JP2001233704A - 徐放性農薬固型製剤 - Google Patents

徐放性農薬固型製剤

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JP2001233704A JP2000054444A JP2000054444A JP2001233704A JP 2001233704 A JP2001233704 A JP 2001233704A JP 2000054444 A JP2000054444 A JP 2000054444A JP 2000054444 A JP2000054444 A JP 2000054444A JP 2001233704 A JP2001233704 A JP 2001233704A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロチアニジンの徐放性に優れた農薬固型製剤
を提供する。 【解決手段】クロチアニジンまたはその塩、およびカル
ボキシメチルセルロースまたはその塩を含有する徐放性
農薬固型製剤。 【効果】カルボキシメチルセルロースまたはその塩を徐
放化基剤として用いることにより、クロチアニジンまた
はその塩の徐放性に優れた農薬固型製剤を提供できる。
また、農薬固型製剤中に撥水剤を共存させることによっ
て農薬固型製剤混合物の造粒性が著しく改善され、安価
な押し出し造粒法を採用可能にすることができる。本発
明によって、薬効を減ずることなく薬害を軽減し、製造
工程が簡単で、経済性および実用性の高い、大量生産に
適したクロチアニジンを徐放化した農薬固型製剤を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロチアニジンの
徐放性に優れた農薬固型製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】クロチアニジンまたはその塩は殺虫活性
に優れた農薬有効成分である。クロチアニジンまたはそ
の塩の徐放化は、薬害の軽減、残効性の増強、過剰薬剤
の流亡抑制等を可能とすることから農業上有益な手段で
ある。徐放性を有する製剤またはその製造法としては、
農薬有効成分を含有する核粒にワックスおよびアクリル
樹脂をコーティングした徐放型粒状物質(特開昭60−
202801号)、農薬有効成分とワックス類を加熱溶
融後冷却固化する方法(特開平9−40512号)、鉱
物質を主成分とする粒状担体の表面を農薬活性成分と熱
可塑性樹脂からなる放出誘導膜で被覆し、さらに樹脂を
主成分とした放出制御膜で被覆した時限放出型被覆農薬
粒剤(特開平9−216802号)等が知られている。
しかしながら、これらは製造工程が複雑であり、溶剤お
よび高価な樹脂等を使用することから経済性、実用性に
問題があり、工業化は困難であった。また、比較的安価
なカルボキシメチルセルロースまたはその塩と金属イオ
ンとの架橋反応を用いた徐放化技術(J. Agric. Food C
hem., 32, 1199-1205, 1984、J. Microencapsulation,
13(1), 9-24, 1996、特開平8−239301号)も知
られている。しかしながら、これらは製造工程が複雑で
あることから経済性、実用性に問題があり、工業化は困
難であった。以上のことから、薬効を減ずることなく薬
害を軽減し、経済性、実用性に優れ、且つ大量生産に適
したクロチアニジンまたはその塩を徐放化した製剤が望
まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロチアニ
ジンまたはその塩の徐放性に優れた農薬固型製剤を提供
することを目的とする。さらに、練り込み造粒という大
量生産に適した低コストの製造方法でクロチアニジンま
たはその塩を徐放化した農薬固型製剤を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決するべく鋭意研究検討した結果、クロチアニ
ジンまたはその塩とカルボキシメチルセルロースまたは
その塩とを混合することによって徐放化し、さらに農薬
固形製剤(例、粒剤)を製造するに際して、必要に応じ
て撥水剤を添加して造粒することにより簡便にかつ安価
に徐放性農薬固型製剤を製造し得ることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、〔1〕クロチアニジ
ンまたはその塩、およびカルボキシメチルセルロースま
たはその塩を含有する徐放性農薬固型製剤、〔2〕さら
に他の農薬有効成分を含有してなる上記〔1〕項記載の
農薬固型製剤、〔3〕他の農薬有効成分が、ネライスト
キシン誘導体またはその塩である上記〔2〕項記載の農
薬固型製剤、〔4〕ネライストキシン誘導体が、カルタ
ップである上記〔3〕項記載の農薬固型製剤、〔5〕さ
らに撥水剤を含有し、カルボキシメチルセルロースまた
はその塩を0.01重量%以上、10重量%未満含有し
てなる上記〔1〕項記載の農薬固型製剤、〔6〕撥水剤
が、ワックス類および疎水性シリカから選ばれる一種以
上である上記〔5〕項記載の農薬固型製剤、〔7〕ワッ
クス類が、モンタンワックスもしくはその誘導体、カル
ナウバワックス、パラフィンワックスおよびステアリン
酸から選ばれる一種以上である上記〔6〕項記載の農薬
固型製剤、および〔8〕粒剤である上記〔1〕項記載の
農薬固型製剤に関する。
【0006】本発明に使用されるクロチアニジンは式
【化1】 で示される化合物である。上記クロチアニジンの塩とし
ては、例えば、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,リン
