JP2008279116A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ミシン100は、縫い針9aと、布押え20と下板16とを有する布保持機構と、布移動機構15と、複数の縫製データ30及びそれぞれの縫製データ30に対応付けられた中間位置の高さである布押え高さH1を記憶するメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置と、布押え20を布押え位置、上昇位置及び中間位置の各々の高さに駆動する布押え用モータ21と、布押え位置、上昇位置又は中間位置への布押え20の移動を指示するペダル7と、ペダル7によって布押え20の中間位置への移動が指示されると縫製データ30に対応付けられた布押え高さH1の中間位置高さへ布押え20を移動させるよう制御する制御部10とを備える。
【選択図】図14
Description
また、上述のミシンの布保持機構において、布押えは下板の上面に設置された布地に対して下降し、布地に上から押圧力を加えることで布押えと下板とで布地を挟み込み、布地を保持する。このとき、布押えを上方に退避させた上昇位置から布押え位置まで一度に下降させると布押えと下板とが接触するときに生ずる振動や布押え操作時に生ずる振動等によって下板に設置された布地が位置ずれを起こすことがある。そこで、布押えによって布地を保持する際の布押えの上下動の移動量を減らすために、布押えの上昇位置と布押え位置との間に中間位置を設けたミシンの布保持機構が知られている(例えば特許文献1)。即ち、上昇位置にあるときに布をおおよその位置に合わせ、中間位置で布押えを停止可能とすることで位置ずれを防ぎ、なおかつ、中間位置にある布押えを見て、布を正確に位置合わせすることを可能としている。また、布押えの中間位置の高さを設定可能なミシンが知られている(例えば特許文献2)。
さらに、複数のミシンを用いて同様の布地及び縫製データを用いた縫製作業を行う場合、従来技術によるミシンではミシンごとに布押えの中間位置の高さを設定しなければならず、効率が悪いといった問題点があった。
請求項2において、縫製データを記憶する第1の記憶手段と布押えの中間位置の高さを記憶する中間位置高さ記憶手段とは同一の記憶手段である。
請求項4において、縫製パッケージデータを記憶する第2の記憶手段と布押えの中間位置の高さを記憶する中間位置高さ記憶手段とは同一の記憶手段である。
また、中間位置は中間位置高さ記憶手段に記憶されているので、当該縫製データとは異なる縫製データによる縫製作業を行った後に当該縫製作業データによる縫製作業を行った場合であっても自動的に当該縫製データに対応付けられた中間位置に布押えの中間位置が制御される。よって、当該縫製データとは異なる縫製データによる縫製作業を行った場合に従来技術では布押えの中間位置の設定を再度行わなければならなかった問題点を解消でき、ミシンによる縫製作業の効率がより大幅に上昇する。
さらに、当該縫製データは複製することにより、一度に複数のミシンで利用することが可能である。よって、複数のミシンで同様の縫製データに基づく縫製作業を行う際に、従来技術ではミシンごとに布押えの中間位置を設定しなければならなかった問題点を解消でき、ミシンによる縫製作業の効率がより大幅に上昇する。
さらに、ひとつの縫製データに対して複数の縫製パッケージデータのうちいずれかひとつを組合わせて用いることにより、ひとつの縫製データに対して異なる布押えの中間位置の設定を利用でき、縫製データの中間位置を一時的に変更したい場合に縫製データを書き換えることなく利用することが可能となる。よって、ミシンによる縫製作業の効率がより大幅に上昇する。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明によるミシン100は、複数の針落ち位置とその順番とを含む縫製データ30(図6参照)に従って縫い目を形成するミシンである。
図1は本発明によるミシン100の実施形態を示す斜視図である。図2は本発明のミシン100の主要な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ミシン100は、縫い針9aを保持する針棒9を上下動可能に支持するミシン本体1と、針棒9を上下動させる図示しない針上下動機構と、被縫製物を乗せる下板16に対して上下動することで被縫製物を保持する布押え20を有し、布押え20と下板16とからなる布保持機構を基板としての針板8の上面に沿って水平移動させることで被縫製物を針棒9に対して相対移動させる布移動機構15と、縫い針9aの近傍に設けられて被縫製物が縫い針9aの上昇に伴って上方に伸びないよう押える中押え25と、ミシン100の駆動と停止とを切り替えると共にミシン100による縫製速度を調節するペダル6と、布押え20の上下動を指示する「布押え位置指示手段」としてのペダル7と、ミシン100の各種の情報の表示を行うと共に、ミシン100に対して各種の入力を行うとしてのタッチパネルディスプレイ4と、ミシンの各種動作を制御する「制御手段」としての制御部10と、を備える。
