JP2011212020A - 細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製の方法、および本方法によって入手可能なインフルエンザウイルス - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞培養における簡単かつ経済的なインフルエンザウイルスの複製を可能にし、そして高度に有効なワクチンを導く方法を提供すること。
【解決手段】細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製のための方法であって、インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が細胞培養において培養され、該細胞が、インフルエンザウイルスで感染され、そして感染後、ウイルス複製のために30〜36℃の範囲の温度で培養されることを含む、方法。
【選択図】なし
【解決手段】細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製のための方法であって、インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が細胞培養において培養され、該細胞が、インフルエンザウイルスで感染され、そして感染後、ウイルス複製のために30〜36℃の範囲の温度で培養されることを含む、方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、低減した温度での細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製のための方法、ならびに記載されるプロセスによって入手可能なインフルエンザウイルス、およびこの型のウイルスまたはその構成物を含むワクチンに関する。
40年代から今日まで用いられている全てのインフルエンザワクチンは、ヒトおよび動物の処置のための許容ワクチンとして、胚を有する(embryonate)雌鶏卵において複製される1つ以上のウイルス株からなる。これらのウイルスは、感染した雌鶏卵の尿膜液から単離され、これらの抗原は、インタクトなウイルス粒子または界面活性剤および/もしくは溶媒によって分解されたウイルス粒子のいずれかのようなワクチン(いわゆる切断されたワクチン)、あるいは単離され、限定されたワクチン(いわゆるサブユニットワクチン)として使用される。全ての許容ワクチンにおいて、ウイルスは、当業者に公知の方法によって不活化される。生弱毒化ウイルス(実験的なワクチンにおいて試験される)の一様な複製が、胚を有する雌鶏卵において実施される。
ワクチン産生のための胚を有する雌鶏卵の使用は、時間、労働、および費用を要する。卵(獣医によってモニターされる雌鶏の健常群由来)は、感染前に、通常12日間インキュベートされなければならない。感染前に、卵は生存する胚に関して選択されなければならない。なぜなら、これらの卵のみがウイルス複製に適切であるからである。感染後、卵は通常2〜3日間再びインキュベートされる。この時までなお生存している胚は、冷却によって屠殺され、そして次いで、尿膜液が、個々の卵から吸引によって得られる。面倒な精製プロセスの手段により、ワクチンの所望でない副作用を導く雌鶏卵からの物質が、ウイルスから分離され、そしてウイルスは濃縮される。卵は滅菌(病原体を含有しない)されていないので、さらに、発熱物質および存在し得る全ての病原体を除去および/または不活化する必要がある。ウイルスの収率を増加させるために、雌鶏卵におけるインフルエンザウイルスの複製は、概して、低減した温度(約34℃)で実施される。呼吸性疾患を引き起こす一様なウイルスは、細胞培養において複製され得る。ここで、減少された温度が使用される(約33℃)いくつかの場合においては、ワクチンの質に対して影響を及ぼさず、好ましく複製されるのみである。
例えば、狂犬病ウイルス、おたふく風邪、麻疹、および風疹ウイルス、ポリオウイルス、ならびにFSMEウイルスのような他のワクチンのウイルスは、細胞培養において複製され得る。試験された細胞バンクから始まる細胞培養は、病原体を含有せず、そして雌鶏卵に比べて、(理論的には)ほとんど制限されない量が入手可能な限定されたウイルス複製系であるため、これらは、インフルエンザウイルスの場合でさえ、特定の環境下で経済的なウイルス複製が可能である。経済的なワクチン産生はまた、限定された、滅菌された細胞培養培地からのウイルスの単離および精製は、多数のタンパク質を含む尿膜液からの単離および精製よりも簡単なようであることがおそらく達成され得る。
