JP2017184980A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】被縫製物が厚くなる段部を検知した後の上下送り量、押さえ圧、糸張力等のパラメータを変更可能とする。【解決手段】被縫製物を上から押さえる布押さえ71と、その布押さえ71の高さを検出する押さえ高さ検出部76と、布押さえ71が被縫製物の厚くなる段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、縫製に関するパラメータを変更するように制御する制御装置90と、を備えるミシン。例えば、制御装置90は、布押さえ71が段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、送り歯31の上下方向の往復動作を付与する上下送りモーター66を制御して、送り区間における送り歯31の高さを高くする。【選択図】図8

Description

本発明は、送り調節を行うミシンに関する。
押さえと送り歯で布を挟み込んで布送りを行うミシンにおいて、従来は、主軸とメカ的にリンクして動く送り歯を用いた送り機構を採用していた(特許文献1参照)。
また、ミシンは、布押さえを保持する押さえ棒と、押さえ棒を介して布押さえに下方の押さえ圧を付与する押さえバネと、押さえバネに抗して押さえ棒に上昇動作を付与するレバーと、複数のリンク体を介してレバーに上昇動作を付与するソレノイドとからなる押さえ上げ機構を備えている。
そして、布押さえを下降させる際には、ソレノイドを駆動しないか或いは推力を最小限として押さえバネのバネ圧により布押さえを行い、布押さえを上昇させる際には、ソレノイドを駆動して引き上げ動作を行っていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−146326号公報 特開2011−092523号公報
しかし、押さえと送り歯で布を挟み込んで布送りを行う従来のミシンでは、布が厚くなる段部で押さえが上がり、押さえ圧が下がってしまう問題があった。
この際、送り歯高さをより高くすれば、押さえとの隙間が小さくなるので、押さえ圧の低下分を補うことができるが、特許文献1のような主軸とメカ的にリンクして動く送り歯を用いた送り機構では、主軸回転中に送り歯高さを変更することが困難であった。
また、特許文献2のような押さえ上げ機構では、布押さえの上昇動作駆動源としてソレノイドを使用しているので、布押さえの押さえ圧を制御により任意に調整することが困難であった。
また、段部に押さえが乗り上げると、糸が緩む問題もあった。
本発明の課題は、被縫製物が厚くなる段部を検知した後の上下送り量、押さえ圧、糸張力等のパラメータを変更可能とすることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
針棒を上下動させる針上下動機構と、
前記針上下動機構の駆動源となるミシンモーターと、
針板の上の被縫製物を送る送り歯を支持する送り台と、
前記ミシンモーターから動力を得て前記送り台に対して水平方向の往復動作を伝達する水平送り機構と、
前記送り台に対して上下方向の往復動作を付与する上下送り機構と、
前記被縫製物を上から押さえる布押さえと、
前記布押さえの高さを検出する押さえ高さ検出部と、
を備え、
前記水平送り機構は、前記ミシンモーターによる前記送り台に対する水平方向の往復動作のピッチを変更調節する送り調節モーターを有し、
前記上下送り機構は、前記送り台に対する上下方向の往復動作の駆動源となる上下送りモーターを有し、
前記布押さえが前記被縫製物の厚くなる段差に乗り上げたことを前記押さえ高さ検出部が検出すると、送り区間における前記送り歯の高さを高くするように前記上下送りモーターを制御する制御装置を備えるミシンを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のミシンであって、
前記布押さえを下端部に保持する押さえ棒と、
前記押さえ棒を介して前記布押さえに前記被縫製物に対する押さえ圧を付与する押さえバネと、
前記布押さえの昇降動作を付与するとともに、前記押さえバネの伸縮量を調節して前記布押さえによる前記被縫製物に対する前記押さえ圧を調節する押さえモーターと、
を備え、
前記制御装置は、前記布押さえが前記段差に乗り上げたことを前記押さえ高さ検出部が検出すると、前記押さえモーターを制御して前記布押さえの前記被縫製物に対する前記押さえ圧を強くする制御を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2記載のミシンであって、
前記被縫製物を縫製する糸の張力をソレノイドのオンオフ動作により可変とする糸調子を備え、
前記制御装置は、前記布押さえが前記段差に乗り上げたことを前記押さえ高さ検出部が検出すると、前記ソレノイドをオンオフ動作して前記糸調子による前記糸の張力を強くする制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、被縫製物が厚くなる段部を検知した後に、上下送り量、押さえ圧、糸張力等のパラメータを変更することができる。
従って、布押さえが段部に乗り上がっても、布押さえと送り歯との間に被縫製物を保持して良好に縫製することができる。
ミシンのミシンベッド部内の主要な構成を示す斜視図である。 送り調節機構の斜視図である。 上下送り機構の斜視図である。 上下送りモーターの軸角度0°時の上下送り機構の動作説明図である。 上下送りモーターの軸角度−5°時の上下送り機構の動作説明図である。 上下送りモーターの軸角度+5°時の上下送り機構の動作説明図である。 布押さえ機構の側面図である。 布押さえ機構の正面図である。 布押さえ機構の斜視図である。 布押さえ機構の布押さえを上方の退避位置とした状態の動作説明図である。 布押さえ機構の布押さえを針板まで下降させた状態の動作説明図である。 布押さえ機構の布押さえが針板上で押さえ圧を加えている状態の動作説明図である。 ミシンの制御系を示すブロック図である。 送りを行う場合の送り歯の軌跡を示す線図である。 時計方向の回動と反時計方向の回動で得る図14の軌跡パターンデータの上下送りモーターの軸角度と上軸角度との関係を示す線図である。 制御装置が行う押さえバネ識別処理のフローチャートである。