また、図示しないが、針板8の下側には主軸にそって配接されて主軸の回転に連動して回転する下軸と、下軸と連結して回転可能に設けられた釜部とが設けられている。下軸は、ミシンの立胴部内に設けられた図示しない動力伝達機構を介して主軸の回転に連動して回転し、釜部を回転させる。このとき、釜部の回転は上述の縫い針の上下動の位相に合わせて行われるよう設けられている。かようにして被縫製物に縫い目が形成され、周知のようにミシンによる縫製が行われる。
なお、主軸の配接方向をY軸方向、Y軸方向に直交して針板8の上面に沿った方向をX軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。
また、主軸には主軸の回転角度を検出するエンコーダ3が設けられており、エンコーダ3によって主軸の回転角度が検出されることで、針棒の上下動の位置が検出される。
このときの布移動機構15による被縫製物の移動は縫製作業の針落ち位置とその順番、その他各種の縫製作業に関するパラメータを含む製データに基づいて行われる。また、布移動機構15による被縫製物の移動後の位置は、下板16の針板8に対する位置を検出するX軸位置センサ17aとY軸位置センサ18aとによって検出される。つまり、X軸位置センサ17aとY軸位置センサ18aとによって被縫製物の位置がフィードバックされることで縫製データ30の指定した針落ち位置と実際の被縫製物の位置とを比較し、補正する。かようにして周知のように縫製データ30に基づく縫製が行われる。なお、縫製データ30に関しては後述する。
また、タッチパネルディスプレイ4の側部にはメディアインターフェイス5が設けられている。メディアインターフェイス5は外部記憶装置(例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)等)を接続可能なインターフェイスであり、ミシン100はメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶された各種のプログラム及びデータを利用可能になっている。また、上述の縫製データ30はメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶されている。オペレータによってメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶された縫製データ30がタッチパネルディスプレイ4の画面において選択されると、ミシン100は当該縫製データ30による縫製作業を行う。即ち、メディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置は「第1の記憶手段」として機能する。
また、布押え20の位置として、最も上昇して針板上から待避した位置としての上昇位置と、布押えを保持する際の下降位置である布押え位置と、上昇位置と布押え位置との間の所定位置である中間位置とが設けられている。このうち中間位置はその高さがオペレータによって設定可能に設けられている。布押え20の中間位置の高さの設定については後述する。
また、布押え20の位置は布押え位置検出器22によって検出される。これによって布押え20の位置がフィードバックされ、オペレータの意図した高さに布押え20が位置するよう調整される。
縫い針9aが被縫製物に対して下降した後に再び上昇する際、被縫製物が縫い針9aの上昇に伴って上方に引っ張られることがある。このとき、中押え25が上方に引っ張られる被縫製物を上方から押えることにより、被縫製物から縫い針9aが抜けるようにする。
また、中押え25の位置は布押え位置検出器27によって検出される。これによって中押え25の位置がフィードバックされ、オペレータの意図した高さに中押え25が位置するよう調整される。
制御部10は上述の布押え用モータ21の駆動を制御することで布押え20の高さを制御する。また、制御部10は上述の中押え用モータ26の駆動を制御することで中押え25の高さを制御する。また、制御部10はメディアインターフェイス5を介して接続された外部記憶装置からタッチパネルディスプレイ4によって選択された縫製データ30を呼び出し、当該縫製データ30に基づいてミシンモータの駆動を制御すると共に布移動機構15のX軸モータ17及びY軸モータ18の駆動を制御する。かようにして縫製データ30による縫製作業が行われる。
