JP2005008619A - 農薬固形製剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の異なった農薬活性成分の放出速度を示す成形品の新たな製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類の農薬活性成分と少なくとも1種類の熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を加熱または保温処理することを特徴とする農薬固形製剤の製造方法。
【効果】本発明により、特有の農薬活性成分の放出速度を有している農薬組成物の成形品を形状を変化させることなく、異なった放出速度を有する農薬固形製剤に変化させることができる。本発明により、種々の放出速度を有する農薬製剤の品揃えが可能になり、作物毎、あるいは地域毎の異なった栽培形態、あるいは栽培方法に密接に適合する農薬製剤を農家に提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、農薬活性成分と熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を出発原料として、異なった農薬活性成分の放出速度を示す農薬固形製剤を製造する方法に関する。詳しくは、該農薬組成物の成形品を出発原料として、成形品の形状を変えることなく、農薬活性成分の放出速度を抑制した農薬固形製剤を製造する方法に関する。
近年の農業分野においては、低コスト化、省力化を指向して急速にその栽培規模、栽培方法が変革されてきている。それに対応するように農薬の散布方法に関する技術革新が進み、各種省力型製剤及び散布方法が検討されるようになり、これまでは不可能と思われてきた農薬製剤が開発されている。その一例として、農薬製剤からの農薬活性成分の放出を長期間持続する徐放化製剤の開発が挙げられる。この製剤は、その徐放化機構により、これまで環境中に流亡するなどして有効に植物体へ吸収されなかった農薬活性成分を効率よく植物体へ吸収させることができるため、長期間の植物体内濃度の維持が可能となり、ひいては長期間の病害虫防除を達成することができる。そのため長期にわたって農薬活性成分の効力を持続させる徐放化製剤は理想的な製剤である。
農薬活性成分と熱可塑性材料を含む農薬組成物はすでに知られている。(WO95/09532号、特開2000−26206号公報など) これらの文献には、農薬活性成分の放出を制御する材料の種類、使用量、製造温度などを組み合わせて、農薬活性成分が一定の放出速度を示す農薬製剤が開示されている。しかし、これら公知の技術には一度成形して得られた農薬組成物を異なった放出速度を示す別な農薬組成物に変える方法については開示されていない。
徐放化製剤においては、農薬活性成分の放出を制御する目的で、農薬活性成分の放出に関与する材料の選定、その使用量、または製造温度などの製造方法を細かく検討して、目的とする製剤に到達できる。それゆえ、一般に、特定の製造方法により製造される徐放化製剤の農薬活性成分の放出速度を変化させる場合には、農薬活性成分の放出に関与する材料を選定し直したり、または該材料の使用量を増減したりなどの方法が採用されており、このような組成物の成分の種類と含有量及び製造方法の見直しは多くの試行錯誤を必要とするため、多大の労力と時間を必要としていた。
従来、一度、成形して得られた農薬組成物を簡便な方法により異なった放出速度を示す別な農薬組成物に変える技術は知られていなかった。
WO95/09532号 特開2000−26206号公報
作物の栽培形態、あるいは栽培方法は、作物毎、あるいは地域毎に異なっている。同じ農薬活性成分を含有し種々の放出速度を示す農薬製剤(徐放化製剤)を提供することは、作物毎、あるいは地域毎の異なった栽培形態、あるいは栽培方法に密接に適合することを可能とするため農薬製剤として有用である。
本発明の課題は種々の異なった農薬活性成分の放出速度を示す成形品の新らたな製造方法を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、農薬活性成分と熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を加熱または保温処理を行うことで、該農薬組成物の成形品の形状あるいは成分の種類及び組成比を変えることなく、農薬活性成分の放出速度を抑制できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[6]に記載のとおりである。
[1] 少なくとも1種類の農薬活性成分と少なくとも1種類の熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を加熱または保温処理することを特徴とする農薬固形製剤の製造方法。
