの進退往復動作を行うためにミシンモータ1とは別の駆動源51,52を備え、動メスの駆動源の動作タイミングを制御する動作制御手段70を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、縫い針が被縫製物を貫通した状態で送り歯と共に送りを行うミシンに関する。
縫い針が被縫製物を貫通した状態で送り歯と共に送りを行うミシンとして代表的な針送りミシンは、下降しながら布送り方向上流側から下流側に針振りを行う二本の針棒を備え、送り歯には各針棒に保持された縫い針が挿入される針穴が設けられ、当該針穴に縫い針が挿入された状態で針棒と送り歯とが布送り方向に移動することで、被縫製物に縫い針を突き通した状態で布送りを行う。
図6は従来のミシンの釜軸台150の周囲の構成を示す斜視図、図7は釜軸台150を下方から見た底面図である。
従来の針送りミシンは、各々が縫い針を保持する二本の針棒と、各針棒を揺動させる揺動機構と、各針棒を上下動させる上下動機構と、各縫い針に通された上糸に個別に下糸を絡める一対の水平釜101、102と、各水平釜101,102を回転可能に支持する釜軸台103と、各水平釜101,102の回転駆動源となる下軸104から動力を得て駆動するメス機構150と、一対の縫い針下降時にそれぞれの縫い針が挿通される針穴を有する送り歯201を有する送り機構と、送り機構の送り動作量を調節する送り量調節機構とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
各水平釜101,102は送り歯201を挟んで布送り方向に直交する方向に沿って並んで配置され、いずれも時計回りに回転駆動を行う。
メス機構150は、水平釜101(102)と送り歯201の間で布送り方向に沿って前後に往復動作を行う動メス151(152)と、後退する動メス151(152)との協働により上糸を切断する固定メス153(154)と、動メス151(152)を保持するメス土台155(156)と、メス土台155(156)を布送り方向に沿って往復移動させるメス駆動腕157(158)と、メス駆動椀157(158)を軸支すると共に釜軸台103を上下に貫通する連結軸159(160)と、連結軸159(160)の下端部近傍に固定支持された入力腕161(162)と、連結軸160の下端部にのみ固定支持された出力腕163と、下軸104に固定され、外周にカム溝が形成された外周カム164と、図示しないソレノイドにより外周カム164のカム溝に係合可能なカム従節を備えるカムローラ腕165と、カム係合時にカムローラ腕165と共に回動動作を行う糸切り駆動腕166と、糸切り駆動腕166の回動端部と入力腕162の回動端部とを連結する連結リンク167と、出力腕163の回動端部と入力腕161の回動端部とを連結する連結リンク168とを備えている。
そして、糸切断時には、ソレノイドの駆動によりカムローラ腕165のカム従節が外周カム164に係合し、下軸104が回転することでカムローラ腕165及び駆動腕166が回動し、連結リンク167及び入力腕162を介して連結軸160が回転する。さらに、出力腕163,連結リンク168及び入力腕161を介して連結軸159が回転する。
各連結軸159,160の回転により、メス駆動腕157,158を介して各メス土台155,156と共に動メス151,152が前進移動を行い、送り歯201の各針穴から各水平釜101,102の剣先に渡る上糸のループに突入する。
さらに、下軸が回転すると、カムローラ腕165及び駆動腕166が先程とは逆方向に回動し、これにより、動メス151,152が後退移動を行い、各上糸のループの内側から上糸を捕捉して固定メス153,154まで運んで、それぞれの糸の切断が行われる。
特開2007−97614号公報
ところで、従来の針送りミシンの送り機構は、下軸から上下送りカムと下送りカムとにより上下方向の往復ストロークの運動と水平方向(送り方向)の往復ストロークの運動とを取り出し、それらの位相を適宜調整して送り歯201を保持する送り台に伝達することで送り歯201に長円運動を行わせるようにしている。かかる長円運動の上側区間において送り歯201の上端部が針板よりも上方に突出して針板上の被縫製物が送られる。
そして、送り調節機構は、水平方向のストローク長を動作中でも変更調節する構造を有しており、これにより送り量の調節を行っていた。
