JP2008245734A - ミシンの針振り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで正しい縫い目を形成できるミシンの針振り装置を提供する。
【解決手段】ミシンの針振り装置1は、針棒台2と、揺動レバー19と、針棒連竿7と、垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配が形成された案内溝5aが設けられた針棒抱き5と、角コマ9と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシンの針振り装置に関する。
針棒を1針ごとに交互に揺動させながら千鳥縫い、ボタンの穴かがり縫い等を行うミシンに搭載され、針棒を揺動させながら針棒を上下動させるミシンの針振り装置として、従来より、揺動レバーが針棒台を揺動させるとともに、針棒に固定装備された針棒抱きに設けられた針棒の上下動方向に直交した案内溝に沿って移動可能な角ゴマを介して針棒連竿が針棒を軸方向に上下動させる構成が知られている(特許文献1)。
特許第3498618号公報
図8は上述の従来技術による針振り装置に備えられた針と垂直釜の剣先との位置関係を示した側面図である。図8(a)及び図8(b)に示すように、縫い針103aは垂直釜150の上部において剣先151が移動する方向に沿って揺動を行い、その揺動と上下動とは同期していることから、垂直釜150の剣先151の移動方向の上流側と下流側とに交互に針落ちを行うこととなる。そして、図8(a)のように、図示しない針棒連竿によって上下動の往復運動を行う縫い針103aは、垂直釜50に最も近接する位置(以後「下死点」と表記)に位置した後に垂直釜150から離れる。このとき、縫い針103aの縫い糸Tが形成するループLを、回転運動を行う垂直釜150の剣先151が捕捉することにより、周知のように縫い目が形成される。
しかし、針振り装置を有するミシンでは、図8(a)及び図8(b)に示すように、針振りにおける揺動の方向によって、上述のループLを剣先151が捕捉するまでに垂直釜150が行う回転運動量R1とR2とは異なり、垂直釜150の回転における下流方向(図8(b)の位置)の方が上流方向(図8(a)の位置)よりも剣先151の移動距離および移動に要する時間は長くなる。このため、下流方向において剣先151が縫い針103aによって形成されたループLを捕捉するタイミングは上流方向において剣先151が縫い針103aによって形成されたループLを捕捉するタイミングよりも遅れる。そして、下流方向において垂直釜151が図8(b)に示す位置では、縫い針103aは既に垂直釜150及び剣先151から離れてしまう。このため、縫い針103aによって形成されるループLが縫い針103aの上方への移動に伴って剣先151から届かない位置にある場合があり、縫い目が正しく形成されないことがあるといった問題があった。この問題は上述の従来技術に開示されているように、針棒に上下動運動を付加する針棒連竿を垂直方向に案内する垂直溝の位置を垂直釜150の運動量が少ない側へ変位させることで若干改善されるものの、根本的な解決とはならず不十分であった。この問題を根本的に解決するためには、縫い針103aの上下動タイミングや垂直釜150の回転リズムを変化させて、ループLの形成タイミングと剣先151がループLを捕捉可能な位置となるタイミングとを一致させてやる必要がある。そのためには別途専用の制御装置を設けねばならず、コストが高くなってしまうという問題があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、低コストで正しい縫い目を形成できるミシンの針振り装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、針棒をその針棒の軸方向に上下動可能に支持する針棒台と、前記針棒を、前記針棒台と共に針棒の下端部を垂直釜の回転による剣先の移動方向に沿って揺動させる揺動手段と、一端が、ミシンモータから供給される駆動力によって上軸を中心に円運動すると共に、他端が上下方向に往復運動を行う針棒連竿と、前記針棒の揺動方向に沿って形成された案内溝を有し、前記針棒と一体に上下動するガイド部材と、前記針棒連竿の他端に設けられると共に、前記案内溝に遊嵌され、移動可能に支持される接続部材と、を備えるミシンの針振り装置であって、前記ガイド部材の案内溝は、垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配が形成されていることを特徴とする。