酸,硫酸,過塩素酸などの無機酸、例えば、ギ酸,酢
酸,酒石酸,リンゴ酸,クエン酸,シュウ酸,コハク
酸,安息香酸,ピクリン酸,p−トルエンスルホン酸な
どの有機酸との農薬化学的に許容され得る塩などが用い
られる。クロチアニジンまたはその塩は、自体公知ある
いはそれに準じる方法、例えば、特開平3−15730
8号公報に記載された方法に準じて製造することができ
る。
【0007】本発明の農薬固型製剤に用いられるカルボ
キシメチルセルロースまたはその塩としては、分子量が
約2000〜20万程度のものなどが好ましい。カルボ
キシメチルセルロースの塩としては、例えば一価の金属
塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ
金属塩)、またはアンモニウム塩などが挙げられる。特
にナトリウム塩が好ましい。具体的には、セロゲン5
A、セロゲン6A、セロゲン7A、セロゲンPR、セロ
ゲンHE−1500F、セロゲンEP−ML、セロゲン
HE−90F、セロゲンEP(第一工業製薬(株))な
どが挙げられる。カルボキシメチルセルロースまたはそ
の塩としては種々の分子量を有するものがあるが、本発
明の製剤においては、単一の分子量を有するものを単独
で用いてもよいし、異なる分子量のものを混合(例え
ば、低分子量(約2000〜5万程度)のものと高分子
量(5万〜20万)のものとを混合)して用いてもよ
い。
【0008】本発明の農薬固型製剤にはクロチアニジン
またはその塩に加えてさらに他の農薬有効成分を含有し
ていてもよい。このような他の農薬有効成分としては、
常温で固体、液体を問わず、殺虫剤、殺菌剤、除草剤な
どいずれの農薬有効成分であっても良い。これに該当す
る農薬有効成分の例を挙げると次の通りであるが、これ
らに限定されるものではない。 〔殺虫剤〕 1)カーバメート系殺虫剤:NAC、MTMC、MIP
C、PHC、MPMC、XMC、ベンダイオカルブ、ピ
リミカルブ、メソミル、オキサミル、チオジカルブ等 2)ピレスロイド系殺虫剤:レスメトリン、ペルメトリ
ン、シペルメトリン、シフルトリン、フェンプロパトリ
ン、シクロプロトリン、フルバリネート、フルシトリネ
ート、シハロトリン、フェンバレレート、エトフェンプ
ロックス等 3)ネライストキシン系殺虫剤:カルタップ、チオシク
ラム、ベンスルタップなどのネライストキシン誘導体ま
たはその塩等 4)昆虫成長制御剤:ジフルベンズロン、テフルベンズ
ロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジン等 5)殺ダニ剤:ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタス
ズ、ピリダベン、クロフェンテジン等 6)その他:ニテンピラム、アクリナトリン、シラフル
オフェン等
【0009】〔殺菌剤〕ジラム、チウラム、キャプタ
ン、TPN、フサライド、トルクロホスメチル、ホセチ
ル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダゾー
ル、チアベンダゾール、ジクロシメット、ジエトフェン
カルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミド
ン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニ
ル、フルトラニル、ペンシクロン、メタラキシル、オキ
サジキシル、トリアジメホン、ヘキサコナゾール、トリ
ホリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオ
キシン、バリダマイシンA、ミルディオマイシン、PC
NB、ヒドロキシイソキサゾール、ダゾメット、ジメチ
リモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、
フサライド、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリ
シクラゾール、ピロキロン、オキソリニック酸、イプロ
ベンホス(IBP)、エジフェンホス(EDDP)、ト
ルクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチル等 〔除草剤〕ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、
イマゾスルフロン、シメトリン、ダイムロン、プロパニ
ル、メフェナセット、エトベンザニド、プレチラクロー
ル、スエップ、チオベンカルブ、ピリブチカルブ、オキ
サジアゾン、ピラゾレート、プロジアミン、ペンジメタ
リン、カフェンストロール、ペントキサゾン、エスプロ
カルブ、ベンスリド、オキサジクロメホン等農薬有効成
分は1種または2種以上(好ましくは1種以上、3種以
下)用いられる。上記した他の農薬有効成分の中でも、
ネライストキシン誘導体またはその塩〔例、カルタップ
塩酸塩(パダン)〕が好ましく用いられる。上記ネライ
ストキシン誘導体の塩としては例えば、塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などの無機
酸、例えば、ギ酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン
酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、ピクリン酸、p−
トルエンスルホン酸などの有機酸との農薬化学的に許容
され得る塩などが用いられる。