かかる構成では、送り調節機構の送り量調節により、送り歯201は図8に示すような軌跡を描くこととなる。P0,P1,P2は送り量を0、中、大と調節した場合の送り歯の軌跡を示している。図において横方向は送り方向幅、縦方向は上下方向幅を示す。この図によれば、設定送り量を変えると、上死点と下死点の位相以外については同じ位相での送り歯201の送り方向における位置は異なっていることが分かる。
図9は送り量を正送り方向に大きくした場合の各左右動メス151、152の動作開始直前のタイミングにおける送り歯201の各針穴201a,201bから各水平釜101、102の剣先に渡る上糸の状態を示す釜機構周辺の平面図、図10(A)は送り量が小さい場合の動メス151の動作開始直前のタイミングにおける送り歯201の針穴201aから水平釜101の剣先に渡る上糸の状態を示す釜機構周辺の左側面図、図10(B)は送り量が大きい場合の左側面図、図11(A)は送り量が小さい場合の動メス152の動作開始直前のタイミングにおける送り歯201の針穴201bから水平釜102の剣先に渡る上糸の状態を示す釜機構周辺の右側面図、図11(B)は送り量が大きい場合の右側面図である。
これらの図示のように、従来のミシンでは、送り量を正送り方向Fに大きくすると左右動メス151,152の動作タイミングでの送り歯201の位置は布送り方向前方にシフトする。その結果、送り量を大きくしたときには、左側の水平釜151の剣先は針穴201aから十分に上糸U1を引き出してそのループが大きくなるが、右側の水平釜152の剣先は針穴201bから十分に上糸U2を引き出せずそのループは小さくなる。
一方、メス機構150は、動メス151,152が前進により各水平釜101,102の剣先により形成される上糸のループに突入し、後退により上糸を捕捉して切断を行う。
このため、送り量が大きくなるように調節されると、右側の動メス152については前進時にループに突入できずに切断不良を生じる場合があった。
これを回避するためには、動メスの動作タイミングを適正な位相となるように調整すれば良い。しかしながら、その調整は、図7に示す連結軸160に対して入力腕162や出力腕163の締結ボルトを緩めて適正な角度となるように調節するか、連結軸159に対して入力腕161を適正な角度となるように調節する等の方法により行われる。このため、メス動作のタイミングの調節方法は煩雑に過ぎ、送り量の調節のたびに行うことは困難である。
このため、従来は、一部の送り量の範囲で適正なメス駆動タイミングに調整され、その範囲から外れる送り量での切断不良の抑止は困難な状況にあった。
また、二本の動メスが逆方向に動作するので、ある送り量で一方の動メスについて適正な動作タイミングに調整すると、もう一方の動メスでは不適正なタイミングになる場合があり、特に二本針のミシンでは切断不良の抑止は困難であった。
なお、上記問題は、右側の動メス152に限らず、例えば逆送りが行われていれば左側の動メス151にも生じる問題である。また、二本針に限らず、動メスがミシンモータを駆動源とすれば一本針のミシンでも生じる問題である。
本発明は、糸の切断をより確実に行うことをその目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を保持してミシンモータにより上下動を行う針棒と、前記針棒の下端部を布送り方向に沿って揺動させる揺動機構と、前記針棒の下降時に前記縫い針が挿入される針穴を有する送り歯と、前記針棒の揺動動作に同期して前記送り歯の布送り方向に沿った送り動作を付与する送り機構と、前記送り機構の送り動作量を調節する送り量調節機構と、前記送り歯の下側に配置された水平釜と、前記送り歯と前記水平釜の間で進退往復動作を行う動メスを備えたメス機構とを備え、前記縫い針が前記送り歯の針穴に挿入された状態で布送りを行うミシンにおいて、前記メス機構は前記動メスの進退往復動作を行うために前記ミシンモータとは別の駆動源を備え、前記送り量調節機構により調節された送り量に基づいて前記動メスの駆動源の動作タイミングを制御する動作制御手段を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記前記送り量調節機構により調節された送り量を検出する検出手段を備え、前記動作制御手段は、前記検出手段により検出された送り量に基づいて前記動メスの駆動源の動作タイミングを決定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記縫い針を二本備えると共に、当該各縫い針に対応して前記水平釜と動メスと動メスの駆動源とを二つずつ備え、前記動作制御手段は、前記各動メスの駆動源の動作タイミングをそれぞれ個別に制御することを特徴とする。
