JP2008259752A - ミシンの送り装置 - Google Patents

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寿之 岩田
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Abstract

【課題】びびりや騒音の発生を低減すること。
【解決手段】針板11上に置かれた被縫製物の送りを行う送り歯41を保持する送り台42と、送り台に送り方向の揺動の駆動力を付与する水平送り軸46と、水平送り軸よりも被縫製物の搬送方向上流側に配置され、送り台に対して上下方向の揺動の駆動力を付与する上下送り軸43と、送り量及び送り方向を変える際に動作する送り調節ロッド75と、送り調節ロッドに連結され、当該送り調節ロッドの動作とともに軸回りに回転する送り変換軸80と、送り変換軸に連結されて当該送り変換軸と共に回転し、その回転角度に応じて送り量及び送り方向を変える送り調節リンク55と、を備えるミシンの送り装置40において、送り変換軸に、当該送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えるバランサ82を設けた。
【選択図】図8

Description

本発明は、ミシンの送り装置に関する。
ミシンには、針板上に載置された被縫製物である布を送り方向に送るための送り装置が設けられている。
送り装置は、ミシンベッド内における針板の下方に位置するように設けられている。送り装置は、布を下方から支持して送り方向に送るように長円状の軌跡を描いて動作する送り歯を備えている。送り歯は、上下送り軸による上下の揺動及び水平送り軸による送り方向の揺動によって長円状の軌跡を描くように動作し、針板からの突出及び退避を予め設定された周期で行う。
ここで、送り歯により送り方向下流側の方が大きな変位で上方移動力が付与されると、弾性的に押圧支持されている布押さえに跳ね上がりが発生し、布送りが適正に送られなくなるという不都合が生じる。そのため、釜軸を挟んで布送り方向上流側に上下送り軸を配置し、布送り方向下流側に水平送り軸を配置している(例えば、特許文献1参照)。
送り方向の切り替えは、例えば、逆送りレバーを操作することにより、その逆送りレバーの操作中だけ(例えば、押し下げたときだけ)布の逆送りを行い、逆送りレバーを戻すことにより布の正送りを行う。逆送りレバーには、送り調節ロッドが連結され、この送り調節ロッドには送り変換軸が連結されている。送り変換軸には、平面視コ字状に形成された送り調節リンクが連結され、逆送りレバーの操作により、送り調節リンクは回転して布の送り方向を切り替える。
特開2006−116290号公報
しかし、上記のミシンの送り装置においては、布送り方向上流側に上下送り軸を配置したことにより、送り調節リンクの鉛直線に対する倒れ角が増加する。また、送り調節リンクと連結される水平送り腕は、片持ちで支持されている。これらの要因により、送り調節リンクの各端部にかかる荷重が均一ではなくなり、振動が発生しやすくなるという問題があった。
送り調節リンクに振動が発生すると、その振動が送り変換軸や送り調節ロッド、逆送りレバーに伝達され、各部のびびり、騒音が発生してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、びびりや騒音の発生を低減することができるミシンの送り装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、針板上に置かれた被縫製物の送りを行う送り歯を保持する送り台と、前記送り台に送り方向の揺動の駆動力を付与する水平送り軸と、前記水平送り軸よりも被縫製物の搬送方向上流側に配置され、前記送り台に対して上下方向の揺動の駆動力を付与する上下送り軸と、送り量及び送り方向を変える際に動作する送り調節ロッドと、前記送り調節ロッドに連結され、当該送り調節ロッドの動作とともに軸回りに回転する送り変換軸と、前記送り変換軸に連結されて当該送り変換軸と共に回転し、その回転角度に応じて送り量及び送り方向を変える送り調節リンクと、を備えるミシンの送り装置において、前記送り変換軸に、当該送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えるバランサを設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、バランサを設けることで、送り変換軸には、当該送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重がかかる。