JP2806039B2 - 農薬含有ワックスマトリックスの製法及び製剤 - Google Patents

農薬含有ワックスマトリックスの製法及び製剤

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正悟 泉
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、農薬を含有するワックスマトリックスの製
法に関するものである。詳しくは、多軸型、特に2軸型
エクストルーダーにより農薬を含有するワックスマトリ
ックスを製造することができる製法に関するものであ
る。
ここで本発明に係る「ワックスマトリックス」とは、
不連続でない(連続相である)ワックス中に農薬が溶解
又は分散したものをいう。
背景技術 土中の水分による農薬組成物の速やかな崩壊を制御す
るとともに効力のバラツキを少なくするため、ワックス
を主体とした放出制御型の農薬組成物が種々開発されて
いる(特開昭63−35504号公報、特開昭63−45201号公
報、特開平2−288803号公報、特開平4−295402号公報
など)。これら既知の農薬組成物は、単純にワックスの
撥水性を利用して農薬の放出を制御するものにすぎず、
また組成物自身の溶融温度については制御されたもので
はない。従って、これら既知の農薬組成物は、気温の変
化や土中水分量の変化といった環境の変化に充分に対応
しうる農薬組成物ということはできない。
環境の変化に充分に対応しうる農薬組成物とするため
には、物性(例えば、融点、水への溶解性など)の異な
るワックス同士を充分均一に混合しなければならない。
上記既知の農薬組成物は、基本的にはワックスを一定
の手段により溶融し、これに農薬を分散させて冷却固化
し、造粒・破砕するという手法によって製造されている
(いわゆる溶融法。特開昭56−30901号公報、特開昭57
−38702号公報、など。)。この製法では、最終的に疎
水性ワックスと親水性ワックスとを充分均一に溶融混合
することができず、また冷却温度を正確に制御できる位
置によらなければ融点の異なるワックス同士を充分均一
に混合することが困難である。温度を正確に制御できる
装置によらなければならないとすると、製造コストが上
がり、特に農薬分野で求められているコストダウンに反
することになる。
一方、多軸型エクストルーダーは、複数のスクリュー
が互いに絡み合い干渉しあって物理的に高いエネルギー
を発生させることができるスクリュー式混練押出機であ
る。この多軸型エクストルーダーは、1軸型エクストル
ーダーでは得られない加工処理を原料に施すことができ
るので、1軸型エクストルーダーとは性能、用途等を全
く異にする機械であるということができる。多軸型エク
ストルーダーは、主に食品分野やプラスチック分野で発
展し、食品(穀類、タンパク、畜肉、魚肉等)の加工や
プラスチックの射出成形等に広く利用されている。最
近、医薬品分野における利用も報告されている(PCT WO
92/18106、PCT WO94/08568、PCT WO95/05809など)。
なお、1軸型エクストルーダーは、単純混合や造粒操
作等を主な機能とするスクリュー式混練押出機であるの
で、それ以上の効果は期待できず、例えば疎水性ワック
スと親水性ワックスとを充分均一に混合することは困難
であると考えられる。
発明の開示 本発明の目的は、これまでの農薬含有ワックスマトリ
ックス以上に気温の変化や土中水分量の変化といった環
境の変化に対応しうる農薬含有ワックスマトリックスの
製法を提供することにある。具体的には、ワックスマト
リックスからの農薬の放出とワックスマトリックス自身
の溶融温度とが高度に制御された農薬含有ワックスマト
リックスを、実用性、経済性に優れた方法で製造するこ
とができる製造技術を提供することにある。
本発明者らは、多軸型エクストルーダー(以下、単に
「エクストルーダー」という)の利用を種々検討する中
で、上記目的を達成しうる農薬含有ワックスマトリック
スの製法を見出し、本発明を完成した。
以下に本発明を詳述する。
本発明は、物性の異なる複数のワックス及び農薬を必
須成分としてエクストルーダーにより一括処理すること
を特徴とする農薬含有ワックスマトリックスの製法であ
る。
ここで「ワックス」とは、高級脂肪酸の高級アルコー
ルエステルという狭義のワックスのみならず、広義のワ
ックス、即ちワックスの性状(可塑性、光沢性、不透明
性など)を持った40〜90℃で溶融する物質をも意味す
る。
ワックスの物性としては、融点、水への溶解度(疎水
性、親水性)等を挙げることができる。
本発明に係るワックスとしては、動植物由来の天然ワ