卵中のインフルエンザウイルスの単離および精製は、臨床的な単離とは大きく異なる特定の表現型の選択を導く。臨床的単離とは異なり、細胞培養におけるウイルスの単離および複製においては、継代依存性選択は生じない(非特許文献1;非特許文献2)。従って、有効なワクチンのために、細胞培養におけるウイルス複製はまた、この局面より卵におけるものに対して好ましい。インフルエンザウイルスが細胞培養において複製され得ることは公知である。雌鶏胚細胞およびハムスター細胞(BHK21-FおよびHKCC)に加えて、MDBK細胞および特にMDCK細胞が、インフルエンザウイルスのインビトロでの複製のための適切な細胞として記載されている(非特許文献3)。首尾よい感染のための必須条件は、感染培地へのプロテアーゼ(好ましくは、トリプシンまたは類似のセリンプロテアーゼ)の添加である。なぜなら、これらのプロテアーゼは、赤血球凝集素[HA0]の前駆体タンパク質を、活性な赤血球凝集素[HA1およびHA2]に、細胞外的に切断するからである。切断された赤血球凝集素のみが、続く細胞へのウイルス同化を伴う細胞上のインフルエンザウイルスの吸着を導く(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)、そしてそれゆえ、細胞培養におけるウイルスのさらなる複製サイクルを導く。
特許文献1は、接着性増殖細胞の細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製を記載した。細胞増殖後、栄養培地は除去され、そして新鮮な栄養培地が、インフルエンザウイルスでの細胞の感染と同時にまたはその少し後に細胞に添加される。感染から所定の時間の後、プロテアーゼ(例えばトリプシン)が至適ウイルス複製を得るために添加される。ウイルスは回収され、精製され、そして不活化または弱毒化ワクチンを生じさせるために加工される。しかし、ワクチン産生のための必須条件としての経済的なインフルエンザウイルス複製は、培地の変換、続く感染、ならびにトリプシンの添加のような、後に個々の細胞培養容器を数回開ける必要性をもたらし、それゆえ大変労力を要するこの特許に記載の方法論を用いては達成され得ない。さらに、培養容器の各操作での所望でない微生物やウイルスによる細胞培養の汚染の危険が増大する。より安価な選択は、当業者に公知の発酵槽系における細胞増殖であり、細胞はミクロキャリア上の接着性増殖する。しかし、ミクロキャリア上の細胞の増殖に必要な血清(通常、ウシ胚血清)は、トリプシンインヒビターを含み、その結果、この産生方法においてさえ、トリプシンによるインフルエンザ赤血球凝集素の切断を達成し、それゆえ適切な高度なウイルス複製のために、培地の無血清培地への変換が必要である。従って、この方法論はまた、培養容器を数回開けることを必要とし、それゆえ汚染の危険を増大させる。
卵中のインフルエンザウイルスの単離および精製は、臨床的な単離とは大きく異なる特定の表現型の選択を導く。臨床的単離とは異なり、細胞培養におけるウイルスの単離および複製においては、継代依存性選択は生じない(非特許文献1;非特許文献2)。従って、有効なワクチンのために、細胞培養におけるウイルス複製はまた、この局面より卵におけるものに対して好ましい。インフルエンザウイルスが細胞培養において複製され得ることは公知である。雌鶏胚細胞およびハムスター細胞(BHK21-FおよびHKCC)に加えて、MDBK細胞および特にMDCK細胞が、インフルエンザウイルスのインビトロでの複製のための適切な細胞として記載されている(非特許文献3)。首尾よい感染のための必須条件は、感染培地へのプロテアーゼ(好ましくは、トリプシンまたは類似のセリンプロテアーゼ)の添加である。なぜなら、これらのプロテアーゼは、赤血球凝集素[HA0]の前駆体タンパク質を、活性な赤血球凝集素[HA1およびHA2]に、細胞外的に切断するからである。切断された赤血球凝集素のみが、続く細胞へのウイルス同化を伴う細胞上のインフルエンザウイルスの吸着を導く(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)、そしてそれゆえ、細胞培養におけるウイルスのさらなる複製サイクルを導く。
特許文献1は、接着性増殖細胞の細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製を記載した。細胞増殖後、栄養培地は除去され、そして新鮮な栄養培地が、インフルエンザウイルスでの細胞の感染と同時にまたはその少し後に細胞に添加される。感染から所定の時間の後、プロテアーゼ(例えばトリプシン)が至適ウイルス複製を得るために添加される。ウイルスは回収され、精製され、そして不活化または弱毒化ワクチンを生じさせるために加工される。しかし、ワクチン産生のための必須条件としての経済的なインフルエンザウイルス複製は、培地の変換、続く感染、ならびにトリプシンの添加のような、後に個々の細胞培養容器を数回開ける必要性をもたらし、それゆえ大変労力を要するこの特許に記載の方法論を用いては達成され得ない。さらに、培養容器の各操作での所望でない微生物やウイルスによる細胞培養の汚染の危険が増大する。より安価な選択は、当業者に公知の発酵槽系における細胞増殖であり、細胞はミクロキャリア上の接着性増殖する。しかし、ミクロキャリア上の細胞の増殖に必要な血清(通常、ウシ胚血清)は、トリプシンインヒビターを含み、その結果、この産生方法においてさえ、トリプシンによるインフルエンザ赤血球凝集素の切断を達成し、それゆえ適切な高度なウイルス複製のために、培地の無血清培地への変換が必要である。従って、この方法論はまた、培養容器を数回開けることを必要とし、それゆえ汚染の危険を増大させる。
