JP2010220928A - 穴かがりミシン及び縫製パラメータの算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種類のカッターを装着して使用する場合における操作者の操作労力負担を低減できる穴かがりミシン及び縫製パラメータの算出方法を提供する。
【解決手段】カッターセンサ105がカッター51の後方側端部位置と前方側端部位置を検出し、その検出したカッター51の位置に応じて、制御装置5がカッター51のカッター寸法を算出するとともに、カッター51の前方側端部位置と出荷時の設定位置とに基づき、カッターY位置補正を算出する。この結果、操作者が異なる種類のカッター51を装着する都度、手動操作で縫製プログラムの変更やカッター寸法やカッターY位置補正の入力を行ったり試し縫製を実行する必要がない。
【選択図】図5
【解決手段】カッターセンサ105がカッター51の後方側端部位置と前方側端部位置を検出し、その検出したカッター51の位置に応じて、制御装置5がカッター51のカッター寸法を算出するとともに、カッター51の前方側端部位置と出荷時の設定位置とに基づき、カッターY位置補正を算出する。この結果、操作者が異なる種類のカッター51を装着する都度、手動操作で縫製プログラムの変更やカッター寸法やカッターY位置補正の入力を行ったり試し縫製を実行する必要がない。
【選択図】図5
Description
本発明は、加工布に穴かがり縫目を形成する穴かがりミシン及びその縫製パラメータの算出方法に関する。
一般に穴かがりミシンは、加工布を布送りする布送り手段と、加工布に穴かがり縫目を形成する縫製手段と、加工布を切断してボタン穴を形成するボタン穴形成手段とを有している。布送り手段は、加工布を布送りし、縫製手段は縫針を上下動させる。穴かがりミシンは、布送り手段及び縫製手段とで布送り方向を長軸方向とする穴かがり縫目を形成する。
このような穴かがりミシンにおいては、穴かがり縫目の縫製態様を規定するパラメータ(穴かがり縫目の形状やサイズ等)や、ボタン穴を形成するカッターの下降動作態様を規定するためのパラメータ(カッター寸法等)等の複数のパラメータの設定を行う必要がある(例えば、特許文献1参照)。制御手段は、これら複数のパラメータに基づいて縫製データとボタン穴データ等を演算し、この演算したデータに基づいて布送り手段、縫製手段、ボタン穴形成手段を縫製プログラムに基づき駆動制御する。
上記従来技術の穴かがりミシンにおいて複数種類のカッターを装着して使用する場合、カッターの寸法や形状によって加工布への切断位置が異なることから、操作者は異なる種類のカッターを装着する都度、そのカッターの種類に応じて上記パラメータや縫製プログラムを手動操作にて変更する必要があった。さらに、ミシンの機械的破損や縫製不具合の発生防止のためには、慎重を期すため上記パラメータやプログラムの変更を行った上で試し縫製を行う必要があった。このため、複数種類のカッターを装着して使用する場合における操作者の操作労力負担が多大となっていた。
本発明の目的は、複数種類のカッターを装着して使用する場合における操作者の操作労力負担を低減できる穴かがりミシン及び縫製パラメータの算出方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明の穴かがりミシンは、加工布を布送りする布送り手段と、上下動する縫針を備え、加工布に穴かがり縫目を形成する縫製手段と、加工布を切断してボタン穴を形成するカッター、及び、前記カッターを着脱可能な支持部材を有するボタン穴形成手段とを備えた穴かがりミシンにおいて、前記カッターの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段で検出した前記カッターの位置に基づき、前記布送り手段、前記縫製手段、及び前記ボタン穴形成手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本願第1発明の穴かがりミシンは、布送り手段と、縫製手段と、ボタン穴形成手段とを有する。制御手段の制御に基づき、布送り手段が加工布を布送りし、縫製手段が縫針を上下動させ加工布に穴かがり縫目を形成することにより、布送り方向を長軸方向とする穴かがり縫目を形成する。また、制御手段の制御に基づき、ボタン穴形成手段がカッターを用いて加工布を切断することにより、ボタン穴を形成する。
複数種類のカッターを支持部材に装着して使用する場合、カッターの寸法や形状によって加工布への切断位置が異なる。ミシンの機械的破損や縫製不具合の発生防止のためには、カッターの種類に応じ、縫製手段及び布送り手段の協働による穴かがり縫目の縫製態様やボタン穴形成手段によるカッター下降動作態様を変更する必要がある。
本願第1発明では、位置検出手段がカッターの位置を検出し、その検出したカッターの位置に応じて、制御手段が、布送り手段、縫製手段、及びボタン穴形成手段を制御する。これにより、装着されたカッターの位置に応じて、自動的に穴かがり縫目の縫製態様やカッター下降動作の態様を変更することが可能となる。この結果、操作者が異なる種類のカッターを装着する都度、手動操作で縫製プログラムの変更やカッター寸法の入力を行ったり試し縫製を実行する必要がなく、操作労力負担を低減できる。
第2発明の穴かがりミシンは、上記第1発明において、前記位置検出手段は、前記布送り手段の布送り方向に沿った前記カッターの一方側端部位置と他方側端部位置とを、それぞれ検出することを特徴とする。
本願第2発明の穴かがりミシンでは、位置検出手段がカッターの一方側・他方側端部位置を検出する。これにより、それら2つの端部位置の検出結果により、布送り方向に沿ったカッターの寸法を算出し、その寸法に応じて、制御手段が、布送り手段、縫製手段、及びボタン穴形成手段を制御可能となる。これにより、穴かがり縫目の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。
第3発明の穴かがりミシンは、上記第2発明において、前記位置検出手段を、前記カッターと相対変位可能に前記布送り手段に設けたことを特徴とする。
