JP3258976B2 - 農薬組成物 - Google Patents

農薬組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作物害虫の防除の
為の農薬活性成分を簡便に施用できる徐放性農薬製剤に
関し、詳しくは、農薬活性成分とエステル系疎水性物
質、及び無機系希釈担を含有する徐放性農薬製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、稲作の低コスト化を指向して急速
に水田の大規模化や機械化が進められている。それに対
応するように農薬の散布方法に関する技術革新が進み、
各種省力型製剤及び散布方法が開発されるようになっ
た。
【0003】ところで、殺虫剤等の各種の水田用の農薬
としては粉剤、粒剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤等の
各種の剤型が用いられている。これらの製剤を水田に施
用する方法としては直接散布法が一般的である。多くの
場合、直接散布法では、水田中に作業者が踏み入り、且
つ作業者は重い散布機械等を背負い作業をする。そのた
め、上記方法は高年齢農業従事者には大変な作業であ
り、近年我が国においては農業従事者に占める高年齢者
の割合が増加していることに鑑みれば、かかる状況は好
ましいものではない。そのため、更に省力的な製剤処方
と施用法の開発が望まれる。
【0004】一方、直接散布法に対し、近年田植え前の
水稲苗箱に農薬組成物を施用する苗箱処理法の開発が進
められている。苗箱処理法の最大の利点は、直接散布法
における様な水田中での農薬散布の必要がなく、既に処
理された水稲苗を水田に移植することである。そのため
苗箱処理法は理想的な省力施用方法である。
【0005】一般に水田の害虫は、田植え後から出穂後
まで長期的に発生するため、苗箱処理剤には長期に渡る
安定的な農薬活性成分の効力が必要とされる。長期に渡
って農薬活性成分の効力を持続させるための製剤とし
て、従来パラフィンワックス等を用いた農薬製剤が知ら
れている。これらは、農薬活性成分を炭化水素系ワック
スを配合し鉱物等に希釈あるいは担持させて疎水化した
ものである。このような従来製剤は主にワックスの撥水
性を利用して農薬活性成分の放出を制御するため、農薬
活性成分の放出を高度に制御することは不可能であっ
た。
【0006】WO95/09532号公報にはそのよう
なワックスを用いたマトリックス化により農薬活性成分
を徐放化する方法が開示されている。当該公報の請求項
においては、農薬活性成分、融点50℃以上の疎水性物
質及び吸油能を有する物質を含有する農薬組成物が記載
されているが、その実施例においては、全ての組成物が
農薬活性成分の放出速度を制御するための化合物(放出
制御剤)を含有している。
【0007】本発明者らの検討によれば、ワックスの撥
水性を利用しただけでは満足する溶出制御は達成できな
かった。また、放出制御剤を含有する徐放性農薬組成物
は徐放化はするものの、組成物中の農薬活性成分を10
0%近く放出させることは困難であり、大量の農薬活性
成分が放出されないまま組成物中に残ることがわかっ
た。
【0008】農薬活性成分が放出されないまま大量に組
成物中に残てしまう原因としては、使用されている放出
制御剤が疎水性のワックスとの相溶性に乏しいため、組
成物中で均一なマトリックスが形成されないことが考え
られる。実際、本発明者らがWO95/09532号公
報の実施例を追試した結果、基本的な溶出パターンは放
物線カーブを描き、初期の放出が多く、しかも放出が途
中で止まってしまい、初期溶出を抑えながら後期まで農
薬活性成分の放出を持続させることは不可能であること
がわかった。即ち、徐放性農薬製剤としては好適なもの
が知られていない。
【0009】ところで、特開平7−179448号には
一般式(I)(化2)
【0010】
【化2】 [式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7は水素原
子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R1は水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数3のアルケニ
ル基、ベンジル基、基全体の炭素数が2〜4のアルコキ
シアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシカルボニ
ル基、フェノキシカルボニル基、炭素数1〜6のアルキ
