JP5036978B2 - ミシンの糸巻き装置 - Google Patents
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Description
また、糸巻き軸に対する操作レバーの配置は、ボビンの取り付け、取り外し操作の妨げとならないようにしなければならないという問題があった。
図1において、1は本実施形態たる糸巻き装置100が搭載されるミシンのアーム、200は糸案内、Aはミシンを横向きに使用する際の布送り方向の上流側におけるオペレータの作業位置、Bはミシンを縦置きに使用する際のミシンの面部側におけるオペレータの作業位置、Tはボビン9aに巻く下糸である。
本実施形態におけるミシンは、駆動源となる図示しないミシンモータ、該ミシンモータから上軸2(図4参照)を介して駆動力を付与され針を上下に駆動する図示しない針上下動機構、該針駆動機構に同期して針板上に載置される布等の被縫製物を搬送する図示しない布送り機構、針板の下方において上糸を下糸に交絡させる図示しない釜機構等の各機能を備えているが、これらは従来と同様であるため本実施形態では詳述しない。なお、本実施形態では、作業位置Aが布送り方向の上流側となる送り方向を上述した布送り機構の正送り方向とする。
次に、糸巻き装置100の構成について詳しく説明する。
図1、図2に示すように、糸巻き装置100は、ミシン機枠を構成するミシンアーム1の上部に配設されており、該ミシンアーム1の外部に突出する糸巻き軸4aと、糸巻き軸4aの回転と停止とを切り替える切り替え手段の操作部としての糸巻きレバー2cと、これら糸巻き軸4a、糸巻きレバー2cをミシンアーム1上に保持するための土台1aとを備えている。
糸巻き軸4aの上方には、ボビン軸4cと溝4dとが形成されている。この溝4dにはOリング4gが嵌合されている。そして、糸巻き軸4aの上端部は、上述した土台1aの開口部1cからミシンの外部に突出され、ボビン9aが装着されるようになっている。
つまり、上記構成により、ゴム輪4fが回転輪3に当接されると糸巻き軸4aを中心に糸巻き車4e及び当該糸巻き軸4aが回転され、糸巻き軸4aの上部に装着されるボビン9aが回転し、ボビン9aに下糸Tが巻きつけられるようになっている。
押圧板5aは、基部が土台1aの支持軸1dに回動可能に支持されており、該押圧板5aの先端の一方にはばね掛け5b,5cが形成されている(図2参照)。また、押圧板5aの先端の他方には押圧部5dが形成され、前記一方の先端の側面には前記カム部2bに対向する凹部5eが形成されている。また、押圧板5aのばね掛け5cと土台1aの一部との間にはばね6aが圧縮状態で配置されており、押圧板5aのばね掛け5bと軸台3aの先端の孔3cとの間にはばね7aが圧縮状態で配置されている(図5、図6参照)。
つまり、押圧板5aは、ばね6aにより常時図5、図6における支持軸1dを中心にして反時計回り方向に付勢されており、また、糸巻き軸4aの軸部4bは、ばね7aにより常時押圧板5aに対して図5、図6における時計回り方向に付勢されている。
なお、ボビン受け台8a上で上述した糸巻き軸4aに装着されるボビン9aは、フランジ9b,9cを有しており、これらフランジ9b,9cの間が下糸Tを巻きつける糸巻き部となっている。
上記糸押え2hは、ボビン9aの糸巻き部に下糸Tが巻かれる際に、該下糸Tの糸量が適量になったことを検出する糸量センサの機能を備えている。即ち、糸押え2hは、ボビン9aの糸巻き部に巻かれる下糸Tに対して糸巻き部の半径方向外側から当接され、ボビン9aに巻かれた下糸Tの糸量が増加して糸巻き部が大径となるにつれてレバー2cと共に押し戻されるようになっている。そして、下糸Tの巻きつけ量が適量となった際にはレバー2cと共に回転される糸巻き軸4aが所定の位置まで回転され、上記ゴム輪4fを回転輪3から離反させることができるようになっている。この結果、糸巻き軸4aの回転が停止し、ボビン9aの糸巻きが終了するものである。
つまり、本実施形態たるミシンの糸巻き装置100は、ボビン9aに下糸Tが適量巻かれた際、自動的に糸巻き軸4aの回転を停止して糸巻き動作を終了することができるようになっている。
図3に示すように、レバー21cは、作業位置Aから見てレバー軸2aの右側に延出されており、作業位置A側から糸巻きレバー2cを操作するオペレータが右手で操作するのに適した方向に配置されている(図7参照)。なお、作業者が右利きであれば、かかる配置で操作は好適に行われる。
一方、レバー22cは、作業位置Aから見てレバー軸2aの左手前側に延出されているが、作業位置Bから見た場合にはレバー軸2aの右側に延出される配置となっており、作業位置B側から糸巻きレバー2cを操作するオペレータが右手で操作するのに適した方向に配置されている(図8参照)。なお、作業者が右利きであれば、かかる配置で操作は好適に行われる。
そして、これらレバー21c、22cは一体形成されており、互いにレバー軸2aを中心にして一体的に回転され、何れを操作した場合であってもレバー軸2aを回転操作することができるようになっている。