本願第3発明の穴かがりミシンでは、位置検出手段を布送り手段に設ける。布送り手段は、加工布を布送りするものであり、ミシン機枠に対して送り方向に進退可能である。この結果、この布送り手段に位置検出手段として1つのセンサを設けそのセンサを送り方向に進退させるだけで、布送り方向に沿ったカッターの一方側端部位置及び他方側端部位置の両方を検出することができる。
第4発明の穴かがりミシンは、上記第3発明において、前記位置検出手段の検出結果に応じ、前記布送り方向に沿った前記カッターの寸法を算出する寸法算出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記寸法算出手段が算出した寸法に基づき、前記布送り手段、前記縫製手段、及び前記ボタン穴形成手段を制御することを特徴とする。
本願第4発明の穴かがりミシンでは、寸法算出手段を設け、布送り方向に沿ったカッターの寸法を算出する。これにより、その算出した寸法に応じて、制御手段が、布送り手段、縫製手段、及びボタン穴形成手段を制御し、穴かがり縫目の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。
第5発明の穴かがりミシンは、上記第3又は第4発明において、前記位置検出手段の検出結果に応じ、前記カッターの取付誤差を補正するための補正値を算出する補正値算出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記補正値算出手段が算出した補正値に基づき、前記布送り手段、前記縫製手段、及び前記ボタン穴形成手段を制御することを特徴とする。
本願第5発明の穴かがりミシンでは、補正値算出手段を設け、カッターの取付誤差を補正するための補正値を算出する。制御手段は、その補正値を用いて取付誤差の補正を実行し、布送り手段、縫製手段、及びボタン穴形成手段を制御することにより、穴かがり縫目の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。
上記目的を達成するために、第6発明の縫製パラメータの算出方法は、加工布を布送りしつつ穴かがり縫目を形成するとともに、前記加工穴をカッターで切断しボタン穴を形成する穴かがりミシンで用いる縫製パラメータの算出方法において、前記カッターの位置を検出し、その検出結果に応じて、前記布送り方向に沿った前記カッターの寸法と、前記カッターの取付誤差を補正するための補正値とを算出することを特徴とする。
穴かがりミシンは、縫製パラメータを用いた制御により、加工布を布送りしつつ、布送り方向を長軸方向とする穴かがり縫目を形成する。また、カッターを用いて加工布を切断し、ボタン穴を形成する。
ミシンに対し複数種類のカッターを使用する場合、カッターの寸法や形状によって加工布への切断位置が異なる。ミシンの機械的破損や縫製不具合の発生防止のためには、カッターの種類に応じ、穴かがり縫目の縫製態様やカッター下降動作態様を変更する必要がある。
本願第6発明の縫製パラメータの算出方法では、カッターの位置の検出結果に基づき、布送り方向に沿ったカッターの寸法を算出するとともに、カッターの取付誤差を補正するための補正値を算出する。これにより、複数種類のカッターを使用する場合でも、各カッターの位置検出結果により算出した寸法や補正値に応じた縫製パラメータを用いて、穴かがり縫目の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。この結果、操作者が、手動操作で縫製プログラムの変更やカッター寸法の入力を行ったり、試し縫製を実行する必要がなく、操作労力負担を低減できる。
本発明によれば、複数種類のカッターを装着して使用する場合における操作者の操作労力負担を低減することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、加工布に、例えば図8に示す穴かがり縫目60を形成するとともに、その穴かがり縫目60の内側にボタン穴65を形成するいわゆるボタン穴用の穴かがりミシンに本発明を適用した場合の例である。なお、以下の説明において穴かがりミシンの前後及び左右の方向は、図1及び図3等の矢印に示す方向とする。
図1に示すように、穴かがりミシンMは、ミシンテーブル1と、このミシンテーブル1に設けられたミシンモータ2と、そのミシンモータ2を含む各駆動部(後述)を起動又は停止させるための足踏ペダル3と、穴かがり縫目60の形状とサイズ等を規定する複数のパラメータ等(後述)を入力設定するための操作パネル4と、各駆動部を駆動制御する制御装置5等を有している。
また穴かがりミシンMは、ベッド部6、脚柱部7、及びアーム部8を有するミシン本体100を有している。このミシン本体100は、図2乃至図4に示すように、加工布を前後に布送りする布送り機構10(布送り手段に相当)と、上下動する縫針32を備え、加工布に穴かがり縫目60を形成する縫製機構30(縫製手段に相当)と、加工布を切断してボタン穴65を形成するカッター51及びこのカッター51を着脱可能なカッターホルダ52(支持部材に相当)を有するボタン穴形成機構50(ボタン穴形成手段に相当)と、カッター51の位置を検出するカッターセンサ105(位置検出手段に相当)を有している。上記の制御装置5(制御手段に相当)は、カッターセンサ105で検出したカッター51の位置に基づき、布送り機構10、縫製機構30、及びボタン穴形成機構50を制御する(詳細は後述)。
図3に示すように、布送り機構10は、送り台11と、押え足12と、ステッピングモータ13等を有している。布送り機構10は、加工布を押え足12で送り台11に押さえた状態で、ステッピングモータ13により送り台11と押え足12を一体的に前後に駆動することで、加工布についても一体的に前後に布送りする。ベッド部6の上面部分にはめ込まれた左右一対の案内板14は、前後に長い板状に形成した送り台11を前後に移動可能にガイドする。送り台11は、その前端部に、穴かがり縫目60及びボタン穴65を形成するための針穴11aを有している。