請求項1における「垂直釜の回転による剣先の移動方向」とは垂直釜の上半分の範囲内で剣先が移動する方向を示し、「垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かう」方向とは、垂直釜の上半分で剣先が移動する範囲内で当該移動方向における上流から下流に向かう状態を示すものとする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のミシンの針振り装置であって、前記ガイド部材の案内溝は、円弧状であることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ガイド部材に設けられた案内溝は垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配が形成されている。このため、針が垂直釜の上流から下流に揺動した場合の針棒連竿の他端の位置はガイド部材の上端に近接した位置にあり、針が垂直釜の下流から上流に揺動した場合の針棒連竿の他端の位置はガイド部材の下端に近接した位置にある。これによって、針が上流から下流に揺動した場合の針の下死点は、針が下流から上流に揺動した場合の針の下死点に対して下方に位置する。これによって、下流側へ揺動した場合には、垂直釜の剣先が縫い針から糸を捕捉する位相に遅れを生じるが、縫い針の下死点も下方に修正されるので、位相の遅れに対して捕捉時の針の高さを適正化でき、剣先がループを正確に捕捉できるようになり、正しい縫い目が形成される。
また、上述のように正しい縫い目が形成されるので、針と釜とのタイミングを合わせるために専用の制御装置を設ける必要性がなくなり、低コストで正しい縫い目を形成できる針振り装置を提供することが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、垂直釜の剣先は円運動を行うので、上流側及び下流側において剣先がループを捕捉する位置に対して、縫い針が揺動しない場合において剣先がループを捕捉する剣先の位置は上方に位置するが、案内溝が円弧状であることによって、縫い針が揺動しない場合の縫い針の下死点は、案内溝が直線状である場合よりも上方に位置する。これによって、縫い針が揺動しない場合において剣先がループを捕捉する際の縫い針の高さを適正化でき、より正しい縫い目が形成される。
また、前記案内溝は円弧状であるので、針振りの揺動によって前記案内溝を揺動方向に往復移動する前記接続部材の移動がスムースになり、接続部材が案内溝に対して引っ掛かりを生じたりすることによる動作不良や故障の可能性をより低減することができる。
さらに、案内溝及び接続部材の磨耗も低減することができ、安定性が高く、かつ耐久性の高いミシンの針振り装置を提供することが可能となる。
(発明の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本願発明のミシンの針振り装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
針振り装置1は、縫い針を下端部で保持する針棒3を上下方向に摺動可能に支持する針棒台2と、針棒台2を介して針棒3に往復揺動力を付与する揺動レバー19と、上軸の回転駆動力を上下方向の往復駆動力に変換する針棒連竿7と、針棒連竿7の上下方向の往復駆動力を針棒に伝達する角コマ9及び「ガイド部材」としての針棒抱き5とを備えている。
なお、本発明のミシンの針振り装置は、針棒を揺動させながら縫いを行うミシン、例えば千鳥縫い、ボタンの穴かがり縫い等を行うミシンに搭載され、針棒を揺動させながら針棒を上下動させるミシンの針振り装置である。
また、上述のミシンは、図示しないミシンのアーム部に配接された図示しない上軸と、図示しないミシンのベッド部に、上軸と平行に配接された図示しない下軸と、下軸に連結され、下軸の回転によって所定の回転運動を行う図示しない垂直釜と、を備える。上軸には図示しないミシンモータが接続されており、ミシンモータの駆動力によって上軸は回転する。上軸の回転は、上軸と下軸との間に設けられた動力伝達機構(例えば上軸及び下軸に固定されたスプロケットと、スプロケットを相互に接続するタイミングベルト)を介して下軸に伝達され、下軸は回転する。下軸が回転すると、下軸に連結された垂直釜は所定の回転運動を行う。