ルカルボニル基、炭素数2〜3のアルケニルカルボニル
基、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニル基、ベン
ゾイル基、炭素数1〜4のアルキル置換ベンゾイル基、
ハロゲン原子置換ベンゾイル基、2−フラニルカルボニ
ル基またはN,N−ジメチルカルバモイル基を表し、R
2は水素原子、アミノ基、メチル基、炭素数1〜5のア
ルキルアミノ基、基全体の炭素数が2〜5のジ置換アル
キルアミノ基、1−ピロリジニル基、炭素数3のアルケ
ニルアミノ基、炭素数3のアルキニルアミノ基、メトキ
シアミノ基、基全体の炭素数が2〜4のアルコキシアル
キルアミノ基、メチルチオ基または−N(Y1)Y2(式
中Y1は、炭素数1〜3のアルキルオキシカルボニル
基、フェノキシカルボニル基、炭素数1〜6のアルキル
カルボニル基、炭素数2〜3のアルケニルカルボニル
基、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニル基、ベン
ゾイル基、炭素数1〜4のアルキル置換ベンゾイル基、
ハロゲン置換ベンゾイル基、2−フラニルカルボニル
基、N,N−ジメチルカルバモイル基、(テトラヒドロ
−3−フラニル)メチル基またはベンジル基を表し、Y
2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表
す。)を表し、Zは=N−NO2、=CH−NO2または
=N−CNを表す。]で表されるフラニル系化合物が開
示されている。このフラニル系化合物は高い殺虫力を有
し、広い殺虫スペクトルを有する。当該化合物は水溶性
が極めて高い。そのため、水稲苗箱施用に当該化合物を
利用するに際しては殺虫効果を長期間持続させるため
に、高度な溶出制御技術の確立が必要であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、農薬
活性成分が徐々に放出され、長期間に渡ってその効力を
持続させ得る農薬製剤を提供することにある。本願発明
の他の課題は、農薬活性成分が徐々に且つほぼ完全に放
出され、長期間に渡ってその効力を十分に持続させ得る
農薬製剤を提供することにある。
【0012】よって、本発明の目的は、農薬活性成分、
融点が60℃以上で農薬活性成分の融点以下で、且つ酸
価が10−50mgKOH/gであるエステル系疎水性
物質、及び無機系希釈担体を含有する徐放性農薬製剤、
及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決させるための手段】発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、農薬製剤中に遊離脂
肪酸を含有する特定の性質を有するエステル系疎水性物
質を添加することにより、農薬製剤中の農薬活性成分を
高度に溶出制御できることを見出した。本発明は本知見
に基づき成されたものである。
【0014】即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)農薬活性成分、融点が60℃以上で農薬活性成分
の融点未満で、且つ酸価が10−50mgKOH/gで
あるエステル系疎水性物質、及び無機系希釈担体を含有
することを特徴とする徐放性農薬製剤、及び、(2)農
薬活性成分、融点が60℃以上で農薬活性成分の融点未
満で、且つ酸価が10−50mgKOH/gであるエス
テル系疎水性物質、及び無機系希釈担体を加熱しながら
混合し、造粒した後、解砕、篩別することにより得られ
る徐放性農薬製剤であって、混合及び造粒の際の液状部
がエステル系疎水性物質、非液状部が農薬活性成分及び
無機系希釈担体であることを特徴とする農薬製剤であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、農薬活性成分と
は殺生物活性を有し農園芸用に使用される化合物を指し
ている。特に、本発明に係る農薬活性成分としては、水
溶解度が100ppm以上且つ融点が100℃以上の農
薬活性成分が好ましい。農薬活性成分として更に好まし
くは、水溶解度が5000ppm以上の農薬活性成分で
ある。本発明に係る農薬活性成分として具体的には以下
の化合物が例示できる。
【0016】即ち、一般式(I)(化3)
【0017】
【化3】 [式中、(R1が水素原子、R2がNHCH3、R3が=C
H−NO2)、(R1が水素原子、R2がNHCH3、R3
が=N−NO2)、または(R1がメチル基、R2がN