[実施形態の概略構成]
以下、本発明の実施形態であるミシンについて詳細に説明する。
図1はミシン100のミシンベッド部内の主要な構成を示す斜視図である。
図1に示すように、ミシン100は、縫い針を上下動させる図示しない針上下動機構と、その駆動源となるミシンモーター16(図13参照)と、ミシンモーター16により回転動作が行われる図示しない上軸と、上糸を下糸に絡める釜12と、縫い針の上下動に合わせて針板11上の被縫製物たる布地を送る送り装置30と、上軸から送り装置30の下軸33に回転力を伝達するベルト機構20と、上糸及び下糸を切断する糸切り装置14(図13参照)と、布押さえ71の昇降動作を行う布押さえ機構70と、上記各構成を支持するミシンフレーム110(図7参照)と、上記各構成を制御する制御装置90(図13参照)とを備えている。
なお、上記ミシン100はいわゆる本縫いミシンであり、一般的な本縫いミシンが備える天秤機構、糸調子、布押さえ等の各構成を備えているが、これらは周知のものなので説明は省略する。
上記ミシンフレーム110は、ミシンの全体において下部に位置するミシンベッド部101と、ミシンベッド部101の長手方向の一端部において上方に立設された立胴部102と、立胴部102の上端部からミシンベッド部101と同方向に延設されたミシンアーム部103とを備えている(図7参照)。
ミシンベッド部101の前端部(面部側の端部)が針落ち位置となっており、その上面には針板11が装備されている。
なお、以下の説明では、ミシンベッド部101の長手方向に平行な水平方向をY軸方向とし、水平であってY軸方向に直交する方向をX軸方向とし、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。
[針上下動機構及びベルト機構]
針上下動機構は、ミシンアーム部103の内側に配設され、ミシンモーター16に回転駆動されると共にY軸方向に沿って配設された上軸と、縫い針を下端部で保持する針棒と、上軸の回転力を上下動の往復駆動力に変換して針棒に伝達する図示しないクランク機構とを備えている。
そして、ベルト機構20は、上軸に固定装備された主動プーリと、送り装置30の下軸33に固定装備された従動プーリ21と、主動プーリと従動プーリ21とに掛け渡されたタイミングベルト22とを備えている。そして、ベルト機構20により、下軸33は上軸と同速度で回転を行う。
なお、ベルト機構に替えて縦軸と傘歯車からなる歯車伝達機構で上軸から下軸33に回転力を伝達しても良い。
[送り装置]
図1に示すように、送り装置30は、針板11の開口から出没して布地を所定方向に送る送り歯31と、送り歯31を保持する送り台32と、ミシンモーター16から動力を得て送り台32に対してX軸方向(水平方向)の往復動作を伝達する水平送り機構40と、送り台32に対して上下方向の往復動作を付与する上下送り機構60Bとを備えている。
[水平送り機構]
水平送り機構40は、送り台32に対するX軸方向の往復動作のストロークを調節する送り調節機構50と、下軸33からX軸方向に沿った往復動作を取り出すクランクロッド41と、送り調節機構50を介してクランクロッド41から往復回動が付与される水平送り軸42と、水平送り軸42の往復回動駆動力を送り方向の往復駆動力に変換して送り台32に伝達する水平送りアーム43とを備えている。
クランクロッド41は、その一端部が下軸33に固定装備された偏心カム(図示略)を回転可能に保持しており、他端部が送り調節機構50に連結されている。かかるクランクロッド41は、その長手方向がおおむねX軸方向に沿うように配置されており、下軸33が全回転で駆動すると、クランクロッド41の他端部は偏心カムによりその偏心量の二倍のストロークでその長手方向に沿って往復動作を行う。かかるクランクロッド41の往復動作が送り調節機構50を介して水平送り軸42への往復回動力として伝達される。
送り調節機構50は、図2に示すように、水平送り軸42に固定装備されると共に水平送り軸42を中心とする半径方向外側に延出された揺動アーム51と、クランクロッド41の他端部と揺動アーム51とを連結する一対の第一のリンク体53と、クランクロッド41の他端部の往復運動方向をいずれかの方向に誘導する一対の第二のリンク体54と、第二のリンク体54による誘導方向を決定する送り調節体55と、送り調節体55と一体的に回動する支軸52と、支軸52に固定装備されると共に支軸52を中心とする半径方向外側に延出された入力アーム56と、送り調節体55を回動させて下軸33から送り台32に伝達されるX軸方向(水平方向)の往復動作量を調節する送り調節モーター57と、送り調節モーター57の出力軸から入力アーム56に回動力を伝達する二つの伝達リンク58,59とを備えている。
第一のリンク体53は、一端部がクランクロッド41の他端部に連結され、他端部が揺動アーム51の揺動端部に連結され、これら両端部はいずれもY軸回りに回動可能に連結されている。
第二のリンク体54は、一端部が第一のリンク体53の一端部と共にクランクロッド41の他端部に連結され、他端部が送り調節体55の回動端部に連結され、これら両端部はいずれもY軸回りに回動可能に連結されている。
送り調節体55は、その基端部にY軸方向に沿った支軸52が固定装備されており、当該支軸52はミシンフレーム内でY軸回りに回動可能に支持されている。