送り台11の後端部下面側には可動部材15が連結している。その可動部材15の後側に前後に長い連結ロッド16を介して可動部材17が連結している。この可動部材17に、押え足12を前端部に取り付けた押え腕18の後端部が左右軸心回りに枢支している。布送り機構10は、付勢部材(図示略)により押え腕18を介して押え足12を下方へ付勢し、足踏ペダル3の操作で駆動する押え昇降機構(図示略)により、押え腕18と一体的に押え足12が昇降する。なお、この押え昇降機構は、足踏みペダル3の操作量に応じて押え足12の昇降とその高さ調節を可能に駆動制御する布押え用ステッピングモータ22(図7参照)を有している。
連結ロッド16は、可動部材15,17の左端部を挿通して前後に延びている。1対の軸受19は、可動部材15の前側,可動部材17の後側において、連結ロッド16を前後移動自在に支持している。前後に長いロッド20は、連結ロッド16の右側においてミシン機枠に固定している。可動部材17の右端部は、軸受17aを介してロッド20を前後移動自在に支持している。駆動プーリ13aは、ステッピングモータ13の出力軸に固着している。従動プーリ(図示略)は、駆動プーリ13aの後方においてミシン機枠に枢支しており、これら両プーリが無端状のベルト21を掛け渡している。このベルト21の一部に可動部材17が連結しており、ステッピングモータ13が駆動すると、ベルト21を介して可動部材15,17と送り台11と押え足12が前後に一体的に駆動する。
図2、図4に示すように、縫製機構30は、針棒31、縫針32、糸調子機構34、天秤35等を有する。縫針32は、針棒31の下端に装着している。糸調子機構34は、上糸供給源(図示略)から縫針32に至る上糸供給経路において上糸33に張力を付与する。天秤35は、糸調子機構34と縫針32との間に設け、上糸33を引き締める。ミシンモータ2は、針棒上下動機構(図示略)を駆動する。前記針棒上下動機構は、針棒31及び縫針32を上下に往復駆動する。糸捕捉器(図示略)は、ベッド部6内に設けている。前記糸捕捉器(図示略)は、送り台11の下側にて上下動する縫針32付近における上糸33を捕捉しボビン(図示略)から伸びる下糸と交絡させて縫目を形成する。
針棒左右揺動用ステッピングモータ36(第2アクチュエータに相当。図9参照)は、針棒31を左右揺動させる駆動力を発生する。穴かがりミシンMは、針棒31が左右に揺動駆動し、且つ布送り機構10が前後に加工布を布送りすることで、加工布に左右幅のある穴かがり縫目60を縫製する。天秤35はミシンモータ2により駆動する針棒上下動機構と大部分が共通の天秤駆動機構(図示略)により上下に往復駆動し、上昇する天秤35が上糸33を引っ張り、糸調子機構34により上糸33に摩擦抵抗を作用させて張力を付与し、加工布に形成する縫目を引締める。
図4に示すように、糸調子機構34は、第1糸調子皿40、第2糸調子皿41と補助糸調子皿42とを有する。糸案内部材33a,33bは、上糸供給源の上糸33を第1糸調子皿40に案内する。第1糸調子皿40を経由した上糸33は、補助糸調子皿42、第2糸調子皿41、糸案内部材33c、天秤35、案内部材33d,33eの順に経由して縫針32に至る。第1糸調子皿40と補助糸調子42は、常時上糸33に張力を付与する張力付与状態にある。第1糸調子皿40は、張力付与状態と張力開放状態に切換え可能である。該切換えは、糸ゆるめ用ソレノイド45(図9参照)を有する張力切換え機構(図示略)で行う。
図2及び図3に示すように、穴かがりミシンMは、カッターセンサ105を布送り機構10の押え腕18に設けている。カッターセンサ105はカッター51と相対変位可能な構成となっている。このカッターセンサ105は、図示しない投光部と受光部を有する反射式の光学センサである。投光部は可視光線若しくは赤外線等の信号光を発射する。受光部は、検出物体(この場合はカッター51)が反射した投光部の信号光を検出する。カッターセンサ105は、受光部の検出結果に基づいて出力信号を出力する。この出力信号は、例えばカッター51を検出した場合にONとなり、カッター51を検出しなくなるとOFFとなる。なお、カッターセンサ105としては上記反射式に限らず透過型の光学センサを用いてもよいし、例えば機械式センサや超音波センサ等の光学センサ以外のセンサを用いてもよい。また、上記ではカッターセンサ105を押え腕18に設けるようにしたが、布送り機構10のその他の部位、例えば押え足12等に設けるようにしてもよい。
カッターセンサ105は、布送り機構10の布送り方向に沿ったカッター51の一方側端部位置と他方側端部位置とをそれぞれ検出する。制御装置5は、このカッターセンサ105の検出結果に応じ、布送り方向に沿ったカッター51の寸法(以下適宜「カッター寸法」と称する)を算出すると共に、カッター51のY方向の取付誤差を補正するためのカッターY位置補正(後述の図8参照)を算出する。
次に、図5及び図6を用いて、カッターセンサ105によりカッター51の一方側端部位置と他方側端部位置とを検出する際の布送り機構10の動作を説明する。図5はカッター寸法が小さめのカッター51を使用する場合を表している。まず図5(a)に示すように、送り用ステッピングモータ13により送り台11と押え足12を取り付けた押え腕18とが原点位置に移動する。この原点位置においては、図5(a)に示すようにカッターセンサ105はカッター51の後方に位置する。次に、送り用ステッピングモータ13の駆動により、送り台11、押え足12、及び押え腕18が一体的に前方向に移動する。このとき、制御装置5は、送り用ステッピングモータ13を1パルス駆動させるごとにカッターセンサ105の検出信号を確認する。そして、図5(b)に示すようにカッターセンサ105がカッター51の後方側端部位置を検出すると、制御装置5はその位置を記憶する。その後も同様に送り用ステッピングモータ13の駆動により、送り台11、押え足12、及び押え腕18が一体的に前方向に移動し、図5(c)に示すようにカッターセンサ105がカッター51の前方側端部位置を検出すると、制御装置5はその位置を記憶する。これにより、制御装置5は、記憶したカッター51の後方側端部位置と前方側端部位置とに基づきカッター51のカッター寸法を算出するとともに、カッター51の前方側端部位置と出荷時の設定位置とに基づき、上記カッターY位置補正を算出する。
