JP4740514B2 - 農薬粒剤の改善された製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は土壌に施用する徐放性農薬粒剤の製造方法に関する。更に詳しくは、該農薬粒剤の生産効率を高めた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の農業分野においては、低コスト化、省力化を指向して急速にその栽培規模、栽培方法が変革されてきている。それに対応するように農薬の散布方法に関する技術革新が進み、各種省力型製剤及び散布方法が検討されるようになり、これまでは不可能と思われてきた農薬製剤が開発されている。その一例として、農薬製剤からの農薬活性成分の放出を長期間持続する徐放化製剤の開発が挙げられる。この製剤は、その徐放化機構により、これまで環境中に流亡するなどして有効に植物体へ吸収されなかった農薬活性成分を効率よく植物体へ吸収させることができるため、長期間の植物体内濃度の維持が可能となり、ひいては長期間の病害虫防除を達成することができる。そのため長期にわたって農薬活性成分の効力を持続させる徐放化製剤は理想的な製剤である。
【0003】
このような農薬活性成分の放出を制御した農薬製剤の製造方法として、WO95/09532号には農薬活性成分、融点50℃以上の疎水性物質及び吸油能を有する物質を含有する農薬組成物を、該疎水性物質の融点以上の加熱条件下で押し出し造粒する方法が、WO95/28835号には融点などの物性が異なる複数のワックス及び農薬活性成分を必須成分として多軸型エクストルーダーにより、使用するワックスのうち、最も高い融点のワックスの融点以下に、エクストルーダーのバレル及びダイスの温度を設定して、混練、押し出し造粒を一括して行う、農薬含有ワックスマトリックスの製法が開示されている。この方法では、エクストルーダーのバレル及びダイスの設定温度を、使用するワックスのうち最も高い融点のワックスの融点より5〜30℃程度低い温度に設定することが望ましいことも開示している。また、特開2000−26206号公報には農薬活性成分、融点が60℃以上で農薬活性成分の融点未満でかつ酸価が一定範囲内のエステル系疎水性物質、及び無機系希釈担体を加熱しながら混合し、造粒する方法が開示されている。
【0004】
WO95/09532号記載の方法では、該疎水性物質の融点以上で押し出し造粒を行うため、押し出し直後の造粒物の表面は溶融した疎水性物質が付着しており、そのため、造粒物がベトついており、ダンゴ状の造粒物生成量が多く、低い生産効率に難点があった。
【0005】
WO95/28835号には、エクストルーダーのバレル及びダイの設定温度しか開示していなく、本発明者が本方法を実施しても、粉体が多い規格外品が多く、生産効率は悪かった。
【0006】
特開2000−26206号公報においても、造粒時の温度条件の具体的な開示はされていない。
【0007】
つまり、農薬活性成分、2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、及びキャリアーからなる農薬粒剤の製造方法において、農薬活性成分の徐放性を保持したままで、高い生産効率を得ることができる製造方法として、押し出し造粒時の好適な温度条件は知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、農薬活性成分と2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、及びキャリアーからなる農薬粒剤において、均質な徐放性を維持するとともに安定、且つ高い生産性を達成し得る製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく、(i)混合工程、(ii)混練工程、(iii)押し出し工程を通して製造される農薬粒剤の製造条件について鋭意検討した結果、農薬活性成分、2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、及びキャリアーからなる農薬組成物を押し出し造粒する際、融点の高い疎水性物質の凝固点以上、融点未満の温度で、押し出し造粒を行うことにより、製造により生じる不良品が減少し、高い生産性が確保できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0011】
[1] 農薬活性成分、2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、及びキャリアーからなる農薬組成物を、(i)混合工程、(ii)混練工程、(iii)押し出し工程を通して製造する方法において、
