JP2011092523A - ミシン - Google Patents

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剛 本澤
Takashi Hito
隆 日塔
Katsuaki Sakai
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Takahiro Ogata
孝宏 緒方
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Abstract

【課題】押さえ上げのソレノイドを適切に配置する。
【解決手段】縫製時に被縫製物を押さえる布押さえ12と、布押さえを保持し、ミシンフレームに対して上下動可能に支持された押さえ棒13と、押さえ棒を介して布押さえを下方への押圧力を付与する押さえバネ14と、ソレノイドを駆動源として布押さえをその待避位置まで上昇させる押さえ上げ装置30とを備えるミシン10において、ソレノイドをミシンフレーム20のミシンアーム部23内に配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、布押さえを昇降させる押さえ上げ装置を備えたミシンに関する。
従来のミシンは、布押さえを下端部で保持すると共にミシンアーム部の先端部側で上下動可能に支持される押さえ棒と、布押さえの昇降を行う押さえ上げ装置とを備えている。そして、押さえ上げ装置は、布押さえの昇降駆動源となるソレノイドと、押さえ棒を上方に引き上げるレバーと、ソレノイドからレバーに引き上げ動作を伝達する複数の部材から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2778204号公報
ところで、従来の押さえ上げ装置では、その駆動源となるソレノイドをミシンフレームの外部に配置すると発熱しやすいソレノイドが外部との接触を生じるおそれがあること、作動音が外部に漏れてしまうこと、作業の邪魔になること等の理由により、ミシンフレームの脚柱部(縦胴部ともいう)内に配置していた。
特に、上記従来例では、配置スペースが容易に確保できるように、脚柱部の下部からミシンベッド部内にかけてソレノイドを配置していた。
このため、ソレノイドから押さえ棒まで動力を伝達するために、脚柱部の下部からアーム部まで複数のリンク部材を連結して動力伝達を行い、さらに、アーム部内に連桿部材を通してリンク部材と押さえ棒を引き上げるレバーとを連結していた。
このように、従来のミシンの押さえ上げ装置は、脚柱部からアーム部の先端部に到達するまでの曲折された区間を経て動力伝達を行うために、動作伝達方向を変えるためのリンクなどの伝達部材をより多く必要とし、また、伝達経路が長大であるために、動作の応答性の低下、機械的な損失の増加を招くという問題が生じていた。
また、布押さえは、縫製時の布地に押さえ圧の付与を行うために常時押さえバネにより下方に押圧されており、押さえ上げ装置は、布押さえの押さえ圧に抗して押さえ棒の引き上げを行うと共に、布押さえがその待避位置まで引き上げられた時に押さえバネが最も圧縮されて最大の出力が必要となることから、ソレノイドは出力の十分に大きな大型のものを使用しなければならず、ミシンフレーム内において、スペース確保の容易な脚柱部下部或いはミシンベッド部にしか配置できないという問題があった。
本発明は、押さえ上げ装置のソレノイドをミシンフレーム内でより好適な配置とすることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、縫製時に被縫製物を押さえる布押さえと、前記布押さえを保持し、ミシンフレームに対して上下動可能に支持された押さえ棒と、前記押さえ棒を介して布押さえを下方への押圧力を付与する押さえバネと、ソレノイドを駆動源として前記布押さえをその待避位置まで上昇させる押さえ上げ装置とを備えるミシンにおいて、前記ソレノイドを前記ミシンフレームのミシンアーム部内に配置したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記押さえ上げ装置は、前記ソレノイドから前記押さえ棒までの間で動力伝達経路の途中に互いに回動可能に連結された二つのリンク体からなるリンク対を備