これにより、送り調節リンクに振動が発生しても、その振動エネルギーをバランサの荷重により抑制することができる。よって、ミシンの送り装置のびびりや騒音の発生を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のミシンの送り装置において、前記バランサは、前記送り調節リンクが、被縫製物の送り方向が正送り方向となる回転角度である際に、前記送り変換軸の軸心を通る鉛直線に対して所定角度の範囲内に位置するように設けられていることを特徴とする。
ここで、所定角度とは、正送りの際に送り変換軸の駆動に影響を及ぼさない程度にバランサの荷重がかかる範囲となる鉛直線に対する角度をいう。
請求項2に記載の発明によれば、逆送りの際には、請求項1に記載のように送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えることができつつ、正送りの際には、バランサは送り変換軸の軸心を通る鉛直線に対して所定角度の範囲内に位置して、バランサの荷重が送り変換軸の駆動にほとんど影響を及ぼさない。よって、バランサは送り装置に振動が発生する逆送りの時にのみ機能する。
請求項1に記載の発明によれば、バランサを設けることで、送り変換軸には、当該送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重がかかる。これにより、送り調節リンクに微小振動が発生しても、その振動エネルギーをバランサの荷重により抑制することができる。よって、ミシンの送り装置のびびりや騒音の発生を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、逆送りの際には、請求項1に記載のように送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えることができつつ、正送りの際には、バランサは送り変換軸の軸心を通る鉛直線に対して所定角度の範囲内に位置して、バランサの荷重が送り変換軸の駆動にほとんど影響を及ぼさない。よって、バランサは送り装置に振動が発生する逆送りの時にのみ機能する。
以下、本発明にかかるミシンの送り装置の実施形態を詳細に説明する。
<ミシンの送り装置の構成>
図1〜図4に示すように、ミシン10は、縫い針を上下動させる図示しない上下動機構と、その駆動源となる図示しないミシンモータと、全回転釜31により縫い糸に挿通された縫い糸に下糸を絡げる釜機構30と、縫い針の上下動に合わせて針板11上の被縫製物たる布地を送る送り装置40と、送り装置40の上下送り軸43から釜機構30に回転駆動力を伝達する歯車機構60と、針板11上の布地を上方から押圧して保持する布押さえ19と、上記各構成を支持する本体フレーム20とを備えている。
(本体フレーム)
本体フレーム20は、ミシン10の全体において下部に位置するベッド部21と、ミシンベッド部21の長手方向の一端部において上方に立設された縦胴部22と、縦胴部22の上端部からベッド部21と同方向に延設された図示しないアーム部とを備えている。
なお、ベッド部21はミシン10を水平面上に設置した状態でその長手方向が水平となる。そして、以下の説明において、ベッド部21の長手方向をY軸方向とし、水平面に平行であると共にY軸方向に直交する方向をX軸方向とし、X軸及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。
(針板及び布押さえ)
図3に示すように、針板11は、ベッド部21の上面であって縦胴部22とは逆側の端部に設けられている。かかる針板11には縫い針が挿通される針穴と後述する送り装置40の送り歯41が出没する貫通穴11aが形成されている。
布押さえ19は針板11の針穴及び貫通穴11aの真上となる位置に配置されており、当該布押さえ19を支持する布押さえ棒18を介して下方に押圧されている。かかる布押さえ19はその長手方向がX軸方向に沿った状態で針板11上に配置され、布押さえ19の長手方向における中間位置よりも布送り方向の下流側(図3における左方)に幾分ずれた位置で支持されている。また、布押さえ19は、布押さえ棒18の下端部に対してY軸方向に沿った支軸ピンを介して連結されており、布押さえ19の両端部を上下方向に幾分揺動可能となっている。