該疎水性物質が、カルナバワックス、セラック、蜜ロウ、木ロウ、ライスワックス、キャンデリラワックス、植物性油脂もしくは動物性油脂を分解して得られる脂肪酸またはその水素添加物、菜種硬化脂肪酸、パーム硬化脂肪酸、牛脂硬化脂肪酸、硬化ヒマシ油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びモンタン酸エステルワックスの群から選ばれ、
該吸油能を有する物質が、非晶質二酸化珪素、澱粉及びセルロースからなる群から選ばれる1種以上であり、
該キャリアーが、クレー、タルク及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれ、かつ、
融点の高い疎水性物質の凝固点以上、融点未満の温度で、押し出し造粒を行うことを特徴とする農薬粒剤の製造方法。
【0012】
[2] 前記農薬活性成分が水溶解度60ppm以上の物質であることを特徴とする[1]記載の農薬粒剤の製造方法。
【0013】
[3] 前記農薬活性成分がニテンピラム、イミダクロプリド、アセタミプリド、3−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジナン−4−イリデン−N−(ニトロ)アミン(一般名チアメトキサム)、(E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン(一般名クロチアニジン)、及びN−[3−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)チアゾリジン−2−イリデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)、または(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)であることを特徴とする[2]記載の農薬粒剤の製造方法。
【0016】
[4] に放出速度を制御する、水溶性の無機・有機物質や水溶性のポリマーから選らばれた水溶性物質を含有することを特徴とする[1]〜[3]記載の農薬粒剤の製造方法。
【0017】
[5] 農薬活性成分の含有量が0.01〜50重量%、2種以上の疎水性物質の含有量が15〜80重量%、吸油能を有する物質の含有量が0.05〜30重量%、放出速度を制御する水溶性物質の含有量が0〜50重量%、残部がキャリアーであることを特徴とする[1]〜[4]記載の農薬粒剤の製造方法。
【0018】
[6] 前記押し出し造粒に際し使用する押し出し機がスクリュー式の押し出し機であることを特徴とする[1]〜[5]記載の農薬粒剤の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる農薬活性成分は特に限定されないが、水溶解度が60ppm以上のものが好ましい。60ppm未満の場合は、土壌に施用した場合、降雨量が多くても農薬活性成分が土中であまり移動しないため、放出を制御する必要がないためである。本発明に使用できる農薬活性成分として、次に示すものが挙げられる。
【0020】
除草剤では、モリネート、プロパニル、アラクロール、メトラクロール、ベンスルフロンメチル、イマゾスルフロン、シメトリン、シアナジン、ベンフレセートなどが挙げられる。
【0021】
殺虫剤では、MPP、アセフェート、バミドチオン、DMTP、ピラクロホス、ジメチルビンホス、CVP、BPMC、エチオフェンカルブ、シクロプロトリン、トラロメトリン、カルタップ、チオシクラム、イミダクロプリド、ホスチアゼート、アセタミプリド、NAC、ピメトロジン、ニテンピラム、3−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジナン−4−イリデン−N−(ニトロ)アミン(一般名チアメトキサム)、(E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン(一般名クロチアニジン)、N−[3−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)チアゾリジン−2−イリデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)などが挙げられる。
【0022】
殺菌剤としては、ピロキロン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、プロベナゾール、フェリムゾン、トリシクラゾール、メトミノストロビン、フラメトピル、バリダマイシンなどが挙げられる。
