JP6530246B2 - クランプ機構及びこれを備えるミシン - Google Patents

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Description

本発明は、曲面形状の被縫製物を縫製する際のクランプ機構及びこれを備えるミシンに関する。
例えば、靴の縫製において、左右二部材からなる靴のアッパーはつま先部分と踵部分とが縫い合わされて環状となり、さらに、かかと部分の外側にラベルや補強材等の縫着部品が縫着される。
靴のアッパーの踵部分は、足の踵の形状に合わせて曲面形状に仕上げる必要があるが、アッパーを湾曲させた状態で縫製するためには、縫い位置の両側の生地を湾曲させることができるように、釜及び針板がミシンベッド部の上面から上方に立設されたいわゆるポストベッドミシンが使用されていた。
ところで、上記靴のアッパーの踵部分のような曲面形状の被縫製物に対しても、縫着部品の外形に応じたパターンに沿った自動送りによる縫製の要請がある。
しかし、所定のパターンに従って自動送りで縫製を行うミシンは、平面上に被縫製物を載置し、平面座標に従って被縫製物を一針ごとに移動させて縫製を行うものが一般的であり、靴のアッパーのような曲面形状の縫製に対応することはできなかった。
この問題に対処すべく、従来のミシンは、曲面形状の被縫製物を保持する円筒状の支持体と当該支持体を任意に回転させるステッピングモーターとを備え、円周面に沿った自動送りの縫製を実現していた(例えは、特許文献1参照)。
特開昭61−265169号公報
しかしながら、上記従来のミシンは、円筒状の支持体を回転させる構成なので、機構が大がかりとなってミシン全体が大型化するという問題があった。
また、円筒状の支持体はそのサイズが固定的なので、複数のサイズの被縫製物の縫製を行うには大小複数の支持体を用意しなければならなかった。
特に、靴を対象とする場合には、サイズが非常に細かく分かれており、さらに靴には左右差があるので、サイズの異なる多数の支持体を用意しなければならなかった。
本発明は、多様な曲面に対する縫製が可能なクランプ機構及びこれを備えるミシンを提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、クランプ機構において、
被縫製物をクランプする一対のクランプ部材と一対のクランプ部材を支持する支持ブロックとを有する複数のクランプユニットと、
前記支持ブロックを取り付けるフレームとを備え、
前記フレームが、湾曲した曲線又は当該湾曲した曲線に沿った複数の直線、に沿って形成された一又は複数の長穴状の取付穴を有し、
前記複数のクランプユニットを、前記フレームの取付穴に沿って位置調節可能に取り付けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクランプ機構において、
前記クランプ部材のクランプ面は、一又は複数の平面からなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のクランプ機構において、
前記クランプ部材のクランプ面は、一つの曲面からなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のクランプ機構において、
前記一対のクランプ部材は、前記支持ブロックに対して前記フレームとは逆側に延出され、
前記支持ブロックは、前記一対のクランプ部材をその延出方向に沿って位置調節可能に支持していることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のクランプ機構において、
前記クランプ部材にクランプされた被縫製物から垂下する垂下部を針落ち位置から逃がすための逃がしガイドを備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、ミシンにおいて、
請求項1から5のいずれか一項に記載のクランプ機構を、前記フレームの取付穴の湾曲した曲線の内側に位置する軸線回りに揺動させる揺動機構と、
前記クランプ機構の揺動する軸線に沿って当該クランプ機構と針棒を相対的に移動させる軸線移動機構と、
前記揺動機構の駆動源と前記軸線移動機構の駆動源とを制御して前記被縫製物の任意の位置に針落ちを行う制御装置とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載のミシンにおいて、
前記針棒と連動して上下動を行う中押さえを備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のミシンにおいて、
針落ちが行われる針板を備え、
前記針板の針落ち位置に、下降する前記中押さえと協働して前記被縫製物を上と下から押さえる突起部を設けたことを特徴とする。
本発明は、被縫製物を保持する複数のクランプユニットが、湾曲した曲線に沿って形成された一又は複数の長穴状の取付穴に沿って位置調節可能であることから、被縫製物を湾曲した曲線に沿った曲面に沿わせて保持することができ、曲面を有する被縫製物に対して縫製後の皺や糸の引きつりの発生を抑え、良好な縫製を実現することができる。
また、各クランプユニットが取付穴に沿って位置調節可能なので、ユニット間隔を替えることで、種々のサイズの環状の被縫製物を良好に保持することが可能となり、サイズの異なる複数のクランプ機構を用意する必要が無い。
また、各クランプユニットが取付穴に沿って位置調節可能なので、位置調節により曲率半径の異なる種々の曲面を有する被縫製物であっても良好な縫製を行うことが可能となる。