図6はカッター寸法が大きめのカッター51を使用する場合を表している。まず図6(a)に示すように、送り台11と押え足12を取り付けた押え腕18とが原点位置に移動する。この原点位置においては、図6(a)に示すようにカッターセンサ105はカッター51の後方に位置する。次に、送り用ステッピングモータ13の駆動により、送り台11、押え足12、及び押え腕18が一体的に前方向に移動する。そして、図6(b)に示すようにカッターセンサ105がカッター51の後方側端部位置を検出すると、制御装置5はその位置を記憶する。その後も同様に送り用ステッピングモータ13の駆動により、送り台11、押え足12、及び押え腕18が一体的に前方向に移動し、図6(c)に示すようにカッターセンサ105がカッター51の前方側端部位置を検出すると、制御装置5はその位置を記憶する。これにより、制御装置5は上記と同様にしてカッター51のカッター寸法及びカッターY位置補正を算出する。
次に、穴かがりミシンMの制御系について説明する。図7に示すように、制御装置5は、CPU5a、ROM5b、RAM5c、不揮発性メモリ5gを主要部とするマイクロコンピュータと、入力インタフェース5dと、出力インタフェース5eとを備え、それらをバス5fで接続している。入力インタフェース5dは、ペダル位置検出センサ3aと、操作パネル4と、各種原点センサ101〜104とに接続している。ペダル位置検出センサ3aは、足踏ペダル3の操作状態に応じた信号を出力する。出力インタフェース5eは、ミシンモータ2、ステッピングモータ13,22,36,91、ソレノイドアクチュエータ45,81を駆動する為の駆動回路70〜76に駆動信号を出力すると共に、操作パネル4へも表示状態等の制御信号を出力する。
上記各種原点センサ101〜103は、送り用原点センサ101、布押え用原点センサ102、針棒左右揺動用原点センサ103、カッター進退用原点センサ104である。送り用原点センサ101は、送り用ステッピングモータ13の原点を検出する。布押え用原点センサ102は、布押え用ステッピングモータ22の原点を検出する。針棒左右揺動用原点センサ103は、針棒左右揺動用ステッピングモータ36の原点を検出するこれらの原点センサとしては、例えば各ステッピングモータに設けたロータリーエンコーダまたは光学センサ等の公知のセンサを用いる。不揮発性メモリ5gは、これらの原点センサ101〜103が検出した原点位置を不揮発的に記憶する。
制御装置5のROM5bには、操作パネル4を用いて穴かがり縫目60の形状やサイズ等を規定する複数のパラメータの設定を行う為の設定処理プログラムと、この設定されたパラメータに基づいて縫製データ(針落ちデータ)等を演算処理する演算処理プログラムと、カッターセンサ105によるカッター51の位置検出結果に応じて、布送り方向に沿ったカッター51の寸法、及びカッター51の取付誤差を補正するための補正値(カッターY位置補正)を算出する縫製パラメータの算出方法を実行する縫製パラメータ算出プログラム(後述の図9参照)と、演算されたデータに基づいて布送り機構10、縫製機構30、ボタン穴形成機構50等を駆動制御する制御プログラムが格納されている。
図8は、穴かがり縫目60を形成する際に設定する必要があるパラメータ項目を説明するための図である。図8に示すように、本実施形態では、設定する必要があるパラメータは、往千鳥部61及び復千鳥部62の長軸方向(図8中上下方向)長さである千鳥縫い長さA(mm)、前閂止め部63の長軸方向長さである前閂止め長さD1(mm)、奥閂止め部64の長軸方向長さである奥閂止め長さD2(mm)、ボタン穴65の手前側位置と前閂止め部63との隙間である前カッタースペースYE(mm)とボタン穴65の奥側位置と奥閂止め部64との隙間である奥カッタースペースYS(mm)とを加えたカッターYスペースと、ボタン穴65と往千鳥部61又は復千鳥部62との隙間であるカッターXスペースと、カッター51のX方向の取付誤差を補正するためのカッターX位置補正を含んでいる。前述したパラメータは、上記設定処理プログラムに基づいて、操作者が操作パネル4を用いて設定することが可能である。なお、カッター51の長手方向寸法であるカッター寸法S(mm)、及びカッター51のY方向の取付誤差を補正するためのカッターY位置補正については、前述したように制御装置5がカッターセンサ105の検出結果に応じて算出するため、操作者による手動設定は不要となっている。
図9は、カッターセンサ105によりカッター51の位置検出を行う際に、制御装置5が前述した縫製パラメータ算出プログラムに基づき実行する制御内容を表すフローチャートである。なお、制御装置5は、送り台11、押え足12、及び押え腕18を前述した原点位置に移動した状態で本フローを開始する。
ステップS5では、カッターセンサ105の送り台11に対する相対位置を表すY座標の値を、原点位置に相当する0(mm)にする。
ステップS10では、駆動回路71に制御信号を出力し、送り用ステッピングモータ13を1パルス駆動させて、送り台11、押え足12、及び押え腕18を一体的に前方向に移動する。なお、このときのステッピングモータ13の1パルス分に相当するカッターセンサ105の移動量は例えば0.05mm程度である。なお、この移動量は一例であり装置仕様等に応じ適宜変わるものである。
ステップS15では、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加える。
ステップS20では、カッターセンサ105からの出力信号がONであるか否か(言い換えるとカッター51の後方側端部位置を検出したか否か)を判定する。カッターセンサ105からの出力信号がOFFである場合(ステップS20でNO)、ステップS25に移り、カッターセンサ105のY座標が50(mm)であるか否かを判定する。なお、この50(mm)という値は、本実施形態では装置仕様上、カッターセンサ105が50mm移動する間に通常であればカッター51を検出すると考えられることから設定された値であるが、この数値は一例であり装置仕様等に応じ適宜変更してもよい。カッターセンサ105のY座標が50(mm)でない場合(ステップS25でNO)、上記ステップS10に戻り、送り台11、押え足12、及び押え腕18の前方向への移動を継続する。一方、カッターセンサ105のY座標が50(mm)である場合(ステップS25でYES)、ステップS30に移り、エラー処理(例えば操作パネル4へのエラー表示又はブザー等)を実行する。そして、本フローを終了する。一方、上記ステップS20において、カッターセンサ105からの出力信号がONである場合(ステップS20でYES)、ステップS35に移る。