また、布押さえ19の長手方向における中間位置付近には、上下動する縫い針を通過させる切り欠き(図示略)が形成されており、当該切り欠きが縫い針の針落ち位置と一致する配置で布押さえ棒18に支持されている。
(上下動機構及びミシンモータ)
図2に示すように、上下動機構は、アーム部の内側に配設され、ミシンモータに回転駆動されると共にY軸方向に沿って配設された上軸12と、縫い針を下端部で保持する針棒と、上軸12の回転駆動力を上下動の往復駆動力に変換して針棒に伝達する周知の伝達機構48とを備えている。そして、上軸12には、縦胴部22側の端部に、後述する送り装置40の上下送り軸43に回転駆動力を伝達するためのタイミングベルト13を掛け渡すプーリ14が固定装備されている。かかるタイミングベルト13は、縦胴部22内において、Z軸方向に対して幾分斜めに傾斜した状態で掛け渡されている。
ミシンモータは、アーム部の縦胴部側の端部の内側に設けられ、上軸12を回転駆動する。ミシンモータはその出力軸を上軸12の一端部に直結しても良いし、歯車等の伝達機構を介して連結しても良い。
(釜機構)
図1〜図3に示すように、釜機構30は、ベッド部21の内部に設けられており、前述した全回転釜31と、その一端部において全回転釜31を保持すると共にベッド部21内でY軸方向に沿った状態で回転可能に支持された釜軸32とを備えている。
釜軸32は、全回転釜31の配置に対応すべく、図1に示すように、ベッド部21内においてX軸方向の中央位置であってY軸方向に平行に配置されている。また、釜軸32は、全回転釜31とは逆側の端部において歯車機構60から全回転釜31の回転駆動力が入力されるようになっている。
全回転釜31は、縫い針から縫い糸を捕捉してループの形成を行う剣先を備えており、全回転釜31の回転による剣先の通過軌跡が、ちょうど縫い針の針落ち位置の脇を通るように、全回転釜31は針板11の針穴の真下近傍に配置されている。
(歯車機構)
歯車機構60は、送り装置40の上下送り軸43に固定装備された主動歯車61と、釜機構30の釜軸32に固定装備された従動歯車62を備えている。
これら主動歯車61と従動歯車62とは互いに噛合すると共に主動歯車61の歯数が従動歯車62の二倍に設定されている。これにより、歯車機構60は、釜軸32を介して全回転釜31を上軸12及び上下送り軸43の二倍の回転速度で両軸12,43の逆方向に回転させる。
(送り装置)
図2及び図3に示すように、送り装置40は、貫通穴11aから針板11上面に出没して布地を所定方向に送る送り歯41と、送り歯41を保持する送り台42と、送り台42を上下方向(Z軸方向)に沿って往復させるための回転駆動力が上軸12から伝達される上下送り軸43と、上下送り軸43の回転駆動力を偏心カム44により上下方向の往復駆動力に変換して送り台42に伝達する偏心ロッド45と、送り台42を送り方向(X軸方向)に沿って往復させるための往復回動駆動力が上下送り軸43から伝達される水平送り軸46と、水平送り軸46の往復回動駆動力を送り方向の往復駆動力に変換して送り台42に伝達する水平送りアーム47と、上下送り軸43の回転駆動力を往復回動駆動力に変換して水平送り軸46に伝達する伝達機構48とを備えている。
上下送り軸43は、ベッド部21内においてY軸方向に沿って回転可能に支持されており、前述した釜軸32よりも布地の送り方向上流側(図3における右方)に配置されている。かかる上下送り軸43の縦胴部22側の一端部には上軸12からタイミングベルト13を介して全回転の回転駆動力が伝達されるプーリ15が固定装備されている。かかるプーリ15は前述した上軸のプーリ14と歯数が同数であり、上下送り軸43には上軸12と同方向(図2及び図3における時計回転方向)で同速度の回転駆動力が伝達される。
また、上下送り軸43の他端部は針板11の下方まで伸びており、当該他端部には偏心カム44が固定装備されている。そして、この偏心カム44を介して偏心ロッド45の一端部が上下送り軸43に連結されている。かかる偏心ロッド45は、その一端部が円形の偏心カム44に対して相対的に回転可能に連結されており、他端部が送り台42の一端部に回動可能に連結されている。かかる偏心ロッド45は、送り台42との連結端部が上下送り軸43との連結端のほぼ上方に位置しているため、上下送り軸43が全回転で駆動すると、偏心カム44によりその偏心量の二倍のストロークで上下方向に沿った往復移動の駆動力を送り台42の一端部に付与することになる。