また、送り調節体55の回動端部は第二のリンク体54の他端部とY軸回りに回動可能に連結されている。
送り調節機構50では、第一のリンク体53と第二のリンク体54のそれぞれの長手方向が一致する状態、つまり各リンク体53,54が丁度重なる状態となるように送り調節体55を回動させると、クランクロッド41の駆動力が揺動アーム51に伝わらない状態となる。このとき、水平送り軸42には往復回動動作が伝わらないので、送り台32のX軸方向の往復のストロークが0、即ち、縫いピッチが0となる。このように、各リンク体53,54が重なる状態となる送り調節体55の回動角度を「送り調節体55の中立角度」とする。
そして、この送り調節体55を中立角度から一方に回動させると、その回動角度量に応じて揺動アーム51側に往復の揺動動作が付与され、これにより正送り方向の縫いピッチを大きくすることができる。
また、この送り調節体55を中立角度から逆方向に回動させると、やはりその回動角度量に応じて揺動アーム51側に往復の揺動動作を付与することができるが、この場合には、位相が反転して伝達され、これにより逆送り方向の縫いピッチを大きくすることができる。
送り調節モーター57は、ミシンベッド部101内のY軸方向一端部側において、出力軸をY軸方向に向けて配置されている。前述した伝達リンク58は、その長手方向を概ねX軸方向に向けてその一端部が送り調節モーター57の出力軸に固定装備されている。従って、送り調節モーター57の駆動により伝達リンク58の他端部は上下に回動を行う。
伝達リンク59は、その長手方向が概ねZ軸方向に沿った状態で、その下端部が伝達リンク58の他端部にY軸回りに回動可能に連結されている。従って、送り調節モーター57の駆動により伝達リンク59は全体的に上下動を行う。
入力アーム56は、支軸52に固定装備されると共に支軸52から概ねX軸方向に沿って延出されており、その延出端部は伝達リンク59の上端部にY軸回りに回動可能に連結されている。
これらにより、送り調節モーター57が駆動すると、伝達リンク58,59及び入力アーム56を介して送り調節体55を回動させることができる。
水平送り軸42は、ミシンベッド部101内においてY軸方向に沿って回転可能に支持されており、下軸33に対して布地の送り方向下流側(図1における左方)に配置されている。かかる水平送り軸42の立胴部102側の一端部には前述した送り調節機構50を介して下軸33から往復回動力が付与され、水平送り軸42の他端部から水平送りアーム43を介して送り台32にX軸方向に沿った往復動作を伝達する。
水平送りアーム43は、その基端部が水平送り軸42の針板11側の端部に固定連結され、その揺動端部はほぼ上方に向けられた状態で送り台32に連結されている。
従って、水平送りアーム43は、ミシンモーター16の駆動により送り台32をX軸方向に沿って往復移動させることができる。また、送り台32のX軸方向に沿った往復動作のストロークは、送り調節機構50の送り調節モーター57を制御することにより、任意に調節することができる。
送り台32は、針板11の下方に配設され、布送り方向(X軸方向)における一端部が上下送り機構60Bに連結され、他端部が水平送りアーム43に連結されている。また、送り台32の長手方向中間位置の上部には送り歯31が固定装備されている。
これにより、送り台32はその一端部から上下方向に往復駆動力が付与され、他端部からは同じ周期で送り方向の往復駆動力が付与される。そして、これらの往復駆動力を合成することでX−Z平面に沿って長円運動を行うこととなる。この送り台32に伴って送り歯31も長円運動を行い、当該長円運動軌跡の上部領域を移動する際に送り歯31の先端部が針板11の開口部から上方に突出し、布地を送ることを可能としている。
[上下送り機構]
図3は上下送り機構60Bの斜視図、図4〜図6は上下送り機構60Bの動作説明図である。
この上下送り機構60Bは、送り台32に対する上下方向(Z軸方向)の往復動作の駆動源となる上下送りモーター66と、当該上下送りモーター66の出力軸に連結されて回動動作を行う第一リンク61Bと、第一リンク61Bの回動端部に一端部が連結された第二リンク62Bと、第二リンク62Bの他端部に一端部が連結された第三リンク63Bと、第三リンク63Bの他端部に連結されると共にミシンフレーム内で位置が固定された回動軸67と、当該回動軸67を介して第三リンク63Bと連結された第四リンク64と、当該第四リンク64の回動端部に一端部が連結されると共に他端部が送り台32の一端部に連結された第五リンク65とを備えている。
なお、上記の上下送り機構60Bに替えて、モーターと偏心カムとリンクを用いる構成や、モーターとラックとピニオンを用いる構成に変更することも容易に考えられる。
上下送りモーター66は、ミシンベッド部101内でY軸方向における針板11側の端部に配置され、Y軸方向について、前述した送り調節機構50の送り調節モーター57と離隔して配置されている。これらのモーター57,66は、いずれも設置スペースを広く必要とするが、このようにミシンベッド部101内でその長手方向について離隔して配置することにより、相互間のスペースをミシンの他の構成、例えば、モーターと同様に設置スペースを広く必要とする糸切り装置14の駆動源となるソレノイドの設置スペースを確保することができる。
また、上下送りモーター66はその出力軸をY軸方向に沿わせて配置されている。
さらに、上下送りモーター66は、前述した送り調節モーター57と同一仕様且つ同一性能であって機種及び種別が同一のモーターを使用している。
これにより、モーター及びその周辺の部材の共通化を図ることができ、コスト低減及びメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
第一リンク61Bは、回動中心となる基端部が上下送りモーター66の出力軸に固定支持されている。