え、当該リンク対の一方のリンク体は前記ミシンフレームに対して回動可能に軸支されると共に、前記二つのリンク体が相互に屈曲状態となるように前記押さえバネからの弾性力が作用しており、前記ソレノイドにより前記布押さえが被縫製物を押さえる下位置から前記待避位置に上昇した場合に、前記リンク対は屈曲状態から伸長状態に向けて姿勢変化を生じるように組み付けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、縫製の駆動源となるミシンモータにより回転を行うプーリをミシンアーム部の外面に設け、前記プーリの回転により生じる空気流が当たるように、前記ソレノイドを前記ミシンアーム部内に配置したことを特徴とする。
請求項1記載の発明は、押さえ上げ装置のソレノイドをミシンアーム部内に配置したので、同じミシンアーム部内に配置される押さえ棒に対して直線的な伝達経路で上昇動作を伝達させることが可能となり、伝達部材の低減を図り、また或いは、動作伝達の方向を変換するための部材を低減することことが可能となる。
また、ソレノイドから押さえ棒までの距離を短縮化することができ、動力の伝達ロスの低減及び動作の応答性の向上を図ることが可能となる。
請求項2記載のミシンは、ソレノイドにより布押さえが下位置から待避位置まで引き上げられる際に、リンク対が屈曲状態から伸長状態に近づくように変位しながらソレノイドの動力伝達を行う。そして、布押さえが待避位置まで引き上げられると、布押さえの上下動動作の範囲内において、布押さえへの下方押圧力を付与するバネが最も弾性変化を生じて弾性力は最大となる。これに対して、リンク対は、屈曲状態から伸長状態に変化し、且つ、屈曲状態へ戻そうとする各リンク体へのモーメントの総和が低減するので、ソレノイドが布押さえを待避位置に維持するための出力を低減させることが可能となる。
その結果、ソレノイドを出力の小さな小型のものとすることが可能となり、ミシンアーム部内の設置スペースの確保が容易となると共に、動力伝達部品の低減や動力伝達経路の短縮に有利な設置スペースを確保しやすくなり、さらなる動力伝達部品の低減、動力の伝達ロスの低減及び動作の応答性の向上を図ることが可能となる。
請求項3記載の発明は、縫製中のプーリの回転により生じる空気流をソレノイドに当てることができ、発熱しやすいソレノイドを冷却することが可能となる。
ミシン10のミシンフレームの一部を切り欠いた背面図である。 押さえ上げ装置の一部の構成の分解斜視図である。 図1におけるW−W軸に沿ったミシンフレーム内のミシンモータの支持壁に沿った断面図である(なお、図1で切り欠いたカバーをこの図3では図示している)。 プーリの斜視図である。 ソレノイドリンク体、中継リンク体、押さえ上げリンク体及び二又リンク体の連結構造及びその作用について説明するための動作説明図であり、図5(A)はソレノイドによる駆動力を発生していない状態を示し、図5(B)はソレノイドによる駆動力を発生している状態を示す。 リンク対の効果を比較試験で示した線図である。
(ミシンの概要)
本発明の実施形態たるミシン10について図面を参照して説明する。図1はミシン10のミシンフレームの一部を切り欠いた背面図である。
上記ミシン10は、いわゆる本縫い一本針ミシンであり、ミシンフレーム20と、縫製の駆動源となるミシンモータ11と、縫製時の被縫製物である布地を上方から押さえる布押さえ12と、布押さえ12を下端部で保持する押さえ棒13と、布押さえ12に押さえ圧を付与する押さえバネ14と、押さえバネ14に抗して布押さえ12を上昇させる押さえ上げ装置30と、ミシンモータ11により回転駆動を行う上軸15と、ミシンモータ11を介して上軸15と連動回転するプーリ16とを備えている。
また、ミシン10は、縫い針を上下動させる針上下動機構、天秤機構、釜機構、送り機構、糸調子装置など縫いに必須の構成は全て備えているが、これらはいずれも周知なので説明は省略する。
(ミシンフレーム)
ミシンフレーム20は、ミシン10のほぼ全体構成の格納保持を行い、その下部において、所定の長手方向に延在するミシンベッド部21と、ベッド部21の一方の端部から上方に立設された縦胴部22と、縦胴部22の上側に設けられ、ミシンベッド部21と同じ方向に延出されたミシンアーム部23とから構成されている。