請求項1記載の発明は、メス機構は動メスの進退往復動作を行うためにミシンモータから独立した駆動源を備えるため、上軸や下軸の一定の位相に固定されることなく任意のタイミングで切断動作を実行させることが可能となる。そして、この動メスの駆動源の動作タイミングは動作制御手段により制御可能なので、送り機構の送り量の調節が行われても、メス駆動源の制御のみで対応することができ、送り量の調節が行われると速やかに対応することができ、煩雑な調整作業を行うことなく切断不良の発生を抑止することが可能となる。
さらに、請求項1記載の発明は、動作制御手段が送り量調節機構により調節された送り量に基づいて動メスの駆動源の動作タイミングを決定するので、送り量の変更調節に対して容易且つ円滑に切断不良の抑止を図ることが可能となる。
なお、「送り量調節機構により調節された送り量に基づいて前記動メスの駆動源の動作タイミングを制御する」とは、請求項2記載の発明のように、調節された送り量を検出してそれに基づいて動メスの動作タイミングを決定しても良いし、調節された送り量の手入力を待って動メスの動作タイミングを決定しても良い。
請求項2記載の発明は、検出手段により検出された送り量に基づいて動メスの駆動源の動作タイミングを決定するので、送り量の変更調節に対してさらに容易且つ円滑に切断不良の抑止を図ることが可能となる。
請求項3記載の発明は、二本針であってこれに対応して動メス駆動源を二基備えるので、各々の動メスについて適正なタイミングで切断動作を行うことができ、一方の動メスの動作タイミングの適正化を図ると他方の動メスの動作タイミングの適正化が離れないという問題を解消することが可能となる。
(針送りミシンの全体構成)
図1は本願発明の実施形態である針送りミシン10の釜軸台150の周囲の構成を示す斜視図、図2はミシン10の主要な機構部を図示した斜視図、図3はその右側面図である。
針送りミシン10は、各々が縫い針11,12を保持する二本の針棒13,14と、各針棒13,14を揺動させる揺動機構110と、ミシンモータ1(図4参照)により各針棒13,14を上下動させる図示しない上下動機構と、各縫い針11,12に通された上糸に個別に下糸を絡める一対の水平釜101、102と、各水平釜101,102を回転可能に支持する釜軸台103と、各水平釜101,102の回転駆動源となる下軸104から動力を得て駆動するメス機構50と、一対の縫い針11,12の下降時にそれぞれの縫い針11,12が挿通される針穴201a,201bを有する送り歯201を有する送り機構200と、送り機構200の送り動作量を調節する送り量調節機構250と、上記各構成を制御する動作制御手段70とを備えている。
なお、発明の実施形態である針送りミシン10の構成について従来の針送りミシンと同じ構成については同じ符号を付して重複する説明は省略するものとする。
(メス機構)
メス機構50は、図1に示すように、動メス151(152)と、固定メス153(154)と、メス土台155(156)と、メス駆動腕157(158)と、連結軸159(160)と、連結軸159(160)の下端部に図示しないカップリングを介して連結されて当該連結軸159(160)を回動させる糸切りモータ51(52)とを備えている。
糸切断時には、糸切りモータ51(52)を正方向に回転駆動させて連結軸159(160)を介してメス駆動腕157(158)を反時計方向に回動させ、メス土台155(156)と共に動メス151(152)を前進移動させる。これにより上糸U1(U2)のループに動メス151(152)を突入させる。そして、糸切りモータ51(52)を逆方向に回転駆動させて連結軸159(160)を介してメス駆動腕157(158)を時計方向に回動させ、メス土台155(156)と共に動メス151(152)を後退移動させる。これにより、図示しない動メス151(152)の返し部に上糸U1を引っかけるように捕捉して固定メス153(154)まで運び、これらのメスの協働により切断を行う。
(送り機構)