また、上下送り軸43の他端部は、その先端即ち当該上下送り軸43の送り台42側の端部が後述する水平送り軸46の先端よりも縦胴部22側となるように構成されている(図1参照)。つまり、図1に示す上下送り軸43は、その左端が図1における水平送り軸46の左端よりも右側となるように構成されている。
(伝達機構)
さらに、上下送り軸43の縦胴部22側の一端部近傍には、伝達機構48が設けられている。図4は伝達機構48が備える水平送り軸46に伝達する往復回動角度を調節するための送り量調節機構52を示す斜視図である。図1,2,4に基づいて伝達機構48について説明する。
伝達機構48は、上下送り軸43に固定装備された偏心カム49と、偏心カム49を介して上下送り軸43に一端部が連結された偏心ロッド50と、水平送り軸46に固定装備されると共に当該水平送り軸46を中心として揺動を行う揺動アーム51と、偏心ロッド50の他端部と揺動アーム51の揺動端部との間を連結すると共に水平送り軸46に伝達する往復回動角度の大きさを調節することが可能な送り量調節機構52とを備えている。
偏心ロッド50は、その一端部が円形の偏心カム49に対して相対的に回転可能に連結されており、他端部が送り量調節機構52に連結されている。かかる偏心ロッド50は、その長手方向がおおむねX軸方向に沿うように配置されており、上下送り軸43が全回転で駆動すると、偏心カム49によりその偏心量の二倍のストロークでその長手方向に沿って往復動作を行う。かかる偏心ロッド50の往復動作が送り量調節機構52及び揺動アーム51を介して水平送り軸46への往復回動駆動力として伝達される。
送り量調節機構52は、偏心ロッド50の他端部と揺動アーム51とを連結する一対の第一のリンク体53と、偏心ロッド50の他端部の往復運動方向をいずれかの方向に誘導する一対の第二のリンク体54と、第二のリンク体54による誘導方向を調節する送り調節リンク55と、当該調節のために送り調節リンク55を任意の方向に回動させる回動機構70(後述する)とを備えている。
第一のリンク体53は、その一端部が偏心ロッド50の他端部に、その他端部が揺動アーム51の揺動端部それぞれ回動可能に連結されている。
第二のリンク体54は、その一端部が偏心ロッド50の他端部に、その他端部が送り調節リンク55の回動端部に連結されている。
送り調節リンク55は、その基端部が本体フレーム20内に回動可能に支持されており、その回動端部は第二のリンク体54の他端部に回動可能に連結されている。そして、送り量調節機構52の上記各構成の回動連結部はいずれもその回動軸がY軸方向を向いている。
送り量調節機構52では、第一のリンク体53と第二のリンク体54とそれぞれの長手方向が一致する状態、つまり各リンク体53,54が丁度重なる状態で偏心ロッド50の駆動力が揺動アーム51に伝わらない状態となる。このとき、水平送り軸46は回動を行わないので、布送りが行われない状態となる。従って、各リンク体53,54が重なるように、送り調節リンク55が回動調節された位置を当該送り調節リンク55の中立位置とする。そして、逆送りレバー71の操作により、送り調節リンク55を時計方向又は反時計方向に回動させることで、その回動角度に応じた送り量で正方向又は逆方向の送りを行うための駆動力を水平送り軸46に付与することが可能となっている。
水平送り軸46は、ベッド部21内においてY軸方向に沿って回転可能に支持されており、前述した釜軸32よりも布地の送り方向下流側(図2及び図3における左方)に配置されている。かかる水平送り軸46の縦胴部22側の一端部には前述した送り量調節機構52を介して上下送り軸43から往復回動駆動力が付与され、他端部から水平送りアーム47を介して送り台41にX軸方向に沿った往復駆動力を伝達する。
水平送りアーム47は、その基端部が水平送り軸46の針板11側の端部に固定連結され、その揺動端部はほぼ上方に向けられた状態で送り台42に連結されている。
送り台42は、針板下方に配設され、布送り方向(X軸方向)における一端部が偏心ロッド45を介して上下送り軸43に連結され、他端部が水平送りアーム47を介して水平送り軸46に連結されている。また、送り台42の長手方向中間位置の上部には送り歯41が固定装備されている。