Oxford,J.S.ら、J.Gen.Virology(1991年)72,185-189
Robertson,J.S.ら、J.Gen.Virology(1993年)74,2047-2051
Kilbourne,E.D.、Influenza,Plenum Medical Book Company-New York and London,1987年,89〜110頁
Tobita,K.ら、Med.Microbiol.Immunol.,(1975年)162,9-14
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Klenk,H.-D.ら、Virology(1975年)68,426-439
本発明により、以下が提供される。
(項目1) 細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製のための方法であって、インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が細胞培養において培養され、該細胞が、インフルエンザウイルスで感染され、そして感染後、ウイルス複製のために30〜36℃の範囲の温度で培養されることを含む、方法。
(項目2) 前記細胞が、感染後、ウイルス複製のために、32〜34℃の範囲の温度で培養される、項目1に記載の方法。
(項目3) 前記細胞が、感染後、ウイルス複製のために、33℃で培養される、項目2に記載の方法。
(項目4) 前記細胞が脊椎動物の細胞である、項目2および3に記載の方法。
(項目5) 前記脊椎動物細胞がトリ細胞である、項目4に記載の方法。
(項目6) 前記細胞が雌鶏胚細胞である、項目5に記載の方法。
(項目7) 前記脊椎動物細胞が哺乳動物細胞である、項目4に記載の方法。
(項目8) 前記哺乳動物細胞が、ハムスター、ウシ、サル、またはイヌ細胞である、項目7に記載の方法。
(項目9) 前記インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が、接着性増殖する、項目1〜8に記載の方法。
(項目10) 前記インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が、懸濁物において増殖する、項目1〜8に記載の方法。
(項目11) プロテアーゼを、インフルエンザウイルスで感染する前、間、または後に、前記培養細胞に添加する、項目1〜10に記載の方法。
(項目12) 前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼである、項目11に記載の方法。
(項目13) 前記セリンプロテアーゼがトリプシンである、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記インフルエンザウイルスの回収および単離が、感染の2〜10日後に行われる、項目1〜13のいずれかに記載の方法。
(項目15) 前記インフルエンザウイルスの回収および単離が、感染の2〜7日後に行われる、項目14に記載の方法。
(項目16) 項目1〜15に記載の方法によって入手可能なインフルエンザウイルス。
(項目17) 適切な場合、免疫応答を増大させる物質と組み合わせた、項目16に記載のインフルエンザウイルスを含むワクチン。
(項目18) 前記インフルエンザウイルスが、インタクトなウイルス粒子として存在する、項目17に記載のワクチン。
(項目19) 前記インフルエンザウイルスが、弱毒化ウイルスとして存在する、項目17に記載のワクチン。
(項目20) 前記インフルエンザウイルスが、分解ウイルス粒子として存在する、項目17に記載のワクチン。
(項目21) 前記ワクチンが、前記インフルエンザウイルスの単離されたタンパク質を含む、項目21に記載のワクチン。
(項目22) 項目16に記載のインフルエンザウイルスまたはこのようなインフルエンザウイルスの構成物を含む、診断用組成物。
(項目1) 細胞培養におけるインフルエンザウイルスの複製のための方法であって、インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が細胞培養において培養され、該細胞が、インフルエンザウイルスで感染され、そして感染後、ウイルス複製のために30〜36℃の範囲の温度で培養されることを含む、方法。
(項目2) 前記細胞が、感染後、ウイルス複製のために、32〜34℃の範囲の温度で培養される、項目1に記載の方法。
(項目3) 前記細胞が、感染後、ウイルス複製のために、33℃で培養される、項目2に記載の方法。
(項目4) 前記細胞が脊椎動物の細胞である、項目2および3に記載の方法。
(項目5) 前記脊椎動物細胞がトリ細胞である、項目4に記載の方法。