このとき、上軸に沿った方向をY軸方向、Y軸方向に直交し、図示しない針板上面に平行な方向をX軸方向、X軸Y軸方向とに直交する方向をZ軸方向とする。
垂直釜は図示しないミシンのベッド部の上面に設けられた針板の下部に設置されている。また、垂直釜は垂直全回転釜であり、針が1回上下動するごとに垂直釜は2回転する、所謂垂直二回転釜である。垂直釜の回転軸はY軸に沿う方向であり、回転方向はX軸方向に沿う方向となる。また、垂直釜の回転によって垂直釜の剣先が移動する方向は、垂直釜の回転軸が設けられた方向と逆の方向から垂直釜を見た場合において時計回りである。つまり、当該方向から垂直釜を見た場合、垂直釜の上半分において剣先は左から右へ移動する。このとき、左側を「上流」、右側を「下流」とする。
針棒台2はその上端部が針板上面の上方に延設された図示しないミシンフレームのアーム部に設けられた支軸によって支持され、X軸方向に揺動可能に設置されている。針棒3は、針棒台2によって針棒3の軸方向に摺動可能に支持されている。また、針棒3は下端部において図示しない縫い針3aを固定支持する。つまり、上述のようなミシンにおけるミシンの針振り装置において、針棒台2が揺動することで針棒3に固定された縫い針3aは揺動し、針棒3が針棒台2の揺動方向に沿って軸方向に摺動することで縫い針3aは上下動を行う。
針棒台2の下端には、揺動レバー19の揺動端部が接続されている。揺動レバー19は、図示しないミシンモータによって駆動力を付与され回転する図示しない上軸と同期して当該上軸2回転につき一往復の揺動回動を行う揺動軸17の回動を受け、揺動軸17を中心にして揺動を行う。かかる揺動レバー19の揺動端部は、角コマ21を介して針棒台2に接続されている。かかる角コマ21は、揺動レバー19の揺動端部に対してY軸回りに回転可能に軸支され、なおかつ、針棒台2に対して上下に摺動可能に支持されている。
また、針棒台2の側面には平板状の針棒案内15が設けられている。針棒案内15は、針棒3に沿って形成された長穴15aに対して針棒抱き5の側面から突出した突起5bが係合しており、針棒3が針棒台2に対して針棒3の軸回りに回転するのを防止する。
針棒連竿7は、図示しない上軸の回転に伴い回転運動を行う回転錘Cに一端7aを固定されている。針棒連竿7の一端7aは円運動を行い、他端7bは角コマ9及び針棒抱き5を介して針棒3と連結されている。角コマ9は、針棒連竿7の他端7bにおいてY軸回りに軸支されることで回転可能な「接続部材」として機能し、なおかつ、角コマ9は針棒抱き5の案内溝5aに移動自在に係合することで接続されている。
また、針棒連竿7の他端7bの角コマ9を設けた側と反対側にはY軸回りに回転可能に軸支された角コマ11が設けられ、図示しないミシンフレームに固定された針棒連竿案内13のZ軸方向に沿う向きに形成された垂直溝13aに係合している。これによって、針棒連竿7の他端7bはZ軸方向にのみ移動可能に案内されるとともに、針棒連竿7の一端7aが円運動することによって他端7bの上下動の往復移動ストロークは、常に一定となる。また、上述のように針棒連竿7の他端7bが上下動すると、針棒連竿7の他端7bと係合した針棒抱き5もまた上下動し、針棒抱き5を固定する針棒3もまた上下動する。つまり、回転錘Cが回転すると、針棒連竿7の他端7bが上下動し、これに伴い針棒3も上下動する。
また、針棒3と針棒台2は、その下端部かX軸方向に沿って揺動を行うが、その場合でも、角コマ9が針棒抱き5の案内溝5aに沿って摺動を行うので、針棒連竿7は、針棒3と針棒台2の揺動を妨げることなく針棒3に上下動を付与することが可能である。
(ガイド部材)
次に「ガイド部材」としての針棒抱き5について、図2及至図4を用いて詳細に説明する。
図2は針棒抱き5を示す斜視図である。図2(a)は角コマ9を介して針棒連竿7の他端7bが接続される面部とは逆から見た斜視図であり、図2(b)は角コマ9を介して針棒連竿7の他端7bが接続される面部から見た斜視図である。