ステップS35では、このときのカッターセンサ105のY座標をカッター51の後方側端部位置Aとして適宜の記憶手段(例えばRAM5c等)に記憶する。
ステップS40では、上記ステップS10と同様に、駆動回路71に制御信号を出力し、送り用ステッピングモータ13を1パルス駆動させて、送り台11、押え足12、及び押え腕18を一体的に前方向に1パルス分(0.05mm程度)移動する。
ステップS45では、上記ステップS15と同様に、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加える。
ステップS50では、カッターセンサ105からの出力信号がOFFであるか否か(言い換えるとカッター51の前方側端部位置を検出したか否か)を判定する。カッターセンサ105からの出力信号がONである場合(ステップS50でNO)、ステップS55に移り、カッターセンサ105のY座標が50(mm)であるか否かを判定する。カッターセンサ105のY座標が50(mm)でない場合(ステップS55でNO)、上記ステップS40に戻り、送り台11、押え足12、及び押え腕18の前方向への移動を継続する。一方、カッターセンサ105のY座標が50(mm)である場合(ステップS55でYES)、前述したステップS30に移り、エラー処理(例えば操作パネル4へのエラー表示又はブザー等)を実行する。そして、本フローを終了する。一方、上記ステップS50において、カッターセンサ105からの出力信号がOFFである場合(ステップS50でYES)、ステップS60に移る。
ステップS60では、このときのカッターセンサ105のY座標をカッター51の前方側端部位置Bとして適宜の記憶手段(例えばRAM5c等)に記憶する。
ステップS65では、上記記憶したカッター51の両端部位置A,Bに基づき、前方側端部位置Bから後方側端部位置Aを減ずることによりカッター51のカッター寸法を算出するとともに、カッター51の前方側端部位置Bから出荷時の設定位置である49(mm)を減ずることにより、カッター51のY方向の取付誤差を補正するためのカッターY位置補正を算出する。なお、上記設定位置49(mm)は一例であり装置仕様等に応じ適宜変わるものである。
ステップS70では、駆動回路71に制御信号を出力し、送り用ステッピングモータ13を駆動させて、送り台11、押え足12、及び押え腕18を原点位置に移動する。以上により本フローを終了する。
上記において、ステップS65は、特許請求の範囲に記載の布送り方向に沿ったカッターの寸法を算出する寸法算出手段を構成すると共に、カッターの取付誤差を補正するための補正値を算出する補正値算出手段を構成する。
図10は、上記制御により算出されたカッター寸法及びカッターY位置補正の具体例を表す図である。この例では、ケース1はカッター寸法が小さめ、ケース2はカッター寸法が中程度、ケース3,4はカッター寸法が大きめのカッター51の場合であり、ケース1,2,3ではカッター51のY方向の取付誤差はないが、ケース4のみ取付誤差を有している。
以上説明した実施形態の穴かがりミシンMでは、以下のような作用効果を得る。すなわち、複数種類のカッター51をカッターホルダ52に装着して使用する場合、カッター51の寸法や形状によって加工布への切断位置が異なる。ミシンMの機械的破損や縫製不具合の発生防止のためには、カッター51の種類に応じ、縫製機構30及び布送り機構10の協働による穴かがり縫目60の縫製態様やボタン穴形成機構50によるカッター下降動作態様を変更する必要がある。
本実施形態では、カッターセンサ105がカッター51の位置を検出し、その検出したカッター51の位置に応じて、制御装置5が、布送り機構10、縫製機構30、及びボタン穴形成機構50を制御する。これにより、装着されたカッター51の位置に応じて、自動的に穴かがり縫目60の縫製態様やカッター下降動作の態様を変更することができる。この結果、操作者が異なる種類のカッター51を装着する都度、手動操作で縫製プログラムの変更やカッター寸法の入力を行ったり試し縫製を実行する必要がなく、操作労力負担を低減できる。
また、本実施形態では特に、カッターセンサ105がカッター51の後方側・前方側端部位置を検出する。これにより、それら2つの端部位置の検出結果により、布送り方向に沿ったカッター51の寸法を算出し、その寸法に応じて、制御装置5が、布送り機構10、縫製機構30、及びボタン穴形成機構50を制御可能となる。これにより、穴かがり縫目60の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。
また、本実施形態では特に、カッターセンサ105を布送り機構10に設ける。布送り機構10は、加工布を布送りするものであり、ミシン機枠に対して送り方向に進退可能である。この結果、この布送り機構10にカッターセンサ105として1つのセンサを設けそのセンサ105を送り方向に進退させるだけで、布送り方向に沿ったカッター51の一方側端部位置及び他方側端部位置の両方を検出することができる。
また、本実施形態では特に、カッターセンサ105で検出したカッター51の後方側端部位置と前方側端部位置とに基づき、布送り方向に沿ったカッター51の寸法を算出する。これにより、その算出した寸法に応じて、制御装置5が、布送り機構10、縫製機構30、及びボタン穴形成機構50を制御し、穴かがり縫目60の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。
また、本実施形態では特に、カッターセンサ105で検出したカッター51の前方側端部位置と出荷時の設定位置とに基づき、カッター51の取付誤差を補正するための補正値を算出する。制御装置5は、その補正値を用いて取付誤差の補正を実行し、布送り機構10、縫製機構30、及びボタン穴形成機構50を制御することにより、穴かがり縫目60の縫製態様やカッター下降動作の態様を最適化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)カッター51を移動させてカッター51の位置検出を行う場合