ックス、石油若しくは鉱物由来の天然ワックス、又は合
成若しくは半合成のワックスを挙げることができる。ま
た疎水性ワックス、親水性ワックスのいずれも用いるこ
とができる。
疎水性ワックスとしては、例えば、カルナウバロウ、
木ロウ、鯨ロウ、羊毛ロウ、マイクロクリスタルワック
ス、ポリエチレンワックス、塩素化ナフタレンワック
ス、硬化ヒマシ油、硬化ナタネ油、ミツロウ、ステアリ
ン酸、パラフィンワックス、牛脂、カカオ脂などを挙げ
ることができる。
親水性ワックスとしては、例えば、ポリエチレングリ
コール20,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエ
チレングリコール4,000、ポリエチレングリコール2,00
0、ポリエチレングリコール1,540、ポリエチレングリコ
ール1,000ポリオキシエチレン〔105〕ポリオキシプロピ
レン〔5〕グリコール、ポリオキシエチレン〔160〕ポ
リオキシプロピレン〔30〕グリコール、ポリオキシエチ
レン〔196〕ポリオキシプロピレン〔67〕グリコールな
どを挙げることができる。
上記ワックスを二種以上組み合わせて農薬含有ワック
スマトリックスを製造することができる。従来困難であ
って疎水性ワックスと親水性ワックスとの併合も任意に
行うことができる。
ワックスの総配合比率は、使用するワックスの種類、
農薬や添加剤の種類、エクストルーダーの種類や機種等
によって異なるが、10〜99.999%(w/w)とすることが
でき、好ましくは50〜99.99%(w/w)、より好ましくは
90〜99.9%(w/w)である。
各ワックスの配合比率は、所望する農薬放出速度や溶
融温度等によって任意に設定することができる。一般
に、親水性ワックスの比率を多くすると農薬の放出を速
くすることができる。また溶融温度の高いワックスの比
率を多くするとワックスマトリックス自身の溶融温度を
高くすることができる。
本発明において適用できる農薬の種類に特に制限はな
い。殺虫剤、殺菌剤、除草剤などいずれをも適用するこ
とができる。具体的にはエチオフェンカルブ、ベンフラ
カルブ、カルボフラン、アルデイカルブ、アセフェー
ト、ダイアジノン、イミダクロプリド等の殺虫剤、ベノ
ミル、チオファネートメチル、ヘキサコナゾール、イソ
プロチオラン、フラサイド、ペンコナゾール、フラジラ
ゾール、ビテルタノール、プロベナゾール、トリアジメ
フォントリアジメノール、トリフルミゾール、トリシク
ラゾール、ホセチルアミノ、エタコナゾール等の殺菌
剤、メフェナセット、アラクロール、メトラクロール、
アトラジン、シアナジン、トリフルラリン等の除草剤な
どを挙げることができる。
農薬は、単独又は二種以上を併合して使用することが
できる。
農薬の配合比率は、農薬の種類、使用するワックスや
添加剤の種類、エクストルーダーの種類や機種等によっ
て異なるが、0.001〜50%(w/w)とすることができ、好
ましくは0.01〜20%(w/w)、より好ましくは0.1〜10%
(w/w)である。
その他,必要に応じてセルロース誘導体、澱粉、澱粉
の誘導体、糖類、無機物質、鉱物質担体などの添加剤を
配合することができる。具体的には、例えば以下のもの
を挙げることができる。
1.セルロール誘導体 結晶セルロース、結晶セルロース・カルボキシメチル
セルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネー
ト、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム。
2.澱粉及びその誘導体 小麦デンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデ
ンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分ア
ルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリ
ウム、プルラン。
3.糖類及び糖アルコール 白糖、マンニトール、キシリトール、ソルビトール。
4.無機物質、鉱物質担体 カオリン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化
チタン、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、
クレー、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン。
5.可塑剤 クエン酸トリエチル、トリアセチン、中鎖脂肪酸トリ
グリセライド、プロピレングリコール。