これにより、送り台42はその一端部から上下方向に往復駆動力が付与され、他端部からは同じ周期で送り方向の往復駆動力が付与される。そして、これらの往復駆動力を合成することでX−Z平面に沿って長円運動を行うこととなる。この送り歯42に伴って送り歯41も長円運動を行い、当該長円運動軌跡の上部領域を通過する際に送り歯41の先端部が針板1の貫通穴11aから上方に突出し、布地を送ることを可能としている。
また、送り台42は、上下送り軸43側の端部がやや縦胴部22側に曲成(オフセット)された状態で取り付けられている。
(回動機構)
図5に示すように、回動機構70は、ミシンの外部に現れるように配置された逆送りレバー71を備えている。逆送りレバー71の一端には、レバー軸72の一端が止めねじ72aにより固定されており、逆送りレバー71の操作により、レバー軸72は軸回りに回転する。逆送りレバー71の近傍には、逆送りレバー71の必要以上の動作を規制するストッパ71aが設けられている。レバー軸72の他端は、レバー軸メタル73に挿通され、平ねじ74aによってレバー腕74に取り付けられている。レバー腕74には、突起74bが設けられており、この突起74bは送り調節ロッド75に係合している。レバー腕74には、逆送りレバー71を常時上方に付勢するための送りレバーバネ74cが連結されている。
送り調節ロッド75は、板状に形成され、長手方向がミシンの上下方向に沿うように設けられている。送り調節ロッド75の上端は、本体フレーム20に取り付けられた図示しない送り調節体と連結されており、さらに、送り調節バネ77によって、送り調節ロッド75は、常時上方に付勢されている。送り調節ロッド75は、図示しないソレノイドの駆動により駆動させることもできる。送り調節ロッド75の下端は、送り調節軸腕ピン78を介して送り変換軸腕79に連結されている。
送り変換軸腕79には、送り変換軸80が挿通されている。送り変換軸80は、一端が送り変換軸メタル81に挿通され、送り変換軸腕79に平ねじ79aにより固定されている。送り変換軸80の長手方向中央付近には、送り変換軸80における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えるバランサ82が設けられている。
図5〜図8に示すように、バランサ82は、略棒状に形成され、一端には、送り変換軸80を挿通させる挿通孔82aが形成されている。バランサ82は、止めねじ82bによって送り変換軸80に取り付けられている。バランサ82は、送り変換軸80を挿通孔82aに挿通して送り変換軸80に取り付けた際に、その長手方向が送り変換軸80の径方向に沿うように形成されている。バランサ82は、送り調節リンク55が、被縫製物の送り方向が正送り方向となる回転角度である際に、送り変換軸80の軸心を通る鉛直線に対して所定角度の範囲内に位置するように設けられている。ここで、所定角度とは、バランサ82の長手方向に沿う中心線L1と送り変換軸80の軸心を通る鉛直線L2とのなす角度が右回り及び左回りに15°以内の角度をなすような角度をいう。また、バランサ82は、送り調節リンク55が、被縫製物の送り方向が逆送り方向となる回転角度である際に、バランサ82の長手方向に沿う中心線L1と送り変換軸80の軸心を通る鉛直線L2とのなす角度が右回り及び左回りに15°を超える角度をなすように設けられている。
すなわち、バランサ82は、送り変換軸80に取り付けた際に、送り変換軸80を含めた一つの剛体と考えた場合に、正送りの場合にはその重心が送り変換軸80の軸心から大きく外れないが、逆送りの場合にはその重心が送り変換軸80の軸心から大きく外れる。
具体的には、正送りで送りピッチを最大にしたときは、図7に示すように、バランサ82は、バランサ82の長手方向に沿う中心線L1と送り変換軸80の軸心を通る鉛直線L2とのなす角度が右回り及び左回りに15°以内の角度をなすような位置にいる。一方、逆送りで送りピッチを最大にしたときは、図8に示すように、バランサ82は、バランサ82の長手方向に沿う中心線L1と送り変換軸80の軸心を通る鉛直線L2とのなす角度が右回り及び左回りに15°を超える角度をなすような位置にいる。
これにより、送り変換軸80には、被縫製物の送り方向が逆送りの場合にのみ回転方向に荷重がかかる。