一方、第三リンク63Bは、その他端部がミシンベッド部101のフレームにより回転可能に支持された回動軸67に固定支持されている。
そして、第一リンク61Bの回動端部と第三リンク63Bの回動端部は第二リンク62Bの一端部と他端部とにそれぞれY軸回りに回動可能に連結されている。
そして、これら第一〜第三リンク61B〜63Bは、図4に示すように、第一リンク61BがZ軸方向にほぼ並行且つその回動端部が上方を向いた状態であって、第三リンク63BがZ軸方向にほぼ並行且つその回動端部が下方を向いた状態である場合に、第二リンク62BはほぼX軸方向に平行な水平状態となるように、それぞれの長さが設定されている。
これにより、上下送りモーター66の出力軸を図4に示す軸角度(0°)とすると、第一リンク61Bと第二リンク62Bとが90度(直角)となる。この状態が第一〜第三リンク61B〜63Bからなるリンク列における「原点」である。
上記「原点」となる軸角度では、送り歯31の高さは針板11の上面の高さと一致する。
また、「原点」となる軸角度を基準として、図5に示すように逆方向(反時計方向)に上下送りモーター66を回転駆動させると送り歯31は針板11の上面より上昇し、図6に示すように正方向(時計方向)に上下送りモーター66を回転駆動させると送り歯31は針板11の上面より下降する。
なお、ミシン100では、その制御装置90が、送り歯31による一針分の送り動作につき、上下送りモーター66に対して、第一リンク61Bと第二リンク62Bとが同一直線上に並んだ最大伸長状態となる出力軸角度には到達しない角度範囲内(例えば原点±10°)で正逆方向の往復回動を一回行う動作制御を実行する。
このように、第一〜第三リンク61B〜63Bからなるリンク列は、上下送りモーター66の回動動作と送り台32への上下動作の付与を等倍の頻度に維持するので、水平方向の送りの往復動作をミシンモーター16から独立したモーターによって付与する場合に比べると、往復のストロークが小さいことにより、高速回転の縫製への追従性が優れている。特に、上下送りモーター66が、第一リンク61Bと第二リンク62Bとが直角をなす軸角度を含む範囲で駆動を行うことにより、往復のストロークをより小さくすることができ、高速回転の縫製への追従性をさらに向上させることができる。
また、第四リンク64は、概ねX軸方向に沿った状態で基端部が回動軸67に固定されているので、第三リンク63Bと一体的に回動を行う。
そして、第五リンク65は、概ねZ軸方向に沿った状態で第四リンク64の回動端部に一端部が連結されると共に他端部が送り台32の一端部に連結されているので、第四リンク64の回動により第五リンク65を介して送り台32に上下動を伝達することができる。
[糸切り装置]
糸切り装置14は、送り歯31と釜12との間に配置された固定メス及び動メスと、下軸33に設けられたカムと、カムに係合して動メスに切断動作を付与するカムコロと、カムコロをカムに係合させるソレノイドとを備えている。ソレノイドは、制御装置90の制御によって作動し、ソレノイドの作動によりカムコロがカムに係合して、動メスに往復の切断動作を伝達し、動メスと固定メスとの協働により上糸及び下糸を切断する。
[布押さえ機構]
図7はミシンフレーム110の一部を二点鎖線で示し、ミシンフレーム110内での配置を分かるように示した布押さえ機構70の側面図である。また、図8は布押さえ機構70を面部側から見た正面図、図9は面部側の布押さえ機構70の構成を示した斜視図である。
これらの図に示すように、布押さえ機構70は、被縫製物を上から押さえる布押さえ71と、布押さえ71を下端部で保持する押さえ棒72と、布押さえ71の昇降駆動源となる押さえモーター73と、押さえモーター73から押さえ棒72及び布押さえ71に昇降動作を伝える伝達機構74と、押さえ棒72を介して布押さえ71に被縫製物に対する押さえ圧を付与する押さえバネ75と、布押さえ71の高さを検出する押さえ高さ検出部76とを備えている。
布押さえ71は、底面が平滑であって布送り方向上流側(手前側)が上方に反り上がったいわゆる舟形の押さえである。
押さえ棒72は、針棒の近傍においてZ軸方向に沿った状態でミシンアーム部103の内部において上下二箇所に配置されメタル軸受け721,721により上下動可能に支持されている。
押さえ棒72の上側のメタル軸受け721と下側のメタル軸受け721との間には、上下に上側棒抱き722と下側棒抱き723とがいずれも抱き締めにより固定装備されている。
そして、上側棒抱き722の下側には押さえ棒72に対して上下に摺動可能なスリーブ725が装備され、当該スリーブ725と下側棒抱き723との間にはコイル状の押さえバネ75が押さえ棒72を挿入した状態で装備されている。
各棒抱き722,723及び布押さえ71は、押さえ棒72に対して止めネジの締結により固定装備されており、止めネジを緩めてこれらを全て外すことにより、押さえ棒72は、ミシンフレーム110から上方に引き抜くことができる。そして、これにより、押さえバネ75を交換することができる。
一方、押さえバネ75は、その内径がほぼ等しく、バネ定数が異なる複数種類のものが用意されており、各種の被縫製物によって必要となる押さえ圧に応じて、適宜選択して交換することができる。
なお、当該押さえバネ75とスリーブ725との合計長さよりも、側棒抱き722と下側棒抱き723の上下間隔は幾分広く設定されており、側棒抱き722と下側棒抱き723の間において、押さえバネ75とスリーブ725とが幾分余裕をもって装備されるようになっている。
スリーブ725は、押さえ棒72を挿入可能とする筒状体であり、伝達機構74を介して押さえモーター73により昇降動作が付与されて、任意の高さに位置決めされる。