6.その他 大豆油、ピーナッツ油、胡麻油、菜種油、椿油、オリ
ーブ油、落花生油、ユーカリ油。
これら添加剤は50%(w/w)まで配合することができ
る。
エクストルーダーの主要部は、バレルと呼ばれる筒、
出口に相当するダイ、及び種々のスクリューエレメント
を搭載したスクリューから主に構成されている。バレル
は通常複数あり、その中をスクリューが貫通している。
スクリューエレメントには、台形スクリューエレメン
ト、台形カットスクリューエレメント、台形リバースカ
ット、ボールスクリューエレメント、ニーディングパド
ル(ニーディングディスク)等のタイプがあり、その組
合せは任意に行うことができる。バレル内に送られた構
成成分は、スクリューによりバレル内を移動し、バレル
内でニーディングパドル等のスクリューエレメントによ
り剪断、混合等の処理がなされ、ダイの細孔から押し出
される。通常、各バレル及びダイは独立して温度調節が
できるようになっている。
本発明においては、食品分野やプラスチック分野等で
一般に使用されている高水分・高油分原料の搬送機能、
混合機能、剪断機能、圧縮機能、粉砕機能及び加熱機能
といった基本特性を備えたエクストルーダーであればそ
のまま使用することができる。なお、2本のスクリュー
を有する2軸型エクストルーダーを用いれば充分に本発
明に係るワックスマトリックスを製造することができ
る。
また、エクストルーダーには、非噛み合い型異方向又
は同方向回転エクストルーダーや完全又は一部噛み合い
型異方向又は同方向回転エクストルーダーなど種々のタ
イプのものがあり、本発明においては、完全噛み合い型
同方向回転エクストルーダーが好ましく、特に軸上にニ
ーディングパドル(ニーディングディスク)を有する完
全噛み合い型同方向回転2軸エクストルーダーが好まし
い。
エクストルーダーでの一括処理は、エクストルーダー
の全バレル及びダイ内で必ずしも行われなければならな
いものではない。あるバレル内以降において一括処理さ
れれば、充分に本発明に係るワックスマトリックスを製
造することができる。
ここで「一括処理」とは、全原料を実質同時に剪断、
混合、練合、押出し処理を行うことをいう。
エクストルーダーで原料を一括処理する方法として
は、全原料(ワックス、農薬、他の添加剤)を予め単
純に混合し、これをエクストルーダーの主供給孔から供
給して一括処理する方法、原料の中「いくつかの原
料」を予め混合し、これをエクストルーダーの主供給孔
から供給し、「残りの原料」を補助供給孔から供給して
一括処理する方法、「一つの原料」をエクストルーダ
ーの主供給孔から供給し、「残りの原料」を補助供給孔
から供給して一括処理する方法などを挙げることができ
る。これらの方法の中で、が好ましい。
ここで主供給孔とは、バレル内へ原料を供給する最も
基本的な供給孔をいい、補助供給孔とは、補助成分等を
補助的にバレル内へ供給することができる主供給孔以外
の供給孔をいう。
上記において、必要に応じ、任意の原料を更に補助
供給孔から供給することができる。
上記において、例えば、ワックス及び農薬を「いく
つかの原料」とし、その他の添加剤を「残りの原料」と
することができる。いずれも本発明ワックスマトリック
スを得ることができる。ワックスを「いくつかの原料」
の一つとするのが好ましい。「残りの原料」は、混合物
として一つの補助供給孔から供給することもできるし、
個々の原料を又は任意の原料の混合物を複数の補助供給
孔から供給することもできる。なお、主供給孔から供給
される「いくつかの原料」の中の一つ以上を「残りの原
料」の中に含めて補助供給孔からも供給することができ
る。
上記において、「一つの原料」はワックスとするの
が好ましい。「残りの原料」は、混合物として一つの補
助供給孔から供給することもできるし、個々の原料を又
は任意の原料の混合物を複数の補助供給孔から供給する
こともできる。なお、主供給孔から供給される「一つの
原料」の一部を「残りの原料」の中に含めて補助供給孔
からも供給することができる。
原料の単純混合は、ニーダーミキサー、V型混合機、
二重円錐型混合機、立方体型混合機、リボン型混合機な
どの機械や手動によって行うことができる。
バレル内への原料の供給は、手動により、又は使用す
るエクストルーダーに一般に装備されている原料供給機
によって行うことができるが、一定速度で原料を供給し
うる装置であれば特に制限なく行うことができる。かか
る装置として、例えば、スクリューフィーダー、テーブ
ルフィーダー、スラリーフィーダー、圧送フィーダー、
ベルトコンベア式定量供給機、電磁フィーダーなどを挙
げることができる。
続いてエクストルーダーの処理条件について説明す