針棒抱き5は、図示しない垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かう(図2(a)における右方、図2(b)における左方に向かう)につれて下方に向かう勾配を持つ案内溝5a針棒案内15の長穴15aに係合する突起である5bと、を備える。
図3は針棒3がZ軸方向に沿う方向(以後、中央と記述)の状態で下死点にある際の針棒3、針棒抱き5及び針棒連竿7の位置関係を面部側(図1の左方側)から見た状態を示す説明図である。
先端に縫い針3aが備えられた針棒3には、針棒抱き5が所定の位置に固定されており、針棒抱き5には図示しない垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かう(図3における右方に向かう)につれて下方に向かう勾配を持つ案内溝5aが設けられている。また、案内溝5aには接続部材としての角コマ9を介して針棒連竿7が接続されている。このとき、角コマ9は案内溝5aの勾配に沿って傾いている。
図4は針棒3が揺動した状態で下死点にある際の針棒3、針棒抱き5及び針棒連竿7の位置関係を示す説明図である。なお、図4(a)は上述の上流側に針棒3が揺動した際の当該位置関係であり、図4(b)は上述の下流側に針棒3が揺動した際の当該位置関係である。
針棒3が上流側に揺動した場合、図4(a)に示すように、角コマ9は案内溝5aの下流側に位置する。このとき、針棒3が揺動ストロークの中間位置に位置する場合よりも針棒抱き5は角コマ9に対して高さT1だけ上昇したこととなる。
針棒3が下流側に揺動した場合、図4(b)に示すように、角コマ9は案内溝5aの上流側に位置する。このとき、針棒3が揺動ストロークの中間位置に位置する場合よりも針棒抱き5は角コマ9に対して高さT2だけ下降したこととなる。
つまり、実施例においては、針棒3が上流側に揺動した場合の下死点は針棒3が中央に位置する場合の下死点よりもT1だけ上方にあり、針棒が下流側に揺動した場合の下死点は針棒3が中央に位置する場合の下死点よりもT2だけ下方にあることとなり、上流側と下流側との下死点の高低差はT1とT2とを加算した値となる。これにより、上流側と下流側との下死点の高さに差異を設けることが可能となる。
(針棒の揺動と釜の剣先との位置関係)
次に、針棒3が揺動する際の針棒3の針先3aと垂直釜の剣先との位置関係を、図5及び図6を用いて詳細に説明する。
図5は、実施例における針振り装置によって針棒3が揺動した場合の針先3aと垂直釜50の剣先51との位置関係を示す説明図である。なお、図5(a)は上述の上流側に針棒3が揺動した際の当該位置関係であり、図5(b)は上述の下流側に針棒3が揺動した際の当該位置関係である。また、垂直釜50及び回転錘Cは図5(a)及び図5(b)において時計回りに回転しており、回転錘Cが1回転する間に垂直釜50は2回転する。
針棒3が上流側に揺動して下降した場合、から説明する。
垂直釜50の剣先51が縫い糸のループを捕捉するのは縫い針3aが下死点から上方に移動を開始したすぐ後の位置であり、縫い針3aが図5(a)に示すように、釜の剣先の最上位置よりも幾分上流側の位置を通り、その際に剣先51は前述のループを補足する。このとき、角コマ9は針棒抱き5の案内溝5aの(釜剣先移動方向における)下流側端部近傍の位置にあり、針棒抱き5を介して針棒3は前述した高さT1だけ押し上げられた状態にある。
次に、針棒3が下流側に揺動して下降した場合について説明する。針棒3が下流側に揺動した場合に垂直釜50の剣先51が縫い糸のループを捕捉するのは、当該針落ち位置に剣先が到達したときであるため、上流側の針落ちの場合に比較して図5(b)に示す角度θ1だけ釜位相に遅れを生じる。釜は上軸の倍速で回転するため、上軸位相ではθ1の半分の角度θ2だけ遅れを生じる。これにより、針棒連竿7は針棒3が上流に揺動した場合に比べて角コマ9が上方に移動した状態となる。これに伴い、前述の針棒連竿7の移動と同様に角コマ9は上方へと移動することとなる。しかしながら、針棒3は下流側に揺動を行っているので、角コマ9は、針棒抱き5の案内溝5aの(釜剣先移動方向における)上流側端部近傍の位置にあり、針棒抱き5を介して針棒3は前述した高さT2だけ押し下げられた状態にある。