【0010】本発明の農薬固型製剤には、さらに殺線虫
剤、植物ホルモン剤、植物発育調節剤、共力剤、誘引
剤、忌避剤、色素、肥料などを配合し、混合使用するこ
ともできる。本発明の農薬固型製剤に用いられる撥水剤
としては、例えばモンタンワックスもしくはその誘導体
〔例、Hoe-Wax E、Hoe-Wax E pharma、Hoe-Wax F、Hoe-
WaxKP、Hoe-Wax KP302、Hoe-Wax KPS、Hoe-Wax KSL、Ho
e-Wax KSS、Hoe-Wax KFO、Hoe-Wax KST、Hoe-Wax KPE、
Hoe-Wax KLE、Hoe-Wax OP、Hoe-Wax O、Hoe-Wax OM、Ho
e-Wax BJ、Hoe-Wax RT、Hoe-Wax NE、Hoe-Wax CTE、Hos
talub WE4、Hostalub WE40(クラリアントジャパン
(株))等〕、カルナウバワックス〔セロゾール524、
セロゾールH-367(中京油脂(株))等〕、パラフィン
ワックス〔セロゾール428、セロゾール686、セロゾール
651-A(中京油脂(株))等〕、ステアリン酸などのワ
ックス類や疎水性シリカ〔例、AEROSIL R972、AEROSIL
R974(日本アエロジル(株))等〕などが挙げられる。
上記した撥水剤は一種もしくは二種以上(好ましくは一
種以上、三種以下)用いられる。本発明の農薬固型製剤
には、その他、通常の農薬固型製剤に用いられる添加剤
を用いることができる。例えば、界面活性剤、結合剤、
安定化剤、増量剤、防腐剤を自由に使用することがで
き、これらは農薬製剤の剤形や使用される農薬有効成分
の種類に応じて選択すればよい。
【0011】本発明に用いられる界面活性剤としては、
通常の非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、
陰イオン性界面活性剤などがあり、これらの1種または
2種類以上を用いてもよい。使用される界面活性剤とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモ
ノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモ
ノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキ
シエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオ
キシエチレンアルキルアミンなどの非イオン性界面活性
剤、ドデシルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩、
アルキル四級アンモニウム塩、ドデシルトリメチルアン
モニウム塩等のアルキルトリメチル四級アンモニウム
塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキ
ルピリミジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジ
アルキルモルホリニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリ
アルキルビニルピリジニウム塩などのカチオン性界面活
性剤、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリ
ウム等のエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサ
ルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナト
リウム等の高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキル
スルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等の高
級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム等のジアルキルスルホサクシネート、オ
レイン酸アミドスルホン酸塩等の高級脂肪酸アミドスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジイソプロピ
ルナフタレンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸
塩ホルマリン縮合物、アルケニルスルホン酸塩、ペンタ
デカン−2−スルフェート等の高級アルコール硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナト
リウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン
酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エス
テル、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキルビニル
エーテル−マレイン酸共重合体などのアニオン性界面活
性剤、N−ラウリルアラニン、N、N、N−トリメチル
アミノプロピオン酸、N、N、N−トリヒドロキシエチ
ルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N、N−ジメチ
ルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリジニ
ウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、適宜用