例えば、押さえモーター73によりスリーブ725が下降せしめられると、下側の押さえバネ75が圧縮され、圧縮された押さえバネ75の弾性力が下側棒抱き723を介して布押さえ71に付与される。この時、スリーブ725の高さを任意に位置決めすることにより、押さえバネ75を任意の圧縮量に圧縮することができ、任意の押さえ圧に調節することができる。
また、押さえモーター73によりスリーブ725が上昇されると、スリーブ725は、上側棒抱き722に当接し、上側棒抱き722を介して押さえ棒72が上昇されることにより布押さえ71を針板11の上方に離間した被縫製物の解放位置に退避させることができる。
また、押さえ棒72は、布押さえ71を針板11の上面まで下降させた状態でも、ミシンアーム部103の上部からその上端部が突出した状態となる長さに設定されており、当該上端部には手で摘んで布押さえ71を引き上げるための摘み部材724が装備されている。
布押さえ機構70は、押さえモーター73により布押さえ71の昇降動作が行うことができることから、従来のミシンに装備されているような、手動でリンク機構を操作して布押さえ71の昇降動作を行うための押さえ上げレバーを備えていない。
しかしながら、停電などによってミシンの電源の供給が断たれてしまうと、布押さえ71が下降したままの状態になってしまうことから、押さえ棒72の上端部に摘み部材724を装備して布押さえ71の上方への退避移動を容易に行うことができるように構成されている。
押さえモーター73は、立胴部102の内側上部において板状のブラケット731により、その出力軸をX軸方向に向けた状態で支持されている。
押さえモーター73は、ステッピングモーターであり、所定の微小角度単位で任意の軸角度に位置決めすることができる。
また、図7〜図9では図示を省略しているが、押さえモーター73の出力軸にはエンコーダ732が接続されており(図13参照)、出力軸の軸角度が検出され、制御装置90に入力されている。
伝達機構74は、押さえモーター73の出力軸に固定装備された主動歯車741と、略扇形の従動歯車742と、二又の回動腕746,747を備えたベルクランク状のリンク部材745と、従動歯車742とリンク部材745とを連結する連結棒749と、を備えている。
主動歯車741は、平歯車であり、従動歯車742と噛合している。
従動歯車742は、ミシンフレーム110内でX軸回りに回動可能に支持された扇型の歯車であり、その円弧状の部分のみに主動歯車741に噛合する歯が形成されている。従動歯車742の歯は、主動歯車741よりも有効径が大きく、主動歯車741から入力される回転が大きく減速されて伝達される。これにより、押さえモーター73による押さえバネ75の圧縮量調節の分解能を高くすることができる。
また、従動歯車742は、回動半径方向に延出された腕部743を備え、当該腕部743が連結棒749の一端部にX軸回りに回動可能に連結されている。従動歯車742は、主動歯車741からトルクを受けて回動すると、連結棒749の一端部に対して概ねY軸方向に沿った移動動作を付与する。
連結棒749は、概ねY軸方向に沿った状態でミシンアーム部103内に配置されており、その他端部はリンク部材745の一方の回動腕746にX軸回りに回動可能に連結されている。
リンク部材745は、一方の回動腕746が概ねZ軸方向を向いており、他方の回動腕747は概ねY軸方向を向いており、ミシンフレーム110内でX軸回りに回動可能に支持されている。そして、他方の回動腕747は、角駒748を介してスリーブ725に連結されている。角駒748はX軸回りに回動可能に回動腕747に連結されており、直方体形状に形成されている。スリーブ725は、角駒748を上下から挟んだ状態で支持しており、角駒748のY軸方向に沿った移動動作を許容する。
これにより、リンク部材745が回動動作を行うと、回動腕747は上下方向に回動し、角駒748を介してスリーブ725に上下方向の移動動作を伝達する。角駒748は、回動腕747の回動により円弧の軌跡に従って移動を行うのでY軸方向にも変位を生じるが、角駒748はスリーブ725に対してY軸方向に移動可能なので、Z軸方向の移動動作のみがスリーブ725に伝達される。
高さ検出部76は、主に、下側棒抱き723に支持された被検出体761と、被検出体761の高さを光学的に検出するラインセンサ762とから構成されている。
被検出体761は、下側棒抱き723に支持されているので、布押さえ71及び押さえ棒72と共に上下に移動を行う。
ラインセンサ762はZ軸方向に沿って受光素子が並んで形成されており、被検出体761に遮蔽されることにより、当該被検出体761の上端部のZ軸方向の位置(高さ)を検出することができる。
[ミシンの制御系]
上記ミシン100の制御系を図13のブロック図に示す。この図13に示すように、ミシン100は、各構成の動作制御を行う制御装置90を備えている。そして、この制御装置90には、ミシンモーター16、送り調節モーター57、上下送りモーター66及び押さえモーター73が各々のモーター駆動回路16a,57a,66a,73aを介して接続されている。
また、ミシンモーター16及び押さえモーター73には、その回転数を検出するエンコーダ161,732が併設されており、このエンコーダ161,732もモーター駆動回路16a,73aを介して制御装置90に接続されている。
また、制御装置90には、糸切り装置14が接続されており、糸切りの実行の際に駆動するソレノイドが制御装置90により制御される。
制御装置90は、CPU91、ROM92、RAM93、EEPROM94(EEPROMは登録商標)を備え、後述する各種の動作制御を実行する。
ROM92には、後述する各種の制御を行うためのプログラムが格納されている。
また、EEPROM94には、バネ定数の異なる複数種類の押さえバネ75ごとに個別に対応した、押さえモーター73の動作量と布押さえ71に生じる押さえ圧との関係を示すテーブルデータが記憶されている。即ち、EEPROM94は、「テーブル記憶部」として機能する。