つまり、針棒3が下流に揺動した場合に剣先51がループを捕捉する際には、針棒3が上流に揺動した場合と比較して上軸がより多く回転運動を行っており、これに伴い針棒連竿7の他端7bに設けられた角コマ9がより上方に位置することによって、角コマ9及び案内溝5aが設けられた針棒抱き5を介して上下動運動を伝達される針棒3の縫い針3aも上方に引き上げられる。しかしながら、上述の実施例においては、案内溝5aが垂直釜50の回転による剣先51の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配を持つ。これによって針棒3が下流側に揺動した場合の針棒3の縫い針3aは、針棒3が上流側に揺動した場合の下死点よりも垂直釜50に対してT1+T2だけ下方に位置する。このため、針棒3が下流側に揺動した場合において垂直釜50が角度θ1だけ回転する間に回転錘Cが角度θ2だけ回転することで針棒連竿7の他端7bが上方に移動し、針棒3の縫い針3aが上方に移動してしまっても、剣先51と縫い針3aとの位置関係が大きく離れてしまうことなく、剣先51は縫い針3aによって形成されるループを正しく捕捉することが可能となる。
図6は、上述の実施例と従来技術(従来)とによる、針棒3の縫い針3aが形成する縫い糸のループを剣先51が補足する際の、縫い針3aの針穴から垂直釜50の剣先51の上端に対する距離を示した表である。なお、「上流」は縫い針3aが上流側に揺動した場合、「中央」は縫い針3aがいずれの方向にも揺動しない場合、「下流」は縫い針3aが下流側に揺動した場合を示す。
図6に示すように、従来技術においては表の上流の値に対して下流の値が大幅に小さいことから、縫い針3aが上流側に揺動した場合に対して、下流側に揺動した場合の縫い針3aの先端部は上方に位置する。一方、上述の実施例においては案内溝5aが垂直釜50の回転による剣先51の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配を持つことにより、表における上流の値と下流の値とが同一となる。つまり、従来技術では上流と下流とで異なっていた剣先51がループを捕捉する際の縫い針3aの位置を実施例においては調整することができる。これによって目飛びのない正しい縫い目が形成される。
(作用効果)
上述の実施例によれば、針棒抱き5に設けられた案内溝5aは垂直釜50の回転による剣先51の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配が形成されている。このため、縫い針3aが垂直釜50の上流から下流に揺動した場合の針棒連竿7の他端7bの位置は針棒抱き5の上端に近接した位置にあり、針が垂直釜の下流から上流に揺動した場合の針棒連竿7の他端7bの位置は針棒抱き5の下端に近接した位置にある。これによって、縫い針3aが上流から下流に揺動した場合の下死点は、縫い針3aが下流から上流に揺動した場合の下死点に対して下方に位置する。これによって、下流側に揺動した場合には、垂直釜50の剣先51が縫い針3aから糸を捕捉する位相に遅れを生じるが、縫い針3aの下死点も下方に修正されるので、位相の遅れに対して捕捉時の針の高さを適正化でき、剣先がループを正確に捕捉できるようになり、正しい縫い目が形成される。
また、上述のように正しい縫い目が形成されるので、縫い針3aと剣先51とのタイミングを合わせるために専用の制御装置を設ける必要性がなくなり、低コストで正しい縫い目を形成できる針振り装置1を提供することが可能となる。
(他の実施例)
針棒抱きの他の例を、図7及び図8を用いて詳細に説明する。先の実施例と同じ構成については同じ符号を付して重複する説明は省略する。
図7は他の針棒抱き5Aを示す斜視図である。
図7に示すように、針棒抱き5Aは、垂直釜50の回転による剣先51の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配が形成されるとともに円弧状である案内溝5Aaと、針棒案内15の長穴15aに係合する突起5Abと、が設けられている。案内溝5Aaの円弧は上方に凸状の円弧である。
このとき、案内溝5Aaが上方に凸状の円弧であることで、針棒台2及び針棒3がいずれの方向にも揺動しない中央位置において縫い針3aが上下動を行った場合の下死点は、上述の実施例における案内溝5aが設けられた針棒抱き5を備えた場合の中央位置の縫い針3aの下死点に比べて下方に位置することとなる。また、中央位置において縫い針3aの形成するループを垂直釜50の剣先51が捕捉する際の剣先51の上端の位置は、縫い針3aが上流及び下流方向に揺動した場合の剣先51の位置に比べて下方に位置する。つまり、案内溝5Aaが上方に凸状の円弧であることで、中央位置における剣先51の位置に合わせて縫い針3aの位置を適正化することが可能となる。