[2] 農薬組成物の成形品の融点未満の温度で加熱または保温処理することを特徴とする、[1]記載の農薬固形製剤の製造方法。
[3] 加熱処理する際の熱源が遠赤外線および/または温風であることを特徴とする、[1]又は[2]記載の農薬固形製剤の製造方法。
[4] 熱可塑性材料が疎水性の物質であることを特徴とする、[1]〜[3]の何れか一項に記載の農薬固形製剤の製造方法。
[5] [1]〜[4]の何れか一項に記載の方法で製造されることを特徴とする農薬固形製剤。
[6] 少なくとも1種類の農薬活性成分と少なくとも1種類の熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を加熱または保温処理することを特徴とする、農薬活性成分の放出を抑制する方法。
本発明により、特有の農薬活性成分の放出速度を有している農薬組成物の成形品を形状を変化させることなく、異なった放出速度を有する農薬固形製剤に変化させることができる。本発明により、種々の放出速度を有する農薬製剤の品揃えが可能になり、作物毎、あるいは地域毎の異なった栽培形態、あるいは栽培方法に密接に適合する農薬製剤を農家に提供することができる。
本発明は、少なくとも1種類の農薬活性成分と少なくとも1種類の熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を出発原料として使用する。ここで言う農薬組成物の成形品とは、農薬活性成分と熱可塑性材料から農薬組成物として成形し、その後に、解砕あるいは整粒した成形品であるか、あるいは、解砕あるいは整粒する前の成形品を意味する。これらの成形品を本発明の方法で加熱または保温処理すれば、農薬活性成分の放出速度が抑制された農薬固形製剤を製造することができる。
本発明に関わる農薬活性成分は、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤の何れでもよい。また、1種に限定されることはなく、これらの中の同種あるいは異種の農薬活性成分を組み合わせて使用してもよい。一般には、これらの農薬活性成分を0.01重量%から50重量%の範囲で含有して農薬組成物の成形品が製造されているが、本発明は、農薬活性成分の含有量に特に限定されるものでない。
水溶解度が低い農薬活性成分は、農薬組成物の成形品から農薬活性成分の放出を早める方向で農薬組成物の成形品を設計している。一方、比較的水溶解度が高い農薬活性成分は環境中に流亡し易い欠点がある。そのため、比較的水溶解度が高い農薬活性成分は農薬組成物の成形品から農薬活性成分の放出を抑制する方向で農薬組成物の成形品を設計している。本発明は出発原料となる農薬組成物の成形品からの農薬活性成分の放出速度に対して、更に放出速度を抑制する方向に変更するものである。従って、本発明は比較的水溶解度が高い農薬活性成分を含有する成形品に適用するのが好ましい。本発明を適用するのに好ましい農薬活性成分の水溶解度は50ppm以上20%以下、好ましくは200ppm以上10%以下、より好ましくは500ppm以上10%以下、より好ましくは1000ppm以上10%以下の農薬活性成分である。この条件を満たす農薬活性成分として具体的には次のようなものがある。尚、以下において括弧内の温度は農薬活性成分の融点を表し、%及びppmは農薬活性成分の水溶解度を示す。
除草剤では、モリネート(液状、0.1%)、プロパニル(92〜93℃、225ppm)、アラクロール(40〜41℃、240ppm)、プレチラクロール(液状、50ppm)、メトラクロール(液状、530ppm)、ベンスルフロンメチル(181℃、120ppm:pH7)、イマゾスルフロン(183〜184℃、67ppm:pH6)、シメトリン(82〜83℃、450ppm)、ジメタメトリン(65℃、50ppm)、シアナジン(168℃、171ppm)、ベンフレセート(28.4℃、261ppm)、などが挙げられる。
殺虫剤では、MPP(液状、55ppm)、アセフェート(82〜89℃、65%)、バミドチオン(46〜48℃、400ppm)、DMTP(39〜40℃、240ppm)、ピラクロホス(液状、330ppm)、ジメチルビンホス(69〜70℃、130ppm)、CVP(液状、1500ppm)、BPMC(31〜32℃、610ppm)、エチオフェンカルブ(33.4℃、1800ppm)、シクロプロトリン(液状、0.5〜1%)、トラロメトリン(樹脂状、700ppm)、カルタップ(183〜186℃、20%)、チオシクラム(125〜128℃、約8%)、イミダクロプリド(143.8℃、510ppm)、チアクロプリド(185ppm)、シロマジン(224.9℃、1.3%)、ホスチアゼート(液状、0.99%)、アセタミプリド(101〜103.3℃、4200ppm)、チアメトキサム(139.1℃、4100ppm)、NAC(142℃、約100ppm)、クロチアニジン(176〜178℃、270ppm)、ピメトロジン(234.4℃、270ppm)、ジノテフラン(約105℃、54000ppm)などが挙げられる。
