JP2009011726A - ミシン - Google Patents

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勝 森田
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Abstract

【課題】より好適に縫い針に当接する針受けを備えるミシンを提供する。
【解決手段】ミシンは、縫い針2を支持する針棒1と、ルーパ6と、縫い針2を側方から押さえる針受け5と、針受け5を揺動させる揺動機構10と、を備え、揺動機構10は、針受け5を支持して揺動する揺動部材11と、揺動部材11を縫い針2側に付勢するバネ12と、揺動部材を停止させるストッパ13と、偏心カム14と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、針受けを備えているミシンに関する。
縁かがりミシン等、針糸が形成するループをルーパが捕捉することで縫い目を形成するミシンにおいては、縫い針の振動を止めると共に、針糸のループが形成される位置が確実にルーパの経路となるよう縫い針を案内する針受けが設けられているものがある。針受けは、縫い針の側方から接触することにより、針棒の上下動により上下動する縫い針に発生する振動を抑えると共に、縫い針の上下動の経路を案内する。
図10は従来の針受けの構成の一例を示す側面図である。
針受け110は、ミシンフレームのベッド部下方に配接された下軸103に設けられた偏心カム111と、偏心カム111と摺動するように設けられて偏心カム111の回転によって揺動する偏心カム摺動部112と、偏心カム摺動部112に対して所定角度で固定されて設けられた揺動部113と、縫い針102と当接する針受け114と、を備えている(例えば特許文献1)。
下軸103が回転すると、偏心カム111が回転し、偏心カム摺動部112は軸部104を回転軸として揺動する。これに伴い、偏心カム摺動部112に対して所定角度で固定された揺動部113は軸部104を回転軸として揺動し、針受け114は縫い針102に対して揺動する。つまり、偏心カム111の回転運動によって針受け114が縫い針102に対して前進と後退とを繰り返すように揺動することにより、針受け114は縫い針102の側方に対して接離する。
特開昭58−92391号公報
しかしながら、特許文献1を含む従来の可動式の針受けは、偏心カム111の回転運動によって針受け114を揺動させる構成であるため、針受け114は常に揺動運動を行っていた。つまり、針受け114を縫い針102に対して所定角度で維持する仕組みがなかった。このため、針受け114を針受けが縫い針と接触するための最適な位置角度となるのは当該位置角度に対応した偏心カム111の外周部の一箇所が偏心カム摺動部112と接している一瞬のみであった。当該最適な位置角度でのみ針受け114と縫い針112とを接触させる場合、針受け114が縫い針102に対して最前進した位置で針受け114が縫い針102に接触することとなる。この場合、針受け114が縫い針102に接触する時間が短くなりすぎて縫い針102の振動を止められず、また縫い針102の経路を十分に案内できないといった問題点があった。一方、針受け114が縫い針102に接触する時間を十分に確保するためには、針受け114の位置を縫い針102よりも前方まで前進させる必要がある。その場合、針受け114と縫い針102が接触した後に針受け114がさらに縫い針102側に前進することにより、縫い針102に対して側部側から強い押圧力が加わる。この場合、縫い針102の針曲がりや針折れを発生させたり、針糸のループの形成位置を狂わせて目飛びや糸切れを発生させたりするといった問題点があった。