る。
エクストルーダーのバレル及びダイの温度は、使用す
るワックスの種類に応じて適宜設定することができる。
通常、使用するワックスのうち最も高い融点のワックス
の融点より5〜30℃程度低い温度、好ましくは10〜20℃
程度低い温度に設定することができる。これより高い温
度でも本発明に係るワックスマトリックスを得ることが
できる場合があるが、これにより高い温度では、通常溶
融状態でワックスがダイから出てくるため、任意の形状
の成形体を得ることが困難となる。
スクリューの回転数(処理速度)は、エクストルーダ
ーの機種や種類、原料、スクリューの形状等によって適
宜設定することができ、使用するエクストルーダーの許
容範囲内で設定することができる。バレルの全長が長い
エクストルーダーほど回転数を上げることができる。バ
レルの全長が長いほど、混合や剪断等の処理能力が高い
からである。具体的には50rpm以上が適当であり、50〜3
00rpmが好ましい。
吐出圧力は、10〜150kg/cm2が適当であり、30〜120kg
/cm2が好ましい。
使用しうるスクリューエレメントの形状及びその組合
せは、特に制限なく選択することができる。但し、混練
作用及び剪断作用の強いニーディングパドル(ニーディ
ングディスク)を1つ以上使用することが好ましい。
排出ダイは、目的によって適宜変えることができる。
具体的には、円柱状処理物を得るための種々の口径を有
する円型排出ダイ、板状処理物を得るための平型排出ダ
イ等を上げることができる。
本発明により製造されるワックスマトリックスを含有
する製剤もまた本発明に含まれる。その製剤形態は特に
制限されることはない。具体的には粉剤、粉粒剤、錠剤
などを挙げることができる。
本発明に係る製剤は、以下のようにして製造すること
ができる。
エクストルーダーで一括処理された原料は、本発明組
成物となってダイの細孔から連続して押し出されてく
る。これを適当な裁断機、例えば、ローラー型解砕機、
カッターミル、ピンミル等で所望の長さに裁断すること
ができる。この裁断されたものは、そのまま粒状の本発
明製剤とすることができる。また、ダイの細孔から押し
出されてきた本発明ワックスマトリックスを、例えばダ
イの先端に装備した回転式カッター(例えば、栗本鉄工
所社製KEXN−30用ロータリーカッターなど)にて所望す
る長さに裁断することで、特別な整粒操作なしに直接粒
状の本発明製剤とすることができる。
裁断された粒状の本発明に係るワックスマトリックス
を圧縮成形すれば錠剤形の本発明製剤とすることができ
る。
更に、ダイの細孔から押し出されてきたワックスマト
リックス、裁断された粒状のワックスマトリックス、又
は圧縮成形したワックスマトリックス錠剤にコーティン
グ処理などを施したものも本発明製剤に含めることがで
きる。
発明の効果 本発明によれば、物性の異なる複数のワックスを充分
均一に混合することができ、ワックスマトリックスから
の農薬の放出とワックスマトリックス自身の溶融温度と
が高度に制御された農薬含有ワックスマトリックスを製
造することができる。従って、散布時の気温や土中水分
量といった散布時の状況(季節)に適した農薬含有ワッ
クスマトリックスを提供することができる。加えて、任
意の温度で農薬が放出される農薬含有ワックスマトリッ
クスを製造することができるので、害虫、病気が発生し
やすい気温に到達したときに農薬を放出し、気温が低下
すると農薬の放出を抑える農薬含有ワックスマトリック
スを提供することができる。
本発明に係る製法は、あらゆる農薬に適用することが
できる。
本発明に係る製法は、実用面、経済面においても優れ
ている。
発明を実施するための最良の形態 以下に実施例、比較例、試験例を挙げて、本発明を更
に詳しく説明する。なお、バレル番号は、試料供給側
(入口側)にあるバレルから昇順に付けている。
実施例1 メフェナセット4g、カルナウバロウ末280g、ポルエチ
レングリコール1000末120gをガラス製V型混合機にて15
分間混合し、これを直径:32mmφ、有効L/D:20、スクリ
ューエレメントパターン:16P、12P、9.6P、8P、30deg;8
t×3枚、1mmφ×5穴のダイを装着した2軸型エクスト
ルーダー(KEXN−30S−20型、栗本鉄工所製、以下同
じ)を用い、バレル1を25℃、バレル2、3、4、5お
よびダイを63℃に設定し、混合末を1分間あたり40gの
速度でホッパーにより主供給孔へ投入し、80rpmのスク
リュー回転速度で押出し処理を行い本発明に係るワック
スマトリックスを製造した。
実施例2 メフェナセット4g、カルナウバロウ末200g、ポリエチ
レングリコール1000末200gをガラス製V型混合機にて15