殺菌剤としては、ピロキロン(112℃、4000ppm)、ブラストサイジンS(235℃、3%)プロベナゾール(138℃、150ppm)、フェリムゾン(175℃、162ppm)、トリシクラゾール(183〜189℃、700ppm)、イソプロチオラン(54.5〜55.0℃、50ppm)、メトミノストロビン(128℃、88.8ppm)カスガマイシン(236〜239℃、12.5%)、フサライド(209〜210℃、2.49%)、フラメトピル(150.2℃、225ppm)、バリダマイシン(130℃、易容)などが挙げられる。
本発明は農薬活性成分と熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を出発原料として使用する。本発明が適用できる熱可塑性材料は、常温で固体状の有機物であり、融点が60℃〜110℃、好ましくは70℃〜100℃の範囲の材料である。熱可塑性材料として、該材料の水に対する親和性、すなわち、親水性または疎水性の材料があるが、本発明は親水性、疎水性の材料、あるいは2種以上を組み合わせた材料に対しても適用できる。本発明の出発原料である農薬組成物の成形品では、熱可塑性材料は農薬活性成分の放出速度を制御する目的で使用されている。比較的水溶解度の高い農薬活性成分の放出を抑制するために、疎水性の材料が使用されており、疎水性の熱可塑性材料を使用した農薬組成物の成形品に対して本発明を適用するのが好ましい。
疎水性の熱可塑性材料としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、シュガーケンワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、モンタン酸ワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成炭化水素、モンタン酸ワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、ステアリン酸、ベヘニン酸などの脂肪酸、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体の水素化ワックス、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸ステアリルなどの脂肪酸と高級アルコールとの脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン等が挙げられる。
また、親水性熱可塑性材料としては、ポリエチレングリコール20000、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、などのほか、エチレングリコールジステアレートやソルビタンジステアレート、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤が挙げられる。
農薬組成物の成形品に対して、熱可塑性材料が5重量%以上、好ましくは10重量%以上使用して成形した農薬組成物の成形品に対して本発明は適用できる。尚、経済的な面からその使用量の上限は50%とするのが好ましい。
本発明は農薬活性成分と熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を使用するが、かかる成形品には農薬活性成分と熱可塑性材料の他に、農薬活性成分の放出の制御を妨げない範囲で、無機希釈担体、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの各種添加剤を適宜含有してもよい。
そのような添加剤には、無機系希釈担体として、クレー、珪石、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、軽石、ケイソウ土、バーミキュライト、パーライト、アタパルジャイトおよび非晶質二酸化珪素が挙げられ、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤などが挙げられ、紫外線吸収剤として、二酸化チタンなどの無機化合物系紫外線吸収剤やベンゾトリアゾールやベンゾフェノンなどの有機化合物系紫外線吸収剤などが挙げられ、帯電防止剤として、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの無機化合物、リン酸カルシウム系化合物やポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル系界面活性剤などが挙げられる。