また、制御装置90には、後述する送り装置30に対する各種の動作制御の選択、実行や布押さえ機構70による布押さえ71の押さえ圧等の設定を入力するための操作入力部96がインターフェイス96aを介して接続されている。これにより、操作入力部96は、押さえ圧の入力設定を行う「押さえ圧設定部」として機能する。
また、踏み込み操作により縫製の開始及び踏み込み量に応じた縫い速度を入力するペダル95がインターフェイス95aを介して接続されている。
この操作入力部96は、表示部961を備えており、各種設定を入力する際に必要な情報を表示する。例えば、布押さえ機構70による布押さえ71の押さえ圧の設定を行う場合には、押さえ圧の設定の上限値・下限値及び設定可能な押さえ圧の数値幅(分解能)を表示する。
また、制御装置90には、布押さえ71の高さを検出するラインセンサ762がインターフェイス95aを介して接続されている。
さらに、制御装置90には、ソレノイドのオンオフ動作により糸張力を強と弱に切り替える糸調子101がインターフェイス101aを介して接続されている。
[送り装置の動作制御]
ミシン100では、送り歯31の上下方向の往復動作をミシンモーター16とは独立して上下送りモーター66が行うので、上下送りモーター66を制御することにより、送り歯31の周回移動の軌跡を任意に変更することが可能である。
図14は通常の送りを行う場合の軌跡である。図14では横軸が送り歯31のX軸方向の位置、縦軸がZ軸方向の送り歯31の位置を示している。横軸の左側が送り方向下流側であり、横軸の0となる位置は針落ち位置である。また、縦軸の0となる位置が針板11の上面の高さである。
この軌跡では、針板11の上面を基準として上下にほぼ対称な長円となる。なお、送り歯31の歯先(上端部)が針板11の上面以上の位置にある上軸角度の範囲を「送り区間」と定義する。
制御装置90は、この長円の軌跡上に並んだドットの各位置に送り歯31を位置決めするための上下送りモーター66の軸角度を上軸角度と関連づけて記録した軌跡パターンデータをEEPROM94内に保持している。
なお、送り調節モーター57の軸角度は長円の軌跡の横軸の幅(縫いピッチ)を決定するので、操作入力部96から縫いピッチが設定されると、送り歯が周回移動している間は縫いピッチが設定値となる軸角度を維持する。
そして、制御装置90は、縫製の際には、軌跡パターンデータをRAM93に読み込み、エンコーダ161の出力を監視して、所定の上軸角度となるたびに上下送りモーター66を軌跡パターンデータに定める軸角度に位置決めすることにより送り歯31を図14の軌跡に従って周回移動させる。
図15は図14の軌跡で得る上下送りモーター66の軸角度(縦軸)と上軸角度(横軸)との関係を示している。
図14の軌跡パターンにおける上下送りモーター66の軸角度の変化は、図15に示すように、おおよそ2π分のサインカーブとなる。
なお、正方向と逆方向の一往復回動で送り歯が上下に一往復する関係のため、時計方向の回動で得る軌跡パターンデータと反時計方向の回動で得る軌跡パターンデータとの二種類を用意する必要はなく、一種類の軌跡パターンデータのみを保有している。
[布押さえ機構に関する処理]
ミシン100の布押さえ機構70は、前述したように押さえ圧を決定する押さえバネ75をバネ定数が異なる複数種類の押さえバネ75の中から選択して交換することが可能である。従って、制御装置90は、ROM92内のプログラムに従って、ミシン100の主電源投入時に、装備されている押さえバネ75が、バネ定数が異なる複数種類の押さえバネ75のいずれであるかを識別する処理を行う。
以下、上記押さえバネ識別処理について、図10〜図12の布押さえ機構の動作説明図と図16のフローチャートとに基づいて説明する。
ミシン100の主電源が投入されると、制御装置90は、まず、針板11の上方の退避位置にある布押さえ71が下降する方向に押さえモーター73を駆動させる(ステップS1:図10)。
布押さえ71を下降させながら、制御装置90は、ラインセンサ762の検出する布押さえ71の高さを監視する。そして、ラインセンサ762が示す布押さえ71の検出高さから、布押さえ71が針板11の上面まで下降したか否かを判定する(ステップS3:図11)。布押さえ71が下降により針板11の上面に到達すると、ラインセンサ762が示す布押さえ71の検出高さが下降状態から停止状態となる。これにより、布押さえ71が針板11の上面まで下降したか否かを判定することができる。
これにより、布押さえ71が針板11の上面に到達してないと判定した場合には(ステップS3:NO)、布押さえ71の下降を継続し(ステップS1)、布押さえ71が針板11の上面に到達したと判定した場合には(ステップS3:YES)、到達時のエンコーダ732が示すモーター位置を原点位置と記憶するとともに、当該原点位置から予め定められた規定量だけ押さえモーター73を下降方向に駆動する(ステップS5:図12)。
制御装置90は、モーター駆動回路73aによる押さえモーター73の駆動電流を検出し、原点位置からの駆動電流の増加量を検出する(ステップS7)。原点位置から規定量の下降動作を行うと、押さえバネ75は一定の長さだけ収縮するので、駆動電流の増加量から押さえモーター73のトルク上昇量を求めることにより押さえバネ75のバネ定数を特定することができる。従って、制御装置90は、駆動電流の増加量から、現在、押さえ棒72に装着されている押さえバネ75がバネ定数が異なる複数種類の押さえバネ75のいずれであるかを識別することができる(ステップS9[バネ種識別機能])。
さらに、制御装置90は、EEPROM94内に記録されている押さえモーター73の動作量と布押さえ71に生じる押さえ圧との関係を示す複数のテーブルデータの中から現在の押さえバネ75に対応するテーブルデータを選択する(ステップS11)。