また、円筒状の支持体を不要とするので、ミシンの小型化を図ることが可能となる。
本実施形態に係るミシンの斜視図である。 本実施形態に係るミシンのステージの移動動作後の斜視図である。 図1のミシンの制御系を示すブロック図である。 ミシンに搭載された第一のクランプ機構の斜視図である。 第一のクランプ機構の正面図である。 第一のクランプ機構の背面図である。 第一のクランプ機構の押圧支持機構の側面図である。 ミシンに搭載された第二のクランプ機構の斜視図である。 第二のクランプ機構の背面図である。 逃がしガイドを設けた第一のクランプ機構の正面図である。 中押さえの有する問題を示す説明図である。 中押さえの有する問題を解決する突起部を示す説明図である。
[ミシンの全体構成]
以下、本発明の実施の形態であるミシン100について図1乃至図9に基づいて説明する。このミシン100は、曲面を有する被縫製物の保持に適した第一及び第二のクランプ機構30,50を用いて、所定の縫製パターンに従って任意の位置に針落ちを行う自動縫いミシンである。
図1及び図2はミシン100の一部の構成を省略して図示した斜視図、図3はミシンの制御系を示すブロック図である。
以下の説明では、被縫製物としての環状の靴のアッパーC1(図5参照)に対して、その踵部分に被縫製物としての補強材C2及びラベルC3を縫着する場合を例示する。
上記ミシン100は、下端部に縫い針を保持する針棒と、針棒を上下動させる針棒上下動機構と、縫い針に通された上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、中押さえ11を上下動させる中押さえ機構と、アッパーC1と補強材C2とを保持する第一のクランプ機構30と、アッパーC1とラベルC3を保持する第二のクランプ機構50と、第一及び第二のクランプ機構30,50を揺動させる揺動機構70と、第一及び第二のクランプ機構30,50をその揺動軸線に沿って移動させる軸線移動機構80と、上記各構成を格納又は搭載するミシンフレーム20と、上記各構成を制御してアッパーC1、補強材C2及びラベルC3の任意の位置に針落ちを行う制御装置90とを備えている。
ミシンフレーム20は、下部に位置するミシンベッド部21と、ミシンベッド部21から立ち上げられた立胴部22と、立胴部22の上端部からミシンベッド部21と平行に延出されたミシンアーム部23とを備えている。
なお、図1及び図2において、ミシンフレーム20の各部のカバーの図示を省略しており、また、その内部の構成についても図示を省略している。
上記針棒上下動機構は、ミシンモーター12と、当該ミシンモーター12により回転する上軸と、上軸の回転力を上下動の駆動力に変換して針棒に付与するクランク機構とを備える周知の構成なので、詳細な説明は省略する。
釜機構は、いわゆる水平釜と、水平釜を支持する釜軸と、ミシンモーター12により回転する下軸と、下軸から釜軸に回転力を伝達する伝達機構とを備える周知の構成なので、詳細な説明は省略する。
また、ミシン100はいわゆるポストベッドミシンであり、水平釜がミシンベッド部21における縫い針の下方の位置に立設されたポストベッド24の上部に内蔵されている。
中押さえ機構は、下端部に中押さえ11を保持する中押さえ棒と、上軸の回転力を上下動の駆動力に変換して中押さえ棒に付与するクランク機構とを備える周知の構成なので、詳細な説明は省略する。
中押さえ11は、縫い針を遊挿する円筒部を備え、当該円筒部が縫い針の上昇時に被縫製物を上から押さえて被縫製物のばたつきを押さえる役割を有している。
中押さえ機構は、中押さえ11を縫い針と同周期であって縫い針に遅れて上下動を行うよう動作伝達を行う。これにより、縫い針の上昇に引っ張られて上昇しようとする被縫製物を押さえ、被縫製物からの縫い針の引き抜きを良好に行わせる。
[第一のクランプ機構]
図4は第一のクランプ機構30の斜視図、図5は正面図、図6は背面図である。
第一のクランプ機構30は、Y軸方向に沿って順番に並んで配置され、アッパーC1及び補強材C2を重ねてクランプする四つのクランプユニット40A〜40Dと、各クランプユニット40A〜40Dを支持するフレーム31とを備えている。
なお、四つのクランプユニット40A〜40Dは、その構成及び構造について概ね同一なので、以下の説明では、各クランプユニット40A〜40Dをクランプユニット40として総称し、各クランプユニット40A〜40Dが有する各部の構成については同一の符号を使用して共通する内容についてはまとめて説明し、個々のクランプユニット40A〜40Dについて異なる点については個別に説明することとする。
また、上記第一のクランプ機構30のフレーム31は、長尺な平板であり、フレーム31の平板面に平行であってその長手方向に平行な方向をY軸方向、フレーム31の平板面に平行であってその長手方向に直交する方向をZ軸方向、フレーム31の平板面に垂直な方向をX軸方向として、第一のクランプ機構30の各部の説明を行う。
クランプユニット40は、アッパーC1及び補強材C2の上側に配置される上側クランプ部材41と、アッパーC1及び補強材C2の下側に配置される下側クランプ部材42とからなる一対のクランプ部材と、上側クランプ部材41を下側クランプ部材42側に押圧する押圧支持機構43と、上側クランプ部材41及び下側クランプ部材42を支持する支持ブロック44とを備えている。
下側クランプ部材42は、X軸方向に沿った長尺の板状部材であり、支持ブロック44からフレーム31とは逆側に向かって延出されている。