【0023】
農薬活性成分は通常、1種に限定されることはなく、これらの中の同種あるいは異種を組み合せて使用してもよい。本発明では、農薬活性成分は農薬組成物に対して0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%となるように使用する。
【0024】
本発明で使用する疎水性物質は取り扱い易さの点から、融点が50〜120℃であるものが好ましく、融点が50〜100℃のものが更に好ましい。疎水性物質としては天然由来のもの、石油系、鉱物系等、特に制限はない。天然由来のものとしては、例えばカルナバワックス(カルナウバワックス)、セラック、蜜ロウ、木ロウ、ライスワックス、キャンデリラワックス等がある。準天然由来品としては、植物性油脂や動物性油脂を分解して得られる脂肪酸やその水素添加物であり、ステアリン酸、ベヘニン酸、菜種硬化脂肪酸、パーム硬化脂肪酸、牛脂硬化脂肪酸、硬化ヒマシ油等である。石油系由来のものとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、鉱物系由来のものとしては、モンタン酸エステルワックス等である。本発明では、これらの疎水性物質を2種以上組み合わせて使用する。
【0025】
2種以上の疎水性物質の農薬粒剤に対する添加量は特に制限はないが、農薬粒剤の徐放性や農薬粒剤の製造時の押し出し性の容易さから、少なくとも15重量%以上添加することが必要である。また、農薬活性成分の水への溶解度や、目的とする放出量および放出速度に合致するよう、添加量を任意に変えて目的とする農薬粒剤とすることができる。本発明では、2種以上の疎水性物質は農薬組成物に対して、15〜80重量%、好ましくは18〜70重量%となるように使用する。
【0026】
吸油能を有する物質は溶融した疎水性物質、例えばマイクロクリスタリンワックスを溶融し、見掛け上粉末化するための物質であり、例えば澱粉、澱粉誘導体、セルロース、乾式法または湿式法により製造される非晶質二酸化珪素等を例示することができる。これらの物質を単独で、あるいは2種以上混合して用いてもよい。特に好ましいものは非晶質二酸化珪素であり、これらは通常ホワイトカーボンと呼ばれ、例えば塩野義製薬製のカープレックス#67、#80、CS−5、CS−7等が挙げられる。
【0027】
本発明では農薬活性成分の放出速度を変更させるため、水溶性の無機・有機物質や水溶性のポリマーを加えることも可能である。放出速度を速くするためには、水への溶解度の大きな物質の添加量を多くすれば良く、放出速度を遅くするためには水溶性物質の添加量を少なくすれば良い。水溶性の無機物質としては硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、有機物質としてはクエン酸、アジピン酸およびそれらの塩、尿素、α化澱粉、乳糖等である。水溶性のポリマーとしては、例えば天然由来のものとしてアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン、カラヤガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ヒドロキシプロピルスターチ等がある。合成高分子としてはポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等がある。これらは農薬活性成分が所望の放出速度となるように、適宜、添加すればよい。一般的には、農薬組成物に対して、0〜50重量%、好ましくは0.01〜40重量%である。
【0028】
本発明の農薬組成物は、農薬活性成分、2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、及び水溶性物質の他に、押し出し造粒時の農薬組成物の粘度を高めるために、キャリアーを加える。キャリアーとしては無機系のクレー、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられるが、特に、炭酸カルシウムが好ましい。本発明のキャリアーの使用量は、農薬活性成分、疎水性物質、吸油能を有する物質、及び水溶性物質にキャリアーを加えて、全量で100重量%となるように使用する。
【0029】
更に、本発明の農薬粒剤には、本発明の目的と効果を損なわない範囲で、酸化防止剤や紫外線吸収剤、帯電防止剤などの各種添加剤を用いて粒剤とすることもできる。
【0030】
次に、本発明の農薬粒剤の製造方法について説明する。
【0031】
本発明の農薬粒剤は(i)混合工程、(ii)混練工程、(iii)押し出し工程を通して製造される。
【0032】