また、農薬活性成分と熱可塑性材料からなる農薬組成物の成形品から、農薬活性成分の放出速度を微調整する目的や止水効果による農薬活性成分の効果の安定化のために添加される、界面活性剤や水溶性高分子が農薬組成物の成形品中に含まれていても、本発明を適用するにあたって何ら問題は起こらない。界面活性剤として、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられ、水溶性高分子として、アクリル系高分子、ビニル系高分子、ポリオキシアルキレンなどの合成高分子、セルロース誘導体、加工デンプン、リグニン誘導体などの半合成高分子、天然高分子等が挙げられる。
本発明で使用する農薬組成物の成形品は農薬活性成分と熱可塑性材料、場合によって、前述した各種添加剤を使用して、WO95/09532号公報や特開2000−26206号公報の方法など、公知の方法で成形されるが、成形の際に、含有する熱可塑性材料の軟化点以上に加熱し、該熱可塑性材料を軟化または融解させて成形することを必須とする。ここで、熱可塑性材料の軟化とは、ワックスなどの熱可塑性材料や高分子物質で一般に見られる性質のひとつで、物質を徐々に高温にすると低分子物質によく見られる明確な融点を示さず、ある温度付近から徐々に変形し始め、ある温度域にわたってその程度を進め、さらには溶融もしくはゴム状へと進んでゆく過程をいい、軟化が始まる温度を軟化点という。軟化点の測定方法としては様々なものがあるが、熱機械分析装置(TMA装置)の針入モードなどが簡便で都合がよい。WO95/09532号公報や特開2000−26206号公報の方法では、農薬活性成分と熱可塑性材料を加熱混合後、押し出し造粒をして農薬組成物の成形品を製造する。製造した農薬組成物の成形品は、使用した農薬活性成分、熱可塑性材料、場合によって、各種添加剤の種類、使用量、及び製造条件で、特有の農薬活性成分の放出速度を有している。
次に、本発明である、農薬組成物の成形品を加熱または保温処理する方法を説明する。農薬活性成分と熱可塑性材料を含有する農薬組成物の成形品を加熱炉、保温庫、または保温容器に入れ、加熱または保温処理を施す。
加熱処理を行う場合、加熱炉または保温庫の加熱温度が成形品の融点以上であれば、成形品が一部、あるいは全部が溶解して、成形品同士の固結を引き起こし、その後の作業性が著しく悪くなる。そのため、本発明の加熱温度の上限は成形品の一部が溶解しない温度、すなわち、成形品の融点未満の温度で行う。加熱処理後の農薬活性成分の放出速度は加熱温度と加熱時間で決められる。加熱温度が高い程、処理時間が長いほど、農薬活性成分の放出速度は抑制される。
加熱処理の温度は、成形品の融点未満の温度であればよいが、経済的な観点から加熱処理を完了するために、成形品の融点から80℃の温度幅、好ましくは、70℃の温度幅の領域で加熱処理を行うのが良い。
本発明の加熱処理を行う装置として、温度制御が可能なヘンシェルミキサーなどの混合機や温度制御が可能な熱風乾燥炉などが使用できる。生産効率を低下させることなく短時間で加熱できる装置として、熱源に遠赤外線を用いた装置が好ましい。熱源に遠赤外線を用いた装置は短時間で品温を上昇させることが可能であり、連続式に農薬組成物の成形品の加熱処理ができる。更に熱風を組み合わせると、本発明の加熱処理の温度調整が容易である。
一方、WO95/09532号公報や特開2000−26206号公報の方法のように、農薬活性成分と熱可塑性材料を加熱混合後、押し出し造粒をして農薬組成物の成形品を製造する場合、製造直後には、製造時に加えられたあるいは発生した熱により該成形品自体が特有の温度を有している。本発明の保温処理では、該成形品自体が有している特有の温度を余熱として利用することもできる。
かかる本発明の加熱または保温処理を行うことで、出発原料の農薬組成物の成形品の形状を変えることなく、且つ、該成形品が有する特有の農薬活性成分の放出速度とは異なった放出速度を有する成形品を製造することができる。出発原料として、農薬活性成分と熱可塑性材料から農薬組成物として成形し、その後、解砕あるいは整粒した成形品を使用すれば、そのまま、異なった農薬活性成分の放出速度を有する農薬固形製剤が得られ、また、解砕あるいは整粒する前の成形品を出発原料として使用すれば、本発明の加熱または保温処理を行った後、解砕あるいは整粒して、異なった農薬活性成分の放出速度を有する農薬固形製剤が得られる。また、出発原料である、農薬組成物の成形品が有する農薬活性成分の放出速度の変動が、本発明の方法を行えば、農薬活性成分の放出速度が抑制され、且つ、放出速度の変動が狭まった農薬固形製剤を得ることもできる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、実施例に記す農薬固形製剤の製剤処方はこれらに限定されるものではない。尚ここで示す配合割合はすべて重量%とする。
[参考例1]