四つのクランプユニット40A〜40Dの内でY軸方向における中央に位置する二つのクランプユニット40B,40Cの下側クランプ部材42は、その上面がいずれもX軸方向に平行な二平面421,422(クランプ面)から構成されており、Y軸方向における両端部に位置する二つのクランプユニット40A,40Dの下側クランプ部材42は、その上面がX軸方向に平行な一平面421(クランプ面)から構成されている。
そして、これらのクランプユニット40A〜40Dの下側クランプ部材42の上面の各平面421,422は、図5に示すように、X軸方向から見て、上方に向かって凸となる円弧に沿って並ぶように配置されている。
また、それぞれの下側クランプ部材42は、支持ブロック44側の端部の上面を支持ブロック44の下面に当接させた状態で当該支持ブロック44にネジ441により取り付けられている。
各支持ブロック44は、いずれも、下側クランプ部材42におけるY軸方向一端部側の側端部を当接させる段部を備えている。また、支持ブロック44にはX軸方向に沿った長穴442が上下に貫通形成されており、当該長穴442にネジ441が上から挿通されて下側クランプ部材42のネジ穴に挿入されている。
従って、ネジ441を緩めて、下側クランプ部材42を支持ブロック44の下面及び段部に摺接させてX軸方向に沿って移動させ、任意の位置でネジ441を締結することにより、下側クランプ部材42の支持ブロック44に対する延出長さを調節することが可能である。
さらに、それぞれの下側クランプ部材42は、その延出端部のZ軸方向からみた形状が補強材C2の側縁部の形状に近似している。このため、縫製の際には、補強材C2の側縁部に沿った針落ち位置の近傍を保持することができる。
上側クランプ部材41は、板状部材であり、その下面側を下側クランプ部材42の上面に対向させた状態で押圧支持機構43を介して支持ブロック44に支持されている。
四つのクランプユニット40A〜40Dの内でY軸方向における中央に位置する二つのクランプユニット40B,40Cの上側クランプ部材41は、その下面がいずれもX軸方向に平行な二平面411,412(クランプ面)から構成されており、Y軸方向における両端部に位置する二つのクランプユニット40A,40Dの上側クランプ部材41は、その下面がX軸方向に平行な一平面411(クランプ面)から構成されている。
そして、これらのクランプユニット40A〜40Dの上側クランプ部材41の下面の各平面411,412は、図5に示すように、X軸方向から見て、上方に向かって凸となる円弧に沿って並ぶように配置されている。
さらに、クランプユニット40A〜40Dの上側クランプ部材41の下面の各平面411,412は、対向する下側クランプ部材42の上面の各平面421,422に個別に平行となっており、各上側クランプ部材41と各下側クランプ部材42とによって挟持したアッパーC1及び補強材C2を、前述した円弧を含む円周面に概ね沿った状態で保持することができる。
図7はクランプユニット40の側面図である。
押圧支持機構43は、上側クランプ部材41の上面にネジにより取り付けられた可動ブロック431と、支持ブロック44の上面に固定装備された基部432と、回動操作により上側クランプ部材41を下側クランプ部材42と対向する保持位置と下側クランプ部材42から離間した解放位置とに切り替える操作レバー433と、可動ブロック431を介して上側クランプ部材41を支持する回動腕434と、基部432と操作レバー433とを連結するリンク部材435とを備えている。
基部432は、X軸方向の一端部において回動腕434の一端部の下部に対してY軸回りに回動可能に連結され、X軸方向の他端部においてリンク部材435の一端部にY軸回りに回動可能に連結されている。
操作レバー433は、その一端部が回動腕434の一端部の上部に対してY軸回りに回動可能に連結され、その他端部は保持位置と解放位置との切り替えを行うための入力操作部となっている。さらに、操作レバー433の一端部近傍であって幾分他端部寄りの位置において、リンク部材435の他端部がY軸回りに回動可能に連結されている。
これにより、基部432と操作レバー433と回動腕434とリンク部材435とが四節リンク機構を構成している。
この構成において、操作レバー433の入力操作部を下方に回動させると、操作レバー433と回動腕434との連結点とリンク部材435と基部432との連結点を結ぶ直線よりも、操作レバー433とリンク部材435との連結点が下側となる。かかる状態で上側クランプ部材41と下側クランプ部材42との間にアッパーC1及び補強材C2をクランプしてその復元力で操作レバー433が押し戻されても、操作レバー433の入力操作部を上方に押し上げる方向に力が伝わらず、クランプ状態を維持することができる。
また、回動腕434にはX軸方向に沿った長穴434bが上下に貫通して形成されており、当該長穴434bに通されたネジ434aにより可動ブロック431と連結されている。従って、ネジ434aを緩めた状態で可動ブロック431をX軸方向に任意の位置に移動させ、ネジ434aを締結することでその位置に固定することができる。
つまり、上側クランプ部材41はX軸方向に任意に位置調節することができる。前述したように、下側クランプ部材42もX軸方向に位置調節可能であることから、上側クランプ部材41及び下側クランプ部材42を位置調節することで、これらの間にクランプ可能な幅を調節することができる。
支持ブロック44は、前述したように、その上面側で上側クランプ部材41を支持し、下面側で下側クランプ部材42を支持している。
さらに、この支持ブロック44は、上側クランプ部材41及び下側クランプ部材42の延出端部とは逆側の端部にフレーム31の平板面に当接する端面部を有しており、当該端面部を密接させた状態でフレーム31に支持されている。