次に、タッチパネルディスプレイ4からの入力によって縫製データ30を作成する仕組みについて図3及至図5を用いて詳細に説明する。
図3はタッチパネルディスプレイ4に表示される入力画面50を示す説明図である。図4は縫製データ30の針落ち位置を入力する形状点入力画面を示す形状点入力画面60を示す説明図である。
形状点入力画面60は少なくとも、縫製パターンの針落ち位置を画面上に示す針落ち位置表示エリア65と、針落ち位置表示エリア65上を移動可能なカーソル66と、カーソル66を針落ち位置表示エリア65内でそれぞれの方向に移動させる複数の矢印ボタン61と、針落ち位置の途中点を指定する途中点ボタン62と、針落ち位置の終端位置を指定する端点ボタン63と、針落ち位置の入力が終了したことを入力するエンターボタン64とを備える。
上述の形状点入力画面60においてエンターボタン64が押下されると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図5に示す入力画面に遷移する。図5に示すように、針落ち位置表示画面56に表示された針落ち位置57は、形状点入力画面60にて設定した途中点67a,67bを経由し、カーソル66の位置で指定した終端点に辿り着くように設定されている。つまり、形状点入力画面60のエンターボタン64を押下することで、縫製データ30の針落ち位置が決定する。かようにして、タッチパネルディスプレイ4からの入力によって縫製データ30が作成される。作成された縫製データ30はメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶される。
かかる前進ボタン52あるいは送り後退ボタン53を用いて針落ち位置を特定し、当該針落ち位置の前後に後述する布押さえ高さや途中停止等のコマンドを入力設定することが可能となっている。
図6は縫製データ30の構造を示す説明図である。
メディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶された縫製データ30は図6に示すように、縫製データ毎のパラメータ31と、針落ち位置に関するデータの第1要素32と、第2要素以降の針落ち位置の要素33とを有する。縫製データ毎のパラメータ31は、縫製データ30の基本的な要素を示すパラメータ郡である。第1要素32及び第2要素以降の針落ち位置の要素33は、縫製データ30による縫いの工程別に設けられた縫いパターンの要素である。例えば、ポケットとなる布地を衣服に縫い付ける縫製データ30の場合、ポケットの開口部の両端を返し縫いする工程と、ポケットの側部を線縫いする工程とは別の要素である。縫製データ30は少なくとも縫製データ毎のパラメータ31と第1要素32とを有し、縫製データ30によって行われる縫製の種類によって第2要素以降の針落ち位置の要素33が加わる。なお、針落ち位置に関するデータの第1要素32及び第2要素以降の針落ち位置の要素33については後述する。
図8はタッチパネルディスプレイ4に表示される布押え高さ設定画面70を示す説明図である。
図5に示す入力画面において、パターン情報ボタン54が押下されると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図示しない縫製データ毎のパラメータ31の設定画面に遷移する。当該設定画面において布押え高さH1を設定するためのボタンが押下されると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図8に示す布押え高さ設定画面70へと遷移する。
布押え高さ設定画面70は少なくとも、布押え20の中間位置の高さを数値入力あるいは既存値からの増減で設定する複数の布押え高さ設定ボタン71と、現在設定されている布押え20の中間位置の高さを0.1[mm]単位で表示する布押え高さ表示エリア72と、布押え20の中間位置の高さをその時点で布押え高さ表示エリア72に表示されている高さに設定するエンターボタン73とを有する。
なお、上述の実施形態における数値はあくまで一例であり、変更可能であることは言うまでもない。
つまり、縫製データ30の一部として記憶される布押え高さH1を設定することにより、縫製データ30に対応付けられた布押え20の中間位置の高さを設定可能となる。即ち、布押え高さH1を記憶する外部記憶装置は「中間位置高さ記憶手段」として機能する。また、縫製データ30による縫製作業において布押え20が中間位置に位置する際に、布押え高さH1に設定された布押え20の中間位置の高さに布押え20が位置するよう布押え用モータ21を駆動する制御部10は「制御手段」として機能する。