以下の説明において、水平であって上記ミシンベッド部21及びミシンアーム部23の長手方向に沿った方向をY軸方向とし、水平方向であってY軸方向に直交する方向をX軸方向とし、これらに垂直となる方向をZ軸方向として説明を行うものとする。
上記ミシンベッド部21は、縦胴部22と逆側の端部において針落ちが行われ、その上面部には図示しない針板が設けられている。また、ミシンベッド部21内には、釜機構に動力を伝える下軸がY軸方向に沿って回転可能に支持されている。
ミシンアーム部23は、Y軸方向の全長がミシンベッド部21とほぼ等しく、縦胴部22と逆側の端部において、縫い針を保持する針棒(図示略)と布押さえ12を保持する押さえ棒13とをそれぞれ滑り軸受を介して上下動可能に支持している。
また、ミシンアーム部23における縦胴部22側の端部にはミシンモータ11がされており、その出力軸はカップリングを介して上軸15に連結されている。また、この上軸15は、Y軸方向に沿った状態でミシンアーム部23内のほぼ全長に渡って延在し、且つ、回転可能に支持されている。そして、上軸15はモータ側の端部とは逆側の端部で針上下動機構に連結されて、針上下動の動力を伝達している。
また、ミシンアーム部23の縦胴部22側の端部の外部には、フレーム外面に近接してミシンモータ11の出力軸に連結されたプーリ16が設けられている。プーリ16は、手動により回転操作を行うことでモータの出力軸を介して上軸15や下軸を回転させて、各種の調整作業などを行うためのものである。また、ミシンモータ11の回転駆動時にはフライホィールとして作用し、回転を安定させる機能を有している。
縦胴部22は、ミシンベッド部21とミシンアーム部23との間に上下に挟まれた状態で形成されており、その内部には、上軸15から下軸にトルク伝達を行う図示しないタイミングベルトが上下方向に通されている。
図1には、縦胴部22とミシンアーム部23の境界線Mが一点鎖線で示されている。境界線Mは、ミシンベッド部21からミシンアーム部上面までの上下方向長さNの約半分に位置している。ソレノイド34は、境界線Mより上側のミシンアーム部側に配置される。
(押さえ上げ装置)
図2は押さえ上げ装置30の一部の構成の分解斜視図である。
押さえ上げ装置30は、図1及び図2に示すように、押さえ棒13に固定装備された棒抱き17を下方から引っ掛けるように係止するフック部材31と、フック部材31を保持し、段ネジ32によりミシンフレーム20に対して回動可能に軸支されたレバー33と、布押さえ12の上昇(押さえ上げ動作)の駆動源となるソレノイド34と、ソレノイド34のプランジャ35の先端部にその一端部が連結されるソレノイドリンク体36と、ミシンフレーム20に段ネジ37によりその一端部が軸支されると共にその他端部がソレノイドリンク体36の他端部と連結された中継リンク体38と、中継リンク体38の他端部にその一端部が連結された押さえ上げリンク体39と、ミシンフレーム20に段ネジ40により回動可能に軸支されると共にその入力腕41aが押さえ上げリンク体39の他端部に連結された二又リンク体41と、二又リンク体41の出力腕41bとレバー33とを連結してソレノイド34からの布押さえ12の上昇方向への動力を伝達する伝達棒42と、ソレノイド34をミシンフレーム20に固定するブラケット43とを備えている。
上記フック部材31は、その上端部をX軸回りに回動可能且つ垂下状態でレバー33に支持されており、下端部はL字状に形成されている。そして、フック部材31はこのL字状の下端部により、棒抱き17からX軸方向に沿って突出された突起に対して下側から係止し、布押さえ12及び押さえ棒13を上方に引き上げることを可能としている。
レバー33は、回動動作の支点となる段ネジ32によりX軸回りに回動可能に支持されると共に、当該段ネジ32を中心とする回動動作の入力部33bと回動動作を付与する出力部33aとを備え、いわゆるベルクランク構造となっている。即ち、レバー33の入力部33bにはX軸回りの回動を可能として伝達棒42の一端部が連結され、当該伝達棒42から図1における反時計回りの回動動作が付与される。また、出力部33aには前述したフック部材31の上端部が連結される。また、押さえ棒13には、布押さえ12を下方に押圧する押さえバネ14が設けられているため、レバー33は、フック部材31を介して図1における時計回りのトルクが常に付与される。