さらに、制御装置90は、操作入力部96における押さえ圧の設定の際に表示される押さえ圧の上限値・下限値と設定可能な押さえ圧の数値幅(分解能)について現在の押さえバネ75に対応する値に設定する(ステップS13)。
そして、制御装置90は、押さえバネ75の判定処理を終了する。
なお、上記の処理以降、操作入力部96から押さえ圧の設定入力が行われる際には、表示部961において、ステップS13で設定された押さえ圧の上限値・下限値と設定可能な押さえ圧の数値幅(分解能)を表示し、表示される下限値以上かつ上限値以下となる範囲で押さえ圧の入力を制限すると共に設定可能な押さえ圧の数値幅の単位で数値入力を受け付ける。
また、布押さえ71の押さえ圧が設定されると、制御装置90は、ステップS11で選択されたテーブルデータを参照し、設定された押さえ圧となる軸角度に押さえモーター73を駆動し、当該軸角度を保持するように制御する。
[布段差乗り上げによるパラメータ変更]
以上において、布押さえ71が布の厚くなる段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、制御装置90は、次に説明するように、縫製に関するパラメータを変更するように制御する。
制御装置90は、縫製中において、布押さえ機構70のラインセンサ762の検出により、布押さえ71が針板11から規定の高さより低い位置にあるか否かを監視し、布押さえ71が規定の高さ以上となったことが検出された場合に「段差あり」と判定する。
[1.押さえ圧変更]
先ず、制御装置90は、布押さえ71が段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、押さえモーター73を制御して布押さえ71の押さえ圧を強くなるように補正する。
このように、布押さえ71が段差に乗り上げたことを検出して、布押さえ71の押さえ圧を強くすることで、段部に乗り上がる布押さえ71に強い押さえ圧を付与して、送り歯31との間に布を保持して良好に縫製することができる。
[2.送り歯高さ変更]
次に、制御装置90は、布押さえ71が段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、上下送りモーター66を制御して送り区間における送り歯31の高さを高くなるように補正する。
このように、布押さえ71が段差に乗り上げたことを検出して、送り区間における送り歯31の刃先の高さが高くなる軌跡にすることで、段部に乗り上がる布押さえ71に追従して送り歯31を高くして、布押さえ71と送り歯31の間隔を一定に維持した状態で布を保持して良好に縫製することができる。
[3.糸張力変更]
次に、制御装置90は、布押さえ71が段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、ソレノイドをオン動作(またはオフ動作)して糸調子101による糸張力を強くするように補正する。
このように、布押さえ71が段差に乗り上げたことを検出して、糸調子101の糸張力を強くすることで、糸の緩みを防止して、良好に縫製することができる。
[実施形態による効果]
以上、実施形態のミシン100によれば、水平送り機構40は、ミシンモーター16による送り台32に対する水平方向の往復動作量(ピッチ)を変更調節する送り調節モーター57を有し、上下送り機構60Bは、送り台32に対する上下方向の往復動作の駆動源となる上下送りモーター66を有し、送り調節モーター57と上下送りモーター66を制御して送り歯31による被縫製物の送り動作を行う制御装置90を備えている。
このため、送り歯31の上下の往復動作についてミシンモーター16から制約を受けることなく任意に動作させることができるので、前述したように、多種多様の軌跡パターンで送り歯31を周回移動させることが可能となる。
また、送り歯31の水平方向の往復動作についてミシンモーター16から独立した他のモーターを駆動源とすることでも、前述した各種の送り歯31の軌跡パターンの内の一部については実行可能である。しかしながら、水平方向の往復ストロークは上下方向の往復ストロークよりも遙かに大きいので、より低イナーシャで出力が大きなモーターが必要となる。なお、モーターは出力が大きくなるとイナーシャも大きくなる傾向にあるので、実際にはそのようなモーターは入手困難であるため、縫製速度を低減して送りを行うことが余儀なくされる。
これに対して、実施形態のミシン100は、送り歯31の水平方向の往復動作の駆動源をミシンモーター16とし、送り歯31の上下方向の往復動作の駆動源を上下送りモーター66としているので、送り歯31の上下動については狭い往復ストロークの範囲で往復させれば良く、上下送りモーター66として入手が容易な小型、低出力のものを使用することができる。そして、より多彩な送り歯31の軌跡パターンで送りを行うことができる。
また、縫いピッチの調節は、従来から行われている送り調節体55と送り調節モーター57の構成を使用するので、信頼性及び安定性が高く、高精度である。
そして、ミシン100の制御装置90は、布押さえ71が針板11よりも上方に離間した状態から下降動作を行うように押さえモーター73を制御し、布押さえ71の下降する過程で、押さえバネ75から受ける反力に基づいて押さえバネ71がバネ定数の異なる複数種類の押さえバネ75のいずれであるかを判定するバネ種識別機能を有するので、交換可能な押さえバネ71のバネ種を特定することができる。
これにより、複数のバネ定数の押さえバネ71のバネ種を誤ることなく識別して使用することができ、広範囲のバネ圧で押さえ圧を任意に設定することが可能となり、より多くの種類の被縫製物について縫製を行うことが可能となる。