(項目6) 前記細胞が雌鶏胚細胞である、項目5に記載の方法。
(項目7) 前記脊椎動物細胞が哺乳動物細胞である、項目4に記載の方法。
(項目8) 前記哺乳動物細胞が、ハムスター、ウシ、サル、またはイヌ細胞である、項目7に記載の方法。
(項目9) 前記インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が、接着性増殖する、項目1〜8に記載の方法。
(項目10) 前記インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞が、懸濁物において増殖する、項目1〜8に記載の方法。
(項目11) プロテアーゼを、インフルエンザウイルスで感染する前、間、または後に、前記培養細胞に添加する、項目1〜10に記載の方法。
(項目12) 前記プロテアーゼがセリンプロテアーゼである、項目11に記載の方法。
(項目13) 前記セリンプロテアーゼがトリプシンである、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記インフルエンザウイルスの回収および単離が、感染の2〜10日後に行われる、項目1〜13のいずれかに記載の方法。
(項目15) 前記インフルエンザウイルスの回収および単離が、感染の2〜7日後に行われる、項目14に記載の方法。
(項目16) 項目1〜15に記載の方法によって入手可能なインフルエンザウイルス。
(項目17) 適切な場合、免疫応答を増大させる物質と組み合わせた、項目16に記載のインフルエンザウイルスを含むワクチン。
(項目18) 前記インフルエンザウイルスが、インタクトなウイルス粒子として存在する、項目17に記載のワクチン。
(項目19) 前記インフルエンザウイルスが、弱毒化ウイルスとして存在する、項目17に記載のワクチン。
(項目20) 前記インフルエンザウイルスが、分解ウイルス粒子として存在する、項目17に記載のワクチン。
(項目21) 前記ワクチンが、前記インフルエンザウイルスの単離されたタンパク質を含む、項目21に記載のワクチン。
(項目22) 項目16に記載のインフルエンザウイルスまたはこのようなインフルエンザウイルスの構成物を含む、診断用組成物。
従って、本発明は、細胞培養における簡単かつ経済的なインフルエンザウイルスの複製を可能にし、そして高度に有効なワクチンを導く方法を提供する目的に基づく。
この目的は、特許の請求の範囲に示された実施態様の提供によって達成される。
従って、本発明は、細胞培養物におけるインフルエンザウイルスの複製のためのプロセスに関する。インフルエンザウイルスによって感染され得る細胞は細胞培養で培養され、この細胞はインフルエンザウイルスで感染され、そして感染の後にウイルス複製のために30〜36℃の範囲の温度で培養される。
本発明のプロセスの好ましい実施態様において、ウイルス複製のための感染細胞の培養は、32〜34℃、そして特に好ましくは33℃で実施される。
驚くべきことに、減少した温度での感染細胞におけるインフルエンザウイルスの複製によって、37℃での複製によって得られるウイルスよりも、ワクチンとして相当高い効率を有するウイルスが得られることが見出されている。37℃での複製(細胞培養においてインフルエンザ複製のために通常使用される温度)は、短時間で比較的高いウイルス収率に導くことが認められている。しかし、このように産生されたウイルスは、本発明のプロセスによって調製されたウイルスと比較すれば、ワクチンとして低い効率を有する。
インフルエンザウイルスの複製に関する本発明のプロセスにおいて使用される細胞は、原則的に、細胞培養で培養され得、そしてインフルエンザウイルスによって感染され得る所望の任意の型であり得る。これらは、接着性増殖細胞または懸濁物中で増殖する細胞のいずれでもあり得る。
好ましい実施態様において、細胞は脊椎動物細胞であり、詳細にはトリ細胞、そしてこの状況においては好ましくは雌鳥細胞(例えば、雌鳥胚細胞(CEF細胞))である。
なお好ましい実施態様において、細胞は哺乳動物細胞(例えば、ハムスター、ウシ、サル、またはイヌ細胞)である。好ましくは、腎臓細胞またはこれに由来する細胞株が使用される。適切なハムスター細胞の例は、BHK21-FまたはHKCCの名前を有する細胞株である。可能なサル細胞は、例えば、VERO細胞であり、そして可能なウシ細胞はMDBK細胞株である。適切な腎臓細胞株の例は、イヌ腎臓由来のMDCK細胞株(ATCC CCL34 MDCK(NBL-2))である。
本発明の状況において、上記の腎臓細胞株MDCKからさらなる細胞株を樹立した。このさらなる細胞株は、無血清培地における懸濁物における増殖に適用され、それによって特に単純かつ効率的な培養およびウイルス複製を可能にする。この細胞株MDCK 33016は、本発明のプロセスにおいて特に好ましく使用される。これは、特許手続のための微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定に基づき、国際寄託部署として承認されているブルンスウィック(ドイツ連邦共和国)のGerman Collection of Microorganisms(DSM)に、受託番号DSM ACC 2219で1995年6月7日に寄託された。
