JP2005278856A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワイパーが、布押えに連動して作動するのではなく、縫製終了に際して糸切断した後にだけ、つまり必要な場合にだけ作動するようにすること。
【解決手段】 布押え機構と糸払い機構とを備えたミシンにおいて、布押えと糸払いに共通の押えワイパー駆動モータを設け、第1モードが指定された場合、布押え作動領域を経るように、押えワイパー駆動モータ32が約0°〜100°に亙って正回転駆動又は逆回転駆動され、第2モードが指定された場合、糸払い作動領域を経るように、押えワイパー駆動モータ32が約1000°〜200°に亙って正回転駆動又は逆回転駆動される。このように、押えワイパー駆動モータにおける、布押えカムが布押えを上昇又は下降させる布押え作動領域と、糸払いカムがワイパーを移動させる糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成した。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ミシンに関し、特に布押えとワイパーとを選択的に作動できるようにし、糸払いさせたい場合に限ってワイパーだけを作動できるようにしたものに関する。
従来、閂止め縫目を形成するミシンにおいては、縫目形成に際して加工布を押える布押えを駆動する布押え機構が設けられるとともに、縫目形成が終了して糸切断された上糸を払う糸払い機構が設けられたものが実用に供されている。
例えば、特公平5−69560号公報に記載のミシンの糸払い装置においては、パワーカム、クラッチ体、パワープーリ等からなる駆動装置を設けるとともに、布押えを上下動させる布押え装置と、糸払い腕を作動位置と待機位置とに揺動させる糸払い装置とを設けてある。
このミシンにおいて、縫製開始前には、糸払い腕は作動位置に位置するとともに、ロッドの下端の押え板が上昇位置であるため、押え板とバネ押え板との間に隙間が有り、押え足は上昇位置である。起動ペダルが踏み込まれると、パワープーリの回転により、糸払いリンクを介して糸払い腕が作動位置から待機位置に移動するのと同時に、布押えが下降し、その後、縫製が開始される。縫製終了時に、糸払い腕が待機位置から作動位置に復帰移動するのと同時に、布押えが上昇するようにしてある(例えば、特許文献1参照)。
特公平6−69560号公報 (第3頁、図2)
前述したように、特公平5−69560号公報に記載のミシンの糸払い装置では、布押え装置と糸払い装置とを設けるとともに、これら2つの装置を駆動させる共通の1つの駆動源を設け、起動ペダルの踏み込みにより、布押えが下降するだけでなく、これと同時に、糸払い動作が必要でないにも拘わらず、糸払い腕が移動すること、縫製する位置合わせのために布押えを一時的に下降させた場合でも、糸払い動作が同時に実行されるため、その糸払い腕が邪魔になること、等の問題がある。
請求項1に係るミシンは、布押えを布押えカムを介して上下動させる布押え機構と、糸切断後の上糸端部を糸払いするワイパーを糸払いカムを介して糸払いする糸払い機構とを備えたミシンにおいて、布押えカムと糸払いカムとを駆動する共通の駆動アクチュエータを設け、駆動アクチュエータにおける、布押えカムが布押えを上昇又は下降させる布押え作動領域と、糸払いカムがワイパーを移動させる糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成されたものである。
駆動アクチュエータを駆動することにより、布押えカムが駆動されて布押えが上昇又は下降されるとともに、糸払いカムが駆動されてワイパーが移動し、糸払いされる。ところで、布押えを上昇又は下降させる布押え作動領域と、ワイパーの移動により糸払いする糸払い作動領域とが重複しないようにズレているため、布押えとワイパーとが同時に作動することはない。
請求項2に係るミシンは、請求項1の発明において、前記駆動アクチュエータを制御する制御手段は、布押えカムが布押え作動し且つ糸払いカムが糸払い作動しない第1モードと、糸払いカムが糸払い作動し且つ布押えカムが布押え作動しない第2モードのうち指定されたモードで駆動アクチュエータを制御するものである。
この場合、第1モードが指定された場合には、布押えカムにより布押え作動が実行されるが、糸払いカムにより糸払い作動が実行されない。一方、第2モードが指定された場合には、糸払いカムにより糸払い作動が実行されるが、布押えカムにより布押え作動が実行されない。