送り機構200は、送り歯201と、送り歯201を保持する送り台202と、下軸104に固定装備された上下送り用偏心カム203と、上下送り用偏心カム203を一端部に擁すると共に他端部で送り台202に連結された上下送り用偏心ロッド204と、下軸104に固定装備された水平送り用偏心カム205と、水平送り用偏心カム205を一端部に擁する水平送り用偏心ロッド206と、送り台腕207を介して送り台202に水平方向の往復動作を付与する水平送り軸208と、水平送り軸208に固定軸支された水平送り腕209と、水平送り腕209の回動端部と水平送り用偏心ロッド206の他端部とを連結する連結リンク210とを備えている。
上記構成により、下軸104が全回転を行うと、上下送り用偏心カム203により上下送り用偏心ロッド204が往復動作を行い、送り台202に下軸104と同じ周期の上下動が付与される。
また、水平送り用偏心カム205により水平送り用偏心ロッド206が往復動作を行い、連結リンク210及び水平送り腕209を介して水平送り軸208に往復回動動作を付与する。このとき、水平送り用偏心カム205、水平送り用偏心ロッド206、連結リンク210、水平送り腕209及び水平送り軸208は、擬似的な四節リンク機構を構成し、後述する送り調節機構250により四節の内の一節の移動軌跡が規制された状態とされることで、水平送り用偏心ロッド206から水平送り腕209への動作伝達が行われ、水平送り軸208が所定の角度範囲で往復回動を行う構造となっている。
そして、水平送り軸208が所定の角度範囲で往復回動を行うことにより、送り台腕207を介して送り台202に下軸104と同じ周期の水平往復動が付与される。
このように、送り台202には、同じ周期の上下動と水平往復動作が付与されるので、それらの位相を適切に調節することで長円運動をさせることができる。また、送り歯201は長円運動の上部区間においてミシンベッドの上面よりも歯先が上方に突出するように配置されているので、上部区間の移動においてミシンベッド上面の被縫製物を送ることができる。また、送り調節機構250により水平送り量の往復幅を調節するとそれに応じて送り量を調節することができる。
(送り調節機構)
送り調節機構250は、連結リンク210と水平送り用偏心ロッド206の連結部においてこれらを連結する連結軸210aに軸支された一対の角駒251(一つのみ図示)と、角駒251を往動させるガイド溝252aを備えた円柱状の送り調節体252と、送り調節体252をその中心線を基準に回転させる入力腕253と、送り量を設定入力するための送り量入力手段としての送り調節ダイヤル254と、送り調節ダイヤル254の回転操作量を検出する検出手段としてのダイヤルセンサ259と、送り調節ダイヤル254への回転操作により進退移動する送り調節軸255と、送り調節軸255の先端部が当接するカム部256aを備えると共に送り調節軸255の進退移動に応じて回動を行う送り調節台256と、送り調節台256と入力腕253とを連結する送り調節ロッド257と、送り調節台256のカム部256aに対する送り調節軸255の先端部の当接状態を維持するように送り調節台256に弾性力を付与するコイルバネ258とを備えている。
送り調節機構250は、送り調節ダイヤル254を回転操作すると、送り調節軸255が進退移動して送り調節台256を回動し、送り調節ロッド257及び入力腕253を介して送り調節体252を回転させることで角駒251の往復動作方向を変化させ、送り機構200による水平送り量を変化せしめて被縫製物の送り量を調節するようになっている。
前述したように、連結リンク210と水平送り用偏心ロッド206との連結部に角駒251が設けられ、当該角駒251は送り調節体252の半径方向に設けられたガイド溝252aに沿ってのみ運動可能となっている。
そして、水平送り用偏心ロッド206によって角駒251が往復運動を行う場合に、その往復方向が連結リンク210の長手方向に対してほぼ直角となる方向に向けられているときには、連結リンク210が水平送り腕209側の端部を中心として回動するだけなので、水平送り腕209を介して水平送り軸208には回動運動は伝わらない。一方、角駒251の往復方向が連結リンク210の長手方向に対して直角となる方向から外れてゆくにつれて、連結リンク210の長手方向に沿った運動成分が生じるので、水平送り腕209を介して水平送り軸208に回動運動が付与されることになる。
従って、送り調節体252を回転操作することにより水平送り軸208の往復回動角度が変化して被縫製物の送り量を調節することができる。