図9は縫製データ30の第1要素32の構造を示す説明図である。
第1要素32は少なくとも、第1要素32の縫いパターンを示す要素の種類と、第1要素32の針数と、針落ち位置とその次の針落ち位置との間の布移動機構15の移動量を示す移動量と、を有する。このとき、図9に示すように、特定の針落ち位置とその次の針落ち位置との間に布押え高さH2及び縫製作業の一時停止を行うための一時停止命令32aを設けることが可能である。また、一時停止命令32aを設定した際、一時停止命令32aの後に布押え20を上昇させるための布押え上昇命令32bを設けることが可能である。
一時停止命令32aは、縫いの途中で縫いを停止させる命令である。布押え上昇命令32bは、一時停止命令32aで縫いを途中で停止すると自動的に布押さえ20を中間位置に移動させる命令である。
また、布押え高さH2は、一時停止命令32aによる縫い停止中にペダル7により中間位置が入力されたとき、或いは、一時停止命令32aに続いて布押え上昇命令32bが存在するときに、布押さえ20を移動させる高さの設定値である。このとき、布押え高さH2は、一時停止命令32aの手前にあるデータが採用される。例えば、一時停止命令32aが複数箇所で設定されている場合には、直近の布押え高さH2の値が採用される。
つまり、縫製データ30による縫製作業の一工程である第1要素32による縫製作業の途中に一時停止命令である一時停止命令32aを設けることが可能である。また、一時停止命令32aによる一時停止の際に行われる布押え20の上下動に際して中間位置が指示された場合に、中間位置高さとして布押え高さH2を設定することが可能である。
図10はタッチパネルディスプレイ4に表示される途中停止命令入力画面75を示す説明図である。
図5に示す入力画面において、機能選択ボタン55が押下されると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図示しない機能選択画面に遷移する。機能選択画面は図5において表示された縫製データ30の着目針落ち位置58の針落ち位置に対して各種のパラメータを付加する操作を行う画面である。機能選択画面において途中停止制御命令を選択すると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図10に示す途中停止命令入力画面75に遷移する。そして、途中停止命令入力画面75における一時停止命令設定ボタン78が押下されると、着目針落ち位置58とその次の針落ち位置との間に一時停止命令32aが設けられる。
その後、途中停止命令入力画面75のエンターボタン78が押下されると、上述の作業で設定された一時停止命令32a,布押え上昇命令32b及び布押え高さH2がメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶された縫製データ30の記憶内容として記憶され、縫製データ30の第1要素32に反映される。これによって、縫製データ30による縫製作業の途中で一時停止位置を設けた際の布押え20の中間位置高さを設定可能となる。
つまり、布押え上昇命令32bの設定は任意であって、当該布押え上昇命令32bが設定され、縫製データ30の途中に設けられる一時停止命令32aと布押え高さH2とが設定されていることにより、一時停止時に自動的に縫製データ30の一時停止命令32aに対応付けられた布押え20の中間位置の高さに調節可能となる。また、布押え上昇命令32bが設定されていない場合には、縫製データ30の途中に設けられる一時停止命令32aと布押え高さH2とが設定されていることにより、一時停止時にペダル7が中間位置に踏まれた場合に限り、縫製データ30の一時停止命令32aに対応付けられた布押え20の中間位置の高さに調節可能となる。
即ち、布押え高さH2を記憶する外部記憶装置は「中間位置高さ記憶手段」として機能する。また、縫製データ30による縫製作業において布押え20が中間位置に位置する際に、布押え高さH2に設定された布押え20の中間位置の高さに布押え20が位置するよう布押え用モータ21を駆動する制御部10は「制御手段」として機能する。
また、一時停止命令32a及び布押え上昇命令32bを設けて布押え高さH2を設定しなかった場合は、縫製データ30の縫製データ毎のパラメータ31に設定された布押え高さH1が布押え上昇命令32bの布押え20の中間位置高さとして適用される。