請求項3に係るミシンは、請求項1又は2の発明において、前記制御手段は、縫製開始に際して指定された第1モードで駆動アクチュエータを制御し、縫製終了に際して指定された第2モードと第1モードで駆動アクチュエータを順次制御するものである。この場合、縫製開始に際して第1モードが指定されるため、駆動アクチュエータが第1モードで制御され、縫製終了に際して第1モードと第2モードが指定されるため、駆動アクチュエータは、先ず第2モードで制御された後、第1モードで制御される。
請求項4に係るミシンは、請求項1〜3の何れかの発明において、前記布押えカムと糸払いカムとは別体で構成され、これら布押えカムと糸払いカムの各々にそれ専用のカム従動子が設けられたものである。この場合、これら布押えカムと糸払いカムの配置、これらカムのためのカム従動子の配置を自由に設定できる。
請求項5に係るミシンは、請求項1〜4の何れかの発明において、前記駆動アクチュエータをステッピングモータで構成し、布押えカムと糸払いカムとを回転カムで構成したものである。この場合、回転カムである布押えカムと糸払いカムとを、ステッピングモータを用いて回転駆動する。
請求項6に係るミシンは、請求項1〜4の何れかの発明において、前記駆動アクチュエータをリニアソレノイドアクチュエータで構成し、布押えカムと糸払いカムとを直線移動カムで構成したものである。この場合、直線移動カムである布押えカムと糸払いカムとを、リニアソレノイドアクチュエータを用いて移動駆動する。
請求項1の発明によれば、布押え機構と糸払い機構とを備えたミシンにおいて、駆動アクチュエータを設け、駆動アクチュエータにおける、布押えカムが布押えを上昇又は下降させる布押え作動領域と、糸払いカムがワイパーを移動させる糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成されたので、縫製する加工布の位置合わせのために布押えを一時的に下降させた場合に、布押えだけが下降するがワイパーは作動しないため、ワイパーが邪魔になることがなく、例え物品が近くにあったとしても、その物品との干渉を確実に回避でき、ワイパーの破損を防止することができる。
請求項2の発明によれば、前記駆動アクチュエータを制御する制御手段は、布押えカムが布押え作動し且つ糸払いカムが糸払い作動しない第1モードと、糸払いカムが糸払い作動し且つ布押えカムが布押え作動しない第2モードのうち指定されたモードで駆動アクチュエータを制御するので、第1モードと第2モードとを選択的に指定することにより、布押え作動させるが糸払い作動させない場合と、糸払い作動させるが布押え作動させない場合とを切り換えて択一的に実行させることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記制御手段は、縫製開始に際して指定された第1モードで駆動アクチュエータを制御し、縫製終了に際して指定された第2モードと第1モードで駆動アクチュエータを順次制御するので、縫製開始時と縫製終了時とで第1モードと第2モードとを切り換えて指定することで、必要に応じて布押え作動と糸払い作動を適宜切り換えて実行させることができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記布押えカムと糸払いカムとは別体で構成され、これら布押えカムと糸払いカムの各々にそれ専用のカム従動子が設けられたので、これら布押えカムと糸払いカムの配置だけでなく、これらカムのためのカム従動子の配置の自由度を高めることができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記駆動アクチュエータをステッピングモータで構成し、布押えカムと糸払いカムとを回転カムで構成したので、回転カムである布押えカムや糸払いカムを小型化できるとともに、安価なステッピングモータを用いてこれらのカムを精度よく回転駆動させることができる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
請求項6の発明によれば、前記駆動アクチュエータをリニアソレノイドアクチュエータで構成し、布押えカムと糸払いカムとを直線移動カムで構成したので、直線移動カムである布押えカムや糸払いカムを直線状に小型化できるとともに、リニアソレノイドアクチュエータを用いてこれらのカムを精度よく移動駆動させることができる。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