かかる送り調節体252の回転操作は、送り調節ダイヤル254の回転操作によって行われる。送り調節ダイヤル254の回転操作量はダイヤルセンサ259により検出され、動作制御手段70に出力されるようになっている。
上記送り調節台256は、その一端部近傍がミシンフレーム内に軸支され、他端部は送り調節ロッド257に連結されている。また、送り調節台256の一端部には、二つの傾斜面を有する凹状の窪み形状のカム面を有するカム部256aを有している。
一方、送り調節ダイヤル254の回転操作により送り調節軸255が前進して、カム部256aの最深部まで進入すると、送り調節台256は回動が規制され固定状態となる。このときの送り調節台256の回動角度が送り量0となるように設定されている。
そして、そこから送り調節軸255が後退すると、当該後退量に応じて送り調節台256は回動可能となるが、送り調節ロッド257との連結端部側からコイルバネ258の押圧力又は張力を受けるので、カム部256aの内部のいずれか一方の傾斜面に送り調節軸255の先端部が当接した状態で送り調節台256の回動角度は固定された状態となる。前述の0位置からの回動角度が大きくなると送り量が大きくなるように調節される。そして、送り調節軸255が一方の傾斜面に当接している時には正送り方向の送り量について調節が行われ、他方の傾斜面に当接している時には逆送り方向の送り量について調節が行われる。
なお、コイルバネ258の引っ張り方向は、送り調節軸255がカム部256aの最深部までが進入したときの送り調節台256の回動角度が丁度「死点」となるように設定されており、死点位置から送り調節台256がいずれの方向に回動したとしてもその回動方向に張力を付与することができる。従って、送り調節軸255がカム部256aの最深部よりも後退しているときに人為的に送り調節台256を回動させると、送り調節軸255が一方の傾斜面に当接している状態から他方の傾斜面に当接している状態に切り替えることが可能となっている。かかるミシンには、上記切り替えを行うための図示しない切り替えレバーも装備されている。
(揺動機構)
揺動機構110は、二本の針棒13,14を上下動可能に支持する針棒揺動台111と、針棒揺動台111を揺動可能に軸支する針棒揺動軸112と、針棒揺動軸112に固定状態で軸支された針棒揺動後部腕113と、水平送り軸208に固定状態で軸支された針棒揺動送り腕114と、針棒揺動後部腕113と針棒揺動送り腕114とを連結する針棒揺動ロッド115とを備えている。針棒揺動後部腕113と針棒揺動送り腕114と針棒揺動ロッド115とにより四節リンクを構成し、水平送り軸208の往復回動動作が所定の回動角度範囲に変換されて針棒揺動軸112に伝達される。なお、このときの変換比率は、下降した各針棒13,14に保持された縫い針11,12の針振り幅と送り歯201の送り幅とが一致するように調整されている。
(針送りミシンの制御系)
図4は針送りミシン10の制御系を示すブロック図である。この図に示すように、動作制御手段70には、縫製の開始及び糸切り指示を入力するペダル81と、送り調節ダイヤル254の回転操作量を検出するダイヤルセンサ82と、ミシンモータ1により回転駆動される上軸(図示略)に設けられたシンクロナイザ83と、各糸切りモータ51,52の軸角度を検出するエンコーダ84,85とが入力回路75を介して接続されている。また、ミシンモータ1のモータドライバ86と、各糸切りモータ51,52のモータドライバ87,88とが出力回路76を介して接続されている。
ペダル81は、前踏みで縫製の開始を入力し、後踏みで糸切りを入力することを可能としている。
シンクロナイザ83は、ミシンモータ1により回転駆動される上軸(図示略)に設けられ、上軸の軸角度の検出を行い、動作制御手段60に出力する。
各エンコーダ84,85は、各糸切りモータ51,52の軸角度を検出し、これにより、糸切りの動作時において待機位置と最前進位置とに動メス151,152を位置決め可能とする。
動作制御手段70は、各種の制御を行うCPU71と、各種の設定データや制御プログラムが記憶されているROM72と、CPU71の処理に関する各種データをワークエリアに格納するRAM73と、書き換えを要するデータとプログラムが記憶されたEEPROM74とを備えている。
動作制御手段70は、ペダル81の前踏みを検知している間、ミシンモータ1の回転駆動を継続する通常の縫い制御の他に、ペダル81の後踏みを検知して糸切り制御を実行する。
ここで糸切り制御について詳細に説明する。