農薬活性成分としてジノテフランを3重量%、熱可塑性材料としてカルナウバワックス(東亜化成社製、商品名Refined Granular Carnauba、融点;83℃、軟化点;80℃)18重量%、無機系希釈担体としてホワイトカーボン5重量%、タルク10重量%、炭酸カルシウム重量64%を加熱装置を装着したフローティングミキサーに入れ、70℃まで加熱混合した。この混合物を90℃に加熱した押し出し造粒機を用いて成形したのち、冷却、解砕、整粒してジノテフランの農薬固形製剤(以下、製剤Pと表す。)を得た。
[参考例2]
農薬活性成分としてジノテフランを2重量%、熱可塑性材料としてモンタン酸エステルワックス(BASF社製、商品名Luwax−E、融点;85℃、軟化点;71℃)18重量%、無機系希釈担体としてホワイトカーボン5重量%、タルク10重量%、炭酸カルシウム65重量%を加熱装置を装着したフローティングミキサーに入れ、80℃まで加熱混合した。この混合物を加熱装置により80℃に加熱した押し出し造粒機を用いて成形したのち、冷却、解砕、整粒して農薬固形製剤(以下、製剤Qと表わす。)を得た。
[参考例3]
農薬活性成分としてジノテフランを3重量%、熱可塑性材料としてモンタン酸エステルワックス(BASF社製、商品名Luwax−E、融点;85℃、軟化点;71℃)14.4重量%、モンタン酸ワックス(BASF社製、商品名Luwax−S、融点;85℃、軟化点;72℃)3.6重量%、無機系希釈担体としてホワイトカーボン5重量%、タルク10重量%、炭酸カルシウム64重量%を加熱装置を装着したフローティングミキサーに入れ、80℃まで加熱混合した。この混合物を加熱装置により80℃に加熱した押し出し造粒機を用いて成形したのち、冷却、解砕、整粒して農薬固形製剤(以下、製剤Rと表わす。)を得た。
[実施例1〜3]
参考例1〜3で得られた農薬固形製剤P、Q、Rを出発原料とし、それぞれを遠赤外線アニール炉(ノリタケカンパニーリミテッド社製、遠赤外線設定温度120℃、熱風設定温度70℃)に5分間入れて加熱処理し、農薬固型製剤(以下、製剤A、B、Cと表わす。PがA、QがB、RがCに各々対応する。)を得た。製剤A、B、Cの形状に変化は認められなかった。
[実施例4]
参考例2で得られた農薬固形製剤Qを出発原料とし、遠赤外線アニール炉(ノリタケカンパニーリミテッド社製、遠赤外線設定温度100℃、熱風設定温度50℃)に10分間入れて加熱処理し、農薬固型製剤(以下、製剤Dと表わす。)を得た。製剤Dの形状に変化は認められなかった。
[実施例5]
参考例2で得られた農薬固形製剤Qを出発原料とし、遠赤外線アニール炉(ノリタケカンパニーリミテッド社製、遠赤外線設定温度120℃、熱風設定温度70℃)に3分間入れて加熱処理し、農薬固型製剤(以下、製剤Eと表わす。)を得た。製剤Eの形状に変化は認められなかった。
[試験例1]
農薬固形製剤からのジノテフランの放出試験
参考例1〜3、実施例1〜5で得られたジノテフランを含有する農薬固形製剤中から放出されるジノテフランの放出率を下記の方法で測定した。
即ち、標準3度硬水25mlを入れた50mlの密栓付きサンプル管に、上記の製剤をそれぞれジノテフラン量として920ppm相当の量を投入して水中に沈め、25℃で所定時間、静置した。全量を濾別し、濾液中のジノテフラン量をHPLCで測定した。測定結果から下記式に基づき、各製剤中からのジノテフラン放出率を計算し、結果を第1表(表1)にまとめた。
放出率=(濾液中の農薬活性成分量/製剤中の農薬活性成分量)×100
Figure 2005008619
第1表(表1)から明らかなように、製剤A、B、Cはその出発原料となる製剤P、Q、Rに比べ、ジノテフランの放出速度が抑制されていた。また、製剤Qを出発原料として得られた製剤B、D、Eは加熱時の温度、時間により放出速度を制御することができた。

Claims (6)

  1. 少なくとも1種類の農薬活性成分と少なくとも1種類の熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を加熱または保温処理することを特徴とする農薬固形製剤の製造方法。
  2. 農薬組成物の成形品の融点未満の温度で加熱または保温処理することを特徴とする、請求項1記載の農薬固形製剤の製造方法。
  3. 加熱処理する際の熱源が遠赤外線および/または温風であることを特徴とする、請求項1又は2記載の農薬固形製剤の製造方法。
  4. 熱可塑性材料が疎水性の物質であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の農薬固形製剤の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の方法で製造されることを特徴とする農薬固形製剤。
  6. 少なくとも1種類の農薬活性成分と少なくとも1種類の熱可塑性材料を含む農薬組成物の成形品を加熱または保温処理することを特徴とする、農薬活性成分の放出を抑制する方法。
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