本実施形態におけるミシンは、布押えカムが布押え作動する押え作動領域と、糸払いカムが糸払い作動する糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成し、布押えの上下動作とワイパーの糸払い動作とを分離させてある。
図1に示すように、電子閂止めミシン1は、ベッド部2と、ベッド部2の後端部から上方に立設する脚柱部5と、脚柱部5の上端部からベッド部2と対向するように前方へ延びるアーム部6等から構成されている。
脚柱部5及びアーム部6には、針棒10を介して縫針11を上下駆動するためのミシンモータ78(図10参照)やミシンモータ78の駆動力を主軸を介して縫針11に伝達する駆動力伝達機構などが設けられているが、公知の技術であるため、ここではその詳細な説明を省略する。また、アーム部6の前端部である頭部7の内部に、針棒10を上下動させる針棒上下動機構が設けられるとともに、糸切り機構により切断された上糸の端部を払うと共に保持するワイパー60が、正面視にて時計回り及び反時計回りに揺動可能に枢支されている。このワイパー60は後述する糸払い機構52により糸払い作動するようになっている。
ベッド部2は、脚柱部5が立設されるベッド本体部3と、ベッド本体部3から前方に延びるシリンダベッド部4からなる。図1に示すように、ベッド部2には、図示を省略するが、後述する布押え機構20と針板12及び送り台13を前後方向(Y方)及び左右方向(X方向)に移動させる布送り機構79(図10参照)と、縫針11の上下動と調時して閂止め縫目を形成する垂直釜14と、ミシンモータ78からの回転駆動力を垂直釜14に伝達する下軸15、縫製終了時に上糸と下糸を切断する糸切り機構(図示略)などが設けられている。
次に、布押え24を上下動させる布押え機構20について説明する。布押え機構20は、ベッド部2の上面に配設された送り台13上に設けられ、送り台13と共に前後方向及び左右方向に移動される。
図1〜図4に示すように、側面視にて湾曲状で片持ち状に支持された押え腕21の基端部(後端部)が送り台13の上面に固定され、押え腕21の先端部には、左右1対の布押え24を支持するための拡大された押え取付け部21aが形成されている。押え腕21の前後方向中央部には、左右方向向きの枢支軸22が固定され、押え腕21の左右両側に、前後方向に延びる押え腕レバー23が夫々配設され、各押え腕レバー23はその前後方向の略中央部において枢支軸22に回動可能に枢支されている。
押え腕レバー23の先端部は、押え取付け部21aに上下動可能に支持された左右1対の布押え24の係合穴に後方から夫々挿通して、布押え24に係合している。押え腕レバー23の後端部は、バネガイド軸25の上端部が回動可能に連結されている。バネガイド軸25の下端部は、押え腕21のバネ受け部材26に、上下方向に摺動可能に支持されている。圧縮コイルバネ27は、バネガイド軸25のバネ受け部と、バネ受け部材26のバネ受け部とに亙ってバネガイド軸25に外装されている。
その為、1対の押え腕レバー23は圧縮コイルバネ27のバネ力により、図1,図3において、枢支軸22を介して反時計回りに弾性付勢され、両布押え24がその下降位置において常に針板12上面に押圧されている。一方、押え腕レバー23の枢支軸22よりも後側の左右両側に、押え作動板28がボルト29により夫々固定されている。
そこで、後述するように、上下動部材47の下降動作により押え作動板28を下方に押圧することにより、左右1対の押え腕レバー23は圧縮コイルバネ27のバネ力に抗して、枢支軸22を回動支点として時計回りに回動するので、布押え24が針板12よりも上側の上昇位置に上昇する。ここで、押え作動板28は、圧縮コイルバネ27のバネ力により、上下動部材47の下端面に常に当接しており、上下動部材47と押え作動板28との間に隙間が発生することはない。
図2〜図3,図5に示すように、脚柱部5の後側を覆うように設けられたカバー部材30の内部において、U字状の固定枠31がフレームに取付けられており、その固定枠31の右側壁部31aに押えワイパー駆動モータ32(これが駆動アクチュエータに相当する)が固定され、その押えワイパー駆動モータ32の駆動軸に駆動ギヤ33が固定されている。この場合、固定枠31の右側壁部31aと左側壁部31bとを連結する連結壁部は下側であり、その後方側と上方側とは夫々開放されている。
固定枠31の右側壁部31aと左側壁部31bとに左右方向向きのカム支持軸34が回転可能に枢支され、そのカム支持軸34には右側から、駆動ギヤ33に噛合する従動ギヤ35と、布押え作動させる布押えカム36と、糸払い作動させる糸払いカム53とがこの順序で配置され、夫々ビス37,38で固定されている。この場合、従動ギヤ35と布押えカム36とは一体成形されており、1つの固定ビス37でカム支持軸34に固定されている。
