JP2011201780A - 水溶性殺虫粒剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶性殺虫粒剤を比較的簡単な調整手段によって速効性および持続性(徐放性)も兼ね備えたものとし、しかも散布時や製造工程においても粉立ちがなく、安全な取り扱い性を有するものとする。
【解決手段】水溶性粉末を粒度0.5〜6.5mm程度に粉立ちのないように造粒した粒子状担体を設け、この粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、これを乾燥させて粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で保持してなる水溶性殺虫粒剤とする。水系などに施用の初期には比較的短時間で高い濃度の有効成分が放出され、水溶性殺虫粒剤は速効性を奏し、担体の内部への段階的な崩壊によってクロチアニジンは徐々に放出量を低下させながら水中に徐放されるので持続性も奏される。
【選択図】なし
【解決手段】水溶性粉末を粒度0.5〜6.5mm程度に粉立ちのないように造粒した粒子状担体を設け、この粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、これを乾燥させて粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で保持してなる水溶性殺虫粒剤とする。水系などに施用の初期には比較的短時間で高い濃度の有効成分が放出され、水溶性殺虫粒剤は速効性を奏し、担体の内部への段階的な崩壊によってクロチアニジンは徐々に放出量を低下させながら水中に徐放されるので持続性も奏される。
【選択図】なし
Description
この発明は、河川、湖沼その他の水系または水路、水田など水のある環境に施用される水溶性殺虫粒剤およびその製造方法に関する。
一般に、有効成分として殺虫成分を含有し、水のある自然環境において溶解可能な水溶性殺虫粒剤が知られている。
そのような殺虫粒剤の種類としては、水溶性担体または非水溶性担体に有効成分を担持させたものがあり、そのうち水溶性担体に保持させるものは環境に固形状の担体を残さないので、環境に対する物理的な負荷は少なく、担体を回収する作業も必要がなくて好ましいものである。
水溶性担体を用いた粒剤の造粒方法としては、湿式造粒法および流動層造粒法が知られている。湿式造粒法では、粉体組成物に適当量の水を加えて混練した後、0.1〜20mm程度の孔を開けたプレートから押出して造粒する。また流動層造粒法では、粉体組成物を入れた容器の底から温風を吹き上げて粉体の流動状態を作り、そこに水をスプレーで吹きかけて粉体粒子同士を付着させることにより、所要の大きさの粒子を形成する(特許文献1)。
水溶性殺虫活性物質の例として粉状のクロチアニジンを用い、これに炭化水素ナトリウム、ショ糖、デキストリンなどの粉状の水溶性固形担体およびポリビニルアルコールなどの結合剤を混合し、流動層造粒法によって造粒した顆粒状殺虫製剤が知られている(特許文献2)。
しかし、従来の水溶性殺虫粒剤であって、炭化水素ナトリウムなどの粉状の水溶性固形担体と、有効成分として粉状のクロチアニジンとを用い、これら粉体同士を混合したものを造粒したものは、これに速効性および持続性の両方を併有するように調整することは容易ではない。
すなわち、水溶性殺虫粒剤に対し、粒径をできるだけ小さくして表面積を広くするか、または水溶性固形担体の材質をより水溶性の高いものを採用するなどの調整を行なう必要があったが、それだけでは速効性はあるが、持続性が損なわれてしまう。
また、粒径の異なる複数の粒剤を調製し、適当な割合で混ぜ合わせることにより、崩壊速度を調整することも考えられるが、そのような調整は製造工程の大幅な増加を招き、また施用時に所定の配合割合を維持しながら散布することは容易なことではなく、実際に速効性および持続性(または徐放性)の両方を両立された効果を安定して得ることは困難であった。
なお、速効性を求めて形成される粒径の小さい水溶性殺虫粒剤は、「粉立ち」と称される粉塵が製造作業時および散布作業時に多く発生させる可能性もある。