(CH32、R3が=CH−NO2)]で表される化合物
の内の1種類、又は2種類以上の化合物が挙げられる。
尚、以下、R1が水素原子、R2がNHCH3、R3が=C
H−NO2である化合物を化合物番号1、R1が水素原
子、R2がNHCH3、R3が=N−NO2である化合物を
化合物番号2、R1がメチル基、R2がN(CH32、R
3が=CH−NO2である化合物を化合物番号3とする。
【0018】本発明の徐放性農薬製剤中の農薬活性成分
の含有量は、活性成分の物性、適用場面によって決まる
が、通常0.01重量%から50重量%であり、好まし
くは0.5重量%から20重量%の範囲である。
【0019】本発明において、エステル系疎水性物質と
は、分子内にエステル結合を有し且つ全体として疎水性
を有する化合物を含む組成物であり、融点が60℃以上
で農薬活性成分の融点未満で、且つ酸価が10−50m
gKOH/gであるものを指す。そのようなものは例え
ば脂肪酸のアルキルエステルであるが、本発明において
使用されるエステル系疎水性物質には若干の遊離脂肪酸
を含んでいる。
【0020】遊離脂肪酸とは、高級脂肪酸と1価以上の
アルコールから成るエステル化合物を主成分とする天然
由来の油脂(以下ワックスと呼ぶ)に含まれる成分の一
つである。
【0021】脂肪酸は、親水基であるカルボン酸部と疎
水基である炭化水素部を構造要素に併せ持つ両親媒性の
化合物であり、ワックスの様な疎水性物質に対して相溶
性を持ちなが水溶性或いは親水性の性質も示す。従っ
て、脂肪酸を含有する油脂を用いて農薬活性成分等を混
合して成る混合物は、均一なマトリックスを形成するこ
とができ、活性成分を高度に溶出制御する事が出来ると
考えられる。
【0022】通常、ワックス中の遊離脂肪酸の含有量
は、ASTM D1386に示される通りアルカリを用
いた滴定により求められ酸価として示される。本発明に
係るエステル系疎水性物質は、前記酸価が10から50
mgKOH/gで、且つ融点が60℃以上農薬活性性分
の融点未満である。本発明に係るワックスの酸化は、好
ましくは10以上30以下、更に好ましくは11以上2
5以下である。
【0023】本発明に係るエステル系疎水性物質として
は具体的には、サトウキビから抽出されるシュガーケイ
ンワックス(融点;75℃、酸価;約21mgKOH/
g)、モンタン酸エステルワックス(融点;74−94
℃、酸価;10−25mgKOH/g)が挙げられる。
【0024】シュガーケインワッックは、融点と凝固点
の温度範囲が広く、また適度な硬度を有することから、
造粒性が著しく改善される等の調整面での利点も併せ持
つ。一方モンタン酸エステルワックスは、褐炭から抽出
されるモンタン酸をエステル化することによって得ら
れ、エステル化をコントロールすることにより任意の酸
価のワックスを得ることが可能である。
【0025】本発明の徐放性農薬製剤へのエステル系疎
水性物質の添加量は、添加される農薬活性成分の濃度、
得られる農薬製剤の施用場面、無機系希釈担体の物性に
よって決まるが、通常5重量%以上、好ましくは10重
量%以上である。添加量の上限は無機系希釈担体の総吸
油能以下に設定される。これにより、溶融混合時に混合
物が餅状になることなく粉状で排出することが可能にな
り、また造粒時に粒同士の付着を抑えることが可能とな
る。好ましくは、経済的な面から添加量の上限は20重
量%である。
【0026】本発明において使用される、無機系希釈担
体とは、本発明の製剤中の農薬活性成分の有効濃度を調
整するために添加される無機の希釈担体である。無機系
希釈担体としては一般的に農薬組成物に用いられる疎水
性無機物であれば使用可能であるが、コスト面及び調製
面から炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムに
は、重質タイプと軽質タイプの2種類があるが、エステ
ル系疎水性物質の吸油能を考慮し、どちらか単品或いは
配合して使用する。
【0027】更に、炭酸カルシウム単独では吸油能が不
足する場合、無機系希釈担体としてタルクまたはホワイ
トカーボン等を添加することも可能である。タルクとは
滑石を粉砕したものであり、ホワイトカーボンとは二酸
化硅素を主成分とする、農薬の担体・希釈剤等として市
販されているものである。
【0028】本発明の徐放性農薬製剤への無機系希釈担
体の添加量としては、エステル系疎水性物質を吸油する
に足る能力を有しておれば良く、エステル系疎水性物質
と農薬活性成分の最大添加量及び炭酸カルシウムの吸油
能から算出される。