また、上述のように針受けが常に揺動運動を行っていると、針受け114は最前進位置で一瞬しか停止しないので、針受けの揺動範囲の把握が難しく、針受けの前進位置と縫い針の位置との位置合わせに多大な時間を要するといった問題点があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、より好適に縫い針に当接する針受けを備えるミシンを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を支持可能に設けられて被縫製物に対して上下動する針棒と、針糸によって形成されるループを捕捉するルーパと、下降した縫い針を側方から押さえる針受けと前記針受けを前記縫い針に対して接離する方向に揺動させる揺動機構と、を備え、前記揺動機構は、ミシンモータの駆動によって回転するカムと、針受けを保持して前記カムから動力を伝達されて揺動する揺動部材と、を有し、前記カムが所定の回転角度区間を回転する間、前記針受けを最前進位置で停止させることを特徴とするミシンである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記揺動機構は、前記針受けが縫い針側に揺動するよう付勢する付勢手段と、前記付勢手段によって縫い針側に揺動する前記針受けを途中で制止するストッパと、を備え、前記カムは前記縫い針と逆側への揺動のみを前記揺動部材に付与することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記カムは三角カムであって、前記揺動機構は、前記針受けが最前進位置となるときに前記揺動部材に対して前記三角カムの回転軸に対する径が一定となる区間が接するように当該三角カムを配することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、揺動機構は、カムが所定の回転角度区間を回転する一定期間、針受けを最前進位置で停止させる。最前進位置で停止した針受けは縫い針を側方から押さえ、縫い針の振動を抑止すると共に、縫い針の上下動の経路を適正に案内する。このとき、針受けは一定期間停止しているので、縫い針の振動の抑止及び経路の案内を十分に行うことが可能となる。つまり、針受けが最前進位置となった場合に針受けが縫い針の側方に接触することで縫い針を案内するように設定すれば、針受けはカムが所定の回転角度区間を回転する間、縫い針を側方から押さえ続ける。よって、針受けが縫い針に接触する時間が短くなりすぎて縫い針を十分に案内できないといった問題点を解消でき、ミシンの安定性及び信頼性が大幅に向上する。
また、針受けは最前進位置で一定期間停止するので、針受けが最前進位置となった場合に針受けが縫い針の側方に接触することで縫い針を案内するように設定すれば、針受けは縫い針を必要以上に押圧しない。つまり、針受けと縫い針が接触した後に針受けがさらに縫い針側に前進することにより、縫い針に対して側部側から強い押圧力が加わって、縫い針の針曲がりや針折れを発生させたり、針糸のループの形成位置を狂わせて目飛びや糸切れを発生させたりするといった問題点を解消できる。よって、ミシンの縫い品質が大幅に向上することに加え、針が損傷する可能性を大幅に低減できることによってミシンの安定性及び信頼性がより一層向上する。
さらに、カムが所定の回転角度を回転する間、針受けは最前進位置で停止するので、針受けの最前進位置を把握することが極めて容易となる。これによって、針受けの最前進位置と縫い針の位置との位置合わせが短時間で行える。よって、ミシンの調整作業における効率が大幅に向上する。
請求項2記載の発明によれば、前記揺動機構は、付勢手段によって縫い針側に揺動し、ストッパによって縫い針側への揺動を停止される。つまり、最前進位置はストッパの配接位置によって決定する。また、カムによる揺動部材の揺動は、縫い針と逆側への揺動のみ行われる。つまり、針受けは、付勢手段によって縫い針側へと揺動し、ストッパによって最前進位置で停止することで縫い針の側方へ接触する。また、針受けは、カムによって縫い針と逆側へ揺動し、縫い針から離隔する。よって、ストッパの配接位置を調節することで針受けの最前進位置を調節できる。よって、針受けの最前進位置と縫い針の位置との位置合わせをさらに容易に行うことができ、ミシンの調整作業における効率がより一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、三角カムの回転軸に対する径が一定となる区間が揺動部材に接するときに針受けは最前進位置で停止する。即ち、請求項3の構成においては、カムの形状及び当該三角カムの配接方法を除いて従来技術と同様の構成を用いることが可能である。つまり、従来のミシンに大幅な設計変更を加えることなく針受けを最前進位置で停止させるミシンを実現することができる。よって、低コストで当該ミシンを提供できる。