なお、速効性を求めて形成される粒径の小さい水溶性殺虫粒剤は、「粉立ち」と称される粉塵が製造作業時および散布作業時に多く発生させる可能性もある。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、水系環境において溶解可能な水溶性殺虫粒剤を比較的簡単な調整手段によって速効性および持続性(徐放性)も兼ね備えたものとし、しかも散布時や製造工程においても粉立ちがなく、安全な取り扱い性を有するものとすることであり、またそのように優れた特性を有する水溶性殺虫粒剤を効率よく製造することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、水溶性粉末を造粒した粒子状担体を設け、この粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、これを乾燥させて粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で保持してなる水溶性殺虫粒剤としたのである。
上記したように構成されるこの発明の水溶性殺虫粒剤は、製造時に水溶性の粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸するとき、粒子状担体の表面から内部までクロチアニジン溶液が浸透する時間差によって、水溶性殺虫粒剤の表面に近い部分(表層)ほど単位体積当りのクロチアニジン溶液の存在量が多くなり、密度勾配が形成される。
この状態から粒子状担体を乾燥させると粒子状担体の内部にクロチアニジンが析出して粉末状クロチアニジンが前記密度勾配で保持されたものになっている。
このような水溶性殺虫粒剤が水に接すると、表面から内部まで順に水が浸透して崩壊または溶解が進むが、その当初は表面から比較的多量のクロチアニジンが水中に放出されて溶解するので、水系などに施用の初期には比較的短時間で高い濃度の有効成分が放出され、水溶性殺虫粒剤は速効性を奏する。
このような水溶性殺虫粒剤が水に接すると、表面から内部まで順に水が浸透して崩壊または溶解が進むが、その当初は表面から比較的多量のクロチアニジンが水中に放出されて溶解するので、水系などに施用の初期には比較的短時間で高い濃度の有効成分が放出され、水溶性殺虫粒剤は速効性を奏する。
さらに、経時的に水溶性殺虫粒剤の内部まで水が浸透すると、担体の表面から内部への段階的な崩壊によってクロチアニジンは徐々に放出量を低下させながら持続的に水中に放出され、徐放性すなわち持続性が発揮される。因みに、クロチアニジンは、水に対する溶解度が比較的低い物性のものであるから、先に放出された粉末状のクロチアニジンも溶解を続け、後から放出されるクロチアニジンの量は比較的少なくても、持続的に安定した殺虫作用が奏される。
施用時にクロチアニジンの殺虫作用が安定して充分に奏されるように、粒子状担体は、粒度0.5〜10mmの粒子状担体であることが好ましい。粒度0.5mm未満の小粒径では水中での崩壊時間が短くて好ましくなく、10mmを超える大粒径では担体の表面から内部まで水が浸透するまでに必要以上に時間を要して好ましくない。
また、上記したような作用を奏するために採用される水溶性粉末としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上の水溶性粉末であることが好ましい。
粒子状担体に含浸するクロチアニジン溶液は、クロチアニジン1重量部に対して、極性溶媒2.5〜100重量部で溶解したクロチアニジン溶液であることが、適当な密度勾配を形成するために好ましく、さらにクロチアニジン溶液が、グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンから選ばれる1種以上の補助溶剤を含有するクロチアニジン溶液であれば、多量の粒子状担体に対して比較的均一に含浸させやすい。
以上のような作用効果を奏するように、水溶性殺虫粒剤を効率よく製造するには、先ず水溶性粉末を造粒して粒度0.5〜10mmの粒子状担体を形成し、これを105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10〜40%になるように乾燥させた後、この担体をクロチアニジン1重量部に対して、極性溶媒2.5〜100重量部を配合したクロチアニジン溶液に含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、次いで乾燥して析出した粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で粒子状担体に保持させることからなる水溶性殺虫粒剤の製造方法を採用する。
その際に、粒子状担体は、105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10〜40%であり、または硬度(ビッカース)1〜5kgfの粒子状担体であることが、散布時や製造工程においても粉立ちや崩壊がなく作業上安全なものとするために好ましい。