いられる。上記した界面活性剤の中でも、例えば、ニュ
ーポールPE−61、ニューポールPE−64、ニュー
ポールPE−68、ニューポールPE−78、ニューポ
ールPE−108(三洋化成工業(株))などのポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーが
好ましい。
【0012】結合剤としては、水溶性結合剤などが好ま
しく用いられる。そのような水溶性結合剤としては、例
えば、デキストリン、ポリビニルアルコール、アルファ
化澱粉、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビ
ニルピロリドン、グルコース、ショ糖、マンニトール、
ソルビトールなどが用いられ、特にデキストリン、アル
ファ化澱粉などが好ましい。これらの水溶性結合剤を含
有させることによって、本発明の農薬固型製剤、特に農
薬粒剤の顆粒強度を高めることができる。
【0013】安定化剤としては、例えば、エポキシ基を
有する化合物または抗酸化剤、リン酸、PAP(イソプ
ロピルアシッドフォスフェート)助剤等が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、エポキシ化植物油
として、エポキシ化アマニ油、エポキシ化キリ油、エポ
キシ化エノ油等のエポキシ化乾性油、エポキシ化大豆
油、エポキシ化綿実油、エポキシ化ゴマ油、エポキシ化
ナタネ油等のエポキシ化半乾性油、エポキシ化ヒマシ
油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化ツバキ油、エポ
キシ化ラッカセイ油、エポキシ化ヤシ油等のエポキシ化
不乾性油等が挙げられる。抗酸化剤としては、ジブチル
ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニ
ソール(BHA)、テトラキス〔3−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシメチル〕メタン(Irganox 1010)、2,4,6
−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)メシチレン(Ionox 330)、エリソルビ
ン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピ
ル等が挙げられる。安定化剤としては特にリン酸が好ま
しい。
【0014】増量剤としては、例えば、クレー類(例、
微粉末クレー等)、タルク類(例、滑石粉、ロウ石粉
等)、シリカ類(例、珪藻土粉、雲母粉等)などの鉱物
性粉末、または炭酸カルシウム、硫黄粉末、尿素粉末な
どを1種または2種以上(好ましくは1種以上、3種以
下)混合して用いることができる。また、これらに限定
されるわけではなく、農薬製剤に使用される通常の増量
剤は全て使用できる。
【0015】防腐剤としては、例えば、ブチルパラベ
ン、ソルビン酸、ソルビン酸カリなどが用いられる。
【0016】本発明の農薬固型製剤におけるクロチアニ
ジンまたはその塩の含有量は、製剤全体に対して、通常
約0.1〜90重量%、好ましくは約0.3〜50重量
%、より好ましくは約0.3〜20重量%である。クロ
チアニジンまたはその塩に加えて、他の農薬有効成分を
使用する場合、「他の農薬有効成分」は製剤全体に対し
て、通常約0.01〜90重量%、好ましくは約0.1
〜50重量%、より好ましくは約0.1〜30重量%用
いられる。カルボキシメチルセルロースまたはその塩は
製剤全体に対して、約0.01重量%〜50重量%、好
ましくは約0.01重量%〜30重量%、好ましくは約
0.01重量%以上、10重量%未満である。撥水剤は
製剤全体に対して、通常約0.1〜50重量%、好まし
くは約0.1〜30重量%である。本発明の農薬固型製
剤は、カルボキシメチルセルロースまたはその塩を徐放
化基剤として用いており、その含有量に応じて徐放速度
をコントロールすることができるので農薬固型製剤の施
用場所、気候、降雨量の多少等に応じて適当な徐放速度
に調節することが可能である。例えば本発明の農薬固型
製剤が水田などの水面施用用として用いられる場合、カ
ルボキシメチルセルロースまたはその塩は製剤全体に対
して、約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約
0.1重量%〜約30重量%含有させればよい。また、
本発明の農薬固型製剤が畑地、芝地、果樹園などに施用
される場合、一般にカルボキシメチルセルロースまたは
その塩は製剤全体に対して、約0.01重量%〜約50
重量%、好ましくは約0.01重量%〜約30重量%含
有させればよい。界面活性剤は、製剤全体に対して、通
常0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%の範囲で
用いられる。結合剤は、製剤全体に対して、通常0.5
〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で用い
られる。安定化剤は、製剤全体に対して、通常0.01
〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲で
用いられる。増量剤は、製剤全体に対して、通常0.1
〜99.9重量%、好ましくは10〜99.9重量%、
より好ましくは20〜99.9重量%の範囲で用いられ
る。防腐剤は、製剤全体に対して、通常0〜5重量%、