(本発明によるミシンの構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明によるミシンは、縫い針2の上下動によって形成された針糸のループをルーパ6が捕捉することで縫い目を形成するミシンにおいて、縫い針2を案内する針受け5が設けられたミシンである。
図1はミシンの針受け5とその周辺の構成を示す側面図である。
ミシンは、ミシンフレームのアーム部の下面部に設けられて被縫製物に対して上下動する針棒1と、針棒1に支持されて針糸を案内する縫い針2と、縫い針2に対して側方から接離するよう動作する針受け5と、針棒1の上下動方向とに直交する平面状であって布送り方向にほぼ直交する方向に沿って縫い針2の側方を通過するよう設けられて針糸のループを捕捉するルーパ6と、針受け5を縫い針2に対して接離する方向に揺動させる揺動機構10と、を備えている。
また、図示しないが、ミシンは、ミシンフレームのアーム部の延設方向に沿って配接された上軸と、上軸を回転させるミシンモータと、上軸と針棒1とを連結するよう設けられて上軸の回転運動を上下動運動に変換して針棒1に伝達する上下動機構と、上軸の回転を下軸に伝達する動力伝達機構と、を備えている。
ミシンモータの駆動によって上軸が回転すると、上下動機構を介して針棒に上下動運動が伝達され、針棒1及び縫い針2を上下動させる。また、上軸の回転は動力伝達機構を介して下軸に伝達され、下軸を回転させる。下軸の回転は揺動機構10の偏心カム14を回転させる。揺動機構10及び偏心カム14については後述する。
また、ルーパ6は下軸3の回転と連動して動作するよう設けられている。ルーパ6は、針棒1の上下動方向とほぼ直交した方向に沿って縫い針2の側方を通過するよう動作する。このとき、図1に示すように、縫い針2の側方を通過した際に縫い針2が形成する針糸のループを潜るようにルーパ6は動作する。その後、ルーパ6は縫い針2から離隔するよう動作する。
縫い針2が下降しきってから上昇する際に、縫い針2の糸通し穴2aによって導かれた針糸はループを形成する。ルーパ6は上述のように当該ループを潜るように動作する。このときルーパ6はルーパの先端部に設けられた糸通し穴(図示略)にルーパ糸を通しており、ルーパ6が縫い針2から離隔するよう動作する際にルーパ糸はループを形成する。上昇後再び下降した縫い針2は当該ルーパ糸のループを潜る。その後、縫い針2が再び上昇する際には針糸によって新たなループが形成されており、ルーパ糸は当該針糸のループを潜るよう動作する。かようにして周知のように縫い目が形成される。
また、縫い針2が上昇する際、縫い針2の糸通し穴2aが針受け5の上方に位置したタイミングで針受け5が縫い針2の側方から当接し、縫い針2を押圧する。これによって、縫い針2の上下動に伴って生じることがある縫い針2の振動が抑止される。加えて、縫い針2の上昇経路が適正に案内される。針受け5は、ルーパ6が針糸のループを潜った後に縫い針2から離隔する。
なお、針受け5の動作は揺動機構10によって行われる。
(揺動機構)
次に、揺動機構10について詳細に説明する。
図1に示すように、揺動機構10は、下軸3と平行に設けられた軸部4を支点として揺動可能に設けられた揺動部材11と、揺動部材11の針受け支持部材15の側部と係合して揺動部材11の一端を縫い針2側に付勢するバネ12と、揺動部材11の針受け支持部材15の縫い針2側に設けられて揺動部材11の縫い針2側の揺動を停止させるストッパ13と、ミシンフレームのベッド部の下方に配接された下軸3と、下軸3に設けられて揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部と接離するよう回転する偏心カム14と、を備えている。