粒子状担体の105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10%未満または40%以上では、この粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸する際に、クロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させることが確実にできない場合があって好ましくなく、また硬度(ビッカース)5kgfを超える硬さでは浸透に時間がかかり製法上好ましくない。また、硬度1kgf未満のものは、溶液含浸工程で摩擦によりつぶれやすく、粉末が生じるため好ましくない。
この発明の水溶性殺虫粒剤は、水溶性粉末を造粒した粒子状担体に粉末状のクロチアニジンを粒子内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させたので、速効性および持続性(徐放性)も兼ね備えたものとなり、しかも散布時や製造工程においても粉立ちがなく、安全な取り扱い性を有するものとなる利点がある。
また、この発明の水溶性殺虫粒剤の製造方法では、クロチアニジン溶液を内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、次いで乾燥して析出した粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で粒子状担体に保持させるので、比較的簡単な調整手段によって速効性および持続性(徐放性)も兼ね備えたものとなり、優れた特性を有する水溶性殺虫粒剤を効率よく製造できる利点がある。
実施形態の水溶性殺虫粒剤は、水溶性粉末を造粒した粒子状担体中に粉末状クロチアニジンを粒子内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させたものであり、そのためには粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させている。
そのような水溶性殺虫粒剤の粒子状担体の主成分となる水溶性粉末は、造粒された状態から例えば0.2時間〜72時間程度、好ましくは0.5〜24時間程度の時間をかけて徐々に崩壊し、さらに水中に溶解する粉状物質であればよく,周知の粒状殺虫製剤用の粉状物質を採用することができる。
この発明に用いる担体は水溶性であり、淡水、海水または汽水といった水系の自然環境において溶解可能であり、かつ有効成分であるクロチアニジンを安定して保持できるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、そのような水溶性粉末としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩類が挙げられる。
例えば、そのような水溶性粉末としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩類が挙げられる。
このような水溶性粉末を造粒するには、結合剤を配合すると共に適度に水分を加えて混練し、湿式造粒法などによって押出して造粒し、さらに球形整粒機によって高速に転動させて不揃いの円柱形状を球形化する方法などを採用することができる。
粒子状担体の大きさは、通常、特に限定する必要性がないが、水中での実用的な崩壊時間や有効成分の浸透時間を考慮すると、好ましくは粒度0.5〜6.5mmの粒子状担体であることが好ましい。
水溶性粉末を造粒する前に配合することが好ましい結合剤としては、無機結合剤として珪酸アルミニウムがあり、また有機結合剤としては、クエン酸、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポピドンなどが挙げられる。
粒子状担体は、好ましくは105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10〜40%にまで乾燥させ、硬度(ビッカース)1〜5kgfの粒子状担体とすれば、前述のように粉立ちがなく作業上好ましいものが得られる。
そして、このようにして水溶性粉末を造粒した粒子状担体に、クロチアニジン溶液を含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させる。
この発明に用いるクロチアニジンは、IUPAC:(E)-1-(2−クロロ-1,3-チアゾール-5-イルメチル)-3-メチル-2-ニトログアニジンの周知な殺虫活性成分であり、水溶解度は0.304g/L(20℃、pH4)であり、水溶性ではあるが難溶解性であるともいえる。また、その作用機構は昆虫中枢神経系のニコチン性アセチルコリン受容体に対するアゴニスト作用である。