上記構成により、糸巻きレバー2cは、ミシンを横向きに設置して縫製動作を行う場合のみならず、ミシンを縦置きに設置して縫製動作を行う場合であってもオペレータが容易に操作することができるように配置されている。即ち、糸巻きレバー2cは、作業位置A,B何れの位置からであっても同様の操作で容易に操作することができるようになっている。
次に、糸巻き装置100の作用について図1〜図8に基づき詳しく説明する。
まず、糸巻きを行わない待機位置では、糸巻きレバー2cと糸押え2hとは、図3に実線で示すようにボビン9aのフランジ9b,9cの間から離れた位置に配置される。また、糸巻きレバー2cがこの待機位置にあるときは、図5に示すようにカム部2bはその先端が押圧板5aの凹部5eの最深部に一致し、押圧板5aはばね6aの弾性力によりカム部2b側に押圧された状態となる。また、軸台3aの軸受け部3bは、ばね6aの弾性力により押圧板5aの押圧部5dにより押圧される。これにより、軸台3aは支持軸1dを中心に回転され、糸巻き軸4aのゴム輪4fは図4に実線で示すように上軸2の回転輪3から離れた位置に配置される。
つまり、糸巻きレバー2cが待機位置にある場合には、上軸2が回転してもゴム輪4fは回転されず、糸巻き軸4a及びボビン9aも回転しないため糸巻きは行われない。
この状態から糸巻きレバー2cの先端を図3における時計回り方向(図5、図6においては反時計回り方向)に回転させると、糸巻きレバー2cに固定された糸押え2hは、ボビン9aのフランジ9b,9cとの間の軸部に当接され、糸巻き位置に配置されることとなる。
まず、ミシンのオペレータが作業位置Aにおいて作業を行う場合、図7に示すように、右手でレバー21cを操作する。また、ミシンのオペレータが作業位置Bにおいて作業を行う場合には、図8に示すように、右手でレバー22cを操作する。
つまり、ミシンのオペレータは、A,B何れの作業位置からであっても、同様の動作で容易にレバー2cを操作することが可能となるものである。
以上のように、本実施形態たるミシンの糸巻き装置100によれば、レバー21c、22cのうち、何れを操作してもレバー軸2aを回転操作することが可能となる。従って、ミシンのオペレータは、一方向のみからミシンを操作する場合のみならず、様々な方向からミシンの縫製作業を行うことが可能となる。即ち、ミシンのオペレータは、布送り方向の上流側(作業位置A)で縫製作業を行う際のみならず、ミシンの面部側(作業位置B)で縫製作業を行う際にもレバー2cを容易に操作することが可能となり、糸巻き装置100の駆動と停止との切り替え操作を簡易に行うことが可能となる。これにより、縫製作業の作業効率を向上させることができる。
また、レバー21c、22cの相対的な角度を調節可能な構成とする場合、図9に示すように回転中心となるレバー軸2aから僅かに離れた位置に連結部を設けるようにすることが好ましい。このようにすれば、ボビン9aの取り付け、取り外し操作の妨げとならず、より良好な操作性を確保することが可能となる。
なお、レバー21cとレバー22cとの相対角度は130度前後であることが好ましい。このようにすれば、作業位置Bからのレバー2cの操作が最も容易な配置となる。
また、糸巻きレバー2cは、二方向に限定されるものではなく、3方向以上に延出する構成としても良い。このようにすれば、より多様な方向から糸巻きレバー2cを操作することが可能となる。
1a 土台
2a レバー軸
2c 糸巻きレバー
3 回転輪
3a 軸台
4a 糸巻き軸
5a 押圧板
6a ばね
7a ばね
8a ボビン受け台
9a ボビン
10 凹部
10a 端面
10b 傾斜面
10c 円頭部
10d 糸受け部
10e 糸受け部
10f 突起部
100 糸巻装置
200 糸案内
A,B 作業位置
T 下糸
Claims (1)
- ミシン機枠から突出する糸巻き軸が回転することで、該糸巻き軸に装着されたボビンに下糸を巻きつけるミシンの糸巻き装置において、
前記糸巻き軸の回転と停止とを切り替える切り替え手段を備え、
前記切り替え手段は、
ミシンアーム部上で立設された支軸を回転操作するために、前記支軸を挟んで二方向に延び一体的に形成された二つの操作部を有する糸巻きレバーを備えており、
前記二つの操作部のうち、一方の操作部に対し他方の操作部は、前記二つの操作部が一直線上に延在しないように、ミシンを横向きに設置した場合の作業位置側に向けてその先端側が鈍角を成して曲がった形状を有しており、
前記糸巻き軸を回転させるための操作が、ミシンを横向きに設置して、一の向きで作業者が前記糸巻きレバーを操作する場合、作業位置から見て前記支軸の右奥側に延在する前記一方の操作部を時計回り方向に回転させるようにし、また、ミシンを縦置きに設置して、前記一の向きと略直交する向きで作業者が前記糸巻きレバーを操作する場合、作業位置から見て前記支軸の右手前側に延在する前記他方の操作部を時計回り方向に回転させるようにしたことを特徴とするミシンの糸巻き装置。
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