図2は針受け5と揺動部材11の構成を示す分解斜視図である。
揺動部材11は針受け支持部材15と偏心カム摺動部材16とを有する。針受け支持部材15と偏心カム摺動部材16とはネジ11aによって固定される。つまり、揺動部材11は軸部4を支点として針受け支持部材15と偏心カム摺動部材16との角度を調節することが可能に設けられている。
また、針受け5は縫い針2に当接する当接部5aと、揺動部材11の針受け支持部材15に固定される支持部5bとを有する。支持部5bは丸棒状であって針受け支持部材15の先端に設けられた丸穴と嵌合し、ネジ11bによって固定される。つまり、針受け5は支持部5bと針受け支持部材15とがネジ11bで固定される高さ及び向きを調節することによって、針受け5の当接部5aの高さ位置及び縫い針2に対する向きを調節可能に設けられている。
また、揺動部材11はミシンフレームに固定された軸部4によって回転可能に軸支されている。
バネ12はその一端が揺動部材11の針受け支持部材15と係合し、他端部がミシンフレームに固定されるよう設けられている。バネ12はその弾性によって揺動部材11の針受け支持部材15を矢印Aの方向に揺動させるよう付勢する。これによって針受け5は軸部4を回転軸として縫い針2側に揺動するよう付勢される。よってバネ12は「付勢部材」として機能する。
図3はストッパ13を示す上面図である。
ストッパ13は揺動部材11の針受け支持部材15の縫い針2側に設けられて、縫い針2側に揺動する揺動部材の針受け支持部材15の縫い針2側の側部と当接することにより揺動部材11の揺動を停止させる。つまり、バネ12によって縫い針2側に揺動する針受け5は、ストッパ13によって停止した位置を最前進位置とする。
また、図3に示すように、ストッパ13には長穴部13aが設けられており、長穴部13aの上方からネジ13bによってネジ止めされることでミシンフレームに固定される。このとき、長穴部13aに対するネジ13bの位置によってストッパ13の固定位置を調節することができる。つまり、ストッパ13の固定位置を調節することで、針受け5の最前進位置を調節することができる。このとき、針受け5の最前進位置は、針受け5の当接部5aが縫い針2の側方より接触し、当接部5aによって針受け2に加えられる側方からの押圧力が縫い針2の振動を抑止するのに十分であって縫い針2を破損させない程度となる位置に調節される。かように調節された最前進位置で針受け5の当接部5aが縫い針2を側方から押圧することで、縫い針2の上下動運動に伴う振動を抑止できると共に、縫い針2の上昇運動における経路を適切に案内することができる。
図4は、針受け5が縫い針2から離隔した際の針受け5とその周辺の構成を示す側面図である。
偏心カム14は、上述のように下軸3の回転によって回転する。このとき、偏心カム14の外周部は揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部に対して接離する。
また、少なくとも偏心カム14の外周部において偏心カム14の回転中心から最も近い部分は、偏心カム摺動部材16の上面部に届かないように外周形状が設計されている。つまり、偏心カム14の外周部は、偏心カム14の回転中心から最も遠い位置となる前後の所定の回転角度区間については偏心カム摺動部材16の上面部と接触して摺動し、当該回転中心から近い位置の前後の所定の回転角度区間については偏心カム摺動部材16の上面部と接触しないようになっている。そして、偏心カム14の外周部の偏心カム摺動部材16に対する接触区間又は非接触区間は、ストッパ13の配置により調節することが可能となっている。
図4に示すように、偏心カム14の外周部が揺動部材11の偏心カム摺動部材16と摺動する偏心カム14の回転角度となった際は、偏心カム摺動部材16が矢印Bの方向に押圧される。これに伴い、揺動部材11の針受け支持部材15は矢印Cの方向へ揺動する。これによって、針受け5の当接部5aは縫い針2から離隔する。