本発明のプロセスにおける細胞の培養のために、当業者に公知の通常の方法(特に、細胞培養におけるインフルエンザウイルス複製のためにすでに公知な方法)が細胞培養に使用され得る。懸濁物中で増殖する細胞(特に無血清培地中で培養され得る細胞)を用いる本発明のプロセスの実施は、特に単純かつ効率的なウイルス複製を可能にする。懸濁物中での細胞の培養は、この場合、バッチプロセスおよび灌流系(例えば、当業者に公知の細胞貯留系(例えば、遠心分離、濾過、スピンフィルターなど)を用いる攪拌容器発酵槽において)の両方において行われ得る。
細胞の培養は、原則として、好ましくはpH6.6〜pH7.8の範囲、詳細にはpH6.8〜pH7.3の範囲の調節されたpHで実施される。
さらに、pO2値は、有利に調節され得、原則的に25%と95%との間、詳細には35%と60%(空気飽和に基づく)との間である。
懸濁物中で培養された細胞の感染は、好ましくは、バッチプロセスにおける細胞が約8〜25×105細胞/ml、または灌流系において約5〜20×106細胞/mlの細胞密度に達したときに行われる。接着性増殖細胞が用いられる場合、感染のために最適な細胞密度は特定の細胞株に依存する。
インフルエンザウイルスでの細胞の感染は、好ましくは約0.0001〜10、好ましくは0.002〜0.5のm.o.i.(多重感染度)で行われる。
赤血球凝集素の前駆体タンパク質[HA0]の切断、従って細胞へのウイルスの吸着をもた
らすプロテアーゼの添加は、本発明に従い、インフルエンザウイルスでの細胞の感染の少し前、同時、または少し後に行われ得る。添加が感染と同時に行われる場合、プロテアーゼは感染されるべき細胞培養に直接または例えば、ウイルス接種と一緒に濃縮物として添加され得る。血清含有培地が培養に使用される場合、これはプロテアーゼ添加の前に除去されるべきである。プロテアーゼは好ましくはセリンプロテアーゼ、そして特に好ましくはトリプシンである。
らすプロテアーゼの添加は、本発明に従い、インフルエンザウイルスでの細胞の感染の少し前、同時、または少し後に行われ得る。添加が感染と同時に行われる場合、プロテアーゼは感染されるべき細胞培養に直接または例えば、ウイルス接種と一緒に濃縮物として添加され得る。血清含有培地が培養に使用される場合、これはプロテアーゼ添加の前に除去されるべきである。プロテアーゼは好ましくはセリンプロテアーゼ、そして特に好ましくはトリプシンである。
トリプシンが使用される場合、培養培地に添加される最終濃度は有利には1〜200μg/mlであり、好ましくは5〜50μg/ml、そして特に好ましくは5〜30μg/mlである。
感染の後に、感染細胞培養物はウイルスを複製させるために、詳細には最大細胞障害効果、または最大量のウイルス抗原が検出され得るまで、さらに培養される。
このプロセスの好ましい実施態様において、複製されたインフルエンザウイルスの採取および単離は、感染から2〜10日後、好ましくは3〜7日後に行われる。これを行うために、例えば、細胞または細胞残基は、当業者に公知の方法の手段(例えば、分離器またはフィルターにより)により、培養培地から分離される。これに続いて、培養培地中に存在するインフルエンザウイルスの濃縮が、当業者に公知の方法(例えば、勾配遠心分離、濾過、沈殿などのような)により行われる。
本発明は、本発明のプロセスにより入手可能なインフルエンザウイルスにさらに関する。これは、ヒトまたは動物への投与のためのワクチンとして、公知の方法により処方され得る。上記ですでに説明したように、この型のインフルエンザウイルスは、細胞培養中で37℃での複製によって得られたインフルエンザウイルスよりも、ワクチンとして高い効率を有する。
ワクチンとして得られたインフルエンザウイルスの免疫原性または効率は、当業者に公知の方法(例えば、曝露実験における保護分与の手段により、またはウイルス中和抗体の抗体力価として)により決定され得る。
産生されたウイルスまたは抗原の量の決定は、例えば、当業者に公知の方法による赤血球凝集素の量の決定により行われ得る。例えば、切断赤血球凝集素は種々の種の赤血球(例えば、雌鳥赤血球)に結合することが知られている。これは、産生されたウイルスまたは形成された抗原の、適切な検出方法による単純かつ迅速な定量を可能にする。
動物モデルにおける比較実験によって、本発明のインフルエンザウイルスは、37℃で複製されたウイルスよりも有意に高い力価の中和抗体を産生し、これにより、インフルエンザウイルス感染に対する有意に良好な保護を付与することが実証された。動物モデルとしてマウスを用いる実験において、中和抗体の力価は、例えば、少なくともワクチン接種後42週間での1つの因子だけ37℃で複製されたインフルエンザウイルスでの接種後の中和抗体の力価よりも高かった。接種後4週間で、中和抗体の力価は、少なくとも17の因子だけより高く、そしていくつかの場合では27倍高かった。ワクチン再接種を行う場合、本発明のインフルエンザウイルスを使用すれば、37℃で複製されたインフルエンザウイルスと比較して、中和抗体の力価は60を越える因子だけ高くあり得る。従って、曝露実験における1000LD50(致死用量50%)の投与量を使用する動物の生存率は、1/10から少なくとも8/10まで、好ましくは9/10まで、そして特に好ましくは10/10(100%)まで増大され得る