このようなクロチアニジンは、ウンカ・ヨコバイ類,アブラムシ類,コナジラミ類,カメムシ類,コナカイガラムシ類,ツノロウムシ類等の半翅目害虫,ミナミキイロアザミウマ,チャノキイロアザミウマ等のアザミウマ目害虫,イネミズゾウムシ,イネドロオイムシ,ゴマダラカミキリ,コガネムシ類等の甲虫目害虫,シンクイムシ類,チャノホソガ,キンモンホソガ,ギンモンハモグリガ,モモハモグリガ,ミカンハモグリガ等の鱗翅目害虫,更にはマメハモグリバエ、ユスリカ、チョウバエ、ノミバエ、イエカ、シマカ、ハマダラカ等の双翅目害虫などの幅広い害虫に低薬量で卓効を示し、植物に対しては安全性の高い化合物である。
クロチアニジンを溶解する極性溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドンなどの極性溶媒が挙げられ、好ましくはN−メチルピロリドンなどの高極性溶媒を用いることが好ましい。
さらに前述のようにクロチアニジン溶液に対して、グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの補助溶剤を配合したクロチアニジン溶液であれば、不揃いな粒径でありかつ多量の粒子状担体に対して比較的均一に含浸させやすくなる。
クロチアニジン溶液は、クロチアニジン1重量部に対して、極性溶媒2.5〜100重量部で溶解したクロチアニジン溶液であり、これを用いて有効成分のクロチアニジンを水溶性の粒子状担体中に0.05〜10.0重量%、好ましくは0.1〜10.0重量%含有させることが好ましい。
また、粒子状担体中には、担体の崩壊促進、水中への有効成分溶解促進を目的として非イオン、陰イオン配合の界面活性剤を0.5〜5.0重量%を含有させることが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物、ホルムアルデヒド縮合物などが挙げられる。
また、陰イオン界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、リグニンスルホン酸ナトリウム塩、ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホスフェートアミン塩などが挙げられる。
このような粒子状担体と前記した濃度のクロチアニジン溶液とをミキサーなどを用いて混合し、常温、常圧にて10〜30分程度、好ましくは15〜25分程度混合しながら含浸し、クロチアニジンを粒子内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させる。そのような密度勾配が確実に実行できたことは、色素などを用いて粒子断面の色調から視覚的に確認することもできる。
次いで、クロチアニジン溶液を含浸した粒子状担体を乾燥させるには、特に乾燥方法を限定するものではなく、温風などによる加熱乾燥の他、常温での自然乾燥でもよく、乾燥剤を用いた乾燥であってもよい。
そのように乾燥させることにより、粒子状担体の内部で乾燥して析出した粉末状クロチアニジンを粒子内部から表面に近づくほど高い密度勾配で分布するように保持させる。
このようにして、水溶性粉末からなる粒子状担体中に粉末状クロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させた水溶性殺虫粒剤が得られる。
[実施例1〜17および比較例1〜6]
表1または表2に示す配合割合(重量%)にて粒子状担体を、粉砕した硫酸マグネシウムに結合剤としてクエン酸を5重量%添加し、水分を加えてマルメライザーを用いて粒径0.5〜10mmに造粒し、105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10〜40%とし、またビッカース硬度0.5kgf、1kgf、5kgf、10kgfの粒子状担体を作製した。
表1または表2に示す配合割合(重量%)にて粒子状担体を、粉砕した硫酸マグネシウムに結合剤としてクエン酸を5重量%添加し、水分を加えてマルメライザーを用いて粒径0.5〜10mmに造粒し、105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10〜40%とし、またビッカース硬度0.5kgf、1kgf、5kgf、10kgfの粒子状担体を作製した。
次に、表1、2に示す配合割合(重量%)で、クロチアニジンを高極性溶媒のN−メチルピロリドンに溶解させ、含浸補助剤としてポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、界面活性剤のポリオキシアルキレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ホルムアルデヒド縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム塩を合わせて混合して油状物を作製した。前記作製した粒子状担体を常温常圧下でドラム内側にインペラー式攪拌機であるミキサーに収容し、前記油状物を注加しながら混合して含浸処理を行なった。