ソレノイド34は、そのプランジャ35を前方に向けた状態で当該プランジャ35の進退移動方向がY軸方向に沿うようにミシンアーム部23内に固定支持されている(以下、ミシンアーム部23を基準に押さえ棒13が位置する方を前側、プーリ16が位置する方を後側とする)。
ソレノイド34は、図3に示すように、後述するブラケット(取付け部材)43に固定される。この際、図3に示すように、プランジャ35を中心として、右側半分がミシンアーム部を形成するミシンフレーム覆われて、左側半分がミシンアーム部より露出する。この露出した部分はカバー44により覆われる。このような状態を、ソレノイド34がミシンアーム部内に配置された状態とする。
縦胴部22の上側のミシンアーム部内に配置されたソレノイド34は、ミシンモータ11に対してX軸方向に隣接して配置されている。このように、ソレノイド34はミシンアーム部23に配置されているので、縦胴部22とミシンアーム部23との境界となるミシンフレームの屈曲形状に合わせて布押さえ12の押さえ上げ動作の伝達を行う構成を配置する必要がなく、ソレノイド34から押さえ棒13までほぼ一直線の空間内に動作伝達を行う構成を配置することができる。つまり、伝達を行う構成の簡略化、部材の低減を図れると共に、伝達経路を短縮化でき、動作遅れや動作の機械的な損失を低減することが可能となる。
図3は図1におけるW−W軸に沿ったミシンフレーム内のミシンモータ11の支持壁50に沿った断面図である。図1及び図3に示すように、ブラケット(取付け部材)43は、作業者側(X方向)向けて凸部が配置され、ミシンアーム部23を形成するミシンフレームにネジ止めされる。
ソレノイド34は、その側面がネジ止めでブラケット43の凹部に固定される。
ミシンモータ11の支持壁50は、ソレノイド34の取り付けのために作業者側に向けて略矩形状に切り欠かれており、当該切り欠き部24はフレーム重量の軽減にも貢献している。
また、ブラケット43により固定されたソレノイド34は、当該ソレノイド34に対応するように外側に向かって凸状をなし、ミシンベッド部23及び縦胴部22の側面を覆うカバー44(図2参照)により完全に外部から遮蔽されるようになっている。
また、ソレノイド34は、ミシンアーム部23の後端部寄りに配置されており、ミシンアーム部23の後端部の外側に隣接して配置されているプーリ16に近接している。ここで、プーリ16は、図4の斜視図に示すように、ミシンアーム部23との対向面側にプーリ16の半径方向に沿った羽根16aが均一の角度間隔で複数設けられており、回転を行うとミシンモータ11側に積極的に送風することができる構造となっている。また、ミシンアーム部23の後端部はプーリ16からの送風を内部に取り込むことができるように図示しない開口部を有しており、ミシンモータ11及びミシンアーム部23内部を冷却することが可能となっている。従って、ミシンアーム部23の後端部寄りでプーリ16に近接配置されたソレノイド34も、ミシンアーム部23内に取り込まれた送風により冷却が可能となっている。さらに、前述した支持壁50には切り欠き部24が形成されているので、支持壁50がプーリ16からの送風を阻むことなく、フレーム内の送風を行き渡らせることができ、より冷却効果を高めている。
また、上記ソレノイド34は、プランジャ35を押さえ棒13側から縦胴部22側に引き込む吸引方向(後方)に駆動力を発生し、逆方向(前方)については駆動力を生じない。つまり、プランジャ35は、外力(押さえ棒13の押さえバネ14に由来する張力)に従って前方への移動が行われるようになっている。
図5は、前述したソレノイドリンク体36、中継リンク体38、押さえ上げリンク体39及び二又リンク体41の連結構造及びその作用について説明するための動作説明図であり、図5(A)はソレノイド34による駆動力を発生していない状態(プランジャ35が前進した状態)を示し、図5(B)はソレノイド34による駆動力を発生している状態(プランジャ35が後退した状態)を示す。
上記中継リンク体38は、おおむねZ軸方向に沿うように配置され、また、上側の端部が段ネジ37を軸としてミシンフレーム20によりX軸回りに回動可能に支持されている。