縫製パッケージデータ40は、縫製データ30とは別に設けられる縫製作業に関する各種のパラメータを有するデータである。縫製パッケージデータ40は縫製データ30と組合わせて縫製作業において利用される。このとき、縫製パッケージデータ40に含まれるパラメータによって縫製データ30に各種の補正が加えられ、また、縫製パッケージデータ40と縫製データ30とに共通する同種のパラメータについては縫製パッケージデータ40の設定が優先的に適用される。また、縫製パッケージデータ40の各種のパラメータには布押え20の中間位置の高さの設定値である布押え高さH3(図11参照)が含まれている。よって、縫製パッケージデータ40を用いることにより、布押え20の中間位置高さの設定を行うことが可能となる。
さらに、複数の縫製パッケージデータ40を設け、ひとつの縫製データ30に対して複数の縫製パッケージデータ40を使い分けて組合わせることにより、ひとつの縫製データ30による縫製作業に異なる縫製パッケージデータ40によって加えられた異なる補正による縫製作業を行うことが可能となる。つまり、縫製データ30を個別に再設定しなおすことなく縫製データ30の各種パラメータを変更可能となる。
なお、縫製パッケージデータ40はメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶されている。即ち、メディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置は「第2の記憶手段」として機能する。
縫製パッケージデータ設定画面80は少なくとも、縫製パッケージデータ40を用いた縫製作業時の布押え20の中間位置高さである布押え高さH3を設定するための布押え高さ設定ボタン81を有する。縫製パッケージデータ設定画面80の布押え高さ設定ボタン81が押下されると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図8に示す布押え高さ設定画面70に遷移する。このとき布押え高さ設定画面70において設定した布押え20の中間位置高さは、縫製パッケージデータ40の中間位置高さである布押え高さH3として設定される。また、布押え高さ設定画面70のエンターボタン73が押下されると、タッチパネルディスプレイ4の表示内容が図12に示す縫製パッケージデータ設定画面80に遷移する。このとき、布押え高さH3はメディアインターフェイス5に接続された外部記憶媒体に記憶された縫製パッケージデータ40のパラメータとして記憶され、縫製パッケージデータ40に反映される。
つまり、縫製パッケージデータ40の一部として記憶される布押え高さH3を設定することにより、縫製パッケージデータ40に対応付けられた布押え20の中間位置の高さを設定可能となる。また、縫製パッケージデータ40による縫製作業において布押え20が中間位置に位置する際に、布押え高さH3に設定された布押え20の中間位置の高さに布押え20が位置するよう布押え用モータ21を駆動する制御部10は「制御手段」として機能する。
パッケージ縫製画面85は少なくとも、縫製作業における縫製パッケージデータ40の縫製パッケージデータ番号を選択するパッケージ番号選択エリア86を有する。また、パッケージ縫製画面85は、選択された縫製パッケージデータ40の縫製パッケージデータ番号を表示するパッケージ番号表示エリア87と、選択された縫製パッケージデータ40に関連付けられた縫製データ30の縫製データ番号を表示する縫製データ番号表示エリア88とを有する。
パッケージ縫製画面85のパッケージ番号選択エリア86に表示されたアイコン86aのいずれかひとつを押下すると、当該アイコン86aに対応した縫製パッケージデータ40の縫製パッケージデータ番号がパッケージ番号表示エリア87に表示される。また、当該アイコン86aに対応した縫製パッケージデータ40に関連付けられた縫製データ30の縫製データ番号が縫製データ番号表示エリア88に表示される。これによって当該アイコン86aに対応した縫製パッケージデータ40と当該アイコン86aに対応した縫製パッケージデータ40に関連付けられた縫製データ30とによる縫製作業が可能となる。
オペレータによってタッチパネルディスプレイ4から特定の縫製データ30又は特定の縫製データと関連付けられた縫製パッケージデータ40が選択されると、ミシン100はオペレータによって選択された当該縫製データ30又は縫製パッケージデータ40を呼び出す。
また、ペダル7の踏み込みとは無関係な処理として、縫製データに従って縫いが実行され、一時停止命令32aに基づく途中停止が行われ、一時停止命令32aに布押え上昇命令32bが付随している場合には、ペダル7の踏み込みに関係なく、自動的に布押さえ20が布押え高さH2に位置決めされる。