また、図4の状態からさらに下軸3が回転し、偏心カム14の外周部が揺動部材の偏心カム摺動部材16に対して離隔する偏心カム14の回転角度となった際は、図1に示すようにバネ12によって揺動部材11の針受け支持部材15が矢印Aの方向に付勢され、針受け5の当接部5aが縫い針2の側方から接触する。
つまり、偏心カム14の外周部が揺動部材の偏心カム摺動部材16の上面部に対して接離することによって、針受け5は揺動し、縫い針2に対して接離する。このとき、針受け5が縫い針2から離隔した際の偏心カム14の回転角度は、偏心カム14の外周部が揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部に摺動する際の回転角度である。よって、偏心カム14は、縫い針2と逆側への揺動のみを揺動部材11に付与するカムとして機能する。
なお、縫い針2と針受け5の当接部5aとが接触するタイミングは、図1に示すように、縫い針2の糸通し穴2aが当接部5aより上方に位置したときが望ましい。仮に糸通し穴2aが当接部5aの下方に位置している際に当接部5aと縫い針2とが接触すると、針糸によって形成されるループを側方から押し潰してしまい、ルーパ6が当該ループを潜る動作を阻害する可能性がある。また、針受け5の当接部5aが縫い針2から離隔するタイミングは、ルーパ6が針糸のループを潜った後が望ましい。縫い針2が針受け5の当接部5aによって押圧されることで縫い針2は適正な経路で上昇し、針糸のループがルーパ6の動作経路上で適正に形成される。偏心カム14は、上述のタイミングで針受け5が揺動するよう下軸3に配接される。つまり、縫い針2の糸通し穴2aが当接部5aより上方に位置したとき、偏心カム14の外周部は揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部から離隔する。また、ルーパ6が針糸のループを潜った後、偏心カム14の外周部は揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部と摺動する。これらの調節は、ストッパ13の位置、偏心カム14の外周部の形状、下軸3に対する偏心カム14の固定角度の調節等によって行う。
(ミシンの動作)
次に、ミシンの動作について詳細に説明する。
オペレータによってミシンが操作され、縫製作業が開始されるとミシンモータが駆動される。ミシンモータが動作すると、図4に示すように針棒1及び縫い針2が下降する。このとき、下軸3の回転に伴って偏心カム14が回転することにより、偏心カム14の外周部と揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部とが摺動する。これによって針受け5の当接部5aは縫い針2から離隔する。
その後、さらにミシンモータが駆動を続けることにより針棒1及び縫い針2は上昇する。このとき、縫い針2の上昇に伴い針糸はループを形成する。また、縫い針2の糸通し部2aが針受け5の当接部5aの上方より上方に位置したとき、ストッパ13が針受け支持部材15に当接し、揺動部材11は揺動を停止する。その後、さらにミシンモータが駆動を続けると偏心カム14の外周部は揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部から離隔し偏心カム14は回転を続けるが、偏心カム14からの力を受けなくなった偏心カム摺動部材16から針受け5までの部品は停止し、その位置で針受け5の当接部5aは縫い針2の側方に当接し、押圧力を加える。これによって縫い針2の上下動に伴う振動が抑止されると共に、縫い針2の上昇の際の経路が適正に案内されて、針糸のループが適正な位置で適正に形成される。その後、ルーパが当該ループを潜る。
その後、さらにミシンモータが駆動を続けることにより針棒1及び縫い針2が下降した際に、ルーパによって形成されたルーパ糸のループを縫い針2が潜る。その後の動作は上述の針棒1及び縫い針2の下降時と同様である。かようにしてミシンは動作し、縫い目が形成される。
(本発明の実施の形態によるミシンの効果)