上記実施形態では、布送り機構10によりカッターセンサ105側を移動させることによりカッター51の位置検出を行うようにしたが、これに限られず、カッター51をミシン機枠に対して移動可能な構成とし、カッターセンサ105を停止した状態でカッター51を移動させることにより位置検出を行うようにしてもよい。
上記実施形態では、布送り機構10によりカッターセンサ105側を移動させることによりカッター51の位置検出を行うようにしたが、これに限られず、カッター51をミシン機枠に対して移動可能な構成とし、カッターセンサ105を停止した状態でカッター51を移動させることにより位置検出を行うようにしてもよい。
図11は、本変形例の穴かがりミシンMのボタン穴形成機構50の全体構造を斜め上方向から見た斜視図であり、図12は斜め下方向から見た斜視図である。図11及び図12に示すように、ボタン穴形成機構50は、カッター51を上下動させるためのカッター駆動用ソレノイド81を備えたカッター上下動駆動機構80と、カッター51を進退させるためのカッター進退用ステッピングモータ91を備えたカッター進退駆動機構90とを有している。
カッター上下動駆動機構80は、カッター駆動用ソレノイド81の他に、筒部材82と、カッターガイド部材98と、第1カッター取付軸53と、第1軸保持部材83と、第1上下動リンク機構84とを有している。第1カッター取付軸53は、筒部材82内に挿通し、且つ筒部材82内で周方向に回動可能である。第1軸保持部材83は、筒部材82の略中間部において該筒部材82を支持する。筒部材82は、下端にカッターガイド部材98を固定している。カッターガイド部材98は、板状の部材で形成し下面に後述するレール部98aを有している。
第1上下動リンク機構84は、カッター駆動用ソレノイド81の駆動により第1軸保持部材83を上下動させる。第1上下動リンク機構84は、略L字形状のカッター作動腕85と、このカッター作動腕85の前端部分を上方へ付勢するバネ部材86とを有している。支持軸85aは、カッター作動腕85をミシン機枠に対し軸心回りに揺動可能に支持する。カッター作動腕85は、その前端部が第1軸保持部材83に回動可能に連結している。カッター作動腕85の後上端部は、カッター駆動用ソレノイド81から前方へ突出したプランジャ81aに回動可能に連結している。
カッター上下動駆動機構80は、カッター駆動用ソレノイド81のプランジャ81aが突出/退避することで、カッター作動腕85、第1軸保持部材83、筒部材82、第1カッター取付軸53、及びカッターガイド部材98を介して後述するカッター51を上下動させることができる。
カッター進退駆動機構90は、カッター進退用ステッピングモータ91の他に回転リンク機構92と、変換機構95とを有している。回転リンク機構92は、第1回動軸93と第2回動軸94とを有している。第1回動軸93は、その左端側をカッター進退用ステッピングモータ91から上方へ突出した出力軸91aに連結している。第2回動軸94は、その左端側を第1回動軸93の右端側に対しスライダ93aを介して軸方向にスライド可能且つ回動可能に連結している。
変換機構95は、回動部材96と進退部材97とを有している。回動部材96は、第1カッター取付軸53の下端部に連結し、第1カッター取付軸53の回動動作と共に回動する。回動部材96は、その進退部材97側の端部に、後述する進退部材97の溝97aに嵌合するスライダ部材96aを有している。進退部材97は、その左端側において回動部材96のスライダ部材96aが嵌合可能な溝97aを有している。スライダ部材96aは、溝97aによって前後方向に規制され且つ左右方向に移動可能となっている。それ故、進退部材97は、回動部材96の回動に伴って、前後に移動する。進退部材97は、下方にカッターホルダ52を介してカッター51を固着している。カッターガイド部材98と対向する側に溝部97bを有している。溝部97bは、カッターガイド部材98のレール部98aに摺動可能に嵌合している。それ故、進退部材97及びカッター51は、カッターガイド部材98に対して前後方向(言い換えれば穴かがり縫目60の長軸方向)に沿って進退駆動可能となっている。
カッター進退駆動機構90は、カッター進退用ステッピングモータ91の出力軸91aが回動することで、第1回動軸93、第2回動軸94、第1カッター取付軸53、回動部材96、進退部材97、及びカッターホルダ52を介してカッター51を進退駆動させる。
図13(a)及び図13(b)は、カッター上下動駆動機構80によるカッター51の上下動動作を表す図である。図13(a)は前述した図11と同じ状態を表している。図13(a)に示すように、カッター駆動用ソレノイド81のプランジャ81aが後方に退避すると(矢印X1参照)、カッター作動腕85が支持軸85a回りに回動する(矢印X2参照)。この回動に基づいて、第1軸保持部材83及び筒部材82が上昇する(矢印X3参照)。それ故、カッター51がカッターガイド部材98等と共に上昇する(矢印X4参照)。図13(b)に示すようにカッター駆動用ソレノイド81のプランジャ81aが前方に突出すると(矢印X5参照)、カッター作動腕85が支持軸85a回りに回動する(矢印X6参照)。この回動に基づいて、第1軸保持部材83及び筒部材82が下降する(矢印X7参照)。それ故、カッター51がカッターガイド部材98等と共に下降し(矢印X8参照)、送り台11上の加工布を切断する。
図14(a)及び図14(b)は、カッター進退駆動機構90によるカッター51の進退動作を表す図である。図14(a)は前述した図11と同じ状態を表している。図14(a)に示すように、カッター進退用ステッピングモータ91の出力軸91aに連結した第1回動軸93が後方側に回動すると(矢印Y1参照)、スライダ93aを介して第2回動軸94も後方側に回動する(矢印Y2参照)。この回動に伴い、第2回動軸94の回動中心となる右端側に連結した第1カッター取付軸53が、上面視時計回り方向に回動する(矢印Y3参照)。第1カッター取付軸53の回動に基づいて、第1カッター取付軸53の下端部に連結した回動部材96が上面視時計回り方向に回動する(図示せず)。回動部材96のスライダ部材96aと進退部材97の溝97aは、前記回転動作を進退部材97の前後方向の進退動作に変換する。その結果、カッター51は前方に進む(矢印Y4参照)。