送り変換軸80には、バランサ82に隣接するように送り変換軸腕83が挿通され、さらに送り変換軸受84が挿通されている。送り変換軸腕83の一端には、ピン83aを介して送り変換軸80を常時下方に向けて付勢する送り変換バネ85が連結されている。送り変換軸受け84は、止めねじ84aにより送り変換軸80に取り付けられている。さらに、送り変換軸80には、オイルシール86、送り変換軸メタル87、連結腕88が挿通されている。連結腕88の一端は、送り変換軸80の端部に固定されている。連結腕88の他端には、連結ピン88aが挿通され、この連結ピン88aを介して連結リンク89の一端が連結されている。連結ピン88aの先端には、連結腕88及び連結リンク89を連結ピン88aに挿通させた状態でEリング90が設けられており、連結腕88及び連結リンク89の連結が外れないようになっている。連結リンク89の他端は、連結ピン91を介して送り調節リンク55の各端部にそれぞれ連結されている。連結ピン91の先端には、連結リンク89を連結ピン91に挿通させた状態でEリング93が設けられており、連結リンク89と送り調節リンク55の連結が外れないようになっている。また、送り調節リンク55には、当該送り調節リンク55の回動支点となる位置に支点軸94,96が挿入され、送り調節リンク55は、支点軸94,96を中心として回動自在とされている。
<回動機構の動作説明>
回動機構70は、逆送りレバー71を操作しないときには、送りレバーバネ74cの付勢力に常に上方に引っ張り上げられているから、正送り縫いを行う。従って、この場合には、逆送りレバー71は動作しないため、送り調節リンク55は回動することがなく、送り方向が逆送りに切り替えられたり、送り量が変化することもない。
ここで、逆送りレバー71が操作される、具体的には、逆送りレバー71が作業者によって図5における下方(矢印A方向)に押し下げられると、レバー軸72の軸線は、逆送りレバー71の回動軸線と一致するので、図5における紙面左方向から見て時計回り(矢印B方向)に回動する。レバー軸72の回動により、レバー軸72に固定されているレバー腕74も図5における紙面左方向から見て時計回り(矢印C方向)に回動する。レバー腕74の回動により、レバー腕74に設けられている突起74bもレバー軸72の軸線を中心に時計回り(矢印D方向)に回動し、突起74bに係合している送り調節ロッド75の下端部は、図5における紙面左斜め上方向(矢印E方向)に移動する。
送り調節ロッド75の移動により、送り調節ロッド75の下端に連結されている送り変換軸腕79は、図5における紙面左方向から見て反時計回り(矢印F方向)に回動する。送り変換軸腕79の回動により、送り変換軸腕79に取り付けられている送り変換軸80も図5における紙面左方向から見て反時計回り(矢印G方向)に回動する。
このとき、バランサ82は、送り変換軸80に取り付けられているので、送り変換軸80とともに図5における紙面左方向から見て反時計回り(矢印G方向)に回動する。
送り変換軸80の回動により、連結腕88も送り変換軸80の軸線を中心として図5における紙面左方向から見て反時計回り(矢印H方向)に回動する。連結腕88の回動により連結リンク89は、図5における紙面右斜め下方向(矢印I方向)に移動する。連結リンク89の移動により、送り調節リンク55は、支点軸94,96を支点として回動する。
<ミシンの動作説明>
上記構成からなるミシン10では、ミシンモータが回転駆動を開始すると、上軸12がミシンモータの回転出力に応じた回転数で回転駆動し、上下動機構は上軸12の回転数と同じ周波数で縫い針を上下させる。
一方、上軸12の回転駆動力はタイミングベルト13を介して送り装置40の上下送り軸43に伝達され、当該上下送り軸43は上軸と同方向同回転速度で回転駆動を行う。上下送り軸43は偏心カム44及び偏心ロッド45を介して送り台42及び送り歯41を縫い針の上下動と同期して上下動させる。
また、上下送り軸43の回転駆動力が伝達機構48により往復の回動駆動力となって水平送り軸46に伝達される。これにより、水平送り軸46は水平送りアーム47を介して送り台42及び送り歯41を縫い針の上下動と同期して送り方向に沿って往動させる。
これにより、送り装置40は、送り歯41に対して上下動及び送り方向に沿った往動の駆動力を合成して付与し、その結果、送り歯42を長円運動させることとなる。そして、この長円運動軌跡の上部を通過する際に送り歯が針板11の貫通穴11aから上方に突出し、布押さえ19に押圧された布地を下方から送り方向に沿って送ることとなる。