ここで、押えワイパー駆動モータ32は、布押え24を上下動させるとともに、ワイパー60を糸払いさせる共通の駆動モータである。従動ギヤ35の直径の方が駆動ギヤ33の直径よりも大きくなっている。また、回転カムである布押えカム36と糸払いカム53とは、布押えカム36が布押え作動する布押え作動領域と、糸払いカム53が糸払い作動する糸払い作動領域とが重複しないようにズレた位相でカム支持軸34に固定されている(図13参照)。それ故、押えワイパー駆動モータ32の回転により、駆動ギヤ33及び従動ギヤ35を介して、布押えカム36と糸払いカム53とが一体的に回転する。
図3,図5に示すように、固定枠31の右側壁部31aと左側壁部31bとの上端部に左右方向向きの枢支軸40が固定され、その枢支軸40に側面視にて略く字状の第1押えレバー41が回動可能に枢支され、第1押えレバー41の駆動側レバー部41aの下端に、布押えカム36のカム面に前方から当接可能な押え用コロ42(これがカム従動子に相当する)が連結されている。
第1押えレバー41の従動側レバー部41bに、前後方向向きの押え連竿43の後端部が連結され、押え連竿43の前端部はアーム部6のフレームに固定された枢支軸44に回動可能に枢支されたL字状の第2押えレバー45の駆動側レバー部45aに連結されている。
その第2押えレバー45の従動側レバー部45bにピン46が固着され、アーム部6のフレームに上下動可能に支持された上下動部材47に前後方向に摺動可能な角コマ48にピン46が連結され、上下動部材47の下端に、押え作動板28を押し下げる水平状の板を備えている。ここで、第1押えレバー41の従動側レバー部41bとフレームとに引っ張りコイルバネ49が介装され、押え用コロ42が常に布押えカム36のカム面に押圧付勢されている。
それ故、押えワイパー駆動モータ32が正回転駆動されると、布押えカム36の湾曲状作動カム部36Aを押え用コロ42が移動するため、枢支軸34は図3において反時計回りに駆動され、第1押えレバー41が時計回りに回動し、押え連竿43を介して第2押えレバー45が反時計回りに回動し、上下動部材47が下降して押え作動板28を押し下げるため、押え腕レバー23が時計回りに回動し、押え腕レバー23の先端部に係合している布押え24が、図8に示す下降位置から所定距離だけ上昇した上昇位置(図7参照)に移動する。この場合、図6,図13に示すように、押えワイパー駆動モータ32における0°〜約90°の範囲内に布押え作動領域が存在する。
次に、縫製終了に際して糸切り機構により切断された上糸端部をワイパー60により払う糸払い機構52について、図2〜図3,図5に基づいて説明する。
前述したように、脚柱部5の後側を覆うように設けられたカバー部材30の内部に、枢支軸34を介して布押えカム36と一体的に回転する糸払いカム53が設けられ、側面視にて略く字状の第1糸払いレバー54が枢支軸40に回動可能に枢支され、第1糸払いレバー54の駆動側レバー部54aの下端に、糸払いカム53のカム面に前方から当接可能な糸払い用コロ55(これがカム従動子に相当する)が連結されている。
第1糸払いレバー54の従動側レバー部54bに、前後方向向きの糸払い連竿56の後端部が連結され、糸払い連竿56の前端部はアーム部6のフレームに固定された枢支軸57に回動可能に枢支されたL字状の第2糸払いレバー58の駆動側レバー部58aに連結されている。
その第2糸払いレバー58の従動側レバー部58bは、上下向きの糸払いリンク59の上端部に連結されている。一方、図7に示すように、頭部7の顎部(下端部)8において、逆L字状のワイパー60の基端部が、顎部8のフレームに固定された前後向きの枢支ボルト61で回動可能に枢支されている。そのワイパー60の駆動腕に糸払いリンク59の下端部が連結されている。ここで、第1糸払いレバー54の従動側レバー部54bとフレームとに引っ張りコイルバネ62が介装され、糸払い用コロ55が常に糸払いカム53のカム面に押圧付勢されている。
ところで、ワイパー60の先端部に糸保持部が設けられている。その糸保持部は、図8に示すように、糸払い時に縫針11の目穴から延びる上糸を引っ掛けて曲げ変形される弾性材からなるバネ板60aを有し、上糸を保持するための糸保持穴60bが夫々形成されている。押えワイパー駆動モータ32が正回転駆動されるので、上糸が切断される直前の時点で、糸払いカム53の作動カム部53Aを糸払い用コロ55が移動するため、図3において、第1糸払いレバー54が時計回りに回動し、糸払い連竿56を介して第2糸払いレバー58が反時計回りに回動する。