上述の実施の形態によれば、偏心カム14の外周部が揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部から離間する偏心カム14の回転角度となる間、針受け5は最前進位置で停止する。よって、針受け5が縫い針に接触する時間が短くなりすぎて縫い針を十分に案内できないといった問題点を解消でき、ミシンの安定性及び信頼性が大幅に向上する。
また、ストッパ13の配接位置を調節することにより、針受け5の最前進位置を調節できるので、針受け5の当接部5aが縫い針2と接触する際に縫い針2の側方から加わる押圧力を適正に調節することができる。よって、より適正に縫い針2を案内でき、ミシンの縫い品質が大幅に向上する。加えて、縫い針2が破損しない程度に当該押圧力を加減できるので、縫い針2が破損する可能性を大幅に低減でき、ミシンの安定性及び信頼性が大幅に向上する。加えて、針受け5の最前進位置と縫い針2の位置との位置合わせを容易に行うことができ、ミシンの調整作業における効率が大幅に向上する。
さらに、偏心カム14が揺動部材11の偏心カム摺動部材16の上面部に対して離隔する間、針受け5は最前進位置で停止するので、針受け5の最前進位置と縫い針2の位置との位置合わせがより容易に行える。よって、ミシンの調整作業における効率がより一層向上する。
(第2の実施形態)
次に、上述の実施の形態とは異なる第2の実施の形態について詳細に説明する。なお、上述の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5は、第2の実施の形態によるミシンの針受け5とその周辺の構成を示す側面図である。ミシンは、針受け5を縫い針2に対して接離する方向に揺動させる揺動機構10Aを備えている。揺動機構10Aは、下軸3に設けられた偏心三角カム14Aと、偏心三角カム14Aを上下から挟むように設けられて偏心三角カム14Aと摺動する揺動部材11Aの偏心カム摺動部材16Aと、を備えている。
偏心三角カム14Aは下軸3に設けられ、下軸3の回転によって回転する。
揺動部材11Aの偏心カム摺動部材16Aは、互いに平行且つ真っ直ぐに延出された上辺部16Aaと下辺部16Abとを備え、上辺部16Aaの下面部と下辺部16Abの上面部とが偏心三角カム14Aの外周部と摺動するよう設けられている。また、偏心カム摺動部材16Aは軸部4に回転可能に軸支されている。つまり、偏心三角カム14Aが回転すると、偏心三角カム14Aの外周部と摺動することにより、偏心カム摺動部材16Aが揺動する。
また、偏心カム摺動部材16Aと針受け支持部材15とはネジ(図示略)によって軸部4を支点として角度を固定されている。つまり、偏心カム摺動部材16Aの揺動に伴って、針受け支持部材15は軸部4を支点として揺動する。よって、偏心三角カム14Aが回転すると偏心カム摺動部材16Aの揺動に伴って針受け支持部材15は揺動し、針受け支持部材15の先端に設けられた針受け5が揺動する。
次に、偏心三角カム14Aによって針受け5が最前進位置で停止する仕組みについて詳細に説明する。
図6は偏心三角カム14Aを示す説明図である。
偏心三角カム14Aの外周部は、当該カムの回転中心に対する角度θ1の区間の外周部14Aaにおいては下軸3の回転中心を中心とした半径が長さR1となるよう設けられている。また、角度θ1の対角の区間の外周部14Abにおいては下軸3の回転中心を中心とした半径が長さR2となるよう設けられている。つまり、回転中心に対する距離が長さR1及びR2で固定される回転角度区間となる角度θ1の外周部である偏心三角カム14Aの外周部14Aa及び14Abと摺動する間、揺動部材11Aの偏心カム摺動部材16Aは揺動せず、位置角度を同一に保つ。
また、長さR2は長さR1よりも長く設定されている。さらに、偏心三角カム14Aの外周部14Abを除く外周部の半径は長さR2よりも短く設定されている。これによって、外周部14Abが揺動部材11Abの上辺部16Aaの下面部と摺動する際に揺動部材11Abは矢印D方向に最も大きく動作する。このとき、針受け支持部材15は矢印F方向に最も大きく揺動する。つまり、針受け5は最前進位置となる。また、上辺部16Aaが外周部14Abと摺動を開始してから、下軸3が角度θ1の角度区間を回転する間は、上述のように揺動部材11Aは揺動しないので、針受け5は最前進位置で停止する。