フレーム31は、図6に示すように、Y軸方向に長尺であって略アーチ状に形成されている平板である。
そして、フレーム31には、四つのクランプユニット40A〜40Dを取り付けるために、湾曲した曲線としての円弧に沿った複数の直線からなる折れ線状の長穴である上側取付穴32,33と下側取付穴34,35とが上下に並んで貫通形成されている。
上側取付穴32,33は、フレーム31において、Y軸方向の一端部と他端部とに形成されており、いずれも二つの直線部321,322と331,332を有している。
そして、これらの直線部321,322,331,332は、いずれも、フレーム31の下方に中心位置が設定された共通の円弧A1に沿って形成されている。
また、下側取付穴34,35は、フレーム31において、Y軸方向の一端部と他端部とに形成されており、いずれも二つの直線部341,342と351,352を有している。
そして、これらの直線部341,342,351,352は、いずれも、フレーム31の下方に中心位置が設定された共通の円弧A2に沿って形成されている。また、この円弧A2は前述した円弧A1と同心であって当該円弧A1よりも小径に設定されている。
なお、上記上側取付穴32,33は二つに分断されているが、連結して一つの上側取付穴から構成しても良く、その場合には、より多くの直線部から構成しても良い。下側取付穴34,35についても同様である。
そして、各クランプユニット40A〜40Dの支持ブロック44は、フレーム31側の端面部に上下に並んで二つのネジ穴が形成され、上側取付穴32又は上側取付穴33と、下側取付穴34又は下側取付穴35とに、個別に挿通されたネジ36,37(図7参照)の締結によりフレーム31に固定される。
また、これらのネジ36,37を緩めることにより、各クランプユニット40は、上側取付穴32と下側取付穴34、又は、上側取付穴33と下側取付穴35に沿って位置調節が可能である。つまり、各クランプユニット40は、概ね円弧A1,A2に沿って位置調節可能である。さらに、二本の円弧A1,A2の中心に対して一定の姿勢を維持しつつ位置調節を行うことができる。
なお、支持ブロック44を上側取付穴又は下側取付穴のいずれかのみに対して一軸で取り付け、当該一軸回りに角度調節を可能としても良い。その場合、各クランプユニット40は、二本の円弧A1,A2の中心に対して一定の姿勢を維持しなくなるが、円弧に拘わらず、より多彩な形状に被縫製物を撓ませることが可能となる。
[第二のクランプ機構]
図8は第二のクランプ機構50の斜視図、図9は背面図である。
なお、この第二のクランプ機構50について前述した第一のクランプ機構30と共通する構成又は構造については同一の符号を付して重複する説明は省略し、主に、第一のクランプ機構30と異なる点について説明する。
第二のクランプ機構50は、Y軸方向に沿って順番に並んで配置され、アッパーC1とラベルC3をクランプする三つのクランプユニット60A〜60Cと、各クランプユニット60A〜60Cを支持するフレーム51とを備えている。
なお、上記三つのクランプユニット60A〜60Cの場合も、クランプユニット60として総称し、各クランプユニット60A〜60Cが有する各部の構成については同一の符号を使用して共通する内容について説明し、個々のクランプユニット60A〜60Cについて異なる点については個別に説明する。
第二のクランプ機構50の場合も、フレーム51の平板面に平行であってその長手方向に平行な方向をY軸方向、フレーム51の平板面に平行であってその長手方向に直交する方向をZ軸方向、フレーム51の平板面に垂直な方向をX軸方向として説明する。
クランプユニット60は、アッパーC1とラベルC3の上側に配置される上側クランプ部材61と、アッパーC1とラベルC3の下側に配置される下側クランプ部材62とからなる一対のクランプ部材と、上側クランプ部材61を下側クランプ部材62側に押圧する押圧支持機構43と、上側クランプ部材61及び下側クランプ部材62を支持する支持ブロック64とを備えている。
下側クランプ部材62は、板状部材であり、支持ブロック64からフレーム51とは逆側に向かって延出されている。
三つのクランプユニット60A〜60Cの内でY軸方向における中央に位置するクランプユニット60Bだけは、その下側クランプ部材62がY軸方向に沿って並んだ一対の下側クランプ部材621,622により構成されている。
また、全てのクランプユニット60A〜60Cの下側クランプ部材62,621,622は、その上面がX軸方向に平行な一平面(クランプ面)から構成されている。
そして、これらのクランプユニット60A〜60Cの下側クランプ部材62,621,622の上面の各平面は、X軸方向から見て、上方に向かって凸となる円弧に沿って並ぶように配置されている。
また、クランプユニット60A,60Cの二つは、下側クランプ部材62が支持ブロック64によりX軸方向に位置調節可能に支持されている点は第一のクランプ機構30と同様である。
一方、中央のクランプユニット60Bについては、一対の下側クランプ部材621,622が支持ブロック64によりY軸方向に沿って個別に位置調節可能に支持されている。
また、全てのクランプユニット60A〜60Cの下側クランプ部材62の延出端部の形状はラベルC3の側縁部の形状に近似している。
上側クランプ部材61は、板状部材であり、その下面側を下側クランプ部材62の上面に対向させた状態で押圧支持機構43を介して支持ブロック64に支持されている。
なお、中央に位置するクランプユニット60Bだけは、その上側クランプ部材61がY軸方向に沿って並んだ一対の上側クランプ部材611,612により構成されている。