その後、ペダル6が操作されると、制御部10はオペレータによって選択された当該縫製データ30又は縫製パッケージデータ40に基づいてミシンモータや布移動機構15のX軸用モータ17、Y軸用モータ18等の各部の駆動を制御し、ミシン100による縫製作業を行う。また、当該縫製データ30又は縫製パッケージデータ40に関連付けられた縫製データ30に途中停止に伴う布押え上昇命令32bが含まれていた場合は、上述のフロー及びサブフローと同様のオペレータによるペダル7の操作に基づく布押え20の上下動が行われる。
また、当該縫製データ30又は縫製パッケージデータ40による縫製が終わり、別の縫製作業を行うための縫製データ30又は縫製パッケージデータ40が選択された際には、選択された縫製データ30又は縫製パッケージデータ40に記憶された布押え高さH1,H2及びH3に基づいて布押え20の位置制御が行われる。
上述の実施形態によれば、ペダル7によって布押え20の中間位置への移動が指示されると、制御部10はメディアインターフェイス5に接続された外部記憶装置に記憶された布押え高さH1、布押え高さH2、布押え高さH3のうちいずれかひとつの中間位置高さへと布押え20を移動させるよう布押え用モータ21を制御する。このとき、外部記憶装置には布押え高さH1、布押え高さH2及び布押え高さH3は縫いを行っている縫製データ30に対応付けられた布押え20の中間位置が記憶されており、当該縫製データ30に対応付けられた中間位置高さとなるように布押え20は移動される。よって、縫製データ30に最適な中間位置高さに布押え20が位置することとなり、中間位置から布押え位置へと布押え20が移動する際の被縫製物の位置ずれを最小限に抑えることが可能となり、ミシンによる縫製作業の効率が大幅に上昇する。また、中間位置にある布押さえ20を利用して布位置を微調整する際に、布押さえ20を縫製データに応じて適正な中間位置とすることができるので、布位置調整をより精度良く行うことができ、縫い品質を向上させることが可能となる。
また、布押え高さH1、布押え高さH2及び布押え高さH3は外部記憶装置に記憶されているので、これから縫いを行うための縫製データ30とは異なる縫製データ30による縫製作業を行った後に当該これから縫いを行うための縫製データ30による縫製作業を行う場合であっても自動的に当該これから縫いを行うための縫製データ30に対応付けられた中間位置高さである布押え高さH1、布押え高さH2、布押え高さH3のうちいずれかひとつに布押え20の中間位置高さが制御される。よって、当該これから縫いを行うための縫製データ30とは異なる縫製データ30による縫製作業を行った場合に従来技術では布押えの中間位置高さの設定を再度行わなければならなかった問題点を解消でき、ミシンによる縫製作業の効率がより大幅に上昇する。
さらに、縫製データ30は複製することにより、一度に複数のミシンで利用することが可能である。よって、複数のミシンで同様の縫製データ30に基づく縫製作業を行う際に、従来技術ではミシンごとに布押えの中間位置高さを設定しなければならなかった問題点を解消でき、ミシンによる縫製作業の効率がより大幅に上昇する。
さらに、ひとつの縫製データ30に対して複数の縫製パッケージデータ40のうちいずれかひとつを組合わせて用いることにより、ひとつの縫製データ30に対して異なる布押え高さH3の設定や各種の縫製に関するパラメータを組合わせて利用でき、縫製データ30に対して補正を加えたい場合に縫製データ30を書き換えることなく利用することが可能となる。よって、ミシンによる縫製作業の効率がより大幅に上昇する。
なお、上述の実施形態においては縫製パッケージデータ40を用いている場合は自動的に縫製パッケージデータ40の布押え高さH3が適用されるが、縫製パッケージデータ40の布押え高さH3と縫製データ30の布押え高さH1,H2とが個別に設定されている場合にはそのいずれか一方を優先的に採用するよう選択可能な「選択手段」を設けてもよい。この場合の「選択手段」は、例えば図示しない布押え中間位置高さ優先設定画面といった方法で提供される。布押え中間位置高さ優先設定画面は、縫製パッケージ40と縫製データ30とのそれぞれに布押え20の中間位置高さ設定があった場合に、いずれか一方に設定された布押え20の中間位置高さを優先的に採用するよう設定可能な画面である。