(i)混合工程:この工程では、農薬活性成分、2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、キャリアー、必要に応じて、放出速度を制御する水溶性物質を含む農薬組成物成分を加熱条件下に混合する。混合後の次工程への移送など、混合物の取り扱いが容易であるためには、混合後の状態は粉状や粉粒状が好ましい。従って混合工程は混合後の状態が粉状や粉粒状を維持できる温度であれば、いずれの温度でもよく、場合によっては、次工程の混練工程を本工程で行うこともできる。また、この混合工程は次工程の混練工程で、混練と同時に行うこともできる。
【0033】
(ii)混練工程:混練工程では、混合工程で得られた混合物を加熱条件下で混練して、疎水性物質のマトリックスが形成される。本工程では疎水性物質を部分的に、あるいは全体を溶融させて行うことが必須である。そのため、混練時の温度は融点の高い疎水性物質の融点以上の温度条件で行うことが必要である。
【0034】
本工程で使用される混練装置としては、圧縮、せん断、摩擦などの外力が効率よく材料に加わる固定容器水平単軸型または固定容器水平複軸型のもの、具体的には、バンバリーミキサー、スクリュー式押し出し機などが好適である。中でもスクリュー式押し出し機、特にニ軸型スクリュー式押し出し機等の多軸型スクリュー式押し出し機は好適である。混練操作にスクリュー式押し出し機を使用する場合、混練工程と次工程の押し出し工程を同一機械で同時に行うことができる。この場合、押し出し機の排出口から混練物が排出されるが、排出口の開口部に所定の孔径を有するダイスを設置して押し出すことで、農薬成型物が得られる。
【0035】
(iii)押し出し工程:混練工程で得られた農薬組成物を押し出し機で押し出し、農薬成型物を得る工程である。スクリュー式押し出し機を使用した場合、前工程の混練工程も同時に行うことができる。本発明では、融点の高い疎水性物質の凝固点以上、融点未満の温度条件で、押し出し造粒を行う。融点の高い疎水性物質の融点以上の温度で押し出した場合、成型物中の疎水性物質が粘着性を示し、成型物どうしの付着・融着を起こし、ついにはアメ状やダンゴ状となり、農薬粒剤の生産性は著しく悪い。また、融点の高い疎水性物質の凝固点未満の温度で押し出した場合、得られた成型物は円柱状に成型されず、且つ、粉状物の多い規格外品が多く、生産性が著しく悪い。かくして、融点の高い疎水性物質の凝固点以上、融点未満の温度条件下で農薬組成物を押し出すことにより、きれいな円柱状の農薬成型物が得られ、且つ、生産性も著しく向上する。
【0036】
押し出された農薬成型物は、その後の冷却工程、整粒工程を経て農薬粒剤が得られる。
【0037】
かかる本発明の製造方法により、高い生産性で農薬粒剤を得ることができる。また、得られた農薬粒剤は農薬活性成分の均質な徐放性をも保持している。
【0038】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、実施例に記す農薬粒剤の製剤処方はこれらに限定されるものではない。尚、ここで示す配合割合はすべて重量%とする。
【0039】
実施例1
農薬活性成分としてアセタミプリド2重量%、疎水性物質としてカルナウバワックス(東亜化成社製、商品名Refined Granular Carnauba、融点;83℃、凝固点;73〜74℃)15重量%とパラフィンワックス(日本精蝋社製、商品名PW−150、融点;70℃)5重量%、吸油性物質としてホワイトカーボン5重量%、水溶性物質としてポリビニルアルコール(日本合成化学製 ゴーセノールGH−17)2重量%、キャリアーとしてタルク10重量%と炭酸カルシウム61重量%をヘンシェルミキサーに投入して混合し、80℃で粉粒体の状態で排出した。
この粉粒体を不二パウダル製スクリュー式押し出し造粒機(EXD−130)に投入して、80℃で混練を行った。同温度で目開き0.8mmのダイスを経て押し出し造粒を行い、農薬成型物を得た。これを解砕機で粉砕して、農薬粒剤を得た。(製品収率、93%)
【0040】
実施例2
農薬活性成分としてアセタミプリド2重量%、疎水性物質として硬化ヒマシ油(伊藤製油(株)製、商品名カスターワックス、融点;86℃、凝固点;69℃)20重量%とパラフィンワックス(日本精蝋社製、商品名PW−150、融点;70℃)3重量%、吸油性物質としてホワイトカーボン5重量%、水溶性物質としてポリビニルアルコール(日本合成化学製 ゴーセノールGH−17)1重量%、キャリアーとしてタルク5重量%と炭酸カルシウム64重量%をヘンシェルミキサーに投入して混合し、80℃で粉粒体の状態で排出した。