。
。
本発明はさらに、本発明のプロセスから入手可能なインフルエンザウイルスを含むワクチンに関する。この型のワクチンは、必要に応じて、ワクチンにたいして通常の添加剤、詳細には、免疫応答を増大する物質(すなわち、いわゆるアジュバント)(例えば、種々の金属の水酸化物、細菌細胞壁の成分、油またはサポニン)、およびさらに通常の薬学的に許容可能な賦形剤を含み得る。。
ウイルスは、ワクチン中にインタクトなウイルス粒子として、詳細には弱毒化生ウイルスとして存在し得る。この目的のために、ウイルス濃度は所望の力価に調節され、そして凍結乾燥されるか、または液体形態において安定化される。
さらに好ましい実施態様において、本発明のワクチンは崩壊(すなわち、不活性化)された、またはインタクトだが不活性化されたウイルスを含み得る。この目的のために、ウイルスの感染性が、化学および/または物理的方法(例えば、界面活性剤またはホルムアルデヒドにより)によって破壊される。次いで、ワクチンは、抗原の所望の量まで調整され、そして可能なアジュバントの混合の後、または可能なワクチン処方の後、例えば、リポソーム、ミクロスフェアまたは「徐放」処方物として分配される。
さらに好ましい実施態様において、本発明のワクチンは最後にサブユニットワクチンとして存在し得、すなわち、それは、定義された、単離ウイルス構成物、好ましくはインフルエンザウイルスの単離されたタンパク質を含有し得る。これらの成分は、当業者に公知の方法により、インフルエンザウイルスから単離され得る。
より低い温度で調製された本発明のインフルエンザウイルスが、より高い温度で従来の方法に従って調製されたウイルスよりも高い抗原性を有するという差異は、診断目的のために使用され得る。従って、本発明はまた、適切である場合には、この分野で通常の添加剤および適切な検出剤と組み合わせて、本発明のインフルエンザウイルスまたはこのようなウイルスの成分を含む診断組成物に関する。
実施例は、本発明を例示する。
実施例1
33℃でのMDCK細胞におけるインフルエンザウイルスの複製
MDCK細胞(ATCC CCL 34)を、細胞培養ボトル(2% FCSを用いるEagle's MEM [EMEM]、37℃で4日間のインキュベーション)において複製した。得られた濃厚な細胞ローンを、トリプシン溶液を用いて容器の壁から剥離し、細胞を単離し、そして細胞濃縮物を血清含有培地中に再懸濁した。細胞を、ローラーボトル(200ml/ボトル)において5×105細胞/mlの細胞密度で接種し、そして37℃で4rpmでインキュベートした。2日後、細胞にインフルエンザウイルスを感染させた。これを行うために、濃厚な細胞ローンの上の培地を除去し、そして無血清EMEMにより置換した。0.1のm.o.i.(感染多重度)を有するインフルエンザウイルスA/PR/8/34および25μg/mlの最終濃度のトリプシンを培地に添加した。いずれの場合も2つのローラーボトルを37℃または33℃でインキュベートした。ウイルス複製を、抗原の量(赤血球凝集素単位として測定)として決定し、そして感染性(CC ID50試験において測定)として決定した。そして、これを表1に示す。
33℃でのMDCK細胞におけるインフルエンザウイルスの複製
MDCK細胞(ATCC CCL 34)を、細胞培養ボトル(2% FCSを用いるEagle's MEM [EMEM]、37℃で4日間のインキュベーション)において複製した。得られた濃厚な細胞ローンを、トリプシン溶液を用いて容器の壁から剥離し、細胞を単離し、そして細胞濃縮物を血清含有培地中に再懸濁した。細胞を、ローラーボトル(200ml/ボトル)において5×105細胞/mlの細胞密度で接種し、そして37℃で4rpmでインキュベートした。2日後、細胞にインフルエンザウイルスを感染させた。これを行うために、濃厚な細胞ローンの上の培地を除去し、そして無血清EMEMにより置換した。0.1のm.o.i.(感染多重度)を有するインフルエンザウイルスA/PR/8/34および25μg/mlの最終濃度のトリプシンを培地に添加した。いずれの場合も2つのローラーボトルを37℃または33℃でインキュベートした。ウイルス複製を、抗原の量(赤血球凝集素単位として測定)として決定し、そして感染性(CC ID50試験において測定)として決定した。そして、これを表1に示す。
CCID50値の決定は、例えば、Paul,Zell- und Gewebekultur[Cell and tissue culture](1980),395頁に記載される方法に従って実施し得る。
実施例2