分間混合し、2軸型エクストルーダーのバレル1を25
℃、バレル2、3、4、5およびダイを55℃に設定した
他、実施例1と同様の条件で処理を行い本発明に係るワ
ックスマトリックスを製造した。
実施例3 メフェナセット4g、カルナウバロウ末120g、ポリエチ
レングリコール1000末280gをガラス製V型混合機にて15
分間混合し、2軸型エクストルーダーのバレル1を25
℃、バレル2、3、4、5およびダイを55℃に設定した
他、実施例1と同様の条件で処理を行い本発明に係るワ
ックスマトリックスを製造した。
実施例4 メフェナセット5g、パラフィンワックス350g、カカオ
脂100g、ポリエチレングリコール1500末50gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、2軸型エクストルーダー
のバレル1を25℃、バレル2、3、4、5およびダイを
35℃、押しだし速度を100rpmに設定した他、実施例1と
同様の条件で処理を行い本発明に係るワックスマトリッ
クスを製造した。
実施例5 メフェナセット5g、パラフィンワックス350g、カカオ
脂50g、ポリエチレングリコール1500末100gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、これを実施例4と同様の
条件で処理を行い本発明に係るワックスマトリックスを
製造した。
実施例6 メフェナセット5g、パラフィンワックス250g、カカオ
脂200g、ポリエチレングリコール1500末50gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、2軸型エクストルーダー
のバレル1を25℃、バレル2、3、4、5およびダイを
33℃に設定した他、実施例4と同様の条件で処理を行い
本発明に係るワックスマトリックスを製造した。
実施例7 メフェナセット5g、パラフィンワックス250g、カカオ
脂150g、ポリエチレングリコール1500末100gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、これを実施例6と同様の
条件で処理を行い本発明に係るワックスマトリックスを
製造した。
実施例8 メフェナセット5g、パラフィンワックス250g、カカオ
脂100g、ポリエチレングリコール1500末150gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、2軸型エクストルーダー
のバレル1を25℃、バレル2、3、4、5およびダイを
34℃に設定した他、実施例4と同様の条件で処理を行い
本発明に係るワックスマトリックスを製造した。
実施例9 メフェナセット5g、パラフィンワックス250g、カカオ
脂50g、ポリエチレングリコール1500末200gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、これを実施例8と同様の
条件で処理を行い本発明に係るワックスマトリックスを
製造した。
実施例10 メフェナセット5g、パラフィンワックス150g、カカオ
脂300g、ポリエチレングリコール1500末50gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、2軸型エクストルーダー
のバレル1を25℃、バレル2、3、4、5およびダイを
31℃に設定した他、実施例4と同様の条件で処理を行い
本発明に係るワックスマトリックスを製造した。
実施例11 メフェナセット5g、パラフィンワックス150g、カカオ
脂250g、ポリエチレングリコール1500末100gをガラス製
V型混合機にて15分間混合し、これを実施例10と同様の
条件で処理を行い本発明に係るワックスマトリックスを
製造した。
試験例1 水溶性色素である食用青色1号をマーカーとして、本
発明法と従来法との操作性、ワックスマトリックスの外
観および含量均一性について比較検討した。その結果を
表1に示す。
本発明法試料: メフェナセットの代わりに食用青色1号色素粉末4gを
用いた他、実施例2と同様の条件で処理を行い本発明法
試料とした。
従来法試料: 本発明法試料と同様の組成混合末を透明なガラス製ビ
ーカー(直径11.6cm、高さ16cm)に投入し90℃に加熱し
た温浴にて加熱溶融させ、ステンレス製スパーテルで撹
拌混合した。その後このビーカーを取り出し25℃の環境
下に放置し自然冷却させ比較試験用のワックスマトリッ
クスを製造した(自然冷却法)。また、同様の組成混合
末をステンレス製ビーカー(直径20cm、高さ26cm)に投