図14(b)に示すようにカッター進退用ステッピングモータ91の出力軸91aに連結した第1回動軸93が前方側に回動すると(矢印Y5参照)、スライダ93aを介して第2回動軸94も前方側に回動する(矢印Y6参照)。第2回動軸94の回動は、第1カッター取付軸53を上面視反時計回り方向に回動させる(矢印Y7参照)。第1カッター取付軸53の回動に基づいて、第1カッター取付軸53の下端部に連結した回動部材96が上面視反時計回り方向に回動する(矢印Y8参照)。回動部材96のスライダ部材96aと進退部材97の溝97aは、前記回動部材を進退部材97の前後方向の進退動作に変換する。その結果、カッター51は後方に退く(矢印Y9参照)。
なお図示はしないが、この状態でカッター駆動用ソレノイド81のプランジャ81aが前方に突出すると、図14(b)に示す後方に退いた位置においてカッター51が下降する。
次に、本変形例の穴かがりミシンMの制御系について図15を用いて説明する。図15に示すように、本変形例の穴かがりミシンMは、カッター進退用原点センサ104、駆動回路76及びカッター進退用ステッピングモータ91を有している。カッター進退用原点センサ104は、カッター進退用ステッピングモータ91の原点を検出する。駆動回路76は、カッター進退用ステッピングモータ91を駆動する。制御装置5は、入力インタフェース5dを介しこのカッター進退用原点センサ104からの信号等を入力する。制御装置5は、出力インタフェース5eを介しこの駆動回路76に駆動信号を出力する。その他の構成については前述の図7と同様である。
図16は、カッターセンサ105によりカッター51の位置検出を行う際に、本変形例の制御装置5が前述した縫製パラメータ算出プログラムに基づき実行する制御内容を表すフローチャートである。なおこの図16において、前述の図9と同様の手順には同符号を付し、適宜説明を省略する。
ステップS5は前述の図9と同様であり、カッターセンサ105の送り台11に対する相対位置を表すY座標の値を、原点位置に相当する0(mm)にする。ステップS10Aでは、駆動回路76に制御信号を出力し、カッター進退用ステッピングモータ91を1パルス駆動させて、カッター51を後方向に移動する。なお、このときのステッピングモータ13の1パルス分に相当するカッター51の移動量は前述と同様に例えば0.05mm程度である。なお、この移動量は一例であり装置仕様等に応じ適宜変わるものである。
ステップS15A〜ステップS35は前述の図9のステップS15〜ステップS35と同様であり、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加え、カッターセンサ105からの出力信号がONであるか否かを判定する。出力信号がONである場合(ステップS20AでYES)、このときのカッターセンサ105のY座標をカッター51の後方側端部位置Aとして適宜の記憶手段(例えばRAM5c等)に記憶する。
ステップS40Aでは、上記ステップS10Aと同様に、駆動回路76に制御信号を出力し、カッター進退用ステッピングモータ91を1パルス駆動させて、カッター51を後方向に1パルス分(0.05mm程度)移動する。
その後のステップS45A〜ステップS65は前述の図9のステップS45〜ステップS65と同様であり、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加え、カッターセンサ105からの出力信号がOFFであるか否かを判定する。出力信号がOFFである場合(ステップS50AでYES)、このときのカッターセンサ105のY座標をカッター51の前方側端部位置Bとして適宜の記憶手段(例えばRAM5c等)に記憶する。そして、上記記憶した前方側端部位置Bから後方側端部位置Aを減ずることによりカッター51のカッター寸法を算出するとともに、カッター51の前方側端部位置Bから出荷時の設定位置である49(mm)を減ずることにより、カッター51のY方向の取付誤差を補正するためのカッターY位置補正を算出する。
ステップS70Aでは、駆動回路76に制御信号を出力し、カッター進退用ステッピングモータ91を駆動させて、カッター51を原点位置に移動する。以上により本フローを終了する。
以上説明した変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得る。
(2)カッターセンサ105とカッター51の両方を移動させる場合
上記実施形態では、布送り機構10によりカッターセンサ105側を移動させることによりカッター51の位置検出を行うようにし、上記変形例(1)ではカッター51のみを移動させることによりカッター51の位置検出を行うようにしたが、カッターセンサ105及びカッター51の両方を移動させることにより位置検出を行うようにしてもよい。
上記実施形態では、布送り機構10によりカッターセンサ105側を移動させることによりカッター51の位置検出を行うようにし、上記変形例(1)ではカッター51のみを移動させることによりカッター51の位置検出を行うようにしたが、カッターセンサ105及びカッター51の両方を移動させることにより位置検出を行うようにしてもよい。
図17及び図18は、カッターセンサ105によりカッター51の位置検出を行う際に、本変形例の制御装置5が前述した縫製パラメータ算出プログラムに基づき実行する制御内容を表すフローチャートである。なおこれら図17及び図18において、前述の図9及び図16と同様の手順には同符号を付し、適宜説明を省略する。
ステップS5〜ステップS20は前述の図9と同様であり、カッターセンサ105の送り台11に対する相対位置を表すY座標の値を0(mm)にし、送り台11、押え足12、及び押え腕18を前方向に1パルス分(0.05mm程度)移動する。そして、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加え、カッターセンサ105からの出力信号がONであるか否かを判定する。出力信号がONである場合(ステップS20でYES)、後述のステップS35に移る。一方、出力信号がOFFである場合(ステップS20でNO)、ステップS10Aに移る。