この場合、上述の実施形態の効果に加え、縫製データ30の布押え高さH1又は布押え高さH1,H2と縫製パッケージデータ40の布押え高さH3との両方が設定されている場合には、中間位置高さ設定優先選択画面においていずれか一方を優先して採用するよう選択設定できる。よって、より柔軟な布押え20の中間位置高さの設定及び運用が可能となり、ミシンの操作性がより大幅に向上する。
5 メディアインターフェイス
10 制御部
15 布移動機構
16 下板
20 布押え
21 布押え用モータ
30 縫製データ
40 縫製パッケージデータ
70 布押え高さ設定画面
100 ミシン
H1,H2,H3 布押え高さ
Claims (5)
- 縫い針を上下動させる針上下動機構と、
被縫製物を上から押圧することで保持する布押えを有する布保持機構と、
前記布押さえと縫い針とを前記縫い針の上下動方向と交差する方向に相対移動可能とすることで被縫製物を移動させる布移動機構と、
少なくとも縫製における複数の針落ち位置とその順番とを含む複数の縫製データを記憶する第1の記憶手段と、を備え、
選択された前記縫製データに従って前記針上下動機構及び前記布移動機構を駆動することで被縫製物に縫い目を形成するミシンにおいて、
前記布押えを少なくとも布押え位置、上昇位置及び中間位置の各々の高さに駆動する駆動手段と、
前記布押え位置、上昇位置又は中間位置への布押えの移動を入力指示する布押え位置指示手段と、
前記各縫製データに対応付けられた中間位置の高さを記憶する中間位置高さ記憶手段と、
前記布押え位置指示手段によって前記布押えの中間位置への移動が指示されると縫いを行っている縫製データに対応付けられた中間位置の高さへ前記布押えを移動させるよう制御する制御手段とを備えることを特徴とするミシン。 - 前記布押えの中間位置の高さは、前記縫製データの一部として記憶されることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記縫製データは縫いの途中で縫いを停止させる一時停止命令と一時停止時の布押え高さデータとを含み、
前記制御手段は、前記縫製データの一時停止命令に従って停止した後に、中間位置高さへ前記布押さえを移動する場合には、前記布押え高さデータが示す高さとなるように駆動手段を制御することを特徴とする請求項2に記載のミシン。 - 前記複数の縫製データに対して共用可能な前記布押えの中間位置の高さの設定を含む縫製の各種パラメータを含む縫製パッケージデータを記憶する第2の記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記縫製データと縫製パッケージデータとを組合わせて実行する際に、前記駆動手段によって前記布押えが中間位置へと移動する場合に前記縫製パッケージデータに記憶された前記布押えの中間位置の高さへ前記布押えを移動させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 縫い針を上下動させる針上下動機構と、
被縫製物を上から押圧することで保持する布押えを有する布保持機構と、
前記布押さえと縫い針とを前記縫い針の上下動方向と交差する方向に相対移動可能とすることで被縫製物を移動させる布移動機構と、
少なくとも縫製における複数の針落ち位置とその順番とを含む複数の縫製データを記憶する第1の記憶手段と、を備え、
選択された前記縫製データに従って前記針上下動機構及び前記布移動機構を駆動することで被縫製物に縫い目を形成するミシンにおいて、
前記布押えを少なくとも布押え位置、上昇位置及び中間位置の各々の高さに駆動する駆動手段と、
前記布押え位置、上昇位置又は中間位置への布押えの移動を入力指示する布押え位置指示手段と、
前記各縫製データの一部として記憶される中間位置の高さを記憶する中間位置高さ記憶手段と、
前記布押え位置指示手段によって前記布押えの中間位置への移動が指示されると縫いを行っている縫製データに対応付けられた中間位置の高さへ前記布押えを移動させるよう制御する制御手段と、
前記複数の縫製データに対して共用可能な前記布押えの中間位置の高さの設定を含む縫製の各種パラメータを含む縫製パッケージデータを記憶する第2の記憶手段と、
前記縫製データの一部として記憶された前記布押えの中間位置の高さと、前記縫製パッケージデータに記憶された前記布押えの中間位置の高さとの優先適用順位を選択可能に設定する選択手段と、を備え、
前記制御手段は、前記選択手段によって設定された優先適用順位に従って前記縫製データ及び前記縫製パッケージデータに記憶された前記布押えの中間位置の高さへ前記布押さえを移動させるよう制御することを特徴とするミシン。
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