懸濁物中での増殖に適応しており、そしてインフルエンザウイルスにより感染され得る細胞株の調製
懸濁培養における増殖に適切であり、そしてインフルエンザウイルスにより感染され得る細胞株を、MDCK細胞(ATCC CCL34 MDCK (NBL-2))から開始して選択した。この細胞は、研究室において少数回の継代のみにより、または数ヶ月かけて増殖させておいた。この選択を、16rpm(付着性増殖細胞を有するローラーボトルについての習慣的な約3rpmの代わり)で回転したローラーボトルにおける細胞の増殖により実施した。培地中に懸濁して存在する細胞の数回の継代後、懸濁物中で増殖している細胞株を得た。これらの細胞株にインフルエンザウイルスを感染させ、そしてこの株をどの株が最大のウイルス収量を生じるかについて選択した。16rpmでの最初の継代の間の懸濁物中での細胞の増殖速度の増加は、当業者に公知の選択系(例えば、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン、またはアラノシンおよびアデニンを個々にまたは組み合わせて)の添加により1〜3回の継代にわたって達成される。懸濁物中で増殖している細胞の選択はまた、当業者に公知の他の撹拌細胞培養系(例えば、撹拌フラスコ)において可能である。懸濁物中での増殖に適応しており、そしてインフルエンザウイルスにより感染され得る細胞の例は、細胞株MDCK 33016(DSM ACC2219)である。
懸濁物中での増殖に適応しており、そしてインフルエンザウイルスにより感染され得る細胞株の調製
懸濁培養における増殖に適切であり、そしてインフルエンザウイルスにより感染され得る細胞株を、MDCK細胞(ATCC CCL34 MDCK (NBL-2))から開始して選択した。この細胞は、研究室において少数回の継代のみにより、または数ヶ月かけて増殖させておいた。この選択を、16rpm(付着性増殖細胞を有するローラーボトルについての習慣的な約3rpmの代わり)で回転したローラーボトルにおける細胞の増殖により実施した。培地中に懸濁して存在する細胞の数回の継代後、懸濁物中で増殖している細胞株を得た。これらの細胞株にインフルエンザウイルスを感染させ、そしてこの株をどの株が最大のウイルス収量を生じるかについて選択した。16rpmでの最初の継代の間の懸濁物中での細胞の増殖速度の増加は、当業者に公知の選択系(例えば、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン、またはアラノシンおよびアデニンを個々にまたは組み合わせて)の添加により1〜3回の継代にわたって達成される。懸濁物中で増殖している細胞の選択はまた、当業者に公知の他の撹拌細胞培養系(例えば、撹拌フラスコ)において可能である。懸濁物中での増殖に適応しており、そしてインフルエンザウイルスにより感染され得る細胞の例は、細胞株MDCK 33016(DSM ACC2219)である。
実施例3
33℃でのMDCK 33016細胞におけるインフルエンザウイルスの複製
懸濁物中で増殖している細胞株MDCK 33016(DSM ACC2219)を、16rpmで回転するローラーボトルにおいて週に2回、1:8〜1:12の分割割合で、Iscove培地中で37℃で複製させた。移してから4日後、約7.0×105細胞/mlの細胞数を達成した。この4日齢の細胞培養物のインフルエンザ株A/PR/8/34(m.o.i.=0.1)での感染と同時に、細胞培養物をトリプシン(25μg/mlの最終濃度)で処理し、37℃または33℃でさらにインキュベートし、そしてウイルス複製を3日間にわたって決定した(表II)。
33℃でのMDCK 33016細胞におけるインフルエンザウイルスの複製
懸濁物中で増殖している細胞株MDCK 33016(DSM ACC2219)を、16rpmで回転するローラーボトルにおいて週に2回、1:8〜1:12の分割割合で、Iscove培地中で37℃で複製させた。移してから4日後、約7.0×105細胞/mlの細胞数を達成した。この4日齢の細胞培養物のインフルエンザ株A/PR/8/34(m.o.i.=0.1)での感染と同時に、細胞培養物をトリプシン(25μg/mlの最終濃度)で処理し、37℃または33℃でさらにインキュベートし、そしてウイルス複製を3日間にわたって決定した(表II)。
33℃でのMDCK 33016細胞(DSM ACC 2219)における種々のインフルエンザ株の複製
細胞株MDCK 33016(DSM ACC 2219)を、16rpmで回転するローラーボトルにおいて週に2回、1:8〜1:12の分割割合で、Iscove培地中で37℃で増殖させた。移してから4日後、約7.0×105〜10×105細胞/mlの細胞数を達成した。この4日齢の細胞培養物の種々のインフルエンザ株(m.o.i.約0.1)での感染と同時に、細胞培養物をトリプシン(25μg/mlの最終濃度)で処理し、33℃でさらにインキュベートし、そしてウイルス複製を感染5日後に決定した(表III)。
実験用インフルエンザワクチンの調製