その後、下軸3がさらに回転し、上辺部16Aaが外周部14Ab以外の外周部と摺動する下軸3の回転角度となった場合は、揺動部材11Aの偏心カム摺動部材16Aが矢印E方向へと揺動する。このとき、針受け支持部材15は矢印G方向に揺動する。つまり、針受け5は縫い針2aから離隔するよう動作する。
このとき、針受け5の最前進位置は、針受け5の当接部5aが縫い針2の側方より接触し、当接部5aによって針受け2に加えられる側方からの押圧力が縫い針2の振動を抑止するのに十分であって縫い針2を破損させない程度となる位置に調節される。また、針受け5が最前進位置となるタイミングが、縫い針2の糸通し穴2aの位置が針受け5の上方へと位置するタイミングとなるよう調節する。さらに、針受け5が最前進位置から後退するタイミングが、ルーパ6が針糸のループを潜った後となるよう調節する。これによって、針受け5は適正に縫い針2の振動を抑止すると共に、縫い針2の経路を案内することができる。
(第2の実施の形態のミシンによる効果)
第2の実施の形態によれば、上述の実施の形態の効果に加え、偏心三角カム14の回転軸に対する半径がR2となる区間の角度θ1の区間の外周部14Abが揺動部材11Aの偏心カム摺動部材16Aの上辺部16Aaの下面部に接するときに針受け5は最前進位置で停止する。即ち、請求項3の構成においては、偏心三角カム14Aの形状及び下軸3の回転角度に対する偏心三角カム14Aの配接方法を除いて従来技術と同様の構成を用いることが可能である。つまり、従来のミシンに大幅な設計変更を加えることなく針受けを最前進位置で停止させるミシンを実現することができる。よって、低コストで当該ミシンを提供できる。
(その他)
なお、上述の実施の形態及び第2の実施の形態は、針棒に支持される縫い針が一本である場合の構成であるが、針棒に複数の縫い針が支持されるミシンであってもよい。
図7は複数の縫い針2b,2c,2dが設けられたミシンにおける複数の縫い針2b,2c,2dの配置と、ルーパ6の動作経路と、針受け5Aの配接位置との関係を示す説明図である。図8は複数の縫い針2b,2c,2dとルーパ6との位置関係を示す説明図である。図9はルーパ6が複数の縫い針と接触した際の複数の縫い針2b,2c,2dの配置と、ルーパ6の動作経路と、針受け5Aの位置との関係を示す説明図である。
下軸3の配接方向に沿って並んだ複数の縫い針2b,2c,2dに対してルーパ6は図7に示す経路Pに沿って斜行するように前進し、針糸のループを捕捉する。このとき、ルーパ6の先端は矢印Hの方向を向いている。また、図8に示すように、複数の縫い針2b、2c、2dはその針先の高さがルーパ6の進行方向側(図8の左側)に設けられている縫い針ほど低く設定されている。つまり、図8に示すように、縫い針2bの針先が最も下側に位置し、縫い針2dの針先が最も上側に位置する。また、縫い針2b,2c,2dのそれぞれの針糸のループは針受け5A側(図7の上側)に形成される。よって、図7に示す位置関係の場合、そのままではルーパ6は縫い針2c、2dの針糸のループとは反対側の側方を通過することとなり、当該ループを潜ることができない。
そこで、針受け5Aが縫い針2c、2dを押圧して移動させるよう前進することにより、縫い針2b,2c,2dとルーパ6との位置関係は図9に示すようになる。なお、図7及び図9に示すように、針受け5Aの形状は、縫い針2b、2c、2d側の当接部がルーパ6の動作経路Pにほぼ沿うよう形成されている。これによって、縫い針2c、2dを針受け5の前進方向(図9の下方向)に大きく移動させることができ、縫い針2c、2dによって形成される針糸のループの位置を適正にルーパ6の動作経路P上とすることができる。よって、縫い針2b,2c,2dのそれぞれの針糸のループはルーパ6の動作経路P上に形成され、ルーパ6が当該ループを潜ることができる。また、針受け5Aは縫い針2c、2dを押圧して移動させると同時に、縫い針2bとも当接しているので、複数の縫い針2b、2c、2dの振動を抑止すると共に、複数の縫い針2b、2c、2dの経路の案内を適正に行うことができる。