そのため、糸払いリンク59が下方に移動し、ワイパー60が正面視にて縫針11の側方に位置する待機位置(糸保持位置、図7参照)から図9に示す下側の糸つかみ位置まで反時計回りに回動するので、その待機位置において、上糸によりバネ板60aが2点鎖線で示す方向に弾性変形(図8参照)することにより隙間60cが発生し、上糸はその隙間60cを経て糸保持穴60bに移動して保持される。
糸切断後には、押えワイパー駆動モータ32が逆回転駆動されるので、ワイパー60が元の糸保持位置に回動したとき、上糸端部がワイパー60により払われて側方で保持される。この場合、図6,図13に示すように、押えワイパー駆動モータ32における約110°〜約200°の範囲内に糸払い作動領域が存在する。それ故、布押えカム36が布押え作動する布押え作動領域と、糸払いカム53が糸払い作動する糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成されている。
次に、電子制御ミシン1の制御系について説明する。図10に示すように制御装置65(これが制御手段に相当する)は、入力インターフェース66と、CPU67とROM68とRAM69と、出力インターフェース70と、駆動回路71〜74等を含むコンピュータで構成されている。入力インターフェース66には、足踏みペダル75に有する第1スイッチ76と第2スイッチ77等が接続されている。
また、出力インターフェース70から、駆動回路71を介してミシンモータ78に、駆動回路72を介して押えワイパー駆動モータ32に、駆動回路73を介して布送り機構79を左右方向(X方向)に移動させるX軸駆動モータ80に、駆動回路74を介して布送り機構を前後方向(Y方)に移動させるY軸駆動モータ81に、夫々駆動信号が適宜出力される。
第1スイッチ76は、操作者により足踏みペダル75が1段目の布押え位置に踏み込まれたときにONし、布押え24を上昇位置から針板12上面の下降位置(押圧位置)に下降する。第2スイッチ77は、操作者により足踏みペダル75が2段目の縫製位置ま踏み込まれたときにONし、縫製制御が開始される。前記ROM68には、各種の閂止め縫目の為の縫製データが記憶されるとともに、後述する閂止め縫目のための縫製制御の制御プログラム等が予め記憶されている。
ここで、閂止め縫目縫製データは、図11に示すように、閂止め縫目を形成する1針目針落ちデータ、2針目針落ちデータ、3針目針落ちデータ、・・・・N針目針落ちデータと、終了データと、糸切りデータ等が順次記憶されている。
次に、制御装置65で実行される縫製制御について、図12のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップを示す。但し、この制御の開始時には、押えワイパー駆動モータ32が初期設定され、図13における位相角「0°」になっているものとする。即ち、図7に示すように、布押え24は上昇位置であり且つワイパー60は待機位置(糸保持位置)である。
電源が投入されるとこの制御が開始され、先ず足踏みペダル75が1段目の布押え位置に踏込み操作され、第1スイッチ76がONした場合(S11:Yes) 、第1モードが指定され(S12)、押えワイパー駆動モータ32が約100°分だけ正回転駆動される(S13)。その結果、布押えカム36が布押え作動する布押え作動領域を通過するため、布押え24が下降位置に下降し、針板12上の加工布を押圧保持する。このとき、足踏みペダル75の踏み込みが中止された場合には(S14:Yes) 、押えワイパー駆動モータ32が約100°分だけ逆回転駆動される(S28)。その結果、布押え24が上昇位置に上昇する。
ところで、第1モードの指定後に、足踏みペダル75が2段目の縫製位置まで踏込み操作されて、第2スイッチ77がONした場合(S15:Yes) 、ミシンモータ78が駆動され(S16)、読込みポインタYPが閂止め縫目縫製データの先頭アドレスがセットされ(S17)、読込みポインタYPで指示する縫製データが読込まれる(S18)。その読込んだ縫製データが針落ちデータの場合には(S19)、その針落ちデータに基づいて、X軸駆動モータ80及びY軸駆動モータ81が夫々駆動制御される(S20)。次に、読込みポインタYPが1つインクリメントされ(S21)、S18にリターンする。