なお、当該円弧は、例えば図6に示す距離について、上流及び下流と中央の数値が同一となるよう調整することがより望ましい。
また、針棒抱き5Aの案内溝5Aaに係合する針棒連竿7の他端7bに接続された図示しない角コマ9Aは、Z軸方向に形成された面部について案内溝5Aaに沿う円弧状の形状を備える部材である。
かかる構成の場合、上述の実施例の効果に加えて、針棒3の縫い針3aが形成する縫い糸のループを剣先51が補足する際の、縫い針3aの針穴から垂直釜50の剣先51の上端に対する距離について、針振りの上流及び下流における当該距離と中央位置における当該距離との誤差を低減することができるので、縫い針が揺動しない場合において剣先がループを捕捉する際の針の高さを適正化でき、より正しい縫い目が形成される。
また、案内溝5Aaは円弧状であるので、針振りの揺動によって案内溝5Aaを揺動方向に往復移動する角コマ9Aの移動がスムースになり、角コマ9Aが案内溝5Aaに対して引っ掛かりを生じたりすることによる動作不良や故障の可能性をより低減することができる。
さらに、案内溝5Aa及び角コマ9Aの磨耗も低減することができ、安定性が高く、かつ耐久性の高いミシンの針振り装置を提供することが可能となる。
(その他)
なお、接続部材はガイド部材の案内溝に対して揺動方向に往復移動可能な部材であれば何でもよい。例えば円柱形のコロ部材や、ベアリングでもよい。
本願発明のミシンの針振り装置の一実施形態を示す分解斜視図である。 針棒抱き5を示す斜視図である。図2(a)は角コマ9を介して針棒連竿7の他端7bが接続される面部とは逆から見た斜視図であり、図2(b)は角コマ9を介して針棒連竿7の他端7bが接続される面部から見た斜視図である。 針棒3がZ軸方向に沿う方向の状態で下死点にある際の針棒3、針棒抱き5及び針棒連竿7の位置関係を示す説明図である。 針棒3が揺動した状態で下死点にある際の針棒3、針棒抱き5及び針棒連竿7の位置関係を示す説明図である。 実施例における針振り装置によって針棒3が揺動した場合の縫い針3aと垂直釜50の剣先51との位置関係を示す説明図である。 本願発明の実施例と従来技術(従来)とによる、針棒3が垂直釜50の回転による剣先51の移動方向の上流側に揺動した場合(上流)、針棒3が中央に位置する場合及び針棒3が垂直釜50の回転による剣先51の移動方向の下流側に揺動した場合(下流)において、針棒3の縫い針3aが形成する縫い糸のループを剣先51が補足する際の、縫い針3aのの針穴から垂直釜50の剣先51の先端に対するZ軸方向の距離を示した表である。 本願発明の他の実施例による針振り装置1Aにおける針棒抱き5Aを示す斜視図である。 従来技術による針振り装置に備えられた針と垂直釜の剣先との位置関係を示した側面図である。
符号の説明
1 針振り装置
2 針棒台
3 針棒
3a 縫い針
5 針棒抱き
7 針棒連竿
9 角コマ
19 揺動レバー
50 垂直釜
51 剣先
C 回転錘

Claims (2)

  1. 針棒をその針棒の軸方向に上下動可能に支持する針棒台と、
    前記針棒を、前記針棒台と共に針棒の下端部を垂直釜の回転による剣先の移動方向に沿って揺動させる揺動手段と、
    一端が、ミシンモータから供給される駆動力によって上軸を中心に円運動すると共に、他端が上下方向に往復運動を行う針棒連竿と、
    前記針棒の揺動方向に沿って形成された案内溝を有し、前記針棒と一体に上下動するガイド部材と、
    前記針棒連竿の他端に設けられると共に、前記案内溝に遊嵌され、移動可能に支持される接続部材と、
    を備えるミシンの針振り装置であって、
    前記ガイド部材の案内溝は、垂直釜の回転による剣先の移動方向の上流側から下流側へ向かうにつれて下方に向かう勾配が形成されていることを特徴とするミシンの針振り装置。
  2. 前記ガイド部材の案内溝は、円弧状であることを特徴とする請求項1に記載のミシンの針振り装置。
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