また、制御装置90のEEPROM94が、バネ定数の異なる複数種類の押さえバネ75ごとに個別に対応した、押さえモーター73の動作量と布押さえ71に生じる押さえ圧との関係を示すテーブルデータを記憶し、CPU91がバネ種識別機能により特定した押さえバネ75に対応するテーブルデータに基づいて押さえ圧を設定する制御を行うので、押さえバネ75の種類を設定入力することなく自動的に適切なテーブルデータを特定して適切な押さえ圧となるように調整することが可能となる。
また、制御装置90は、バネ種識別機能により特定した押さえバネ75に応じて、設定可能なバネ圧の上限値と設定可能なバネ圧の数値幅(分解能)とを変えて入力可能となるように操作入力部96の表示部961を制御することから、押さえバネ75の種類を設定入力することなく適切な押さえ圧の設定を行うことが可能となる。
特に、布押さえ71が布の厚くなる段差に乗り上げたことを押さえ高さ検出部76が検出すると、制御装置90が縫製に関するパラメータを変更することで、布押さえ71が段部に乗り上がっても、布押さえ71と送り歯31との間に布を保持して良好に縫製することができる。
即ち、布押さえ71が段差に乗り上げたことを検出して、布押さえ71の押さえ圧を強くすることによって、段部に乗り上がる布押さえ71に強い押さえ圧を付与して、送り歯31との間に布を保持して良好に縫製することができる。
さらに、布押さえ71が段差に乗り上げたことを検出して、送り区間における送り歯31の高さを高くすることによって、段部に乗り上がる布押さえ71に追従して送り歯31を高くして、布押さえ71と送り歯31の間隔を一定に維持した状態で布を保持してより良好に縫製することができる。
また、布押さえ71が段差に乗り上げたことを検出して、糸調子101の糸張力を強くすることによって、糸の緩みを防止して、より一層良好に縫製することができる。
[その他]
また、上記の発明の実施形態では、布押さえ71が段部に乗り上げたことを検出した際に、布押さえ71の押さえ圧を強くしたが、布押え71が段部に乗り上げ始めた直後は布押さえの押さえ圧を弱くし、所定時間経過後に布押え71の押さえ圧を強くするように押さえモーター73を制御しても良い。
また、布押さえ71が段部に乗り上げたことを検出した際に、前述のパラメータ変更に加えて、主軸の回転速度を遅くするようにミシンモーター16を制御するようにしても良い。
また、上記の発明の実施形態では、本縫いミシンを例示したが、送り装置30は、送り歯で被縫製物を送るいずれのタイプのミシンにも適用可能である。
また、上記の発明の実施形態では、上下送りモーター66の出力軸に直接的に第一リンク61Bを取り付けて連結した場合を例示したが、上下送りモーター66の出力軸と第一リンク61Bとの間に伝達部材や伝達機構を介在させて間接的に連結しても良い。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
11 針板
14 糸切り装置
16 ミシンモーター
30 送り装置
31 送り歯
32 送り台
40 水平送り機構
50 送り調節機構
55 送り調節体
57 送り調節モーター
60B 上下送り機構
61B 第一リンク
61C 溝カム
62B,62C 第二リンク
63A,63B 第三リンク
64 第四リンク
65 第五リンク
66 上下送りモーター
67 回動軸
71 布押さえ
72 押さえ棒
73 押さえモーター
75 押さえバネ
76 押さえ高さ検出部
90 制御装置
94 EEPROM
95 ペダル
96 操作入力部
100 ミシン
101 糸調子
161 エンコーダ

Claims (3)

  1. 針棒を上下動させる針上下動機構と、
    前記針上下動機構の駆動源となるミシンモーターと、
    針板の上の被縫製物を送る送り歯を支持する送り台と、
    前記ミシンモーターから動力を得て前記送り台に対して水平方向の往復動作を伝達する水平送り機構と、
    前記送り台に対して上下方向の往復動作を付与する上下送り機構と、
    前記被縫製物を上から押さえる布押さえと、
    前記布押さえの高さを検出する押さえ高さ検出部と、
    を備え、
    前記水平送り機構は、前記ミシンモーターによる前記送り台に対する水平方向の往復動作のピッチを変更調節する送り調節モーターを有し、
    前記上下送り機構は、前記送り台に対する上下方向の往復動作の駆動源となる上下送りモーターを有し、前記布押さえが前記被縫製物の厚くなる段差に乗り上げたことを前記押さえ高さ検出部が検出すると、送り区間における前記送り歯の高さを高くするように前記上下送りモーターを制御する制御装置を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記布押さえを下端部に保持する押さえ棒と、
    前記押さえ棒を介して前記布押さえに前記被縫製物に対する押さえ圧を付与する押さえバネと、
    前記布押さえの昇降動作を付与するとともに、前記押さえバネの伸縮量を調節して前記布押さえによる前記被縫製物に対する前記押さえ圧を調節する押さえモーターと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記布押さえが前記段差に乗り上げたことを前記押さえ高さ検出部が検出すると、前記押さえモーターを制御して前記布押さえの前記被縫製物に対する前記押さえ圧を強くする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記被縫製物を縫製する糸の張力をソレノイドのオンオフ動作により可変とする糸調子を備え、
    前記制御装置は、前記布押さえが前記段差に乗り上げたことを前記押さえ高さ検出部が検出すると、前記ソレノイドをオンオフ動作して前記糸調子による前記糸の張力を強くする制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
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