得られた粒子(1200kg)を自然乾燥して粉末状クロチアニジンを表面に近づくほど高い密度勾配で保持した実施例1〜17および比較例1〜6の水溶性殺虫粒剤を得た。
得られた水溶性粒剤について、水温20℃の真水中でクロチアニジンの溶出率を経時的に0.5〜24時間まで調べ、表1、2中に併記した。
得られた水溶性粒剤について、水温20℃の真水中でクロチアニジンの溶出率を経時的に0.5〜24時間まで調べ、表1、2中に併記した。
また、得られた実施例および比較例について以下のような評価基準にて、(1)溶出性、(2)含浸性、(3)粉立ち、(4)速効性、(5)徐放性を調べ、それらの結果を表1、2中に併記した。
(1)溶出性
水温20℃の水中でのクロチアニジンの溶出率を経時的に0.5〜24時間まで調べた値を表1または表2中に併記した。
(2)含浸性
製法工程上の混合含浸において均一含浸したものを○、含浸不均一なものを×とした。
(3)粉立ち
製法工程上の粉立ちがないものを○、粉立ちがあるものを×とした。
(4)速効性
水中にて0.5時間で50%以上を溶出するとき速効性を奏するとし○、50%未満を×とした。
(5)徐放性
担体の内部への段階的な崩壊によってクロチアニジンは24時間後までに90〜95%程度を放出し、持続的に水中に徐放されているとし○、90%未満を×とした。
水温20℃の水中でのクロチアニジンの溶出率を経時的に0.5〜24時間まで調べた値を表1または表2中に併記した。
(2)含浸性
製法工程上の混合含浸において均一含浸したものを○、含浸不均一なものを×とした。
(3)粉立ち
製法工程上の粉立ちがないものを○、粉立ちがあるものを×とした。
(4)速効性
水中にて0.5時間で50%以上を溶出するとき速効性を奏するとし○、50%未満を×とした。
(5)徐放性
担体の内部への段階的な崩壊によってクロチアニジンは24時間後までに90〜95%程度を放出し、持続的に水中に徐放されているとし○、90%未満を×とした。
表1、2の結果からも明らかなように、実施例の水溶性殺虫粒剤は、水中にて0.5時間で50%程度を溶出させ速効性を奏することが判明した。
また、担体の内部への段階的な崩壊によってクロチアニジンは24時間後までに90〜95%程度を放出し、持続的に水中に徐放されて持続性も奏されることがわかる。
Claims (7)
- 水溶性粉末を造粒した粒子状担体を設け、この粒子状担体にクロチアニジン溶液を含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、これを乾燥させて粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で保持してなる水溶性殺虫粒剤。
- 粒子状担体が、粒度0.5〜10mmの粒子状担体である請求項1に記載の水溶性殺虫粒剤。
- 水溶性粉末が、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上の水溶性粉末である請求項1または2に記載の水溶性殺虫粒剤。
- クロチアニジン溶液が、クロチアニジン1重量部に対して、極性溶媒2.5〜100重量部で溶解したクロチアニジン溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性殺虫粒剤。
- クロチアニジン溶液が、グリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセリンから選ばれる1種以上の補助溶剤を含有するクロチアニジン溶液である請求項4に記載の水溶性殺虫粒剤。
- 水溶性粉末を造粒して粒度0.5〜10mmの粒子状担体を形成し、これを105℃で4時間乾燥するときの乾燥減量が10〜40%となるように乾燥させた後、この担体をクロチアニジン1重量部に対して、極性溶媒2.5〜100重量部を配合したクロチアニジン溶液に含浸してクロチアニジンを内部から表面に近づくほど高い密度勾配で保持させ、次いで乾燥して析出した粉末状クロチアニジンを前記密度勾配で粒子状担体に保持させることからなる水溶性殺虫粒剤の製造方法。
- 粒子状担体が、水分量3重量%以下であり、かつ硬度(ビッカース)1〜5kgfの粒子状担体である請求項6に記載の水溶性殺虫粒剤の製造方法。
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