また、送り装置40には送り方向の往動の位相を調節可能な送り量調節機構48が設けられていることから、その逆送りレバー71を手動操作することで、正送り方向(図2及び図3における左方)又は逆送り方向の送りピッチを自在に設定することができ、また送りピッチを0に設定することもできる。
従って、送り装置40では設定された送りピッチで縫い針の上下動に同期して布地を送る。
また、上下送り軸43の回転駆動力は歯車機構60を介して釜軸32及び全回転釜31に伝達され、これにより、全回転釜31が縫い針の上下動に対して二倍の回転速度で且つ上軸12及び上下送り軸43とは逆方向に回転を行うこととなる。
これら上下動機構、送り装置40及び釜機構30の協働により、縫い針が上下動するたびに全回転釜31が縫い糸を捕捉して下糸を絡げ、且つ縫い針に同期して設定ピッチで布地が送られて縫製が実行される。
<実施形態の作用効果>
ミシンの送り装置によれば、バランサ82を設けることで、送り変換軸80には、当該送り変換軸80における軸線回りの一方の回転方向に荷重がかかる。これにより、送り調節リンク55に振動が発生しても、その振動エネルギーをバランサ82の荷重により抑制することができる。よって、ミシンの送り装置のびびりや騒音の発生を低減することができる。
また、逆送りの際には、送り変換軸80における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えることができつつ、正送りの際には、バランサ82は送り変換軸80の軸心を通る鉛直線に対して15°の範囲内に位置して、バランサ82の荷重が送り変換軸80の駆動にほとんど影響を及ぼさない。よって、バランサ82は送り装置に振動が発生する逆送りの時にのみ機能するので、バランサ82を送り変換軸80に取り付けるだけで済む。
また、バランサ82を送り変換軸80に設けることにより、バランサ82の存在は、回動機構70の動作に悪影響を与えることなく、発生する振動のみを的確に抑制することができる。
<その他>
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、バランサは、送り変換軸と別個に構成したが、送り変換軸をバランサと一体に形成しても良い。また、バランサを比重の大きな材料から形成することにより、バランサを小さくすることも可能である。また、バランサの形状においても、上記実施形態のように棒状に形成する必要はなく、バランサと送り変換軸を一つの剛体として考慮したときにその重心が振動を抑制する適切な位置にあればその形状は自由に設計変更可能である。
ミシンのベッド部内の構成を平面視した図。 図1におけるV−V断面図。 図1におけるW−W断面図。 送り調節機構を示す斜視図。 回動機構の分解斜視図。 送り変換軸に設けられたバランサを示す斜視図。 正送りの最大ピッチとした場合におけるバランサ及び送り調節リンクの状態を示す図。 逆送りの最大ピッチとした場合におけるバランサ及び送り調節リンクの状態を示す図。
符号の説明
11 針板
40 送り装置
41 送り歯
42 送り台
43 上下送り軸
46 水平送り軸
55 送り調節リンク
75 送り調節ロッド
80 送り変換軸
82 バランサ

Claims (2)

  1. 針板上に置かれた被縫製物の送りを行う送り歯を保持する送り台と、
    前記送り台に送り方向の揺動の駆動力を付与する水平送り軸と、
    前記水平送り軸よりも被縫製物の搬送方向上流側に配置され、前記送り台に対して上下方向の揺動の駆動力を付与する上下送り軸と、
    送り量及び送り方向を変える際に動作する送り調節ロッドと、
    前記送り調節ロッドに連結され、当該送り調節ロッドの動作とともに軸回りに回転する送り変換軸と、
    前記送り変換軸に連結されて当該送り変換軸と共に回転し、その回転角度に応じて送り量及び送り方向を変える送り調節リンクと、を備えるミシンの送り装置において、
    前記送り変換軸に、当該送り変換軸における軸線回りの一方の回転方向に荷重を加えるバランサを設けたことを特徴とするミシンの送り装置。
  2. 前記バランサは、
    前記送り調節リンクが、被縫製物の送り方向が正送り方向となる回転角度である際に、前記送り変換軸の軸心を通る鉛直線に対して所定角度の範囲内に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のミシンの送り装置。
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