全てのクランプユニット60の上側クランプ部材61,611,612は、その下面がX軸方向に平行な一平面(クランプ面)から構成されている。
そして、これらのクランプユニット60A〜60Cの上側クランプ部材61,611,612の下面の各平面は、X軸方向から見て、上方に向かって凸となる円弧に沿って並ぶように配置されている。
また、上側クランプ部材61,611,612の下面(クランプ面)が対向する下側クランプ部材62,621,622の上面に個別に平行となっている点は、第一のクランプ機構30と同様である。
また、各クランプユニット60は第一のクランプ機構30と同一の押圧支持機構43を備えているので、その説明は省略する。
但し、クランプユニット60A,60Cの二つは、押圧支持機構43により上側クランプ部材61がX軸方向に位置調節可能に支持されているが、中央のクランプユニット60Bについては、一対の上側クランプ部材611,612が押圧支持機構43によりY軸方向に沿って個別に位置調節可能に支持されている。
フレーム51は、図9に示すように、Y軸方向に長尺であって略アーチ状に形成されている平板である。
そして、フレーム51には、三つのクランプユニット60A〜60Cを取り付けるために、湾曲した曲線としての円弧に沿った複数の直線からなる長穴である上側取付穴52,53と下側取付穴54,55とが上下に並んで貫通形成されている。
上側取付穴52,53は、フレーム51において、Y軸方向の中央近傍に形成されており、いずれも、フレーム51の下方に中心位置が設定された共通の円弧A3に沿って形成されている。
また、下側取付穴54,55は、フレーム51において、Y軸方向の中央近傍に形成されており、いずれも、フレーム51の下方に中心位置が設定された共通の円弧A4に沿って形成されている。また、この円弧A4は前述した円弧A3と同心であって当該円弧A3よりも小径に設定されている。
なお、上記上側取付穴52,53は二つに分断されているが、連結して一つの上側取付穴から構成しても良く、その場合には、複数の直線部からなる折れ線状に形成しても良い。下側取付穴54,55についても同様である。
そして、クランプユニット60Aの支持ブロック64は、フレーム51側の端面部が、上側取付穴52と、下側取付穴54とに、個別に挿通された二つのネジ56(一方は図示略)の締結によりフレーム51に固定される。
また、クランプユニット60Cの支持ブロック64は、フレーム51側の端面部が、上側取付穴53と、下側取付穴55とに、個別に挿通された二つのネジ56(一方は図示略)の締結によりフレーム51に固定される。
これら二つのクランプユニット60A,60Cは、上側取付穴52と下側取付穴54、又は、上側取付穴53と下側取付穴55に沿って位置調節が可能であり、一定の姿勢を維持しつつ位置調節を行うことができる点は第一のクランプ機構30と同様である。
[軸線移動機構]
軸線移動機構80は、揺動機構70及び第一と第二のクランプ機構30,50を搭載するステージ81と、当該ステージ81を後述する揺動機構70の揺動軸線方向に沿って移動可能に支持する一対のスライドガイド82,82と、ステージ81の揺動軸線方向の移動の駆動源となる軸線移動モーター83と、軸線移動モーター83のトルクを揺動軸線方向の直動動作に変換するボールネジ機構84とを備えている。
スライドガイド82,82は、ミシンベッド部21の上面に揺動軸線方向に平行となるように固定装備されている。この揺動軸線方向は、ミシンベッド部21及びミシンアーム部23の長手方向と一致している。
各スライドガイド82,82は、ステージ81の下部に設けられた四つのスライダ821(図1及び図2では一つのみ図示)を介してステージ81を滑動可能としている。
ステージ81は矩形の枠体である。
ボールネジ機構84は、ステージ81の角部に設けられたボールナット841と、ボールナット841に挿通されると共に軸線移動モーター83の出力軸に連結されたボールネジ軸842とを備えている。
軸線移動モーター83は動作量が制御可能なモーターであれば特に制限は無いが、例えば、ステッピングモーターが使用される。
これらの構成により、軸線移動機構80は、ステージ81上の第一と第二のクランプ機構30,50に保持されたアッパーC1、補強材C2及びラベルC3を揺動軸線方向について任意に位置決めすることができる。
[揺動機構]
揺動機構70は、軸線移動機構80のステージ81に対して所定の揺動軸を中心に揺動可能に設けられた揺動枠体71と、揺動枠体71の揺動を案内する揺動ガイド72と、ステージ81上面に搭載され、揺動枠体71の揺動動作の駆動源となる揺動モーター73と、揺動モーター73のトルクを揺動枠体71に伝達する伝達機構74とを備えている。
揺動枠体71は、第一のクランプ機構30と第二のクランプ機構50とを、互いの一対のクランプ部材の延出方向が平行且つ対向するように固定支持している。例えば、第一のクランプ機構30と第二のクランプ機構50は、予め対向状態で連結し、揺動枠体71に設けられたトグル機構711によりこれらのクランプ機構30,50を固定支持する。
また、揺動枠体71は、ステージ81の下方に設けられた図示しない揺動軸により軸支されている。
そして、この揺動軸の軸線上に、固定支持している第一及び第二のクランプ機構30,50の上側クランプ部材の下面及び下側クランプ部材の上面が沿っている円弧の中心と、上側取付穴の円弧A1,A3及び下側取付穴の円弧A2,A4の中心が全て位置するように設定されている。
これにより、揺動枠体71が揺動を行っても、第一のクランプ機構30及び第二のクランプ機構50に保持されたアッパーC1、補強材C2及びラベルC3に対する縫い針や水平釜との距離を一定に維持することができる。