入し90℃に加熱した温浴にて加熱溶融させた後25℃環境
下に取り出し、この中に3枚撹拌羽根を装着したスリー
ワンモーター撹拌機(1200RTS;新東科学製)にて撹拌混
合冷却操作を加え比較試験用のワックスマトリックスを
調製した(撹拌混合冷却法)。
表1に示すように本発明法試料は、操作性、組成物の
外観、含量均一性の点において従来法試料よりも優れて
いることが明らかである。
試験例2 溶出試験(1) 本発明法により製造したワックスマトリックス及び従
来法の撹拌混合冷却法で製造したワックスマトリックス
をロールグラニュレーター(GRN−1041型;日本グラニ
ュレーター社製、以下同じ)を用いて解砕し、16号(10
00μ)〜30号(500μ)範囲の粒子を溶出試験用の試料
とした。これら各々の試料600mgを30℃の精製水900mlに
投入し、日本薬局法パドル法(パドル回転数;100rp
m)、測定波長629nmの条件で経時的に青色1号の溶出量
を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように溶出速度には両者に大差はないが、
バラツキは本発明に係るワックスマトリックスの方がか
なり少いことが明らかである。
*バラツキの尺度 先に示した溶出試験法に従いそれぞれを3回測定し、
その標準偏差を求めバラツキの指標とした。
試験例3 融点測定及び溶出試験(2) 1)実施例1、2、3に準じて製造した本発明に係るワ
ックスマトリックスをロールグラニュレータを用いて解
砕し、16号(1000μ)〜30号(500μ)範囲の粒子を溶
出試験用の試料とした。融点は、顕微鏡による融点測定
器を用いて測定した。溶出試験用は、上記試料を30℃の
精製水900mlに投入し、日本薬局方パドル法(パドル回
転数;100rpm)の条件で経時的にメフェナセットの溶出
量を測定した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、本発明法で得られたワックスマト
リックスの融点は、使用するワックスの構成比率に相対
した温度変化を示しており、所望とする溶融温度のワッ
クスマトリックスを得ることができた。また、親水性ワ
ックスであるポリエチレングリコールの添加量が増加す
るにつれて放出速度は増大した。このことから親水性及
び疎水性ワックスの組成比を変えることで放出のコント
ロールが可能であることがわかった。
2)実施例4、6、7、10及び11に係る本発明ワックス
マトリックスをロールグラニュレータを用いて解砕し、
16号(1000μ)〜30号(500μ)範囲の粒子を溶出試験
用の試料とした。融点は、顕微鏡による融点測定器を用
いて測定した。溶出試験用は、上記試料を30℃の精製水
900mlに投入し、日本薬局方パドル法(パドル回転数;10
0rpm)の条件で経時的にメフェナセットの溶出量を測定
した。その結果を表4に示す。
表4に示すように、溶解特性、融点の異なる3種類の
ワックス(パラフィンワックス、カカオ脂、ポリエチレ
ングリコール)の構成比率を変化させることによって、
ワックスマトリックスの融点を高度に制御することがで
き、また同一の融点を示すワックスマトリックスでも異
なる薬物放出を与えることがわかった。更にワックスマ
トリックスの融点温度で試験したとき、速やかな薬物放
出が認められ、気温の変化に相対した薬物放出を促すこ
とができることがわかった。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物性の異なる複数のワックス及び農薬を必
    須成分として多軸型エクストルーダーにより一括処理す
    ることを特徴とする農薬含有ワックスマトリックスの製
    法。
  2. 【請求項2】融点の異なる複数のワックス及び農薬を必
    須成分として多軸型エクストルーダーにより一括処理す
    ることを特徴とする農薬含有ワックスマトリックスの製
    法。
  3. 【請求項3】疎水性ワックス、親水性ワックス及び農薬
    を必須成分として多軸型エクストルーダーにより一括処
    理することを特徴とする農薬含有ワックスマトリックス
    の製法。
  4. 【請求項4】多軸型エクストルーダーが2軸型エクスト
    ルーダーである請求項1乃至3記載の農薬含有ワックス
    マトリックスの製法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の製法により製造され
    る農薬含有ワックスマトリックスを含有する製剤。
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