次に、読込んだ縫製データが終了データの場合には(S19)、ミシンモータ78の駆動が停止され(S22)、S21を経てS18にリターンする。一方、読込んだ縫製データが糸切りデータの場合には(S19)、第2モードが指定され(S23)、押えワイパー駆動モータ32が更に約100°分だけ正回転駆動される(S24)。その結果、糸払いカム53が糸払い作動する糸払い作動領域を通過するため、ワイパー60が待機位置(糸保持位置)から糸つかみ位置まで回動する。
即ち、この時点で上糸はワイパー60の先端部の糸保持穴60bに保持されている。次に、このように糸保持された状態で、糸切り指令が出力され、上糸が切断される(S25)。次に、第2モードと第1モードとが指定されるため(S26)、押えワイパー駆動モータ32が約200°分だけ連続して逆回転駆動され(S27)、この制御を終了する。即ち、ワイパー60は上糸端部を保持した状態で、糸つかみ位置から糸保持位置に回動し、その後布押え24が下降位置から上昇位置まで移動する。
次に、このように構成された電子閂止めミシンの作用及び効果について、図13に基づいて説明する。
縫製開始に際して、足踏みペダル75が1段目の布押え位置に踏込み操作された場合、第1モードが指定されて、押えワイパー駆動モータ32が約100°分だけ正回転駆動されるため、布押え作動領域により、布押え24が下降位置まで移動する。このとき、加工布の位置合わせのために、足踏みペダル75の踏込みを中止した場合、布押え24が上昇位置に移動する。しかし、このときには、ワイパー60が作動することはない。
一方、足踏みペダル75の更なる2段目の縫製位置への踏込みにより開始された縫製制御が終了した場合、第2モードが指定され、押えワイパー駆動モータ32が更に約100°分だけ正回転駆動されるため、糸払い作動領域により、ワイパー60による上糸の糸つかみが実行される。糸切断された後に第2モードと第1モードとが指定されるため、押えワイパー駆動モータ32が約200°分だけ逆回転駆動され、ワイパー60が上糸端部を保持した状態で元の糸保持位置に復帰移動した後、布押え24が上昇位置に移動する。
このように、押えワイパー駆動モータ32における、布押えカム36が布押え24を上昇又は下降させる布押え作動領域と、糸払いカム53がワイパー60を移動させる糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成されたので、縫製する加工布の位置合わせのために布押え24を一時的に下降させた場合、布押え24だけが下降するがワイパー60は作動しないため、ワイパー60が邪魔になることがなく、しかも例え物品が近くにあったとしても、その物品との干渉を回避でき、ワイパー60の破損を確実に防止することができる。
また、制御装置65は、布押えカム36が布押え作動し且つ糸払いカム53が糸払い作動しない第1モードと、糸払いカム53が糸払い作動し且つ布押えカム36が布押え作動しない第2モードのうち指定されたモードで押えワイパー駆動モータ32を制御するので、第1モードと第2モードとを選択的に指定することにより、布押え作動させるが糸払い作動させない場合と、糸払い作動させるが布押え作動させない場合とを切り換えて択一的に実行させることができる。
また、制御装置65は、縫製開始に際して指定された第1モードで駆押えワイパー駆動モータ32を制御し、縫製終了に際して指定された第2モードと第1モードで押えワイパー駆動モータ32を順次制御するので、縫製開始時と縫製終了時とで第1モードと第2モードとを切り換えて指定でき、必要に応じて布押え作動と糸払い作動を適宜切り換えて実行させることができる。
また、布押えカム36と糸払いカム53とは別体で構成され、これら布押えカム36と糸払いカム53の各々にそれ専用の押え用コロ42と糸払い用コロ55が設けられたので、これら布押えカム36と糸払いカム53の配置だけでなく、これらカム36,5のためのコロ42,55の配置の自由度を高めることができる。
次に、前記実施例の変更形態について説明する。
1〕前述した布押えカム36Aと糸払いカム53Aとを一体的に形成するようにしてもよい。即ち、図14に示すように、直線状の移動カム体85の一方の端部に傾斜状の布押えカム36Aを形成するとともに、移動カム体85の他方の端部で且つ布押えカム36Aと反対側に傾斜状の糸払いカム53Aを一体的に形成する。
この移動カム体85の一端部に回動レバー86の従動端部86aを回動可能に連結するとともに、回動レバー86の駆動側に形成した湾曲状のギヤ部86bにラック87を噛合させ、そのラック87をリニアソレノイド88で駆動させるようにしてもよい。