揺動ガイド72は、揺動枠体71に設けられた図示しないボス状の突起を挿入するガイド溝を有するガイド板である。ガイド溝は、揺動軸線を中心とする円弧状に形成され、揺動枠体71の揺動時における振動を抑えて安定的な揺動動作を維持する。
揺動モーター73は動作量が制御可能なモーターであれば特に制限は無いが、例えば、ステッピングモーターが使用される。
伝達機構74は、いわゆるベルト機構からなり、具体的には、揺動モーター73の出力軸に設けられた主動スプロケット741と、揺動枠体71の揺動軸に設けられた図示しない従動スプロケットと、主動スプロケット741と従動スプロケットとの間に掛け渡されたタイミングベルト742とを備えている。
これらの構成により、揺動機構70は、ステージ81上の第一と第二のクランプ機構30,50に保持されたアッパーC1、補強材C2及びラベルC3の揺動角度を任意に制御することができる。
[ミシンの制御系]
図3に示すように、制御装置90には、縫製に関する各種の設定や現在のミシンの状態を表示する表示パネル94と、表示パネル94に併設された各種の設定を行うための画面選択やコマンド、数値の入力を行うための設定入力手段としての設定スイッチ95と、縫製の開始を入力する操作ペダル98とが図示しない入出力回路を介して接続されている。
操作ペダル98は、踏み込み操作により、縫製動作の駆動指令を制御装置90に入力する手段である。つまり、操作ペダル98の踏み込みが行われると、制御装置90は縫製を開始する動作制御を行う。
設定スイッチ95からは、アッパーC1に補強材C2及びラベルC3を縫着する縫製を行うための各種のパラメータ、例えば、縫着縫製のための縫製パターンデータの設定、縫製パターンの選択、等の設定入力を作業者が行う。
また、制御装置90には、その制御の対象となるミシンモーター12,揺動モーター73,軸線移動モーター83がそれぞれ駆動回路12a,73a,83aを介して接続されている。
制御装置90は、各種の制御を行うCPU91と、ミシン100の動作制御を実行させる制御プログラム及び各種縫製データが書き込まれているメモリ92とを備えている。
上記メモリ92には、例えば、縫製パターンデータが格納されている。
縫製パターンデータは、補強材C2及びラベルC3を縫着する縫製パターンを構成する全ての針落ち位置を、揺動軸線方向の位置と揺動角度とからなる座標系に展開した位置座標データを含むデータである。
縫製パターンデータは、アッパーC1の靴サイズ及び靴の左右ごとに定められており、これらの縫製パターンデータの中から適宜選択することができる。
CPU91は、制御プログラムに従って、選択された縫製パターンデータを読み込み、縫製パターンを構成する各針落ち位置にアッパーC1、補強材C2及びラベルC3を位置決めするために、一針ごとの揺動モーター73及び軸線移動モーター83の動作量を算出し、ミシンモーター12に同期して一針ごとに揺動モーター73及び軸線移動モーター83を算出された動作量となるように駆動制御する。
[縫製準備及び縫製動作]
上記ミシン100のアッパーC1に対する補強材C2及びラベルC3の縫着縫製を行う際の準備作業から縫製作業までの流れを説明する。
まず、第一のクランプ機構30にアッパーC1の一端部及び補強材C2をセットし、第二のクランプ機構50にアッパーC1の他端部及びラベルC3をセットする。
即ち、第一のクランプ機構30の全てのクランプユニット40A〜40Dについて操作レバー433を起こして上側クランプ部材41を解放状態とする。そして、アッパーC1及び補強材C2の縫着の位置合わせを行った状態で重ね、下側クランプ部材42に載置し、操作レバー433を倒して、上側クランプ部材41と下側クランプ部材42とによりクランプする。
第二のクランプ機構50の各クランプユニット60A〜60Cについても同様にしてアッパーC1とラベルC3をクランプする。
そして、第一のクランプ機構30及び第二のクランプ機構50をトグル機構711により揺動機構70の揺動枠体71に装着する。
上記準備作業が終わり、ミシン100の設定スイッチ95から縫製パターンデータを選択すると、CPU91は揺動モーター73と軸線移動モーター83の一針ごとの動作量を算出する。
さらに、操作ペダル98により、縫製の開始が入力されると、CPU91は、ミシンモーター12の駆動を開始し、針棒の上下動に同期して毎針ごとに揺動モーター73と軸線移動モーター83を算出した動作量で駆動し、アッパーC1、補強材C2及びラベルC3を揺動及び軸線移動させて、縫製パターンデータに定められた針落ち位置に順番に針落ちを行う。
そして、縫製パターンデータに定められた全ての針落ち位置に針落ちが行われると、ミシンモーター12が停止され、縫製動作が完了する。
さらに、第一のクランプ機構30と第二のクランプ機構50とを揺動枠体71から外し、第一のクランプ機構30の全てのクランプユニット40A〜40Dについて上側クランプ部材41を解放状態とする。同様に、第二のクランプ機構50の全てのクランプユニット60A〜60Cを解放状態とする。
これにより、補強材C2及びラベルC3が縫着されたアッパーC1を取り外すことができ、一連の縫製動作が完了する。
[実施形態の効果]
以上のように、ミシン100の第一のクランプ機構30は、フレーム31が円弧に倣うように並んだ複数の直線に沿って形成された長穴状の取付穴32〜35を有し、四つのクランプユニット40A〜40Dをフレーム31の取付穴32〜35に沿って位置調節可能に取り付けている。