【0029】本発明の徐放性農薬製剤の好ましい剤型は
粒剤である。以下に、本発明の徐放性農薬製剤の製造方
法を粒剤を例に説明する。前記農薬活性成分、エステル
系疎水性物質、及び無機系希釈担体を加熱装置を装備し
た混合機(例えば、フローティングミキサー)等により
加熱混合する。その際、加熱温度はエステル系疎水性物
質の溶融温度以上で且つ農薬活性成分の融点未満が好ま
しい。何故なら、加熱温度がエステル系疎水性物の溶融
温度質未満の場合は混合物が均一になり得ず、加熱造粒
時の造粒性が不良となるだけでなく期待する徐放化が達
成できない場合があるからである。また、加熱温度を農
薬活性成分の融点以上に設定すると、活性成分とエステ
ル系疎水性物質とが液体状態で均一に混合しないか、又
は凝固する際に活性成分が局在化し、期待する徐放化が
達成できない場合がある。加熱混合の後、得られた混合
物を造粒するが、用いる造粒機は加熱装置を備えたもの
であれば特に制限はないが、具体的には、円柱状の成型
物を得る場合は目的の粒径に合ったスクリーンを備えた
押し出し式造粒機、球形の成型物を得る場合は転動造粒
機等が例示される。造粒する際の温度は、用いるエステ
ル系疎水性物質が溶融する温度以上に設定する。更に、
得られた造粒物を解砕、篩別し、目的とする徐放化農薬
製剤を得る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、製剤の調製法及び得られる製剤処方はこれらに
何ら限定されるものではない。尚、各成分の配合量であ
る部は全て重量部である。
【0031】[実施例1]農薬活性成分(化合物番号
1)を20部、炭酸カルシウム(軽質タイプ)830
部、モンタン酸エステルワックス(LUWAX OP;
BASF製、融点;84℃、酸価;11mgKOH/
g)150gを一括してフローティングミキサーに入れ
90℃まで加熱混練した。この状態で得られる混合物は
粉状であった。この混合物を100℃に保持した横型造
粒機(目開き1.0mmのスクリーン)を用いて押し出
し造粒した。得られた造粒成形物を解砕機で解砕後、1
4メッシュから28メッシュに篩別し粒剤を得た。
【0032】[実施例2]農薬活性成分(化合物番号
1)を20部、キャリアーとして炭酸カルシウム(重質
タイプ)820、ホワイトカーボン(WC−80D;塩
野義製薬製)20部、シュガーケインワックス(融点;
75℃、酸価;21mgKOH/g)140部を一括し
てフローティングミキサーに入れ80℃まで加熱し混練
させた。この状態で得られる混合物は粉状であった。こ
の混合物を90℃で保持した横型造粒機(目開き1.0
mmのスクリーン)を用いて押し出し造粒した。得られ
た造粒成形物を解砕機で解砕後、14メッシュから28
メッシュに篩別し粒剤を得た。
【0033】[実施例3]農薬活性成分(化合物番号
1)を20部、キャリアーとして炭酸カルシウム(重質
タイプ)730部、Sタルク100部、シュガーケイン
ワックス(融点;75℃、酸価;21mgKOH/g)
150部を一括してフローティングミキサーに入れ80
℃まで加熱し混練させた。この状態で得られる混合物は
粉状であった。この混合物を90℃で保持した横型造粒
機(目開き1.0mmのスクリーン)を用いて押し出し
造粒した。得られた造粒成形物を解砕機で解砕後、14
メッシュから28メッシュに篩別し粒剤を得た。
【0034】[実施例4〜10]実施例3と同様の手法
で表1(表1)の組成の粒剤を調製した。尚、表1中、
LUWAX Eとあるのはモンタン酸エステルワックス
(BASF製、融点;76℃、酸価;21mgKOH/
g)を示し、LUWAX LEGとあるのはモンタン酸
エステルワックス(BASF製、融点;73℃、酸価;
25mgKOH/g)を示している。
【0035】
【表1】
【0036】[実施例11]農薬活性成分(化合物1)
2.35部とシュガーケインワックス(融点;75℃、
酸価;21mgKOH/g)15.67部を三角フラス
コに入れ、80−90℃の温度範囲で溶融混合した。同
温度範囲で炭酸カルシウム81.98部を加え、激しく
かきまぜながら室温まで冷却した。さらに卓上粉砕器で
均一に粉砕混合し、粉製剤を得た。
【0037】[比較例1]農薬活性成分(化合物番号
1)を20部、炭酸カルシウム(重質タイプ)835
部、パラフィンワックス(融点;60℃、酸価;0mg
KOH/g)145gを一括してフローティングミキサ
ーに入れ70℃まで加熱し混練させた。この状態で得ら
れる混合物は一部ブロック状の塊を含んだ粉状であっ
た。混合物を70℃で保持した横型造粒機(目開き1.