この場合、リニアソレノイド88を駆動した場合、ラック87を介して回動レバー86が反時計回りに回動し、移動カム体85が左方に移動し、押え用コロ42Aにより布押え42が布押えし、その後、糸払い用コロ55Aによりワイパー60が糸保持する。そこで、リニアソレノイド88の駆動量を制御することにより、布押えカム36Aが布押え作動する布押え作動領域と、糸払いカム53Aが糸払い作動する糸払い作動領域とを重複しないようにズレて構成することができる。
2〕第1モードと第2モードとを順次指定する場合に、布押えカム36が布押え24を上昇又は下降させる布押え作動領域と、糸払いカム53がワイパー60を移動させる糸払い作動領域とを、連続させるように構成するようにしてもよい。
3〕第1モードと第2モードとを順次指定する場合に、布押え作動領域と糸払い作動領域とが部分的に重複するように構成するようにしてもよい。
4〕本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加し、布押えを布押え作動させる布押え機構と、ワイパーを糸払いする糸払い機構を有する種々のミシンに本発明を適用することが可能である。
5〕本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者でれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
本発明の実施例に係る電子閂止めミシンの側面図である。 電子閂止めミシンの後方からの斜視図である。 電子閂止めミシンの内部構造の側面図である。 電子閂止めミシンの前方からの部分斜視図である。 電子閂止めミシンの背面図である。 図5のF−F線縦断側面図である。 縫製開始前の閂止めミシンの正面図である。 ワイパーの要部横断平面図である。 糸切断時の閂止めミシンの正面図である。 電子閂止めミシンの制御系のブロック図である。 閂止め縫目縫製データのデータ構成を説明する図表である。 縫製制御のフローチャートである。 布押えとワイパーの作動を示すタイムチャートである。 変更形態に係る移動カム体及び駆動系の説明図である。
符号の説明
1 電子閂止めミシン
20 布押え機構
32 押えワイパー駆動モータ
36 布押えカム
36A 布押えカム
42 押え用コロ
52 糸払い機構
53 糸払いカム
53A 糸払いカム
55 糸払い用コロ
65 制御装置
85 移動カム体
88 リニアソレノイド

Claims (6)

  1. 布押えを布押えカムを介して上下動させる布押え機構と、糸切断後の上糸端部を糸払いするワイパーを糸払いカムを介して糸払いする糸払い機構とを備えたミシンにおいて、
    前記布押えカムと前記糸払いカムとを駆動する共通の駆動アクチュエータを設け、
    前記駆動アクチュエータにおける、前記布押えカムが布押えを上昇又は下降させる布押え作動領域と、前記糸払いカムがワイパーを移動させる糸払い作動領域とが重複しないようにズレて構成されたことを特徴とするミシン。
  2. 前記駆動アクチュエータを制御する制御手段は、布押えカムが布押え作動し且つ糸払いカムが糸払い作動しない第1モードと、前記糸払いカムが糸払い作動し且つ布押えカムが布押え作動しない第2モードのうち指定されたモードで駆動アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記制御手段は、縫製開始に際して指定された第1モードで駆動アクチュエータを制御し、縫製終了に際して指定された第2モードと第1モードで駆動アクチュエータを順次制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記布押えカムと糸払いカムとは別体で構成され、これら布押えカムと糸払いカムの各々にそれ専用のカム従動子が設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン。
  5. 前記駆動アクチュエータをステッピングモータで構成し、前記布押えカムと前記糸払いカムとを回転カムで構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシン。
  6. 前記駆動アクチュエータをリニアソレノイドアクチュエータで構成し、前記布押えカムと前記糸払いカムとを直線移動カムで構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシン。
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