そして、中継リンク体38の下側の端部は、ソレノイドリンク体36を介してソレノイド34のプランジャ35に連結されている。
ソレノイドリンク体36はその両端部がX軸回りに回動可能であると共にその長手方向がおおむねY軸方向に沿うように配置されており、これにより、ソレノイド34のプランジャ35の進退動作により、中継リンク体38を段ネジ37回りに回動させることが可能となっている。即ち、この中継リンク体38は、布押さえ12の下降移動に伴い図5における反時計回りに回動し、布押さえ12の上昇移動に伴い図5における時計回りに回動する。
二又リンク体41は、段ネジ40を軸としてミシンフレーム20によりX軸回りに回動可能に支持されており、段ネジ40を中心として互いに異なる二方向に延出された入力腕41aと出力腕41bとを備えている。即ち、この二又リンク体41もベルクランク構造となっている。
そして、その出力腕41bは、前述した伝達棒42の他端部がX軸回りに回動可能に連結されており、入力腕41aは、押さえ上げリンク体39を介して中継リンク体38の回動端部側に連結されている。この二又リンク体41は、布押さえ12の下降移動に伴い図5における反時計回りに回動し、布押さえ12の上昇移動に伴い図5における時計回りに回動する。
押さえ上げリンク体39は、ソレノイド34による布押さえ12の引き上げのための駆動力を伝達するために中継リンク体38の回動端部と二又リンク体41の入力腕41aとを連結している。
即ち、この押さえ上げリンク体39は、その一端部が中継リンク体38の回動端部にX軸回りに回動可能に連結され、他端部が二又リンク体41の入力腕41aにX軸回りに回動可能に連結されている。なお、押さえ上げリンク体39の他端部には、その長手方向に沿った長穴39aが形成されており、二又リンク体41の入力腕41aに固定装備された丸棒状のピン41cを介して相互に連結されている。これは、ソレノイド34の駆動にかかわらず、布押さえ12の上方への逃げ動作を可能とするためにものである。なお、通常は、押さえバネ14の弾性力により、布押さえ12が上方待避位置にある場合も布を押さえる下位置にあるときも、長穴39aの片側にピン41cが位置するよう維持される。
上記の中継リンク体38と押さえ上げリンク体39とは、互いの一端部をX軸回りに回動可能に連結してなるリンク対を構成している。そして、ソレノイド34の非駆動時、つまり、布押さえ12が下位置にある状態では、リンク対を構成する中継リンク体38及び押さえ上げリンク体39は相互に屈曲状態(およそ直角)となり(図5(A))、ソレノイド34の駆動時、つまり、プランジャ35が最前進して布押さえ12が最上位置である待避位置にある状態では、リンク対を構成する中継リンク体38及び押さえ上げリンク体39は相互に伸長状態(180°)に近づくように組み付けられている(図5(B))。
リンク対である中継リンク体38及び押さえ上げリンク体39は、上記のように、布押さえ12の待避位置への引き上げ時に相互に伸長状態に近づけられることにより、押さえバネ14の弾性力に基づく、中継リンク体38の段ネジ37回りの屈曲状態へ戻そうとするトルク(図5で反時計回りのトルク)と押さえ上げリンク体39のピン41c回りの屈曲状態へ戻そうとするトルク(図5で時計回りのトルク)の総和は、仮に布押さえ12が待避位置にある場合に相互に屈曲状態となるように組み付けられている場合に比べて低減される。
図5に基づいて原理説明をすると、まず、リンク対が屈曲状態の場合(図5(A))には、押さえバネ14により連結棒42を介して二又リンク体41の出力腕41bに、その回動半径の直交方向に沿って力f1が作用するものとする。
これにより、二又リンク体41の入力腕41aの回動半径の直交方向には、出力腕長さと入力腕長さの比に反比例して同じ回転方向に力f2が作用する。
その結果、押さえ上げリンク体39を介して、押さえ上げリンク体39と中継リンク体38との連結部には、f2を押さえ上げリンク体39の長手方向T(ピン41cの中心と押さえ上げリンク体39と中継リンク体38の連結中心とを結んだ直線)に分力した力f3が作用する。この力f3の作用点において、f3の中継リンク体38の回動半径に直交する方向成分の力であるf3xが低減すると、押さえバネ14に基づくソレノイド34の付加も低減することが可能となる。