0mmのスクリーン)を用いて押し出し造粒した。得ら
れた造粒成形物を解砕機で解砕後、14メッシュから2
8メッシュに篩別し粒剤を得た。
【0038】[比較例2]農薬活性成分(化合物番号
1)を20部、炭酸カルシウム(軽質タイプ)830、
カルナバワックス(融点;83℃、酸価;9mgKOH
/g)150部を一括してフローティングミキサーに入
れ85℃まで加熱し混練させた。この状態で得られる混
合物は餅状で、冷却するとブロック状に固まった。この
混合物を95℃で保持した横型造粒機(目開き1.0m
mのスクリーン)を用いて押し出し造粒したところ、一
部造粒物同士がくっついた。得られた造粒成形物を解砕
機で解砕後、14メッシュから28メッシュに篩別し粒
剤を得た。
【0039】[比較例3]農薬活性成分(化合物番号
1)を20部、炭酸カルシウム(重質タイプ)670、
ホワイトカーボン(WC−80D;塩野義製薬製)50
部、ポリビニルアルコール20部、カルナバワックス
(融点;83℃、酸価;9mgKOH/g)240部を
一括してフローティングミキサーに仕込み85℃まで加
熱混練させた。この状態で得られる混合物は餅状で、冷
却するとブロック状に固まった。混合物を95℃で保持
した横型造粒機(目開き1.0mmのスクリーン)を用
いて押し出し造粒したところ、一部造粒物同士がくっつ
いた。得られた造粒成形物を解砕機で解砕後、14メッ
シュから28メッシュに篩別し粒剤を得た。
【0040】[比較例4〜7]比較例3と同様の手法で
表2(表2)の組成の比較用の粒剤を調製した。尚、表
1中、LUWAX EVAとあるのはエチレン・酢酸ビ
ニル・コポリマー(BASF製、融点;93℃、酸価;
0mgKOH/g)を示し、LUWAXSとあるのはモ
ンタン酸(BASF製、融点;75℃、酸価;143m
gKOH/g)を示している。
【0041】
【表2】
【0042】[試験例1]実施例及び比較例で得られた
粒剤から放出される農薬活性成分(化合物1−3)の溶
出率、及び害虫防除率を測定調査した。
【0043】(1)溶出率 水中における農薬活性成分の溶出率は以下の方法で測定
した。即ち、標準3度硬水25mlを入れた50mlの
密詮付きサンプル管に、実施例及び比較例で調製した粒
剤をそれぞれ250mg装入して水中に沈め、25℃下
所定時間静置後、全量を濾別し、濾液中の溶出活性成分
をHPLCにて測定した。測定値より下記式に基づき溶
出率を計算し、結果を表3(表3)にまとめた。
【0044】溶出率(%)= (濾液中の活性成分含量
/粒剤中の活性成分含量)×100
【0045】
【表3】
【0046】表3(表3)より明らかなように、本発明
の製剤は約2ヶ月間ほぼ一定の農薬活性成分を放出させ
ることが可能である。しかも、農薬活性成分は約2ヶ月
間でほぼ完全に水中に放出された。これに対し、比較例
4,6では粒剤施用直後に100%の農薬活性成分が水
中に溶出してしまった。また、比較例1,2,3,7に
おいては農薬活性成分が徐々に溶出されるものの、約2
ヶ月間経過した後も粒在中の農薬活性成分の多くの部分
が放出されず、製剤中に残った。特に、比較例3は、W
O95/09532号公報に準じて調製されたものであ
るが、初期の溶出率が高い割に、粒剤中の農薬活性成分
は完全に放出されないことがわかる。比較例5はほとん
ど徐放性がなかった。
【0047】(2)死虫率 害虫の防除率は以下の方法により調査した。即ち、実施
例及び比較例で調製した粒剤を水稲(品種:コシヒカ
リ)の育苗箱(30×50cm、全面積0.18m2
に各50gずつ施用し、翌日にワグネルポット(1/5
000アール)に2.5葉期の稲苗5株を定植した。ワ
グネルポット1つあたり50mgの粒剤が同伴したこと
になる。試験は各画分3連で行った。定植後、20、4
0、60日後に水稲を金網円筒で覆い、円筒内部へトビ
イロウンカ雌成虫10頭ずつを放って、48時間後に死
虫率を調査した。死虫率は供試した虫の数に対する死亡
した虫の割合を%表示した値である。結果を表4(表
4)に示した。
【0048】
【表4】
【0049】表4(表4)より明らかなように、本発明
の製剤は約2カ月後においても70%以上の死虫率を発
揮した。これに対して比較例においては、溶出率の低い
ものや徐放性が悪いものは2カ月経過後の死虫率が極端