また、第二のクランプ機構50も、フレーム51が円弧に倣うように並んだ直線に沿って形成された長穴状の取付穴52〜55を有し、三つのクランプユニット60A〜60Cをフレーム51の取付穴52〜55に沿って位置調節可能に取り付けている。
これらにより、種々のサイズの曲面に対応できるように各クランプユニットを配置し、曲面に沿って被縫製物を保持することができ、各サイズに個別に対応する支持体を不要とすることが可能となる。特に、靴の縫製関しては、被縫製物のサイズが細かく分類されているが、第一及び第二のクランプ機構30,50では、クランプユニットの位置調節により、各種のサイズにも対応した被縫製物の保持が可能となり、特に有効である。
また、第一及び第二のクランプ機構30,50は、各クランプユニット40、60の上側クランプ部材41,61の下面と下側クランプ部材42,62の上面を一又は二の平面から形成したので、各クランプ部材を容易に加工することができる。特に、二以上の平面で形成した場合には、より曲面に近づけた状態で被縫製物を保持することができ、曲面形状の被縫製物に良好な縫製を行うことが可能となる。
また、第一及び第二のクランプ機構30,50における上側クランプ部材41,61及び下側クランプ部材42,62は、延出方向に沿って位置調節可能としている。
従って、各クランプ部材41,42,61,62の延出量を任意に調節でき、上側クランプ部材41,61と下側クランプ部材42,62とによるクランプ幅を調節することができる。従って、寸法の異なる各種の被縫製物について良好なクランプを行うことが可能となる。
また、ミシン100は、第一のクランプ機構30のフレーム31の上側取付穴32,33に沿った円弧A1と下側取付穴34,35に沿った円弧A2と第二のクランプ機構50のフレーム51の上側取付穴52,53に沿った円弧A3と下側取付穴54,55に沿った円弧A4の全ての中心に位置する軸線回りに、第一及び第二のクランプ機構30,50を揺動させる揺動機構70と、第一及び第二のクランプ機構30,50が揺動する軸線に沿って第一及び第二のクランプ機構30,50を移動させる軸線移動機構80と、これらを制御して被縫製物の任意の位置に針落ちを行う制御装置90とを備えている。
従って、揺動と直動の組み合わせにより、被縫製物の曲面に対してより正確に針落ちを行うことが可能となり、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、上記ミシン100では、縫製パターンデータ等により針落ち位置を順番に記憶しておけば、曲面上の縫製パターンについて自動縫製を行うことが可能となる。
また、ミシン100は、針棒と連動して上下動を行う中押さえ11を備えているので、揺動軸線移動及び揺動を行う被縫製物から針落ち後の縫い針をより確実に引き抜くことができ、被縫製物や縫い針の破損を防ぎ、良好な被縫製物の移動動作を行うことが可能となる。
[逃がしガイド]
また、被縫製物としてのアッパーC1を第一のクランプ機構30にセットしたときに垂下状態となる垂下部としてのつま先C11を有する場合、アッパーC1の真下には針落ち位置としてのポストベッド24が設けられており、つま先C11が干渉を生じるおそれがある。
従って、図10に示すように、第一のクランプ機構30のフレーム31につま先C11を揺動軸線方向における一方(この例ではフレーム31側)に寄せるための一対の逃がしガイド38,39を設けても良い。
この逃がしガイド38,39は、当該ガイド全体が、第一のクランプ機構30の揺動時にポストベッド24との干渉を回避するために、第一のクランプ機構30が揺動軸線方向におけるフレーム31側とは逆側に最も移動した状態において、ポストベッド24の揺動軸線方向におけるフレーム31側となる端面よりもさらにフレーム31側となるように配置されている。
これにより、縫製時において、つま先C11とポストベッド24との干渉の発生を低減することができ、良好な縫製を行うことが可能となる。
なお、上記逃がしガイド38,39は、フレーム側につま先C11を寄せる構造としたが、揺動軸線方向における逆側につま先C11を寄せる構造としても良い。
また、逃がしガイド38,39を棒状としたが板状としても良い。また、逃がしガイド38,39を二つ設ける場合を例示したが、一つのみ又は三つ以上設けても良い。
また、逃がしガイド38,39は、第一のクランプ機構30に限らず、第二のクランプ機構50に設けてもよい。
[突起部]
図11に示すように、ポストベッド24の上部の内側には釜14が内蔵され、ポストベッド24の上端部には、縫い針13による針落ちが行われる針落ち穴(図示略)が形成された針板15が設けられている。
そして、被縫製物である補強材C2やラベルC3は湾曲面に沿うように第一又は第二のクランプ機構30,50に保持されているので、補強材C2又はラベルC3と針板15との間には隙間が生じる。
その場合、中押さえ11が下降すると、隙間をつぶすように補強材C2又はラベルC3は下方に撓ませた状態で縫製が行われるので、良好な縫製ができなくなるおそれがある。
また、隙間を解消するために、補強材C2又はラベルC3を針板15に最大限に近接させると、第一又は第二のクランプ機構30,50の揺動時に針板15と補強材C2又はラベルC3が摺接してこれらがクランプ機構30,50からズレを生じたり、補強材C2又はラベルC3に傷を付けるおそれがある。
従って、中押さえ11を使用する場合には、針板15の針落ち位置の周辺に上方に突出した突起部16を設け、下降する中押さえ11と突起部16とにより上と下から補強材C2、ラベルC3を押さえて縫製を行うことがより望ましい。