この粉粒体を実施例1記載のスクリュー式押し出し造粒機に投入して、82℃で混練を行った。同温度で目開き0.8mmのダイスを経て押し出し造粒を行い、農薬成型物を得た。これを解砕機で粉砕して、農薬粒剤を得た。(製品収率、95%)
【0041】
比較例1
押し出し造粒時の温度を86℃で行った以外は実施例1と同様に行った。その結果、塊状の農薬成型物を得た。これを解砕機で粉砕して、農薬粒剤を得た。(製品収率、36%)
【0042】
比較例2
押し出し造粒時の温度を70℃で行った以外は実施例1と同様に行った。その結果、粉体の多い農薬成型物を得た。これを解砕機で粉砕して、農薬粒剤を得た。(製品収率、41%)
【0043】
試験例1(農薬粒剤の溶出試験)
実施例1、2で得られた農薬粒剤を、標準3度硬水25mlを入れた50mlの密栓付きサンプル管に、農薬活性成分として920ppm相当の量を投入して水中に沈め、25℃下所定時間静置後、全量を濾別し、濾液中の農薬活性成分量をHPLCにて測定した。測定より下記式に基づき溶出率を計算した。その結果、いずれの粒剤も良好な溶出率を示した。
溶出率=(濾液中の農薬活性成分量/粒剤中の農薬活性成分量)×100
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、製造工程を通して得られた農薬粒剤は農薬活性成分の徐放化を保持し、且つ、高い製品収率で農薬粒剤を得ることができる。そのため、製造コストを低く抑えることができるメリットもある。

Claims (6)

  1. 農薬活性成分、2種以上の疎水性物質、吸油能を有する物質、及びキャリアーからなる農薬組成物を、(i)混合工程、(ii)混練工程、(iii)押し出し工程を通して製造する方法において、
    該疎水性物質が、カルナバワックス、セラック、蜜ロウ、木ロウ、ライスワックス、キャンデリラワックス、植物性油脂もしくは動物性油脂を分解して得られる脂肪酸またはその水素添加物、菜種硬化脂肪酸、パーム硬化脂肪酸、牛脂硬化脂肪酸、硬化ヒマシ油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びモンタン酸エステルワックスの群から選ばれ、
    該吸油能を有する物質が、非晶質二酸化珪素、澱粉及びセルロースからなる群から選ばれる1種以上であり、
    該キャリアーが、クレー、タルク及び炭酸カルシウムからなる群から選ばれ、かつ、
    融点の高い疎水性物質の凝固点以上、融点未満の温度で、押し出し造粒を行うことを特徴とする農薬粒剤の製造方法。
  2. 前記農薬活性成分が水溶解度60ppm以上の物質であることを特徴とする請求項1記載の農薬粒剤の製造方法。
  3. 前記農薬活性成分がニテンピラム、イミダクロプリド、アセタミプリド、3−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジナン−4−イリデン−N−(ニトロ)アミン(一般名チアメトキサム)、(E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン(一般名クロチアニジン)、及びN−[3−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)チアゾリジン−2−イリデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)、または(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)であることを特徴とする請求項2記載の農薬粒剤の製造方法。
  4. に放出速度を制御する、水溶性の無機・有機物質や水溶性のポリマーから選らばれた水溶性物質を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の農薬粒剤の製造方法。
  5. 農薬活性成分の含有量が0.01〜50重量%、2種以上の疎水性物質の含有量が15〜80重量%、吸油能を有する物質の含有量が0.05〜30重量%、放出速度を制御する水溶性物質の含有量が0〜50重量%、残部がキャリアーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の農薬粒剤の製造方法。
  6. 前記押し出し造粒に際し使用する押し出し機がスクリュー式の押し出し機であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の農薬粒剤の製造方法。
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