ステップS10A〜ステップS20Aは前述の図16と同様であり、カッター進退用ステッピングモータ91を駆動させてカッター51を後方向に1パルス分(0.05mm程度)移動する。そして、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加え、カッターセンサ105からの出力信号がONであるか否かを判定する。出力信号がONである場合(ステップS20AでYES)、ステップS35に移り、このときのカッターセンサ105のY座標をカッター51の後方側端部位置Aとして適宜の記憶手段(例えばRAM5c等)に記憶する。
図18に移り、ステップS40〜ステップS50は前述の図9と同様であり、送り用ステッピングモータ13を駆動させて送り台11、押え足12、及び押え腕18を前方向に1パルス分(0.05mm程度)移動する。そして、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加え、カッターセンサ105からの出力信号がOFFであるか否かを判定する。出力信号がONである場合(ステップS50でYES)、後述のステップS60に移る。一方、出力信号がOFFである場合(ステップS50でNO)、ステップS40Aに移る。
ステップS40A〜ステップS50Aは前述の図16と同様であり、カッター進退用ステッピングモータ91を駆動させてカッター51を後方向に1パルス分(0.05mm程度)移動する。そして、カッターセンサ105のY座標の値に0.05(mm)を加え、カッターセンサ105からの出力信号がOFFであるか否かを判定する。出力信号がOFFである場合(ステップS50AでYES)、ステップS60に移り、このときのカッターセンサ105のY座標をカッター51の前方側端部位置Bとして適宜の記憶手段(例えばRAM5c等)に記憶する。そして、ステップS65に移り、上記記憶した前方側端部位置Bから後方側端部位置Aを減ずることによりカッター51のカッター寸法を算出するとともに、カッター51の前方側端部位置Bから出荷時の設定位置である49(mm)を減ずることにより、カッター51のY方向の取付誤差を補正するためのカッターY位置補正を算出する。
ステップS70Aでは、駆動回路76に制御信号を出力し、カッター進退用ステッピングモータ91を駆動させて、カッター51を原点位置に移動する。さらにステップS70では、駆動回路71に制御信号を出力し、送り用ステッピングモータ13を駆動させて、送り台11、押え足12、及び押え腕18を原点位置に移動する。以上により本フローを終了する。
以上説明した変形例によれば、カッターセンサ105及びカッター51の両方を移動させるので、いずれか一方を移動させる場合に比べ、カッター51の位置検出を行うのに要する時間を短縮することができる。
5 制御装置(制御手段)
10 布送り機構(布送り手段)
30 縫製機構(縫製手段)
32 縫針
50 ボタン穴形成機構(ボタン穴形成手段)
51 カッター
52 カッターホルダ(支持部材)
60 穴かがり縫目
65 ボタン穴
105 カッターセンサ(位置検出手段)
M 穴かがりミシン
10 布送り機構(布送り手段)
30 縫製機構(縫製手段)
32 縫針
50 ボタン穴形成機構(ボタン穴形成手段)
51 カッター
52 カッターホルダ(支持部材)
60 穴かがり縫目
65 ボタン穴
105 カッターセンサ(位置検出手段)
M 穴かがりミシン
Claims (6)
- 加工布を布送りする布送り手段と、
上下動する縫針を備え、加工布に穴かがり縫目を形成する縫製手段と、
加工布を切断してボタン穴を形成するカッター、及び、前記カッターを着脱可能な支持部材を有するボタン穴形成手段とを備えた穴かがりミシンにおいて、
前記カッターの位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段で検出した前記カッターの位置に基づき、前記布送り手段、前記縫製手段、及び前記ボタン穴形成手段を制御する制御手段と
を有することを特徴とする穴かがりミシン。 - 請求項1記載の穴かがりミシンにおいて、
前記位置検出手段は、
前記布送り手段の布送り方向に沿った前記カッターの一方側端部位置と他方側端部位置とを、それぞれ検出する
ことを特徴とする穴かがりミシン。 - 請求項2記載の穴かがりミシンにおいて、
前記位置検出手段を、前記カッターと相対変位可能に前記布送り手段に設けた
ことを特徴とする穴かがりミシン。 - 請求項3記載の穴かがりミシンにおいて、
前記位置検出手段の検出結果に応じ、前記布送り方向に沿った前記カッターの寸法を算出する寸法算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記寸法算出手段が算出した寸法に基づき、前記布送り手段、前記縫製手段、及び前記ボタン穴形成手段を制御する
ことを特徴とする穴かがりミシン。 - 請求項3又は請求項4記載の穴かがりミシンにおいて、
前記位置検出手段の検出結果に応じ、前記カッターの取付誤差を補正するための補正値を算出する補正値算出手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記補正値算出手段が算出した補正値に基づき、前記布送り手段、前記縫製手段、及び前記ボタン穴形成手段を制御する
ことを特徴とする穴かがりミシン。 - 加工布を布送りしつつ穴かがり縫目を形成するとともに、前記加工穴をカッターで切断しボタン穴を形成する穴かがりミシンで用いる縫製パラメータの算出方法において、
前記カッターの位置を検出し、
その検出結果に応じて、前記布送り方向に沿った前記カッターの寸法と、前記カッターの取付誤差を補正するための補正値とを算出する
ことを特徴とする縫製パラメータの算出方法。
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- 2010-03-11 CN CN 201010144031 patent/CN101845714B/zh active Active
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