このように、突起部16を設けることにより、補強材C2、ラベルC3の中押さえ11による下方への撓みを抑制し、湾曲面に近い状態を維持しつつ縫製を行うことができ、より良好な縫製を実現できる。
また、突起部16により、補強材C2、ラベルC3と針板15との摺接の発生を低減することが可能となる。
[その他]
第一及び第二のクランプ機構30,50にフレーム31,51に形成した上側取付穴32,33,52,53及び下側取付穴34,35,54,55は、一本又は二本の直線状としたが、より多くの直線状としても良いし、円弧又は円弧以外の曲線状としてもよい。
特に、被縫製物の形状が断面円弧状となる曲面以外の曲面である場合には、それぞれの取付穴を当該曲面の断面形状に応じた曲線状とすることが望ましい。
また、揺動機構70による揺動軸線の位置は、各取付穴が沿う円弧の中心が最も望ましいが、中心よりも円弧寄りとしても良い。
また、取付穴の形状が円弧状ではなく、いずれかに凹状となる形状とした場合には、当該凹状の内側に揺動軸線を配置しても良い。
また、上側クランプ部材の下面及び下側クランプ部材の上面は、一又は二以上の平面に限らず、一つの曲面で形成しても良い。これらを曲面とすることで被縫製物を曲面に沿わせた状態で保持することができ、より良好な縫製を行うことが可能となる。
また、第一のクランプ機構30及び第二のクランプ機構50において、クランプユニットの個体数は少なくとも二つ以上あれば良く、増減させてもよい。
また、各クランプ部材は板状である場合に限られない。例えば、上下のクランプ部材を一対の棒で構成しても良い。その場合、クランプユニットの個体数はより多くして、棒によるクランプ箇所をより多くすることが望ましい。
また、上記実施形態では、第一のクランプ機構30と第二のクランプ機構50の双方を使用して縫製を行う場合を例示したが、第一のクランプ機構30又は第二のクランプ機構50の一方のみをミシン100に装着して縫製を行うことも可能である。
なお、軸線移動機構80は、各クランプ機構30及び50を軸線方向に移動させているが、これに限らず、針棒を軸線方向に移動させる機構や針棒の下端部を軸線方向に沿って揺動させる針振り機構をミシン100に搭載しても良い。
11 中押さえ
15 針板
16 突起部
30 第一のクランプ機構
31 フレーム
32,33 上側取付穴
34,35 下側取付穴
38,39 逃がしガイド
40,40A〜40D クランプユニット
41 上側クランプ部材
42 下側クランプ部材
43 押圧支持機構
44 支持ブロック
50 第二のクランプ機構
51 フレーム
52,53 上側取付穴
54,55 下側取付穴
60,60A〜60C クランプユニット
61,611,612 上側クランプ部材
62,621,622 下側クランプ部材
64 支持ブロック
70 揺動機構
73 揺動モーター(駆動源)
80 軸線移動機構
83 軸線移動モーター(駆動源)
90 制御装置
100 ミシン
321,322,331,332 直線部
341,342,351,352 直線部
411,412,421,422 平面
611,612 上側クランプ部材
621,622 下側クランプ部材
A1〜A4 円弧
C1 アッパー(被縫製物)
C2 補強材(被縫製物)
C3 ラベル(被縫製物)
C11 つま先(垂下部)

Claims (8)

  1. 被縫製物をクランプする一対のクランプ部材と一対のクランプ部材を支持する支持ブロックとを有する複数のクランプユニットと、
    前記支持ブロックを取り付けるフレームとを備え、
    前記フレームが、湾曲した曲線又は当該湾曲した曲線に沿った複数の直線に沿って形成された一又は複数の長穴状の取付穴を有し、
    前記複数のクランプユニットを、前記フレームの取付穴に沿って位置調節可能に取り付けたことを特徴とするクランプ機構。
  2. 前記クランプ部材のクランプ面は、一又は複数の平面からなることを特徴とする請求項1記載のクランプ機構。
  3. 前記クランプ部材のクランプ面は、一つの曲面からなることを特徴とする請求項1記載のクランプ機構。
  4. 前記一対のクランプ部材は、前記支持ブロックに対して前記フレームとは逆側に延出され、
    前記支持ブロックは、前記一対のクランプ部材をその延出方向に沿って位置調節可能に支持していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のクランプ機構。
  5. 前記クランプ部材にクランプされた被縫製物から垂下する垂下部を針落ち位置から逃がすための逃がしガイドを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のクランプ機構。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のクランプ機構を、前記フレームの取付穴の湾曲した曲線の内側に位置する軸線回りに揺動させる揺動機構と、
    前記クランプ機構の揺動する軸線に沿って当該クランプ機構と針棒を相対的に移動させる軸線移動機構と、
    前記揺動機構の駆動源と前記軸線移動機構の駆動源とを制御して前記被縫製物の任意の位置に針落ちを行う制御装置とを備えることを特徴とするミシン。
  7. 前記針棒と連動して上下動を行う中押さえを備えることを特徴とする請求項6に記載のミシン。
  8. 針落ちが行われる針板を備え、
    前記針板の針落ち位置に、下降する前記中押さえと協働して前記被縫製物を上と下から押さえる突起部を設けたことを特徴とする請求項7に記載のミシン。
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