前述したように、送り歯201による送り量を変えると送り歯201の動作軌跡は変化を生じる(図8参照)。このため、同じ位相でも送り量によって送り歯201に対する水平釜101(102)の剣先の相対的な位置は異なっている。従って、各送り量について水平釜101(102)の剣先により形成される上糸U1のループが動メス151(152)の突入に最適となる位相(タイミング)を実測などにより試験的に求め、その最適な位相で動メス151(152)を突入させるための前進動作の開始位相(タイミング)を計算又は実測により求める。その結果、各送り量ごとに最適な動メス151(152)の前進動作位相(タイミング)を定めたメス動作テーブルを作成し、それをROM72又はEEPROM74に記録する。なお、メス動作テーブルは、動メス151と152のそれぞれについて個別に作成する。
そして、動作制御手段70では、ペダル81による後踏みを検知すると、CPU71がダイヤルセンサ82により送り調節ダイヤル254の回転操作量を検出し、現在の送り量を算出する。そして、前述した動メス151と152の各メス動作テーブルから動作位相(タイミング)を各メスごとに求めて、これに従って各糸切りモータ51,52の駆動を開始する。
(針送りミシンの動作制御)
針送りミシン10の動作制御について図5に基づいて説明する。図5は糸切り動作の制御プログラムによりCPU71が実行する各処理を示すフローチャートである。
まず、ペダル81による後踏みが検知されると、CPU71は、ダイヤルセンサ82により送り調節ダイヤル254の回転操作量の検出を行い、被縫製物の送り量を算出する(ステップS1)。
そして、各動メス151,152のそれぞれのメス動作テーブルを参照し、被縫製物の送り量から各動メス151,152におけるメス動作位相をそれぞれ求める(ステップS2)。
次に、シンクロナイザ83により現在の位相を検出する(ステップS3)。そして、現在の位相がステップS2で求めた各動メス151,152のメス動作位相に到達するまで監視し(ステップS4)、各動メス151,152のそれぞれについてメス動作位相で各糸切りモータ51,52の正回転の駆動を開始する(ステップS5)。
次いで、各糸切りモータ51,52の駆動が開始されると、各エンコーダ84,85の出力が読み込まれ(ステップS6)、予め設定された動メス151,152の最前進位置となる軸角度となったか否かの判定が各糸切りモータ51,52についてそれぞれ個別に行われる(ステップS7)。そして、まだ最前進位置に到達していない場合にはステップS6に処理を戻し、到達した場合には各糸切りモータ51,52についてそれぞれ個別に停止させる(ステップS8)。
次に、シンクロナイザ83により現在の位相を検出する(ステップS9)。そして、現在の位相が、メス動作開始位相から所定位相分だけ進んだ糸捌き位相(動メスが後退を開始する位相)に到達するまで監視し(ステップS10)、各動メス151,152のそれぞれについて糸捌き位相で各糸切りモータ51,52の逆回転の駆動を開始する(ステップS11)動メス151,152はかかる後退動作の行程中の固定メス153,154の位置で上糸U1,U2を挟み込むように切断する。。
次いで、各糸切りモータ51,52の駆動が開始されると、各エンコーダ84,85の出力が読み込まれ(ステップS12)、予め設定された動メス151,152の初期位置(待機位置)となる軸角度となったか否かの判定が各糸切りモータ51,52についてそれぞれ個別に行われる(ステップS13)。そして、まだ初期位置に到達していない場合にはステップS12に処理を戻し、到達した場合には各糸切りモータ51,52についてそれぞれ個別に停止させる(ステップS14)。
これにより糸切り動作を完了する。
(実施形態の効果)
上記構成からなる針送りミシン10では、メス機構50が各動メス151,152について進退往復動作を行わせる糸切りモータ51,52を個別に搭載しているため、上軸や下軸の位相に拘わらず任意のタイミングで切断動作を実行させることが可能である。
そして、上記各糸切りモータ51,52のそれぞれについて被縫製物の送り量ごとに最適な前進動作の開始位相を定めたメス動作テーブルを予め用意すると共に、ダイヤルセンサ82で検出された設定送り量とテーブルとから求まる最適な前進動作の開始位相で各糸切りモータ51,52の前進動作を開始させる制御を行うため、送り歯201の各針穴201a,201bから各釜101,102の剣先に渡る上糸U1のループに的確に各動メス151,152を突入させることが可能となり、煩雑な調整作業を行うことなく切断不良の発生を抑止することが可能となる。