に低いことがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明により徐放性農薬製剤における農
薬活性成分の最適な溶出制御が可能となった。本発明の
徐放性農薬製剤は、農薬活性成分が徐々に放出され、し
かもほぼ完全に放出される。そのため、本願発明の農薬
製剤は、稲の苗箱処理に適し、省力処理製剤として優れ
ている。本発明の徐放性農薬製剤は、従来の徐放性農薬
製剤よりも格段に放出性が向上しているので、コスト的
に有利である。また、本発明の徐放性農薬製剤は、簡便
な製法により調製することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 雅彦 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株 式会社内 審査官 穴吹 智子 (56)参考文献 特開 平7−25705(JP,A) 特開 平8−92007(JP,A) 特開 平5−65201(JP,A) 特開 平7−10705(JP,A) 特開 平7−179448(JP,A) 特開 平3−193705(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 25/08 A01N 25/00 101 A01N 25/12 A01N 43/08 A01N 25/28 A01N 25/30 A01N 37/02 A01N 61/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農薬活性成分、融点が60℃以上で農薬
    活性成分の融点未満で、且つ酸価が10−50mgKO
    H/gであるエステル系疎水性物質、及び無機系希釈担
    体を含有することを特徴とする徐放性農薬製剤。
  2. 【請求項2】 エステル系疎水性物質の酸価が10mg
    KOH/g以上30mgKOH/g以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の徐放性農薬製剤。
  3. 【請求項3】 エステル系疎水性物質の酸価が11mg
    KOH/g以上25mgKOH/g以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の徐放性農薬製剤。
  4. 【請求項4】 エステル系疎水性物質がシュガーケイン
    ワックスである請求項1に記載の徐放性農薬製剤。
  5. 【請求項5】 エステル系疎水性物質がモンタン酸エス
    テルワックスである請求項1に記載の徐放性農薬製剤。
  6. 【請求項6】 農薬活性成分が、水溶解度100ppm
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の徐放性農
    薬製剤。
  7. 【請求項7】 水溶解度100ppm以上である農薬活
    性成分が、一般式(I)(化1) 【化1】 (R1が水素原子、R2がNHCH3、R3が=CH−NO
    2)、(R1が水素原子、R2がNHCH3、R3が=N−
    NO2)、または(R1がメチル基、R2がN(C
    32、R3が=CH−NO2)で表される化合物群より
    選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴と
    する請求項6に記載の徐放性農薬製剤。
  8. 【請求項8】 農薬活性成分、融点が60℃以上で農薬
    活性成分の融点未満で、且つ酸価が10−50mgKO
    H/gであるエステル系疎水性物質、及び無機系希釈担
    体を加熱しながら混合し、造粒した後、粉砕することに
    より得られる徐放性農薬製剤であって、混合及び造粒の
    際の液状部がエステル系疎水性物質、非液状部が農薬活
    性成分及び無機系希釈担体であることを特徴とする農薬
    製剤。
  9. 【請求項9】 エステル系疎水性物質の添加量が、無機
    系希釈担体の総吸油能以下であることを特徴とする請求
    項8に記載の徐放性農薬製剤。
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