マウスにおける接種の後、ヒト病原性インフルエンザウイルスは、通常病理学的プロセスを伴う感染に至らず、その結果、マウスを用いる保護実験は、構築することが実験的に非常に困難である。しかし、インフルエンザウイルスA/PR/8/34株は、マウスに適応され
、そして鼻腔内投与の後に、マウスにおいて用量依存性死亡を引き起こす。
実験用ワクチンを、実施例3に由来するインフルエンザウイルスA/PR/8/34(37℃または33℃で複製させたA/PR/8)から調製した。細胞培養培地中のインフルエンザウイルスを、低速遠心分離(2000g、20分、4℃)によって細胞および細胞フラグメントから分離し、そしてショ糖勾配遠心分離(10〜50%(wt/wt)の直線状ショ糖勾配、30,000g、2時間、4℃)によって精製した。インフルエンザウイルス含有バンドを入手し、PBS (pH7.2)で1:10に希釈し、そして20,000rpmで沈殿させ、そして沈殿物をPBS(容量:最初の細胞培養培地の50%)中に取り出した。インフルエンザウイルスを、ホルムアルデヒドで不活化した(24時間の間隔で35%強度ホルムアルデヒド溶液の0.025%の2回の添加、撹拌しな
がら20℃でのインキュベーション)。
がら20℃でのインキュベーション)。
10匹のNMRIマウスの各々(18〜20gの重量)に、皮下注射により0日目および28日目に各々0.3mlのこれらの不活化実験用ワクチンとともにインキュベートした。接種の2および4週間後、ならびにさらにワクチン再接種の1および2週間後に、血液を動物から採取して、A/PR/8/34に対する中和抗体の力価を測定した。保護割合を決定するために、マウスを、ワクチン再接種(実験の開始後6週間)後に1000 LD50(致死量の50%)の鼻腔内投与によって2週間曝露した。実験の結果を表IVに編集した。
実施例6
33℃でのMDCK細胞におけるインフルエンザウイルスの複製および得られるワクチンの効力
細胞株MDCK(ATCC CL34)を、週に2回の1:8〜1:12の分割割合で、細胞培養ボトル中で2% FCSを有するEagleのMEM(EMEM)において37℃で複製させた。形質転換の4日後、高密度な細胞ローンが生じた。この培地から血清非含有EMEMへの変更の後、細胞培養物を、インフルエンザB/Beijing(m.o.i.=0.1)で感染させ、トリプシンを25μg/mlの最終濃度で培地に添加し、そして感染細胞培養ボトルを、37℃または33℃のいずれかでインキュベートした。感染の4日後、実験用バッチ中のHA含量は両方とも256HA単位であった。細胞/細胞残渣を除去するための低速遠心分離の後、上清中のウイルスを、ホルムアルデヒド(24時間の間隔の35%強度ホルムアルデヒド溶液の0.025%の2回の添加、攪拌しながら20℃でのインキュベーション)で不活化した。各実験セクションにおいて、添加したアジュバントは水酸化アルミニウムであった(2%強度Al(OH)3溶液の10%最終濃度)。これらの実験用ワクチンを用いて、各ケースにおいて、実験セクション当たり3匹のモルモット(400〜500g)に0.2mlでの足底内ワクチン接種を与え、そしてその後に同じワクチンで4週間ワクチン再接種を与えた。ワクチンの効力を調査するために、血液サンプルを接種後の2、4および6週間採取し、そして赤血球凝集阻害試験および血清中和試験において試験した(表Vを参照のこと)。
33℃でのMDCK細胞におけるインフルエンザウイルスの複製および得られるワクチンの効力
細胞株MDCK(ATCC CL34)を、週に2回の1:8〜1:12の分割割合で、細胞培養ボトル中で2% FCSを有するEagleのMEM(EMEM)において37℃で複製させた。形質転換の4日後、高密度な細胞ローンが生じた。この培地から血清非含有EMEMへの変更の後、細胞培養物を、インフルエンザB/Beijing(m.o.i.=0.1)で感染させ、トリプシンを25μg/mlの最終濃度で培地に添加し、そして感染細胞培養ボトルを、37℃または33℃のいずれかでインキュベートした。感染の4日後、実験用バッチ中のHA含量は両方とも256HA単位であった。細胞/細胞残渣を除去するための低速遠心分離の後、上清中のウイルスを、ホルムアルデヒド(24時間の間隔の35%強度ホルムアルデヒド溶液の0.025%の2回の添加、攪拌しながら20℃でのインキュベーション)で不活化した。各実験セクションにおいて、添加したアジュバントは水酸化アルミニウムであった(2%強度Al(OH)3溶液の10%最終濃度)。これらの実験用ワクチンを用いて、各ケースにおいて、実験セクション当たり3匹のモルモット(400〜500g)に0.2mlでの足底内ワクチン接種を与え、そしてその後に同じワクチンで4週間ワクチン再接種を与えた。ワクチンの効力を調査するために、血液サンプルを接種後の2、4および6週間採取し、そして赤血球凝集阻害試験および血清中和試験において試験した(表Vを参照のこと)。
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