特に、上記針送りミシン10は、各動メス151,152の前進方向が互いに逆であるため、最適な動作開始位相がそれぞれで異なるが、個別に適切な位相で前進移動を開始するので、それぞれの動メス151,152についてより適切な糸切りを実現することが可能となる。
(その他)
なお、上記実施形態では、本願発明を二本針の針送りミシンに適用した場合を例示したが、一本針の針送りミシンに本願発明を適用しても良いことは言うまでもない。
さらに、上記実施形態では、本願発明を針送りミシンに適用した場合を例示したが、針穴が送り歯に設けられて被縫製物の送り動作と共に移動するミシンであれば針送りミシンに限られるものではない。例えば、針送りミシンの構成に、さらに、送り歯の上方から被縫製物を押さえて送り歯と共に送り動作を行う送り足を備えた総合送りミシンに本発明を適用しても良い。
本願発明の実施形態である針送りミシンの釜軸台の周囲の構成を示す斜視図である。 ミシンの主要な機構部を図示した斜視図である。 ミシンの主要な機構部の右側面図である。 針送りミシンの制御系を示すブロック図である。 糸切り動作の制御内容を示すフローチャートである。 従来のミシンの釜軸台の周囲の構成を示す斜視図である。 従来のミシンの釜軸台を下方から見た底面図である。 従来の送り調節機構の送り量調節により送り歯が描く軌跡の変化を示した説明図である。 送り量を大きくした場合の動作開始直前の送り歯の各針穴から各水平釜の剣先に渡る上糸の状態を示す釜機構周辺の平面図である。 図10(A)は送り量が小さい場合の動メスの動作開始直前のタイミングにおける送り歯の針穴から左側の水平釜の剣先に渡る上糸の状態を示す釜機構周辺の左側面図であり、図10(B)は送り量が大きい場合の左側面図である。 図11(A)は送り量が小さい場合の動メス152の動作開始直前のタイミングにおける送り歯201の針穴201bから水平釜102の剣先に渡る上糸の状態を示す釜機構周辺の右側面図であり、図11(B)は送り量が大きい場合の右側面図である。
符号の説明
1 ミシンモータ
10 針送りミシン
11,12 縫い針
13,14 針棒
50 メス機構
51,52 糸切りモータ(駆動源)
70 動作制御手段
71 CPU
82 ダイヤルセンサ(検出手段)
101,102 水平釜
110 揺動機構
151,152 動メス
200 送り機構
201 送り歯
201a,201b 針穴
250 送り量調節機構

Claims (3)

  1. 縫い針を保持してミシンモータにより上下動を行う針棒と、
    前記針棒の下端部を布送り方向に沿って揺動させる揺動機構と、
    前記針棒の下降時に前記縫い針が挿入される針穴を有する送り歯と、
    前記針棒の揺動動作に同期して前記送り歯の布送り方向に沿った送り動作を付与する送り機構と、
    前記送り機構の送り動作量を調節する送り量調節機構と、
    前記送り歯の下側に配置された水平釜と、
    前記送り歯と前記水平釜の間で進退往復動作を行う動メスを備えたメス機構とを備え、
    前記縫い針が前記送り歯の針穴に挿入された状態で布送りを行うミシンにおいて、
    前記メス機構は前記動メスの進退往復動作を行うために前記ミシンモータとは別の駆動源を備え、
    前記送り量調節機構により調節された送り量に基づいて前記動メスの駆動源の動作タイミングを制御する動作制御手段を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記前記送り量調節機構により調節された送り量を検出する検出手段を備え、
    前記動作制御手段は、前記検出手段により検出された送り量に基づいて前記動メスの駆動源の動作タイミングを決定することを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記縫い針を二本備えると共に、当該各縫い針に対応して前記水平釜と動メスと動メスの駆動源とを二つずつ備え、
    前記動作制御手段は、前記各動メスの駆動源の動作タイミングをそれぞれ個別に制御することを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
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