なお、複数の縫い針2b、2c、2dに対して針受け5Aが接触するタイミングは、縫い針2bの糸通し穴の位置が針受け5Aよりも上方に位置したタイミングであることが望ましい。これによって、複数の縫い針2b、2c、2dがそれぞれ形成する針糸のループが適正に形成される。また、針受け5Aが複数の縫い針2b、2c、2dから離隔するタイミングは、縫い針2dの針糸のループがルーパ6によって捕捉された後であればよい。つまり、針受け5Aによって針糸のループの位置を調節する必要のある縫い針2dのループの捕捉が終了すれば、他の縫い針2b、2cについては振動を抑止できればよい。なお、可能であれば針受け5Aが複数の縫い針2b、2c、2dから離隔するタイミングを縫い針2bの針糸のループがルーパ6に捕捉された後に設定することがより望ましい。
縫い針2b、2c、2d各々に形成される針糸のループを、ルーパ6が捕捉するタイミングにはずれがあるが、針受け5は偏心カム14が所定の回転角度区間を回転する間、最前進位置で停止しているので、ルーパ6が縫い針2dのループを捕捉してから縫い針2c、縫い針2dのループを捕捉するまでの間、当接部5aを全ての縫い針に当接させることが可能となる。
また、上述においては複数の縫い針2b,2c,2dに対して一つの針受け5aが設けられているが、複数の縫い針2b、2c、2dそれぞれに一つずつ針受けを設けてもよい。この場合、それぞれの縫い針に最適な押圧力を付与する針受けの調整が可能となり、より適正に縫い針の振動を抑止すると共に、縫い針の経路を適正に案内する針受けを設けることが可能となる。
ミシンの針受けとその周辺の構成を示す側面図である。 針受けと揺動部材の構成を示す分解斜視図である。 ストッパを示す上面図である。 針受けが縫い針から離隔した際の針受けとその周辺の構成を示す側面図である。 第2の実施の形態によるミシンの針受けとその周辺の構成を示す側面図である。 偏心三角カムを示す説明図である。 複数の縫い針が設けられたミシンにおける複数の縫い針の配置と、ルーパの動作経路と、針受けの配接位置との関係を示す説明図である。 複数の縫い針とルーパとの位置関係を示す説明図である。 ルーパが複数の縫い針と接触した際の複数の縫い針の配置と、ルーパの動作経路と、針受けの位置との関係を示す説明図である。 従来の針受けの構成の一例を示す側面図である。
符号の説明
2 縫い針
3 下軸
5 針受け
6 ルーパ
10 揺動機構
11 揺動部材
12 バネ
13 ストッパ
14 偏心カム

Claims (3)

  1. 縫い針を支持可能に設けられて被縫製物に対して上下動する針棒と、
    針糸によって形成されるループを捕捉するルーパと、
    下降した縫い針を側方から押さえる針受けと
    前記針受けを前記縫い針に対して接離する方向に揺動させる揺動機構と、を備え、
    前記揺動機構は、ミシンモータの駆動によって回転するカムと、針受けを保持して前記カムから動力を伝達されて揺動する揺動部材と、を有し、前記カムが所定の回転角度区間を回転する間、前記針受けを最前進位置で停止させることを特徴とするミシン。
  2. 前記揺動機構は、
    前記針受けが縫い針側に揺動するよう付勢する付勢手段と、
    前記付勢手段によって縫い針側に揺動する前記針受けを途中で制止するストッパと、を備え、
    前記カムは前記縫い針と逆側への揺動のみを前記揺動部材に付与することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記カムは三角カムであって、
    前記揺動機構は、前記針受けが最前進位置となるときに前記揺動部材に対して前記三角カムの回転軸に対する径が一定となる区間が接するように当該三角カムを配することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
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