好ましくは0〜3重量%の範囲で用いられる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の農薬固型製剤は、クロチ
アニジンまたはその塩およびカルボキシメチルセルロー
スまたはその塩を混合し、造粒することにより製造でき
る。農薬固型製剤としては、粒剤、顆粒状水和剤などが
挙げられるが、粒剤が特に好ましい。造粒は、通常の農
薬粒剤の製造に用いられる湿式押出造粒法などの押し出
し造粒により製造することが好ましい。湿式造粒法で
は、通常、100重量部の製剤固形分に対して通常約1
〜30重量部の水を用いて押出造粒することにより製造
する。より具体的には、クロチアニジンまたはその塩、
所定量のカルボキシメチルセルロースまたはその塩、さ
らに他の農薬有効成分、撥水剤、増量剤、結合剤等を混
練機等によって均一に混合する(農薬固型製剤混合物の
製造)。次いで、この混合物に適量の水を加え、さらに
混練機で練る。この練合は、練合物が滑らかな粘りを生
じ、後工程の押出造粒に適した程度まで行なう。そし
て、この練合物を通常の湿式押出造粒機で顆粒化後、乾
燥、篩過して顆粒剤とする。このようにして得られる本
発明の農薬粒剤などの農薬固型製剤の嵩密度としては、
通常約0.1〜1.5g/mlの範囲であるのが好まし
く、特に約0.6〜1.5g/mlの範囲が好ましい。
また、本発明の農薬固型製剤の平均粒子径は0.5〜2
0mm、好ましくは0.5〜10mmである。
【0018】本発明の農薬固型製剤は、安全な成分を使
用しているので、植物に対して薬害が実質的に無く、ま
た人や動物に対して施用時または施用後に害はなく、安
全な製剤として使用することができる。本発明の農薬固
型製剤は、直接茎葉に散布する方法、植物の根元に処理
する方法及び箱処理する方法など自体公知の方法によっ
て、水田、畑地、芝地、果樹園あるいは非農耕地に散布
される。本発明の農薬固型製剤の使用量は、含まれる農
薬有効成分の種類、含量などによって異なるが、通常、
10アールあたり約100〜5000g、好ましくは約
200〜4000gである。
【0019】〔実施例〕以下に、本発明の具体的な実施
例、参考例及び試験例を示し、本発明を更に詳細に説明
するが、本発明がこれらの例に限定されるものではな
い。以下の実施例、参考例における「部」は全て「重量
部」を示す。表1〜5の実施例および参考例には農薬組
成物の処方、試験例には各種試験結果を示した。 (各農薬組成物の製法)小型ニーダー(KM1.5型、
菊水製作所製)に表1〜5の処方に基づく所定量の各成
分を全て投入し、混合した後、水を適量加えて練合し、
押し出し造粒機(スクリーン径0.8mm、RG−5M型、
菊水製作所製)で造粒し、乾燥(60℃、1時間)して
各種農薬粒剤を得た。 (徐放性および造粒性の試験方法)徐放性試験:200ml
の水の入った225ml容ビーカーに所定量の農薬粒剤を投
入(農薬有効成分全量が溶出した場合、クロチアニジン
の濃度は7.5〜25ppm、ハ゜タ゛ンの濃度は50ppmとなる量)
し、室温下静置した。複数種の農薬有効成分を含有する
製剤を試験する場合は、各農薬有効成分ごとにビーカー
を用意し、上記濃度に対応する量をそれぞれ投入した。
一定期間経過ごとに水を採取し、農薬有効成分濃度をHP
LCにて測定した。投入した農薬粒剤中、農薬有効成分が
50%以上溶出するのに要した日数が、2日未満のもの
を×、2日以上4日未満のものを 造粒性試験:各種農薬粒剤製造時における練合物のスク
リーン通過性で評価した。90%以上通過したものを
○、90%未満のものを×とした。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【発明の効果】カルボキシメチルセルロースまたはその
塩を徐放化基剤として用いることにより、クロチアニジ
ンまたはその塩の徐放性に優れた農薬固型製剤を提供で
きる。また、農薬固型製剤中に撥水剤を共存させること
によって農薬固型製剤混合物の造粒性が著しく改善さ
れ、安価な押し出し造粒法を採用可能にすることができ
る。本発明によって、薬効を減ずることなく薬害を軽減
し、製造工程が簡単で、経済性および実用性の高い、大
量生産に適したクロチアニジンを徐放化した農薬固型製
剤を提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロチアニジンまたはその塩、およびカル
    ボキシメチルセルロースまたはその塩を含有する徐放性
    農薬固型製剤。
  2. 【請求項2】さらに他の農薬有効成分を含有してなる請
    求項1記載の農薬固型製剤。
  3. 【請求項3】他の農薬有効成分が、ネライストキシン誘
    導体またはその塩である請求項2記載の農薬固型製剤。
  4. 【請求項4】ネライストキシン誘導体が、カルタップで
    ある請求項3記載の農薬固型製剤。
  5. 【請求項5】さらに撥水剤を含有し、カルボキシメチル
    セルロースまたはその塩を0.01重量%以上、10重
    量%未満含有してなる請求項1記載の農薬固型製剤。
  6. 【請求項6】撥水剤が、ワックス類および疎水性シリカ
    から選ばれる一種以上である請求項5記載の農薬固型製
    剤。
  7. 【請求項7】ワックス類が、モンタンワックスもしくは
    その誘導体、カルナウバワックス、パラフィンワックス
    およびステアリン酸から選ばれる一種以上である請求項
    6記載の農薬固型製剤。
  8. 【請求項8】粒剤である請求項1記載の農薬固型製剤。
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