一方、上記リンク対が略伸長状態になると、押さえバネ14により二又リンク体41の出力腕41bには、その回動半径の直交方向に沿って力f1’が作用する(二又リンク体41、連結棒42、レバー33等の角度により変動するので前述したf1と同値にはならないが、ここではリンク対の角度による負荷低減の効果を説明するだけなのでf1’の値の詳細な説明は省略する)。
その結果、二又リンク体41の入力腕41aには出力腕長さと入力腕長さの比に反比例して同じ回転方向に力f2’が作用する。そして、押さえ上げリンク体39を介して押さえ上げリンク体39と中継リンク体38との連結点には、力f2’を押さえ上げリンク体39の長手方向Tに分力した力f3’が作用する。押さえ上げリンク体39と中継リンク体38とが略伸長状態となり。それらのなす角θが180°に近づくと、力f3’とその分力f3x’とのなす角は90°に近くなり、f3x’は小さくなる。
従って、ソレノイド34への負荷が低減され、布押さえ12の待避位置への引き上げ動作及び引き上げ状態を維持するためにソレノイド34に必要となる駆動力(プランジャ吸引力)を低減することが可能となっている。
なお、布押さえ12が下位置にある時に、押さえバネ14により、押さえ上げリンク体39の長手方向に付与される力f3から布押さえ12が待避位置にある時に押さえ上げリンク体39の長手方向に付与される力f3’への値の変動は、二又リンク体41、連結棒42、レバー33等の角度に応じて変動するので、これらの値については押さえ上げリンク体39と中継リンク体38の角度変化は寄与しないが、少なくとも、押さえ上げリンク体39と中継リンク体38の屈曲状態から略伸長状態への変化により、これらの連結点に作用する力f3’に対するソレノイド34側の負荷の伝達割合を低減することは可能となっている。
図6は上記リンク対の効果を比較試験で示した線図である。プランジャ35の移動方向の各位置(横軸)においてソレノイド34に必要となる吸引力(縦軸)を示しており、折れ線L1は上述したように、布押さえ12の下位置で屈曲状態、待避位置で略伸長状態となるようにリンク対が組み付けられている場合を示し、折れ線L2は、布押さえ12の下位置で角度が屈曲状態よりさらに小さく、待避位置で屈曲状態となるようにリンク対が組み付けられている場合を示している。
横軸の0はプランジャ35の最も後退した状態、即ち布押さえ12の待避位置にある場合を示し、横軸の14はプランジャ35の最も前進した状態、即ち布押さえ12の下位置にある場合を示している。これによると、L2の例では、布押さえ12を引き上げるに連れて必要な吸引力が増加しているが、L1の例では必要な吸引力が最終的に低減することが分かる。
布押さえ12の引き上げに連れて押さえバネ12は圧縮されて弾性力が増加するが、L1に示すようにリンク対が伸長状態へ移行するように組み付けられている場合には、ソレノイド34に要する吸引力の低減効果が押さえバネ12の圧縮による増加に勝ることが分かる。
(ミシンの押さえ上げ動作)
上記構成からなるミシン10の押さえ上げ動作を説明する。
ソレノイド34の非駆動時には布押さえ12は押さえバネ14により下位置に位置して、例えば針板上の布地を上方から押圧保持している。
そして、図示しない制御部からの指令に従ってソレノイド34に対して吸引動作が指令されると、ソレノイド34はプランジャ35の吸引動作を開始する。これにより、ソレノイドリンク体36を介して中継リンク体38が図5の時計回りに回動を付与され、さらに、押さえ上げリンク体39を介して二又リンク体41が図5の時計回りに回動を付与される。これに伴い、伝達棒42を介してレバー33に図1の反時計回りに回動が付与され、フック部材31が棒抱き17を係止して押さえ棒13及び布押さえ12を上方に引き上げる。
その間、布押さえ12が下位置にあったときには屈曲状態であったリンク対は、布押さえ12が待避位置まで引き上げられることで略伸長状態に変化する。
(実施形態の効果)
以上のように、押さえ上げ装置30のソレノイド34をミシンアーム部23内に配置したので、ソレノイド34から押さえ棒13までの押さえ上げ動作の伝達経路が、屈曲してない真っ直ぐの空間内に配置することが可能となり、伝達部材の低減を図り、また或いは、動作伝達の方向を変換するための部材を低減することことが可能となる。
また、ソレノイド34から押さえ棒13までの距離を短縮化することができ、動力の伝達ロスの低減及び動作の応答性の向上を図ることが可能となる。
さらに、ソレノイド34をミシンフレーム20内に格納し、外部から遮蔽したので、ソレノイド34が駆動時に発熱しても、外部の物体との直接接触を回避することができる。まあ、ソレノイド34やその動作伝達部材の作動音を外部に漏らさず、静音化を図ると共に、ソレノイドがオペレータの作業の妨げとなることもない。
さらに、ミシン10は、前述したリンク対により、ソレノイドによる布押さえ12の待避位置へ引き上げや待避位置を維持するための出力を低減させることが可能となる。その結果、ソレノイド34を出力の小さな小型のものとすることが可能となり、ミシンアーム部23内の設置スペースの確保が容易となると共に、動力伝達部品の低減や動力伝達経路の短縮に有利な設置スペースを確保しやすくなり、さらなる動力伝達部品の低減、動力の伝達ロスの低減及び動作の応答性の向上を図ることが可能となる。
また、ソレノイド34とプーリ16との相互の位置関係により、縫製中のプーリ16の回転により生じる空気流をソレノイド34に当てることができ、発熱しやすいソレノイドを冷却することが可能となる。
(その他)
なお、前述した中継リンク体38及び押さえ上げリンク体39は、そのなす角は180°を上限とし、ソレノイド34が最大限に布押さえ12を引き上げたとして180°を超えないように調整されている。180°を超えると、ソレノイド34の吸引力と押さえバネ14の弾性力とが両方ともリンク対が逆側に屈曲するように作用し、布押さえ12が下降するように作用するので、180°を超えないようにすることが必須となる。このため、リンク対のいずれかのリンク体38,39に対して或いはリンク体の相互間に180°を超えて回動しないようにするストッパを設けても良い。
また、中継リンク体38におけるソレノイドリンク体36との連結位置と、中継リンク体38における押さえ上げリンク体39との連結位置は、中継リンク体38の回動端部側であって互いにずれた配置となっているが、継リンク体38とソレノイドリンク体36と押さえ上げリンク体39とを同一軸で連結しても良い。
10 ミシン
11 ミシンモータ
12 布押さえ
13 押さえ棒
14 押さえバネ
16 プーリ
20 ミシンフレーム
21 ミシンベッド部
22 縦胴部
23 ミシンアーム部
30押さえ上げ装置
34 ソレノイド
38 中継リンク体(リンク対をなす一方のリンク体)
39 押さえ上げリンク体(リンク対をなす他方のリンク体)

Claims (3)

  1. 縫製時に被縫製物を押さえる布押さえと、
    前記布押さえを保持し、ミシンフレームに対して上下動可能に支持された押さえ棒と、
    前記押さえ棒を介して布押さえを下方への押圧力を付与する押さえバネと、
    ソレノイドを駆動源として前記布押さえをその待避位置まで上昇させる押さえ上げ装置とを備えるミシンにおいて、
    前記ソレノイドを前記ミシンフレームのミシンアーム部内に配置したことを特徴とするミシン。
  2. 前記押さえ上げ装置は、前記ソレノイドから前記押さえ棒までの間で動力伝達経路の途中に互いに回動可能に連結された二つのリンク体からなるリンク対を備え、
    当該リンク対の一方のリンク体は前記ミシンフレームに対して回動可能に軸支されると共に、前記二つのリンク体が相互に屈曲状態となるように前記押さえバネからの弾性力が作用しており、
    前記ソレノイドにより前記布押さえが被縫製物を押さえる下位置から前記待避位置に上昇した場合に、前記リンク対は屈曲状態から伸長状態に向けて姿勢変化を生じるように組み付けられていることを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 縫製の駆動源となるミシンモータにより回転を行うプーリをミシンアーム部の外面に設け、
    前記プーリの回転により生じる空気流が当たるように、前記ソレノイドを前記ミシンアーム部内に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
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